JP4753482B2 - 開閉装置の通信システム、非開閉装置側通信装置および開閉装置側通信装置 - Google Patents
開閉装置の通信システム、非開閉装置側通信装置および開閉装置側通信装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は開閉装置の通信システムに関し、例えば、シャッター、ドア、窓、オーバーヘッドドア、門扉、ゲート(駐車場などのゲート)、ロールスクリーン(例えば遮光幕)、ブラインド、オーニング装置などの遠隔操作システム(リモコンシステム)などに適用し得るものである。
【0002】
また、本発明は、かかる通信システムの構成要素としての非開閉装置側通信装置に関するものである。
【0003】
さらに、本発明は、かかる通信システムの構成要素としての開閉装置側通信装置である。
【0004】
【従来の技術】
モータを動力源としてシャッターの開閉動作を行う電動シャッターには種々のタイプがあるが、工場から出荷され設置されたあとで、ユーザの希望に合わせてその動作をカスタマイズすることが可能なものもある。
【0005】
そのような動作可変型の電動シャッターでは、例えば、シャッターの中間停止位置や動作変更位置を任意に変更することができる。
【0006】
工場から出荷された時点で完全に動作が確定されてしまい、一切変更する余地のないタイプのシャッターに比べ、このような動作可変型の電動シャッターは、ユーザの要望にきめ細かく応えることができる融通性を持つ点で優れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが従来の動作可変型シャッターの場合、シャッター動作をカスタマイズする作業は機械的な変更を必要とするものであり、ユーザが実行するには困難で手数のかかる面があった。
【0008】
例えば、シャッターの開閉軌道を画定するガイドレール部に設けた近接スイッチの配置位置によってシャッターの中間停止位置を指定している場合には、当該近接スイッチを取り外して所望の位置に取り付ける作業などが必要になる。この作業に要する手数は近接スイッチの取り付け態様にも依存するが、多くの場合、ドライバなどの工具類を使用した複雑な作業になるものと考えられる。
【0009】
そこで、もっと簡単に、シャッター動作をカスタマイズすることの可能な開閉装置の通信システム及び非開閉装置側通信装置が求められる。
【0010】
なお、以上の課題は、シートシャッター、ガレージ用シャッター、窓用シャッターなどのシャッター用だけでなく、ドア、窓、オーバーヘッドドアなどの他の開閉装置のリモコンシステムにも共通している。
【0011】
本発明は、操作性が良好な開閉装置の通信システムを提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、このような通信システムの構成要素としての非開閉装置側通信装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、第1の発明では、開閉装置の開閉動作に関連する所定の関連動作を制御する開閉装置の通信システムにおいて、前記関連動作の内、少なくとも一部の動作である目的関連動作につき、その動作属性を電気的制御によって変更する動作属性変更手段を備え、当該動作属性変更手段は、前記動作属性としての減速開始位置を電気的制御によって変更する減速開始位置変更部を備え、当該減速開始位置変更部は、シャッターの開放時における減速開始位置を変更するための減速開始位置設定操作モードを有し、開動作中のシャッターの減速を指示する減速指示部から減速信号を受け取った、前記シャッターの動きを制御するシャッター制御部が、当該受け取りのタイミングによって指定される減速開始位置で減速処理を開始し、エンコーダパルスのパルス数をカウントすることによってカウント開始時からの相対的なシャッターの位置を認識するカウンタからのカウンタ値が、基準数値メモリから受け取った基準数値に達したと比較器で判断したとき、開動作中の前記シャッター制御部に減速開始を指定すると共に、前記シャッターの開放時における減速開始位置の変更時には、初期位置から新たに設定される減速開始位置までシャッターを移動させることによって与えられた前記カウンタ値が、新たに設定される減速開始位置を示す基準数値として従前の前記基準数値に上書きされることを特徴とする。
【0014】
また、前記開閉装置の通信システムにおいて、前記シャッターは、軽い素材によって構成されたシート状のカーテン部を主体とするシートシャッターであることを特徴とする。
【0015】
さらに、前記開閉装置の通信システムにおいて、前記動作属性としての中間位置を電気的制御によって変更する中間位置変更部をさらに備え、前記減速開始位置変更部は、前記シャッターの開放時における減速開始位置の変更と共に、前記シャッターの閉鎖時における減速開始位置を変更する機能を備え、前記中間位置変更部で変更した前記中間位置が、予め設定された基準位置よりも完全開放位置寄りの位置である場合にはその中間位置を開放用として認識し、前記基準位置よりも完全閉鎖位置寄りの位置である場合にはその中間位置を閉鎖用として認識することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
(A)実施形態
以下、本発明にかかる開閉装置の通信システム及び非開閉装置側通信装置をそれぞれ、シートシャッターのための遠隔操作システム(リモコンシステム)、およびリモコン送信機等に適用した場合を例に、実施形態について説明する。
【0017】
本実施形態では、当該遠隔操作システムは、有線リモコンシステムと前記無線リモコンシステムを混合した混合システムであるものとする。
【0018】
ここで、有線リモコンシステムとは、シャッターシステムを構成要素として含むリモコンシステムであって、有線通信によってシャッター動作を行うものである。
【0019】
一般に、遠くから離れた不特定の位置からシャッター動作を行うことができ、使い勝手が良いという点では前記無線リモコンシステムが有利であり、通信の信頼性の点や、常に特定の位置でシャッター動作を指定したい場合などには、当該有線リモコンシステムが向いている。
【0020】
また、同じシャッターシステムを有線でも無線でも制御できると、融通性に富み、ユーザの都合によりどちらの方法を取ることも可能となる。したがって実際のリモコンシステムは、これら無線リモコンシステムと有線リモコンシステムの特徴を混合した混合システムとすることも少なくない。
【0021】
(A−1)実施形態の構成
シートシャッターの遠隔操作システム10の全体構成例を図2に示す。
【0022】
図2において、当該遠隔操作システム10は、後述する記憶処理部11と、リモコン送信機12と、シートシャッター13とを備えている。
【0023】
このうちシートシャッター13は、鉄などの金属によって構成された多数のスラットを備えるスラットシャッターと異なり、ポリエステルなどの軽い素材によって構成されたシート状のカーテン部を主体とするシャッターである。当該シートシャッター13では、素材が軽量であるから、シャッター13の開閉動作の動力源となるトルクを供給するモータ(図示せず)の出力軸に作用し得る慣性モーメントが小さく、高速な開閉動作が容易に実現できる。
【0024】
高速開閉が可能なことにより、シャッター開放後ただちにシャッター閉鎖を行うこと等が速やかに実行でき、当該シャッター13によって仕切られる空間SP1と空間SP2の相互間で、保温、保冷や、防塵、防虫効果などの向上が期待できる。
【0025】
図2中では、壁WLに設けられたガイドレールGRに沿って矢印D1方向に下端部13Aが移動することによってシャッター13が閉鎖され、反対に矢印D2方向に移動することによって開放される。なお、図2に示した状態では、シャッター13が完全閉鎖と完全開放の中間位置にある。
