JP4497714B2 - 開閉装置の通信システム及び開閉体側通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は開閉装置の通信システムに関し、例えば、シャッター、ドア、窓、オーバーヘッドドア、門扉、ゲート(駐車場などのゲート)、ロールスクリーン(例えば遮光幕)、ブラインド、オーニング装置などの遠隔操作システム(リモコンシステム)などに適用し得るものである。
【0002】
また、本発明は、かかる通信システムの構成要素としての開閉体側通信装置に関するものである。
【0003】
【従来の技術】
これまで、開閉体の開閉をリモコン送信機を用いて無線通信により指示できるようにした開閉装置が多く提案されている。例えば、ガレージ用シャッターにおいては、ユーザが車両から降りることなくシャッターの開閉を実行できることが便利であり、無線リモコンシステムが適用されることも多い。
【0004】
このようなシャッター用の無線リモコンシステムのリモコン受信機では、シャッター近傍の壁面や、シャッターの収納ボックス前面又は下面に取り付けられた受信アンテナを用い、無線伝送路を介してリモコン送信機からの電波を捕捉する。
【0005】
当該リモコン受信機においては、受信アンテナが捕捉して変換した電気信号(例えば、ASK変調信号やFSK変調信号など)が受信部によって復調され、リモコン送信機が送信しようとした原送信信号(復調信号)が受信制御部に与えられる。そして、受信制御部によって原送信信号が解読され、その信号に挿入されている識別情報(以下、IDと略す)に基づいて、原送信信号の送信元であるリモコン送信機が当該リモコン受信機に対して動作指示を発することができるものであることを確認(IDの照合)し、その後、原送信信号に挿入されている情報内容に基づいて、シャッター動作(シャッターの開動作、閉動作または停止動作など)を指示する開閉制御信号CSを形成し、シャッター制御部54(図2参照)に供給する。
【0006】
この開閉制御信号は、リモコン送信機の操作者(ユーザ)が各操作スイッチに対して行った操作に応じて形成される。
【0007】
一般的に、ガレージ用シャッターのリモコン送信機の場合、携帯性を高める観点から小型化が求められる一方で、通常は、前記開動作、閉動作または停止動作など、たかだか数種類のシャッター動作を行えば十分なので、リモコン送信機上に設けられる操作スイッチの数も数個程度(多くのリモコン送信機では、3〜4個)であるのが普通である。
【0008】
また、小型化の要求との関連もあって、リモコン送信機には機能の節約に関する要求水準も高い。
【0009】
すなわち、前記IDをリモコン受信機に登録することに関しては、各リモコン送信機は工場出荷時点までに自身に割当てられたIDを登録する機能のみを備えているので、登録時には、当該IDに対応した10桁程度のコードを1桁ずつボタン操作などによって入力する必要はなく(このような入力を解釈し、その入力内容に応じた原送信信号を形成するためには、機能の増加を要する)、簡単にIDを登録することができる。
【0010】
また、機能の節約を求められる程度では、リモコン受信機のほうもリモコン送信機とほとんど同じなので、リモコン受信機も、多機能化、高機能化、および大型化は極力さけることができるように構成される必要がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述したようなリモコン送信機とリモコン受信機によって構成されたリモコンシステムの場合、ID登録を行おうとするユーザは、通常、機能が節約された小型のリモコン送信機に対して、操作手順が複雑なボタン操作であるID登録操作(必ずしもIDを1桁ずつ指定する必要はないとしても、少なくともこれから送信する原送信信号が前記シャッター動作を指示するものではなく、ID登録を行うためのものであることを指定できる程度のボタン操作)を実行する必要がある。
【0012】
ID登録は通常、シャッター動作などに比べてそれほど頻繁に行われるものではないため、そのID登録操作をユーザが忘れてしまう可能性も高く、ユーザの負担感も大きいものと考えられる。
【0013】
また、例えば窓用シャッターなどでは、リモコン受信機とリモコン送信機を工場から出荷する時点で組み合わせて出荷することが普通であるが、その場合、当該ID登録は工場出荷時の作業として実行されることになり、作業効率を高めるためには、ID登録ができるだけ簡略に、短手数、かつ短時間で実行できることが重要である。
【0014】
さらに、リモコン受信機などを含むシャッターシステムが製造された時点でその動作の正常性を確認する場合などにも、ID登録作業が必要であり、当該ID登録の作業効率を高めることが求められる。
【0015】
以上のような課題は、ガレージ用シャッターや窓用シャッターなどのシャッター用だけでなく、ドア、窓、オーバーヘッドドアなどの他の開閉装置のリモコンシステムにも共通している。
【0016】
本発明は、操作性が良好な開閉装置の通信システムを提供することを目的とする。
【0017】
また、本発明は、このような通信システムの構成要素としての開閉体側通信装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、本発明では、通常登録モードでは所定の通常登録操作を正常に実行した場合にのみ通常登録条件を満足して、非開閉体側に配置された非開閉体側通信装置が送信する認証識別子を登録する認証登録受付手段を備え、当該非開閉体側通信装置との間で前記認証識別子を収容した通常伝送信号を通信し得る開閉体側通信装置において、簡略登録モードでは、前記通常登録操作よりも簡略な簡略登録操作を実行しただけで簡略登録条件を満足し、当該簡略登録操作を実行した非開閉体側通信装置の認証識別子を前記認証登録受付手段に登録する簡略登録モード対応手段を備えたことを特徴とする。
【0019】
また、本発明にかかる開閉装置の通信システムでは、請求項1〜8のいずかの開閉体側通信装置と、当該開閉体側通信装置との間で、自身を指定する認証識別子を収容した通常伝送信号を通信し得る複数の非開閉体側通信装置とを備えたことを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
(A)実施形態
以下、本発明にかかる開閉装置の通信システム及び開閉体側通信装置をそれぞれ、ガレージ用シャッターのための遠隔操作システム(リモコンシステム)、およびリモコン受信機に適用した場合を例に、実施形態について説明する。
【0021】
本実施形態では、当該遠隔操作システムは、有線リモコンシステムと前記無線リモコンシステムを混合した混合システムであるものとする。
【0022】
ここで、有線リモコンシステムとは、シャッターシステムを構成要素として含むリモコンシステムであって、有線通信によってシャッター動作を行うものである。
【0023】
一般に、遠くから離れた不特定の位置からシャッター動作を行うことができ、使い勝手が良いという点では前記無線リモコンシステムが有利であり、通信の信頼性の点や、常に特定の位置でシャッター動作を指定したい場合などには、当該有線リモコンシステムが向いている。
【0024】
また、同じシャッターシステムを有線でも無線でも制御できると、融通性に富み、ユーザの都合によりどちらの方法を取ることも可能となる。したがって実際のリモコンシステムは、これら無線リモコンシステムと有線リモコンシステムの特徴を混合した混合システムとすることも少なくない。
【0025】
以下の各実施形態において、各リモコン送信機(40A〜40X(図2参照))は従来と同様に、工場出荷時点までに自身に割当てられたIDコード(10桁程度のコード)を登録する機能のみを備えており、自身に割当てられたID自体を示す信号は自動的に生成して送信信号WSに収容する機能を備えているものとする。
【0026】
(A−1)第1の実施形態の構成
ガレージ用シャッターの遠隔操作システム10の全体構成を図2に示す。
【0027】
図2において、当該遠隔操作システム10は、リモコン送信機20、40A、40B、40C、…、40Xから構成される送信機グループGP1と、リモコン受信機50と、シャッター制御部54と、シャッターシステムSSとを備えている。
【0028】
このうちシャッターシステムSSは、シャッターS1と、当該シャッターS1を駆動させるために必要なモータなどの駆動機構(図示せず)と、当該シャッターシステムSSにおける固定操作部(固定操作盤)AMとを備えている。
【0029】
また、リモコン送信機20、40A、40B、40C、…、40Xは、携帯性に富み、ユーザの手の平に収まる程度にコンパクトなパームサイズの送信機で、例えば図3に示すような外観を有する。リモコン送信機20、40A〜40Xの外観はすべて同じであってよいので、図3には主としてリモコン送信機40Aの外観を示したものとして説明を進める。
【0030】
図3において、リモコン送信機40Aの本体40ABはユーザの手のひらに収まる程度のコンパクトな構成となっている。この本体40ABの上面からはPBS(プッシュ・ボタン・スイッチ)形式の3つの操作スイッチ31〜33が突出している。これら操作スイッチ31〜33は、シャッター動作(一般的には、開閉体の開、閉、停などの動作)を行わせ得るシャッター操作スイッチである。
【0031】
本実施形態では、当該シャッター操作スイッチ31〜33のうち、シャッター操作スイッチ31は、シャッターの開動作を行わせるための開動作スイッチで、シャッター操作スイッチ32はシャッターの閉動作を行わせるための閉動作スイッチで、シャッター操作スイッチ33はシャッターの開動作または閉動作を停止させるための停止スイッチである。
【0032】
もちろん、必要ならば、これらの操作スイッチ31〜33の操作を組み合わせてもっと複雑な操作、例えば半開動作(シャッターの完全閉鎖状態と完全開放状態の中間状態へ移行する動作)や換気動作(シャッターの内外の空気が流通し得ない状態から流通し得る状態へ移行する動作)などを行わせることも可能である。
【0033】
なお、操作スイッチ34は、リモコン送信機20においてのみ有効な登録スイッチである。
【0034】
また、リモコン送信機40A、40B、40C、…、40Xの内部構成例は図5に示す。リモコン送信機40A、40B、40C、…、40Xは実質的に同じ内部構成を備えているので、図5には主として、リモコン送信機40Aを示したものとして説明する。
【0035】
