JP2003047077A - 開閉装置の通信システム及び開閉体側通信装置 - Google Patents

開閉装置の通信システム及び開閉体側通信装置

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JP2003047077A
JP2003047077A JP2001227578A JP2001227578A JP2003047077A JP 2003047077 A JP2003047077 A JP 2003047077A JP 2001227578 A JP2001227578 A JP 2001227578A JP 2001227578 A JP2001227578 A JP 2001227578A JP 2003047077 A JP2003047077 A JP 2003047077A
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JP2001227578A
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Kazuo Kikutani
一夫 菊谷
Kuniharu Takai
邦治 高井
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Bunka Shutter Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検査作業等の効率性が高く、信頼性やセキュ
リティ性の向上にも配慮した開閉体側通信装置を提供す
る。 【解決手段】 予め初期認証識別子の予備的な登録を受
けており、当該初期認証識別子を用いて指示すれば、当
該指示に応じた処理を実行する開閉体側通信装置におい
て、所定の無効化指示を受けることにより、前記初期認
証識別子を無効化する無効化実行手段を備え、当該無効
化後には、前記初期認証識別子を用いて指示しても当該
指示に応じた処理を実行しないようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は開閉装置の通信シス
テムに関し、例えば、シャッター、ドア、窓、オーバー
ヘッドドア、門扉、ゲート(駐車場などのゲート)、ロ
ールスクリーン(例えば遮光幕)、ブラインド、オーニ
ング装置などの遠隔操作システム(リモコンシステム)
などに適用し得るものである。
【0002】また、本発明は、かかる通信システムの構
成要素としての開閉体側通信装置に関するものである。
【0003】
【従来の技術】これまで、開閉体の開閉をリモコン送信
機を用いて無線通信により指示できるようにした開閉装
置が多く提案されている。例えば、ガレージ用シャッタ
ーにおいては、ユーザが車両から降りることなくシャッ
ターの開閉を実行できることが便利であり、無線リモコ
ンシステムが適用されることも多い。
【0004】このようなシャッター用の無線リモコンシ
ステムのリモコン受信機では、シャッター近傍の壁面
や、シャッターの収納ボックス前面又は下面に取り付け
られた受信アンテナを用い、無線伝送路を介してリモコ
ン送信機からの電波を捕捉する。
【0005】当該リモコン受信機においては、受信アン
テナが捕捉して変換した電気信号(例えば、ASK変調
信号やFSK変調信号など)が受信部によって復調さ
れ、リモコン送信機が送信しようとした原送信信号(復
調信号)が受信制御部に与えられる。そして、受信制御
部によって原送信信号が解読され、その信号に挿入され
ている識別情報(以下、IDと略す)に基づいて、原送
信信号の送信元であるリモコン送信機が当該リモコン受
信機に対して動作指示を発することができるものである
ことを確認(IDの照合)し、その後、原送信信号に挿
入されている情報内容に基づいて、シャッター動作(シ
ャッターの開動作、閉動作または停止動作など)を指示
する開閉制御信号CSを形成し、シャッター制御部54
(図2参照)に供給する。
【0006】この開閉制御信号CSは、リモコン送信機
の操作者(ユーザまたは保守者など)が各操作スイッチ
に対して行った操作に応じて形成される。
【0007】一般的に、ガレージ用シャッターのリモコ
ン送信機の場合、携帯性を高める観点から小型化が求め
られる一方で、通常は、前記開動作、閉動作または停止
動作など、たかだか数種類のシャッター動作を行えば十
分なので、リモコン送信機上に設けられる操作スイッチ
の数も数個程度(多くのリモコン送信機では、3〜4
個)であるのが普通である。
【0008】また、小型化の要求との関連もあって、リ
モコン送信機には機能の節約に関する要求水準も高い。
【0009】すなわち、前記IDをリモコン受信機に登
録することに関しては、各リモコン送信機は工場出荷時
点までに自身に割当てられたID(自ID)を登録する
機能のみを備えているので、登録時には、当該自IDに
対応した10桁程度のコードを1桁ずつボタン操作など
によって入力する必要はなく(このような入力を解釈
し、その入力内容に応じた原送信信号を形成するために
は、機能の増加を要する)、簡単に自IDを登録するこ
とができる。
【0010】また、機能の節約を求められる程度では、
リモコン受信機のほうもリモコン送信機とほとんど同じ
なので、リモコン受信機も、多機能化、高機能化、およ
び大型化は極力さけることができるように構成される必
要がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述したよ
うなリモコン送信機とリモコン受信機によって構成され
たリモコンシステムの場合、ID登録を行おうとするユ
ーザは、通常、機能が節約された小型のリモコン送信機
に対して、操作手順が複雑なボタン操作であるID登録
操作(必ずしも自IDを1桁ずつ指定する必要はないと
しても、少なくともこれから送信する原送信信号が前記
シャッター動作を指示するものではなく、ID登録を行
うためのものであることを指定できる程度のボタン操
作)を実行する必要がある。
【0012】ID登録は通常、前記シャッター動作など
に比べてそれほど頻繁に行われるものではないため、そ
のID登録操作は、シャッター動作のための操作に比べ
て複雑なものとなる傾向が高い。
【0013】一方、工場からシャッター製品を出荷する
前などには、当該シャッターの動作の正常性などを検査
するために、出荷予定の多数のシャッター製品に対し前
記シャッター動作を行わせてみる必要があるが、そのた
めに逐一、このように複雑なID登録操作を行っていた
のでは作業効率が低い。
【0014】そこで、予備的に多数のシャッター製品
(のリモコン受信機)に対してIDを登録しておき、前
記動作正常性確認検査の際には、単純にシャッター動作
を指示するだけで簡単に動作正常性の検査を実行するこ
とが考えられる。この場合、複数の検査用のリモコン送
信機を用意し、これらの検査時リモコン送信機には、検
査用の同じ自ID(検査時ID。この検査時IDは例え
ば、「10111101」(10進数表示))を割り当
てておけば、検査時リモコン送信機を携帯した複数の動
作正常性確認検査の作業担当者が、同時に動作正常性確
認作業を実行することが可能となり、いっそう効率的で
ある。
【0015】また、予備的なID登録を行うためのリモ
コン送信機だけは特別な仕様の登録用リモコン送信機と
し、上述した複雑なID登録操作を実行しなくても、こ
れから送信する原送信信号が前記シャッター動作を指示
するものではなく、ID登録を行うためのものであるこ
とを、検査対象のシャッター製品に対して指定できるよ
うにすれば、予備的なID登録自体も、非常に効率的と
なる。
【0016】あるいは、検査対象となる多数のリモコン
受信機を近傍(リモコン送信機から送信される電波の到
達範囲内)に配置しておき、一回のID登録操作で、同
時に多数のリモコン受信機にID登録(一括登録)する
ことによって作業効率を高めることも可能である。
【0017】ところが、このような構成を取った場合、
効率性は非常に高まるのであるが、前記検査時IDを登
録した状態のシャッター製品が出荷され、各ユーザ宅な
どに設置されて運用されることとなるため、信頼性やセ
キュリティの観点で改善の余地が残る。
【0018】前記検査時リモコン送信機を予想外の目的
で使用する者があらわれた場合、設置されたシャッター
を動作させる権限を有する正当なユーザ以外の第3者
が、当該シャッターのシャッター動作を行うことが可能
となってしまうからである。
【0019】また、検査時リモコン送信機が送信する電
波が到達すると、当該検査時リモコン送信機から検査の
ために送信した電波により、工場などの近隣のユーザ宅
に設置されている運用状態のシャッターを動作させてし
まう可能性がある。また、その対策のために検査時リモ