【0026】
シャッター13の開閉動作などを行うユーザU1は、壁WLに固定的に設置された固定操作部(操作盤)14を操作するか、または、リモコン送信機12を操作することによって、所望の動作(前記中間位置の変更なども含む)を行わせることができる。
【0027】
当該リモコン送信機12は、例えば、図3に示すような外観を備えている。当該リモコン送信機12は、携帯性に富み、ユーザU1の手の平に収まる程度にコンパクトなパームサイズの送信機である。このようにコンパクトな本体12A内にすべての機能を収容するため、当該リモコン送信機12の機能は極限まで節約する必要がある。
【0028】
図3において、リモコン送信機12の本体12Aはその上面から突出したPBS(プッシュ・ボタン・スイッチ)形式の3つの操作スイッチ51〜53を備えている。これら操作スイッチ51〜53は、シャッター動作(一般的には、開閉体の開、閉、停などの動作)を行わせ得るシャッター操作スイッチである。
【0029】
本実施形態では、当該シャッター操作スイッチ51〜53のうち、シャッター操作スイッチ51は、シャッター13の開動作を行わせるための開動作スイッチで、シャッター操作スイッチ52はシャッター13の閉動作を行わせるための閉動作スイッチで、シャッター操作スイッチ53はシャッター13の開動作または閉動作を任意のタイミングで停止させるための停止スイッチである。
【0030】
そして、閉動作スイッチ52と停止スイッチ53を同時に短く(例えば3秒以内)押すことによって、所定の中間位置(中間停止位置)までの開動作および閉動作(すなわち中間停止動作)を指示できるものとする。本実施形態において当該中間位置は、当該リモコン送信機12または固定操作部14の操作によって、従来よりも、簡単に変更可能である。
【0031】
必要に応じて、これらの操作スイッチ51〜53の操作を52,53以外の組合せにしたがって組み合わせることにより、もっと複雑な動作を行わせることも可能である。一例として、当該シャッター13がスラットシャッターなどである場合には、換気動作(隣接するスラット間に設けられた開口の大きさを制御することによりシャッターの内外の空気が流通し得ない状態から流通し得る状態へ移行する動作)などが、当該複雑な動作に該当する。
【0032】
当該リモコン送信機12の内部構成例は図4に示す。
【0033】
(A−1−1)リモコン送信機の内部構成
図4において、リモコン送信機12は、無線送信部54と、送信処理部55と、プロセッサ56と、手順記憶部57と、操作検出部58と、操作応答部59とを備え、前記操作スイッチ51〜53は、当該操作検出部58に設けられている。
【0034】
このうち無線送信部54は、図2に示した無線伝送路としての空間TRを介してリモコン受信機を構成する記憶処理装置11内の後述する無線受信部27(図1参照)に対向する部分で、送信処理部55から所定の信号線を介して受け取った送信信号WSに対応した無線信号WL1を無線送信する。そのために、当該無線送信部54は、送信用のアンテナシステムやフィルタ回路などを備えている。当該無線信号WL1は、周波数帯域が例えば、300MHzや400MHz程度で、送信電力が例えば1mW程度の微弱な電波であってよい。
【0035】
また、前記送信処理部55は符号化処理や変調処理などの必要な処理を実行する機能を備え、プロセッサ56から供給される送信処理信号RPに応じて、生成する送信信号WSの内容を変化させる。
【0036】
リモコン送信機12の場合、当該送信信号WSの内容は、例えば、指定するシャッター動作や、ID登録操作などの種類に応じて決定される有限個であるので、送信する情報の発生源(この発生源は、例えばROM(リードオンリーメモリ)などであってよい)も送信処理部55の内部に存在し、前記送信処理信号RPに応じて当該発生源のなかから1つの送信情報を選択して読み出す構成であってもよい。
【0037】
ここで、IDとは、使用する周波数帯域などが同じであるためにリモコン受信機である記憶処理装置11が混同する可能性のあるリモコン送信機を一義的に識別し、真に当該記憶処理装置11に対して無線送信することのできるユーザのリモコン送信機から送信された無線信号WL1だけに基づいて、シャッター13の動作等を行うために使用される識別子である。そのため、リモコン送信機12には無線送信するたびに無線信号WL1のなかに当該IDを収容する証明機構(図示せず)が必要であり、記憶処理装置11には当該IDを識別し、ユーザ認証(または端末認証)を行うための検証機構(図示せず)が必要である。
【0038】
なお、工場などの建物の内部で、ある部屋と別な部屋を仕切る壁(前記WLに相当)に配置されることも多く、スラットシャッターなどに比べ機械的に脆弱でもともと防犯の機能などが弱いシートシャッターの特性を考慮すると、記憶処理装置11の受信範囲内に他のリモコン送信機が存在せず、真にユーザU1の意図したとおりのシャッター動作を行い得る環境では、当該証明機構や検証機構を省略しても差し障りは少ないものと考えられる。
【0039】
前記送信処理部55に送信処理信号RPを出力するプロセッサ56は、当該リモコン送信機12のCPU(中央処理装置)である。
【0040】
機能が極限まで節約されたリモコン送信機12を操作するユーザU1にとって唯一の遠隔操作手段である上述した3つの操作スイッチ51〜53を設けた操作検出部58は、各操作スイッチ51〜53について、その押し下げストロークが所定の長さに達すると操作検出信号PB1、PB2を出力する部分である。
【0041】
操作検出信号PB1は押し下げを検出した操作スイッチに応じて異なる状態をとり、その操作手順は手順記憶部57に一時的に記憶される。
【0042】
手順記憶部57は一時記憶している手順がどのような操作または入力データを指定しているかを判定して、その判定結果である判定信号DSをプロセッサ56に供給する部分である。後述する移行操作が行われたことを検出するのも、当該手順記憶部57である。
【0043】
前記操作検出信号PB1が前記手順記憶部57に供給されるのと同時に操作応答部59に供給される操作検出信号PB2も、当該PB1と同様に、押し下げを検出した操作スイッチに応じて異なる状態をとるようにしてもよいが、本実施形態では、操作スイッチ51〜53を区別せず、同じ状態をとるものとする。
【0044】
当該操作検出信号PB2を受け取った操作応答部59は、ブザーなどの音響発生器であり、操作スイッチ51〜53の押し下げが有効に検出されたことをユーザU1に伝えるために応答出力RAを出力する部分である。本実施形態では、操作スイッチ51〜53を区別しないので、いずれかの操作スイッチが十分に押し下げられると、一定音程、一定音色のブザー音が応答出力RAとしてユーザU1に聴取されることになる。これにより、ユーザU1は、聴覚的にスイッチ操作の有効性を確認することができる。
【0045】
例えば、パーソナルコンピュータなどでキーボードを操作する場合など、リモコン送信機12に比べるとはるかに大規模で豊富なユーザインタフェースを備えた環境ならば、あるキーの押し下げがマシンに認識されたか否かはビットマップディスプレイなどの画面表示を目視すること等によって容易に確認可能であるが、高度な携帯性が求められるリモコン送信機12は、前述の機能の節約の観点から、機能が極限まで切りつめられるので、どのようにして小規模な構成で効率的にユーザの操作がマシン(ここではリモコン送信機12)に認識されたか否かを確認するかは、重要になる。
【0046】
なおここでは、操作応答部59の応答出力RAを一定音程、一定音色のブザー音としたが、必要ならば、押し下げられた操作スイッチ51〜53または同時に押し下げられた操作スイッチの組合せに応じて音程や音色などを変化させるようにしてもよい。また、音響発生器による聴覚的な手段にかぎらず、LED(発光ダイオード)等の発光素子などを使用して、視覚的な手段で操作スイッチの操作が有効に検出されたことをユーザU1に伝えるようにしてもよく、視覚的な手段と聴覚的な手段を併用してもよい。