(A−1−1)リモコン送信機の内部構成
図5において、リモコン送信機40Aは、無線送信部21と、送信処理部22と、プロセッサ23と、自IDメモリ24と、モード切替部25と、手順記憶部26と、操作検出部27と、操作応答部28とを備え、前記操作スイッチ31〜32は、当該操作検出部27に設けられている。
【0036】
このうち無線送信部21は、図2に示した無線伝送路としての空間13を介してリモコン受信機50内の後述する無線受信部51に対向する部分で、送信処理部22から所定の信号線を介して受け取った送信信号WSに対応した無線信号LS2を無線送信する。そのために、当該無線送信部21は、送信用のアンテナシステムやフィルタ回路などを備えている。当該無線信号は、例えば、300MHzや400MHz程度の電波であってよい。
【0037】
また、前記送信処理部22は符号化処理や変調処理などの必要な処理を実行する機能を備え、プロセッサ22から供給される送信処理信号RPに応じて、生成する送信信号WSの内容を変化させる。
【0038】
リモコン送信機40Aの場合、当該送信信号WSの内容は、例えば、前述した開閉制御信号CSが指定するシャッター動作や、ID登録操作などの種類に応じて決定される有限個であるので、送信する情報の発生源(例えばROM(リードオンリーメモリ)などであってよい)も送信処理部22の内部に存在し、前記送信処理信号RPに応じて当該発生源のなかから1つの送信情報を選択して読み出す構成であってもよい。
【0039】
送信信号WSと送信処理信号RPは、論理的にみると、例えば図6(A)または(B)に示すフォーマット構造を備えたフレームFR1またはFR2である。フレームFR1は、リモコン送信機40Aの通常操作モードで使用されるフレームであり、フレームFR2は当該リモコン送信機40Aの通常登録操作モードまたは登録抹消操作モードで使用されるフレームである。
【0040】
図6(A)において、フレームFR1は、自IDコードフィールドMFと、制御コードフィールドCC2を備えている。ここで、自IDコードフィールドMFには、前記自IDメモリ24に格納されている自IDの内容が自動的に書き込まれ、制御コードCCには、リモコン送信機40Aのユーザが操作スイッチ31〜33を操作することによって指定したシャッター動作を示すコードが書き込まれている。ここで、自IDとは、工場出荷時点までに予め各リモコン送信機に対し一義的に割り当てられているIDである。
【0041】
図6(B)において、フレームFR2は、自IDコードフィールドMFと、フラグフィールドF1、F2を備えている。
【0042】
この自IDコードフィールドMFは、前記フレームFR1の自IDコードフィールドと同じである。
【0043】
また、フラグフィールドF1には、通常操作モードと通常登録操作モードとを区別する識別子が書き込まれ、フラグフィールドF2には登録抹消操作モードであるか否かを示す識別子が書き込まれる。フラグフィールドF1に書き込む識別子の値は、例えば、通常操作モードを指定する場合が「0」で、通常登録操作モードを指定する場合が「1」であってもよいが、この値は、送信処理部22で行う符号化の内容に応じて変化し得る。この点は、他のフィールドや他のフレームについても同様である。
【0044】
当該送信処理信号RPを送信処理部22に対して出力するプロセッサ23は、当該リモコン送信機40AのCPU(中央処理装置)である。
【0045】
このプロセッサ23に接続されている自IDメモリ24には、当該リモコン送信機40Aの自IDが格納される。当該自IDは、半永久的に保存しなければならず、また、いったん割り当てられると通常は変更する必要はないので、後述するリモコン受信機50内のIDメモリ57と同様にEEPROMによって構成するようにしてもよい。
【0046】
ただし自IDメモリ24の場合、いったん書き込んだIDを削除したり、書き換えたりすることは実用上ほとんどないので、書き込んだデータの削除に紫外線照射などの特別な手段を必要とするUV−EPROM(紫外線照射タイプのEPROM(Erasable Programmable ROM)などを利用することも十分に可能である。
【0047】
プロセッサ23による自IDメモリ24に対する自IDの読み書き(ほとんどは読み出し)には、自ID信号SIが使用される。自IDの具体例としては、例えば、「00279511」などの8桁の10進数であってよい。
【0048】
なお、各リモコン送信機に割り当てられるID(各リモコン送信機の自ID)は、送信機グループGP1のなかで各リモコン送信機を識別するために使用されるだけでなく、送信機グループGP1に属していない同種のリモコン送信機や通信装置(送信する無線信号の周波数などが送信機グループGP1内のリモコン送信機と同じで、リモコン受信機50と通信する可能性のあるすべての通信機器)と、送信機グループGP1内の各リモコン送信機とを識別して、リモコン受信機50が真に送信機グループGP1に属しているリモコン送信機だけと通信するために使用されるため、その桁数はかなり多くなることが避けられない。
【0049】
また、将来的に製品としてのリモコン送信機の販売が進み、さまざまなユーザによって同時に使用され得るリモコン送信機の数が増加した場合などにも対応するため、現時点までの販売数量に限定せず、将来的なリモコン送信機数の増加も見越して、IDの桁数は十分に多めに設定しておく必要がある。
【0050】
さらに、開発時期が異なる新旧の製品(新旧のリモコン送信機)を矛盾なく使用できるようにするためには、同一のID番号体系のなかから、新旧の各リモコン送信機に割り当てるIDを決定する必要もあるので、この意味でも、IDの桁数は十分に多くなければならない。
【0051】
リモコン送信機40Aのユーザにとって唯一の遠隔操作手段である上述した3つの操作スイッチ31〜33を設けた操作検出部27は、各操作スイッチ31〜33について、その押し下げストロークが所定の長さに達すると操作検出信号PB1、PB2を出力する部分である。
【0052】
操作検出信号PB1は押し下げを検出した操作スイッチに応じて異なる状態をとり、その操作手順は手順記憶部26に一時的に記憶される。
【0053】
手順記憶部26は一時記憶している手順がどのような操作または入力データを指定しているかを判定して、その判定結果である判定信号DSをプロセッサ23に供給する部分であり、前記通常操作モード、通常登録操作モード、登録抹消操作モードを区別する機能も備えている。
【0054】
本実施形態において、リモコン送信機40Aが搭載している動作モードは、通常操作モードと通常登録操作モードと登録抹消操作モードの3通りである。ここで、通常操作モードは、シャッターの開動作、閉動作または停止動作などのシャッター動作を指定するための動作モードであり、通常登録操作モードは通常の方法でID登録を行うための動作モードであり、登録抹消操作モードはIDメモリ57に登録されている全IDを抹消するための動作モードである。
【0055】
ID登録よりもシャッター動作の頻度のほうが通常ははるかに高いことから、リモコン送信機40Aの電源を投入したときの最初の動作モードは通常操作モードとしておくことが効率的である。したがって、リモコン送信機40Aに電源を投入しただけでは、リモコン送信機40Aの動作モードは通常操作モードであり、当該通常操作モードから通常登録操作モードや登録抹消操作モードに移行するためには、操作スイッチ31〜33に対して所定の移行操作を実行することを要する。
【0056】
この移行操作は、あまりに単純すぎると誤操作によって偶発的に通常登録操作モードや登録抹消操作モードに移行してしまう可能性が高まり、あまりに複雑すぎると操作手順をユーザが記憶したり実行したりすることが困難になるので、適度な複雑さを持つ操作であることを要する。
【0057】
一例としては、3つの操作スイッチ31〜33の同時押し下げを、短く3回(例えば3秒以内に3回)おこなうことを、通常登録操作モードへの当該移行操作としてもよい。
【0058】
なお、通常登録操作モードでは当然、通常のシャッター動作を行うことはできないので、誤操作によって通常登録操作モードに移行してしまった場合にどのようにしてもとの通常操作モードに復帰するか、あるいはその場合のリモコン受信機側の対応も問題となり得る。
【0059】
本実施形態では、リモコン送信機側は、誤操作であるか否かを区別する機能を持たず、誤操作による通常登録操作モードに対してはリモコン受信機側で対応するものとする。
【0060】
リモコン送信機に、誤操作であるか否かを区別する機能を持たせないこととしたのは、他のリモコン送信機(例えば40B)がIDの登録抹消(全IDの抹消)を実行した場合などには、当該リモコン送信機40Aが何度も繰り返しID登録を実行しなければならないこと等を考慮すると、単純に通常登録操作モードへの移行回数などで誤操作か否かを検出することはできず、リモコン送信機40Aのかぎられた機能で誤操作であるか否かを検出することは非常に困難だからである。
【0061】
また、誤操作によって通常登録操作モードに移行した場合でも、上述した図6(B)のフレームFR2を送信したあとただちに、通常操作モードに復帰するものとしておけば、復帰に関する問題は解消される。
【0062】
もちろん必要に応じて、通常登録操作モードから通常操作モードへ復帰するための所定の復帰操作を搭載するようにしてもよい。一例としては、例えば、2つの操作スイッチ31および32の同時押し下げを1回行うこと等を、当該復帰操作としてもよい。
【0063】
ただしリモコン送信機(20、40Aなど)のように、きわめて限定されたユーザインタフェースしか搭載していない通信機器の場合、そのユーザが、ある時点の当該通信機器の動作モードが何であるかを見失う可能性も少なくないので、ある基点となる動作モード(ここでは通常操作モード)を用意しておき、別な動作モードをとる必要がなくなった場合や一定期間操作が行われない場合には、ただちに基点となる動作モードに復帰する構成としておくことが好ましいと考えられる。
【0064】
なお、登録抹消操作モードへの移行操作は、その影響を送信機グループGP1全体が受けることから、通常登録操作モードへの移行操作よりもさらに複雑にしておく必要があると考えられる。
【0065】
必要に応じて、登録抹消操作モードはリモコン送信機には搭載せず、例えば、前記固定操作部AMにだけ搭載するようにしてもよい。携帯性を求められない固定操作部AMのほうが一般的に、リモコン送信機40Aに比べると、小型化の要求や機能の節約に関する要求水準が低く、登録抹消のような重大な操作を誤操作を防止しながら実行するのに適していると考えられるからである。
