JP4570237B2 - 開閉装置の通信システム及び開閉体側通信装置 - Google Patents

開閉装置の通信システム及び開閉体側通信装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は開閉装置の通信システムに関し、例えば、シャッター、ドア、窓、オーバーヘッドドア、門扉、ゲート(駐車場などのゲート)、ロールスクリーン(例えば遮光幕)、ブラインド、オーニング装置などの遠隔操作システム(リモコンシステム)などに適用し得るものである。
【0002】
また、本発明は、かかる通信システムの構成要素としての非開閉体側通信装置に関するものである。
【0003】
さらに、本発明は、かかる通信システムの構成要素としての開閉体側通信装置に関するものである。
【0004】
【従来の技術】
これまで、開閉体の開閉をリモコン送信機を用いて無線通信により指示できるようにした開閉装置が多く提案されている。例えば、ガレージ用シャッターにおいては、ユーザが車両から降りることなくシャッターの開閉を実行できることが便利であり、無線リモコンシステムが適用されることも多い。
【0005】
このようなシャッター用の無線リモコンシステムのリモコン受信機では、シャッター近傍の壁面や、シャッターの収納ボックス前面又は下面に取り付けられた受信アンテナを用い、無線伝送路を介してリモコン送信機からの電波を捕捉する。
【0006】
当該リモコン受信機においては、受信アンテナが捕捉して変換した電気信号(例えば、ASK変調信号やFSK変調信号など)が受信部によって復調され、リモコン送信機が送信しようとした原送信信号(復調信号)が受信制御部に与えられる。そして、受信制御部によって原送信信号が解読され、その信号に挿入されている識別情報(以下、IDと略す)に基づいて、原送信信号の送信元であるリモコン送信機が当該リモコン受信機に対して動作指示を発することができるものであることを確認(IDの照合)し、その後、原送信信号に挿入されている情報内容に基づいて、シャッター動作(シャッターの開動作、閉動作または停止動作など)を指示する開閉制御信号を形成し、シャッター制御部54(図2参照)に供給する。
【0007】
この開閉制御信号は、リモコン送信機の操作者(ユーザ)が各操作スイッチに対して行った操作に応じて形成される。
【0008】
一般的に、ガレージ用シャッターのリモコン送信機の場合、携帯性を高める観点から小型化が求められる一方で、通常は、前記開動作、閉動作または停止動作など、たかだか数種類のシャッター動作を行えば十分なので、リモコン送信機上に設けられる操作スイッチの数も数個程度(多くのリモコン送信機では、3〜4個)であるのが普通である。
【0009】
また、小型化の要求との関連もあって、リモコン送信機には機能の節約に関する要求水準も高い。
【0010】
すなわち、前記IDをリモコン受信機に登録することに関しては、各リモコン送信機は工場出荷時点までに自身に割当てられたIDを登録する機能のみを備えているので、登録時には、当該IDに対応した10桁程度のコードを1桁ずつボタン操作などによって入力する必要はなく(このような入力を解釈し、その入力内容に応じた原送信信号を形成するためには、機能の増加を要する)、簡単にIDを登録することができる。
【0011】
また、機能の節約を求められる程度では、リモコン受信機のほうもリモコン送信機とほとんど同じなので、リモコン受信機も、多機能化、高機能化、および大型化は極力さけることができるように構成される必要がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述したようなリモコン送信機とリモコン受信機によって構成されたリモコンシステムの場合、ID登録を行うには、各IDを割当てられたリモコン送信機自体をリモコン受信機と無線通信することができる通信可能距離(例えば20メートル程度)以内の位置にもってくることを要し、ID登録等のID管理を一元的に実行することが困難である。
【0013】
一方、上述したリモコンシステムでは各リモコン送信機は自身に割当てられたIDを登録する機能のみしか備えていないため、あるリモコン受信機に登録されている複数のIDのうち一部のIDだけ抹消し、他のIDは登録したままとしたい場合、いったん全てのIDを抹消した上で登録したいIDを再登録する必要があり、ID管理のための操作が複雑で、ユーザの負担が少なくない場合も考えられる。
【0014】
例えば、あるリモコン受信機に10個のIDが登録され、10個のリモコン送信機で当該リモコン受信機を共用しているとき、そのうちの1つのIDだけの抹消をユーザが希望したとしても、上述した機能の節約の観点からそのような機能を備えたリモコン送信機もリモコン受信機も、当該リモコンシステム内に存在せず、結局は、いったん10個のIDすべてを抹消した上で登録したままとしたい9個のIDを再登録する必要があった。
【0015】
また、IDの照合を行うとしても、同種のリモコン送信機であればどのリモコン送信機であっても当該リモコン受信機にID登録することは可能なのであるから、不正にID登録した上でガレージ用シャッターを不正操作すること等に対するセキュリティ上の対策を設けたほうがより好ましい場合も考えられる。
【0016】
以上のような課題は、ガレージ用シャッターなどのシャッター用だけでなく、ドア、窓、オーバーヘッドドアなどの他の開閉装置のリモコンシステムにも共通している。
【0017】
本発明は、操作性(ID管理の操作性)が良好で信頼性の高い開閉装置の通信システムを提供することを目的とする。
【0018】
また、本発明は、このような通信システムの構成要素としての非開閉体側通信装置および開閉体側通信装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、第1の本発明にかかる非開閉体側通信装置では、開閉体側に配置された開閉体側通信装置に対し既に認証識別子を登録していることを条件として、前記開閉体側通信装置との間で、少なくとも前記開閉体の動作の制御に用いる伝送信号を通信し得る非開閉体側通信装置において、前記開閉体側通信装置に対して非開閉体側通信装置となる1または複数の非開閉体側通信装置の認証識別子について、前記伝送信号のうち所定の仕様を持つ認証登録用信号を用いて、前記開閉体側通信装置登録させる認証識別子の内容を制御する認証登録制御、ユーザの当該非開閉体側通信装置に対する操作に応じて行う認証登録制御手段と、ユーザの当該非開閉体側通信装置に対する操作に応じて、前記開閉体側通信装置に対して、前記開閉体の動作を指示する開閉体操作手段とを備え、当該非開閉体側通信装置は、前記認証登録制御手段を機能させる認証登録受付モード、及び、前記開閉体操作手段を機能させる開閉体操作モードを備え、ユーザの当該非開閉体側通信装置に対する操作に応じて、当該非開閉体側通信装置の動作モード切替を実行するモード切替え操作手段をさらに備え、前記認証登録制御手段では、前記モード切替え操作手段により認証登録受付モードとなると、前記開閉体側通信装置に対して登録又は抹消する他の任意の非開閉体側通信装置に係る、所定の桁数の数値により示される認証識別子を、当該非開閉体側通信装置に備えられた複数のスイッチに対する操作によりユーザに入力させ、第1のスイッチが連続して押下された回数により認証識別子の各桁の数値の入力を受け付けた後、第2のスイッチの押下により、当該桁に対する数値入力の終了を受け付け、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチによる認証識別子の各桁の入力は、上位桁から下位桁へ1桁ずつ順番に行うように処理し、認証識別子の全ての桁の入力を受付けた後、前記モード切替え操作手段により動作モードが切替ると、入力を受け付けた認証識別子の登録又は抹消を指示する伝送信号を前記開閉体側通信装置に送信することを特徴とする。
【0021】
さらに、第2の本発明にかかる開閉装置の通信システムは、(1)第1の本発明の非開閉体側通信装置と、(2)非開閉体側に配置される非開閉体側通信装置の認証識別子を、当該非開閉体側通信装置に既に登録していることを条件として、前記開閉体側通信装置との間で伝送信号を通信し得る開閉体側通信装置と、(3)前記開閉体側通信装置に対し既に認証識別子を登録していることを条件として、前記開閉体側通信装置との間で、前記開閉体の動作の制御に用いる伝送信号を通信し得る1または複数の非開閉体側通信装置とを備えることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
(A)実施形態
以下、本発明にかかる開閉装置の通信システム及び開閉体側通信装置をそれぞれ、ガレージ用シャッターのための遠隔操作システム(リモコンシステム)、リモコン送信機(マスタ送信機)、およびリモコン受信機に適用した場合を例に、実施形態について説明する。
【0023】
本実施形態では、当該遠隔操作システムは、有線リモコンシステムと前記無線リモコンシステムを混合した混合システムであるものとする。
【0024】
ここで、有線リモコンシステムとは、シャッターシステムを構成要素として含むリモコンシステムであって、有線通信によってシャッター動作を行うものである。
【0025】
一般に、遠くから離れた不特定の位置からシャッター動作を行うことができ、使い勝手が良いという点では前記無線リモコンシステムが有利であり、通信の信頼性の点や、常に特定の位置でシャッター動作を指定したい場合などには、当該有線リモコンシステムが向いている。
【0026】
また、同じシャッターシステムを有線でも無線でも制御できると、融通性に富み、ユーザの都合によりどちらの方法を取ることも可能となる。したがって実際のリモコンシステムは、これら無線リモコンシステムと有線リモコンシステムの特徴を混合した混合システムとすることも少なくない。