【0047】
このような本実施形態のリモコン送信機12では、少なくとも、シャッター13の開動作、閉動作、停止動作、中間停止動作などの通常操作を行うとともに、前記中間位置の変更や減速開始位置の変更を行う設定操作を行い、なおかつ当該通常操作と設定操作のあいだでモード切替(状態遷移)を実行するための移行操作を行う必要がある。
【0048】
そのために、リモコン送信機12が通常操作を行うための通常操作モードと、設定操作を行うための設定操作モードとを搭載することも考えられるが、本実施形態では、リモコン送信機12の機能を節約するために、リモコン送信機12の動作モードは単一モードとし、当該通常操作モードや設定操作モードは一元的にリモコン受信機である記憶処理装置11側で管理するものとする。
【0049】
なお、前記設定操作モードはさらに、中間位置を変更するための中間位置設定操作モードと、減速開始位置を変更するための減速開始位置設定操作モードに細分することができる。
【0050】
これに伴い、前記移行操作も、記憶処理装置11の動作モードを通常操作モードと中間位置設定操作モード間で切替える第1の移行操作と、通常操作モードと減速開始位置設定操作モード間で切替える第2の移行操作に細分することができる。
【0051】
記憶処理装置11のほうも、コンパクト性やコスト低減などの観点で、できるだけ機能を節約したほうが好ましいが、リモコン送信機12と異なり通常は固定的に配置されるものなので、機能の節約に対する要求水準はリモコン送信機12ほど厳格ではないと考えられるから、可能なかぎり記憶処理装置11のほうに多くの機能を配分する構成を取ることが、システム10全体として、効率的である。
【0052】
本実施形態において、リモコン送信機12が記憶処理装置11の動作モードを通常操作モードと中間位置設定操作モード間で切替える第1の移行操作と、通常操作モードと減速開始位置設定操作モード間で切替える第2の移行操作は、あまりに単純すぎると誤操作によって偶発的に通常操作モードや設定操作モードに移行してしまう可能性が高まり、あまりに複雑すぎると操作手順をユーザが記憶したり実行したりすることが困難になるので、適度な複雑さを持つ操作であることを要する。
【0053】
一例として、本実施形態では、3つの操作スイッチ51〜53の同時押し下げを3秒間以上継続することを、第1の移行操作とし、両端に配置された2つの操作スイッチ51と52の同時押し下げを3秒間以上継続することを、第2の移行操作とする。
【0054】
したがって本実施形態では、通常操作モードにある記憶処理装置11に対してリモコン送信機12の操作スイッチ51〜53の同時押し下げを3秒間以上継続して行うと中間位置設定操作モードに移行し、中間位置設定操作モードにある記憶処理装置11に対してリモコン送信機12の操作スイッチ51〜53の同時押し下げを3秒間以上継続すると、通常操作モードに復帰する。同様に、通常操作モードにある記憶処理装置11に対してリモコン送信機12の操作スイッチ51と53の同時押し下げを3秒間以上継続して行うと減速開始位置設定操作モードに移行し、減速開始位置設定操作モードにある記憶処理装置11に対してリモコン送信機12の操作スイッチ51と53の同時押し下げを3秒間以上継続すると、通常操作モードに復帰する。
【0055】
この場合、当該第1、第2の移行操作がリモコン送信機12に認識されたことの確認はユーザU1にとって重要な意味を持つので、3つの操作スイッチ51〜53の同時押し下げの継続が3秒以上に達したことが認識された場合の操作検出信号PB2は、他の操作が認識された場合と比べて音程や音色の異なるブザー音を前記応答出力RAとして、操作応答部59から出力させるようにするとよい。2つの操作スイッチ51と53の同時押し下げの継続が3秒以上に達したことが認識された場合も同様である。
【0056】
当該リモコン送信機12から無線信号WL1を受信し、前記通常操作モードや設定操作モードを管理する記憶処理装置11の主要部の構成例は、図1に示す通りである。
【0057】
(A−1−2)記憶処理装置の内部構成
図1において、当該記憶処理装置11は、減速指示部20と、中間停止指示部21と、シャッター仕様識別部22と、カウンタ23と、比較器24と、基準数値メモリ25と、基準数値候補メモリ26と、無線受信部27と、受信処理部28と、制御部29と、モードメモリ30と、手順記憶部31とを備えている。
【0058】
当該記憶処理装置11には、前記固定操作部14内に設けられた操作検出部32(および操作応答部33)と、前記モータの近傍に配置されたシャッター制御部40およびエンコーダ41が有線接続されている。
【0059】
ここで、固定操作部14は、有線接続されている点を除き、基本的に前記リモコン送信機12と同じユーザインタフェースをユーザU1に対して提供する部分である。
【0060】
したがって、当該操作検出部32は前記操作検出部58に対応し、操作スイッチ33は前記操作スイッチ53に対応し、操作スイッチ34は前記操作スイッチ54に対応し、操作スイッチ35は前記操作スイッチ55に対応し、操作応答部33は前記操作応答部59に対応する。また、図4と同じ符号を付与した各信号PB1、PB2、RAの機能も図4と同じである。
【0061】
ただし固定操作部14は、携帯性を要求されない点などでリモコン送信機12よりも多機能化しやすいので、必要ならば、操作スイッチの数を増やしたり、操作応答部33を多機能化したり、液晶ディスプレイ装置を搭載したりすること等も比較的容易である。
【0062】
なお、ここでは、記憶処理装置11を固定操作部14の外に配置しているが、記憶処理装置11の構成要素20〜31の全部または一部を、当該固定操作部14内に配置することも可能なことは当然である。
【0063】
一方、前記エンコーダ41は前記モータの出力軸の回転に応じてエンコーダパルスENを出力する部分である。当該エンコーダパルスENのパルス数をカウントすることによって、記憶処理装置11は、シャッター13の位置をリアルタイムで認識することが可能である。
【0064】
また、前記シャッター制御部40は、当該モータの出力軸の回転を制御する部分である。
【0065】
なお、シートシャッター13の場合、材質などの点から、上述したように機械的に脆弱なので、シャッター13が矢印D2方向に移動して完全開放状態になるときの速度が速すぎると、シャッター収納ボックス(図示せず)にシャッター13が収納されるときの衝撃などによってシャッターカーテンが機械的に破損する可能性もあり、完全開放状態の少しまえにモータの出力軸の回転速度を減速する必要がある。
【0066】
一般にシャッターシステムは、シャッターカーテンの開閉動作を行うための駆動システムの観点で、モータ単独駆動システムと、バネ併用システムに分類することができる。
【0067】
当該モータ単独駆動システムでは、モータが直接的に、シャッターの開動作と閉動作の双方を行う。スラットシャッターのようにシャッターカーテン部分の重量が大きいと、モータ単独駆動システムの場合、開閉体トルクに抗しながら安定的に閉動作を行うため、モータは、少なくとも過渡的には、負のトルク(モータの出力軸の回転方向と反対方向のトルク)を発生して回生制動を行うことを求められる可能性がある。これはクレーンなどの巻上機において巻き下ろしを行うときのモータ動作と同様で、少なくとも一時的には、モータが発電機として機能することを意味する。
【0068】
ここで開閉体トルクとは、シャッターの開閉時に巻取りシャフトやモータの出力軸に対して開閉体(シャッタースラットやシャッターパネルなど)の重量に起因して作用するトルクのことである。
【0069】
シャッターの場合、通常は軽量化シャッターでも開閉体(シャッタースラットやシャッターパネルなど)がかなりの重量を持っている。
