JP4837344B2 - 開閉装置 - Google Patents

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Description

本発明は、オーバーヘッドドアを含むシャッター装置、雨戸を含む引戸、窓、ロールスクリーン、ブラインド、オーニング装置、門扉、ゲート、スライディングウォール装置等、構造物の空間部分を仕切るための開閉装置に関し、特にシャッター装置として好適な開閉装置に関するものである。
従来、この種の発明には、開閉体を開閉動作させる回転駆動源に連動してパルス信号を出力するエンコーダ装置を備え、該エンコーダ装置から出力されるパルス信号の数をカウントし、そのカウント値(積算値)から開閉体の開閉方向の位置を認識するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
この発明によれば、前記カウント値から開閉体の開閉方向の位置を精度よく認識することができるため、開閉体を全開位置や全閉位置に停止させることができるのは勿論のこと、同開閉体を所定の中途位置にも停止させることができ、きめ細かな位置制御が可能である。
また、一般的なシャッター装置には、開閉体を開閉動作するための回転駆動源を、動力伝達不能に切り離したり動力伝達可能に接続したりするクラッチ機構(特許文献2参照)を備え、該クラッチ機構により前記回転駆動源を切り離すことで、開閉体を容易に手動開閉できるようにしたものがある。
そこで、前記クラッチ機構を備えたシャッター装置の回転駆動源に連動するように、上記エンコーダ装置を備え、該エンコーダ装置から出力されるパルス信号の数をカウントし、そのカウント値(積算値)から開閉体の開閉方向の位置を把握するようにした発明が提案される。
しかしながら、このような発明によれば、前記クラッチ機構により回転駆動源が切り離され、更に開閉体が手動開閉された場合、制御回路上においてそのことを認識できない上、前記カウント値と開閉体の実際の位置とが整合しなくなり、開閉体の位置制御に支障をきたすおそれがある。
特開2003−82932号公報 特開2005−200902号公報
本発明は上記従来事情に鑑みてなされたものであり、その課題とする処は、回転駆動源がクラッチ機構によって切り離されたか否かを判断することができる開閉装置を提供することにある。
上記課題を解決するために第一の発明は、閉鎖方向端部をスライドさせて開閉する開閉体と、該開閉体を回転駆動源の回転力により開閉動作させる機構と、前記回転駆動源を動力伝達不能に切り離したり動力伝達可能に接続したりするクラッチ機構と、前記回転駆動源の回転量を検出する回転量検出手段とを備え、前記回転量検出手段により検出される回転量を、前記開閉体の開閉方向の位置を示す開閉体位置変数として記憶するようにした開閉装置において、前記開閉体の閉鎖方向端部が着座したことを感知する着座感知手段を備え、前記回転駆動源を動作させていない状態で、前記着座感知手段による感知信号が感知状態から非感知状態に変化した場合に、前記回転駆動源が前記クラッチ機構によって切り離されたものと判断するようにしたことを特徴とする。
ここで、本発明に係わる開閉装置は、開閉体により空間を仕切ったり開放したりする開閉装置であればよく、開閉体を巻取軸により巻き取ったり繰り出したりすることで開閉させる態様や、開閉体を巻取ることなく繰り出したり収納したりする態様等を含む。
また、上記開閉体の好ましい具体例としては、複数のスラットやパイプを開閉方向へ連設してなる態様や、単数もしくは複数のパネルや、シート状物、ネット状物を開閉方向へ設けてなる態様、あるいはスラット、パネル、パイプ、シート状物、ネット状物等を適宜に組み合わせてなる態様等が挙げられ、この開閉体の動作方向は、上下方向や、水平方向、斜め方向等とすることができる。
また、上記「該開閉体を回転駆動源の回転力により開閉動作させる機構」とは、回転駆動源の回転力により上記開閉体を開閉動作させるための機構であればよく、この機構には、開閉体を巻取軸により巻き取ったり繰り出したりするようにした機構や、開閉体を巻き取ることなく歯車機構やワイヤー等により開閉させるようにした機構等を含む。
また、上記回転駆動源には、電動モータや、エアーモータ、その他の回転機器を含むが、制御性を良好にする観点より電動モータとするのが好ましい。
また、上記クラッチ機構は、より具体的には、例えば、上記回転駆動源の出力軸と、開閉体を巻き取ったり繰り出したりするための巻取軸との動力伝達経路を切断したり接続したりする機構等とすればよい。