【0066】
前記操作検出信号PB1が前記手順記憶部26に供給されるのと同時に操作応答部28に供給される操作検出信号PB2も、当該PB1と同様に、押し下げを検出した操作スイッチに応じて異なる状態をとるようにしてもよいが、本実施形態では、操作スイッチ31〜33を区別せず、同じ状態をとるものとする。
【0067】
当該操作検出信号PB2を受け取った操作応答部28は、ブザーなどの音響発生器であり、操作スイッチ31〜33の押し下げが有効に検出されたことをユーザに伝えるために応答出力RAを出力する部分である。本実施形態では、操作スイッチ31〜33を区別しないので、いずれかの操作スイッチが十分に押し下げられると、一定音程、一定音色のブザー音が応答出力RAとしてユーザに聴取されることになる。これにより、ユーザは、聴覚的にスイッチ操作の有効性を確認することができる。
【0068】
例えば、パーソナルコンピュータなどでキーボードを操作する場合など、リモコン送信機40Aに比べるとはるかに大規模で豊富なユーザインタフェースを備えた環境ならば、あるキーの押し下げがマシンに認識されたか否かはビットマップディスプレイなどの画面表示を目視することによって容易に確認可能であるが、高度な携帯性が求められるリモコン送信機40Aは、前述の機能の節約の観点から、機能が極限まで切りつめられるので、どのようにして小規模な構成で効率的にユーザの操作がマシン(ここではリモコン送信機40A)に認識されたか否かを確認するかは重要になる。
【0069】
なおここでは、操作応答部28の応答出力RAを一定音程、一定音色のブザー音としたが、必要ならば、押し下げられた操作スイッチ31〜33に応じて音程や音色などを変化させるようにしてもよい。また、音響発生器による聴覚的な手段にかぎらず、LED(発光ダイオード)等の発光素子などを使用して、視覚的な手段で操作スイッチの操作が有効に検出されたことをユーザに伝えるようにしてもよく、視覚的な手段と聴覚的な手段を併用してもよい。
【0070】
前記プロセッサ23に接続されているモード切替部25は、リモコン送信機40Aの3つの動作モードに応じて、3通りの内部状態を取り得るメモリである。
【0071】
また、プロセッサ23によるモード切替部25の内部状態(すなわち動作モード)の書き換えおよび読み出しは、モード信号MD1を用いて行う。
【0072】
なお、図5上でプロセッサ23の外部に示した手順記憶部26、モード切替部25などは、プロセッサ23の内部にソフトウエア的に実現してもよい。
【0073】
次に、送信機グループGP1内における特異なリモコン送信機であるマスタ送信機20について説明する。当該リモコン送信機20をマスタ送信機とみるとき、当該送信機グループGP1内の他のリモコン送信機40A〜40Xは、スレーブ送信機に相当する。
【0074】
すなわち、送信機グループGP1は、同一のリモコン受信機50に対して有効な通信を行うことのできるリモコン送信機のグループで、1つのマスタ送信機20と、1または複数のスレーブ送信機40A〜40Xによって構成されている。
【0075】
マスタ送信機20は、スレーブ送信機40A〜40Xに予め割り当てられているIDを前記リモコン受信機50のIDメモリ57に登録したり、抹消したりするID管理機能を装備しているほか、通常のスレーブ送信機と同様なシャッター動作指定信号を送信する機能も装備している。
【0076】
スレーブ送信機40A〜40Xがリモコン受信機50に対してシャッター動作指定信号を有効に伝達するためには、そのIDがマスタ送信機20によって、または各スレーブ送信機自身によって、前記IDメモリ57に登録されていることが必要となる。
【0077】
スレーブ送信機40A〜40Xから送信された無線信号LS2〜LSXを受信した場合、リモコン受信機50は、前記ID信号SIを用いて当該無線信号に含まれるIDが、IDメモリ57に登録されているか否かを確認し、登録されている場合のみ、その無線信号が指定するシャッター動作に対応した開閉制御信号CSを出力し、登録されていない場合には当該CSを出力しない。したがって、IDメモリ57にIDが登録されているリモコン送信機しか、シャッター動作を行うことができない。
【0078】
以上のような機能を持つマスタ送信機20の外観構成例はすでに説明した図3に示す通りである。
【0079】
ただしマスタ送信機20においてのみ有効な操作スイッチ(登録スイッチ)34についてはまだ説明していないので、ここで説明する。
【0080】
当該登録スイッチ34は、小さな円形の凹部20B内に設けられた操作スイッチであって、前記操作スイッチ31〜33と同様なPBS形式の押しボタンスイッチの一種である。当該登録スイッチ34は、他のリモコン送信機に割り当てられているIDを管理するためのID管理操作(各IDの抹消や追加登録)を行うとき、当該ID管理操作を行うことのできる動作モードに切替えるためのモード切替えに使用するスイッチであるから、不用意に押し下げられることがないように、凹部20Bの底に配置されている。したがってこの操作スイッチ34を押し下げる際には、ペン先などの細い先端を凹部20B内に挿入して押し下げることになる。
【0081】
本実施形態では、当該操作スイッチ34を短い時間間隔で3回押すと、指定した新たなIDを1つずつ追加的に登録する追加登録操作モードに移行し、連続して3秒間おしつづけるとすでに登録されているIDのなかから指定したIDの登録を個別的に抹消する個別登録抹消操作モードに移行するものとする。
【0082】
また、マスタ送信機20の場合、追加登録操作モード、個別登録抹消操作モード、または通常登録操作モードにある状態で、当該操作スイッチ34を1回おし下げると、通常操作モードに復帰できるものとする。
【0083】
さらに、任意のスレーブ送信機のIDを登録するマスタ送信機20の追加登録操作モードは、リモコン受信機50にとって、スレーブ送信機(例えば40A)の通常登録操作モードと同等な意味を持つので、当該追加登録操作モードにおける当該操作スイッチ34の1回おし下げで、追加登録操作モードから通常操作モードに移行できるものとすると、追加登録操作モードにおける操作スイッチ34の1回おし下げは、前記復帰操作に相当するものとみることができる。
【0084】
なお、操作スイッチ34の形態としては、このように凹部20Bの内部に設けるものにかぎらない。
【0085】
要するにID管理操作は通常それほど頻繁に行う操作ではないし、誤ってIDを登録してしまったり抹消してしまったりする可能性があるようでは遠隔操作システム10の信頼性が損なわれるので、このような誤操作を防止することができることが必要とされる一方で、IDの登録や抹消を行う際にはそれほど煩雑な操作手順を用いなくてもその目的を達成できることが必要とされるから、操作スイッチ34の機能およびその周辺の構造についてはこれらの条件に反しない範囲でさまざまな変形が可能である。
【0086】
一例としては、独立な操作スイッチ34を省略して、上述した3つの操作スイッチ31〜33を、短い時間間隔で31,31,32の順番に押し下げると前記追加登録操作モードに移行し、操作スイッチ31〜33のすべてを連続して3秒間おしつづけると前記個別登録抹消操作モードに移行する構成とすること等も可能である。これによれば、操作スイッチの数を1つ削減することができるので、マスタ送信機20の携帯性向上などの観点で有利である。
【0087】
なお、操作スイッチ31〜34はスレーブ送信機に搭載されているものも含め、必ずしもPBS形式のスイッチでなくてもよいし、PBS形式の操作スイッチとその他の形式の操作スイッチが混在するようにしてもよい。
【0088】
また、本実施形態では、前記マスタ送信機20とマスタ−スレーブ関係にあるスレーブ送信機40A〜40Xの外観やサイズを、マスタ送信機20と同じであるものとしたが、操作スイッチ34や凹部20Bはスレーブ送信機には必要ないため省略することが可能であり、実質的な機能面でも、スレーブ送信機はマスタ送信機よりも少機能であるのだから、より小さなサイズに構成するほうが普通であると考えられるが、セキュリティの観点からは、外観上、マスタ送信機とスレーブ送信機の区別がつかないほうが好ましく、製造コストの観点からも外観やサイズの異なるリモコン送信機を多種類製造することはコストアップの要因になるものと考えられるので、本実施形態では両者のサイズや外観を同じにするものとする。
【0089】
もちろん、必要ならば、両者のサイズや外観を相違させてもよいことは当然である。
【0090】
本実施形態で行うIDの追加登録や個別的な抹消において該当するIDを指定するID指定方法では、4つの操作スイッチ31〜34のうち操作スイッチ(開動作スイッチ)31と操作スイッチ(停止スイッチ)33を用いて行うものとする。
【0091】
このID指定方法において、開動作スイッチ31の押し下げ回数は各桁の数値(10進数)を指定し、停止スイッチ33を押し下げることで当該桁に対する数値入力が終了したことを示し、入力はIDの上位桁から下位桁方向へ1桁ずつ順番に行うものとする。
【0092】
したがって例えばID=「12345678」を指定するには、前記ID管理操作モードに移行したあと、開動作スイッチ31を1回押し下げ、停止スイッチ33を1回押し下げて最上位の「1」の入力を終了し、開動作スイッチ31を2回押し下げ、停止スイッチ33を1回押し下げて最上位から2桁目の「2」の入力を終了し、開動作スイッチ31を3回押し下げ、停止スイッチ33を1回押し下げて最上位から3桁目の「3」の入力を終了し、…、開動作スイッチ31を8回押し下げ、停止スイッチ33を1回押し下げて最下位の「8」の入力を終了すればよい。
【0093】
当該開動作スイッチ31と停止スイッチ33を含めこれらの各操作スイッチ31〜34と内部構成との関係は、図8から明らかとなる。
【0094】
(A−1−2)マスタ送信機の内部構成
図8において、マスタ送信機20は、無線送信部21と、送信処理部22と、プロセッサ23と、自IDメモリ24と、モード切替部25と、手順記憶部26と、操作検出部27と、操作応答部28とを備え、前記操作スイッチ31〜34は、操作検出部27に設けられている。
【0095】
このうち図5と同じ符号を付与した各構成部分21,22,28および各信号WS、RP、DS、MD1、SI、RA、PB1、PB2の機能は図5と同じである。