【0070】
シャッターを閉動作させるということは、完全開放状態では巻取りシャフトに複数回(例えば4回程度)巻き付けられて完全に収納されている開閉体が、展開されて巻取りシャフトを離れ、通常は垂直方向下方に移動することを意味する。一連の開閉体のうち、当該巻取りシャフトを離れる部分(これはシャッター収納ボックスからの引出し量に対応する)が増加すればその重量が巻取りシャフトに対してトルク(開閉体トルク)として作用する。しかもこの開閉体トルクは、1回の開動作または閉動作が行われているあいだでも、かなり大幅に変動するという特徴がある。
【0071】
ただしシートシャッターの場合、シャッターカーテンの重量はきわめて軽いので、小容量のモータでも比較的容易に、当該モータ単独駆動システムを構成することができる。このため、通常、シートシャッターには、当該モータ単独駆動システムが用いられる。
【0072】
したがって本実施形態のシートシャッター13にも、当該モータ単独駆動システムを用いるものとする。
【0073】
一方、前記バネ併用システムでは、巻取りバネの弾性力を前記開閉体トルクと反対方向(開動作方向)に作用させることで、シャッターが完全に開放されている完全開放状態と完全に閉鎖されている完全閉鎖状態の中間のすべての動作状態において、当該弾性力と開閉体トルクとをほぼ完全にバランスさせ、モータがわずかのトルクを出力するだけで、開動作を行うことも閉動作を行うことも、比較的簡単、かつ安定的に行うことができる。
【0074】
したがって、バネ併用システムでは、前記負のトルクの発生が不要となり、モータ単独駆動システムに比べてモータの制御が簡単になる。当該バネ併用システムは、比較的軽量のスラットシャッターなどに用いられることが多い。
【0075】
本実施形態のように、シートシャッター13にモータ単独駆動システムを採用する場合、上述したように、完全開放時には完全開放状態の少しまえにモータの出力軸の回転速度を減速することになる。
【0076】
当該減速を指示するのが、前記減速指示部20である。
【0077】
減速指示部20は、制御部29から供給される制御信号S4と、比較器24から供給される比較結果CPに応じて動作し、減速信号BSを出力することによってシャッター制御部40に対し、開動作中のシャッター13の減速を指示する部分である。ここで、制御信号S4は当該減速指示部20の有効、無効を制御する信号であり、比較結果CPは当該有効時において、減速信号BSを出力するタイミングを指定する信号である。また、減速信号BSを受け取ったシャッター制御部40は、当該受け取りのタイミングによって指定される減速開始位置で、減速処理を開始する。
【0078】
なお、シャッター13が減速を開始する位置(減速開始位置)は、シャッター13の開閉速度に影響するものと考えられる。
【0079】
減速信号BSを受け取ったシャッター制御部40が実行する減速処理は、シャッター制御部40がブレーキ機構を備えている場合には当該ブレーキ機構を利用して実行し、ブレーキ機構を備えていない場合には、例えば一時的に開放方向と反対方向のトルクを発生する電力を供給すること等によって実現することになるものと考えられる。減速処理の目的は下端部13Aが図2に示す位置PN0に到達する完全開放状態におけるシャッター速度を十分に低下して、前記衝撃を弱め、シャッター13の破損を防ぐことにあるが、減速開始位置が上昇するほどシャッター速度を十分に低下することが難しくなるため、下端部13Aが減速開始位置に到達するまえのシャッター速度を低下することが必要になる可能性が高い。
【0080】
すなわち、シャッター13の下端部13Aが位置PN0に到達する完全開放状態までに速度を十分に低下させるためには減速開始位置まえのシャッター速度は、減速開始位置がPN2のときよりも、PN1のときのほうが、遅くなる可能性が高い。
【0081】
なお、本実施形態では、完全開放時にのみ当該減速処理を実行するものとするが、必要に応じて、中間停止時や、完全閉鎖時にも、当該減速処理を実行するようにしてもよい。
【0082】
前記制御部29から制御信号S5を受け取り、比較器24から比較結果CPを受け取る中間停止指示部21は、これらの信号CPとS5に応じて中間停止信号ISを出力する部分である。ここで、制御信号S5は、当該中間停止指示部21の有効、無効を指定する信号であり、比較結果CPは、中間停止信号ISを出力するタイミングを指定する信号である。また、中間停止信号ISを受け取った場合、シャッター制御部40は、当該受け取りのタイミングによって指定される中間位置で、シャッター13を中間停止する。
【0083】
ここで、前記減速指示部20からシャッター制御部40へ減速信号BSを伝送するための信号線、中間停止指示部21からシャッター制御部40へ中間停止信号ISを伝送するための信号線、制御部29から通常の開閉動作を指示する通常動作信号NSを伝送するための信号線、およびエンコーダ41からカウンタ23へエンコーダパルスENを伝送するための信号線によって構成される電気的なインタフェースをLF1とする。
【0084】
当該電気的インタフェースLF1の構造は、構成要素23,20,21、29以外の記憶処理装置11内の構成要素(比較器24など)の機能に依存せず一定である。
【0085】
すなわち、本実施形態は、比較器24や基準数値候補メモリ26などの機能を搭載した点に従来の記憶処理装置11に相当する装置との相違があるとみることができるが、当該比較器24や基準数値候補メモリ26などの機能を搭載したことは、電気的インタフェースLF1の構造に実質的な変化を与えていない。
【0086】
同様に本実施形態では、記憶処理装置11に当該比較器24や基準数値候補メモリ26などの機能を搭載したことによって、前記リモコン送信機12の操作スイッチ51〜53の数や、固定操作部14の操作スイッチ33〜35の数が、従来に比べて増加することもない。
【0087】
なお、図1では、減速信号BSの伝送を示す矢印、通常動作信号NSの伝送を示す矢印、および中間停止信号ISの伝送を示す矢印は、それぞれ1本ずつであるが、これらの矢印は論理的な矢印であり、物理的な信号線の数は必ずしも当該矢印の数と同じである必要はない。したがって、図1は、各信号BS、NS、ISを、それぞれ1本の信号線で伝送することを意味しない。
【0088】
必要に応じて、シャッター制御部40と記憶処理装置11間の接続(および/またはエンコーダ41と記憶処理装置11間の接続)は、平衡伝送路を用いて行うようにするとよい。平衡伝送路では、コモンモードノイズがノーマルモードノイズに変化することを防ぐこと等に有効であり、耐ノイズ性に優れている。
【0089】
前記エンコーダ41からエンコーダパルスENの伝送を受けるカウンタ23は、当該エンコーダパルスENのパルス数をカウントすることで得られるカウント値CTによって、カウント開始時からの相対的なシャッター13の(下端部13Aの)位置を示す部分である。当該カウンタ23はカウントアップするタイプのものであっても、カウントダウンするタイプのものであってもかまわないが、ここでは、カウントアップするものとする。
【0090】
当該カウンタ23のカウント値CTは、制御信号S1によって適宜、リセットされて0に戻される。当該リセットのタイミングは、例えば、シャッター13が完全開放状態となったときや、完全閉鎖状態となったときである。本実施形態ではシャッター13が予め設定した前記中間位置に達したときにもリセットするものとする。
【0091】
基準数値メモリ25は、基準数値候補メモリ26内に格納されている(1または)複数の基準数値候補のなかから制御部29が制御信号S2を用いて選択した基準数値を、基準数値信号CNとして読み込むメモリである。
【0092】