【0027】
(A−1)第1の実施形態の構成
ガレージ用シャッターの遠隔操作システム10の全体構成を図2に示す。
【0028】
図2において、当該遠隔操作システム10は、リモコン送信機20、40A、40B、40C、…、40Xから構成される送信機グループGP1と、リモコン受信機50と、シャッター制御部54と、シャッターシステムSSとを備えている。
【0029】
このうちシャッターシステムSSは、シャッターS1と、当該シャッターS1を駆動させるために必要なモータなどの駆動機構(図示せず)と、当該シャッターシステムSSにおける固定操作部(固定操作盤)AMとを備えている。
【0030】
また、前記リモコン受信機50は、通常、シャッターシステムSSの内部に固定的に配置される通信機器で、ID登録しているリモコン送信機40A〜40Xから送信された無線信号LS1〜LSN(Nは2以上の自然数)だけを正常に受信し処理し得る。
【0031】
当該リモコン受信機50の構成例を図4に示す。
【0032】
(A−1−1)リモコン受信機の内部構成
図4において、リモコン受信機50は、無線受信部51と、受信処理部52と、プロセッサ53と、シャッター制御部54と、モード切替部55と、初期IDメモリ56と、IDメモリ57とを備えている。
【0033】
当該無線受信部51は、受信用のアンテナシステムやフィルタ回路などを備え、リモコン送信機20や40Aなどから送信される無線信号(LS1、LS2など)を、空間13を介して受信する部分である。当該無線信号は、例えば、300MHzや400MHz程度の電波であってよい。
【0034】
前記無線受信部51からは受信した無線信号に対応した受信信号WSが出力される。受信信号WSは所定の信号線を介して受信処理部52に供給される。
【0035】
受信処理部52は、受け取った受信信号WSに対して復調処理、復号処理などの必要な処理を施して受信処理信号RPを生成し、出力する部分である。
【0036】
受信処理信号RPは、通常操作モードではシャッターの開動作、閉動作または停止動作などのシャッター動作を指定するシャッター動作指定信号であるが、ID管理操作モード(すなわちID追加登録操作モードやID登録抹消操作モード)では、ID登録やID抹消などのID管理操作を指定するID操作指定信号であり、前記ID追加登録操作モード、ID登録抹消操作モード、通常操作モードのあいだでモード切替えを制御するモード指定信号であることもある。
【0037】
本実施形態では同じ受信処理信号RPが、ときにはシャッター動作指定信号であると同時にモード指定信号でもあり、ときにはID操作指定信号であると同時にモード指定信号でもあるものとする。
【0038】
ここで、リモコン受信機50の動作モードには、当該通常操作モードと、ID追加登録操作モードと、ID登録抹消操作モードのほかに、後述する初期ID登録モードがある。
【0039】
受信処理部52から受信処理信号RPを受け取るプロセッサ53は、当該リモコン受信機50のCPU(中央処理装置)である。
【0040】
プロセッサ53は、モード指定信号としての受信処理信号RPに応じて、モード切替部55の状態を書き換えることによって動作モードを切替え、モード切替部55の状態を読み出すことによっていつでも動作モードを認識することができる。したがってモード切替部55は、前記通常操作モード、ID追加登録操作モード、ID登録抹消操作モード、および初期ID登録モードに対応して、4つの状態を取り得るメモリである。プロセッサ53によるモード切替部55の書き換えおよび読み出しは、モード信号MD1を用いて行う。
【0041】
また、マスタ送信機20に対する電源投入(例えば電源スイッチ(図示せず)を押し下げることによって電源非投入状態から電源投入状態に移行する)を行い、マスタ送信機20内の必要な電子回路に電源電力を供給しはじめると、プロセッサ53は必ずモード切替部55に対して通常操作モードを示すモード信号MD1を供給して、通常操作モードになるものとする。
【0042】
マスタ送信機20は、一般的には通常操作モードで使用することがもっとも多いものと考えられるので、電源投入後の最初の動作モードは通常操作モードとするのが操作性の点で効率的である可能性が高いからである。もちろん、必要ならば、電源投入後の最初の動作モードを通常操作モード以外の動作モードにしてもかまわない。
【0043】
なお、このマスタ送信機20を、シャッターの開閉動作などを行わせることのできない、ID管理操作専用のリモコン送信機とすることも考えられるが、その場合のマスタ送信機には通常操作モードは存在しないから、電源投入後の最初の動作モードをID追加登録操作モードまたはID登録抹消操作モードなどにすることになる。
【0044】
本実施形態において、後述するフラグF1、F2の値は、当該モード切替部55の内部状態に対応している必要があるので、フラグF1、F2は当該モード切替部25そのものであるととらえることができる。
【0045】
ここでは説明の都合上、モード切替部55をプロセッサ53の外に展開して図示したが、通常は、当該モード切替部55のような機能は、プロセッサ53の内部に主としてソフトウエア的に実現するほうが普通であると考えられる。
【0046】
また、前記初期ID登録モードとは、製品としてのリモコン受信機50に対し、例えば工場出荷前などに初期ID(すなわち送信機グループGP1中で唯一のマスタ送信機であるリモコン送信機20に割当てられているIDとしてのIDM)の登録を行う特殊な動作モードである。したがって1つのリモコン受信機が初期ID登録モードとなるのは、通常、1回だけであり、いったん出荷されたあとは初期ID登録モードに移行することはない。
【0047】
ただし、例えば、故障などによって初期IDのデータが壊れた場合などには、工場出荷後にも初期IDの再登録を行うことができたほうが好都合なので、必要ならば、工場出荷後にも初期ID登録モードに移行し得る構成とするようにしてもよい。
【0048】
しかしながら初期ID登録モードに移行し得るということは、マスタ送信機20を他のマスタ送信機(悪意のユーザが使用するマスタ送信機であることも考えられる)と変更し得ることを意味するので、セキュリティ性の観点からも、簡単には移行することができないように配慮する必要がある。
【0049】
このような初期ID登録モードにも対応し得る前記プロセッサ53はまた、シャッター動作指定信号としての受信処理信号RPを受け取ったときには、開閉制御信号CSをシャッター制御部54に供給する。
【0050】
シャッター制御部54は、受け取った開閉制御信号CSに対応したシャッター制御信号CCを前記モータに供給して、ユーザの望むシャッター動作を実現する部分である。
【0051】
プロセッサ53に接続されている初期IDメモリ56は、初期ID登録モードにおいて書き込まれる初期IDを保存しておくメモリである。初期IDメモリ56の記憶内容は半永久的に保存する必要があるため、本実施形態では、EEPROM(フラッシュメモリ:Electrical Erasable Programmable ROM)やUV−EPROM(紫外線照射タイプのEPROM(Erasable Programmable ROM)などのROM(リードオンリーメモリ)を利用して当該初期IDメモリ56を構成するものとする。
【0052】
ただし、必要に応じて、磁気的記憶手段や、十分な電源バックアップ機構を備えたRAM(ランダムアクセスメモリ)、またはトグルスイッチなどの機械的なスイッチで、当該ROMを置換することが可能である。しかし機械的なスイッチを用いる場合には、不用意に操作されることがないように、その配置位置や配置態様に配慮する必要がある。
【0053】
初期IDメモリ56に対する書き込みや読み出しは、初期ID信号INを用いて行われる。
【0054】
IDメモリ57のほうも、記憶するIDが初期ID以外のID、すなわちリモコン送信機40B〜40Xに割当てられているIDである点が相違するだけで、基本的には初期IDメモリ56と同様なメモリであってもよい。
【0055】
ただし、IDメモリ57の記憶内容であるIDは半永久的に保存する必要もある反面、一部抹消(登録している複数のIDのうちの一部のIDの削除)の対象となることもあり得、また、新たなIDの登録(新たなIDの書き込み)が行われることもある。
【0056】
したがって当該IDメモリ57の実現手段としては、前記EEPROMだけでなく、十分な電源バックアップ機構を備えたRAMなども適性が低くない。一般に、メモリ自体の価格は、EEPROMのほうがRAMよりも高価であるが、バックアップ用の電力消費などの点を考慮すると、運用コストはRAMのほうが高くなる可能性が高い。実際の実装にあたっては、これらの点を考慮してマスタ送信機20の使用形態に対する適合度の高いほうを選定すればよい。
【0057】
なお、EEPROMの場合、書き込みには、通常のRAMに比べて長い時間(例えば10ms程度)を要するが、この時間はシャッターの遠隔操作システムにおいて問題となるほどの時間ではないと考えられる。
【0058】
また、EEPROMでは、アドレス指定後に指定したメモリアドレスだけについてデータを書き込むことができるので、当該メモリアドレスに格納されているIDだけを抹消(指定するメモリアドレスに無効なデータ(所定ビットパターンのデータ)を書き込めばよい)にも対応することが可能である。
【0059】
記憶容量の観点でメモリアドレス空間は、初期IDメモリ56のほうは登録するIDの数が1つ(前記IDM)だけなので1アドレスあればよく、IDメモリ57のほうは送信機グループGP1内に属し得るリモコン送信機の数(最大値)に応じて相違するがその数は通常、十数個程度なので、アドレス数も十数アドレス程度あれば足りる。