また、上記回転量検出手段の好ましい具体例としては、上記回転駆動源の回転動作に連動してパルス信号を出力するエンコーダ装置と、該エンコーダ装置のパルス信号の数をカウントする電気回路とを具備した装置とすればよい。
この回転量検出手段の他例としては、上記回転駆動源の回転量を機械的にカウントし、そのカウント値を電気信号として出力する機構や、その他の機構等とすることも可能である。
また、上記着座感知手段の具体例としては、不動部位に、上記開閉体を接触感知または非接触感知するようにセンサー(近接スイッチや、マイクロスイッチ、光電センサー等を含む)を設け、該センサーにより上記開閉体が着座したことを感知する構成等とすればよい。
また、第二の発明では、上記開閉体は、該開閉体をその厚さ方向へ貫通する複数の開口部を備え、前記各開口部は、上記開閉体の着座後における閉鎖方向への動作により閉鎖し、その後における同開閉体の開放方向への動作により開放するように構成され、上記着座感知手段は、閉鎖動作中の上記開閉体が前記複数の開口部の内の全て又は略全てを略全開した状態で着座したことを感知するように設けられていることを特徴とする。
ここで、前記複数の開口部は、それらの略全てが略同時に開閉するものであってもよいし、それぞれが別々のタイミングで順次に開閉するものであってもよい。
また、第三の発明では、上記回転駆動源が上記クラッチ機構によって切り離されたものと判断した場合に、上記開閉体位置変数を上記開閉体の開閉方向の位置に整合させるための所定の処理を行うようにしたことを特徴とする。
また、第四の発明では、上記所定の処理として、上記開閉体が所定位置になったことを上記着座感知手段により感知した際に、上記開閉体位置変数を、前記所定位置を示すように予め設定された所定値に置き換えるようにしたことを特徴とする。
また、第五の発明では、上記所定の処理として、上記回転駆動源を動作させていない状態で上記着座感知手段による感知信号が感知状態から非感知状態に変化した後、上記開閉体が開放動作して略全開して上記回転駆動源の負荷変動が感知された時点の上記開閉体位置変数を、開閉体の全開位置を示す所定値に置き換えるようにしたことを特徴とする。
ここで、この第五の発明における上記所定値は、上記開閉体が開放動作により略全開して上記回転駆動源の負荷変動が感知された時点における上記開閉体の開閉位置を示す値としてもよいし、該値に対し適宜な補正値を加算または減算した値としてもよい。この場合の補正値とは、好ましい一例としては、上記回転駆動源の負荷変動を感知した際に、上記開閉体に作用している開閉方向の引張力を緩和するようにした値とすればよい。
また、第六の発明では、上記所定の処理として、上記回転駆動源を動作させていない状態で上記着座感知手段による感知信号が感知状態から非感知状態に変化した時点で、上記開閉体位置変数を、その時点の開閉体位置を示すように予め設定された所定値に置き換えるようにしたことを特徴とする。
ここで、この第六の発明における上記所定値は、上記回転駆動源を動作させていない状態で上記着座感知手段による感知信号が感知状態から非感知状態に変化した時点における上記開閉体の開閉位置を示す値とすればよいが、該値に対し適宜な補正値を加算または減算した値とすることも可能である。
なお、本明細書中において「開閉体厚さ方向」とは、閉鎖状態の上記開閉体の厚さ方向を意味する。
また、本明細書中において「開閉体幅方向」とは、開閉体の開閉方向と略直交する方向であって、上記開閉体の厚さ方向ではない方向を意味する。
また、本明細書中において「開閉体開閉方向」とは、開閉体が空間を仕切ったり開放したりするためにスライドする方向を意味する。
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような作用効果を奏する。
第一の発明によれば、生産性の良好な簡素な構造により、回転駆動源がクラッチ機構によって切り離されたか否かを判断することができる。
更に、第二の発明によれば、単一の着座感知手段を、クラッチ機構の接続状態を判断するための手段と、および開閉体が開口部を開放した状態で着座したことを判断するための手段との双方に利用することができる。
更に、第三の発明によれば、回転駆動源がクラッチ機構によって切り離されることで、開閉体位置変数と開閉体の開閉方向の位置とが整合しなくなった場合でも、その整合性を回復させることができる。
更に、第四の発明によれば、通常の動作等で開閉体が所定位置になった際に、開閉体位置変数を、適正な値に更新することができる。
