JP4731070B2 - 開閉システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は開閉システムに関し、例えば、シャッター、ドア、窓、オーバーヘッドドア、門扉、ゲート(駐車場などのゲート)、ロールスクリーン(例えば遮光幕)、ブラインド、オーニング装置などの遠隔操作システム(リモコンシステム)などに適用し得るものである。
【0002】
【従来の技術】
モータを動力源としてシャッターの開閉動作を行う電動シャッターには種々のタイプがあるが、電力を動力源とし、電気制御によって開閉動作を行う機能(電動動作モード)と、ユーザが手作業によって開閉動作を行う機能(手動動作モード)を兼ね備えたものがある。
【0003】
電動動作モードの場合、前記モータ部分から出力されるエンコーダパルスの数をカウントすることにより、開動作(または閉動作)によるシャッターの移動距離や位置などのパラメータを認識できるため、当該パラメータが所定値に到達したら開動作(または閉動作)を停止することによって、所望の動作終了位置(リミット位置)で、自動的にシャッター動作を停止させることができる。
【0004】
次にこの開動作(または閉動作)と反対方向の動作、すなわち閉動作(または開動作)を行う場合には、基本的に、当該動作終了位置が新たな動作開始位置となり、前記動作開始位置が新たな動作終了位置(リミット位置)となる。
【0005】
一方、ユーザが手作業によって開閉動作を行う手動動作モードにおいては、通常、シャッターの電源は投入されておらず、シャッターの電気系統は機能していないため、シャッターの機械系統のみが、当該ユーザの人力を動力源として開閉動作を行うこととなる。また、この場合、どのような速度で、どこまで開閉するかは、まったくユーザに委ねられている。
【0006】
このような手動動作モードは、停電時や、保守作業時などに用いると便利である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが従来の電動シャッターでは、手動動作モードで開動作(または閉動作)されたあとで電動動作モードに復帰すると、そのときの電動動作モードでは、前記動作開始位置が本来の位置からずれている可能性が高いため、前記エンコーダパルスをカウントすることによって決まる前記動作終了位置も、本来の位置からずれてしまう可能性がある。
【0008】
シャッターの機械的な構造にもよるが、手動動作モードにおけるずれは、通常、シャッターの開閉動作の中間位置寄りにずれる(すなわち、ユーザが完全開放したつもりでも実際には、完全開放にはいたっていない場合、およびユーザが完全閉鎖したつもりでも実際には完全閉鎖にいたっていない場合)ことが多いと考えられるが、その場合、中間位置寄りにずれた位置を動作開始位置として復帰直後の電動動作モードでユーザが完全開放(または完全閉鎖)を指示すると、電動シャッターが機械的な限界を超えて開動作(または閉動作)を完遂しようとするため、モータ等の加熱などによる電気的な破損や、電動シャッターの機械的な破損などが発生するおそれがある。
【0009】
また、この場合、いつまでも当該開動作(または閉動作)は完遂されることがないが、当該開動作(または閉動作)の電動シャッターの電気系統の構成が、ある開動作(または閉動作)が完遂されるまで、次の開閉動作の指示を受け付けないものである場合には、電動動作モードが使用できなくなってしまう可能性があり、操作性が良いとはいえない。
【0010】
このようなケースに対処するため、電動シャッターの開動作(または閉動作)が機械的な限界に到達したことを検出することによって、自動的に開動作(または閉動作)を停止させるようにすることも考えられるが、その場合には、機械的な限界に到達したことを検出するセンサ等が必要になり、コストアップ等の不利益が発生する。
【0011】
また、シャッターの完全開放状態の位置である上限位置と、完全閉鎖状態の位置である下限位置をそれぞれ別個に再設定することで、前記ずれを解消することも考えられるが、それでは再設定のための手数が多く、操作性が低い。
【0012】
なお、以上の課題は、シートシャッター、ガレージ用シャッター、窓用シャッターなどのシャッター用だけでなく、ドア、窓、オーバーヘッドドアなどの他の開閉システムにも共通している。
【0013】
本発明は、利便性が高く操作性が良好な開閉システムを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、本発明では、所定の動作限界情報によって指定される動作限界位置を限度として、所定の軌道上で開閉体を移動することで開閉動作を行う開閉システムにおいて、当該開閉システムの内部の処理として、前記開閉体の軌道上の位置を示す内部位置信号を発生する内部位置生成手段と、前記軌道上の特定位置と、この特定位置に対応する内部位置信号とが整合するように調整する調整処理を実行し、前記動作限界位置間の相対的な距離と当該調整処理の結果を用いて、前記特定位置以外の軌道上の位置についても調整処理を行う集約調整手段を備え、停電等により再設定が必要になった場合には、記憶処理装置が再開され、当該記憶処理装置に、有効な上下限リミット位置データが記憶されているか否かを判断する手段と、前記上下限リミット位置データが記憶されている場合に、手作業によるシャッターの開閉が行われたか否かが検査される手段と、前記手作業によるシャッターの開閉が行われた場合又は前記上下限リミット位置データが記憶されていない場合であって、押し切り動作モードで、前記記憶処理装置内のシャッターの位置と実際のシャッターの位置との間に不整合が発生した場合に、その不整合を調整する調整手順を実行する手段と、前記手作業によるシャッターの開閉が行われなかった場合又は前記不整合を調整した上下限リミット位置データが記憶された場合に通常動作モードにする手段とを備え、前記不整合を調整する調整手順が、上限リミット位置データを消去して押し切り動作モードにする処理と、当該押し切りモードで前記シャッターの下端部が手動により上限位置と認める位置まで移動されることでそれに応じて上限リミット位置データを変更する処理と、確定操作が行われることにより前記上限リミット位置データを再設定する処理と、再設定された上限リミット位置データを基に下限リミット位置データを自動的に再設定する処理とを備えたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
(A)実施形態
以下、本発明にかかる開閉システムを、シートシャッターのための遠隔操作システム(リモコンシステム)に適用した場合を例に、実施形態について説明する。
【0016】
本実施形態では、当該遠隔操作システムは、有線リモコンシステムと前記無線リモコンシステムを混合した混合システムであるものとする。
【0017】
ここで、有線リモコンシステムとは、シャッターシステムを構成要素として含むリモコンシステムであって、有線通信によってシャッター動作を行うものである。
【0018】
一般に、遠くから離れた不特定の位置からシャッター動作を行うことができ、使い勝手が良いという点では前記無線リモコンシステムが有利であり、通信の信頼性の点や、常に特定の位置でシャッター動作を指定したい場合などには、当該有線リモコンシステムが向いている。
【0019】
また、同じシャッターシステムを有線でも無線でも制御できると、融通性に富み、ユーザの都合によりどちらの方法を取ることも可能となる。したがって実際のリモコンシステムは、これら無線リモコンシステムと有線リモコンシステムの特徴を混合した混合システムとすることも少なくない。
【0020】
本実施形態の遠隔操作システムは、シャッター動作に関する動作モードとして、電力供給されているモータを動力源とし、電気制御によって開閉動作を行う電動動作モードと、ユーザの手作業により人力を動力源として開閉動作を行う手動動作モードの2つを備え、また、電動動作モードにおいてシャッター動作を指示するユーザの立場からみた操作モードとして、ユーザが後述する操作スイッチを押し続けている期間だけユーザの操作に応じたシャッター動作を行う制限操作モードと、いったん操作スイッチを押せば、押し続けなくても、その操作に応じたシャッター動作を行う非制限操作モードがある。
【0021】
(A−1)第1の実施形態の構成
シートシャッターの遠隔操作システム10の全体構成例を図2に示す。
【0022】
図2において、当該遠隔操作システム10は、後述する記憶処理部11と、リモコン送信機12と、シートシャッター13と、当該シートシャッター13によって開閉される開口部15とを備えている。
【0023】
このうちシートシャッター13は、鉄などの金属によって構成された多数のスラットを備えるスラットシャッターと異なり、ポリエステルなどの軽い素材によって構成されたシート状のカーテン部を主体とするシャッターである。当該シートシャッター13では、素材が軽量であるから、シャッター13の開閉動作の動力源となるトルクを供給するモータ(図示せず)の出力軸に作用し得る慣性モーメントが小さく、高速な開閉動作が容易に実現できる。一例として、当該モータは、例えばACサーボモータであってよく、シートシャッター13に開動作(または閉動作)を行わせるとき、1秒間に3000回転程度の速度で回転するものであってよい。なお、本実施形態では、シャッターカーテン部が軽い素材であることによる構成上の困難性と、機能の節約のため、当該モータのトルク変動に基づく負荷感知は行わないものとする。
【0024】
高速開閉が可能なことにより、シャッター開放後ただちにシャッター閉鎖を行うこと等が速やかに実行でき、当該シャッター13によって仕切られる空間SP1と空間SP2の相互間で、保温、保冷や、防塵、防虫効果などの向上が期待できる。
【0025】
図2中では、壁WLに設けられたガイドレールGRに沿って矢印D1方向に下端部13Aが移動する閉動作によってシャッター13が閉鎖され、反対に矢印D2方向に移動する開動作によって開放される。なお、図2に示した状態では、シャッター13が完全閉鎖と完全開放の中間位置にある。
【0026】
シャッター13の開閉動作などを行うユーザU1は、壁WLに固定的に設置された固定操作部(操作盤)14を操作するか、または、リモコン送信機12を操作することによって、所望の動作(前記中間位置の変更なども含む)を行わせることができる。
【0027】
当該リモコン送信機12は、例えば、図3に示すような外観を備えている。当該リモコン送信機12は、携帯性に富み、ユーザU1の手の平に収まる程度にコンパクトなパームサイズの送信機である。このようにコンパクトな本体12A内にすべての機能を収容するため、当該リモコン送信機12の機能は極限まで節約する必要がある。