本実施形態では、当該基準数値候補は中間位置を指定するための基準数値ISN1と、減速開始位置を指定するための基準数値BSN1の2つであるものとするが、必要に応じて、基準数値候補は、当該2つより多くしてもよく、少なくしてもよい。
【0093】
例えば、中間位置を指定するための基準数値をISN1以外にも用意し、ユーザU1が適宜、選択できるようにしてもよい。
【0094】
ここで、基準数値候補メモリ26が記憶している基準数値候補ISN1およびBSN1は半永久的に保存する必要がある反面、前記設定操作モードによってその値が変更されたときには、記憶内容を書き換える必要もある。
【0095】
したがってこの基準数値候補メモリ26としては、EEPROM(フラッシュメモリ:Electrical Erasable Programmable ROM)などの書き込み可能なROM(リードオンリーメモリ)を使用するものとする。
【0096】
なお、EEPROMの場合、書き込みには、通常のRAM(ランダムアクセスメモリ)に比べて長い時間(例えば10ms程度)を要するが、この時間はシャッターの遠隔操作システムにおいて問題となるほどの時間ではないと考えられる。
【0097】
ただし、必要に応じて、磁気的記憶手段や、十分な電源バックアップ機構を備えたRAMなどで当該ROMを置換することが可能である。一般に、メモリ自体の価格は、EEPROMのほうがRAMよりも高価であるが、バックアップ用の電力消費などの点を考慮すると、運用コストはRAMのほうが高くなる可能性が高い。実際の実装にあたっては、これらの点を考慮して、有利なものを選定すればよい。
【0098】
これに対し基準数値メモリ25のほうは、その記憶内容は、シャッター13の動作開始から動作終了まで(例えば、シャッター13の完全閉鎖を行う場合には、シャッター13の下端部13Aが位置PN0にあるときから位置PNEに移動するまで)維持できれば十分なので、通常のRAM(ランダムアクセスメモリ)によって構成することができる。
【0099】
制御部29は、前記減速処理を実行させたい場合には基準数値候補BSN1を基準数値候補メモリ26から基準数値メモリ25に書き込ませ、前記中間停止を行わせたい場合には、基準数値候補ISN1を基準数値メモリ25に書き込ませることになる。
【0100】
当該制御部29にモード信号MSを用いて接続されているモードメモリ30は、当該記憶処理装置11の現時点の動作モードが、前記通常操作モードであるか、前記中間位置設定操作モードであるか、または前記減速開始位置設定モードであるかを示す値を記憶する部分で、制御部29は当該モードメモリ30が記憶している値を調べることによって、いつでも動作モードを確認することが可能である。当該モードメモリ30は前記RAMによって構成することができる。
【0101】
カウンタ23からカウンタ値CTを受け取り、基準数値メモリ25から基準数値NWとして、BSN1またはISN1を受け取る(BSN1を受け取るのは減速処理が必要な完全開放時で、ISN1を受け取るのは中間停止時)比較器23は、カウンタ値CTが当該基準数値NWに達したときに、比較結果CPを非能動状態から能動状態に変化させて、開動作中または閉動作中のシャッター制御部40に対し、中間停止や減速開始のタイミングを指定する部分である。
【0102】
また、前記制御部29に対し信号S3を用いて接続されているシャッター仕様識別部22は、シャッター13の機械的な仕様を示す情報を、当該信号S3として制御部29に供給する部分である。
【0103】
当該信号S3の内容は、シャッター仕様識別部22に施される操作RBによって変化する。当該操作RBは、電気的または磁気的な信号であってもよいが、ここでは、機械的な操作であるものとする。
【0104】
シャッター13等と記憶処理装置11を組み合わせて工場などから出荷する場合には、工場出荷時点までに、当該操作RBによって、シャッター13がシートシャッターであることや、前記モータ単独駆動システムであることなどの機械的な仕様を指定しておく。当該操作PBは、シャッター13、記憶処理装置11、および固定操作部14の設置後にはユーザU1が容易に操作することのできない場所に配置された所定のディップスイッチなどの操作であってよい。
【0105】
なお、工場出荷時点でシャッター(13)と記憶処理装置11の組合せが確定しておらず設置時に確定する場合には、設置作業の際に、当該操作PBを実行するようにするとよい。
【0106】
当該操作PBの内容、すなわち信号S3の内容によって、例えば、前記減速処理を行う必要が生じたり生じなかったりするからである。
【0107】
例えば、本実施形態のようにモータ単独駆動システムを用いるシートシャッターであれば前記減速処理が必要であるが、バネ併用システムを用いるシートシャッターであれば、バネの弾性力を活用することで減速処理を省略することも可能であるし、バネ併用システムを用いるスラットシャッターの場合には、減速処理は通常、行う必要がない。
【0108】
次に、上述したリモコン送信機12から無線送信された無線信号WL1を空間TRを介して受信する無線受信部27は、受信用のアンテナシステムやフィルタ回路などを備えている。
【0109】
前記無線受信部27からは受信した無線信号WL1に対応した受信信号WSが出力される。受信信号WSは所定の信号線を介して受信処理部28に供給される。当該受信信号WSは前記送信信号WSに対応する信号である。
【0110】
受信処理部28は、受け取った受信信号WSに対して復調処理、復号処理などの必要な処理を施して受信処理信号RPを生成し、出力する部分である。
【0111】
受信処理信号RPは、前記送信処理信号RPに対応した信号で、通常操作モードではシャッターの開動作、閉動作、停止動作、中間停止動作などのシャッター動作を指定するシャッター動作指定信号としてのみ機能するが、前記設定操作モードでは、設定内容を指定する設定内容指定信号として機能し、動作モードの切替時には、動作モード移行指示信号として機能する。
【0112】
前記受信処理部28から当該受信処理信号RPを受け取る制御部29は、リモコン受信機である当該記憶処理装置11のCPUとして機能する部分である。
【0113】
なお、本実施形態でCPU29の外部に設けた記憶処理装置11の各構成要素(例えば、30,31など)の大部分は、実際の実装では、CPU29の内部で主としてソフトウエア的に実現するのが普通である。
【0114】
また、本実施形態では、リモコン送信機12、固定操作部14のいずれを用いても、前記通常操作、移行操作、および設定操作のすべてを実行することができるものとしたが、これらの操作の一部をリモコン送信機12だけ(または固定操作部14だけ)で行うことができるようにしてもよいことは当然である。
【0115】
以下、上記のような構成を有する本実施形態の動作を、図5のフローチャートを参照しながら説明する。
【0116】
図5のフローチャートは、P10〜P17の各ステップから構成されている。
【0117】
(A−2)実施形態の動作
ここでは、前記リモコン送信機12を用いて、前記中間位置を変更する場合を例に説明する。シートシャッターの場合、例えば工場内で図2に示す空間SP1からSP2へ(またはSP2からSP1)へ荷物などを運搬する場合、当該荷物などの高さに応じて、できるだけ低い中間位置を設定することになる。このとき、当該荷物を運ぶ際には、シャッター13を当該中間位置まで開放し、荷物が通過するとただちにシャッター13を完全閉鎖状態にする動作を荷物が通過するたびに繰り返すことになるので、当該中間位置を低くするほど、上述した保温、保冷、防塵、防虫効果などを高めることができるからである。
【0118】
図5において、リモコン送信機12に対する電源投入や記憶処理装置11に対する電源投入などにより、当該フローが開始した場合(P10)、記憶処理装置11の初期状態での動作モードは通常操作モードとなる(P11)。
【0119】