更に、第五の発明によれば、回転駆動源を動作させていない状態で着座感知手段による感知信号が感知状態から非感知状態に変化した後、開閉体が略全開した際に、開閉体位置変数を適正な値に更新することができる。
また、第六の発明によれば、回転駆動源を動作させていない状態で着座感知手段による感知信号が感知状態から非感知状態に変化した時点で、開閉体が略全開した際に、開閉体位置変数を適正な値に更新することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本実施の形態による開閉装置の一例は、住宅やビル、倉庫、工場、地下街、トンネル、車両の荷台等の躯体の開口部分や内部に配設され、前記開口部分を開閉したり、躯体内部の空間を仕切ったり開放したりするシャッター装置として説明する。
この開閉装置1は、閉鎖方向端部をスライドさせて開閉する開閉体10、該開閉体10の幅方向(図1における左右方向)の端部を囲み開閉方向へ案内するガイドレール20、開閉体10を回転駆動源35の回転力により巻き取ったり繰り出したりして開閉動作させる巻取装置30等を備え、該巻取装置30内の制御部38により回転駆動源35を制御している。
そして、この開閉装置1は、回転駆動源35の回転量を後述する回転量検出手段により検出し、その検出された回転量を開閉体10の開閉方向の位置を示す開閉体位置変数として制御部38の記憶装置(図示せず)に記憶する。
また、この開閉装置1は、前記開閉体位置変数が異常となった場合に、その開閉体位置変数を、後述するリカバリー手段および再リカバリー手段により正常な値に復帰する。
開閉体10は、横長略矩形状の金属板を曲げ加工してなるスラット11aを、上下に隣接する該スラット間で回動するように複数連接することで開閉体本体11を構成し、該開閉体本体11の閉鎖方向側(図示例によれば下方側)の端部に、当接対象部位p(例えば、床面や地面、枠部材等)に当接させるための座板部材12を開閉体幅方向にわたって接続している(図1参照)。
各スラット11aは、開閉体開閉方向の一端側(図示例によれば上端側)に他のスラット11aに接続するための接続部11a1を有するとともに、その他端側には、他のスラット11aの接続部11a1と掛合する被接続部11a2を有する(図2参照)。
接続部11a1は、縦断面略フック状に形成され、その基端側に、開閉体厚さ方向へ貫通する開口部11a11を有する。この開口部11a11は、換気や採光等のための貫通孔であり、スラット11aの開閉体幅方向へわたって所定間隔置きに複数配設されている(図1(a)参照)。
また、被接続部11a2は、接続部11a1に掛合されるとともに、前記開口部11a11を露出する位置と同開口部11a11を隠蔽する位置との間で、掛合された接続部11a1をスライドさせるように構成してある。
上記構成によれば、開閉体10を閉鎖動作させて、該開閉体10の閉鎖方向端部(詳細には座板部材12)が当接対象部位pに接触した着座時点では、図1(a)に示すように、複数の開口部11a11が開放された状態となる。
そして、更に開閉体10を閉鎖動作させると、開閉体開閉方向へ隣り合うスラット11a,11a間が狭まり、徐々に複数の開口部11a11が閉鎖されてゆき、最終的には、図1(b)に示すように、これら開口部11a11が完全に閉鎖される。
また、ガイドレール20は、アルミ合金材料や鋼板、他の金属板を適宜に加工することによって、開閉体10の幅方向の端部を横断面略コの字状に囲む部材であり、巻取装置30と当接対象部位pとの間にわたって配設されている。
このガイドレール20は、開閉体10の幅方向の両側にそれぞれ配設され、その開閉体閉鎖方向側には、着座感知センサー21や、クラッチ操作レバー22が配設されている。
なお、図示例によれば、左右のガイドレール20,20の内の一方に着座感知センサー21が配設され、他方にクラッチ操作レバー22が配設されているが、その何れか一方に着座感知センサー21及びクラッチ操作レバー22を配設してもよいし、両方に着座感知センサー21及びクラッチ操作レバー22を配設することも可能である。
着座感知センサー21は、座板部材12の幅方向の端部に設けられた磁石(図示せず)を感知し、その感知信号を制御部38に送信する近接スイッチであり、開閉体10の閉鎖方向端部(詳細には座板部材12)が当接対象部位pに着座したことを感知する着座感知手段を構成している。
より詳細に説明すれば、開閉体10が閉鎖動作し、開閉体10における複数の開口部11a11の内の略全てが開放された状態で、開閉体10の閉鎖方向端部が当接対象部位pに着座した時点(図1(a)に示す状態)で、着座感知センサー21は、感知状態となる。