【0028】
図3において、リモコン送信機12の本体12Aはその上面から突出したPBS(プッシュ・ボタン・スイッチ)形式の3つの操作スイッチ51〜53を備えている。これら操作スイッチ51〜53は、シャッター動作(一般的には、開閉体の開、閉、停などの動作)を行わせ得るシャッター操作スイッチである。
【0029】
本実施形態では、当該シャッター操作スイッチ51〜53のうち、シャッター操作スイッチ51は、シャッター13の開動作を行わせるための開動作スイッチで、シャッター操作スイッチ52はシャッター13の閉動作を行わせるための閉動作スイッチで、シャッター操作スイッチ53はシャッター13の開動作または閉動作を任意のタイミングで停止させるための停止スイッチである。
【0030】
そして、閉動作スイッチ52と停止スイッチ53を同時に短く(例えば3秒以内)押すことによって、所定の中間位置(中間停止位置)までの開動作および閉動作(すなわち中間停止動作)を指示できるものとする。
【0031】
必要に応じて、これらの操作スイッチ51〜53の操作を52,53以外の組合せにしたがって組み合わせることにより、もっと複雑な動作を行わせることも可能である。一例として、当該シャッター13がスラットシャッターなどである場合には、換気動作(隣接するスラット間に設けられた開口の大きさを制御することによりシャッターの内外の空気が流通し得ない状態から流通し得る状態へ移行する動作)などが、当該複雑な動作に該当する。
【0032】
当該リモコン送信機12の内部構成例は図4に示す。
【0033】
(A−1−1)リモコン送信機の内部構成
図4において、リモコン送信機12は、無線送信部54と、送信処理部55と、プロセッサ56と、手順記憶部57と、操作検出部58と、操作応答部59とを備え、前記操作スイッチ51〜53は、当該操作検出部58に設けられている。
【0034】
このうち無線送信部54は、図2に示した無線伝送路としての空間TRを介してリモコン受信機を構成する記憶処理装置11内の後述する無線受信部41(図1参照)に対向する部分で、送信処理部55から所定の信号線を介して受け取った送信信号WSに対応した無線信号WL1を無線送信する。そのために、当該無線送信部54は、送信用のアンテナシステムやフィルタ回路などを備えている。当該無線信号WL1は、周波数帯域が例えば、300MHzや400MHz程度で、送信電力が例えば1mW程度の微弱な電波であってよい。
【0035】
また、前記送信処理部55は符号化処理や変調処理などの必要な処理を実行する機能を備え、プロセッサ56から供給される送信処理信号RPに応じて、生成する送信信号WSの内容を変化させる。
【0036】
リモコン送信機12の場合、当該送信信号WSの内容は、例えば、指定するシャッター動作や、ID登録操作などの種類に応じて決定される有限個であるので、送信する情報の発生源(この発生源は、例えばROM(リードオンリーメモリ)などであってよい)も送信処理部55の内部に存在し、前記送信処理信号RPに応じて当該発生源のなかから1つの送信情報を選択して読み出す構成であってもよい。
【0037】
ここで、IDとは、使用する周波数帯域などが同じであるためにリモコン受信機である記憶処理装置11が混同する可能性のあるリモコン送信機を一義的に識別し、真に当該記憶処理装置11に対して無線送信することのできるユーザのリモコン送信機から送信された無線信号WL1だけに基づいて、シャッター13の動作等を行うために使用される識別子である。そのため、リモコン送信機12には無線送信するたびに無線信号WL1のなかに当該IDを収容する証明機構(図示せず)が必要であり、記憶処理装置11には当該IDを識別し、ユーザ認証(または端末認証)を行うための検証機構(図示せず)が必要である。
【0038】
なお、シートシャッターの場合、工場などの建物の内部で、ある部屋と別な部屋を仕切る壁(前記WLに相当)に配置されることも多く、スラットシャッターなどに比べ機械的に脆弱であるためもともと防犯の機能などが弱い点を考慮すると、記憶処理装置11の受信範囲内に他のリモコン送信機が存在せず、真にユーザU1の意図したとおりのシャッター動作を行い得る環境では、当該証明機構や検証機構を省略しても差し障りは少ないものと考えられる。
【0039】
前記送信処理部55に送信処理信号RPを出力するプロセッサ56は、当該リモコン送信機12のCPU(中央処理装置)である。
【0040】
機能が極限まで節約されたリモコン送信機12を操作するユーザU1にとって唯一の遠隔操作手段である上述した3つの操作スイッチ51〜53を設けた操作検出部58は、各操作スイッチ51〜53について、その押し下げストロークが所定の長さに達すると操作検出信号PB1、PB2を出力する部分である。
【0041】
操作検出信号PB1は押し下げを検出した操作スイッチに応じて異なる状態をとり、その操作手順は手順記憶部57に一時的に記憶される。
【0042】
手順記憶部57は一時記憶している手順がどのような操作または入力データを指定しているかを判定して、その判定結果である判定信号DSをプロセッサ56に供給する部分である。
【0043】
前記操作検出信号PB1が前記手順記憶部57に供給されるのと同時に操作応答部59に供給される操作検出信号PB2も、当該PB1と同様に、押し下げを検出した操作スイッチに応じて異なる状態をとるようにしてもよいが、本実施形態では、操作スイッチ51〜53を区別せず、同じ状態をとるものとする。
【0044】
当該操作検出信号PB2を受け取った操作応答部59は、ブザーなどの音響発生器であり、操作スイッチ51〜53の押し下げが有効に検出されたことをユーザU1に伝えるために応答出力RAを出力する部分である。本実施形態では、操作スイッチ51〜53を区別しないので、いずれかの操作スイッチが十分に押し下げられると、一定音程、一定音色のブザー音が応答出力RAとしてユーザU1に聴取されることになる。これにより、ユーザU1は、聴覚的にスイッチ操作の有効性を確認することができる。
【0045】
例えば、パーソナルコンピュータなどでキーボードを操作する場合など、リモコン送信機12に比べるとはるかに大規模で豊富なユーザインタフェースを備えた環境ならば、あるキーの押し下げがマシンに認識されたか否かはビットマップディスプレイなどの画面表示を目視すること等によって容易に確認可能であるが、高度な携帯性が求められるリモコン送信機12は、前述の機能の節約の観点から、機能が極限まで切りつめられるので、どのようにして小規模な構成で効率的にユーザの操作がマシン(ここではリモコン送信機12)に認識されたか否かを確認するかは、重要になる。
【0046】
なおここでは、操作応答部59の応答出力RAを一定音程、一定音色のブザー音としたが、必要ならば、押し下げられた操作スイッチ51〜53または同時に押し下げられた操作スイッチの組合せに応じて音程や音色などを変化させるようにしてもよい。また、音響発生器による聴覚的な手段にかぎらず、LED(発光ダイオード)等の発光素子などを使用して、視覚的な手段で操作スイッチの操作が有効に検出されたことをユーザU1に伝えるようにしてもよく、視覚的な手段と聴覚的な手段を併用してもよい。
【0047】
ところで、本実施形態の記憶処理装置11においては、シャッター動作に関する動作モードとして、前記電動動作モードと手動動作モードがあり、シャッター動作を指示するユーザの立場からみた操作モードとして、前記制限操作モードと非制限操作モードがある。したがって必要ならば、リモコン送信機12から、これらのモード間の移行を制御したり、モード間の移行があったことや、その時点のモードがいずれのモードであるかを明示的に通知する手段を設けるようにしてもよいが、ここでは、リモコン送信機12の機能の節約を重視して、そのような手段は設けないものとする。
【0048】
このため、リモコン送信機12を操作するユーザU1は、例えば、シャッター13を開動作する場合、開動作スイッチ51を押し続けている期間だけシャッター13が開動作を継続し、押すのをやめたとたんに停止すれば、そのとき記憶処理装置11が制限操作モードにあることを認識することとなる。
【0049】
また、リモコン送信機12の例えば開動作スイッチ51を押しつづけてもシャッター13が動作しない場合、ユーザU1は、給電停止や停電などの理由により記憶処理装置11が手動動作モードにあることを認識することになる。モータが動力源となり得ない手動動作モードでシャッター13の開閉を行うには、ユーザU1が手作業で所定のレバー(図示せず)などを操作したり、直接シャッター13の一部を把持して閉動作したりすることが必要である。この場合、シャッター13の開閉に必要な動力源は、ユーザの人力である。
【0050】
記憶処理装置11のほうも、コンパクト性やコスト低減などの観点で、できるだけ機能を節約したほうが好ましいが、リモコン送信機12と異なり通常は固定的に配置されるものなので、機能の節約に対する要求水準はリモコン送信機12ほど厳格ではないと考えられるから、可能なかぎり記憶処理装置11のほうに多くの機能を配分する構成を取ることが、遠隔操作システム10全体として、効率的である。
【0051】
前記リモコン送信機12から無線信号WL1を受信し、前記電動動作モード、手動動作モード、制限操作モード、非制限操作モードを管理する記憶処理装置11の主要部の構成例は、図9に示す通りである。
【0052】
(A−1−2)記憶処理装置の内部構成
図9において、当該記憶処理装置11は、動作範囲メモリ18、中間位置メモリ19と、上限位置メモリ20と、下限位置メモリ21と、優先順位メモリ22と、速度情報メモリ23と、前回動作モードメモリ24と、動作モードメモリ27と、操作モードメモリ28と、誤り検出部30と、手順記憶部31と、操作検出部32と、操作応答部36と、手動開閉検出記憶部37と、障害検出部38と、モータ制御部39と、センサ部40と、無線受信部41と、受信処理部42と、制御部43とを備えている。
【0053】
このうちモータ制御部39は厳密には記憶処理装置11の一部としてではなく、記憶処理装置11の外部であって前記モータの近傍に配置される部分で、電動動作モードでシャッター13の開閉動作の動力源となるモータの動作を制御する。当該モータの出力軸の回転量に応じて出力されるエンコーダパルスも、当該モータ制御部39に内蔵されたエンコーダから信号S23として制御部43へ供給される。
【0054】