【0096】
したがって、マスタ送信機20がスレーブ送信機40A〜40Xと相違するのは、登録スイッチ34、プロセッサ43、操作検出部47、手順記憶部46、モード切替部45に関連する部分にかぎられる。
【0097】
上述した4つの操作スイッチ31〜34を設けた操作検出部47は基本的に前記操作検出部27と同じ機能を備えている部分であるが、各操作スイッチ34の押し下げにも対応できる点だけが相違する。
【0098】
したがって操作スイッチ34を押し下げた場合でも、その押し下げストロークが所定の長さに達すると操作検出信号PB1、PB2が出力され、操作対応部28は前記応答出力RAを発生する。
【0099】
また、手順記憶部46も基本的に前記手順記憶部26と同じ機能を備えている部分であるが、操作スイッチ34の押し下げにも対応できる点だけが相違する。
【0100】
ただしマスタ送信機20の手順記憶部46は、前記追加登録操作モードや個別登録抹消操作モードにおいて、前記ID指定方法に応じて入力される8桁のIDコードを処理する必要がある。
【0101】
また、前記追加登録操作モードへの移行を示す当該操作スイッチ34の短い3回押し下げや、登録抹消操作モードへの移行を示す、連続した3秒間の押し下げがなされたか否かの判定も、当該手順記憶部46が行う。
【0102】
なお、マスタ送信機20の場合、前記ID指定方法にしたがって開動作スイッチ31または停止スイッチ33を押し下げる場合にも、各押し下げのたびに出力応答RAとしてのブザー音が出力されることは当然である。
【0103】
前記プロセッサ23に接続されているモード切替部45は基本的に前記モード切替部25と同じ機能を備えている部分であるが、スレーブ送信機には存在しない個別登録抹消操作モードや追加登録操作モードに対応する必要がある。
【0104】
また、当該個別登録抹消操作モードや追加登録操作モードでは、任意のIDを指定する必要があるため、マスタ送信機20が送信するフレームFR3は、例えば、図6(C)に示すようなフォーマット構造を備えている。
【0105】
図6(C)において、図6(A)と同じ符号を付与したフィールドMF、CCの機能は、図6(A)と同じである。
【0106】
ただしフラグフィールドFL1には通常操作モード、通常登録操作モード、またはこれらのいずれでもないことを指定する識別子が書き込まれ、当該フラグフィールドFL1に続くフラグフィールドFL2は、前記ID追加登録操作モード、ID登録抹消操作モード、またはこれらのいずれでもないことを指定する識別子が書き込まれる。なお、FL1の識別子が通常登録操作モードを指定する場合は、マスタ送信機20自身に割り当てられているIDが通常登録操作モードによってID登録されるケースである。
【0107】
また、当該フラグフィールドFL2に続くIDコードフィールドNFは、ID登録抹消操作モードなどのID管理操作モードにおいて該当するIDを指定するためのフィールドであるので、フラグフィールドFL2の場合と同様に、フラグフィールドFL1に通常操作モードを示す値が収容されている場合、無効(リモコン受信機50側で無視される)になる。
【0108】
さらに、FL1に通常登録操作モードを指定する識別子が格納されている場合も、当該通常登録操作モードは、マスタ送信機20の自IDをID登録するためのものなので、もしも当該ID登録がIDメモリ57に未使用領域が残っていない等の理由で拒否された場合、フィールドNFの値は無効になる。当該ID登録が受け付けられた場合には、同一のフレームFR3を用いてフィールドNF中に収容している他のリモコン送信機のIDをID登録することも可能である。
【0109】
なお、前記リモコン送信機40Aと以下に説明するリモコン受信機50や、当該マスタ送信機20とリモコン受信機50のように、相互に対向している通信装置の動作モードは、常時、対応しているのが普通であると考えられるが、本実施形態では必ずしも対応していない。一例として、当該リモコン送信機40Aの動作モードは、通常操作モード、通常登録操作モード、および登録抹消操作モードの3通りであるのに対し、リモコン受信機50の動作モードは、通常操作モード、通常登録操作モード、および登録抹消操作モードのほかに、条件変更操作モードと簡略登録操作モードがあり、合計5通りである。
【0110】
また、マスタ送信機20との関係では、マスタ送信機20とリモコン受信機50の動作モードは、追加登録操作モードと個別登録抹消操作モードに関しては対応しているものの、条件変更操作モードと簡略登録操作モードは、マスタ送信機20には搭載されておらず、リモコン受信機50にのみ搭載されている。
【0111】
当該リモコン受信機50は、通常、シャッターシステムSSの内部に固定的に配置される通信機器で、すでにID登録しているリモコン送信機20、40A〜40Xから送信された無線信号LS1〜LSN(Nは2以上の自然数)だけを正常に受信し処理し得る。
【0112】
当該リモコン受信機50の構成例を図1に示す。
【0113】
(A−1−3)リモコン受信機の内部構成
図1において、リモコン受信機50は、無線受信部51と、受信処理部52と、プロセッサ53と、シャッター制御部54と、モード切替部55と、前提条件判定部56と、IDメモリ57と、簡略条件判定部58と、通常条件判定部59と、条件変更部60とを備えている。
【0114】
当該無線受信部51は、受信用のアンテナシステムやフィルタ回路などを備え、リモコン送信機(20、40Aなど)から送信される無線信号(LS1、LS2など)を、空間13を介して受信する部分である。
【0115】
前記無線受信部51からは受信した無線信号に対応した受信信号WSが出力される。受信信号WSは所定の信号線を介して受信処理部52に供給される。当該受信信号WSは前記送信信号WSに対応する信号である。
【0116】
受信処理部52は、受け取った受信信号WSに対して復調処理、復号処理などの必要な処理を施して受信処理信号RPを生成し、出力する部分である。
【0117】
受信処理信号RPは、前記送信処理信号RPに対応した信号で、通常操作モードではシャッターの開動作、閉動作または停止動作などのシャッター動作を指定するシャッター動作指定信号としてのみ機能するが、本実施形態のその他の動作モードでは、各動作モードに対応した機能を持つことになる。
【0118】
上述したように、リモコン送信機20、40A側に比べ、リモコン受信機50側の動作モードの種類が、条件変更操作モードと簡略登録操作モードの分だけ多いのは、フレームFR1やFR3を受け取った場合、リモコン受信機50の内部状態に応じて次のように当該フレームFR1を解釈し、解釈結果に応じて異なる動作モードをとるからである。
【0119】
このためフレームFR1に対応する受信処理信号RPは各動作モードに対応して、通常操作信号、もしくは、条件変更信号および/または簡略登録信号として機能し得る。この点は、フレームFR3に対応する受信処理信号RPについても同様である。
【0120】
前記受信処理部52から当該受信処理信号RPを受け取るプロセッサ53は、当該リモコン受信機50のCPUとして機能する部分である。
【0121】
したがってプロセッサ53は、受信処理信号RPに応じて、モード切替部55の状態を書き換えることによって動作モードを切替え、モード切替部55の状態を読み出すことによっていつでも動作モードを認識することができる。
【0122】
また、当該モード切替部55のほうは、7通りの前記動作モード(すなわち、通常操作、通常登録操作、登録抹消操作、条件変更操作、簡略登録操作、追加登録操作、および個別登録抹消操作の各動作モード)に対応して7通りの内部状態を取り得るメモリである。プロセッサ53によるモード切替部55の書き換えおよび読み出しは、モード信号MD1を用いて行う。
【0123】
ここでは説明の都合上、モード切替部55をプロセッサ53の外に展開してい図示したが、当該モード切替部55のような機能は、プロセッサ53の内部に主としてソフトウエア的に実現するほうが普通であると考えられる。もちろん、必要に応じて、図示した通り、プロセッサ53の外部に当該モード切替部55を設けるようにしてもよい。
【0124】
当該プロセッサ53はまた、シャッター動作を指定する通常操作信号としての受信処理信号RPを受け取ったときには、IDメモリ57に当該受信処理信号RP(すなわちフレームFR1またはFR3)が収容している自IDが登録されていることが確認できた場合にかぎり、制御コードフィールドCCの内容に応じた開閉制御信号CSをシャッター制御部54に供給し得る。
【0125】
シャッター制御部54は、通常操作モードにおいて、受け取った開閉制御信号CSに対応したシャッター制御信号CCを前記モータに供給し、ユーザの望むシャッター動作を実現する部分である。
【0126】
プロセッサ53に接続されているIDメモリ57は、簡略登録操作モードと通常登録操作モードにおいて、登録された1または複数のIDを保存しておくメモリである。
【0127】
IDメモリ57の記憶内容は半永久的に保存する必要がある反面、登録抹消操作モードでは抹消の対象となったり、追加的に新たなIDが登録されることもある。ただしその頻度は、登録してあるIDの読み出しのほうが、抹消や追加登録などに比べてはるかに多いのが普通である。
【0128】
したがってこのIDメモリ57としては、EEPROM(フラッシュメモリ:Electrical Erasable Programmable ROM)などの書き込み可能なROM(リードオンリーメモリ)を使用するものとする。
【0129】
なお、EEPROMの場合、書き込みには、通常のRAM(ランダムアクセスメモリ)に比べて長い時間(例えば10ms程度)を要するが、この時間はシャッターの遠隔操作システムにおいて問題となるほどの時間ではないと考えられる。
【0130】
ただし、必要に応じて、磁気的記憶手段や、十分な電源バックアップ機構を備えたRAMなどで当該ROMを置換することが可能である。一般に、メモリ自体の価格は、EEPROMのほうがRAMよりも高価であるが、バックアップ用の電力消費などの点を考慮すると、運用コストはRAMのほうが高くなる可能性が高い。実際の実装にあたっては、これらの点を考慮して、有利なものを選定すればよい。
【0131】
当該IDメモリ57と前記プロセッサ53は、ID信号SIを用いて接続されている。
【0132】