そして、更に開閉体10が閉鎖動作され、前記複数の開口部11a11の内の略全てが略完全に閉鎖された状態(図1(b)に示す状態)では、着座感知センサー21の感知状態が維持される。
また、開閉体10が開放動作された場合には、前記複数の開口部11a11の内の略全てが略完全に開放されるとともに、開閉体10の閉鎖方向端部が当接対象部位pから離れた時点で、着座感知センサー21は被感知状態となる。
また、クラッチ操作レバー22は、外部操作可能にガイドレール20の下端側に支持され、ワイヤー22aによりクラッチ機構34に接続されている。
このクラッチ操作レバー22によれば、外部操作により回動されると、ワイヤー22aが引っ張られ、クラッチ機構34が作動して、回転駆動源35が切り離される。また、逆方向へ回動されると、ワイヤー22aが緩められ、クラッチ機構34の逆方向への作動により回転駆動源35が接続される。
なお、前記クラッチ機構34は、バネなどの付勢手段を備え、該付勢手段によって接続状態へ戻るように付勢されている。
また、巻取装置30は、開閉体10を回転駆動源35の回転力により開閉動作させる機構であり、下部側に開閉体10を出没させるための開口部を形成した収納ケース31内に、開閉体10を巻き取ったり繰り出したりする巻取軸32や、該巻取軸32をチェーン及びスプロケット等の動力伝達手段33やクラッチ機構34を介して双方向へ回転する回転駆動源35、回転駆動源35の回転に伴ってパルス信号を出力するエンコーダ装置36、回転駆動源35の負荷値を検出する負荷検出部37、回転駆動源35を制御する制御部38等を具備している。
巻取軸32は、開閉体10の幅方向へわたる筒状もしくは籠状等に構成され、その軸部分の両端にベアリング等を介して、収納ケース31に対し回動自在に支持されている。
また、回転駆動源35は、交流又は直流の回転式電動機であり、その出力軸の先端側には、クラッチ機構34が設けられている。
クラッチ機構34は、前記回転駆動源35と巻取軸32との間の動力伝達経路に配設され、回転駆動源35を動力伝達不能に切り離したり動力伝達可能に接続したりする周知の機構である。
また、エンコーダ装置36は、回転駆動源35の出力軸の回転に伴ってパルス信号を出力する装置であり、エンコーダ装置36の回転量を検出する回転量検出手段を構成している。
前記回転量検出手段は、エンコーダ装置36から出力されるパルス信号の数を、後述する制御部38の電子回路によってカウントする構成であり、そのカウント値は、開閉体10の開閉方向の位置を示す開閉体位置変数として制御部38の記憶装置に記憶される。
回転量検出手段について、より具体的に説明すれば、開閉体10が閉鎖動作した場合には、前記開閉体位置変数に対しエンコーダ装置36のパルス信号の数が加算され、開閉体10が開放動作した場合には、同開閉体位置変数に対しエンコーダ装置36のパルス信号の数が減算される。
すなわち、開閉体10が閉鎖動作すれば、その閉鎖動作量に応じて開閉体位置変数が増加し、開閉体10が開放動作すれば、その開放動作量に応じて開閉体位置変数が減少する。
なお、この回転量検出手段は、前記とは逆に、開閉体10の閉鎖動作に伴って開閉体位置変数が減少し、開閉体10の開放動作に伴って開閉体位置変数が増加する構成とすることも可能である。
負荷検出部37は、回転駆動源35の負荷値を、電流値もしくは電圧値として検出する装置であり、その負荷値の大きさに応じた電気信号を制御部38へ出力する。
すなわち、回転駆動源35が一般的な直流モータである場合には、その負荷による電流値の変化量と負荷トルクとは、略比例的な相関関係を有する。したがって、この場合は、回転駆動源35の電流値の変化量を負荷検出部37により検出すれば、回転駆動源35の負荷値を間接的に検知することができる。
また、回転駆動源35が一般的な交流モータである場合には、その負荷による回転数の変化量と負荷トルクとが比例的な相関関係を有する。したがって、この場合は、回転駆動源35の回転数の変化量を負荷検出部37により検出すれば、回転駆動源35の負荷値を間接的に検知することができる。
また、制御部38は、着座感知センサー21や、エンコーダ装置36、負荷検出部37、図示しない操作部(操作BOXや、リモコン、操作信号を発するコンピュータ、携帯端末等)などから入力される電気信号を、プログラムに基づいて電子的に演算処理し、その処理結果に応じた制御信号を回転駆動源35へ出力して、回転駆動源35を正転や逆転、停止等させる制御回路である。