【0060】
また、1メモリアドレス当たりのデータ長は、IDを8桁(10進数)としBCD(Binary Coded Decimal)コードに変換して格納したとしても1桁あたり4ビットで十分なので、32ビットで足りる。このデータ長は、当該IDを2進数に変換して格納する場合には、さらに短縮される。
【0061】
IDメモリ57に対する読み書きは、一般ID信号IMを用いて行われる。
【0062】
なお、各リモコン送信機に割り当てられるIDは、送信機グループGP1のなかで各リモコン送信機を識別するために使用されるだけでなく、送信機グループGP1に属していない同種のリモコン送信機や通信装置(送信する無線信号の周波数が送信機グループGP1内のリモコン送信機と同じで、リモコン受信機50と通信する可能性のあるすべての通信機器)と、送信機グループGP1内の各リモコン送信機とを識別して、リモコン受信機50が真に送信機グループGP1に属しているリモコン送信機だけと通信するために使用されるため、その桁数はかなり多くなることが避けられない。
【0063】
また、将来的に製品としてのリモコン送信機の販売が進み、さまざまなユーザによって同時に使用され得るリモコン送信機の数が増加した場合などにも対応するため、現時点までの販売数量に限定せず、将来的なリモコン送信機数の増加も見越して、IDの桁数は十分に多めに設定しておく必要がある。
【0064】
さらに、開発時期が異なる新旧の製品(新旧のリモコン送信機)を矛盾なく使用できるようにするためには、同一のID番号体系のなかから、新旧の各リモコン送信機に割り当てるIDを決定する必要もあるので、この意味でも、IDの桁数は十分に多くなければならない。
【0065】
次に、当該リモコン受信機50と無線信号(LS1など)を用いて通信し得るリモコン送信機20、40A〜40Xによって構成される送信機グループGP1の構成について説明する。
【0066】
送信機グループGP1は、同一のリモコン受信機50に対して有効な通信を行うことのできるリモコン送信機のグループで、1つのマスタ送信機20と、1または複数のスレーブ送信機40A〜40Xによって構成されている。
【0067】
マスタ送信機20は、スレーブ送信機40A〜40Xに予め割り当てられているIDを前記リモコン受信機50のIDメモリ57に登録したり、抹消したりするID管理機能を装備しているほか、通常のスレーブ送信機と同様なシャッター動作指定信号を送信する機能も装備している。
【0068】
スレーブ送信機40A〜40Xがリモコン受信機50に対してシャッター動作指定信号を有効に伝達するためには、そのIDがマスタ送信機20によって、前記IDメモリ57に登録されていることが必要となる。
【0069】
スレーブ送信機40A〜40Xから送信された無線信号LS2〜LSXを受信した場合、リモコン受信機50は、前記一般ID信号IMを用いて当該無線信号に含まれるIDが、IDメモリ57に登録されているか否かを確認し、登録されている場合のみ、その無線信号が指定するシャッター動作に対応した開閉制御信号CSを出力し、登録されていない場合には当該CSを出力しない。したがって、IDメモリ57にIDが登録されているリモコン送信機しか、シャッター動作を行うことができない。
【0070】
以上のような機能を持つマスタ送信機20の外観構成例は図3に示し、内部構成例は図1に示す。
【0071】
図3において、マスタ送信機20の本体20Aはユーザの手のひらに収まる程度のコンパクトな構成となっている。この本体20Aの上面からはPBS(プッシュ・ボタン・スイッチ)形式の3つの操作スイッチ31〜33が突出している。これら操作スイッチ31〜33は、シャッター動作を行わせ得るシャッター操作スイッチである。
【0072】
本実施形態では、当該シャッター操作スイッチ31〜33のうち、シャッター操作スイッチ31は、シャッターの開動作を行わせるための開動作スイッチで、シャッター操作スイッチ32はシャッターの閉動作を行わせるための閉動作スイッチで、シャッター操作スイッチ33はシャッターの開動作または閉動作を停止させるための停止スイッチである。
【0073】
もちろん、必要ならば、これらの操作スイッチ31〜33の操作を組み合わせてもっと複雑な操作、例えば半開動作(シャッターの完全閉鎖状態と完全開放状態の中間状態へ移行する動作)や換気動作(シャッターの内外の空気が流通し得ない状態から流通し得る状態へ移行する動作)などを行わせることも可能である。
【0074】
また、前記本体20Aの上面には、小さな円形の凹部20B内に操作スイッチ(登録スイッチ)34が設けられている。当該操作スイッチ34もPBS形式の押しボタンスイッチの一種であるが、ID管理操作を行うためのモード切替えに使用するため、不用意に押し下げられることがないように、凹部20Bの底に配置されている。したがってこの操作スイッチ34を押し下げる際には、ペン先などの細い先端を凹部20B内に挿入して押し下げることになる。
【0075】
本実施形態では、当該操作スイッチ34を短い時間間隔で3回押すと、新たなIDを追加的に登録する追加登録操作モードに移行し、連続して3秒間おしつづけるとすでに登録されているIDのなかから指定したIDの登録を抹消する登録抹消操作モードに移行するものとする。
【0076】
なお、操作スイッチ34の形態としては、このように凹部20Bの内部に設けるものにかぎらない。
【0077】
要するにID管理操作は通常それほど頻繁に行う操作ではないし、誤ってIDを登録してしまったり抹消してしまったりする可能性があるようでは遠隔操作システム10の信頼性が損なわれるので、このような誤操作を防止することができることが必要とされる一方で、IDの登録や抹消を行う際にはそれほど煩雑な操作手順を用いなくてもその目的を達成できることが必要とされるから、操作スイッチ34の機能およびその周辺の構造についてはこれらの条件に反しない範囲でさまざまな変形が可能である。
【0078】
一例としては、独立な操作スイッチ34を省略して、上述した3つの操作スイッチ31〜33の全部または一部を使用して前記追加登録操作モードや登録抹消操作モードに移行するようにしてもよい。
【0079】
具体的には、例えば、3つの操作スイッチ31〜33を同時に短い時間間隔で3回押すと前記追加登録操作モードに移行し、操作スイッチ31〜33を同時に連続して3秒間おしつづけると前記登録抹消操作モードに移行する構成とすること等も可能である。これによれば、操作スイッチの数を1つ削減することができるので、マスタ送信機20の携帯性向上などの観点で有利である。
【0080】
なお、操作スイッチ31〜34は必ずしもPBS形式のスイッチでなくてもよいし、PBS形式の操作スイッチとその他の形式の操作スイッチが混在するようにしてもよい。
【0081】
前記マスタ送信機20とマスタ−スレーブ関係にあるスレーブ送信機40A〜40Xの外観やサイズは、本実施形態において、図3に示すマスタ送信機20と同じであるものとする。
【0082】
操作スイッチ34や凹部20Bはスレーブ送信機には必要ないため省略することが可能であり、実質的な機能面でも、スレーブ送信機はマスタ送信機よりも少機能であるのだから、より小さなサイズに構成するほうが普通であると考えられるが、セキュリティの観点からは、外観上、マスタ送信機とスレーブ送信機の区別がつかないほうが好ましく、製造コストの観点からも外観やサイズの異なるリモコン送信機を多種類製造することはコストアップの要因になるものと考えられるので、本実施形態では両者のサイズや外観を同じにするものとする。
【0083】
もちろん、必要ならば、両者のサイズや外観を相違させてもよいことは当然である。
【0084】
本実施形態のID登録やID抹消において該当するIDを指定するID指定方法では、4つの操作スイッチ31〜34のうち操作スイッチ(開動作スイッチ)31と操作スイッチ(停止スイッチ)33を用いて行うものとする。
【0085】
このID指定方法において、開動作スイッチ31の押し下げ回数は各桁の数値(10進数)を指定し、停止スイッチ33を押し下げることで当該桁に対する数値入力が終了したことを示し、入力はIDの上位桁から下位桁方向へ1桁ずつ順番に行うものとする。
【0086】
したがって例えばID=「12345678」を指定するには、前記ID管理操作モードに移行したあと、開動作スイッチ31を1回押し下げ、停止スイッチ33を1回押し下げて最上位の「1」の入力を終了し、開動作スイッチ31を2回押し下げ、停止スイッチ33を1回押し下げて最上位から2桁目の「2」の入力を終了し、開動作スイッチ31を3回押し下げ、停止スイッチ33を1回押し下げて最上位から3桁目の「3」の入力を終了し、…、開動作スイッチ31を8回押し下げ、停止スイッチ33を1回押し下げて最下位の「8」の入力を終了すればよい。
【0087】
なお、必要に応じて、開動作スイッチ31と停止スイッチ33以外の操作スイッチを用いてID指定方法を行うようにしてもよい。その場合、利用する操作スイッチは、操作スイッチ31〜33の全部であってもよく、一部であってもよい。
【0088】
当該開動作スイッチ31と停止スイッチ33を含めこれらの各操作スイッチ31〜34と内部構成との関係は、図1から明らかとなる。
【0089】
(A−1−2)マスタ送信機の内部構成
図1において、マスタ送信機20は、無線送信部21と、送信処理部22と、プロセッサ23と、自IDメモリ24と、モード切替部25と、手順記憶部26と、操作検出部27と、操作応答部28とを備え、前記操作スイッチ31〜34は、操作検出部27に設けられている。
【0090】