前記設定操作モードの利用頻度に比べて当該通常操作モードの利用頻度のほうがはるかに高いのが普通であると考えられるので、初期状態の動作モードはこのように通常操作モードにするのが効率的である。
【0120】
通常操作モードであるから、もちろんこの状態で、操作スイッチ(例えば51)を押し下げれば、シャッター13は通常の動作(例えば開動作)を行うことになる。
【0121】
またこのとき、上述した閉動作スイッチ52と停止スイッチ53を同時に短く(例えば3秒以内)押すと、基準数値ISN1に対応する中間位置PNSで、シャッター13が中間停止する。
【0122】
ところで遠隔操作システム10には、閉動作しているシャッター13の下端部13Aに何らかの通過物体が当接したり、当接するまでには至らずに物体が通過しようとして近接した場合に、当該閉動作を停止して所定の退避位置(これも中間位置の一種)までシャッター13を開動作する破損防止機構を搭載することが考えられる。なお、物体近接時に所定の退避位置までシャッター13を開動作することは、シャッター13が閉動作しているときのみではなく、例えば全閉等で停止している場合にも行うこととしてもよい。適用例としては、工場内で荷物を運搬するための運搬車が出入りする際にリモコン送信機の開閉スイッチの押し下げを省略したいような場合が考えられる。このような適用例では、前述の所定の退避位置にシャッター13を開動作させた後、物体の検出が無い状態になった場合には、例えば全閉等の所定の位置まで閉動作させるようにすることが好ましい。
【0123】
上述の当接検出は、例えば、シャッター制御部40内に搭載しているモータのトルク変化などが発生すると、当該変化を通過物体検知センサが検出することによる。また、接近検出は、例えばシャッター13の近傍に設けられた光路接断判定による通過物体検知センサが光路接断の変化を検出することによる。
【0124】
当該物体当接感知部が前記モータのトルク変化を検出したことや当該通過物体検知センサが接近物体を検出したことが前記制御部29に伝えられると(例えば、当該感知部や当該検知センサが接続される端子に当接や接近を検出した旨の入力がなされ、この信号が前記制御部29に伝えられることにより)、当該制御部29が下端部13Aを、当該退避位置まで後退させることになる。当該退避位置は、当該物体当接感知部や当該通過物体検知センサに対応して設定するようにしてもよい。
【0125】
当該ステップP11につづくステップP12では、前記第1の移行操作を行ったか否かが検査される。本実施形態では上述したように、3つの操作スイッチ51〜53の同時押し下げを3秒間以上継続することを、当該第1の移行操作としたので、ステップP12では当該操作の検出が行われたか否かが検査される。
【0126】
当該第1の移行操作の検出が行われなければ、ステップP12はNo側に分岐して記憶処理装置11の動作モードは通常操作モードを維持する。
【0127】
一方、リモコン送信機12に対して当該第1の移行操作が行われた場合、リモコン送信機12側では、前記操作応答部59が応答出力RAとして、他の操作(例えば、開動作を指示するための操作スイッチ51の押し下げ操作)が認識された場合と比べて音程や音色の異なるブザー音を発して、ユーザU1に当該認識が行われたことを伝える。
【0128】
リモコン送信機12が記憶処理装置11の受信範囲内に存在して、雑音などの影響も大きくなければ、当該第1の移行操作に対応した情報を持つ無線信号WL1を受信することによって、記憶処理装置11は通常操作モードから中間位置設定操作モードに移行する(P13)。この移行は、前記モードメモリ30が格納している値を書き換えることによって行われる。
【0129】
次にステップP14では、新たな中間位置の情報を記憶処理装置11に与えて、中間位置を設定し直すことになる。新たな中間位置の情報を記憶処理装置11に与える方法(情報入力方法)にはさまざまなものが考えられるが、機能が限定されているリモコン送信機12を用いて行う点を考慮すると、実際に所望の中間位置までシャッター13の下端部13Aを移動させることによって与えるのが効率的であると考えられる。
【0130】
この場合、例えば、当該下端部13Aが位置PN0にある完全開放状態を初期位置とし、閉動作スイッチ52を押し下げて当該初期位置からシャッター13に閉動作を行わせ、所望の中間位置まで下端部13Aが移動したところで停止スイッチ53を押し下げることによって、当該情報の入力を行うものとする。
【0131】
当該初期位置は必ずしも位置PN0である必要はないが、位置PNEまたは位置PN0を初期位置としたほうが処理が簡単になるものと考えられる。したがって、当該初期位置以外の位置に下端部13Aが存在する場合には、記憶処理装置11の動作モードが通常操作モードから中間位置設定操作モードに移行したときに、所定の初期位置まで前記下端部13Aを移動させて、前記情報の入力を待ち受けるようにするとよい。
【0132】
例えば、新たに設定しようとする中間位置が図2に示す位置PNTで初期位置がPN0である場合、ユーザU1が停止スイッチ53を押し下げるタイミングが遅れると閉動作するシャッター13の下端部13Aが当該PNTを通過して位置PNT+1まで達してしまう。この場合、ユーザU1は開動作スイッチ51を押し下げることによって下端部13Aを目的のPNTまで戻す必要がある。
【0133】
このときカウンタ23内のカウンタ値CTは制御信号S1を用いる制御部29の制御下にあるが、制御部29では、前記初期位置PN0からPNT+1までカウンタ値CTをエンコーダパルスENに応じてインクリメント(+1)していたとすると、PNT+1からPNTに戻すときには、エンコーダパルスENに応じてデクリメント(−1)することになる。
【0134】
このように停止スイッチ53を押し下げるタイミングが遅すぎたり、早すぎたりすることによる微調整は、当該情報入力方法を実行する場合には不可欠と考えられる。ただし、当該微調整に要する手数や時間を低減するため、通常はかなり高速に行われるシートシャッター13の開閉動作を、当該情報入力時には、やや低速で行うようにしてもよい。
【0135】
あるいはユーザU1が手動で、当該シートシャッター13の下端部13Aを所望の中間位置PNTまで移動させるようにしてもよい。
【0136】
いずれにしても、最終的に確定したカウンタ値CTが、設定される新たな中間位置を示す基準数値ISN2とされ、制御部29によって前記基準数値候補メモリ26上の従前の基準数値ISN1に上書きされる。
【0137】
この確定のタイミングは、当該ステップP14につづくステップP15が、Yes側に分岐したタイミングである。
【0138】
ステップP15では、前記第1の移行操作と同じ操作をユーザU1がもう1度おこなったことを制御部29が検出することによって、当該Yes側を選択する。当該Yes側を選択するまではステップP15のNo側の選択を継続し、記憶処理装置11の動作モードを中間位置設定モードに維持する。
【0139】
ステップP15のYes側の分岐につづいて実行されるステップP16では、上述した新たな中間位置を示す基準数値ISN2の上書きが行われる。この上書きは論理的には、従前の基準数値ISN1の削除と新しい基準数値ISN2の記憶にわけることもできるが、メモリ上の同一の記憶領域に新たなデータを書き込めば従前のデータは失われるので、物理的には1つの上書き操作(または書き込み操作)と同等である。
【0140】
当該上書きの実行後ただちに、当該中間位置設定操作モードは解除され(P17)、記憶処理装置11の動作モードは、前記ステップP11の通常操作モードに復帰する。
【0141】
このとき記憶処理装置11へ電源供給を断ったとしても、新たな中間位置を示す基準数値ISN2の記憶は、基準数値候補メモリ26上に維持されている。
【0142】