この制御部38は、エンコーダ装置36から出力されるパルス信号の数をカウントする回転量検出手段や、負荷検出部37により検出される負荷値が所定の閾値を超えたことを条件に、回転駆動源35を停止する負荷感知停止手段等を構成している。なお、前記閾値は、開閉体10が略全開する際の負荷値を実験的または理論的に求め、適宜な値に設定されている。
更に、この制御部38は、前記回転量検出手段により検出される回転量(より具体的にはパルス信号を積算することで得られたカウント値)を、開閉体10の開閉方向の位置を示す開閉体位置変数として記憶装置に記憶する手段や、開閉体位置変数が異常値となったことを検出した場合に、その開閉体位置変数を初期値にリセットするリカバリー手段や、該リカバリー手段によるリカバリー動作後に、所定の条件に基づいて開閉体位置変数を再度初期値にリセットする再リカバリー手段等を構成している。
なお、この制御部40は、回路構成や設定値等を現場状況等に応じて容易に変更可能なように、例えばマイコンやプログラマブルコントローラー等に用いられているプログラムドロジック回路による構成とするのが好ましいが、リレー回路やその他の電子回路を用いたワイヤードロジック回路とすることも可能である。
また、上記開閉体位置変数を記憶するための記憶装置は、上記開閉体位置情報変数を書換え可能に記憶する装置であればよく、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)や、フラッシュメモリ、その他の不揮発性メモリー、RAM(Random Access Memory)等とすればよい。
次に、開閉装置1の制御動作上の特徴を、フローチャートに基づいて詳細に説明する。
図3のフローチャートは、開閉体位置変数が異常値となった場合における制御部38による処理を示している。
先ず、ステップ1aでは、回転駆動源35への通電がない状態であるか否かが判断され、通電がない状態である場合にはステップ2aへ処理を移行し、そうでない場合には、ステップ1bへ処理を移行する。
回転駆動源35への通電があるか否かは、制御部38における電気回路上の信号により判断可能であり、例えば、回転駆動源35を通電状態にするためのリレーの接点信号から判断する構成とすればよい。
次に、ステップ2aでは、開閉体10が略全閉された状態から開放動作することによって着座感知センサー21(着座感知手段)が感知状態から非感知状態に変化したか否かが判断され、非感知状態に変化した場合には、次のステップ3へ処理を移行し、そうでない場合には当該ステップ2aによる処理を繰り返す。
すなわち、上記ステップ1a,2aでは、回転駆動源35への通電がなく、かつ、着座感知センサー21が感知状態から非感知状態に変化した場合に、回転駆動源35がクラッチ機構34により切り離されて、開閉体位置変数が実際の開閉体位置を示さなくなったものと判断し、以降の処理を行うようにしている。
また、ステップ1bでは、停電後の電源復帰を感知したか否かが判断され、感知した場合にはステップ3へ処理を移行し、そうでない場合には、ステップ1aへ処理を戻す。
なお、停電後の電源復帰があったか否かは、制御部38における記憶装置に、停電の有無により変化する変数である停電フラグ(例えば、停電有りを1、停電なしを0で示す変数)が記憶され、該停電フラグの状態より判断できるようになっている。
そして、ステップ3では、後述する別のフローチャート(図4参照)に示す処理によって開閉体位置変数を正常な値に戻し、その後に、ステップ4へ処理を移行する。
すなわち、上記ステップ1a,2a,1b,3では、回転駆動源35への通電がない状態で着座感知センサー21が感知状態から非感知状態へ変化した場合(ステップ1a,2a参照)や、停電後の電源復帰を感知した場合(ステップ1b参照)等、開閉体位置変数が異常値となったと推定できる場合に、その開閉体位置変数を正常な値に戻す処理を行う。
なお、開閉体位置変数が異常値であるか否かを判断する処理は、上記ステップ1a,2aやステップ1b以外に、開閉体位置変数が制御部38の記憶装置から失われた場合に開閉体位置変数が異常値であると判断する処理や、開閉体位置変数が通常扱われることのない数値となった場合等とすることが可能である。
また、ユーザによる所定の操作(例えば、開放ボタンと閉鎖ボタンを同時に押す操作や、停止ボタンを所定時間以上連続して押す操作等)があったことを条件に、上記ステップ3のリカバリー動作が行われるようにしてもよい。
そして、後述するステップ3による処理の後、ステップ4では、開放動作中の開閉体10が負荷感知停止手段により停止したか否かを判断し、停止した場合にはステップ5へ処理を移行し、そうでない場合には開閉体10が負荷感知停止するまで当該ステップ4による処理を継続する。