このうち無線送信部21は、空間13を介して前記無線受信部51に対向する部分で、送信処理部22から所定の信号線を介して受け取った送信信号WSに対応した無線信号LS1を無線送信する。そのために、当該無線送信部21は、送信用のアンテナシステムやフィルタ回路などを備えている。なお、送信信号WSは前記受信信号WSに対応する信号である。
【0091】
また、前記送信処理部22は符号化処理や変調処理などの必要な処理を実行する機能を備え、プロセッサ22から供給される送信処理信号RPに応じて、生成する送信信号WSの内容を変化させる。当該送信処理信号RPは、前記受信処理信号RPに対応する信号である。
【0092】
リモコン送信機の場合、マスタ送信機であっても送信信号WSの内容は、例えば、前述した開閉制御信号CSが指定するシャッター動作や、ID管理操作などの種類に応じて決定される有限個(ID管理操作の場合、かなり膨大な数になる可能性があるが、シャッター動作の場合には数個程度で足りる)であるので、送信する情報(前記一般ID信号IMに対応)の発生源(例えばROM(リードオンリーメモリ)などであってよい)も送信処理部22の内部に存在し、前記送信処理信号RPに応じて当該発生源のなかから1つの送信情報を選択して読み出す構成であってもよい。
【0093】
プロセッサ23は、当該マスタ送信機20のCPUである。
【0094】
このプロセッサ23に接続されている自IDメモリ24には、当該マスタ送信機20に割り当てられているIDが格納される。当該IDは、半永久的に保存しなければならず、また、いったん割り当てられると通常は変更する必要はないので、前記初期IDメモリ56とまったく同等なメモリであってよい。
【0095】
プロセッサ23による自IDメモリ24に対するIDMの読み書き(ほとんどは読み出し)には、自ID信号SIが使用される。
【0096】
上述した4つの操作スイッチ31〜34を設けた操作検出部27は、各操作スイッチ31〜34について、その押し下げストロークが所定の長さに達すると操作検出信号PB1、PB2を出力する部分である。
【0097】
操作検出信号PB1は押し下げを検出した操作スイッチに応じて異なる状態をとり、その操作手順は手順記憶部26に一時的に記憶される。
【0098】
手順記憶部26は一時記憶している手順がどのような操作または入力データを指定しているかを判定して、その判定結果である判定信号DSをプロセッサ23に供給する部分であり、前記追加登録操作モードや登録抹消操作モードにおいて、該当するID(例えば8桁の10進数に対応する入力データ)を一時的に記憶するためにも用いられる。
【0099】
前記追加登録操作モードへの移行を示す当該操作スイッチ34の短い3回押し下げや、登録抹消操作モードへの移行を示す、連続した3秒間の押し下げがなされたか否かの判定は、当該手順記憶部26が行う。
【0100】
操作応答部28に供給される操作検出信号PB2も、当該PB1と同様に、押し下げを検出した操作スイッチに応じて異なる状態をとるようにしてもよいが、本実施形態では、操作スイッチ31〜34を区別しないものとする。
【0101】
当該操作検出信号PB2を受け取った操作応答部28は、ブザーなどの音響発生器であり、操作スイッチ31〜34の押し下げが有効に検出されたことをユーザに伝えるために応答出力RAを出力する部分である。本実施形態では、操作スイッチ31〜34を区別しないので、いずれかの操作スイッチが十分に押し下げられると、一定音程、一定音色のブザー音が応答出力RAとしてユーザに聴取されることになる。これにより、ユーザは、聴覚的にスイッチ操作の有効性を確認することができる。
【0102】
前記ID指定方法したがって開動作スイッチ31または停止スイッチ33を押し下げる場合にも、各押し下げのたびに出力応答RAとしてのブザー音が出力されることは当然である。
【0103】
例えば、パーソナルコンピュータなどでキーボードを操作する場合など、マスタ送信機20に比べるとはるかに大規模で豊富なユーザインタフェースを備えた環境ならば、あるキーの押し下げがマシンに認識されたか否かはビットマップディスプレイなどの画面表示を目視することによって容易に確認可能であるが、高度な携帯性が求められるマスタ送信機20は、前述の機能の節約の観点から、機能が極限まで切りつめられるので、どのようにして小規模な構成で効率的にユーザの操作がマシン(ここではマスタ送信機20)に認識されたか否かを確認するかは重要になる。
【0104】
なおここでは、操作応答部28の応答出力RAを一定音程、一定音色のブザー音としたが、必要ならば、押し下げられた操作スイッチ31〜34に応じて音程や音色などを変化させるようにしてもよい。また、音響発生器による聴覚的な手段にかぎらず、LED(発光ダイオード)等の発光素子などを使用して、視覚的な手段で操作スイッチの操作が有効に検出されたことをユーザに伝えるようにしてもよく、視覚的な手段と聴覚的な手段を併用してもよい。
【0105】
前記プロセッサ23に接続されているモード切替部25は、前記モード切替部55に対応する部分である。
【0106】
ただし前記モード切替部55がとり得る初期ID登録モードとは、前述のようにマスタ送信機20に割り当てられているIDをリモコン受信機50内の初期IDメモリ56に登録する操作(初期ID登録)のための動作モードであり、リモコン受信機50に特有の動作モードであるので、マスタ送信機20内のモード切替部25は初期ID登録モードをとることはない。
【0107】
したがって、当該モード切替部25は、前記通常操作モード、ID追加登録操作モード、およびID登録抹消操作モードに対応して、3つの状態を取り得るメモリである。
【0108】
また、前記モード切替部55の場合と同様に、プロセッサ23によるモード切替部25の書き換えおよび読み出しは、モード信号MD1を用いて行う。
【0109】
上述した送信機グループGP1内のリモコン送信機のうちマスタ送信機20以外のスレーブ送信機40A〜40Xの構成例を図5に示す。これは、自ID(各リモコン送信機に予め割り当てられているID)の登録機能を備えていない点を除き、従来のリモコン送信機とまったく同じ構成である。
【0110】
スレーブ送信機40A〜40Xはすべて、実質的に同じ内部構成を備えているので、図5にはスレーブ送信機40Aを示したものとして説明する。
【0111】
(A−1−3)スレーブ送信機の内部構成
図5において、スレーブ送信機40Aは、無線送信部41と、送信処理部42と、プロセッサ43と、自IDメモリ44と、操作検出部47と、操作応答部48とを備えている。
【0112】
これら各部の機能は、マスタ送信機20内の対応する部分と同等である。
【0113】
すなわち、無線送信機41は前記無線送信機21に対応し、送信処理部42は前記送信処理部22に対応し、プロセッサ43は前記プロセッサ23に対応し、自IDメモリ44は前記自IDメモリ24に対応し、操作検出部48は前記操作検出部28に対応する。
【0114】
ただし自IDメモリ44には各スレーブ送信機40A〜40Xに対し予め一義的に割り当てられているID(例えば、工場出荷時などに割り当てられるID)が書き込まれるため、スレーブ送信機40Aに搭載されている当該自IDメモリ44にはスレーブ送信機40Aに割り当てられているIDであるIDAが書き込まれている。
【0115】
また、操作検出部47に設けられている操作スイッチは、前記シャッター操作スイッチ31〜33に対応する操作スイッチ61〜63のみであり、ID管理操作モードに移行する際に用いる登録スイッチ34に対応する操作スイッチは設けられておらず、モード切替部25に対応する構成要素も存在しない。スレーブ送信機40Aなどの各スレーブ送信機の動作モードは、通常操作モードしかあり得ないからである。
【0116】
設けられている3つの操作スイッチ61〜63において、操作スイッチ61は前記操作スイッチ31に対応し、操作スイッチ62は前記操作スイッチ32に対応し、操作スイッチ63は前記操作スイッチ33に対応する。
【0117】
以下、上記のような構成を有する本実施形態の動作を、図7および図8のフローチャートを参照しながら説明する。
【0118】
図7のフローチャートは、マスタ送信機20側の動作を示すフローチャートであり、S10〜S27の各ステップから構成されている。
【0119】
図8のフローチャートはリモコン受信機50側の動作を示すフローチャートであり、S30〜S38の各ステップから構成されている。
【0120】
(A−2)第1の実施形態の動作
図2において、いま、送信機グループGP1は、マスタ送信機20と、3つのスレーブ送信機40A、40B、40Cとによって構成されているものとする。
【0121】
したがってこのとき、リモコン受信機50の内部では、初期IDメモリ56に、マスタ送信機20に割り当てられたIDMが登録されており、IDメモリ57には、スレーブ送信機40Aに割り当てられたIDAと、スレーブ送信機40Bに割り当てられたIDBと、スレーブ送信機40Cに割り当てられたIDCとが登録されている。
【0122】
この状態において、マスタ送信機20の電源を投入し内部の電子回路に対して電源電力の供給を開始すると(S10)、プロセッサ23は通常操作モードを示すモード信号MD1をモード切替部25に供給し、通常操作モードとなる(S11)。これによりフラグF1には通常操作モードを示す値「0」が格納される(S12)。
【0123】
次に、開動作スイッチ31を押し下げれば、ステップS13はY(Yes)側に分岐し、例えば図6(A)に示すようなフォーマット構造を持つ送信フレームFR1が図2に示す無線信号LS1として、マスタ送信機20から無線送信される(S17)。
【0124】