ステップP17のあとの通常操作モード(P11)ではすでに新たな中間位置(ISN2)が有効になっているので、上述したように、閉動作スイッチ52と停止スイッチ53を同時に短く(3秒以内)押すことによって中間停止を指示すると、シャッター13は当該基準数値ISN2に対応する新たな中間位置PNTで停止するようになる。
【0143】
なお、以上の動作では、通常操作モードから中間位置設定モードへの移行操作も、中間位置設定モードから通常操作モードへの移行操作も、同一の前記第1の移行操作としたが、必要に応じて、これらの移行操作を異なる操作としてもよい。
【0144】
また、図5のフローチャートでは、ユーザU1が2回目の前記第1の移行操作を行うまではいつまでも、記憶処理装置11の動作モードは中間位置設定操作モードに維持されたが、ステップP14とP15の間にタイマ処理を設け、一定時間(例えば、10秒程度)以上、有効な操作が検出できない場合には自動的に中間位置設定操作モードから通常操作モードに復帰するようにしてもよい。機能が限定されているリモコン送信機12や記憶処理装置11などを用いていることから、状況によりユーザU1が記憶処理装置11の動作モードが何であるかを見失う可能性もあるため、このような自動復帰機能を設けたほうが、システム10の使い勝手が向上する。
【0145】
なお、以上ではリモコン送信機12を用いた場合を例に説明したが、固定操作部14を用いる場合の動作も、実質的に同じである。
【0146】
また、図5のフローチャートでは中間位置を設定する場合を例に説明したが、減速開始位置を設定する場合の動作も、実質的に同じである。
【0147】
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、本実施形態によれば、ドライバなどの工具類を用いることなく、
従来よりも簡単かつ短時間の操作によってシャッターの中間位置や減速開始位置を変更し、シャッター動作をカスタマイズすることが可能になる。
【0148】
(B)他の実施形態
上記実施形態では、本発明を混合システムに適用した場合を例に説明したが、本発明は、専用の無線リモコンシステムまたは有線リモコンシステムのいずれかに適用することも可能である。
【0149】
有線リモコンシステムに適用する場合、リモコン送信機は所定の装着部などに装着して、前記固定操作部14を使用する場合のように、有線伝送路を介して記憶処理装置11と通信するようにしてもよい。
【0150】
なお、上記実施形態では、無線信号WL1は周波数帯域が300MHzや400MHz程度で、送信電力が1mW程度の微弱な電波であっったが、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。これよりも高い周波数や低い周波数の電波を使用してもよく、赤外線などを使用してもよい。また、送信電力もこれよりも大きくしてもよく、小さくしてもよい。
【0151】
また、上記実施形態の記憶処理装置11に搭載していたシャッター仕様識別部22は省略可能である。当該シャッター仕様識別部22の機能によって、同一の記憶処理装置11をさまざまなシャッターと組み合わせて使用することが可能になり、同一装置の大量生産によるコスト低減を期待することができるが、予め、特定のシャッターとの組合せが確定している記憶処理装置にあっては、このような機能は不要である。
【0152】
また、上記実施形態の記憶処理装置11は減速指示部20と、中間停止指示部21の双方を搭載していたが、いずれか一方だけを搭載するものであってもよい。
【0153】
さらに、上記実施形態の減速指示部20は、ブレーキや反対方向のトルクを発生させること等によって積極的な減速処理を実行させるものであったが、本発明では、モータに対する電力供給を断つこと等により、シャッター(例えば13)の開閉動作に必要な駆動力の発生源を無くし、ガイドレールとシャッターカーテン部の摩擦などを利用してシャッター速度の消極的な減速(自由停止処理)を行わせる自由停止指示部を設けるようにしてもよい。
【0154】
自由停止処理の場合も、前記減速処理の場合と同様に、設定、変更の対象となるのは自由停止を開始する位置(すなわち自由停止開始位置)である。当該自由停止開始位置は基本的に上記減速開始位置に相当する概念である。
【0155】
しかしながら、当該自由停止処理は、極めて軽量なシートシャッターなどではあまり利用されず、また通常は、完全開放時に利用されるものでもない。すなわち当該自由停止処理は、スラットシャッターなどを完全閉鎖する際に利用されるのがふつうである。従来は、前記シャッター(13。ここでは、シャッター13がスラットシャッターであるものとする)の下端部(13A)の位置が最下端PNEの近傍(例えば、最下端から50cm上方の位置)に配置したセンサ(例えば光電管)が、当該シャッターの下端(例えば13A)を検出したときに、自由停止処理を開始する構成となっていた。
【0156】
このような前記自由停止指示部は、減速指示部20や中間停止指示部21とともに記憶処理装置(11)内に設けてもよく、単独で記憶処理装置(11)内に設けてもよい。
【0157】
なお、上記実施形態では、開放時にのみ当該減速処理を実行するものとしたため、減速開始位置は、開放用の減速開始位置のみであったが、システム構成によっては、開放用の減速開始位置だけでなく、シャッターの閉鎖時に使用する閉鎖用の減速開始位置が併存する場合もある。
【0158】
この場合、減速開始位置設定時に、当該中間位置の用途、すなわち開放用、閉鎖用いずれの減速開始位置であるかを、どのようにして指定するかが問題となる。その指定方法として、以下の(1)〜(5)のような方法が考えられる。
【0159】
(1)予めモード設定等で、用途指定(開放用であるか閉鎖用であるかの指定)を行った上で、ある中間位置を指定する所定の操作が行われると、システム(前記記憶処理装置11に相当する装置)が、当該中間位置を当該用途のための中間位置として認識する。
【0160】
(2)開放方向か閉鎖方向に動作させているとき(または、直前に動作していたとき)に所定の操作で中間位置を指定すると、当該中間位置は、当該動作方向に対応する用途の中間位置であるものとして、システムが認識する。
【0161】
(3)指定した中間位置の位置自体に応じて、システムが自動的に用途を特定する。例えば、完全開放位置と完全閉鎖位置のちょうど中央(より一般的には予め決められている所定位置)を基準位置として、当該基準位置よりも完全開放位置寄りの中間位置を指定した場合には、システムはその中間位置の用途を開放用として認識し、反対に当該基準位置よりも完全閉鎖位置寄りの位置を指定した場合には、閉鎖用として認識する。
【0162】
(4)中間位置を指定する位置指定操作とともに用途指定を行う用途指定操作も行うようにし、当該位置指定操作によって指定された中間位置は、当該用途指定操作によって指定された用途であるとシステムが認識する。
【0163】
(5)非開閉装置側通信装置または開閉装置側通信装置に、予め候補となるいくつかの中間位置を用途別に用意しておき、所定の選択操作によって中間位置を選択するようにする。この場合、中間位置の選択は、同時に用途の選択ともなっている。
【0164】
前記指定方法(1)〜(5)は、減速開始位置について述べたが、これらは前記自由停止開始位置などについても、そのまま当て嵌まる。
【0165】
なお、指定した中間位置(減速開始位置など)を解除する方法としては、全部の中間位置指定を同時に解除する全部解除機能と、一部の中間位置だけを解除する一部解除機能を設けるようにするとよい。
【0166】
例えば、特定の操作スイッチを押し下げることで全部解除を実行したり、前記固定操作部14などに番号キーを設けておき、当該番号キーの押し下げと、所定の操作スイッチの押し下げを同時に行うことにより、一部解除を実行したりするようにしてもよい。
【0167】