制御部43はまた、当該記憶処理装置11のCPUでもあり、前記と反対方向に伝送される信号S23を用いてモータ制御部39を制御し、所望の開動作、閉動作等に応じた動作をモータに行わせる。シートシャッター13の場合、材質などの点から、上述したように機械的に脆弱なので、シャッター13が矢印D2方向に移動して完全開放状態になるときの速度が速すぎると、シャッター収納ボックス(図示せず)にシャッター13が収納されるときの衝撃などによってシャッターカーテンが機械的に破損する可能性もあり、完全開放状態の少しまえにモータの出力軸の回転速度を減速する必要がある。このような減速は、速度情報メモリ23が格納している速度情報VD1またはVD2に基づいて実行されるものである。
【0055】
また、障害検出部38は、センサ部40から供給される信号S16に応じて障害検出信号S22を制御部43に出力する部分である。センサ部40は例えば光電管などのセンサで構成されている。当該光電管は、シャッター13の閉動作中などにシャッター下端部13Aの進行方向に何らかの不測の物体が存在した場合、それを光学的に検出し、検出結果を電気信号S16として出力するセンサである。非制限操作モードにおいては、シャッター13の閉動作中に不測の物体を検出した旨の障害物検出信号S22が供給されると、制御部43はただちに、当該閉動作の停止(または、閉動作から開動作への反転)をモータ制御部39に指示して、シャッター下端部13Aが当該不測の物体に当接すること等を防止する。本実施形態のシャッター13の周辺に配置されるセンサは、当該光電管だけであってよい。
【0056】
ただし障害検出方法は、必ずしも当該光電管に限定する必要はないので、例えば、シャッター下端部13Aの先端に、障害物当接を感知する感知部を設けるような構成でもよい。
【0057】
一方、記憶処理装置11が備える9種類のメモリ18〜24、27、28のうち、動作範囲メモリ18と、中間位置メモリ19と、上限位置メモリ20と、下限位置メモリ21と、速度情報メモリ23と、前回動作モードメモリ24の6種類は、記憶処理装置11に対する給電が停止された場合にもその記憶内容を保持する必要がある。
【0058】
ただしこれらのメモリのうち位置メモリ19〜21に記憶内容の書き換えが必要であるか否かは、後述するように、記憶処理装置11が内部で形成するシャッター13の位置(または移動距離)に関する認識と、実際のシャッター13の位置とのあいだに不整合が発生した場合に実行する調整手順の内容に応じて相違するが、前回動作モードメモリ24には必ず書き換えが必要であり、速度情報メモリ23には書き換えが不要である。
【0059】
速度情報メモリ23以外の書き換えが必要なメモリとしては、EEPROM(フラッシュメモリ:Electrical Erasable Programmable ROM)などの書き込み可能なROM(リードオンリーメモリ)を使用し、書き換え不要な前記速度情報メモリ20や動作範囲メモリ18などには、通常のROMを使用するとよい。
【0060】
また、優先順位メモリ22と、動作モードメモリ27と、操作モードメモリ28の3種類は、給電停止時に記憶内容を保持する必要はないので、通常のRAM(ランダムアクセスメモリ)で構成することが可能である。
【0061】
なお、EEPROMの場合、書き込みには、通常のRAMに比べて長い時間(例えば10ms程度)を要するが、この時間はシャッターの遠隔操作システム10において問題となるほどの時間ではないと考えられる。
【0062】
ただし、必要に応じて、磁気的記憶手段や、十分な電源バックアップ機構を備えたRAMなどで当該ROMを置換することが可能である。一般に、メモリ自体の価格は、EEPROMのほうがRAMよりも高価であるが、バックアップ用の電力消費などの点を考慮すると、運用コストはRAMのほうが高くなる可能性が高い。実際の実装にあたっては、これらの点を考慮して、有利なものを選定すればよい。
【0063】
EEPROMまたはROMで構成される上限位置メモリ20は上限リミット位置データLUPを格納するためのメモリで、下限位置メモリ21は、下限リミット位置データLUNを格納するためのメモリで,中間位置メモリ19は中間位置データINTを格納するためのメモリであるが、これらの各位置データの具体的な格納形態は、記憶処理装置11が内部で形成するシャッター13の位置(または移動距離)に関する認識の形成方法に応じて異なる。
【0064】
本実施形態の場合この認識には、前記エンコーダパルスの数を制御部43内のカウンタ43Aでカウントすることによって得られる累加算値(すなわち、カウント値)を用いるのであるが、そのカウンタ43Aの使用方法に2通りの方法がある。
【0065】
1つは、前回のシャッター動作の終了時のカウント値を保存(この保存には、EEPROMなどの記憶手段を用いる)しておいて今回のシャッター動作の開始時のカウント値とする連続カウント方式であり、もう1つは、各シャッター動作の終了時のカウント値は保存せず、シャッター動作ごとに開始時のカウント値を一定の初期値(ここではこれを、0とする)にリセットする不連続カウント方式である。
【0066】
連続カウント方式を図1(A)に示し、不連続カウント方式を図1(B)に示す。図1(A)および(B)ともに、完全閉鎖状態から開動作(EA1,EB1)を行って完全開放状態に移行し、当該完全開放状態から閉動作(EA2,EB1)を行って完全閉鎖状態に移り、当該完全閉鎖状態から中間位置への開動作(EA3,EB3)を行って、最後に当該中間位置から閉動作(EA4,EB4)を行って、完全閉鎖状態に移る場合の動作を示している。
【0067】
連続カウント方式を示す図1(A)において、完全閉鎖状態では常にエンコーダパルスの累加算値(カウント値)は0であり、予め定められた中間位置では常に5000であり、完全開放状態では常に10000である。
【0068】
したがって、開動作EA1の開始時のカウント値は0,終了時のカウント値は10000であるが、つづいて行われる閉動作EA2の開始時のカウント値には当該開動作EA1の終了時のカウント値である10000が用いられ、閉動作EA2では当該10000からカウント値がデクリメントして行き、0になったところでシャッター13が停止する。同様に、当該0が次の開動作EA3の開始時のカウント値となり、開動作EA3の最後のカウント値5000は次の閉動作EA4の開始時のカウント値となる。
【0069】
これに対し、不連続カウント方式を示す図1(B)においては、各開動作EB1,EB3および各閉動作EB2,EB4の開始時のカウント値は常に0であり、終了時のカウント値は、例えば、同じ完全閉鎖状態で終了する場合でも、その開始時のシャッター13の位置に応じて変化する。一例として、完全開放状態から完全閉鎖状態へ移行する場合には当該終了時のカウント値は−10000であるが、中間位置から完全閉鎖状態に移行する場合には−5000である。
【0070】
したがって図1(B)では、最初の開動作EB1ではカウント値が開始時の0からインクリメントして10000に達したところで停止し、これにつづく閉動作EB2ではまた、開始時のカウント値は0であり当該0からデクリメントして−10000に達したところで停止する。なお、例えば、閉動作EB2の開始時にカウント値は0にリセットされるが、現実のシャッター13は、当該カウント値のリセットにかかわらず完全開放状態にあることは当然である。
【0071】
そして、中間位置への開動作EB3でも0からインクリメントして5000に達したところで停止し、当該中間位置から完全閉鎖状態への閉動作EB4でも、0からデクリメントして−5000に達したところで停止する。
【0072】
このような相違があるため、図1(A)、(B)を前提とすると、連続カウント方式においては、前記上限位置メモリ20に格納する上限リミット位置データLUPとして、例えば、図1の10000を、下限位置メモリ21に格納する下限リミット位置データLUNとして0を、中間位置メモリ19に格納する中間位置データINTとして5000を用いればよいのに対し、不連続カウント方式においては、上限リミット位置データLUPとしては、例えば、図1の10000および5000(この5000は、中間位置からの完全開放状態への移行に備えたもの)を、下限リミット位置データLUNとして−10000および−5000を、中間位置データINTとして5000または−5000を用いればよい。
【0073】
もっとも、カウント値空間の取り方は、必ずしも図1(B)のようにする必要はないため、正負の符号が相違し絶対値の等しいデータ(ここでは、INTの5000と−5000)はどちらかに統一できる。
【0074】
また、上限位置メモリ、中間位置メモリ、下限位置メモリなどという位置別のメモリを設けるのではなく、長距離メモリ72(図10参照)、中距離メモリ73などと、移動距離別のメモリを設ければ、不連続カウント方式のメモリの数は2つで足りることとなる。なお、ここで、長距離とは、例えば、完全開放状態から完全閉鎖状態への移動またはその逆方向の移動の距離(カウント値10000の移動距離)、すなわちシャッター13の最大移動距離を指し、中距離とは、中間位置から完全開放状態または完全閉鎖状態への移動またはそれらの逆方向の移動距離(カウント値5000の移動距離)を指す。
【0075】
このほかにも、これら連続カウント方式と不連続カウント方式には、それぞれ長所と短所があるのであるが、本実施形態では主として連続カウント方式を用いる場合を例に説明する。
【0076】
連続カウント方式を用いる以上、本実施形態では、上述したように、上限位置メモリ20には上限リミット位置データLUPを格納し、下限位置メモリ21には下限リミット位置データLUNを格納し、中間位置メモリ19には中間位置データINTを格納するのが最も効率的でもある。
【0077】
この場合、上限リミット位置データLUPは、シャッター13の開動作における上限の位置を示す情報で、例えば、前記10000などのように整数値を取る。
【0078】
電動動作モードにおけるシャッター13の開閉動作中、モータ制御部39からエンコーダパルスの供給を受ける制御部43は、前記動作開始位置からシャッター下端部13Aが移動を開始した時点より供給されはじめるエンコーダパルスのパルス数をカウントし続けているため、そのカウント値が当該上限リミット位置データLUPに達すると、モータ制御部39にモータへの給電を停止させることができる。必要ならば、モータへの給電停止は、カウント値が当該上限リミット位置データLUPに達するよりも所定パルス数だけまえに実行するようにしてもよい。これは、閉動作の場合も同様であり、給電停止後は、シャッター13が惰性によって移動し、停止する。
【0079】
なお、エンコーダパルスのパルス数をカウントするカウンタ43Aは、ハードウエア的に実現することも可能であるが、ここでは、制御部43にソフトウエア的に実現するものとする。
【0080】