すなわち、開閉体10が略全開する際、座板部材12の開閉体厚さ方向の縁が収納ケース31のまぐさ部分に当接するため、回転駆動源35の負荷変動が生じる。このステップ4では、ステップ3以降の通常動作において、前記負荷変動(より具体的には負荷値の急上昇)があった場合に、開閉体10が略全開したものと推測し、その開閉体10の開放動作を停止し、その後に、次のステップへ処理を進める。
そして、ステップ5では、開閉体位置変数と初期値とが略一致するか否かが判断され、略一致しない場合には次のステップ6へ処理を移行し、そうでない場合には、当該フローチャートを終了する。
前記初期値とは、本実施の形態の好ましい一例によれば、開閉体10が略全開状態にある際の開閉体位置を示す値である。
また、「開閉体位置変数と初期値とが略一致する」とは、開閉体位置変数と初期値とが完全に一致した場合としてもよいし、開閉体位置変数と初期値とが所定の誤差範囲内で一致した場合としてもよい。
ステップ6では、後述する別のフローチャート(図4参照)によって開閉体位置変数を再度正常な値に戻し、その後に、当該フローチャートを終了する。
すなわち、上記ステップ4,5,6では、開閉体10の通常動作において、開放動作中の開閉体10が負荷感知停止した際に、その時点の開閉体位置変数が初期値と略一致する場合には、開閉体位置変数が正常値であると判断し、そうでない場合には、再リカバリー動作により開閉体位置変数を正常値に戻す処理を行う。
なお、上記ステップ4,5における条件以外に、ユーザによる所定の操作(例えば、開放ボタンと閉鎖ボタンを同時に押す操作や、停止ボタンを所定時間以上連続して押す操作等)があったことを条件に、上記ステップ6の再リカバリー動作が行われるようにしてもよい。
また、ステップ5において、開閉体位置変数が初期値と略一致しない具体例としては、例えば、図9(b)における従来技術の動作の一例に示すように、開放動作中の開閉体10が異物の噛み込み等により途中停止した場合や、リカバリー動作の後のメンテナンス作業等により開閉体位置変数と実際の開閉体位置とが不整合になった場合等が挙げられる。
次に、図4に示すフローチャート(リカバリー動作)について、詳細に説明する。
先ず、ステップ11では、上述したステップ4と略同様に、開放動作中の開閉体10が負荷感知停止手段により停止したか否かを判断し、停止した場合にはステップ12へ処理を移行し、そうでない場合には開閉体10が負荷感知停止するまで当該ステップ11による処理を継続する。
そして、ステップ12では、開閉体位置変数を初期値にリセットする。
これらステップ11,12の処理動作を図説すれば、図7または図8に示すように、開放動作中の開閉体10が負荷感知停止した時点aで、開閉体位置変数が初期値にリセットされる。
すなわち、このリカバリー動作のフローチャートによれば、開閉体10が通常に開放動作している最中に負荷感知停止された場合には、開閉体10が略全開位置にあるものと推定し、開閉体位置変数を初期値にリセットする。なお、前記負荷感知停止には、開閉体10が異物等の影響により途中停止した状態(例えば図7に示す点aの状態)を含む可能性もあるが、その場合には、後述する再リカバリー動作が行われる。
また、リカバリー動作は、上記フローチャートによる処理動作に限定されるものでなく、例えば、図5に示すフローチャートによる処理動作とすることも可能である。なお、このフローチャート(図5)を用いる場合には、上述した図3のフローチャートを、ステップ1bの後の処理がステップ2aとなるように変更する。
図5のフローチャートによれば、上記ステップ2aの直後に、開閉体位置変数が所定値に置換される(ステップ31参照)。
前記所定値は、着座感知センサー21(着座感知手段)による感知信号が感知状態から非感知状態に変化時点における開閉体10の開閉体位置を示す値であって、実験的あるは理論的に予め求められた値である。
また、リカバリー動作の他例としては、開閉体10が略全閉したことを負荷感知した際に、その時点の開閉体位置を示す所定値に開閉体位置変数を置換したり、開閉体10が所定の中途位置にあることをセンサー等で感知した際に、その時点の開閉体位置を示す所定値に開閉体位置変数を置換したり等することも可能である。
次に、図6に示すフローチャート(再リカバリー動作)について、詳細に説明する。
先ず、ステップ41では、開閉体位置変数が初期値よりも大きいか否かが判断され、大きい場合には次のステップ42aへ処理を移行し、そうでない場合にはステップ42bへ処理を移行する。
