JP5153148B2 - 開閉装置 - Google Patents
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Description
そのため、上記従来技術のように、駆動源の負荷が所定の閾値を超えたことを条件に、所定の制御をするようにした開閉装置では、前記異物や摺動抵抗等の影響で誤作動しないように、予め前記閾値を大きめに設定しておく必要がある。
しかしながら、このような構成によれば、上記異常信号に応じて開閉体の動作を停止しようとした場合に、その停止動作が遅れて、障害物に対する衝撃や当接荷重が大きくなってしまうおそれがある。
しかも、駆動源に対し通常時作用する負荷は、開閉体の重量や、開閉体を巻き取る巻取軸に具備されたバランススプリングの特性により異なり、この通常時の負荷が大きい場合には、閾値を大きく設定する必要があるため、前記停止動作の遅れが著しくなる。
また、開閉体の全開により該開閉体の閉鎖方向端部が収納ケースに当接したことを上記従来技術によって検知しようとした場合にも、上記のような停止動作の遅れにより、開閉体に対し不要な引張力を加えることになり、ひいては、開閉装置の耐久性の低下をまねくおそれがある。
更に、開閉体の全閉により該開閉体の閉鎖方向端部が当接対象部位(例えば、床面や地面、枠部材等)に当接したことを上記従来技術によって検知しようとした場合にも、開閉体に対し不要な圧縮力を加えることになるため、全閉状態の開閉体がだぶついたり、開閉装置の耐久性の低下をまねいたり等するおそれがある。
ここで、本形態に係わる開閉装置は、上記駆動源の動力によって上記開閉体をスライドさせて開閉動作させるものであればよく、この開閉装置には、上記開閉体を巻取軸に巻き取るようにした態様や、上記開閉体を巻き取ることなる開放方向側へ収納するようにした態様等を含む。
この物理量を検出する手段は、例えば、上記駆動源の負荷電圧や、負荷電流、負荷回転速度等を直接検出するようにした構成であってもよいし、上記駆動源とは別体に設けられる検出装置によって負荷電圧や負荷電流、負荷回転速度等を間接的に検出するようにした構成であってもよい。
また、本明細書中において「開閉体幅方向」とは、開閉体の開閉方向と略直交する方向であって、上記開閉体の厚さ方向ではない方向を意味する。
また、本明細書中において「開閉体開閉方向」とは、開閉体が空間を仕切ったり開放したりするためにスライドする方向を意味する。
第一の形態によれば、駆動源の動作中、該駆動源の負荷変動に伴い変化する物理量(例えば負荷値や回転速度等)が検出される。そして、検出された前記物理量から求められる変化率が、所定の閾変化率を超えたことを条件に、所定の制御が行われる。
前記変化率と閾変化率との比較は、前記物理量が変化している最中における比較的初期の段階で行うことができる。そのため、負荷値と大きめの閾値とを比較するようにした従来技術に比べて、物理量の変化の検出を早い時点で行うことができる。
よって、開閉体が動作方向側の物体に当接したことを速やかに検出して、制御動作の応答遅れを低減することができる。
したがって、開閉体が動作方向側の物体に当接したことをより高精度に検出することができ、例えば、長期使用等により上記物理量の変化傾向が変わった場合等であっても、その物理量の変化傾向に応じて、閾変化率を適切な値に設定することができる。
また、開閉体が前記全閉近傍範囲内に位置する場合には、物理量の変化があった場合に、当接対象部位(例えば、床面や地面、枠部材等)への当接と予想されるため、開閉体と前記当接対象部位との間に隙間が生じないように、比較的大きな閾変化率を用いることで若干応答を遅くした制御が行われる。
以下の開閉装置の一例は、住宅やビル、倉庫、工場、地下街、トンネル、車両の荷台等の躯体の開口部分や内部に配設され、前記開口部分を開閉したり、躯体内部の空間を仕切ったり開放したりするシャッター装置として説明する。
前記座板部材12は、開閉体10の全開時には、収納部31のまぐさ部(図示しない開口縁部)に当接させるように、例えば、縦断面形状が、開閉体厚さ方向へ突出する部位を有する略逆T字状に形成されている。
この付勢手段32cの付勢力は、巻取体32bに対し回転駆動源35の回転力が作用していない際に、開閉体10を開閉途中で停止させることが可能となるように適宜に設定されている。
このエンコーダ装置36から出力されるパルス信号の数は、後述する制御部38によってカウントされ、そのカウント値は、開閉体10の開閉方向の位置を示す開閉体位置変数として制御部38の記憶装置に記憶される。
より詳細に説明すれば、例えば、開閉体10が閉鎖動作した場合には、前記開閉体位置変数に対しエンコーダ装置36のパルス信号の数(パルス数)が加算され、開閉体10が開放動作した場合には、同開閉体位置変数に対しエンコーダ装置36のパルス数が減算される。
すなわち、開閉体10が閉鎖動作すれば、その閉鎖動作量に応じて開閉体位置変数が増加し、開閉体10が開放動作すれば、その開放動作量に応じて開閉体位置変数が減少する。