ところで、このようなシャッター下端部13Aの位置(あるいは、相対的な移動距離)の検出は、エンコーダパルスを用いなくても検出可能である。例えば、シャッター13の軌道を画定する前記ガイドレールGRに沿って、下端部13Aを検出する多数のセンサを高密度に配置することによっても、同等な位置(移動距離)の検出が可能であるが、そのように多数のセンサを配置することは、コストアップの要因ともなるので、前記エンコーダパルスを用いるほうが有利である。また、現在実際に製品として使用されている多くのシャッターシステムは、エンコーダパルスを出力する機能を備えているから、本実施形態は、既存のシャッターシステムの機能や構成部品をそのまま有効活用し、施す改変を最小限にとどめることができる点で、実現性に優れている。
【0081】
上限リミット位置データLUPがシャッター下端部13Aの上限位置を示すため、上限位置メモリ20が格納する上限リミット位置データLUPの種類は、シャッター13の取り得る静的な状態の種類に依存することなく1つでよい。例えば、完全閉鎖状態と完全開放状態の2通りの静的状態しか取り得ないシャッターの場合でも、1または複数の前記中間位置を取り得るシャッターの場合でも、上限リミット位置データは1種類である。
【0082】
次に、前記下限位置メモリ21は、当該上限位置メモリ20が格納する上限リミット位置データLUPに対応する下限リミット位置データLUNを格納するメモリで、当該下限リミット位置データLUNは、シャッター下端部13Aの下限の位置を示している。当該下限リミット位置データLUNの種類が、シャッター13の取り得る静的な状態の種類に依存することなく1種類でよい点は、前記LUPと同じである。
【0083】
前記制御部43に信号S21で接続される優先順位メモリ22は、優先順位情報PR1を格納しているメモリである。電動動作モードにおいて使用される当該優先順位情報PR1は、操作モードが前記非制限操作モードである場合は障害検出部38から出力される障害検出信号S22に対応するシャッター動作(すなわち、閉動作の強制的な停止(または、閉動作から開動作への反転))を最も優先順位の高い動作とし、反対に、操作モードが前記制限操作モードである場合には障害検出部38から出力される障害検出信号S22に対応するこのようなシャッター動作よりも、ユーザU1からの指示に応じたシャッターの開閉動作の優先順位を高くする。
【0084】
したがって、当該優先順位メモリ22が格納している優先順位情報PR1の内容は、操作モードに応じて、制御部43が書き換える。当該制御部43は、信号S27を用いて操作モードメモリ28が格納している操作モード情報OMDの内容を参照することにより、必要なときにいつでも、操作モードを確認することができる。
【0085】
同様に、動作モード情報EMD2を格納しているメモリである動作モードメモリ27からも、制御部43は、いつでも動作モード情報EMD2の内容を参照することができる。
【0086】
また、前回動作モードメモリ24は、前回の動作モードを示す前回動作モード情報EMD1を格納しているメモリである。ただしここで、前回とは、給電停止時を基準にした概念で、給電停止時にユーザ(例えばU1)が手作業でシャッター13の開閉を行った場合、給電再開直後には当該前回動作モードメモリ24に、手動動作モードを示す前回動作モード情報EMD1が格納されることとなる。
【0087】
制御部43は、当該前回動作モードメモリ24が格納している前回動作モード情報EMD1が手動動作モードを示す場合、シャッター下端部13Aの位置が想定された位置から変動しており、上限位置メモリ20が格納している上限リミット位置データLUPや下限位置メモリ21が格納している下限リミット位置データLUNの内容をそのまま用いることができないことを認識する。
【0088】
このような場合、上述した調整手順を実行することとなる。
【0089】
当該調整手順では、要するに、記憶処理装置11が内部で形成するシャッター13の位置(または移動距離)に関する認識と、実際のシャッター13の位置とのあいだに存在する不整合を解消すればよいのであるから、大きく分けて、3通りの手順があり得る。
【0090】
第1の調整手順は、記憶処理装置11が形成している認識は変更せずに、シャッター13の位置を当該認識に適合させるものであり、第2の調整手順はこれとは反対に、シャッター13の位置に当該認識を適合させるものであり、第3の調整手順は、シャッター13の位置と当該認識の双方を変更させることで両者を合致させるものである。
【0091】
アルゴリズムとしては第1または第2の調整手順が第3の調整手順に比べて簡単そうにみえるが、いずれの手順を採用するかは、前記連続カウント方式と不連続カウント方式の相違や、遠隔操作システム10の機能を切り詰めなければならない点なども考慮して決定するべき事項である。機能が節約された遠隔操作システム10では、シャッター13が形成している認識の内容およびその内容と実際のシャッター13の位置のずれの大きさや方向を、ユーザU1が知る誤差量検知手段が存在せず、また、そのような手段を設けたとしても、ユーザU1が実行する調整手順の目標(例えば、第1の調整手順の場合、例えば、LUP、INT、LUNのいずれにシャッター13の位置を適合させたのか)を、記憶処理装置11に伝える目標伝達手段も存在しないからである。
【0092】
もちろん必要ならば、このような誤差量検知手段や目標伝達手段を設けて、第1の調整手順を行ってもよく、センサを高密度に配置してシャッター13の位置を記憶処理装置11が認識できるように構成して第2の調整手順を行うようにしてもかまわない。また、調整手順の目標は予め(記憶処理装置11の製造工程などで)決定しておいて、ユーザU1は必ず決定された目標(一例としては、シャッター下端部13Aの上限位置(この場合、当該上限位置にユーザU1が目視しやすい目印を設けるようにするとよい))に向けて調整手順を実行するようにすれば、第1の調整手順の実行のために、前記誤差量検知手段や目標伝達手段を設ける必要はなくなる。
【0093】
連続カウント方式を採用する本実施形態では、このような点も考慮した上で、第3の調整手順に近い調整手順を用いるのが効率的である。
【0094】
当該調整手順では、前記位置データLUP、INT、LUNのいずれか1つを前記制限操作モードで再設定すると、他の2つの値は当該再設定に応じて自動的に再設定される。
【0095】
この自動的な再設定に利用されるのが、前記動作範囲メモリ18である。
【0096】
当該動作範囲メモリ18には、各位置データの差(すなわち、各位置の相対的な距離)が予め格納されており、例えば、LUPとINTの差が5000パルスで、INTとLUNの差が5000パルスで、LUPとLUNの差(シャッター下端部13Aの最大移動距離)が10000パルスであるとの相対距離データLGが、格納されている。
【0097】
中間位置の設定などはシャッター13の設置後にユーザU1などがその位置を自由に決める場合もある(この場合には、中間位置を設定するか否かも、ユーザU1の自由である)が、その場合には、ユーザU1による中間位置の設定操作に応じて、当該LUPとINTの差の5000パルスと、INTとLUNの差が5000パルスの値は変化することになる。
【0098】
ただし、最大移動距離(LUPとLUNの差)を示す10000パルスのほうは、シャッター13の機械的な寸法や、当該シャッター13によって開閉される図2に示す開口部15の高さHT1に応じて決定されるものであるから、製造工程や施工工程などにおいて予め決定することのできる不変の値である。したがって、当該10000パルスは、施工工程などにおいて予め動作範囲メモリ18に格納しておくことができる。
【0099】
そして前記第3の調整手順の最初に実行する制限操作モードによる再設定で、例えば、LUPが10000から10051に変更されたとすると、前記相対距離データLGに基づいて自動的に、51(=10051−10000)が新たなLUNとなり、5051(=10051−5000)が新たなINTとなる。
【0100】
このような自動的な再設定は、簡単な減算(または加算)によって、前記制御部43が実行し、再設定の結果(前記制限操作モードで行った再設定結果も含む)が、新たな位置データ(例えば、LUN)として該当する各位置メモリ19〜21に格納される。
【0101】
当該格納に際して、古いリミット位置データは残しておいてもかまわないが、一般的には、古いリミット位置データが格納されている記憶領域に新しいリミット位置データを上書きするような構成を取ったほうが、メモリ量の節約ができる点で好ましいと考えられる。当該再設定が行われたあとで、制御部43は、前記前回動作モードメモリ24の前回動作モード情報EMD1を、電動動作モードを示すものに書き換える。
【0102】
本実施形態の動作モードには、手動動作モードと電動動作モードの2通りしかないが、遠隔操作システム10が継続的に運用されている場合、通常、当該動作モード情報EMD2は、電動動作モードを示す。
【0103】
ただし記憶処理装置11に対する給電が停止されている状態で、ユーザU1がシャッター13を手動で開閉した場合(このとき、記憶処理装置11は手動動作モードにあるものとみなすこともできるが、記憶処理装置11の各構成要素(制御部43も含む)に対する給電は基本的に停止されているため、制御部43において手動動作モードの認識はまだ形成されていない)、その事象は、手動開閉検出記憶部37によって、検出され記憶されるので、停止されていた給電が再開されたとき、制御部43は必ず手動開閉検出記憶部37が格納している手動開閉有無情報MVを参照して、その内容を、前回動作モード情報EMD1として前回動作モードメモリ24に書き込む。
【0104】
これとほぼ同時に、制御部43が上述したように、動作モードメモリ27に電動動作モードを示す動作モード情報EMD2を書き込むことによって、記憶処理装置11は電動動作モードに復帰する。
【0105】
次に、制御部43と信号S19で接続されている誤り検出部30は、上限位置メモリ20に格納されている上限リミット位置データLUPと、下限位置メモリ21に格納されている下限リミット位置データLUNに関して所定の誤り検出処理を実行する部分である。必要ならば中間位置データINTに関しても、当該誤り検出処理を実行してよいことは当然である。
【0106】