ステップ42aでは、開閉体位置変数を再度初期値にリセットし、次の処理で当該フローチャートを終了する。
前記処理について図説すれば、図7に示すように、開閉体位置変数が異常であると判断された後、開閉体10が開放動作中に上記ステップ11(図4参照)により負荷感知停止すると、その時点aで開閉体位置変数が初期値にリセットされる(ステップ12)。
そして、そのリセット後、開閉体10が再度開放動作中に上記ステップ4(図3参照)により負荷感知停止すると、図7に示すように、その時点bの開閉体位置変数が、前記時点aでリセットされた初期値よりも開閉体開放方向側の位置を示す値である場合には、ステップ42aにて開閉体位置変数が再度初期値にリセットされる。
なお、前記のように動作した場合、前記時点aでの負荷感知停止は、異物等の噛み込みに起因し、その異物等が次の開閉体開放動作で外れ、時点bでは開閉体位置変数が正常な値に復帰したと推定され、あるいは、時点aでのリセット後のメンテナンス作業等により、開閉体位置変数と実際の開閉体位置とが不一致な状態となり、その開閉体位置変数が時点bで正常な値に復帰したとも推定されるが、何れにしても、異常値となった開閉体位置変数を正常値にすることができる。
また、ステップ42bでは、その時点(上記ステップ4(図3参照)で負荷感知停止した時点であって、図8のb点)の開閉体位置変数を、仮全開位置値として制御部38の記憶装置に一時的に記憶する。
次のステップ43bでは、開放動作中の開閉体10が負荷感知停止手段により停止した回数(以降、負荷感知停止回数と称する)のカウントを開始する。
そして、ステップ44bでは、開閉体10が次の開放動作において負荷感知停止したか否かが判断され、負荷感知停止した場合にはステップ45bへ処理を進め、そうでない場合には、開閉体10が負荷感知停止するまで当該ステップ44bによる処理を継続する。
次に、ステップ45bでは、前記ステップ44bで負荷感知停止した時点(図8のc点)の開閉体位置変数と、上記仮全開位置値とが略一致するか否かが判断され、略一致する場合には次のステップ46bへ処理を進め、そうでない場合には、ジャンプして当該フローチャートを終了する。
なお、「開閉体位置変数と仮全開位置値とが略一致する」とは、開閉体位置変数と仮全開位置とが完全に一致した場合としてもよいし、開閉体位置変数と仮全開位置とが所定の誤差範囲内で一致した場合としてもよい。
次に、ステップ46bでは、カウントされた負荷感知停止回数が所定回数となったか否かが判断され、所定回数となった場合にはステップ47bへ処理を進め、そうでない場合には、ステップ44bへ処理を移行する。
ステップ47bでは、開閉体位置変数を再度初期値にリセットし、次の処理で当該フローチャートを終了する。
前記処理について図説すれば、図8に示すように、開閉体位置変数が異常であると判断された後、開閉体10が開放動作中に上記ステップ11(図4参照)により負荷感知停止すると、その時点aで開閉体位置変数が初期値にリセットされる(ステップ12)。
そして、そのリセット後、開閉体10が再度開放動作中に上記ステップ4(図3参照)により負荷感知停止すると、その時点bの開閉体位置変数(図示例によれば128)が、仮全開位置値として記憶される(ステップ42b)。
以降の開閉体10の負荷感知停止において、その停止時点の開閉体位置変数が、前記仮全開位置と略一致し、その負荷感知停止回数が所定回数(図示例によればc点とd点の2回)となった場合には、その停止時点dの開閉体位置変数が、初期値に再度リセットされる(ステップ47b)。
すなわち、図8に示すように開閉体10が動作した場合には、時点aでのリセット後のメンテナンス作業等により、開閉体位置変数と実際の開閉体位置とが不一致な状態となったと推定されるが、その開閉体位置変数を、時点dで正常値に復帰することができる。
なお、上記実施の形態によれば、開閉体位置変数と上記仮全開位置値との略一致を判断する具体的態様として、先ずb点で記憶された仮全開位置値とc点の開閉体位置変数とが略一致するか否かを判断し、次にb点で記憶された仮全開位置値とd点の開閉体位置変数とが略一致するか否かを判断するようにしているが、他の態様としては、例えば、b点で記憶された仮全開位置値とc点の開閉体位置変数とが略一致するか否かを判断し、次にc点の開閉体位置変数とd点の開閉体位置変数とが略一致するか否かを判断するようにしてもよいし、また、b点で記憶された仮全開位置値とd点の開閉体位置変数とが略一致するか否かを判断し、次にc点の開閉体位置変数とd点の開閉体位置変数とが略一致するか否かを判断するようにしてもよい。