当該プロセッサ53に対して前提条件信号PPを用いて接続されている前提条件判定部56は、予め設定されている前提条件を格納し、当該前提条件が満足されているか否かを、プロセッサ53が受信処理信号PPを受信するたびに判定する部分である。
【0133】
本実施形態では、当該前提条件は、IDメモリ57に登録(蓄積)されているIDの数であるものとする。さらに具体的には、IDメモリ57に登録されている登録ID数が2つ以下であるとき、前提条件は満足され、3つ以上であるときは不満足であるものとしてよい。この登録ID数は、必要に応じて増減可能である。例えば、登録ID数が0であるとき(すなわち、登録ID数が1つ未満であるとき)、前提条件は満足され、1つ以上であるときは不満足であるとしてもよい。
【0134】
登録ID数は、プロセッサ53が前記ID信号SIを用いて、いつでも検査することができるが、必要ならば、登録ID数そのものをデータとして、例えば前提条件判定部56などに格納しておくようにしてもよい。
【0135】
登録ID数は一般的に、登録数から抹消数(個別的な抹消を行う可能性がある場合)を減算することによって算出することができる。ただし前記登録抹消操作モードによる抹消、すなわちその時点でIDメモリ57内に登録されているすべてのIDの削除だけを行い、個別的なIDを指定して抹消することは行わない場合には、初期状態以降の登録ID数は、抹消後に新たなIDが登録されるたびにカウンタをインクリメントすること等によってきわめて簡単に求めることができる。
【0136】
なお、IDの抹消によって、個別的なIDの抹消ではなくIDメモリ57内に登録されているすべてのIDを削除するように構成することにより、リモコン受信機50とリモコン送信機40A〜40Xの機能を、大幅に節約することができる。
【0137】
個別的なIDの抹消を行えるようにすると、リモコン送信機40A〜40X側には上述したマスタ送信機20のように、任意の各IDを指定するための機能が必要になり、リモコン受信機50側にもその指定に対応することが求められるので、機能増加の要因になる。特に、たかだか数個程度の操作ボタンしか搭載していないリモコン送信機(40Aなど)を用いて10桁近いIDコードを任意に指定できるようにすることは、非常に汎用性に優れている反面、例えば、前記ID指定方法のように、一般的に、リモコン送信機の構成の上でもユーザの操作の上でも、困難を伴うものと考えられるからである。
【0138】
したがって、マスタ送信機20以外のスレーブ送信機(40Aなど)は任意のIDコードを指定する機能を持たないことを前提とする本実施形態においては、スレーブ送信機によるIDの抹消は、IDメモリ57内に登録されているすべてのIDの削除を意味し、IDの登録は、各リモコン送信機の自IDだけを登録することを意味する。
【0139】
前記プロセッサ53に簡略条件信号MPを用いて接続されている簡略条件判定部58は、前記前提条件が満足されていることを前提として、所定の簡略登録操作条件が満足されている否かを受信処理信号RPがプロセッサ53に入力されるたびに判定する部分である。したがって例えばIDメモリ57に登録されているIDの数が3つ以上であって、前記前提条件が満足されていないときには、簡略条件判定部58が判定動作を行わない。
【0140】
また、当該簡略登録操作条件とは、本実施形態では無条件であるものとする。
したがって本実施形態では、前記前提条件が満足されているときに、何らかの受信処理信号RPがプロセッサ53に受信されさえすれば、当該受信処理信号RPの内容にかかわらず、簡略条件判定部58が判定する簡略登録操作条件は、満足される。
【0141】
なお、必要に応じて、当該簡略登録操作条件を無条件とせず、リモコン受信機が通常登録操作モードになっている状態で、リモコン送信機に対して特定の操作を行うことを条件としたり(ただしこの場合には、通常登録操作モードに移行させるための操作が、通常登録操作モードでID登録を行うための操作と時間的および/または空間的に分離されている必要がある)、シャッターS1が動作中(例えば開動作中)でない状態で、リモコン送信機に対して特定の操作を行うことを条件としたりしてもよい。
【0142】
このように当該簡略登録操作条件としては様々な条件を適用することが可能であるが、少なくとも、後述する通常登録操作条件に比べて、より簡略で、ユーザ負担の小さい条件を適用することが必要である。
【0143】
図6(A)および(B)に示すように、リモコン送信機(40Aなど)から送信されるフレームは、FR1であっても、FR2であっても、あるいはマスタ送信機20が送信するFR3であっても、必ず自IDを収容した自IDコードフィールドMFを備えているから、当該自IDコードフィールドMFを読み込んで各リモコン送信機の自IDを取り出したプロセッサ53は、ID信号SIを用いて当該自IDをIDメモリ57に書き込むこと(すなわちIDを登録すること)が可能である。
【0144】
このことは、リモコン送信機のユーザからみると、前提条件が満足されている状態にあるかぎり、操作スイッチ31〜33をどのように操作しても、自IDの登録が行えることを意味する。
【0145】
しかも本実施形態のリモコン受信機50では、送信信号WSが本来の目的としている操作(例えば、開動作スイッチ31を押し下げてシャッターの開動作を指定した場合には、その開動作)も、自IDの登録後ただちに実行するので、ユーザは1フレームだけフレーム(例えばFR1)を送信すれば、自IDの登録とシャッター動作の双方を行うことができ、自IDの登録そのもののためには、特段の操作を何も行っていないことになる。これは、自IDの登録を無条件で行うことができることを意味する。
【0146】
ただし必要に応じて、このようなID登録(簡略登録操作モードによるID登録)を行うための特別の情報やこれをセットするためのキー(操作スイッチ)などを設けるようにしてもよい。
【0147】
また、簡略登録操作モードでID登録する場合、必ずしもこのように、まず自IDを登録し、次にシャッター動作を行うようにしなくてもよく、シャッター動作の開始直後やシャッター動作中に自IDを登録するようにしてもよい。さらに、例えばシャッター動作の終了後やシャッター動作開始のかなり前に自IDを登録してもよく、必ずしも、自IDの登録とシャッター動作をリモコン送信機のユーザからみてほぼ同時に行うような構成を取らなくてもかまわない。
【0148】
なお、スレーブ送信機(40Aなど)の場合には本来の目的はシャッター動作にかぎられるが、マスタ送信機20の場合には、シャッター動作が本来の目的である場合もあり、シャッター動作とともに(またはシャッター動作に替えて)追加登録操作モードにおけるスレーブ送信機の追加登録操作や個別登録抹消操作モードにおける個別的なIDの登録抹消などが本来の目的であることもあり得る。
【0149】
一方、通常条件信号CPを用いてプロセッサ53と接続されている通常条件判定部59は、前記前提条件が満足されていないときに、通常登録操作条件が満足されているか否かを判定する部分である。通常登録条件を満足し得るフレームは、前記FR2またはFR3にかぎられる。
【0150】
例えば、受信処理信号RPとして図6(B)に示すフレームFR2が受信されると、当該通常条件判定部59がFR2のフラグフィールドF1の識別子の状態が通常登録操作モードを示しているか否かを検査し、当該識別子が通常登録操作モードを示している場合にはその検査結果を受けたプロセッサ53が、当該フレームFR2の自IDコードフィールドMFから自動的に自IDを取り出し、前記ID信号SIとしてIDメモリ57に登録するものである。
【0151】
受信したフレームがFR2ではなく、FR3の場合でもこの点は同じである。
【0152】
フレームFR2において、フラグフィールドF1の識別子が通常登録操作モードを示すのは、リモコン送信機40Aのユーザが上述したように、3つの操作スイッチ31〜33の同時押し下げを短く3回おこなうこと等の通常登録操作モードへの移行操作を正確に実行した場合である。この点は、フレームFR3の場合も同様である。
【0153】
ただしもし必要ならばこのように1つのフレームFR2(またはFR3)を受信しただけでID登録まで自動的に実行せず、まずは、フラグフィールドF1の識別子が通常登録操作モードを示しているフレームFR2を受信しておき、次いで、所定の通常登録時間(例えば数秒程度)経過後までに、もう1度、フレームFR1〜FR3(2回目に受信されるこのフレームはFR1でも可)を受信した場合にのみ、通常登録操作条件が満足されるように構成してもよい。
【0154】
この場合、フラグフィールドF1の識別子が通常登録操作モードを示している最初に受信されたフレームFR2は、リモコン受信機50の動作モードを通常操作モードから通常登録操作モードに移行させるために用いられ、つづいて受信されるフレームFR1またはFR2は、自IDコードフィールドMFに収容しているIDコードを伝達して、登録するIDを特定するために用いられる。
【0155】
同様に、受信処理信号RPとして図6(C)に示すフレームFR3が受信された場合もFR2が受信された場合と同様に、そのフラグフィールドFL1の識別子の状態が通常登録操作モードを示しているか否かが当該通常条件判定部59によって調べられ、当該識別子が通常登録操作モードを示している場合、所定の通常登録時間(例えば数秒程度)経過後までに、もう1度、フレームFR3を受信すれば、通常登録操作条件が満足されることになる。
【0156】
条件変更信号VPを用いてプロセッサ53と接続されている条件変更部60は、前記前提条件が満足されているときに、簡略登録操作条件または前提条件を所定範囲内で変更する部分である。したがって、当該条件変更部60は、前提条件判定部56や簡略条件判定部58の判定動作を変更する機能を持っているということができる。
【0157】
一例として、最初に簡略登録操作モードでID登録したフレームに収容されていた制御コードに対応するように簡略登録操作条件を変更する場合には、IDメモリ57に対して最初にID登録したリモコン送信機(例えば40A)が送信したフレーム(例えばFR1)が、その制御コードフィールドCCにシャッターの開動作を指定するコードを収容していた場合、2番目にID登録するリモコン送信機(例えば40B)は、これと同じ開動作を指定する制御コードを収容した制御コードフィールドCCを持つフレームFR1を送信した場合にだけ、簡略登録操作条件を満足することができるようになる。
【0158】