コン送信機の送信電力を弱めること(例えば、100m
程度の距離まで到達し得る送信電力を、10m程度まで
弱めること)等の新たな作業が発生して動作正常性確認
作業の作業効率低下させる要因ともなる。さらに、検査
時リモコン送信機の送信電力を弱めることは、電波の到
達範囲を縮小し、一括登録可能なリモコン受信機の数を
低減するから、作業効率の低下をもたらす。
【0020】これらの問題に対処するため、いったん登
録した前記検査時IDを、前記動作正常性確認作業の
後、出荷する前に消去しておくこと等も考えられるが、
それでは、せっかく高めた効率性がまた低下してしま
う。
【0021】以上のような課題は、ガレージ用シャッタ
ーや窓用シャッターなどのシャッター用だけでなく、ド
ア、窓、オーバーヘッドドアなどの他の開閉装置のリモ
コンシステムにも共通している。
【0022】本発明は、検査作業等の効率性が高く、信
頼性やセキュリティ性の向上にも配慮した開閉装置の通
信システムを提供することを目的とする。
【0023】また、本発明は、このような通信システム
の構成要素としての開閉体側通信装置を提供することを
目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに、本発明にかかる開閉体側通信装置では、予め初期
認証識別子の予備的な登録を受けており、当該初期認証
識別子を用いて指示すれば、当該指示に応じた処理を実
行する開閉体側通信装置において、所定の無効化指示を
受けることにより、前記初期認証識別子を無効化する無
効化実行手段を備え、当該無効化後には、前記初期認証
識別子を用いて指示しても当該指示に応じた処理を実行
しないことを特徴とする。
【0025】また、本発明にかかる開閉装置の通信シス
テムでは、請求項1の開閉体側通信装置を備えた開閉装
置の通信システムにおいて、予備的に当該開閉体側通信
装置に登録された初期認証識別子を共用する1または複
数の非開閉体側通信装置と、所定の無効化指示を発行す
ることにより、当該初期認証識別子の無効化を実行させ
る無効化指示手段を有する非開閉体側通信装置とを備え
たことを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】(A)実施形態 以下、本発明にかかる開閉装置の通信システム及び開閉
体側通信装置をそれぞれ、ガレージ用シャッターのため
の遠隔操作システム(リモコンシステム)、およびリモ
コン受信機に適用した場合を例に、実施形態について説
明する。
【0027】本実施形態では、当該遠隔操作システム
は、有線リモコンシステムと前記無線リモコンシステム
を混合した混合システムであるものとする。
【0028】ここで、有線リモコンシステムとは、シャ
ッターシステムを構成要素として含むリモコンシステム
であって、有線通信によってシャッター動作を行うもの
である。
【0029】一般に、遠くから離れた不特定の位置から
シャッター動作を行うことができ、使い勝手が良いとい
う点では前記無線リモコンシステムが有利であり、通信
の信頼性の点や、常に特定の位置でシャッター動作を指
定したい場合などには、当該有線リモコンシステムが向
いている。
【0030】また、同じシャッターシステムを有線でも
無線でも制御できると、融通性に富み、ユーザの都合に
よりどちらの方法を取ることも可能となる。したがって
実際のリモコンシステムは、これら無線リモコンシステ
ムと有線リモコンシステムの特徴を混合した混合システ
ムとすることも少なくない。
【0031】以下の各実施形態において、運用時リモコ
ン送信機40(図2参照)は、工場出荷時点までに自身
に割当てられたIDコード(一般には10桁程度のコー
ドであってよいが、本実施形態では8桁とする)を登録
する機能のみを備えており、自身に割当てられたID自
体を示す信号は自動的に生成して送信信号WSに収容す
るものとする。なお、運用時リモコン送信機に割り当て
られたIDを、前記検査時IDと区別するため、運用時
IDと呼ぶ。
【0032】(A−1)第1の実施形態の構成 ガレージ用シャッターの運用時における遠隔操作システ
ム10の全体構成を図2に示す。
【0033】図2において、当該遠隔操作システム10
は、運用時リモコン送信機40A、40Bと、リモコン
受信機50と、シャッター制御部54と、シャッターシ
ステムSSとを備えている。また、符号20を付与した
ものは、運用時においてはシャッターシステムSSに対
する正当な使用権限を持たない検査時リモコン送信機で
ある。
【0034】このうちシャッターシステムSSは、シャ
ッターS1と、当該シャッターS1を駆動させるために
必要なモータなどの駆動機構(図示せず)と、当該シャ
ッターシステムSSにおける固定操作部(固定操作盤)
AMとを備えている。
【0035】また、リモコン送信機40A、40Bは、
携帯性に富み、ユーザの手の平に収まる程度にコンパク
トなパームサイズの送信機で、例えば図3に示すような
外観を有する。検査時リモコン送信機20も含め、リモ
コン送信機の外観はすべて同じであってよいので、図3
には主としてリモコン送信機40Aの外観を示したもの
として説明を進める。
【0036】なお、必要ならばリモコン受信機50に登
録することができるリモコン送信機の数を1つに限定し
てもよいが、ここでは、複数のユーザUA、UBが当該
シャッターシステムSSを共用することができるよう
に、複数のリモコン送信機の登録を許容するものとす
る。当該シャッターシステムSSを共用する運用時リモ
コン送信機の数は2つより多くてもよいことは当然であ
る。
【0037】図3において、リモコン送信機40Aの本
体40ABはユーザの手のひらに収まる程度のコンパク
トな構成となっている。この本体40ABの上面からは
PBS(プッシュ・ボタン・スイッチ)形式の3つの操
作スイッチ31〜33が突出している。これら操作スイ
ッチ31〜33は、シャッター動作(一般的には、開閉
体の開、閉、停などの動作)を行わせ得るシャッター操
作スイッチである。
【0038】本実施形態では、当該シャッター操作スイ
ッチ31〜33のうち、シャッター操作スイッチ31
は、シャッターの開動作を行わせるための開動作スイッ
チで、シャッター操作スイッチ32はシャッターの閉動
作を行わせるための閉動作スイッチで、シャッター操作
スイッチ33はシャッターの開動作または閉動作を停止
させるための停止スイッチである。
【0039】もちろん、必要ならば、これらの操作スイ
ッチ31〜33の操作を組み合わせてもっと複雑な操
作、例えば半開動作(シャッターの完全閉鎖状態と完全
開放状態の中間状態へ移行する動作)や換気動作(シャ
ッターの内外の空気が流通し得ない状態から流通し得る
状態へ移行する動作)などを行わせることも可能であ
る。
【0040】なお、操作スイッチ34は、各運用時リモ
コン送信機が、工場出荷時点までに予め各運用時リモコ
ン送信機に対し一義的に割り当てられているIDである
自ID(すなわち、自身に割り当てられた前記運用時I
D)の登録時にのみ使用する登録スイッチである。
【0041】本実施形態において、リモコン送信機40
Aが搭載している操作モードは、通常操作モードと登録
操作モードの2通りである。ここで、通常操作モード
は、シャッターの開動作、閉動作または停止動作などの
シャッター動作を指定するための操作モードであり、登
録操作モードはリモコン受信機50に対し自IDのID
登録を行うための操作モードである。
【0042】ID登録よりもシャッター動作の頻度のほ
うが通常ははるかに高いことから、リモコン送信機40
Aの電源を投入したときの最初の操作モードは通常操作
モードとしておくことが効率的である。したがって、リ
モコン送信機40Aに電源を投入しただけでは、リモコ
ン送信機40Aの操作モードは通常操作モードであり、
当該通常操作モードから登録操作モードに移行するため
には、操作スイッチ34(または、必要に応じて31〜
33)に対して所定の移行操作を実行することを要す
る。
【0043】当該登録スイッチ34は、小さな円形の凹
部20B内に設けられた操作スイッチであって、前記操
作スイッチ31〜33と同様なPBS形式の押しボタン
スイッチの一種である。当該登録スイッチ34は、自I
Dを登録する際、通常操作モードから登録操作モードに
切替えるため等に使用するスイッチであるから、不用意
に押し下げられることがないように、凹部20Bの底に
配置されている。したがってこの操作スイッチ34を押
し下げる際には、ペン先などの細い先端を凹部20B内
に挿入して押し下げることになる。
【0044】本実施形態では、当該操作スイッチ34を
例えば、短い時間間隔で3回押すと、登録操作モードに
移行し、当該登録操作モードでいずれかの操作スイッチ
(例えば、開動作スイッチ)を押せば、自動的に自ID