このとき、送信フレームFR1において、自IDコードフィールドMFにはマスタ送信機20内の自IDメモリ24に格納されているIDMが自ID信号SIとして読み出されて自動的に収容され、ステップS13における開動作スイッチ31の押し下げに対応して、制御コードフィールドCCにはシャッターの開放を指示する「開」の制御コードが収容され、フラグフィールドFL1には前記ステップS12でフラグF1に格納した値に応じて通常操作モードを示す値(この値は、例えば前記ステップS12でフラグF1に格納した「0」であってもよいが、送信処理部22で行う符号化の内容に応じて変化し得る。この点は、他のフィールドについても同様である)が収容されている。
【0125】
当該フラグフィールドFL1に続くフラグフィールドFL2は、前記ID追加登録操作モードまたはID登録抹消操作モードを指定するフィールドで、フラグフィールドFL1の値がID管理操作モードを示す場合にのみ有効な部分である。ここではフラグフィールドFL1に通常操作モードを示す値が収容されていることにより、フラグフィールドFL2の値は無効(リモコン受信機50側で無視される)になるので、その値は何であってもかまわない。
【0126】
また、当該フラグフィールドFL2に続くIDコードフィールドNFは、ID登録抹消操作モードなどのID管理操作モードにおいて該当するIDを指定するためのフィールドであるので、フラグフィールドFL2の場合と同様に、フラグフィールドFL1に通常操作モードを示す値が収容されていることにより、無効(リモコン受信機50側で無視される)になるので、その値は何であってもかまわない。
【0127】
なお、マスタ送信機20以外の送信機グループGP1内の送信機であるスレーブ送信機40A〜40Cが送信する送信フレームFR2のフォーマット構造は、送信フレームFR1とは異なり、図6(B)に示すものである。
【0128】
図6(B)において、自IDコードフィールドMF1には、各スレーブ送信機40A〜40Cに割り当てられているIDが自動的に収容され、制御コードCC1は前記制御コードCCとまったく同じ機能を持っている。
【0129】
一方、前記マスタ送信機20から、前記ステップS17で無線送信された送信フレームFR1を前記無線信号LS1として受信することによって開始する(S30)リモコン受信機50側の動作では、まず、受信した前記送信フレームFR1の自IDコードフィールドMFを検査する(S31)。
【0130】
そして当該自IDコードフィールドMFに収容されている値がリモコン受信機50内の初期IDメモリ56に登録されているIDMと一致すれば処理はステップS32に進み(ステップS31のY側の分岐)、一致しなければ、一致する送信フレームFR1が受信されるまで図8の処理は当該ステップS31から進行しない(ステップS31のN側の分岐)。
【0131】
したがって例えば、スレーブ送信機40Aなどの送信機グループGP1内のスレーブ送信機が送信フレームFR2を送信した場合や、マスタ送信機20と同一機能を搭載した同種のマスタ送信機であっても、割り当てられているIDがIDMでないマスタ送信機が送信フレームFR1(ただし自IDコードフィールドMF内に収容されているIDはIDMではない)を送信した場合でも、図8の処理はステップS31から先へ進行しない。
【0132】
前記ステップS17で無線送信された送信フレームFR1では当該自IDコードフィールドMFにIDMが収容されているため、初期IDメモリ56の登録内容と一致し、ステップS31はY側に分岐して処理はステップS32に進む。
【0133】
このステップS32では、フラグフィールドFL1に収容されている値が検査される。そしてこの値が通常操作モードを示す値(例えば前記「0」、すなわちF1=0)である場合には、当該ステップS32はY側に分岐して処理はステップS35に進み、ID管理操作モードを示す値(例えば「1」、すなわちF1=1)である場合には、N側に分岐して処理はステップS33に進む。
【0134】
当該ステップS32がN側に分岐するのは、リモコン受信機50がID管理操作モードに移行するケースであるが、前記ステップS17で無線送信された送信フレームFR1では当該フラグフィールドFL1には通常操作モードを示す値が収容されているので、ステップS32はY側に分岐して、プロセッサ53が制御コードフィールドCCの収容内容を読み込み(S35)、前記ステップS17で収容した開の制御コードに応じて開閉制御信号CSをシャッター制御部54に送信し(S36)、シャッターS1の開動作を実行する。
【0135】
図7のステップS14とS17、S15とS19の処理も、ここに述べたステップS13とS17の処理に対応するものである。
【0136】
ただ、ステップS14とS18はシャッターS1の開閉動作の停止を行うための処理であり、ステップS15とS19はシャッターS1の閉動作を行うための処理である点が相違するだけである。
【0137】
なお、図7のステップS10〜S15の処理は、ステップS11とS12の処理が存在しない点を除いて、スレーブ送信機40A〜40Cにおける処理と同一である。
【0138】
したがってすでにリモコン受信機50内のIDメモリ57に登録済みのIDA、IDB、IDCの割り当てを受けているスレーブ送信機40A〜40Cのユーザは、当該マスタ送信機20と同様に、無線信号LS2〜LS4を用いてシャッター操作を行うことができる。
【0139】
なお、図7において、ステップS13〜S15の順番は図示の順番に限定しない。例えば、ステップS14とS15の順番を入れ替えてもよい。
【0140】
図7に示すステップS13〜S15の処理がすべてN側に分岐したときに実行されるステップS16の処理では、マスタ送信機20内の手順記憶部26によって登録スイッチ34の操作が検査される。
【0141】
すなわちマスタ送信機20のユーザが、上述したようにペン先などの細い先端を凹部20B内に挿入して登録スイッチ34を短い時間間隔で(例えば10秒以内で)3回押すと、前記追加登録操作モードに移行してモード切替部25内のフラグF2に追加登録操作モードを示す値(例えば「1」、すなわちF2=1)が格納され、連続して3秒間おしつづけると前記登録抹消操作モードに移行して、当該フラグF2に登録抹消操作モードを示す値(例えば「0」、すなわちF2=0)が格納される。
【0142】
追加登録操作モードであっても登録抹消操作モードであっても、マスタ送信機20の以降の動作は実質的に同じなので、ここでは、追加登録操作モード(F2=1)に移行したものと仮定して説明する。
【0143】
このときフラグF1には「1」を格納して(S21)、フラグフィールドFL2の内容が有効であり、無視することができないことを、リモコン受信機50に通知するようにする。
【0144】
ただしこの段階ではまだ、追加登録の対象となるIDが特定されていないので、これを特定するための操作を受け付ける時間を画定するためにタイマーがセットされ、時間計測が開始される(S22)。このタイマーはハードウエア的なカウンタなどであってもよいが、ここでは、プロセッサ23が内蔵しているソフトウエア的なタイマーであるものとする。
【0145】
ステップS22につづくステップS23では、上述したID指定方法にしたがい、当該ID指定方法に関係する開動作スイッチ31と停止スイッチ33の操作が検査される。
【0146】
ただし、ステップS22のタイマーが時間計測を開始してから所定時間が経過するまでは当該開動作スイッチ31の有効な押し下げを待ちつづける(ステップS26のN側の分岐)が、所定時間が経過しても開動作スイッチ31の有効な押し下げが行われずタイムアップすれば、処理は前記ステップS11にもどる(ステップS26のY側の分岐)。これは、誤操作や状況の変化などの理由で前記ID指定方法の実行が開始されない場合、放置しておいても、マスタ送信機20を通常操作モードに移行させて、ユーザの利便性を高めるための手順である。
【0147】
このような場合には、操作スイッチ31〜34に対して所定の操作を行うことではじめて通常操作モードに移行する構成とすることも可能であるが、その移行のための手順を記憶し、実行することは、ユーザにとって負担が大きく、手順を忘れてしまった不慣れなユーザは、当面、当該マスタ送信機20を利用すること(例えばシャッター操作を行うことなど)が不可能になってしまう。
【0148】
図7の場合には、タイマーが時間計測を開始したあと1度でも開動作スイッチ31を押し下げておけばステップS23はY側に分岐し、それ以降は何時間でも追加登録操作モードで該当IDの指定を待っている状態が維持されるので、ステップS26の所定時間はわずかの時間でよいと考えられる。一例としては、3秒程度であってよい。
【0149】
なお、ステップS26のような処理をステップS24の内部に設け、ID指定方法にしたがった8桁のIDの入力途中でも、あまりに長時間操作スイッチ31または33の押し下げが行われない場合には、自動的に通常操作モードに移行するほうがよいことも考えられる。
【0150】
状況の変化などによって追加登録を行う必要がなくなったり、ユーザがID指定方法を忘れてしまう可能性も小さくなく、ステップS24から通常操作モードに移行したほうがよいことも考えられるからである。
【0151】
状況の変化などによって追加登録を行う必要がなくなったケースなどでも、図7のフローチャートの場合、前記ID指定方法を途中でやめる手段は用意されていないし、上述した機能の節約の観点からいっても、携帯性を損なうことなくこのような手段を設けることには制約が多く、必ずしも容易ではない。
【0152】
また、無関係なIDを8桁入力してステップS24の処理から脱出することも考えられるが、それでは、無関係なIDがリモコン受信機50内のIDメモリ57に登録されてしまい、IDメモリ57の限られたアドレス空間を浪費してしまう。
【0153】