誤り検出処理の具体例としては、様々なものが考えられるが、ここでは、予め同じ値(例えば、上限リミット位置データLUPを示す「10000」)を複数のメモリ領域に格納しておき、誤り検出時には各メモリ領域から読み出したそれらの値を比較することで、誤り検出処理を実行するものとする。例えば、3つのメモリ領域(メモリ領域の数は3つより多くてもよく、場合によっては2つでもよい)に同じ値を格納しておき、各メモリ領域から読み出した値がすべて一致すれば信頼性が高く、誤りが無いと判定し、1つでも違っていれば(例えば、3つのメモリ領域から読み出した値がそれぞれ「10000」、「10010」、「10000」であるようなケース)、信頼性が低く誤りが有ると判定する。
【0107】
この誤り検出処理は、外来のノイズなどによって、メモリの記憶内容に誤りが発生したこと等を検出するものである。
【0108】
誤りが有ると判定された場合には、基本的に、手作業でシャッター13を開閉した場合と同様、リミット位置データLUP、LUNの再設定が必要になると考えられるが、誤り検出処理の方法や誤りの態様によっては、自動的に誤り訂正処理を実行することも可能である。例えば、上述した3つのメモリ領域から読み出した値がそれぞれ「10000」、「10010」、「10000」であるようなケースの場合、多数決により、「10000」が正しく「10010」は誤りであると判定することができるので、誤った「10010」を格納しているメモリ領域に正しい「10000」を上書きし、正しい値は、「10000」であるとする誤り訂正を実行可能である。ただし、3つのメモリ領域から読み出した値がすべて異なる場合(例えば、「10110」、「01010」、「10000」など)にはこのような誤り訂正処理は実行できないので、やはり再設定が必要になる。
【0109】
なお、前記手動開閉検出記憶部37は、記憶処理装置11に対する給電が停止されているときに、手作業によるシャッター13の開閉が行われた場合、その事実を検出し、手動開閉有無情報MVとして記憶しておく部分である。
【0110】
給電が停止されているときに、当該検出および記憶を実行する方法としては、様々なものが考えられる。
【0111】
一例としては、手作業によるシャッター13の開閉が行われると、通常、シャッター13とモータとを機械的に連結する連結機構(図示せず)によって前記モータの出力軸が回転させられ、当該モータが発電機として機能すると考えられるので、当該モータが発電した電力を用いて検出、および記憶を行う方法を取ることもできる。この場合、シャッター13の手作業による開閉が終わると、手動開閉検出記憶部37に対する給電も停止するので、手動開閉検出記憶部37の記憶部は、例えば、前記EEPROMなどを用いて当該手動開閉有無情報MVを記憶しておく必要がある。
【0112】
また、別な方法としては、手動開閉検出記憶部37に独自の電源を付与する方法である。この電源は、例えば、ボタン電池などであってよい。このケースでは、手動開閉検出記憶部37の記憶部は、前記EEPROMであってもよく、RAMなどであってもよい。
【0113】
ただし、モータの発電を利用する場合、手作業によるシャッター13の開閉では、シャッター13の移動距離や移動速度にバラツキが大きいと考えられるため、場合によっては十分な電力が得られない可能性がある点を考慮すると、安定的な電力を得ることのできる独自の電源を付与するほうが実用的であるとも考えられる。
【0114】
なお、独自の電源を付与する場合でも、モータの発電を利用する場合でも、手動開閉検出記憶部37が格納している手動開閉有無情報MVは、記憶処理装置11に対する給電が再開され、制御部43が当該MVを読み出してその内容を前回動作モードメモリ24に書き込んだあとに、消去(無効を意味するビットパターンの書込みでも可)しておく必要がある。
【0115】
ただし、シャッター13とモータとを機械的に連結する前記連結機構の構成が、給電時に手作業(人力)によってシャッター13を開閉した場合に、モータの出力軸と連結機構の機械的な連結を、クラッチのようなもので外して(外さないと、モータが発電機として機能し、結果としてブレーキの役目を果たして当該手作業に対する負荷となるため、手作業による開閉に、より大きな人力が必要となってしまう)、手作業によるシャッター開閉を可能とするものである場合などには、給電時の手作業によるシャッター開閉も、上下限リミット位置データLUP、LUNの信頼性が低いと判定される要因となり得る。
【0116】
前記クラッチで連結が外れた状態で手作業によるシャッター開閉を行うと、モータの出力軸の回転自体が行われないために、給電がなされていても、上下限リミット位置データLUP、LUNなどの値とシャッター下端部13Aの位置が対応しなくなるからである。
【0117】
なお、当該記憶処理装置11には、図9に示すように、前記固定操作部14内に設けられた操作検出部32(および操作応答部33)が有線接続されている。
【0118】
ここで、固定操作部14は、有線接続されている点を除き、基本的に前記リモコン送信機12と同じユーザインタフェースをユーザU1に対して提供する部分である。
【0119】
したがって、当該操作検出部32は前記操作検出部58に対応し、操作スイッチ33は前記操作スイッチ53に対応し、操作スイッチ34は前記操作スイッチ54に対応し、操作スイッチ35は前記操作スイッチ55に対応し、操作応答部33は前記操作応答部59に対応する。また、図4と同じ符号を付与した各信号PB1、PB2、RAの機能も図4と同じである。
【0120】
ただし固定操作部14は、携帯性を要求されない点などでリモコン送信機12よりも多機能化しやすいので、必要ならば、操作スイッチの数を増やしたり、操作応答部33を多機能化したり、液晶ディスプレイ装置を搭載したりすること等も比較的容易である。
【0121】
なお、ここでは、記憶処理装置11を固定操作部14の外に配置しているが、記憶処理装置11の構成要素の全部または一部を、当該固定操作部14内に配置することも可能なことは当然である。
【0122】
なお、本実施形態で制御部43の外部に設けた記憶処理装置11の各構成要素(例えば、27、31など)は、実際の実装では、制御部43の内部で主としてソフトウエア的に実現するようにしてもよい。
【0123】
また、本実施形態では、リモコン送信機12、固定操作部14のいずれを用いることもできるものとしたが、これらの操作の一部をリモコン送信機12だけ(または固定操作部14だけ)で行うことができるようにしてもよいことは当然である。
【0124】
以下、上記のような構成を有する本実施形態の動作を、図7のフローチャートを参照しながら説明する。
【0125】
図7のフローチャートは、P10〜P19の各ステップから構成されている。
【0126】
(A−2)第1の実施形態の動作
遠隔操作システム10の通常の運用状態では、前記上限位置メモリ20には正常な上限リミット位置データLUP(ここでは「10000」とする)が予め記憶処理装置11の施工工程で格納されており、前記下限位置メモリ21には正常な下限リミット位置データLUN(ここでは「0」とする)が格納されている。また、前記中間位置メモリ18にもすでに中間位置データINT(ここでは「5000」とする)が格納されている。
【0127】
そして、ユーザU1が前記リモコン送信機12または固定操作部14を操作することで、所望のシャッター動作を指示すると、指示通りのシャッター動作が、前記非制限操作モードで実行される。
【0128】
例えば、シャッター13が完全開放状態にあるときにリモコン送信機12の閉動作スイッチ52を押して閉動作を指示すれば、当該閉動作スイッチ52を押しつづけなくても、シャッター13は自動的に矢印D1方向へ閉動作を継続し、前記エンコーダパルスが1パルス受信されるごとに、前記カウント値は10000からデクリメントされて行く。そして、当該カウント値が0となったときに、シャッター13は完全閉鎖状態で自動的に停止する。その場合のシャッター13の移動距離と移動速度の関係は、図6の点線で示す速度情報VD1にしたがう。
【0129】
速度情報VD1では、供給されるエンコーダパルスの累積値が0に近い動作開始位置(ここでは完全開放位置)付近では移動速度は遅いものの加速によって移動速度は速やかに定常速度VL1に到達する。それ以降は、動作終了位置(ここでは完全閉鎖位置)の直前まで当該定常速度VL1の定速度による移動が継続され、動作終了位置の直前で減速されて、カウント値がほぼ0となる動作終了位置で停止する。
【0130】
ただし、もしも当該閉動作の途中でセンサ部40の光電管が不測の物体を検出した場合には、優先順位メモリ22が格納している優先順位情報PR1にしたがって、当該閉動作は強制的に、なおかつただちに停止され、必要に応じて閉動作から開動作への反転なども行われる。
【0131】
次に、このような通常の運用状態において、外来のノイズなどのために上限位置メモリ20および下限位置メモリ21が格納しているリミット位置情報LUPまたはLUNのいずれか(または双方)に誤りが有ると誤り検出部30が判定した場合、上述した多数決に基づく誤り訂正処理で、当該誤りが訂正できれば訂正し、訂正できない場合には、LUP、LUNの再設定を行う必要が生じる。このような再設定は、中間位置データINTに対しても行われ得る。
【0132】
もっとも、中間位置データINTの場合、一般的には、少し位置がずれたとしても、LUPやLUNほどの不都合は生じないとも考えられるので、INT自体の誤り検出処理や、LUPおよびLUNには誤りが無く、INTだけに誤りが検出された場合の再設定は省略することも可能である。
【0133】
一方、不測の停電や、ユーザU1などが行う操作に基づいて、記憶処理装置11に対する給電が停止され、なおかつその給電停止状態でユーザU1などが手作業でシャッター13を開動作方向または閉動作方向に少しでも移動させた場合にも当該再設定が必要となる。
【0134】
図7のフローチャートは、当該給電停止状態から、記憶処理装置11に対する給電が再開されたときより開始される(P10)。
【0135】
記憶処理装置(制御盤)11に対する電源投入により給電が再開されると(P11)、有効な上下限リミット位置データLUP、LUN(、ならびに必要な場合には、中間位置データINT)が記憶されているか否かが検査され、記憶されていない場合には処理はステップP15へ進み(P12の「いいえ」側の分岐)、記憶されている場合にはステップP13に進む(P12の「はい」側の分岐)。
【0136】
ここでは、LUPやLUNの値は施工工程で該当する位置メモリ20,21に格納するものとしたため、遠隔操作システム10がすでに運用されているこのケースでは位置メモリ20,21に有効なデータが格納されていないことはあり得ない。したがって、ステップP12の「いいえ」側の分岐が選択されるのは、前記誤り検出部30によって、自動的に誤り訂正処理を施すことができない誤りが検出された場合などに限られる。
【0137】