また、前提条件の変更は、前提条件が例えば上述した登録ID数が2つ以下であることを示す場合、この登録ID数を1つ以下や3つ以下などに変更することを意味する。
【0159】
リモコン送信機を用いてこのような指定を行うことも可能であるが、操作が複雑化すること等を考慮すると、当該前提条件の変更は、前記固定操作部AMなどを用いて行うほうが効率的となる可能性が高い。
【0160】
また、上述した誤操作による通常登録操作モードへの移行があったときリモコン受信機50側で問題となるのは、誤操作のたびに同じIDがIDメモリ57に書き込まれ、かぎられたメモリ容量を浪費してしまう可能性があることである。
登録する可能性のあるリモコン送信機の数に比べてIDメモリ57の容量が十分に大きい場合(例えば、ID登録する可能性のあるリモコン送信機の数が16個で、IDメモリ57のアドレス空間が256(1アドレスに1IDを格納できる)である場合など)には、この点はあまり問題にならないが、携帯性の高さが要求されるリモコン送信機には必要最小限の容量を持つIDメモリ57しか搭載できない可能性が高い。
【0161】
その場合、同じIDがIDメモリ57内に重複して登録されることがないように、プロセッサ53が検査するようにするとよい。
【0162】
すなわち、すでにIDメモリ57に登録されているいずれかのIDと同じIDが通常登録操作モードで登録されようとしている場合には、プロセッサ53は当該通常登録操作モードには誤操作で移行したものと判定し、当該IDの登録を行わない。
【0163】
なお、このような誤操作判定機能は、通常登録操作モードだけでなく簡略登録操作モードでも活用するようにするとよい。
【0164】
さらに、前記前提条件が登録ID数が2つ以下であることを示しているとき、例えば、前記リモコン送信機40Aが最初にフレームFR1を送信して簡略登録操作モードによって自IDを登録したあと、他のリモコン送信機がID登録するまえに、当該リモコン送信機40Aが当該登録時とは別なシャッター動作を行うために2回目のフレームFR1を送信した場合などにも、前記誤操作判定機能は有用である。
【0165】
このような場合、当該誤操作判定機能がなければ、当該リモコン送信機40Aが送信した2つのフレームFR1によってリモコン送信機40AのIDが2つ重複して登録されてしまい、それ以降はリモコン送信機40A以外のリモコン送信機が簡略登録操作モードによってID登録しようとしても、前提条件が満足されないので簡略登録操作モードが実行不可能になるだけでなく、IDメモリ57のメモリ容量を浪費する弊害も発生するが、当該誤操作判定機能によって、これらの問題を同時に解消することが可能だからである。
【0166】
以下、上記のような構成を有する本実施形態の動作を、図7のフローチャートを参照しながら説明する。
【0167】
図7のフローチャートは、リモコン受信機50の動作を示すフローチャートであり、S10〜S23の各ステップから構成されている。このフローチャートでは、前記登録ID数が0であるとき、前提条件が満足され、1つ以上であるときは不満足であるものとしている。
【0168】
また、各リモコン送信機20、40A〜40Xに割り当てられているIDは、リモコン送信機20がIDM、リモコン送信機40AがIDA、リモコン送信機40BがIDB、リモコン送信機40CがIDC、…、リモコン送信機40XがIDXであるものとする。
【0169】
(A−2)第1の実施形態の動作
図2において、いま、送信機グループGP1内にはまったくリモコン送信機が存在せず、IDメモリ57にID登録されているIDは存在しないものとする。
【0170】
この場合、リモコン受信機50の電源を投入すると(S10)、登録されているリモコン送信機はないから、ステップS11はN(No)側に分岐して処理はステップS12に進む。IDメモリ57に登録されているID数は、上述したように、プロセッサ53がID信号SIを用いていつでも検査することができる。
【0171】
ステップS12では送信コード、すなわち前記フレームFR1〜FR3に対応する受信処理信号RPが、プロセッサ53に受信されたか否かが検査され、受信されていない場合にはN側に分岐して、処理は当該ステップS12と、前記ステップS11から構成されるループを繰り返し実行することになる。
【0172】
この状態でフレームFR1〜FR3のいずれかのフレームを受信した場合、リモコン受信機50は、前記簡略登録操作モードに移行し、ステップS12はY(Yes)側に分岐する。そして、プロセッサ53は受信したフレームFR1〜FR3の自IDコードフィールドMFに収容されているIDコードを取り出し、当該IDを、ID信号SIを用いてIDメモリ57に書き込む(S13)。
【0173】
当該フレームFR1〜FR3に対応する送信信号WSを送信したのがリモコン送信機20であるものとすると、当該ステップS13の実行後のIDメモリ57内には前記IDMだけが登録された状態であり、送信機グループGP1の構成要素は、当該リモコン送信機20だけである。
【0174】
当該ステップS13の実行後は、前記前提条件が満足されなくなるので、当該リモコン受信機50は通常操作モードに移行する(S14)。
【0175】
なお、ステップS13の実行後にリモコン受信機50の電源供給を停止したとしても、そのあと電源投入されると(S10)、ステップS11はY側に分岐するので、リモコン受信機50の最初の動作モードは、ステップS14の通常操作モードとなる。
【0176】
ステップS14につづいてIDの照合、すなわちIDメモリ57に登録されているIDのなかに、受信したフレームFR1〜FR3の自IDコードフィールドMF内に収容されているIDコードと一致するIDが存在するか否かの検査が実行される(S15)。
【0177】
一致するIDが存在しない場合にはステップS15はN側に分岐して処理はステップS11にもどり、存在する場合にはY側に分岐して処理はステップS16に進む。このとき、受信したフレームがFR1またはFR3でその制御コードフィールドCCに有効な制御コードが収容されている場合には、当該制御コードに対応したシャッター動作が行われる(S16)。
【0178】
ここで、前記マスタ送信機20が前記簡略登録操作モードによるID登録を行った場合、S15が処理される時点ではすでに当該IDが、IDメモリ57に簡略登録操作モードを用いて登録されているため、リモコン受信機50は、1つのフレームFR3を受信するだけで、ステップS11、S12、S13、S14、S15、S16の順番に各処理を実行し、IDMの登録とシャッター動作を実行することになる。
【0179】
スレーブ送信機(例えば40A)が簡略登録操作モードによるID登録(例えばIDAの登録)を行った場合でも、フレームFR1を用いて行った場合にはこれと同様である。
【0180】
その他のケースでは、リモコン受信機50における処理は、ステップS11、S14、S15の順番で進行することになる。
【0181】
ステップS16につづくステップS17では、登録操作の有無が検査され、登録操作が検出されない場合にはN側に分岐して処理の進行は停止され、動作モードは通常操作モードを維持する。登録操作が検出された場合にはY側に分岐して登録操作モードに移行する(S18)。
【0182】
ここで、当該登録操作モードには、前記通常登録操作モード、追加登録操作モード、または個別登録抹消モードが含まれている。
【0183】
したがってステップS17における登録操作の有無の検査では、前記フレームFR2の場合、フラグフィールドF1の識別子の状態が検査され、当該識別子が通常登録操作モードを指定している場合には登録操作有りと判定される。また、前記フレームFR3の場合にはフラグフィールドFL1およびFL2の識別子の状態が検査され、FL1の識別子が通常登録操作モードを示している場合、および/または、FL2の識別子が前記ID追加登録操作モードまたはID登録抹消操作モードを示している場合には、登録操作有りと判定される。
【0184】
登録操作モードが通常登録操作モードの場合には、上述したように、フレームFR2やFR3の自IDコードフィールドMFに収容されているIDコードを、プロセッサ53が自動的に取り出し、IDメモリ57に書き込むだけなので登録操作モードに移行後、処理は瞬時に終了して、通常操作モードに復帰することができる。
【0185】
これに対し、登録操作モードがID追加登録操作モードまたはID登録抹消操作モードである場合には、上述したID指定方法にしたがってマスタ送信機20のユーザがIDを指定することになる。そのための処理がステップS18以降のステップS19〜S23である。
【0186】
すなわち、前記ID指定方法を実行するための時間を計測するタイマーがセットされ(S19)、当該タイマーが計測する時間が所定の入力時間(例えば1分程度)に達するまでに、当該ID指定方法にしたがって8桁のIDコードが入力されたか否かが検査され(S20のN側の分岐とS21のN側の分岐)、当該入力時間内に入力が完了しなかった場合には処理はステップS11までもどり(S21のY側の分岐)、完了した場合には(S20のY側の分岐)、処理はステップS22に進む。ステップS22では、当該ID指定方法で指定されたIDの追加登録(または個別的な登録抹消)が行われる。
【0187】
ステップS22の実行後、上述したように登録スイッチ34を1回おし下げて登録スイッチをOFFすると、当該追加登録操作モード(または個別登録抹消操作モード)から通常操作モードに復帰できる(S23のY側の分岐)。
【0188】
また、当該登録スイッチ34の1回おし下げを実行しなければ、登録操作モードを維持し(S23のN側の分岐)、IDの追加登録や個別的な抹消を繰り返すことができる。
【0189】
なお、以上の説明では、簡略登録操作モードを使用して最初にID登録するのはマスタ送信機20であったが、いずれかのスレーブ送信機(例えば40A)が簡略登録操作モードを使用して最初にID登録してもかまわない。
【0190】
また本実施形態の構成上、マスタ送信機20は必ずしも必要ではないので、省略することが可能である。
【0191】
さらに、送信機グループGP1内に存在するリモコン送信機の数は複数ではなく、単数であってもよい。単数の場合には、当該リモコン送信機のID登録は、必ず簡略登録操作モードで行うことが可能である。
【0192】
また、登録可能なIDや最初に登録可能なIDは、特別なものに限定してもよい。例えば、特定桁が特定値の場合だけ登録可能としたり、特定日付や時刻、付随する指示内容が特定のものの場合だけ(例えば、停止動作を指定する場合だけ)、ID登録可能としてもよい。