(運用時リモコン送信機40Aにとっては、UIDコー
ドC2)の登録が行われるものとする。
【0045】また、登録操作モードから通常操作モード
への移行のためにも特定の操作(例えば、前記と同様の
操作スイッチ34を短い時間間隔で3回押す操作であっ
てもよい)を用意してもよい。例えば、2つの操作スイ
ッチ31および32の同時押し下げを1回行うこと等
を、当該復帰操作としてもよい。
【0046】ただしリモコン送信機(20、40Aな
ど)のように、きわめて限定されたユーザインタフェー
スしか搭載していない通信機器の場合、そのユーザが、
ある時点の当該通信機器の操作モードが何であるかを見
失う可能性も少なくないので、ある基点となる操作モー
ド(ここでは通常操作モード)を用意しておき、別な操
作モードをとる必要がなくなった場合や一定期間操作が
行われない場合には、ただちに基点となる操作モードに
復帰する構成としておくことが好ましいと考えられる。
【0047】したがって、リモコン送信機40A(およ
びリモコン受信機50)は一定の時間(例えば、10秒
程度)、まったく操作スイッチ31〜34の操作が行わ
れなければ、自動的に通常操作モードへ復帰するように
するとよい。登録操作モードでは当然、通常のシャッタ
ー動作を行うことはできないので、誤操作によって登録
操作モードに移行してしまった場合に、一定の時間、ま
ったく操作スイッチ31〜34の操作を行わないだけ
で、リモコン送信機40Aもリモコン受信機50も自動
的に通常操作モードへ復帰するようにしておけば、ユー
ザUAにとって簡便で、操作性が向上する。
【0048】なお、操作スイッチ34の形態としては、
前記凹部20Bの内部に設けるものにかぎらない。
【0049】要するに登録操作モードは通常それほど頻
繁に行うモードではないし、誤ってIDを登録してしま
ったりする可能性があるようでは遠隔操作システム10
の信頼性が損なわれるので、このような誤操作を防止す
ることができることが必要とされる一方で、IDの登録
を行う際にはそれほど煩雑な操作手順を用いなくてもそ
の目的を達成できることが必要とされるから、操作スイ
ッチ34の機能およびその周辺の構造についてはこれら
の条件に反しない範囲でさまざまな変形が可能である。
したがって、必要ならば、当該登録スイッチ34を省略
して、操作スイッチ31〜33の操作によって登録操作
モードへの移行などを指示するようにしてもよい。
【0050】また、操作スイッチ31〜34は、必ずし
もPBS形式のスイッチでなくてもよいし、PBS形式
の操作スイッチとその他の形式の操作スイッチが混在す
るようにしてもよい。例えば、PBS形式のスイッチの
ほかに、スライド式スイッチや回転式スイッチなどを使
用してもよく、圧力や温度、静電気の変化などに反応す
る各種のスイッチを使用することもできる。
【0051】リモコン送信機20、40A、40Bの内
部構成例は図5に示す。検査時リモコン送信機20と、
運用時リモコン送信機40A及び40Bの内部構成は相
違するものであってもかまわないが、ここでは同じであ
るものとし、図5には主として、リモコン送信機40A
を示したものとして説明する。
【0052】(A−1−1)リモコン送信機の内部構成 図5において、リモコン送信機40Aは、無線送信部2
1と、送信処理部22と、プロセッサ23と、自IDメ
モリ24と、モード切替部25と、手順記憶部26と、
操作検出部27と、操作応答部28とを備え、前記操作
スイッチ31〜32は、当該操作検出部27に設けられ
ている。
【0053】このうち無線送信部21は、図2に示した
無線伝送路としての空間13を介してリモコン受信機5
0内の後述する無線受信部51に対向する部分で、送信
処理部22から所定の信号線を介して受け取った送信信
号WSに対応した無線信号LS2を無線送信する。その
ために、当該無線送信部21は、送信用のアンテナシス
テムやフィルタ回路などを備えている。当該無線信号
は、例えば、300MHzや400MHz程度の電波で
あってよい。
【0054】また、前記送信処理部22は符号化処理や
変調処理などの必要な処理を実行する機能を備え、プロ
セッサ22から供給される送信処理信号RPに応じて、
生成する送信信号WSの内容を変化させる。
【0055】リモコン送信機40Aの場合、当該送信信
号WSの内容は、例えば、前述した開閉制御信号CSが
指定するシャッター動作や、ID登録操作などの種類に
応じて決定される有限個であるので、送信する情報の発
生源(例えばROM(リードオンリーメモリ)などであ
ってよい)も送信処理部22の内部に存在し、前記送信
処理信号RPに応じて当該発生源のなかから1つの送信
情報を選択して読み出す構成であってもよい。
【0056】送信信号WSと送信処理信号RPは、論理
的にみると、例えば図6(A)または(B)に示すフォ
ーマット構造を備えたフレームFR1またはFR2であ
る。フレームFR1は、リモコン送信機40Aの通常操
作モードで使用されるフレームであり、フレームFR2
は当該リモコン送信機40Aの登録操作モードで使用さ
れるフレームである。
【0057】図6(A)において、フレームFR1は、
自IDコードフィールドMFと、制御コードフィールド
CC2を備えている。ここで、自IDコードフィールド
MFには、前記自IDメモリ24に格納されている自I
Dの内容が自動的に書き込まれ、制御コードフィールド
CCには、リモコン送信機40AのユーザUAが操作ス
イッチ31〜33を操作することによって指定したシャ
ッター動作を示すコードが書き込まれている。
【0058】図6(B)において、フレームFR2は、
自IDコードフィールドMFと、フラグフィールドF
1、F2を備えている。
【0059】この自IDコードフィールドMFは、前記
フレームFR1の自IDコードフィールドと同じであ
る。
【0060】また、フラグフィールドF1には、通常操
作モードと登録操作モードとを区別する識別子が書き込
まれる。フラグフィールドF1に書き込む識別子の値
は、例えば、通常操作モードを指定する場合が「0」
で、登録操作モードを指定する場合が「1」であっても
よいが、この値は、送信処理部22で行う符号化の内容
に応じて変化し得る。この点は、他のフィールドや他の
フレームについても同様である。
【0061】当該送信処理信号RPを送信処理部22に
対して出力するプロセッサ23は、当該リモコン送信機
40AのCPU(中央処理装置)である。
【0062】このプロセッサ23に接続されている自I
Dメモリ24には、当該リモコン送信機40Aの自ID
(運用時リモコン送信機40Aの場合、当該自IDを示
すコードはC2)が格納される。当該自IDは、半永久
的に保存しなければならないので、後述するリモコン受
信機50内のIDメモリ57と同様にEEPROMによ
って構成するようにしてもよい。
【0063】ただし自IDメモリ24の場合、いったん
書き込んだIDを削除したり、書き換えたりすることは
実用上ほとんどないので、書き込んだデータの削除に紫
外線照射などの特別な手段を必要とするUV−EPRO
M(紫外線照射タイプのEPROM(Erasable Progra
mmable ROM)などを利用することも十分に可能であ
る。
【0064】プロセッサ23による自IDメモリ24に
対する自IDの読み書き(ほとんどは読み出し)には、
自ID信号SIが使用される。自IDの具体例として
は、例えば、「00279511」(10進数表示)な
どの8桁の整数値であってよい。もちろん、リモコン送
信機40Aやリモコン受信機50の内部では、当該「0
0279511」はマシンが処理することのできる2進
数などに変換して使用される。
【0065】なお、各リモコン送信機に割り当てられる
ID(各リモコン送信機の自ID)は、同じシャッター
システムSSを共用するリモコン送信機(ここでは、4
0Aと40B)のなかで各リモコン送信機を識別するた
めに使用されるだけでなく、その他の同種のリモコン送
信機(その1つが、検査時リモコン送信機20)や通信
装置(送信する無線信号の周波数などがリモコン送信機
40A、40Bと同じで、リモコン受信機50と通信す
る可能性のあるすべての通信機器)と、各リモコン送信
機40A、40Bとを識別して、リモコン受信機50が
真に正当なリモコン送信機だけと通信するために使用さ
れ得るから、その桁数はかなり多くなることが避けられ
ない。
【0066】また、将来的に製品としての運用時リモコ
ン送信機の販売が進み、さまざまなユーザによって同時
に使用され得る運用時リモコン送信機の数が増加した場
合などにも対応するため、現時点までの販売数量に限定
せず、将来的なリモコン送信機数の増加も見越して、I
Dの桁数は十分に多めに設定しておく必要がある。
【0067】さらに、開発時期が異なる新旧の製品(新
旧のリモコン送信機)を矛盾なく使用できるようにする