ステップP12の「はい」側の分岐につづくステップP13では、制御部43が前記手動開閉検出記憶部37が格納している手動開閉有無情報MVを参照することで、給電停止状態に手作業によるシャッター13の開閉が行われたか否かが検査される。手作業によるシャッター13の開閉が行われていなければ、ステップP13は「いいえ」側に分岐し、電動動作モードにおける前記非制限操作モード(すなわち通常動作モード)に移行し(P18)、行われていれば、ステップP14の消去が行われる。
【0138】
なお、メモリは一般に、同じメモリ領域に新たなデータを書き込めば(すなわち、上書きすれば)、それまで書き込まれていたデータは失われ、新たに書き込んだデータだけが記憶されるので、必要に応じて、当該ステップP14は省略可能である。
【0139】
当該ステップP14につづく(P14を省略した場合にはP13につづく)ステップP15とP16では、前記制限操作モード(押し切り動作モード)による再設定が開始され、前記調整手順が実行される(P16)。
【0140】
上述したように、本実施形態の調整手順においては、前記調整手順の最初にある位置について前記制限操作モードによる再設定を行い、これにつづいて、当該再設定の結果と、動作範囲メモリ18が格納している相対距離データLGに応じ、他の位置に関する自動的な再設定を行う。
【0141】
通常、リモコン送信機12などを操作するユーザU1が非制限操作モードで開動作を指示し、シャッター13が完全開放状態で自動的に停止すると、そのときのシャッター下端部13Aは、例えば、図5(A)に示すように、上限マークUMが指定する上限位置にある。同様に、リモコン送信機12などを操作するユーザU1が非制限操作モードで閉動作を指示し、シャッター13が完全閉鎖状態で自動的に停止すると、そのときのシャッター下端部13Aは、例えば、図5(B)に示すように、下限マークNMが指定する下限位置にある。本実施形態の非制限操作モードによれば、移動途中の動的な位置は別として、移動終了後の静的なシャッター下端部13Aの位置としては、図5(A)の上限マークUMが指定する位置、図5(B)の下限マークUNが指定する位置と、これらの中間の中間位置のいずれかしかあり得ない。
【0142】
ところが、記憶処理装置11に対する給電が停止されている状態で、ユーザU1などが手作業により、シャッター13を移動させると、例えば、図5(C)のように、これらのいずれにも該当しない静的な位置IR1で、シャッター下端部13Aが停止することが起こる。
【0143】
前記ステップP13で「はい」側の分岐した場合が、この図5(C)のケースに該当する。
【0144】
位置メモリ20,21に、上限リミット位置データLUPとして10000が格納され、下限リミット位置データLUNとして0が格納されているとすると、前記シャッター下端部13Aが、下限マークNMで指定される位置(完全閉鎖位置)を動作開始位置として当該動作開始位置から、動作終了位置である上限マークUMで指定される位置(完全開放位置)まで移動したとき、累加算されたエンコーダパルスのカウント値は、当該10000であり、反対に、上限マークUMで指定される位置(完全開放位置)を動作開始位置として当該動作開始位置から、動作終了位置である下限マークNMで指定される位置(完全閉鎖位置)まで移動したとき、当該10000に対し累加算(この場合は減算)されたエンコーダパルスの総数は10000で、カウント値は0である。
【0145】
ところが、図5(C)の位置IR1と上限マークUMが指定する位置との誤差ELが、例えば、1000パルスに相当する距離であるものと仮定すると、もしもそのまま、前記非制限操作モードでユーザU1が閉動作(完全閉鎖)を指示すると、シャッター下端部13Aは下限マークNM(この場合、当該NMは、カウント値1000の位置に相当)を超えて、当該下限マークNMが指定する位置よりもさらに1000パルス分下方にある位置IR2までに移動しようとする。この場合この位置IR2が、カウント値0の位置となるからである。もちろん、当該位置IR2までシャッター下端13Aが到達することは不可能であるから、そこで上述したモータ等の加熱などによる電気的な破損や、電動シャッターの機械的な破損などの様々な現象が発生するおそれがある。
【0146】
これに対応するために行われるのが、前記ステップP16の調整手順である。
【0147】
当該調整手順の最初に実行される前記制限操作モードによる再設定のフローチャートは、例えば、図8に示すようになる。図8のフローチャートは、P30〜P38の各ステップから構成されている。
【0148】
図8においては、上限設定スイッチ(これは専用の操作スイッチをリモコン送信機12や固定操作部14に設けてもよく、操作スイッチの組合せ(例えば、開動作スイッチ51と閉動作スイッチ52の同時押し)によって、上限設定スイッチであることを示すようにしてもよい)を3回押すことで上限リミット位置データLUPを消去し(P31、P32)、再設定処理に移行する。ただし消去したLUPの値は、LUP以外の位置データの自動的な再設定のために必要(これをこの時点で消去してしまうと、再設定によってどれだけ上限リミット位置データLUPが変化したのかを制御部43が算出できなくなり、自動的な再設定を行えなくなる)なので、位置メモリ20上からは消去してもよいが、少なくとも、制御部43が読み出せる形で記憶しておく必要がある。
【0149】
再設定処理では、前記制限操作モード(押し切りモード(P33))でシャッター下端部13AをユーザU1が上限位置と認める位置(再設定用上限位置)まで目測により移動させる(P34)。このとき制御部43は前記速度情報メモリ23から読み出した速度情報VD2に基づいて、移動速度を制御する。VD2ではVD1と異なり、動作終了位置の直前で移動速度がVL1からVL2まで低下するため、ユーザU1は容易に、シャッター下端部13Aを目標へ正確に到達させて、前記上限リミット位置データLUPである10000の値を変更することができる。一例として、VL1が示す移動速度が0.6m/s程度であるものとすると、VL2が示す移動速度は0.1m/s程度であってもよい。
【0150】
なお、VD2のように移動速度を変化させるには、何らかの手段で、制御部43が動作終了位置を認識すること等が必要となるため、そのような手段を省略したい場合には、制限操作モードの移動速度は、VL2で統一したり、ユーザU1からの操作によって移動速度をVL1からVL2に変化させたりするとよい。
【0151】
そして、ユーザU1が目測により上限マークUMの指定位置と合致した位置で下端部13Aが静止したと判断したときに所定の確定操作を行って、再設定用上限位置を決める。この確定操作は、例えば、前記上限設定スイッチを3秒間押し続けることであってよい(P36)。
【0152】
再設定用上限位置へのこの移動は、ほぼ目標に近い位置に到達するための移動である概略的な移動と、正確に目標に到達するための微調整にわけることができる。少なくとも当該微調整は、図6に示すVL2のような低速度で行うことが望ましい。
【0153】
ステップP36の確定操作によって、新たなLUPの値が決定されるが、新LUPの値は、前記ステップP32で消去した旧LUPの値に対して、位置IR1から上限マークUM近傍のユーザU1が選定した再設定用上限位置までの距離に対応するエンコーダパルス数を加算(または減算)した値となる。ここでは加算するものとすると、位置IR1とマークUMの距離は1000パルスであるから、再設定によって得られる新LUPは11000となる。必要に応じて、ユーザU1は、ステップP33〜P36のループを何度でも繰り返し、再設定(すなわち再設定用上限位置の選定)をやり直すことができる(P36の「いいえ」側の分岐)。
【0154】
ただし、この再設定用上限位置の選定は、ユーザU1の目測に依存しているため、誤差ΔEが混入し、当該再設定で得られるパルス数は通常、上述した「11000」にはならず、例えば「11005」などとなる。この場合、「5」パルス分の距離ΔEが誤差であり、当該距離ΔEだけユーザU1が再設定用上限位置を上に見積もったことになる。
【0155】
ただし、シャッター13のシステムを含め一般的に機械的な機構には、ある程度のアソビが存在するので、上限、下限のリミット位置データLUP、LUNに誤差が存在したとしても、その割合が小さければ、機械的に正常に機能することが可能である。もし必要ならば、前記誤差ΔEが大きすぎる場合には、再度、ユーザU1に再設定を行わせるようにしてもよい。
【0156】
再設定用上限位置が誤差ΔEを含んで当該「11005」に確定したものとすると、これをもとにLUNなどの自動的な再設定が行われる(P37)。
【0157】
前記動作範囲メモリ18に前記最大移動距離の相対距離データLGとして、10000パルスが格納されているものとすると、自動的な再設定により決定される新たなLUNの値は、1005(=11005−10000)となる。また、新たなINTの値は、6005(=11005−5000)となる。
【0158】
これにより、図7に示すステップP16の第3の調整手順の実行による再設定が終了すると、図7のフローチャートのステップP17は「はい」側に分岐して、電動動作モードにおける前記非制限操作モードを使用することのできる通常動作モードに復帰する(P18)。
【0159】
なお、状況によっては、前記電動動作モードにあっても、ユーザU1がリモコン送信機12などを用いずに手作業によってシャッター13を開閉することも起こり得ると考えられるが、その場合には、制御部43が当該開閉によるシャッター13の移動距離を、前記エンコーダパルスを累加算することによって認識できるように構成すれば、リミット位置データの値とシャッター下端部13Aの位置とが対応しなくなることを防止することが可能である。
【0160】
(A−3)第1の実施形態の効果
本実施形態によれば、従来に比べ、新たなセンサの追加などを不要としながら、利便性が高く、操作性が良好な遠隔操作システムを提供することが可能である。
【0161】
しかも、本実施形態では、1つの位置データ(例えば、LUP)に対する再設定を行えば、他の位置データに対する再設定は自動的に実行されるため、操作性が非常に高く、使い勝手がよい。
【0162】
(B)第2の実施形態
以下では、本実施形態が第1の実施形態と相違する点についてのみ説明する。
【0163】
第1の実施形態では、主として、連続カウント方式を用いる場合を説明したが、本実施形態では、不連続カウント方式を用いる。
【0164】
(B−1)第2の実施形態の構成および動作
本実施形態のシートシャッターの遠隔操作システム10の全体構成例は、第1の実施形態を示した図2とまったく同じであってよい。また、本実施形態の記憶処理装置11の主要部の構成例も、第1の実施形態の図9と基本的に同じである。ただし、図1中に点線で囲んで示したメモリユニット部70の内部構成は相違する。