なお、前記とは逆に、開閉体10の閉鎖動作に伴って開閉体位置変数が減少し、開閉体10の開放動作に伴って開閉体位置変数が増加する構成とすることも可能である。
より具体的に説明すれば、負荷検出部37は、前記物理量として回転駆動源35の負荷値を、電流値もしくは電圧値として検出する装置であり、その負荷値の大きさに応じた電気信号を制御部38へ出力する。
すなわち、回転駆動源35が一般的な直流モータである場合には、その負荷による電流値の変化量と負荷トルクとは、略比例的な相関関係を有する。したがって、この場合は、回転駆動源35の電流値の変化量を負荷検出部37により検出すれば、回転駆動源35の負荷値を間接的に検知することができる。
また、回転駆動源35が一般的な交流モータである場合には、その負荷による回転速度の変化量と負荷トルクとが比例的な相関関係を有する。したがって、この場合には、回転駆動源35の回転速度変化量を負荷検出部37により検出すれば、回転駆動源35の負荷値を間接的に検知することができる。なお、前記回転速度は、例えば、回転駆動源35における単位時間当たりの回転数を検出した値とすればよい。
制御部38は、エンコーダ装置36、負荷検出部37、図示しない操作部(操作BOXや、リモコン、操作信号を発するコンピュータ、携帯端末等)などから入力される電気信号を、記憶装置の所定領域に記憶するとともに、プログラムに基づいて電子的に演算処理し、その処理結果に応じた制御信号を回転駆動源35へ出力して、回転駆動源35を正転や逆転、停止等させる。
開閉装置1によれば、先ず、図4(a)に示すように閾変化率を決定するための初期動作が行われる。この初期動作は、開閉装置1が通常使用される前に、調整段階として行われる。
この動作は、例えば、開閉装置1の設置時に開閉体10が全開状態である場合には、開閉装置1の設置後に、初めて操作が行われた際に、開閉体10を一旦全閉して全開位置まで開放動作させればよい。
記憶される負荷値データは、例えば、図2及び図3に示す傾向のグラフとなる。
すなわち、開閉体10の全閉位置からの開放動作の直後、負荷値は、経過時間に対し、若干変動しながらも、ある程度一定の値(図示例によれば0.5Nm)で推移してゆく。そして、この負荷値は、開閉体10の座板部材12が収納部31のまぐさ部に当接した直後に、急増する。
ステップ13では、前記負荷値変化率が、初期閾変化率よりも大きいか否かが判断され、大きい場合には次のステップ14へ処理を移行する。そうでなければ、再度ステップ13の処理を行い、時間経過に伴って変化した負荷値変化率について、前記同様の処理が行われる。
この閾変化率は、例えば、図3に示すように、開閉体10の全閉から全開までの動作によって得られた上記負荷値データに基づき計算される値であり、負荷が急激に増加する範囲xにおける単位時間あたりの負荷変動量とすればよい。
前記範囲xは、開閉体10の開放動作を停止した時点qから所定時間tだけ遡った時点からの時間範囲であって、負荷値が急上昇したのを判断可能なように適宜に設定された時間範囲である。前記所定時間tは実験的または理論的に求められる時間とすればよい。
なお、他例としては、前記範囲xを、開閉体10の開放動作を開始した時点から所定時間だけ経過した後の時間範囲としてもよい。
詳細に説明すればステップ21では、図示しない操作スイッチやリモコン等からの開放信号に基づき開閉体10が開放動作しているか否かが判断され、開閉体10が開放動作している場合には、次のステップ22へ処理を移行し、そうでなければ開閉体10の開放動作待ち状態を継続する。
このステップ21の判断は、具体的には、例えば、回転駆動源35を正逆転するためのリレー回路等からの接点信号により判断すればよい。
そのため、全開後の開閉体10に対し引っ張り方向の張力が作用して、該開閉体10や巻取装置30等の耐久性が低下してしまうのを防ぐことができる。
以下に示す態様は、上記開閉装置1に対し、制御部38のプログラムや電子回路等を変更したものである。具体的には、通常開放動作の中で、閾変化率が学習され決定するようになっている。
更に、ステップ37では、開閉体10の全閉から全開までの動作によって得られた負荷値データに基づき、閾変化率が計算される。
この閾変化率は、負荷が急激に増加する範囲x(図3参照)における経過時間あたりの負荷変動量とされる。この場合の範囲xは、開放動作中の開閉体10を停止した時点から遡った時間の範囲とすればよい。
そして、ステップ38では、制御部38の所定の記憶領域に記憶された閾変化率を、前記ステップ37で計算された閾変化率に更新し、処理をステップ31へ戻す。
その後は、開閉体10の全閉から全開までの負荷値データに基づき閾変化率が計算される毎に、制御部38に記憶されている閾変化率が更新される。