ためには、同一のID番号体系のなかから、新旧の各リ
モコン送信機に割り当てるIDを決定する必要もあるの
で、この意味でも、IDの桁数は十分に多くなければな
らない。
【0068】このようなIDの1つであるUIDコード
C2を自IDとして保持しているリモコン送信機40A
のユーザUAにとって、唯一の遠隔操作手段である上述
した3つの操作スイッチ31〜33を設けた操作検出部
27は、各操作スイッチ31〜33について、その押し
下げストロークが所定の長さに達すると操作検出信号P
B1、PB2を出力する部分である。
【0069】操作検出信号PB1は押し下げを検出した
操作スイッチに応じて異なる状態をとり、その操作手順
は手順記憶部26に一時的に記憶される。
【0070】手順記憶部26は一時記憶している手順が
どのような操作または入力データを指定しているかを判
定して、その判定結果である判定信号DSをプロセッサ
23に供給する部分であり、少なくとも、前記通常操作
モードと、登録操作モードを区別する機能を備えてい
る。
【0071】本実施形態では、リモコン送信機40A側
は、誤操作であるか否かを区別する機能を持たず、誤操
作による登録操作モードに対してはリモコン受信機50
側で対応するものとする。
【0072】リモコン送信機40Aに、誤操作であるか
否かを区別する機能を持たせないこととしたのは、リモ
コン送信機40Aのかぎられた機能で誤操作であるか否
かを検出することは非常に困難だからである。
【0073】なお、もし必要ならば、前記通常操作モー
ドと登録操作モードのほかに、リモコン受信機50にお
ける自IDや検査時IDなどの登録を抹消するための登
録抹消操作モードを用意するようにしてもよいが、ここ
では、機能の節約を重視して、操作モードは、通常操作
モードと、登録操作モードの2つだけであるものとす
る。
【0074】運用時リモコン送信機40A中で、前記操
作検出信号PB1が前記手順記憶部26に供給されるの
と同時に操作応答部28に供給される操作検出信号PB
2は、当該PB1と同様に、押し下げを検出した操作ス
イッチに応じて異なる状態をとるようにしてもよいが、
本実施形態では、操作スイッチ31〜33を区別せず、
同じ状態をとるものとする。
【0075】当該操作検出信号PB2を受け取った操作
応答部28は、ブザーなどの音響発生器であり、操作ス
イッチ31〜33の押し下げが有効に検出されたことを
ユーザに伝えるために応答出力RAを出力する部分であ
る。本実施形態では、操作スイッチ31〜33を区別し
ないので、いずれかの操作スイッチが十分に押し下げら
れると、一定音程、一定音色のブザー音が応答出力RA
としてユーザに聴取されることになる。これにより、ユ
ーザは、聴覚的にスイッチ操作の有効性を確認すること
ができる。
【0076】例えば、パーソナルコンピュータなどでキ
ーボードを操作する場合など、リモコン送信機40Aに
比べるとはるかに大規模で豊富なユーザインタフェース
を備えた環境ならば、あるキーの押し下げがマシンに認
識されたか否かはビットマップディスプレイなどの画面
表示を目視することによって容易に確認可能であるが、
高度な携帯性が求められるリモコン送信機40Aは、前
述の機能の節約の観点から、機能が極限まで切りつめら
れるので、どのようにして小規模な構成で効率的にユー
ザの操作がマシン(ここではリモコン送信機40A)に
認識されたか否かを確認するかは重要になる。
【0077】なおここでは、操作応答部28の応答出力
RAを一定音程、一定音色のブザー音としたが、必要な
らば、押し下げられた操作スイッチ31〜33に応じて
音程や音色などを変化させるようにしてもよい。また、
音響発生器による聴覚的な手段にかぎらず、LED(発
光ダイオード)等の発光素子などを使用して、視覚的な
手段で操作スイッチの操作が有効に検出されたことをユ
ーザUAに伝えるようにしてもよく、視覚的な手段と聴
覚的な手段を併用してもよい。
【0078】次に、前記プロセッサ23に接続されてい
るモード切替部25は、リモコン送信機40Aの2つの
操作モードに応じて、2通りの内部状態を取り得るメモ
リである。
【0079】また、プロセッサ23によるモード切替部
25の内部状態(すなわち操作モード)の書き換えおよ
び読み出しは、モード信号MD1を用いて行う。
【0080】なお、図5上でプロセッサ23の外部に示
した手順記憶部26、モード切替部25などは、プロセ
ッサ23の内部にソフトウエア的に実現してもよい。
【0081】前記検査時リモコン送信機20と運用時リ
モコン送信機40Bとは、以上のような運用時リモコン
送信機40Aと同様な構成、同様な機能を備えている
が、検査時リモコン送信機20には、その自IDとし
て、DIDコードC1が割り当てられ、運用時リモコン
送信機40Bにはその自IDとしてUIDコードC3が
割り当てられているものとする。
【0082】次に、運用時リモコン送信機40A、40
Bと通信し得るリモコン受信機50について説明する。
【0083】当該リモコン受信機50は、通常、シャッ
ターシステムSSの内部に固定的に配置される通信機器
で、すでにID登録しているリモコン送信機(例えば4
0A、40B)から送信された無線信号LS2、LS3
だけを正常に受信し処理し得る。
【0084】また、当該リモコン受信機50は、すでに
ID登録されたリモコン送信機であっても、検査時リモ
コン送信機20から無線信号LS1によって送信される
指示には基本的にしたがわないように構成する必要があ
る。シャッターシステムSS設置後の運用時において
は、すでに当該検査時リモコン送信機20は、当該シャ
ッターシステムSSを操作する正当な権限を喪失してい
るからである。
【0085】当該リモコン受信機50の内部構成例を図
1に示す。
【0086】(A−1−3)リモコン受信機の内部構成 図1において、リモコン受信機50は、無線受信部51
と、受信処理部52と、プロセッサ53と、シャッター
制御部54と、モード切替部55と、UID登録判定部
56と、IDメモリ57とを備えている。
【0087】当該無線受信部51は、受信用のアンテナ
システムやフィルタ回路などを備え、リモコン送信機
(40Aなど)から送信される無線信号(LS2など)
を、空間13を介して受信する部分で、受信した無線信
号に対応した受信信号WSを出力する。前記送信信号W
Sに対応した信号である当該受信信号WSは所定の信号
線を介して受信処理部52に供給される。
【0088】受信処理部52は、受け取った受信信号W
Sに対して復調処理、復号処理などの必要な処理を施し
て受信処理信号RPを生成し、出力する部分である。
【0089】受信処理信号RPは、前記送信処理信号R
Pに対応した信号で、通常操作モードではシャッターの
開動作、閉動作または停止動作などのシャッター動作を
指定するシャッター動作指定信号としてのみ機能する
が、登録操作モードでは各運用時リモコン送信機40A
などに割り当てられている自IDの登録を指示する信号
として機能し、通常操作モードと登録操作モード間での
モード切替えを指示する信号としても機能し得る。
【0090】シャッター制御部54は、通常操作モード
において、プロセッサ53から受け取る開閉制御信号C
Sに対応したシャッター制御信号CCを前記モータに供
給し、ユーザ(例えばUA)の望むシャッター動作を実
現する部分である。
【0091】前記受信処理部52から受信処理信号RP
を受け取るプロセッサ53は、当該リモコン受信機50
のCPUとして機能する部分である。
【0092】したがってプロセッサ53は、受信処理信
号RP等に応じてモード切替部55の状態を書き換える
ことによって操作モードを切替え、モード切替部55の
状態を読み出すことによっていつでも操作モードを認識
することができる。
【0093】また、当該モード切替部55のほうは、前
記通常操作モードおよび登録操作モードの2通りの操作
モードに対応して2通りの内部状態を取り得るメモリで
ある。プロセッサ53によるモード切替部55の書き換
えおよび読み出しは、モード信号MD1を用いて行う。
【0094】ここでは説明の都合上、モード切替部55
をプロセッサ53の外に展開して図示したが、当該モー
ド切替部55のような機能は、プロセッサ53の内部に
主としてソフトウエア的に実現してもよい。
【0095】当該プロセッサ53はまた、シャッター動
作を指定する通常操作信号としての受信処理信号RPを
受け取ったときには、当該受信処理信号RPに含まれる
図6(A)の前記送信フレームFR1の自IDコードフ
ィールドMFの示す自IDに対応した信号を、IDメモ
リ57の記憶内容と照合し、当該自IDが記憶内容に合
致した場合にかぎり、制御コードフィールドCCの内容
に応じた開閉制御信号CSをシャッター制御部54に供
給し得る。