【0165】
このメモリユニット部70に対応する本実施形態のメモリユニット部71の内部構成は、図10に示す通りである。
【0166】
図10において、当該メモリユニット部71は、長距離メモリ72と、中距離メモリ73とを備えている。
【0167】
ここで、長距離メモリ72は、前記上限位置メモリ20,下限位置メモリ21および動作範囲メモリ18の機能を併せ持つメモリであり、当該長距離メモリ72に格納されている長距離データLDは、前記シャッター下端部13Aの最大移動距離を示す。当該長距離データLDの値は変更する必要がないので、当該長距離メモリ20はROMなどの書き換えできない記憶手段によって構成することができる。
【0168】
また、中距離メモリ73は、前記中間位置メモリ19,上限位置メモリ20,下限位置メモリ21および動作範囲メモリ18の機能を併せ持つメモリであり、格納している中距離データMDは、ユーザU1が中間位置の設定を変更し得る構成を取る場合には書き換えられることとなるため、EEPROMなどの書き換え可能な記憶手段を用いる必要がある。
【0169】
不連続カウント方式を用いる本実施形態では、制御部43のカウント値がシャッター13の相対的な移動距離を示すため、このような構成が効率的である。
【0170】
このような本実施形態における前記調整手順としては、上述した第1の調整手順を用いるのが効率的である。すなわち、記憶処理装置11が形成している認識(位置メモリ72,73が格納している距離データLD、MD)は変更せずに、シャッター13の位置を当該認識に適合させる調整手順を用いるものである。
【0171】
例えば、予め前記上限マークUM(下限マークNMなどでも可)を設けておき、当該調整手順では、前記制限操作モードを用いて、当該上限マークUMの位置にシャッター下端部13Aを移動させるだけである。距離データLDやMDはもともと相対的な移動距離を示しているのであるから、移動の基点となる原点の調整を行うだけで、調整手順は終了する。
【0172】
(B−2)第2の実施形態の効果
本実施形態によれば、第1の実施形態の効果と同等な効果を得ることができる。
【0173】
加えて、本実施形態では、メモリユニット部の構成も、調整手順も簡略で、いっそう効率的である。
【0174】
(C)他の実施形態
上記実施形態では、本発明を混合システムに適用した場合を例に説明したが、本発明は、専用の無線リモコンシステムまたは有線リモコンシステムのいずれかに適用することも可能である。
【0175】
有線リモコンシステムに適用する場合、リモコン送信機は所定の装着部などに装着して、前記固定操作部14を使用する場合のように、有線伝送路を介して記憶処理装置11と通信するようにしてもよい。
【0176】
なお、上記実施形態では、無線信号WL1は周波数帯域が300MHzや400MHz程度で、送信電力が1mW程度の微弱な電波であったが、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。これよりも高い周波数や低い周波数の電波を使用してもよく、赤外線などを使用してもよい。また、送信電力もこれよりも大きくしてもよく、小さくしてもよい。
【0177】
また、上述した上限や下限のリミット位置データLUP、LUNの記憶を工場出荷時に、例えば、消去しておいたり、有り得ない値としておくことによって積極的に、上下限リミット位置データLUP、LUNの信頼性が低いと判定されるようにしておくこともできる。これにより施工現場でのシャッター取付時には前記非制限操作モードが使えず、制限操作モード(押し切り動作モード)を用いるしかなくなるため、運用状態における上下限リミット位置データLUP、LUNの設定前のシャッター動作確認等が、より可用性の高い態様で実行できる。
【0178】
なお、上記第1の実施形態では、再設定の結果は、新たな位置データ(例えば、LUN)として該当する各位置メモリ19〜21に格納して位置データ自体を書き換えるようにしたが、位置データ自体の書き換えは行わず、誤差を補正する差分値のみを書き換えるようにしてもよい。この場合、差分値を記憶するための記憶領域はLUNなどを記憶するものとは別に用意し、再設定時には、別に用意した記憶領域の差分値だけの書き換えを行うので、LUN等の書き換えは行う必要のない構成となる。
【0179】
また、上記実施形態では調整可能範囲に制限はなかった(すなわち、前記位置IR1はどこであってもよかった)が、当該位置IR1に一定の制限を設けるようにしてもよい。これは、記憶処理装置11などのシステム内部で、再設定(あるいは調整)の結果として得られる前記LUN等の位置データ、あるいは、前記差分値の数値範囲に一定の制限を設けることに等しい。同時にこれは、物理的には(すなわち、ユーザU1の立場からみた場合)、再設定によってシャッター下端部13Aが移動する範囲に制限を設けることに等しい。
【0180】
このような制限を設けることにより、再設定の操作を時間的にも手数的にも簡略化し、大幅な再設定誤りや調整誤りの発生を防止することができる利点がある。ユーザU1がシャッター13の操作に習熟している場合などには、たとえ手作業でシャッター13を開閉したとしても、それほど大きな誤差ELは生じない可能性が高い(誤差ELが大きい場合には、ユーザU1が手作業で誤差ELを小さくしたあとで再設定を行うようにしてもよい)から、このような制限を設けることも十分に実用性がある。
【0181】
また、このような制限を設けるケースにおいては、一回あたりの再設定操作は当該制限によって規制されるものの、制限された再設定操作を複数回繰り返すことによって制限無しの場合と同等な再設定を可能としてもよいし、特殊な操作や初期設定を行わない限り、再設定操作の操作回数自体にも、一回または二回などの制限を設けて、制限無しの場合と同等な再設定を不可能としてもよい。当該制限の具体値は、一例として、下限マークNMが指定する下限位置での再設定については、当該下限位置から50mm以内などであってよい。
【0182】
さらに、上記第1、第2の実施形態では再設定操作を行うものとしたが、もし必要ならば、ジャンパー線を切断するか否か等に応じて、再設定操作を有効としたり無効としたりできるように構成してもよい。
【0183】
なお、上記第1および第2の実施形態を一般化すると、所定の動作限界情報によって指定される動作限界位置を限度として、所定の軌道上で開閉体を移動することで開閉動作を行う開閉システムにおいて、当該開閉システムの内部の処理として、前記開閉体の軌道上の位置を示す内部位置信号を発生する内部位置生成手段と、当該開閉体の前記軌道上の位置と当該内部位置信号が示す位置に誤差が発生したことをユーザが認めた場合に、前記軌道上の限定された位置に対して当該誤差を解消する調整処理を実行し、前記動作限界位置間の相対的な距離と当該調整処理の結果を用いて、軌道上の限定外の位置についても自動的に調整処理を行う集約調整手段を備える開閉システムと表現することもできる。
【0184】
さらに、前記開閉動作とは、開方向のみ、閉方向のみ、または開閉両方向の移動動作を意味する。また、「閉」は開口部が存在するような場合にはこれを閉鎖する方向への移動を意味する概念であり、繰り出し、スライド移動、展張等を含む開閉体の前進を意味し、「開」は開口部が存在するような場合にはこれを開放する方向への移動を意味する概念であり、巻取り、収縮、折り畳み等を含む開閉体の後退を意味する。
【0185】
なお、上記実施形態では、エンコーダが出力するエンコーダパルスは、シャッター下端部13Aの絶対的な位置を検出できず相対的な移動距離のみを示すことができるものであったが、必要ならば、絶対的な位置を検出することのできるアブソリュート型のエンコーダを用いることも可能である。
【0186】
また、上記実施形態では、給電停止時に手動動作モードで手作業によるシャッター13の開閉を行った場合や、自動的に訂正処理することができない誤りが発生した場合などに、位置データの再設定を行うものとしたが、再設定の原因は、これらに限らない。例えば、経年による劣化でシートシャッター13のシャッターカーテンが上下に伸びた場合なども、再設定の原因となり得る。
【0187】
また、上記第1の実施形態では、主として、第3の調整手順を用いるものとしたが、すでに述べたように、第1の調整手順や第2の調整手順を用いることも可能である。同様に、第2の実施形態でも、第1の調整手順にかぎらず、第2の調整手順や第3の調整手順を用いることも可能である。
【0188】
なお、上記実施形態の構成要素のいくつかを省略したり、他の機能を持つ構成要素に置換したりしても本発明の効果を得ることは可能である。
【0189】
例えば、給電再開直後には必ず前記再設定処理を行うような構成を取る場合には、前記手動開閉検出記憶部37は省略可能である。
【0190】
また、上記実施形態では、リモコン送信機12に搭載する機能をできるだけ少なくし、できるだけ多くの機能を記憶処理装置11側に配分する構成を取ったが、必要ならば、記憶処理装置11が搭載している機能の一部をリモコン送信機12側に搭載する構成を採用することもできる。
【0191】
さらに、上記実施形態では、操作スイッチは、PBS形式のスイッチであるものとしたが、本発明は、PBS形式のスイッチに限って適用されるものではない。スライド式スイッチや回転式スイッチなどを使用してもよく、圧力や温度、静電気の変化などに反応する各種のスイッチを適用することもできる。
【0192】
なお、上記実施形態においては主として、シートシャッターについて本発明を適用したが、本発明はシートシャッター以外にも、ガレージ用シャッターや窓用シャッターなど各種のシャッターに適用することも可能である。
【0193】
さらに本発明は、シャッター用としてだけでなく、ドア、窓、オーバーヘッドドア、ロールスクリーン(例えば遮光幕)、ブラインド、オーニング装置などの他の開閉装置の混合システムにも適用することが可能である。
【0194】
また、以上の説明において、情報の流れる方向は、基本的にはリモコン送信機からリモコン受信機(記憶処理装置11)へ向かう単方向であったが、本発明の適用範囲はこのような単方向通信に限定されるものではない。
【0195】
すなわち当該リモコン送信機を送信専用の通信機器ではなく遠隔操作用の送受信機である操作送受信機に置換するとともに、当該リモコン受信機を受信専用の通信機器ではなく遠隔被操作用の送受信機である被操作送受信機に置換し、必要に応じて全二重通信や半二重通信が行えるようにしてもよい。
【0196】