【0193】
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、本実施形態によれば、簡略登録操作モードを利用することによって、これから行う操作がID登録のための操作であることさえ指定する必要がなくなり、ID登録自体に要する操作を無くすことができるので、ID登録のための操作負担を大幅に軽減し、リモコン送信機の操作性を向上することが可能である。
【0194】
これにより、例えば、工場出荷時などに行われるID登録や、遠隔操作システム(10)の動作正常性の確認などの作業効率が、従来よりも高まる。
【0195】
(B)第2の実施形態
以下では、本実施形態が第1の実施形態と相違する点についてのみ説明する。
【0196】
本実施形態は、第1の実施形態では登録抹消操作とまったく独立していた前提条件を、登録抹消操作の属性に応じて変更する点に特徴を有するものである。
【0197】
(B−1)第2の実施形態の構成および動作
本実施形態のリモコン受信機70の内部構成例を図4に示す。
【0198】
図4において、図1と同じ符号を付した各構成部分および各信号の機能は、図1と同じである。
【0199】
したがって本実施形態のリモコン受信機70が第1の実施形態のリモコン受信機50と相違するのは、実質的に、ID抹消対応部71と、抹消属性抽出部72に関連する部分にかぎられる。
【0200】
このうちID抹消対応部71はプロセッサ53に抹消信号EVを用いて接続される部分で、IDメモリ57に登録されている全IDが、前記登録抹消操作モードによって抹消される場合、当該抹消を実行する。
【0201】
また、抹消属性抽出部72は、プロセッサ53に属性信号ATを用いて接続される部分で、当該ID抹消対応部71が登録抹消操作モードによりIDメモリ57内の全IDの抹消を実行した場合、当該抹消の属性として抹消が実行された時刻を検出し、当該時刻から所定の簡略登録時間(例えば、30秒程度)内に前記フレームFR1〜FR3のいずれかのフレームが受信されることを新たな前提条件として、前提条件判定部56に格納する機能を備えている。
【0202】
新たな前提条件を格納する場合、前提条件判定部56は、新たな前提条件をそれ以前に格納していた古い前提条件と置換して格納するようにしてもよく、古い前提条件と新たな前提条件を併せて格納するようにしてもよい。
【0203】
併せて格納する場合では、新たな前提条件が有効なとき(すなわち、新たな前提条件が満足される可能性が残っているとき)には新たな前提条件を優先し、新たな前提条件が無効(すなわち、新たな前提条件が満足される可能性がなくなったとき)になったら古い前提条件を用いるようにする。ただし前提条件の内容によっては、その時点では当該古い前提条件も無効になっていることも考えられる。
【0204】
これは、例えば、古い前提条件が登録ID数が2つ以下であることを示す場合、前記簡略登録時間内にすでに3つ以上のIDが登録されてしまっているようなケースである。
【0205】
なお、前記簡略登録時間はあまり短すぎると簡略登録操作モードによって登録したい全てのIDを登録することができなくなる可能性が高まり、長すぎると、簡略登録操作モードでは同等な仕様を持つフレーム(FR1〜FR3に似たフォーマット構造のフレーム)であれば何でもID登録の対象としてしまう可能性が高いため、IDメモリ57が本来登録してはいけないID(リモコン受信機50と通信する権限のないユーザによって操作されるリモコン送信機から送信されたフレームに収容されているID)やID以外のデータによって占有されてしまう可能性が高まるので、このような観点を考慮して適切な長さに設定する必要がある。
【0206】
本実施形態が有用である理由は、IDメモリ57に登録されている全IDが抹消された場合、リモコン受信機70と通信することのできるリモコン送信機がなくなり、遠隔操作システム10は機能し得ないため、通常の運用では、当該抹消の直後に新たなIDの登録が行われることが多いものと考えられる点にある。
【0207】
上述したマスタ送信機20があれば、登録されているIDのうち一部のIDだけを抹消することが可能であるが、当該マスタ送信機20がない場合には、一部のIDだけを抹消することはできず、したがって登録されているIDのうち一部のIDだけを抹消する必要が生じた場合には、いったん全IDを抹消した上で、抹消する必要のないIDを登録し直す必要があるからである。
【0208】
例えば、前記IDA〜IDXがIDメモリ57に登録されている状態で、IDBだけを抹消したければ、いったんIDA〜IDXのすべてを抹消した上で、IDA、IDC〜IDXを再登録する必要がある。
【0209】
このような再登録の際に、それまで登録されていなかった新たなIDであるIDYの追加登録も同時に実行したいケースなども起こり得、簡略登録操作モードによって登録したいID数を予測しておくことが困難な場合などもあり得るので、登録ID数ではなく時間(簡略登録時間)を利用する利点がある。
【0210】
なお、抹消の属性としては、上述した抹消の実行時刻にかぎらない。
【0211】
例えば、抹消を行ったリモコン送信機(例えば40A)のID(例えばIDA)を抹消属性とし、当該IDまたは当該IDと数学的に所定の関係にあるIDコードを自IDとするリモコン送信機がフレームFR1〜FR3を送信した場合にだけ、簡略登録条件を満足するようにしてもよい。
【0212】
数学的に所定の関係にあるIDとは、例えば抹消を行ったリモコン送信機が40Aで、その自IDであるIDAが、「00279511」である場合、下位2桁だけが当該IDAと相違するID(例えば「00279512」や「00279531」等)などを指す。
【0213】
各リモコン送信機の自ID間におけるこのような関係は、同一送信機グループGP1を構成するリモコン送信機に連続する(または、関連する)ID番号を割り当てるケースなどで発生し得る。
【0214】
(B−2)第2の実施形態の効果
以上のように、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果と同等な効果を得ることができる。
【0215】
加えて、本実施形態では、簡略登録時間内であれば登録ID数と無関係に簡略登録操作モードによってID登録を行うことができるので、登録したいID数を予測しておくことが困難な場合などでも、簡略登録操作モードを活用することができる。
【0216】
(C)他の実施形態
上記第1、第2の実施形態では、本発明を混合システムに適用した場合を例に説明したが、本発明は、専用の無線リモコンシステムまたは有線リモコンシステムのいずれかに適用することも可能である。
【0217】
有線リモコンシステムに適用する場合、リモコン送信機は所定の装着部などに装着して、前記固定操作部AMを使用する場合のように、有線伝送路を介してリモコン受信機と通信することになる。
【0218】
また、上記第1、第2の実施形態では、リモコン受信機が簡略登録操作モードで登録するIDの数は、通常登録操作モードで登録するIDの数より少なくなる可能性が高いが、前記前提条件として、前記IDメモリ57に登録し得るID数(これは、当該IDメモリ57の容量によって決まる)と同数またはそれに近いID数を設定すれば、当該設定を変更するだけで、全部または大多数のIDを簡略登録操作モードで登録することが可能である。
【0219】
そして、少なくとも一部のIDは通常登録操作モードで登録させるようにしたい場合には、当該前提条件が、前記IDメモリ57に登録し得るID数よりも小さな値になるように設定すればよい。
【0220】
ただし全部のIDを簡略登録操作モードで登録する場合には、上述したように前記簡略登録操作条件と通常登録操作条件の相違がユーザが行う操作の簡略さの度合いの相違であり、相互に対比することによってはじめて明確となる相対的な概念であることを考慮すると、当該ID登録が簡略登録操作モードによって行われたものであるか、通常登録操作モードによって行われたものであるかを、外観上、区別することが困難となる場合も起こり得る。
【0221】
したがってそのような場合には、次の観点をもとに、当該区別を行うようにするとよい。
【0222】
1つのリモコン受信機がユーザ操作の簡略さの度合いが相違する2通りの登録操作条件(登録操作モード)を搭載している場合には、各登録操作条件が外観上顕在化しているか否か(すなわち、少なくとも1度は、ID登録に活用されたか否か)にかかわりなく、より複雑なユーザ操作を必要とするほうが通常登録操作条件となり、簡略なユーザ操作を要求するほうが簡略登録操作条件となる。
【0223】
また、1つのシステム内に複数のリモコン受信機が存在する場合には、各リモコン受信機の顕在化している登録操作条件を比較することだけによって、当該区別を行うことも可能である。その場合、各リモコン受信機は必ずしも2通りの登録操作条件を備えている必要はなく、例えば、1つのリモコン受信機Aは簡略登録操作モードでのみID登録を行い、もう1つのリモコン受信機Bは通常登録操作モードでのみID登録を行うようなシステム構成を取ることも可能である。
【0224】
ここで、同一システム内に複数のリモコン受信機を設ける場合の態様は、例えば、同一の建物の表口と裏口にそれぞれ設けられたシャッターが個々にリモコン受信機を備えるケースなどが考えられる。このケースで、各リモコン受信機が登録するIDのなかには、同一IDを含んでもよいし、含まなくてもよい。
【0225】
また、上記第1、第2の実施形態では、簡略条件判定部58は、前提条件が満足されているかぎり常に動作し、満足されなくなったら自動的に動作しなくなるように構成したが、簡略条件判定部58が動作するかしないかを、切替えスイッチなどで、外部から明示的に指定することができるようにしてもよい。
【0226】
なお、上記第1、第2の実施形態では、通常登録操作モードにおいて、各リモコン送信機20、40A〜40Xは、自IDを自動的に生成してフレームに収容するようにしたが、必要ならば、ユーザが操作スイッチを操作して自IDを入力するようにしてもよい。
【0227】
また、上記第1、第2の実施形態では、リモコン受信機50がその内部状態に応じて、受信したフレームFR1やFR3の解釈結果を変更することで、異なる動作モードを取るようにしたので、リモコン送信機(例えば40A)側では、必ずしも明示的にリモコン受信機50の動作モードを指定することができなかったが、このような明示的な動作モードの指定をリモコン送信機側から行うことができるようにしてもよい。