【0096】ただし本実施形態において、当該照合は、
1つでも運用時IDであるDIDコード(例えば、運用
時リモコン送信機40Aの自IDであるDIDコードC
2)がIDメモリ57に登録されている場合には、ID
メモリ57の最下位アドレス番号A0で指定されるメモ
リ領域に格納されているID(このIDが前記検査時I
Dである)を除外して実行するようにUID登録判定部
56が制御する。この手順は、IDメモリ57に対する
各ID(このIDには、検査時IDと運用時IDの双方
が含まれる)の登録はIDメモリ57内の最下位アドレ
スから順番に行われ、最初に登録されるIDは検査時I
Dであることを前提としたものである(図示の例では、
2番目に運用時リモコン送信機40AのUIDコードC
2が登録され、3番目に運用時リモコン送信機40Bの
UIDコードC3が登録されている)。
【0097】したがって、もしも最上位アドレスから順
番にID登録を行う場合なら、除外するのは最上位アド
レス番号AEで指定されるメモリ領域に格納されるID
ということとなるし、最下位とも最上位とも異なるアド
レス番号で指定される特定のメモリ領域(これには、デ
バイスとしてのIDメモリ自体が、検査時IDのための
IDメモリと運用時IDのためのIDメモリで異なる場
合も含む)に検査時IDを登録する場合ならば、当該特
定メモリ領域を除外することとなる。
【0098】なお、プロセッサ53に信号ADD、DA
T1、DAT2で接続されているIDメモリ57は、登
録された検査時IDおよび運用時IDを記憶しておくた
めのメモリである。本実施形態においては、登録される
検査時IDは1つとするが必要に応じて2つ以上として
もよい。また、登録され得る運用時IDは、複数とする
が、必要に応じて1つに限定してもよい。
【0099】いずれにしてもIDメモリ57の記憶内容
は半永久的に保存する必要がある反面、追加的に新たな
IDが登録されることもある。ただしその頻度は、登録
してあるIDの読み出しのほうが、追加登録などに比べ
てはるかに多いのが普通である。
【0100】したがってこのIDメモリ57としては、
EEPROM(フラッシュメモリ:Electrical Erasab
le Programmable ROM)などの書き込み可能なRO
M(リードオンリーメモリ)を使用するものとする。
【0101】なお、EEPROMの場合、書き込みに
は、通常のRAM(ランダムアクセスメモリ)に比べて
長い時間(例えば10ms程度)を要するが、この時間
はシャッターの遠隔操作システムにおいて問題となるほ
どの時間ではないと考えられる。
【0102】ただし、必要に応じて、磁気的記憶手段
や、十分な電源バックアップ機構を備えたRAMなどで
当該ROMを置換することが可能である。一般に、メモ
リ自体の価格は、EEPROMのほうがRAMよりも高
価であるが、バックアップ用の電力消費などの点を考慮
すると、運用コストはRAMのほうが高くなる可能性が
高い。実際の実装にあたっては、これらの点を考慮し
て、有利なものを選定すればよい。
【0103】また、本実施形態では1つのアドレス番号
で指定されるメモリ領域に1つのIDを格納するものと
したが、必要に応じて、1つのIDを2つ以上のメモリ
領域に分散して格納するようにしてもよい。上述したと
おりIDは10進数表示で8桁におよぶため、リモコン
受信機50などの情報処理装置が処理できる2進数表示
やBCD(Binary Coded Decimal)表示にすると、そ
の桁数は30桁(すなわち30ビット。BCDなら32
ビット)近くに達し、IDメモリ57の1アドレス番号
で指定されるメモリ領域に格納できるデータ単位のビッ
ト長(例えば、8ビット、16ビットなど)によって
は、1つのアドレス番号で指定されるメモリ領域のなか
に収容しきれない可能性も高いと考えられるためであ
る。
【0104】ただし本実施形態では、説明を簡単にする
ために、1つのアドレス番号で指定されるメモリ領域に
格納されるデータ単位のビット長のなかに1つのIDを
収容できるものとし、最下位アドレス番号A0で指定さ
れるメモリ領域には検査時のDIDコードC1が格納さ
れ、当該A0より1つ上位のアドレス番号A1(=A0
+1)によって指定されるメモリ領域には、運用時のU
IDコードC2が格納され、当該A1より1つ上位のア
ドレス番号A2(=A1+1)によって指定されるメモ
リ領域には、運用時のUIDコードC3が格納されるも
のとして説明を進める。
【0105】なお、プロセッサ53とIDメモリ57間
でやり取りされるアドレス信号ADDは、IDメモリ5
7に対するアドレス指定のための信号で、データ信号D
AT1は追加登録するIDを示す信号で、データ信号D
AT2は前記照合などのためにIDメモリ57から読み
出すIDを示す信号である。
【0106】したがって、プロセッサ53に信号RSで
接続されている前記UID登録判定部56が上述した制
御を実行するにあたっては、前記運用時リモコン送信機
(例えば40A)または検査時リモコン送信機20から
送信されたシャッター動作を指示する図6(A)のフレ
ームFR1がリモコン受信機50に受信された場合、ま
ずアドレス番号A1を指定するアドレス信号ADDをプ
ロセッサ53に出力させることでIDメモリ57のアド
レス番号A1をアドレス指定しておき、当該アドレス番
号A1のメモリ領域からそこに格納されているデータを
データ信号DAT2として読み出す。そして読み出した
データ信号DAT2の内容がプロセッサ53経由でUI
D登録判定部56に供給され、UID登録判定部56
は、当該データ信号DAT2の内容が有効なIDである
か否かを判定し、その判定結果をプロセッサ53に出力
する。
【0107】そしてこれを受けたプロセッサ53は、当
該判定結果が有効なIDでない場合には、アドレス番号
A0に格納されているDIDコードC1を除外せずに受
信したフレームFR1の自IDコードフィールドMF内
に収容されていたIDの照合を行い、これらが合致すれ
ば当該フレームFR1の制御コードフィールドCCのコ
ードが指定するシャッター動作を実行する。
【0108】これは本来、工場などでシャッター製品
(シャッターシステムSSやリモコン受信機50など)
の出荷前に実行される検査時の動作であるが、もしも必
要ならば、当該シャッター製品が出荷されユーザ宅など
に設置された後に行われる保守作業にあたって、当該動
作を行うようにしてもよい。この場合、IDメモリ57
内に運用時IDがまったく登録されていなければ、前記
検査時リモコン送信機20を携帯した保守作業者は、ア
ドレス番号A0に登録されている検査時ID(DIDコ
ードC1)により、シャッターシステムSSに所望のシ
ャッター動作を行わせることが可能である。
【0109】ただし本実施形態ではセキュリティ性を重
視して、検査時リモコン送信機20を工場などから持ち
出すことは禁止し、保守作業者に当該検査時リモコン送
信機20を与えることは行わないものとする。
【0110】一方、前記アドレス番号A1をアドレス指
定して行った前記判定結果が有効なIDである場合に
は、プロセッサ53は、アドレス番号A0のメモリ領域
に格納されているDIDコードC1を除外してIDの照
合を実行するので、受信したフレームFR1の自IDコ
ードフィールドMF内に収容されていたIDとアドレス
番号A0のメモリ領域に格納されているDIDコードC
1が同じIDであっても、まったくシャッター動作を行
わず、受信したフレームFR1の自IDコードフィール
ドMF内に収容されていたIDとアドレス番号A1以上
のメモリ領域に格納されているUIDコード(例えばC
2)が同じIDである場合だけ、指示どおりのシャッタ
ー動作を実行する。
【0111】なお、各アドレス番号で指定されるメモリ
領域からは、たとえそこにIDの書込みを行っていなか
ったとしても、読み出し操作を実行すれば何らかの値が
読み出されるが、この値を有効なIDと区別するため、
IDが記憶されていない各領域(図1の例では、A3、
AEなど)には無効であること(すなわち、そのメモリ
領域には有効なIDが格納されていないこと)を示す所
定のビットパターン(無効ビットパターン)を格納して
おくようにするとよい。
【0112】これにより、UID登録判定部56は、ア
ドレス番号A1で指定されるメモリ領域から読み出した
ビットパターンが当該無効ビットパターンと一致すれ
ば、有効な運用時IDが登録されていない旨の判定結果
を出し、一致しなければ有効な運用時IDが登録されて
いる旨の判定結果を出すことができる。
【0113】なお、ここではフレームFR1を受信する
たびに当該UID登録判定部56およびプロセッサ53
が以上のような一連の処理を実行するものとしたが、I
Dメモリ57内に登録されているIDの数(この数は、
2以上であるか否かだけで十分)や、運用時IDの登録