さらにまた、マスタ送信機20がパワーオンリセット機能を搭載している場合には、電源スイッチ(図示せず)をいったんOFFにしてマスタ送信機20内部の電子回路に対する電源電力の供給を停止してから、当該電源スイッチをONにすることによりパワーオンリセット機能を働かせて、プロセッサ23の初期状態としてのステップS11の状態(通常操作モード)に復帰することは可能であるが、このようなパワーオンリセット機能に替えて、またはパワーオンリセット機能とともに、ステップS26のような処理をステップS24の内部に設ければ、操作性の向上が期待できる。
【0154】
なお、前記ID指定方法の複雑さを考慮すると、当該ステップS24のなかにステップS26と同等の処理を組み込む場合の前記所定時間は、前記の3秒程度よりははるかに長くしたほうがよく、例えば、30秒程度に設定するとよい。
【0155】
さて、前記ステップS24において、前記ID指定方法にしたがって目的のIDの入力が正常に行われると、処理はステップS25へ進む。ここでは、目的のIDは図2のスレーブ送信機40Xに割り当てられているIDXであるものとする。
【0156】
このIDXが、例えば上述した「12345678」である場合には、前記ID指定方法にしたがって各桁の入力を順次に実行して行き、最下位の「8」を入力するために開動作スイッチ31を8回押し下げたあと停止スイッチ33を1回押し下げたときに、処理はステップS24からS25に進む。当該IDXの入力にあたっては、操作応答部28が応答出力RAとして出力するブザー音が、IDXの正確な入力を支援するものとして機能することが期待される。
【0157】
ステップS25では、前記登録スイッチ34を1回おし下げることにより、前記IDコードフィールドNFに、当該IDXを収容した送信フレームFR1が、無線信号LS1として無線送信される(S27)。
【0158】
なお、ステップS25でも分岐処理を行い、当該登録スイッチ34の押し下げが、前記ステップS22のタイマーが時間計測を開始してから所定時間(この所定時間は十分に長く設定する必要がある。例えば、60秒程度)内にステップS25の登録スイッチ34の押し下げが検出されなければ、マスタ送信機20の動作モードを当該ID管理操作モードから前記通常操作モードに移行するようにしてもよい。
【0159】
ステップS27でマスタ送信機20から無線送信された送信フレームFR1を受信したリモコン受信機50では、図8の前記ステップS31はY側に分岐し、ステップS32はN側に分岐するので、送信フレームFR1のIDコードフィールドNFに収容されている前記IDXが、プロセッサ53によって読み込まれ(S34)、フラグフィールドFL2の収容内容が調べられる(S34)。
【0160】
この場合、当該フラグフィールドFL2には、追加登録操作モードを示す値(F2=1)が収容されているので、この値に対応したモード信号MD1がプロセッサ53からモード切替部55に供給されて、リモコン受信機50の動作モードが追加登録操作モードに移行する(ステップS34のY側の分岐)。
【0161】
これを受けてステップS37では、前記ステップS27で無線送信された送信フレームFR1のIDコードフィールドNFに収容されている前記IDXが、プロセッサ53が出力する一般ID信号IMによってIDメモリ57に追加的に登録される。
【0162】
これにより、IDメモリ57に登録されているIDは、すでに登録してあったIDA、IDB、IDCに、当該IDXも加わって4つになり、送信機グループGP1は、マスタ送信機20、スレーブ送信機40A、40B、40C、および40Xの5つのリモコン送信機によって構成されるようになる。
【0163】
IDXの登録が追加されたあとでは、スレーブ送信機40Xを用いてシャッター操作を行うことができるようになることは当然である。
【0164】
このようなIDの追加登録は、原理的にはIDメモリ57の容量(アドレス空間の大きさ)が許すかぎり何回でも繰り返すことが可能なので、その繰り返し回数に応じて、送信機グループGP1を構成するリモコン送信機の数は増加していくことになる。
【0165】
ただし本実施形態のようにガレージ用シャッターのための遠隔操作システムの場合、送信機グループGP1を構成するリモコン送信機の数は、通常、16個もあれば十分であるものと考えられる。
【0166】
なお、図7のステップS16で登録スイッチ34を連続して3秒間おしつづけることで登録抹消操作モードに移行した場合には、前記ステップS27で無線送信される送信フレームFR1のフラグフィールドFL2に収容される値は当該登録抹消操作モードに対応する値(F2=0)になるので、この送信フレームFR1をリモコン受信機50が受信した場合、図8のステップS34はN側に分岐し、ステップS38が実行される。
【0167】
当該送信フレームFR1のIDコードフィールドNFに、前記IDBを示す値が収容されているとすると、当該ステップS38では、プロセッサ52が一般ID信号IMを用いてIDメモリ57内のIDBを削除し、IDBの登録を抹消する。
【0168】
したがってこの場合、ステップS38が実行されたあとでは、IDメモリ57に登録されているIDは、IDAとIDCの2つに減少し、送信機グループGP1は、マスタ送信機20と、スレーブ送信機40Aおよび40Cによって構成されるようになる。
【0169】
IDBの登録が抹消されたあとでは、スレーブ送信機40Bを用いてシャッター操作を行うことができなくなることは当然である。
【0170】
このようなIDの登録抹消は、原理的にはIDメモリ57内に登録されているIDが存在しなくなるまで繰り返すことが可能なので、その繰り返し回数に応じて、送信機グループGP1を構成するリモコン送信機の数は減少することになる。
【0171】
なお、初期IDメモリ56内に格納されているマスタ送信機20のIDMまで抹消してしまうと、マスタ送信機20のマスタとしての権限が消滅して送信機グループGP1内にマスタ送信機が存在しなくなり、それ以後はID管理操作を実行できなくなってしまうので、誤ってIDMが削除されないように配慮することは重要である。
【0172】
IDMが誤って削除されることを防ぐ対策としては本実施形態に示したもののほかに、例えば、IDMであることを明示した情報を付加して記憶しておき、削除時にはこの情報を参照して、IDMであれば削除を行わないことが考えられる。
【0173】
また、記憶領域に意味を付与して、IDMは特定の記憶領域に格納し、当該記憶領域については削除を行わない構成を取ることや、最後の1つのIDについては削除対象としない構成を取る(この場合には結果としてIDMが最後に残るようにする)こと等が考えられる。
【0174】
もっとも、IDMの登録が抹消されたとしても、その時点でIDメモリ57に登録されているスレーブ送信機は、IDMの抹消前と同様にシャッター操作を行うことが可能である。
【0175】
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、本実施形態によれば、ID管理操作を実行するリモコン送信機を、マスタ送信機に一元化することができる。
【0176】
すなわち本実施形態では、スレーブ送信機に割り当てられたIDの登録や抹消を、マスタ送信機を用いて行うことができるので、当該スレーブ送信機がリモコン受信機に対する通信可能距離内に存在しなくても、当該スレーブ送信機に割り当てられているIDにつき、ID管理操作を実行することが可能である。
【0177】
また、本実施形態では、あるリモコン受信機に登録されている複数のIDのうち一部のIDだけ抹消し、他のIDは登録したままとしたい場合、従来のように、いったん全てのIDを抹消した上で登録したいIDを再登録する必要はなく、目的のIDだけを選択的に抹消することも可能なので、ID管理操作の操作性が向上し、使い勝手のよい遠隔操作システムを構築することができる。
【0178】
さらに本実施形態によれば、ID管理操作を行うことができるリモコン送信機を、マスタ送信機だけに限定したことにより、従来のように、不正にID登録した上でガレージ用シャッターを不正操作すること等が困難になって、セキュリティ性が向上する。
【0179】
さらにまた、本実施形態では、送信機グループ(GP1)内で多数を占める可能性の高いスレーブ送信機の機能は、上述した自IDの登録機能を備えていない分だけ従来のリモコン送信機よりも少なくて済むので、遠隔操作システム全体として機能の節約を促進することができる。
【0180】
(B)第2の実施形態
以下では、本実施形態が第1の実施形態と相違する点についてのみ説明する。
【0181】
本実施形態は、第1の実施形態におけるID指定方法の実行にともなうユーザの負担を軽減した点に特徴を有するものである。
【0182】
本実施形態はその前提として、送信機グループGP1内の各スレーブ送信機に割り当てられるIDの全桁のうち、多くの桁の値が一致していることが必要である。
【0183】
ところで、実際の製品レベルにおいて、リモコン受信機50に対する送信機グループGP1の構成メンバであるリモコン送信機20、40A〜40Xがどの時点で確定するかについては、種々の態様が考えられる。
【0184】
例えば、工場出荷などの初期段階ではリモコン受信機50とマスタ送信機20の関係だけが確定していて、そのあと、必要に応じて随時、スレーブ送信機を買い足してそのID登録を追加したり、すでに登録してあったスレーブ送信機のID登録を抹消したりして、送信機グループGP1の構成メンバが増減するケース(随時追加型の確定態様)が考えられる。
【0185】
この場合、ユーザは、リモコン受信機50の購入時点ではマスタ送信機20だけ(または、マスタ送信機20と送信機グループGP1中の一部のスレーブ送信機だけ)を購入することになる。
【0186】