図6のフローチャートでは、複数種類の閾変化率として、閉鎖動作中の開閉体10が所定の全閉近傍範囲よりも開放方向側に位置する場合に用いられる第2閾変化率と、閉鎖動作中の同開閉体10が前記全閉近傍範囲内に位置する場合に用いられる第1閾変化率とを備え、前者の閾変化率を後者の値よりも小さくしている。
すなわち、本態様の開閉装置を最初に閉鎖動作させた際には、第1閾変化率と第2閾変化率が双方とも設定されていないため、ステップ44へ処理を移行する。
第1閾変化率を設定するための初期値は、開閉体10の全開から全閉(負荷の急激な上昇を略終えた時点)までの負荷値データを記録できるように、適宜な値に設定されている。
第2閾変化率を設定するための初期値は、前記第1閾変化率を設定するための初期値よりも所定量小さな値に設定される。
全閉近傍領域Eとは、図1に示すように、当接対象部位p側の所定の領域であり、例えば、スラット11aが1枚分〜3枚分程度の範囲とすればよい。
開閉体10の閉鎖方向端部が所定の全閉近傍領域Eに進入した否かは、例えば、エンコーダ装置36の信号に基づき認識された開閉体位置により判断すればよい。また、他例としては、回転駆動源35に設けられたカウンター式リミットスイッチからの信号により判断してもよいし、ガイドレール20に設けられた図示しないリミットスイッチからの信号により判断してもよい。
更にステップ48aでは、開閉体10の全開から全閉までの動作によって得られた負荷値データに基づき、第1閾変化率が計算される。この第1閾変化率は、負荷が急激に増加する範囲における経過時間あたりの負荷変動量とされる。前記範囲は、開閉体10の閉鎖動作を停止した時点から所定時間遡った範囲とすればよい。
そして、ステップ47bでは、開閉体10の閉鎖動作を一旦停止し、反転動作し、再度停止する。
そして、ステップ49bでは、制御部38の所定の記憶領域に記憶された閾変化率を、前記ステップ48bで計算された閾変化率に更新し、処理をステップ41へ戻す。
また、開閉体10の閉鎖方向端部が全閉近傍領域E内に進入している状態で、負荷値の上昇があった場合には、開閉体10が当接対象部位pに当接したと予想されるため、第2閾変化率よりも大きな第1閾変化率を用いることで検出感度を若干鈍くして、開閉体10を停止することで、全閉停止状態の開閉体10の閉鎖方向端部と当接対象部位pとの間に隙間が生じるのを防ぐ。
10:開閉体
30:巻取装置
32:巻取軸
32a:軸体
32b:巻取体
32c:付勢手段
35:回転駆動源
38:制御部
36:エンコーダ装置
37:負荷検出部
p:当接対象部位
E:全閉近傍領域
Claims (5)
- スライドすることで開閉動作する開閉体と、該開閉体を開閉動作させる駆動源とを備え、開閉体が動作方向側の物体に当接したことを検出するようにした開閉装置において、
前記駆動源の動作中に、該駆動源の負荷変動に伴い変化する物理量を連続的又は断続的に検出し、
この物理量の変化率が所定の閾変化率を超えたことを条件に制御を行うようにした開閉装置であって、
前記閾変化率には、第2閾変化率と、検出感度を鈍くするために第2閾変化率よりも大きな値とした第1閾変化率とがあり、
前記開閉体が所定の全閉近傍領域に進入したか否かを判断する判断手段を備え、
閉鎖動作中の前記開閉体が前記判断手段によって前記全閉近傍領域に進入したと判断した場合には、前記物理量の変化率が第1閾変化率よりも大きいことを条件に、前記開閉体の閉鎖動作を停止し、閉鎖動作中の前記開閉体が前記判断手段によって前記全閉近傍領域に進入していないと判断した場合には、前記物理量の変化率が第2閾変化率よりも大きいことを条件に、前記開閉体の閉鎖動作を停止するようにしたことを特徴とする開閉装置。 - 前記物理量の変化率が第1閾変化率よりも大きいことを条件に、前記開閉体の閉鎖動作を停止した場合に、この停止の時点から所定時間遡った範囲における経過時間あたりの負荷変動量を求め、この負荷変動量によって第1閾変化率を更新するようにしたことを特徴とする請求項1記載の開閉装置。
- 前記物理量の変化率が第2閾変化率よりも大きいことを条件に、前記開閉体の閉鎖動作を停止した場合に、第1閾変化率よりも所定量小さな値である閾変化率を求め、この閾変化率によって第2閾変化率を更新するようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の開閉装置
- 閉鎖動作中の前記開閉体が前記判断手段によって前記全閉近傍領域に進入していないと判断した場合には、前記物理量の変化率が第2閾変化率よりも大きいことを条件に、前記開閉体の閉鎖動作を一旦停止し、反転動作し、再度停止するようにしたことを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載の開閉装置。
- 前記判断手段は、前記開閉体が前記全閉近傍領域に進入した否かを、エンコーダ装置の信号に基づき認識された開閉体位置により判断することを特徴とする請求項1乃至4何れか1項記載の開閉装置。
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