の有無自体をデータとして格納するフラグ(メモリ)を
リモコン受信機50内に設けておけば、フレームFR1
受信時にはプロセッサ53が当該フラグを検査するだけ
で、有効な運用時IDの登録の有無を認識することが可
能となる。
【0114】なお、IDメモリ57のアドレス空間(図
示の例ではA0〜AE)を節約するため、誤操作などに
よって、同じIDがIDメモリ57内に重複して登録さ
れることがないように、プロセッサ53が検査するよう
にするとよい。
【0115】登録する可能性のある運用時リモコン送信
機の数に比べてIDメモリ57の容量が十分に大きい場
合(例えば、ID登録する可能性のあるリモコン送信機
の数が16個で、IDメモリ57のアドレス空間が25
6(前記A0=0で、AE=255)である場合など)
には、この点はあまり問題にならないが、携帯性の高さ
が要求されるリモコン送信機には必要最小限の容量を持
つIDメモリ57しか搭載できない可能性が高いからで
ある。
【0116】前記検査は、すでにIDメモリ57に登録
されているいずれかのIDと同じIDが登録操作モード
で再び登録されようとしている場合には、プロセッサ5
3が当該登録操作モードには誤操作で移行したものと判
定し、当該IDの登録を行わない機能(重複登録防止機
能)を備えることで、実現可能である。
【0117】以下、上記のような構成を有する本実施形
態の動作を、図7のフローチャートを参照しながら説明
する。
【0118】図7のフローチャートは、リモコン受信機
50の動作を示すフローチャートであり、P10〜P1
5の各ステップから構成されている。動作の説明の前提
として、リモコン受信機50が搭載しているIDメモリ
57の格納内容は図1に示す通りであるものとする。
【0119】すなわち、アドレス番号A0で指定されて
いるメモリ領域にはDIDコードC1が格納され、アド
レス番号A1で指定されているメモリ領域にはUIDコ
ードC2が格納され、アドレス番号A2で指定されてい
るメモリ領域にはUIDコードC3が格納され、アドレ
ス番号A3以上のアドレス番号で指定されているメモリ
領域(例えばAE)には、前記無効ビットパターンが格
納されているものとする。
【0120】(A−2)第1の実施形態の動作 図7において、シャッターシステムSSおよびリモコン
受信機50等が出荷され、販売されてユーザ宅に設置さ
れたあと、遠隔操作システム10の運用が開始され(P
10)、リモコン受信機50が、リモコン送信機20、
40A、40Bのいずれかから、図6(A)のフレーム
FR1を受信し、シャッター動作を指示されたものとす
る(P11)。
【0121】このとき、すでに2つの運用時IDがID
メモリ57に登録されているためステップP12はY
(Yes)側に分岐し、アドレス番号A0で指定される
メモリ領域の格納内容であるDIDコードC1は除外し
てID照合が実行される(P13)。この除外により、
もしも当該フレームFR1が検査時リモコン送信機20
から送信されたものである場合、当該検査時リモコン送
信機20の自IDであるDIDコードC1に合致するI
Dは登録されていないとの照合結果が得られ、当該検査
時リモコン送信機20を操作する第3者VXの指示する
シャッター動作は実行されない(P15)。
【0122】一方、当該フレームFR1がID登録済み
の運用時リモコン送信機40Aまたは40Bから送信さ
れたものであるとすると、アドレス番号A0で指定され
るメモリ領域の格納内容であるDIDコードC1を除外
してID照合が行われても、これらのIDはアドレス番
号A0より上位のアドレス番号A1、A2に格納されて
いるため、合致するIDが登録されているとの照合結果
が得られ、運用時リモコン送信機40Aを操作するユー
ザUAまたは運用時リモコン送信機40Bを操作するユ
ーザUBの指示した通りのシャッター動作が行われる
(P15)。
【0123】そして、以上と同様な処理は、新たなフレ
ームFR1がリモコン受信機50に受信されるたびに繰
り返される。
【0124】なお、前記ステップP12がN(No)側
に分岐するのは、運用時IDが1つも登録されておら
ず、検査時IDだけが登録されているケースである。こ
れは、主として、工場などからシャッター製品としての
シャッターシステムSSやリモコン受信機50などを出
荷する前に行われる検査が該当する。
【0125】この場合には、当該シャッターシステムS
Sやリモコン受信機50のユーザは決まっておらず、I
Dメモリ57内には検査時IDとして前記DIDコード
C1だけが格納されている。
【0126】この状態ではステップP12はN側に分岐
して、IDメモリ57の全アドレス空間(当然、A0も
含む)に格納されているIDを対象としてID照合が実
行されるため、合致するIDが登録されているとの照合
結果が得られ、検査時リモコン送信機20のユーザVX
(このケースでは当該VXは、単なる第3者ではなく、
正当な動作正常性確認検査の検査作業担当者である)が
指示した通りのシャッター動作が行われる(P15)。
このときもしも、ユーザVXの指示通りのシャッター動
作が実行されなければ、当該シャッター製品には故障等
の不具合が存在する可能性が高いので、さらなる検査な
ど、必要な作業が施されることになる。
【0127】なお、以上の通り、本実施形態は、検査時
IDとしてどのような値を使用してもかまわない構成を
取ったが、検査時IDの値を予め所定の値に限定しても
よい場合、例えば上述した「10111101」(10
進数表示)だけに限定してもよい場合ならば、予め当該
検査時IDの値と、検査時であるか運用時であるかをリ
モコン受信機50に記憶させておき、検査時だけ当該検
査時IDを有効とし、運用時には無効とするようにして
もよい。
【0128】また、検査時IDと運用時IDに所定の特
徴を付与してもよい。
【0129】例えば、膨大な数が必要になる運用時ID
として値の小さいもの(最小値は、「0000000
0」)から順番に付与していく場合、IDの桁数が十分
に多ければ、運用時IDの最上位付近の桁(検査時ID
である前記「10111101」の場合は最左端の
「1」に対応)の値は当面(すなわち、製品としての運
用時リモコン送信機の総販売台数(あるいは総出荷台
数)が1000万+1台に達するまで)「0」であるか
ら、検査時IDとして、当該最上位ビットが「1」のI
Dを割り当てれば、最上位ビットを検査するだけで、簡
単に検査時IDと運用時IDとを識別することが可能と
なる。
【0130】なお、検査時リモコン送信機20の機能が
運用時リモコン送信機(40Aなど)の機能とまったく
同じである場合、検査時リモコン送信機20が自IDの
登録を実行すれば(このとき前記DIDコードC1と同
じIDコードがアドレス番号A0以外のアドレス番号
(例えばA3)によって指定されるメモリ領域に格納さ
れてしまう)、当該検査時リモコン送信機20を使用す
る第3者VXが、所望のシャッター動作を行うことが可
能となってしまう可能性があるが、これは、上述した重
複登録防止機能を搭載することで、阻止することが可能
である。
【0131】また、検査時リモコン送信機20には、そ
のような自IDの登録機能を設けないようにしてもよ
い。
【0132】(A−3)第1の実施形態の効果 以上のように、本実施形態によれば、効率性向上を目的
とする検査時IDを用いる場合でも、信頼性やセキュリ
ティ性を高め、なおかつ効率性も高く維持することが可
能となる。
【0133】(B)第2の実施形態 以下では、本実施形態が第1の実施形態と相違する点に
ついてのみ説明する。
【0134】本実施形態は第1の実施形態に比べ、セキ
ュリティ性をいっそう高めたことを特徴とする。
【0135】第1の実施形態では、運用時にもリモコン
受信機50のIDメモリ57内にDIDコードC1が格
納されたままであるため、当該DIDコードC1を第3
者に奪われた場合、予期せぬ目的に使用されるおそれが
ある。第1の実施形態に対応したリモコン受信機50で
あればこのような不測の使用を阻止することが可能であ
るが、第1の実施形態に対応しておらず、なおかつDI
DコードC1の登録を受けているリモコン受信機がすで
に販売され、ユーザ宅に設置されているケースを想定す
ると、当該不測の使用を許してしまう可能性もあるた
め、当該DIDコードC1の流出を防止できるほうが、
セキュリティ性の観点から好ましい。
【0136】(B−1)第2の実施形態の構成および動
作 本実施形態のリモコン受信機70の内部構成例を図4に
示す。図4において、図1と同一の符号を付与した構成
要素および信号の機能は、基本的に第1の実施形態と同
じである。
【0137】したがって本実施形態と第1の実施形態の
相違は、上書実行部76および当該上書き実行部76が
関与するIDメモリ77のメモリ管理に関連する部分に