もう1つの態様としては、工場出荷などの初期段階で送信機グループGP1を構成する全構成メンバが確定しており、そのあと必要に応じて、スレーブ送信機のID登録を抹消するケース(初期決定型の確定態様)が考えられる。この場合、ユーザは、リモコン受信機50の購入時点でマスタ送信機20はもちろん、送信機グループGP1を構成する全スレーブ送信機40A〜40Xを購入することになる。
【0187】
後者の初期決定型の確定態様においては、実際に、すべてのスレーブ送信機40A〜40Xを購入後ただちに使用するかどうかはユーザに委ねられているので、スレーブ送信機40A〜40Xのうち一部のスレーブ送信機しか使用しない場合には、使用するスレーブ送信機だけをマスタ送信機20を用いてリモコン受信機50にID登録することも可能である。
【0188】
このような確定態様の相違が重要な意味を持つのは、マスタ送信機20がID登録する各スレーブ送信機のIDに特定の関係を設定することが可能か否か(またはマスタ送信機のIDであるIDMと各スレーブ送信機のIDに特定の関係を設定することが可能か否か)が、確定態様しだいで変わってくるからである。
【0189】
例えば、IDを8桁の10進数とし、マスタ送信機20に割り当てられたIDであるIDMの具体例を「00279510」と仮定した上で、送信機グループGP1内のスレーブ送信機の数を15個とすると、初期決定型の確定態様の場合、例えば上位6桁はIDMと同じ値(すなわち、「002795」)の値をそのまま利用し、下位2桁だけを変化させて15個のスレーブ送信機をID登録することが可能である。
【0190】
すなわちこの初期決定型の確定態様の場合、各スレーブ送信機に割り当てるIDを、例えば、スレーブ送信機40AのIDであるIDAを「00279511」とし、スレーブ送信機40BのIDであるIDBを「00279512」とし、スレーブ送信機40CのIDであるIDCを「00279513」とし、…、スレーブ送信機40X(ここではX=O(15番目のアルファベットであるオウ))のIDであるIDXを「00279525」とすることが可能なので、上位6桁はマスタ送信機20から自動的に送信させ、下位2桁だけをユーザが入力するようにすれば、上述したID指定方法の実行にともなうユーザ負担をはるかに軽減することができる。
【0191】
しかしながら随時追加型の確定態様においては、通常、同一送信機グループ(例えばGP1)内の各リモコン送信機に割り当てられているIDはバラバラであるため、特定の関係を設定することは困難である。
【0192】
このため、本実施形態は、前記初期決定型の確定態様に適用するのに適しているといえる。
【0193】
(B−1)第2の実施形態の構成および動作
本実施形態のマスタ送信機70の内部構成を図9に示す。
【0194】
図9において、図1と同じ符号を付した各構成部分および各信号の機能は、図1と同じである。
【0195】
したがって本実施形態のマスタ送信機70が第1の実施形態のマスタ送信機20と相違するのは、実質的に、手順記憶部76、プロセッサ73、自IDメモリ74、マスク処理部75に関連する部分にかぎられる。
【0196】
本実施形態では、前記ID管理操作モード(すなわちID追加登録操作モードやID登録抹消操作モード)において、該当するIDを指定する場合、基本的には、前記ID指定方法を使用するが、当該ID指定方法によって入力するのは、8桁のIDのうち下位2桁だけでよい。
【0197】
このとき、下位2桁分の入力データは操作検出信号PB1として手順記憶部76に一時的に記憶されたあと、判定信号DSとしてプロセッサ73に供給される。
【0198】
ほぼ同時にプロセッサ73は、自IDメモリ74の制御信号としての自ID信号SI1を用いて自IDメモリ74から、当該マスタ送信機70に割り当てられているIDであるIDMをマスク処理用自ID信号SIとして出力させる。
【0199】
当該マスク処理用自ID信号SIは、信号自体は、第1の実施形態の自ID信号SIとまったく同じ信号で、IDMに対応した信号である。
【0200】
当該マスク処理用自ID信号SIを受け取るマスク処理部75では、下位2桁をマスク(例えば0クリア)して、上位6桁だけをもとのIDMのまま残して取り出すことで、マスク処理信号MSを生成して、プロセッサ73に供給する。
【0201】
例えばIDMを前記「00279510」と仮定すると、マスク処理信号MSは、「00279500」となる。
【0202】
ここで、スレーブ送信機40CのIDであるIDCとして「00279513」を指定する場合には、前記手順記憶部76からプロセッサ76に供給される判定信号DSは、「00000013」である(上位6桁の「000000」は、手順記憶部76(またはプロセッサ73)が自動的に生成する)ので、プロセッサ73は簡単な加算演算(00279500+00000013)によって、前記「00279500」と当該「00000013」から、目的の「00279513」を算出することができる。
【0203】
そしてこの「00279513」が、プロセッサ73によって、前記送信フレームFR1のIDコードフィールドNFに収容されることになる。
【0204】
指定するIDが「00279513」以外の場合にもこれと同様な動作で対応することができるので、マスタ送信機70のユーザは、8桁のIDのうち下位2桁だけを、前記ID指定方法にしたがって入力すればよくなり、ID管理操作に要する時間や手数が短縮され、操作性が向上する。
【0205】
なお、図9ではマスク処理部75をプロセッサ73の外に展開して示したが、通常、マスク処理部75の機能はプロセッサ73の内部で主としてソフトウエア的に実現されるのが普通である。
【0206】
また、ここでは下位2桁だけをユーザが入力するようにしたが、必ずしも、下位または上位に連続的に設定する必要はない。一例として、最上位から2桁目の値と最上位から5桁目の値をユーザ入力の対象としてもよい。その場合には、プロセッサ73の内部で行う演算は、加算演算ではなくOR演算(判定信号DSとマスク処理信号MSの各桁(2進数)ごとの論理和をとる演算)になる。
【0207】
ただし同一の送信機グループGP1内にこのような不連続なIDの割り当てを行うと、ID番号体系のなかで各リモコン送信機に割り当てるIDの一意性を保つこと(同一のIDが複数のリモコン送信機に割り当てることの防止)と、ID番号の利用効率を低下させないことの両立が難しくなる可能性がある。
【0208】
連続するID番号から構成されるID番号体系(ID番号領域)のなかに、細切れの未使用番号領域(連続する未使用ID番号が例えば16個未満の領域)が散在するようになれば、使用することのできないID番号が発生してID番号の利用効率が低下し、ID番号不足の問題が深刻化する可能性がある。
【0209】
これに対し、ユーザ入力の対象となる桁をIDの最下位部分にまとめておけば、送信機グループ(例えば前記GP1)ごとに、ID番号ブロック(本実施形態の例では、送信機グループGP1には、00279510〜00279525の16個のID番号からなるID番号ブロック)を割り当てればよいので、GP1の次にID番号ブロックを割り当てる送信機グループGP2には、例えば00279526〜00279541の16個のID番号からなるID番号ブロックを割り当てることができる。したがって、細切れの未使用番号領域が発生しにくいから利用できないID番号もあまり発生せず、一意性も保持することが容易である。
【0210】
ただし、図9の構成では、当該IDブロック内のID番号に繰り上げが発生するケースで問題は生じる可能性がある。
【0211】
前記00279510〜00279525のIDブロックや、00279526〜00279541のIDブロックでは問題はないが、例えば、00279599〜00279615のIDブロックの場合には、最下位から3番目の桁の値が5のID番号と6のID番号が混在しているため、下位2桁ではなく、下位3桁の入力をユーザに負担してもらう必要が生じる。
【0212】
さらに、例えば、00199999〜00200015のIDブロックの場合には、上位2桁以外の6桁をユーザに入力してもらうことになる。
【0213】
この問題の対策としては、このようなIDブロックの割り当て自体を行わないことも考えられる。すなわち、それまで細切れの未使用番号領域が生じないように連続的なID番号の割り当てを行ってきて、その連続的な割り当てを継続すると、ある送信機グループGXに00199999〜00200015のIDブロックを行うことになるケースでは、ID番号00199999を使用せず、00200000〜00200016のIDブロックを割り当てる当該送信機グループGXに割り当てるのである。
【0214】
これにより、上述した下位2桁だけの入力をユーザに負担してもらえば済むようになる。
【0215】
しかしながらこのケースでは、ID番号00199999が未使用のまま残ってしまう点で、ID番号の利用効率が十分に高いとはいえない。
【0216】
ユーザの入力負担を軽減しながら、ID番号の利用効率を十分に高めるためには、マスタ送信機のIDMにそのままユーザが入力した番号を加算して得た値をID指定に利用することが有効である。
【0217】
例えば、前記IDブロック00199999〜00200015の割り当てを受け、当該00199999がIDMである場合、スレーブ送信機のID番号00200000を指定しようとするユーザは、01(または1)を、前記ID指定方法にしたがって入力すれば、プロセッサ73が加算演算(00199999+00000001)を実行して目的の0200000を得ることができる。
【0218】