【0228】
さらに、当該明示的な指定を行うことができるようにしたり、できなくしたり、変更可能な構成を取るようにしてもよい。
【0229】
なお、上記第1または第2の実施形態では、前記簡略登録操作条件の前提条件となる、前記前提条件が満足されているときにかぎって、簡略登録操作条件または当該前提条件自体を変更し得る構成であったが、当該前提条件が満足されていない状態でも、簡略登録操作条件または前提条件自体を変更できるようにしてもよい。
【0230】
また、上記第1、第2の実施形態では、無線信号は300MHzや400MHz程度の電波であったが、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。
これよりも高い周波数や低い周波数の電波を使用してもよく、赤外線などを使用してもよい。
【0231】
さらに、第1、第2の実施形態では、操作スイッチは、基本的にPBS形式のスイッチであるものとしたが、本発明は、PBS形式のスイッチに限って適用されるものではない。スライド式スイッチや回転式スイッチなどを使用してもよく、圧力や温度、静電気の変化などに反応する各種のスイッチを適用することもできる。
【0232】
なお、第1および第2の実施形態においては、ガレージ用シャッターについて本発明を適用したが、本発明はガレージ用シャッター以外にも、窓用シャッターなど各種のシャッターに適用することも可能である。
【0233】
さらに本発明は、シャッター用としてだけでなく、ドア、窓、オーバーヘッドドア、ロールスクリーン(例えば遮光幕)、ブラインド、オーニング装置などの他の開閉装置の混合システムにも適用することが可能である。
【0234】
また、以上の説明において、情報の流れる方向は、基本的にはリモコン送信機からリモコン受信機へ向かう単方向であったが、本発明の適用範囲はこのような単方向通信に限定されるものではない。
【0235】
すなわち当該リモコン送信機を送信専用の通信機器ではなく遠隔操作用の送受信機である操作送受信機に置換するとともに、当該リモコン受信機を受信専用の通信機器ではなく遠隔被操作用の送受信機である被操作送受信機に置換し、必要に応じて全二重通信や半二重通信が行えるようにしてもよい。
【0236】
このとき操作送受信機から被操作送受信機に向かう無線信号に含まれている信号は、前記シャッター動作などを指示する動作状態指示信号であってよく、反対に被操作送受信機から操作送受信機に向かう無線信号に含まれている信号は、シャッター動作の現状を報告するための動作状態報告信号であってよい。
【0237】
当該動作状態報告信号は、その時点のシャッター動作状態が、例えば、「全開放状態」、「全閉鎖状態」、「一部開放状態(部分的に開放して停止している状態)」、「開動作中」、「閉動作中」、「異常発生」などであることを示す信号であってよい。
【0238】
この場合、当該動作状態報告信号を受け取ることによって、操作送受信機のユーザは、シャッター動作状態が例えば当該「閉動作中」であることを認識することができる。
【0239】
また、当該操作送受信機を携帯受信機に置換し、被操作送受信機を固定送信機に置換することもできる。この場合、情報の流れる方向は、固定送信機から携帯受信機に向かう単方向となる。常時このような単方向通信だけが行われるシステム構成であってもよく、通信方向モード切換に応じて必要な場合にのみ、このような単方向通信を行い得るシステム構成であってもよい。
【0240】
すなわち、前記操作送受信機と被操作送受信機において、通信方向モード切換に応じて必要な場合にのみ、このような単方向通信を行い得るようにしてもよい。
【0241】
また、以上の説明では、主として、開閉体側通信装置が遠隔被操作器であり、非開閉体側通信装置が遠隔操作器である場合について説明したが、本発明は、このケースに限って適用できるものではない。
【0242】
非開閉体側通信装置が受信だけを行う(ただし割り当てられているIDは送信する)実質的な受信専用機器である場合も考えられる。
【0243】
この受信専用機器は、例えば、メンテナンスなどを目的としたもので、開閉体側通信装置が開閉体に関して保有している動作管理情報(開閉体の開閉位置、開閉回数、開閉に関する障害情報、開閉時の障害物当接感知の有無など)などを受信し、受信結果を表示するものであってよい。
【0244】
また、この動作管理情報を開閉体側通信装置が送信する送信タイミングについては、例えば、曜日や時間などを固定的に予め決めておいたり、有線で送信指示が与えられた任意のタイミングを、当該送信タイミングとすること等も可能である。
【0245】
さらに、当該送信タイミングで送信される前記動作管理情報の具体的な内容についても、予め固定的に決めておくようにしてもよく、指示された内容だけを送信するようにしてもよい。
【0246】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、開閉体側通信装置は簡略な簡略登録操作を実行しただけで簡略登録条件を満足して、認証識別子を前記認証登録受付手段に登録することができるので、認証識別子を登録するための操作負担を大幅に軽減し、開閉装置の通信システム及び開閉体側通信装置(ならびに非開閉体側通信装置)の操作性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係るリモコン受信機の主要部の構成を示すブロック図である。
【図2】第1および第2の実施形態に係る遠隔操作システムの全体構成を示す概略図である。
【図3】第1および第2の実施形態に係るリモコン送信機の外観を示す概略図である。
【図4】第2の実施形態に係るリモコン受信機の主要部の構成を示すブロック図である。
【図5】第1および第2の実施形態に係るリモコン送信機(スレーブ送信機)の主要部の構成を示す概略図である。
【図6】第1および第2の実施形態に係る送信フレームのフォーマット構成を示す概略図である。
【図7】第1の実施形態におけるリモコン受信機の動作を示すフローチャートである。
【図8】第1および第2の実施形態におけるリモコン受信機(マスタ送信機)の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…遠隔操作システム、23,53…プロセッサ、25,55…モード切替部、24…自IDメモリ、26,46…手順記憶部、27,47…操作検出部、28…操作応答部、40A〜40X…リモコン送信機(スレーブ送信機)、50、70…リモコン受信機、56…前提条件判定部、57…IDメモリ、58…簡略条件判定部、59…通常条件判定部、60…条件変更部、71…ID抹消対応部、72…抹消属性抽出部、FR1、FR2、FR3…フレーム、MF…自IDコードフィールド、F1、F2、FL1、FL2…フラグフィールド、NF…IDコードフィールド、GP1…送信機グループ。
Claims (9)
- 通常登録モードでは所定の通常登録操作を正常に実行した場合にのみ通常登録条件を満足して、非開閉体側に配置された非開閉体側通信装置が送信する認証識別子を登録する認証登録受付手段を備え、当該非開閉体側通信装置との間で前記認証識別子を収容した通常伝送信号を通信し得る開閉体側通信装置において、
簡略登録モードでは、前記通常登録操作よりも簡略な簡略登録操作を実行しただけで簡略登録条件を満足し、当該簡略登録操作を実行した非開閉体側通信装置の認証識別子を前記認証登録受付手段に登録する簡略登録モード対応手段を備えたことを特徴とする開閉体側通信装置。 - 前記簡略登録条件の前提条件が前記認証登録受付手段に登録されている認証識別子の数が所定数未満である場合の請求項1の開閉体側通信装置において、
前記簡略登録モード対応手段は、
当該簡略登録条件の前提条件が満足されているときに限って前記簡略登録モードを取る登録数限定部を備えたことを特徴とする開閉体側通信装置。 - 請求項1の開閉体側通信装置において、
前記通常伝送信号には、当該開閉体側通信装置に係る開閉体の動作を制御するための制御信号も収容されており、
前記簡略登録モード対応手段は、
前記非開閉体側通信装置から、前記通常伝送信号を受信するだけで、その認証識別子を前記認証登録受付部に登録する無操作対応部を備えたことを特徴とする開閉体側通信装置。 - 請求項3の開閉体側通信装置において、
前記無操作対応部は、
前記非開閉体側通信装置から前記通常伝送信号の送達を受けるだけで、その認証識別子を前記認証登録受付部に登録すると共に、前記通常伝送信号に収容された制御信号に基づいて前記開閉体の動作を制御する通信目的対応部を備えたことを特徴とする開閉体側通信装置。 - 請求項1の開閉体側通信装置において、
前記簡略登録条件または簡略登録条件の前提条件を所定範囲内で変更する登録条件変更手段を備えたことを特徴とする開閉体側通信装置。 - 請求項1の開閉体側通信装置において、
所定の抹消操作を検出することにより、前記認証登録受付手段から、既に登録されている認証識別子の登録抹消を行う抹消対応手段と、
前記簡略登録条件の前提条件を、当該抹消操作の属性に応じて設定する登録条件設定手段とをさらに備え、
前記登録条件設定手段は、
前記抹消操作の属性として、前記抹消操作が行われた時刻を用いることを特徴とする開閉体側通信装置。 - 請求項1の開閉体側通信装置において、
所定の抹消操作を検出することにより、前記認証登録受付手段から、既に登録されている認証識別子の登録抹消を行う抹消対応手段と、
前記簡略登録条件の前提条件を、当該抹消操作の属性に応じて設定する登録条件設定手段とをさらに備え、
前記登録条件設定手段は、
前記抹消操作の属性として前記抹消操作が行われた時刻を用い、当該時刻から所定時間のあいだ、前記簡略登録条件の前提条件を満足することを特徴とする開閉体側通信装置。 - 請求項1の開閉体側通信装置において、
前記通常登録モードで登録する認証識別子の数よりも、前記簡略登録モードで登録する認証識別子の数のほうが多くなるようにすることを特徴とする開閉体側通信装置。 - 請求項1〜8のいずかの開閉体側通信装置と、
当該開閉体側通信装置との間で、自身を指定する認証識別子を収容した通常伝送信号を通信し得る複数の非開閉体側通信装置とを備えたことを特徴とする開閉装置の通信システム。
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