また、上記実施の形態によれば、開閉体10がd点の開閉体位置変数で示される位置になった際に、開閉体位置変数を初期値にリセットするようにしているが、b点及びc点の開閉体位置変数を記憶しておき、開閉体10がb点又はc点の開閉体位置変数で示される位置になった際に、開閉体位置変数を初期値にリセットするようにしてもよい。
また、b点、c点、及びd点の開閉体位置変数の平均値を算出し、開閉体10が該平均値で示される位置になった際に、開閉体位置変数を初期値にリセットするようにすることも可能である。
本発明に係わる開閉装置の一例を示す模式図であり、(a)は通気採光用の開口部を開放して開閉体が略全閉している状態を示し、(b)は同開口部を閉鎖して開閉体が略全閉している状態を示す。 複数のスラットを接続した状態の縦断面図であり、(a)は通気採光用の開口部を開放した状態を示し、(b)は同開口部を閉鎖した状態を示す。 同開閉装置における制御動作の特徴を示すフローチャートである。 リカバリー動作の一例を示すフローチャートである。 リカバリー動作の他例を示すフローチャートである。 再リカバリー動作の一例を示すフローチャートである。 開閉体動作量に応じた開閉体位置変数の変化の一例を示すグラフである。 開閉体動作量に応じた開閉体位置変数の変化の他例を示すグラフである。 従来の開閉装置において、開閉体動作量に応じてカウント値(開閉体位置変数)の変化の一例を示すグラフであり、(a)は開閉体の全開位置でカウント値がリセットされた状態を示し、(b)は。開閉体の途中位置でカウント値がリセットされた状態を示す。
符号の説明
1:開閉装置
10:開閉体
11a11:開口部
30:巻取装置
34:クラッチ機構
35:回転駆動源
36:エンコーダ装置
37:負荷検出部
38:制御部
p:当接対象部位

Claims (6)

  1. 閉鎖方向端部をスライドさせて開閉する開閉体と、該開閉体を回転駆動源の回転力により開閉動作させる機構と、前記回転駆動源を動力伝達不能に切り離したり動力伝達可能に接続したりするクラッチ機構と、前記回転駆動源の回転量を検出する回転量検出手段とを備え、前記回転量検出手段により検出される回転量を、前記開閉体の開閉方向の位置を示す開閉体位置変数として記憶するようにした開閉装置において、
    前記開閉体の閉鎖方向端部が着座したことを感知する着座感知手段を備え、
    前記回転駆動源を動作させていない状態で、前記着座感知手段による感知信号が感知状態から非感知状態に変化した場合に、前記回転駆動源が前記クラッチ機構によって切り離されたものと判断するようにしたことを特徴とする開閉装置。
  2. 上記開閉体は、該開閉体をその厚さ方向へ貫通する複数の開口部を備え、
    前記各開口部は、上記開閉体の着座後における閉鎖方向への動作により閉鎖し、その後における同開閉体の開放方向への動作により開放するように構成され、
    上記着座感知手段は、閉鎖動作中の上記開閉体が前記複数の開口部の内の全て又は略全てを略全開した状態で着座したことを感知するように設けられていることを特徴とする請求項1記載の開閉装置。
  3. 上記回転駆動源が上記クラッチ機構によって切り離されたものと判断した場合に、上記開閉体位置変数を上記開閉体の開閉方向の位置に整合させるための所定の処理を行うようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の開閉装置。
  4. 上記所定の処理として、上記開閉体が所定位置になったことを上記着座感知手段により感知した際に、上記開閉体位置変数を、前記所定位置を示すように予め設定された所定値に置き換えるようにしたことを特徴とする請求項3記載の開閉装置。
  5. 上記所定の処理として、上記回転駆動源を動作させていない状態で上記着座感知手段による感知信号が感知状態から非感知状態に変化した後、上記開閉体が開放動作により略全開して上記回転駆動源の負荷変動が感知された時点の上記開閉体位置変数を、開閉体の全開位置を示す所定値に置き換えるようにしたことを特徴とする請求項3記載の開閉装置。
  6. 上記所定の処理として、上記回転駆動源を動作させていない状態で上記着座感知手段による感知信号が感知状態から非感知状態に変化した時点で、上記開閉体位置変数を、その時点の開閉体位置を示すように予め設定された所定値に置き換えるようにしたことを特徴とする請求項3記載の開閉装置。
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