限られる。
【0138】また、ハードウエアとしてのIDメモリ7
7は、前記IDメモリ57と同じである。
【0139】上書き実行部76は、最初の運用時ID
(図4ではUIDコードC2)の登録が指示されたと
き、当該運用時IDを、アドレス番号A1によって指定
されるメモリ領域ではなく、アドレス番号A0によって
指定されるメモリ領域に格納させる部分である。当該メ
モリ領域は、前記検査時ID(DIDコードC1)が格
納されていた領域であるため、当該格納によって、当該
検査時IDは上書きされ、そのデータはIDメモリ77
上から物理的に失われてしまう。
【0140】したがって上述した第3者が、当該リモコ
ン受信機70からDIDコードC1を奪おうとしても、
1つでも運用時IDが登録されていれば奪うことは不可
能である。通常、運用時のリモコン受信機70には少な
くとも1つの運用時IDは登録されているから、本実施
形態によって、検査時IDが流出する可能性を大幅に低
減することが可能である。
【0141】なお、前記上書き実行部76の動作を一般
化すると、最初に登録されるID(このIDが検査時I
D)と同じアドレス番号のメモリ領域に2番目に登録さ
れるID(このIDが最初に登録される運用時ID)を
書き込み、以降は、逐次、IDを書き込むメモリ領域を
下位アドレスから上位アドレスへ移動させていくもので
あってよい。
【0142】この場合、リモコン受信機70は運用時と
検査時の相違を識別する機能(動作状態識別機能)を持
つ必要はないが、リモコン受信機70に当該動作状態識
別機能を搭載できる場合には、検査時から運用時に切り
替わったときに、書込み用のアドレス指定を最下位アド
レスから行わせるようにすることで、やはり検査時ID
を運用時IDで上書きすることが可能である。
【0143】動作状態識別機能を用いる場合の利点は、
用いない場合と異なり、検査時IDの登録数を所定数
(例えば1つ)に限定する必要がない点である。
【0144】(B−2)第2の実施形態の効果 以上のように、本実施形態によれば、第1の実施形態の
効果と同等な効果を得ることができる。
【0145】加えて、本実施形態では、検査時IDが流
出する可能性を大幅に低減し、セキュリティ性をいっそ
う高めることが可能である。
【0146】(C)他の実施形態 上記第1、第2の実施形態では、本発明を混合システム
に適用した場合を例に説明したが、本発明は、専用の無
線リモコンシステムまたは有線リモコンシステムのいず
れかに適用することも可能である。
【0147】有線リモコンシステムに適用する場合、リ
モコン送信機は所定の装着部などに装着して、前記固定
操作部AMを使用する場合のように、有線伝送路を介し
てリモコン受信機と通信することになる。
【0148】また、上記第1、第2の実施形態では、検
査時IDの値は基本的に1つ(前記「1011110
1」)であるものとしたが、この数を複数とし、例えば
工場ごとに異なる値としておくことで、検査時リモコン
送信機が不正使用された場合には、その痕跡(検査時I
Dの値、不正使用の日時など)をリモコン受信機のなか
に残し、検査時リモコン送信機の流出経路の解明などに
活用してもよい。
【0149】さらに、検査時IDを用いた不正使用が検
出された場合、不正使用者またはユーザ宅にいるユーザ
や当該ユーザと契約しているセキュリティ会社等に対し
ブザーなどの警報を聴取させたり、メッセージを通報す
るようにしてもよい。不正使用者に警報を聴取させるこ
とは、不正行為の中止に寄与し得る。
【0150】なお、上記第1、第2の実施形態では、運
用時IDがIDメモリ57、77に記憶されることによ
って検査時IDが無効になる構成であったが、運用時I
Dが登録されただけでは無効とならず、所定のシャッタ
ー動作が行われたときにはじめて検査時IDが無効とな
るようにしてもよい。
【0151】また、上記第1の実施形態において、実装
により、誤って運用時IDが消去される可能性があるケ
ースでは、少なくとも1つは必ず、消去されずに運用時
IDが残るか、あるいは消去される場合には必ず検査時
IDもいっしょに消去されるような構成にしておくとよ
い。これにより、検査時IDの記憶だけが残って検査時
IDが有効になってしまうことを確実に防止することが
できる。
【0152】なお、上記第1、第2の実施形態では、登
録操作モードにおいて、各リモコン送信機40Aなど
は、自IDを自動的に生成してフレームに収容するよう
にしたが、必要ならば、ユーザが操作スイッチを操作し
て自IDを入力するようにしてもよい。
【0153】また、以上の説明では、検査用IDは、特
定の1つまたは複数のIDであったが、これを不特定の
IDとしてもよい。この場合、すべてのIDについて、
合致する旨の照合結果が得られるようにするか、あるい
は、ID照合自体を実質的に行わず、無条件で合致した
旨の照合結果を返す処理とすることになる。そして1つ
でも運用時IDの登録が行われると、登録した運用時I
D以外のすべてのIDについて、合致しない旨の照合結
果を返すようになる。
【0154】一方、いったん運用時IDを1つでも登録
したあとで、登録したすべての運用時IDの登録を抹消
する場合の処理としては、以下の2つが考えられる。
【0155】第1の処理では、一度でも何らかの運用時
IDを登録した場合に、登録が行われた事実の記憶を保
存しておき、現に登録されているIDのみを有効とす
る。このケースでは、全IDの登録が抹消された時点
で、すべてのIDが使用不能となる。ただし、特定の操
作、例えば、ID登録操作は有効としてもよい。
【0156】上記第2の実施形態でも、登録の際、検査
時IDに運用時IDを上書きするため、いったん登録し
たすべての運用時IDの登録を抹消した時点で必然的に
すべてのIDが使用不能となるが、当該第1の処理で
は、すべての運用時IDの登録が抹消されたときでも、
登録が行われた事実の記憶は保存されているので、その
記憶を利用して特定の操作を行うことができる。例え
ば、登録が行われた事実が記憶されているとき、検査時
IDの新たな登録を拒否する制御なども実行可能であ
る。
【0157】また、第2の処理では、登録したすべての
運用時IDの登録を抹消した時点で検査時IDを再び有
効化する。この有効化により、検査時IDを用いてシャ
ッター動作を行うことができるようになる。ただし当該
第2の処理を行うには、例えば、上記第1の実施形態の
ように、無効化後でも何らかの形で検査時IDの記憶が
保存されていることを要する。
【0158】さらに、上記第1の実施形態では、デバイ
スとしてのIDメモリ自体が、検査時IDのためのID
メモリと運用時IDのためのIDメモリで異なる場合が
有り得る旨を説明したが、デバイスだけでなく、その他
の記憶の態様も、運用時IDと検査時IDが異なってい
てもよい。例えば、検査時IDの登録には、暗証入力等
の特別な操作を伴うようにしてもよい。あるいは、上記
第1、第2の実施形態のように、書き換え可能なデータ
領域に検査時IDを記憶するのではなく、プログラムコ
ード自体に検査時IDを記述して、書き換え不能なもの
としてもよい。
【0159】なお、検査時IDの数は、無限個(ID照
合しない)でもよい。
【0160】また、上記第1、第2の実施形態では、運
用時IDの登録操作がそのまま、検査時IDの無効化操
作でもあったが、検査時IDの無効化操作を独立に設け
るようにしてもよいことは当然である。例えば、特定の
操作やシャッター動作(または、操作系列やシャッター
動作系列)を当該無効化操作としてもよい。一例とし
て、開閉動作をn回以上おこなった場合や、上下限設定
操作を無効化操作としてもよく、所定時間の経過(プロ
セッサ(53)の初期化時点から計測した時間が所定時
間に達した場合など)等、特段の操作に直接依存しない
所定の事象の発生をとらえて、当該無効化操作とみなし
てもよい。
【0161】なお、上記第1の実施形態では、検査時I
DコードC1の記憶を消去しないことによってその記憶
を維持したが、すべてのIDについて合致する旨の照合
結果が得られるようにしたり、ID照合自体を実質的に
行わず、無条件で合致した旨の照合結果を返すようにす
る前述の処理などは、実質的に、記憶を維持しているこ
とに等しい。
【0162】また、上記第1、第2の実施形態では、無
線信号は300MHzや400MHz程度の電波であっ
たが、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではな
い。これよりも高い周波数や低い周波数の電波を使用し
てもよく、赤外線などを使用してもよい。
【0163】なお、第1および第2の実施形態において
は、ガレージ用シャッターについて本発明を適用した
が、本発明はガレージ用シャッター以外にも、窓用シャ
ッターなど各種のシャッターに適用することも可能であ