また、上記実施形態では、リモコン送信機12に搭載する機能をできるだけ少なくし、できるだけ多くの機能を記憶処理装置11側に配分する構成を取ったが、必要ならば、記憶処理装置11が搭載している機能の一部をリモコン送信機12側に搭載する構成を採用することもできる。
【0168】
例えば、構成要素23〜26、30などをリモコン送信機12側に配置するようにしてもよい。
【0169】
さらに、上記実施形態では、操作スイッチは、PBS形式のスイッチであるものとしたが、本発明は、PBS形式のスイッチに限って適用されるものではない。スライド式スイッチや回転式スイッチなどを使用してもよく、圧力や温度、静電気の変化などに反応する各種のスイッチを適用することもできる。
【0170】
なお、上記実施形態においては主として、シートシャッターについて本発明を適用したが、本発明はシートシャッター以外にも、ガレージ用シャッターや窓用シャッターなど各種のシャッターに適用することも可能である。
【0171】
さらに本発明は、シャッター用としてだけでなく、ドア、窓、オーバーヘッドドア、ロールスクリーン(例えば遮光幕)、ブラインド、オーニング装置などの他の開閉装置の混合システムにも適用することが可能である。
【0172】
また、以上の説明において、情報の流れる方向は、基本的にはリモコン送信機からリモコン受信機(記憶処理装置11)へ向かう単方向であったが、本発明の適用範囲はこのような単方向通信に限定されるものではない。
【0173】
すなわち当該リモコン送信機を送信専用の通信機器ではなく遠隔操作用の送受信機である操作送受信機に置換するとともに、当該リモコン受信機を受信専用の通信機器ではなく遠隔被操作用の送受信機である被操作送受信機に置換し、必要に応じて全二重通信や半二重通信が行えるようにしてもよい。
【0174】
このとき操作送受信機から被操作送受信機に向かう無線信号に含まれている信号は、前記シャッター動作などを指示する動作状態指示信号であってよく、反対に被操作送受信機から操作送受信機に向かう無線信号に含まれている信号は、シャッター動作の現状を報告するための動作状態報告信号であってよい。
【0175】
当該動作状態報告信号は、その時点のシャッター動作状態が、例えば、「全開放状態」、「全閉鎖状態」、「一部開放状態(部分的に開放して停止している状態)」、「開動作中」、「閉動作中」、「異常発生」などであることを示す信号であってよい。
【0176】
この場合、当該動作状態報告信号を受け取ることによって、操作送受信機のユーザは、シャッター動作状態が例えば当該「閉動作中」であることを認識することができる。
【0177】
また、当該操作送受信機を携帯受信機に置換し、被操作送受信機を固定送信機に置換することもできる。この場合、情報の流れる方向は、固定送信機から携帯受信機に向かう単方向となる。常時このような単方向通信だけが行われるシステム構成であってもよく、通信方向モード切換に応じて必要な場合にのみ、このような単方向通信を行い得るシステム構成であってもよい。
【0178】
すなわち、前記操作送受信機と被操作送受信機において、通信方向モード切換に応じて必要な場合にのみ、このような単方向通信を行い得るようにしてもよい。
【0179】
また、以上の説明では、主として、開閉装置側通信装置が遠隔被操作器であり、非開閉装置側通信装置が遠隔操作器である場合について説明したが、本発明は、このケースに限って適用できるものではない。
【0180】
非開閉装置側通信装置が受信だけを行う(ただし割り当てられているIDは送信する)実質的な受信専用機器である場合も考えられる。
【0181】
この受信専用機器は、例えば、メンテナンスなどを目的としたもので、開閉装置側通信装置が開閉体に関して保有している動作管理情報(開閉体の開閉位置、開閉回数、開閉に関する障害情報、開閉時の障害物当接感知の有無など)などを受信し、受信結果を表示するものであってよい。
【0182】
また、この動作管理情報を開閉装置側通信装置が送信する送信タイミングについては、例えば、曜日や時間などを固定的に予め決めておいたり、有線で送信指示が与えられた任意のタイミングを、当該送信タイミングとすること等も可能である。
【0183】
さらに、当該送信タイミングで送信される前記動作管理情報の具体的な内容についても、予め固定的に決めておくようにしてもよく、指示された内容だけを送信するようにしてもよい。
【0184】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、前記目的関連動作の動作属性を、簡単に、かつ短時間の操作によって変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る遠隔操作システムの記憶処理装置(リモコン受信機)の主要部の構成例を示す概略図である。
【図2】実施形態に係る遠隔操作システムの全体構成を示す概略図である。
【図3】実施形態に係るリモコン送信機の外観例を示す概略図である。
【図4】実施形態に係るリモコン送信機の主要部の構成を示す概略図である。
【図5】実施形態の動作説明図である。
【符号の説明】
10…遠隔操作システム、11…記憶処理装置(リモコン受信機)、12…リモコン送信機、13…シートシャッター(シャッターカーテン部)、14…固定操作部、20…減速指示部、21…中間停止指示部、22…シャッター仕様識別部、23…カウンタ、24…比較器、25…基準数値メモリ、26…基準数値候補メモリ、29…制御部、30…モードメモリ、31、57…手順記憶部、33〜35、51〜53…操作スイッチ。
Claims (3)
- 開閉装置の開閉動作に関連する所定の関連動作を制御する開閉装置の通信システムにおいて、
前記関連動作の内、少なくとも一部の動作である目的関連動作につき、その動作属性を電気的制御によって変更する動作属性変更手段を備え、
当該動作属性変更手段は、前記動作属性としての減速開始位置を電気的制御によって変更する減速開始位置変更部を備え、
当該減速開始位置変更部は、シャッターの開放時における減速開始位置を変更するための減速開始位置設定操作モードを有し、
開動作中のシャッターの減速を指示する減速指示部から減速信号を受け取った、前記シャッターの動きを制御するシャッター制御部が、当該受け取りのタイミングによって指定される減速開始位置で減速処理を開始し、
エンコーダパルスのパルス数をカウントすることによってカウント開始時からの相対的なシャッターの位置を認識するカウンタからのカウンタ値が、基準数値メモリから受け取った基準数値に達したと比較器で判断したとき、開動作中の前記シャッター制御部に減速開始を指定すると共に、
前記シャッターの開放時における減速開始位置の変更時には、初期位置から新たに設定される減速開始位置までシャッターを移動させることによって与えられた前記カウンタ値が、新たに設定される減速開始位置を示す基準数値として従前の前記基準数値に上書きされることを特徴とする開閉装置の通信システム。 - 請求項1に記載の開閉装置の通信システムにおいて、
前記シャッターが、軽い素材によって構成されたシート状のカーテン部を主体とするシートシャッターであることを特徴とする開閉装置の通信システム。 - 請求項1又は2に記載の開閉装置の通信システムにおいて、
前記動作属性としての中間位置を電気的制御によって変更する中間位置変更部をさらに備え、
前記減速開始位置変更部は、前記シャッターの開放時における減速開始位置の変更と共に、前記シャッターの閉鎖時における減速開始位置を変更する機能を備え、
前記中間位置変更部で変更した前記中間位置が、予め設定された基準位置よりも完全開放位置寄りの位置である場合にはその中間位置を開放用として認識し、前記基準位置よりも完全閉鎖位置寄りの位置である場合にはその中間位置を閉鎖用として認識することを特徴とする開閉装置の通信システム。
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