このとき操作送受信機から被操作送受信機に向かう無線信号に含まれている信号は、前記シャッター動作などを指示する動作状態指示信号であってよく、反対に被操作送受信機から操作送受信機に向かう無線信号に含まれている信号は、シャッター動作の現状を報告するための動作状態報告信号であってよい。
【0197】
当該動作状態報告信号は、その時点のシャッター動作状態が、例えば、「全開放状態」、「全閉鎖状態」、「一部開放状態(部分的に開放して停止している状態)」、「開動作中」、「閉動作中」、「異常発生」、モード(非制限操作または制限操作等の)状態などであることを示す信号であってよい。
【0198】
この場合、当該動作状態報告信号を受け取ることによって、操作送受信機のユーザは、シャッター動作状態が例えば当該「閉動作中」であることを認識することができる。
【0199】
また、当該操作送受信機を携帯受信機に置換し、被操作送受信機を固定送信機に置換することもできる。この場合、情報の流れる方向は、固定送信機から携帯受信機に向かう単方向となる。常時このような単方向通信だけが行われるシステム構成であってもよく、通信方向モード切換に応じて必要な場合にのみ、このような単方向通信を行い得るシステム構成であってもよい。
【0200】
すなわち、前記操作送受信機と被操作送受信機において、通信方向モード切換に応じて必要な場合にのみ、このような単方向通信を行い得るようにしてもよい。
【0201】
また、以上の説明では、主として、開閉装置側通信装置が遠隔被操作器であり、非開閉装置側通信装置が遠隔操作器である場合について説明したが、本発明は、このケースに限って適用できるものではない。
【0202】
非開閉装置側通信装置が受信だけを行う(ただし割り当てられているIDは送信する)実質的な受信専用機器である場合も考えられる。
【0203】
この受信専用機器は、例えば、メンテナンスなどを目的としたもので、開閉装置側通信装置が開閉体に関して保有している動作管理情報(開閉体の開閉位置、開閉回数、開閉に関する障害情報、開閉時の障害物当接感知の有無、モード(非制限操作または制限操作等の)状態、LUN等の位置データや補正値(すなわち、上記実施形態で説明した各種データ情報)など)などを受信し、受信結果を表示するものであってよい。
【0204】
また、この動作管理情報を開閉装置側通信装置が送信する送信タイミングについては、例えば、曜日や時間などを固定的に予め決めておいたり、有線で送信指示が与えられた任意のタイミングを、当該送信タイミングとすること等も可能である。
【0205】
さらに、当該送信タイミングで送信される前記動作管理情報の具体的な内容についても、予め固定的に決めておくようにしてもよく、指示された内容だけを送信するようにしてもよい。
【0206】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、利便性が高く操作性が良好な開閉システムを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1および第2の実施形態に係る遠隔操作システムの動作説明図である。
【図2】第1および第2の実施形態に係る遠隔操作システムの全体構成例を示す概略図である。
【図3】第1および第2の実施形態に係るリモコン送信機の外観例を示す概略図である。
【図4】第1および第2の実施形態に係るリモコン送信機の主要部の構成を示す概略図である。
【図5】第1および第2の実施形態の動作説明図である。
【図6】第1および第2の実施形態の動作説明図である。
【図7】第1および第2の実施形態の動作説明図である。
【図8】第1および第2の実施形態の動作説明図である。
【図9】第1および第2の実施形態に係る遠隔操作システムの記憶処理装置の主要部の構成例を示す概略図である。
【図10】第2の実施形態の記憶処理装置に使用するメモリユニット部の内部構成例を示す概略図である。
【符号の説明】
10…遠隔操作システム、11…記憶処理装置(リモコン受信機)、12…リモコン送信機、13…シートシャッター(シャッターカーテン部)、14…固定操作部、18…動作範囲メモリ、19…中間位置メモリ、20…上限位置メモリ、21…下限位置メモリ、22…優先順位メモリ、23…速度情報メモリ、24…前回動作モードメモリ、27…動作モードメモリ、28…操作モードメモリ、30…誤り検出部、31…手順記憶部、32…操作検出部、33〜35、51〜53…操作スイッチ、36…操作応答部、37…手動開閉検出記憶部、38…障害検出部、39…モータ制御部、40…センサ部、41…無線受信部、42…受信処理部、43…制御部、43A…カウンタ、70,71…メモリユニット部、72…長距離メモリ、73…中距離メモリ。
Claims (10)
- 所定の動作限界情報によって指定される動作限界位置を限度として、所定の軌道上で開閉体を移動することで開閉動作を行う開閉システムにおいて、当該開閉システムの内部の処理として、前記開閉体の軌道上の位置を示す内部位置信号を発生する内部位置生成手段と、前記軌道上の特定位置と、この特定位置に対応する内部位置信号とが整合するように調整する調整処理を実行し、前記動作限界位置間の相対的な距離と当該調整処理の結果を用いて、前記特定位置以外の軌道上の位置についても調整処理を行う集約調整手段を備え、
停電等により再設定が必要になった場合には、記憶処理装置が再開され、当該記憶処理装置に、有効な上下限リミット位置データが記憶されているか否かを判断する手段と、
前記上下限リミット位置データが記憶されている場合に、手作業によるシャッターの開閉が行われたか否かが検査される手段と、
前記手作業によるシャッターの開閉が行われた場合又は前記上下限リミット位置データが記憶されていない場合であって、押し切り動作モードで、前記記憶処理装置内のシャッターの位置と実際のシャッターの位置との間に不整合が発生した場合に、その不整合を調整する調整手順を実行する手段と、
前記手作業によるシャッターの開閉が行われなかった場合又は前記不整合を調整した上下限リミット位置データが記憶された場合に通常動作モードにする手段とを備え、
前記不整合を調整する調整手順が、
上限リミット位置データを消去して押し切り動作モードにする処理と、
当該押し切りモードで前記シャッターの下端部が手動により上限位置と認める位置まで移動されることでそれに応じて上限リミット位置データを変更する処理と、
確定操作が行われることにより前記上限リミット位置データを再設定する処理と、
再設定された上限リミット位置データを基に下限リミット位置データを自動的に再設定する処理とを備えたことを特徴とする開閉システム。 - 請求項1の開閉システムにおいて、前記特定位置は、前記動作限界位置の内の1つであり、前記特定位置以外の位置は、当該動作限界位置を除く軌道上の全ての位置であることを特徴とする開閉システム。
- 請求項1の開閉システムにおいて、前記特定位置は、前記動作限界位置を除く軌道上の中間位置であり、前記特定位置以外の位置は、当該中間位置を除く軌道上の全ての位置であることを特徴とする開閉システム。
- 請求項2または3の開閉システムにおいて、前記内部位置生成手段は、前記開閉体の開閉動作の動力源となる電動機の出力軸の回転に応じて供給されるエンコーダパルスの数をカウントして得られるカウント値として、前記内部位置信号を発生するカウンタ部と、前記開閉動作の内の一動作を単位として、当該動作単位ごとに、前回の動作単位の最終値であるカウント値を保存しておき、今回の動作単位の初期値として活用することで、絶対的な第1のカウント値を用いて各時点の絶対的な開閉体の位置を当該内部位置信号で表現する第1のカウンタ制御部を備え、前記動作限界情報として、各動作限界位置ごとに第1のカウント値の限界を示す第1の基準カウント値を格納する第1の動作限界記憶手段と、第1のカウント値が、該当する第1の基準カウント値に達したときに前記開閉体の移動を停止させる第1の移動停止手段とを設けることを特徴とする開閉システム。
- 請求項4の開閉システムにおいて、前記集約調整手段は、前記第1の基準カウント値の内の調整対象とした1つに対して調整カウント値による演算操作を施した場合には、これと同一の調整カウント値による同一の演算操作を、調整対象外の第1の基準カウント値にも施すことで、当該調整対象以外の軌道上の位置についても自動的に調整処理を行う第1の対象外位置調整部を備えたことを特徴とする開閉システム。
- 請求項4の開閉システムにおいて、前記集約調整手段は、前記第1の基準カウント値の各々は変更せず、前記開閉体の位置を所定の基準位置に合致させることによって第1の基準カウント値と開閉体の位置を整合させる調整操作を支援する位置合わせ支援部を備えたことを特徴とする開閉システム。
- 請求項2または3の開閉システムにおいて、前記内部位置生成手段は、前記開閉体の開閉動作の動力源となる電動機の出力軸の回転に応じて供給されるエンコーダパルスの数をカウントして得られるカウント値として、前記内部位置信号を発生するカウンタ部と、前記開閉動作の内の一動作を単位として、当該動作単位ごとに、最初はカウント値を所定の初期値に設定し、当該初期値を基点とした相対的な第2のカウント値によって各時点の開閉体の相対的な位置を当該内部位置信号で表現する第2のカウンタ制御部とを備え、前記動作限界情報として、各動作限界位置ごとに第2のカウント値の限界を示す第2の基準カウント値を格納する第2の動作限界記憶手段と、前記第2のカウント値が当該第2の基準カウント値に達したときに前記開閉体の移動を停止させる第2の移動停止手段とを設け、該当する第2の基準カウント値を、前記軌道上の複数方向の移動に関して共用することを特徴とする開閉システム。
- 請求項7の開閉システムにおいて、前記集約調整手段は、前記第2の動作限界記憶手段に格納している第2の基準カウント値を変更することなく、前記動作単位における開閉体の初期位置を調整することによって、当該初期位置以外の軌道上の位置についても自動的に調整処理を行う初期位置調整部を備えたことを特徴とする開閉システム。
- 請求項1の開閉システムにおいて、前記集約調整手段は、前記軌道上の特定位置と、この特定位置に対応する内部位置信号とのあいだに不整合が発生したか否かを判定する整合性判定部と、当該整合性判定部が前記不整合が発生したものと判定した場合、ユーザが前記開閉体に関する所定の移動指示操作を継続している期間内に限定して、当該移動指示操作に応じた開閉体の移動を実行させる移動制限部とを備えたことを特徴とする開閉システム。
- 請求項1の開閉システムにおいて、前記調整処理の範囲を制限することを特徴とする開閉システム。
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