る。
【0164】さらに本発明は、シャッター用としてだけ
でなく、ドア、窓、オーバーヘッドドア、ロールスクリ
ーン(例えば遮光幕)、ブラインド、オーニング装置な
どの他の開閉装置の混合システムにも適用することが可
能である。
【0165】また、以上の説明において、情報の流れる
方向は、基本的にはリモコン送信機からリモコン受信機
へ向かう単方向であったが、本発明の適用範囲はこのよ
うな単方向通信に限定されるものではない。
【0166】すなわち当該リモコン送信機を送信専用の
通信機器ではなく遠隔操作用の送受信機である操作送受
信機に置換するとともに、当該リモコン受信機を受信専
用の通信機器ではなく遠隔被操作用の送受信機である被
操作送受信機に置換し、必要に応じて全二重通信や半二
重通信が行えるようにしてもよい。
【0167】このとき操作送受信機から被操作送受信機
に向かう無線信号に含まれている信号は、前記シャッタ
ー動作などを指示する動作状態指示信号であってよく、
反対に被操作送受信機から操作送受信機に向かう無線信
号に含まれている信号は、シャッター動作の現状を報告
するための動作状態報告信号であってよい。
【0168】当該動作状態報告信号は、その時点のシャ
ッター動作状態が、例えば、「全開放状態」、「全閉鎖
状態」、「一部開放状態(部分的に開放して停止してい
る状態)」、「開動作中」、「閉動作中」、「異常発
生」などであることを示す信号であってよい。
【0169】この場合、当該動作状態報告信号を受け取
ることによって、操作送受信機のユーザは、シャッター
動作状態が例えば当該「閉動作中」であることを認識す
ることができる。
【0170】また、当該操作送受信機を携帯受信機に置
換し、被操作送受信機を固定送信機に置換することもで
きる。この場合、情報の流れる方向は、固定送信機から
携帯受信機に向かう単方向となる。常時このような単方
向通信だけが行われるシステム構成であってもよく、通
信方向モード切換に応じて必要な場合にのみ、このよう
な単方向通信を行い得るシステム構成であってもよい。
【0171】すなわち、前記操作送受信機と被操作送受
信機において、通信方向モード切換に応じて必要な場合
にのみ、このような単方向通信を行い得るようにしても
よい。
【0172】また、以上の説明では、主として、開閉体
側通信装置が遠隔被操作器であり、非開閉体側通信装置
が遠隔操作器である場合について説明したが、本発明
は、このケースに限って適用できるものではない。
【0173】非開閉体側通信装置が受信だけを行う(た
だし割り当てられているIDは送信する)実質的な受信
専用機器である場合も考えられる。
【0174】この受信専用機器は、例えば、メンテナン
スなどを目的としたもので、開閉体側通信装置が開閉体
に関して保有している動作管理情報(開閉体の開閉位
置、開閉回数、開閉に関する障害情報、開閉時の障害物
当接感知の有無など)などを受信し、受信結果を表示す
るものであってよい。
【0175】また、この動作管理情報を開閉体側通信装
置が送信する送信タイミングについては、例えば、曜日
や時間などを固定的に予め決めておいたり、有線で送信
指示が与えられた任意のタイミングを、当該送信タイミ
ングとすること等も可能である。
【0176】さらに、当該送信タイミングで送信される
前記動作管理情報の具体的な内容についても、予め固定
的に決めておくようにしてもよく、指示された内容だけ
を送信するようにしてもよい。
【0177】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、検査作業等の効率性が高く、信頼性やセキュリティ
性の向上にも配慮した開閉装置の通信システムおよび開
閉体側通信装置を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係るリモコン受信機の主要部
の構成を示すブロック図である。
【図2】第1および第2の実施形態に係る遠隔操作シス
テムの全体構成を示す概略図である。
【図3】第1および第2の実施形態に係るリモコン送信
機の外観を示す概略図である。
【図4】第2の実施形態に係るリモコン受信機の主要部
の構成を示すブロック図である。
【図5】第1および第2の実施形態に係る運用時(およ
び検査用)リモコン送信機の主要部の構成を示す概略図
である。
【図6】第1および第2の実施形態に係る送信フレーム
のフォーマット構成を示す概略図である。
【図7】第1の実施形態におけるリモコン受信機の動作
を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…遠隔操作システム、20…検査時リモコン送信
機、23,53…プロセッサ、25,55…モード切替
部、24…自IDメモリ、26…手順記憶部、27…操
作検出部、28…操作応答部、40A、40B…運用時
リモコン送信機、50、70…リモコン受信機、56…
UID登録判定部、57…IDメモリ、FR1、FR2
…フレーム、MF…自IDコードフィールド、F1…フ
ラグフィールド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2E042 AA01 AA06 CA01 CA15 CB01 CB02 CB05 CB06 5K048 AA15 BA52 BA53 CA08 DC01 EA11 EB02 FC01 GC05 HA01 HA02 HA13

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め初期認証識別子の予備的な登録を受
    けており、当該初期認証識別子を用いて指示すれば、当
    該指示に応じた処理を実行する開閉体側通信装置におい
    て、 所定の無効化指示を受けることにより、前記初期認証識
    別子を無効化する無効化実行手段を備え、 当該無効化後には、前記初期認証識別子を用いて指示し
    ても当該指示に応じた処理を実行しないことを特徴とす
    る開閉体側通信装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の開閉体側通信装置において、 通常認証識別子の登録指示があると当該通常認証識別子
    を記憶する認証識別子記憶手段を備え、 前記無効化実行手段は、 当該通常認証識別子の登録指示を、前記無効化指示と認
    識する無効化受付部を有することを特徴とする開閉体側
    通信装置。
  3. 【請求項3】 請求項1の開閉体側通信装置において、 前記無効化実行手段は、 前記初期認証識別子を無効化した後も、当該初期認証識
    別子の内容の記憶を維持することを特徴とする開閉体側
    通信装置。
  4. 【請求項4】 請求項3の開閉体側通信装置において、 前記無効化実行手段は、 少なくとも1つの通常認証識別子が認証識別子記憶手段
    に記憶されているか否かを判定する記憶状態判定部を備
    え、 前記初期認証識別子を用いた指示を受けた場合、当該記
    憶状態判定部の判定結果に応じて、当該指示に応じた処
    理を実行するか否かを決定することを特徴とする開閉体
    側通信装置。
  5. 【請求項5】 請求項2の開閉体側通信装置において、 前記初期認証識別子と同じ内容の識別子を、前記通常認
    証識別子として前記認証識別子記憶手段に記憶した場合
    には、すでに記憶済みの通常認証識別子を全て無効化す
    ると共に、前記初期認証識別子を無効化前の状態に復活
    させる識別子操作手段を備えたことを特徴とする開閉体
    側通信装置。
  6. 【請求項6】 請求項1の開閉体側通信装置を備えた開
    閉装置の通信システムにおいて、 予備的に当該開閉体側通信装置に登録された初期認証識
    別子を共用する1または複数の非開閉体側通信装置と、 所定の無効化指示を発行することにより、当該初期認証
    識別子の無効化を実行させる無効化指示手段を有する非
    開閉体側通信装置とを備えたことを特徴とする開閉装置
    の通信システム。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10257538A (ja) * 1997-03-12 1998-09-25 Sony Corp 無線呼出し装置
JP2001115696A (ja) * 1999-10-13 2001-04-24 Alps Electric Co Ltd 通信装置
JP2002168017A (ja) * 2000-11-30 2002-06-11 Bunka Shutter Co Ltd 開閉装置の通信システム、非開閉体側通信装置、及び開閉体側通信装置

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