この方法では、ユーザは自身で簡単な減算(0200000−00199999)を実行して、目的の0200000をリモコン受信機50に送信するためには、IDMが00199999であるから、自分は01を入力することが必要なことを突き止める必要があるが、その負担は、前記ID指定方法にしたがって8桁全部を入力する場合よりもはるかに軽減される可能性が高い。
【0219】
ところで、ここまでの説明では、第1の実施形態でも本実施形態でも、ユーザがマスタ送信機70や各スレーブ送信機に割り当てられているIDを認識していることが前提であったが、ID番号は本来、システムの内部で矛盾なく用いられれば十分であり、必ずしもユーザにそのままの形で知らせる必要はないものと考えられる。
【0220】
例えば、前記IDブロック00199999〜00200015のケースで、IDMが00199999で、スレーブ送信機40AのIDであるIDAが00200000であるとすると、ユーザには当該00199999も、00200000も知らせずに、スレーブ送信機のID(変換ID、またはユーザ用ID)は、01(または1)であると教えておく。当該01は、スレーブ送信機40Aの本体にユーザが認識しやすいように印刷しておいてもよい。
【0221】
この01は、前記減算(0200000−00199999)を予め、製造業者や販売業者の側で行うことによって求めておくものである。
【0222】
そしてユーザは、当該スレーブ送信機40AのID管理操作を行う場合には、前記ID指定方法にしたがって当該01だけを入力し、プロセッサ73は加算演算(00199999+00000001)を実行して目的の0200000を得るようにする。IDA以外のIDを指定する場合もこれと同様である。
【0223】
これにより、ID番号の利用効率が極限まで高まるとともに、ユーザのほうでも、10桁近いID番号を取り扱う煩わしさから解放され、ユーザ負担ははるかに軽減されて、さらなる操作性の向上が期待できる。
【0224】
なお、当該初期決定型の確定態様においても、遠隔操作システム10を長期間運用していくと、IDを抹消したスレーブ送信機の替わりに新たなスレーブ送信機(最初にID番号ブロックを割り当てた際には送信機グループGP1内に存在しなかったスレーブ送信機)がID登録される(初期グループ外からの追加登録)ことも考えられるので、この初期グループ外からの追加登録を許容する場合には、マスク処理信号MSを利用せずに、前記ID指定方法だけによって8桁を入力することもできる動作モードを搭載しておく必要がある。
【0225】
もちろん、初期グループ外からの追加登録を許容しない場合には、そのような動作モードは不要である。
【0226】
なお、ここまでの説明では、本実施形態は、前記初期決定型の確定態様を前提としたが、必ずしも初期決定型の確定態様にかぎって適用されるものではなく、随時追加型の確定態様にも適用することは可能である。
【0227】
ただし随時追加型の確定態様に適用する場合には、リモコン受信機とマスタ送信機が販売される時点で将来のスレーブ送信機の追加を見越してIDMにつづくID番号を所定数(例えば15個)だけ予約しておくことが必要になるものと考えられ、追加するスレーブ送信機の販売時(随時)には、ユーザの認証を求める等の手続きが必要になるものと考えられる。また、予約したスレーブ送信機が実際に購入されなかった場合には、予約したID番号は未使用のままとなるので、ID番号の利用効率は、初期決定型の確定態様の場合に比べて低下する可能性がある。
【0228】
(B−2)第2の実施形態の効果
以上のように、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果と同等な効果を得ることができる。
【0229】
加えて、本実施形態では、ID管理操作においてユーザの入力に依存する桁数が少ないので、ID管理操作に要する時間や手数が短縮され、操作性が向上する。
【0230】
(C)他の実施形態
上記第1、第2の実施形態では、本発明を混合システムに適用した場合を例に説明したが、本発明は、専用の無線リモコンシステムまたは有線リモコンシステムのいずれかに適用することも可能である。
【0231】
有線リモコンシステムに適用する場合、リモコン送信機は所定の装着部などに装着して、前記固定操作部AMを使用する場合のように、有線伝送路を介してリモコン受信機と通信することになる。
【0232】
なお、送信機グループ(GP1)内におけるマスタ送信機の数は、上記第1の実施形態のように1つに限定する必要はない。
【0233】
一例としては、すべてのリモコン送信機がマスタ送信機である送信機グループを設けることも可能である。すべてのマスタ送信機のIDをリモコン受信機内の初期IDメモリ56に登録してしまうと、抹消も追加登録もできなくなってしまうので、IDメモリ57に登録するようにするとよい。ただしこの場合、すべてのマスタ送信機のIDが抹消されることがあり得ない構成とする必要はある。
【0234】
また、送信機グループの全リモコン送信機のうち一部のリモコン送信機だけがマスタ送信機である場合、マスタ送信機としての地位は当該送信機に固定したものではなく、他のリモコン送信機に移譲するようにしてもよい。例えば、新しくIDを登録されたリモコン送信機がマスタ送信機となり、当該マスタ送信機は次のリモコン送信機のIDを新しく登録したときにマスタ送信機としての地位を新しくIDを登録した当該リモコン送信機に移譲するようなシステム構成も可能である。
【0235】
さらに、マスタ送信機および/またはリモコン受信機に、ID管理操作モードにおいて指定したIDの全部または一部を、例えば、7セグメントLEDなどの表示手段を用いて表示することも考えられる。
【0236】
7セグメントLEDなどは高価であり、サイズ拡大の要因にもなるが、前記ID指定方法の複雑さを考慮すると、マスタ送信機のユーザに、目的のIDが正確に入力されたことを確認する手段を提供する利点は大きい。
【0237】
なお、IDの正確な入力が行われたか否かをリモコン受信機側で自動的に判定する方法として、ID番号に誤り訂正用のビットを設けることも考えられる。
【0238】
例えば、1つのID番号の各桁の数値を加算すると必ず偶数になるようにしておくことにより、リモコン受信機側で処理した結果、もしも奇数になった場合には、当該ID番号は誤りであると判定して、ユーザに再入力を促したり、IDメモリ(57)への登録を行わないようにして、メモリ容量を節約したりすることも可能となる。
【0239】
また、上記第1、第2の実施形態では、無線信号は300MHzや400MHz程度の電波であったが、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。
これよりも高い周波数や低い周波数の電波を使用してもよく、赤外線などを使用してもよい。
【0240】
さらに、第1、第2の実施形態では、操作スイッチは、基本的にPBS形式のスイッチであるものとしたが、本発明は、PBS形式のスイッチに限って適用されるものではない。スライド式スイッチや回転式スイッチなどを使用してもよく、圧力や温度、静電気の変化などに反応する各種のスイッチを適用することもできる。
【0241】
また、第1、第2の実施形態では、開閉体の動作を指示する操作手段の例として、開、閉、停の各操作スイッチ31〜33(61〜63)を示したが、これらのみでなく、半開状態のような所定の中途開状態への移動を指示する操作スイッチや、ブラインドシャッターにおける各スラットの回動を指示する操作スイッチ、その他、開閉体の施錠や解錠を指示する操作スイッチ等であってもよい。
【0242】
なお、第1および第2の実施形態においては、ガレージ用シャッターについて本発明を適用したが、本発明はガレージ用シャッター以外のシャッターに適用することも可能である。
【0243】
さらに本発明は、シャッター用としてだけでなく、ドア、窓、オーバーヘッドドア、ロールスクリーン(例えば遮光幕)、ブラインド、オーニング装置などの他の開閉装置の混合システムにも適用することが可能である。
【0244】
また、以上の説明において、情報の流れる方向は、基本的にはリモコン送信機からリモコン受信機へ向かう単方向であったが、本発明の適用範囲はこのような単方向通信に限定されるものではない。
【0245】
すなわち当該リモコン送信機を送信専用の通信機器ではなく遠隔操作用の送受信機である操作送受信機に置換するとともに、当該リモコン受信機を受信専用の通信機器ではなく遠隔被操作用の送受信機である被操作送受信機に置換し、必要に応じて全二重通信や半二重通信が行えるようにしてもよい。
【0246】
このとき操作送受信機から被操作送受信機に向かう無線信号に含まれている信号は、前記シャッター動作などを指示する動作状態指示信号であってよく、反対に被操作送受信機から操作送受信機に向かう無線信号に含まれている信号は、シャッター動作の現状を報告するための動作状態報告信号であってよい。
【0247】
当該動作状態報告信号は、その時点のシャッター動作状態が、例えば、「全開放状態」、「全閉鎖状態」、「一部開放状態(部分的に開放して停止している状態)」、「開動作中」、「閉動作中」、「異常発生」などであることを示す信号であってよい。
【0248】
この場合、当該動作状態報告信号を受け取ることによって、操作送受信機のユーザは、シャッター動作状態が例えば当該「閉動作中」であることを認識することができる。
【0249】
また、当該操作送受信機を携帯受信機に置換し、被操作送受信機を固定送信機に置換することもできる。この場合、情報の流れる方向は、固定送信機から携帯受信機に向かう単方向となる。常時このような単方向通信だけが行われるシステム構成であってもよく、通信方向モード切換に応じて必要な場合にのみ、このような単方向通信を行い得るシステム構成であってもよい。
【0250】
すなわち、前記操作送受信機と被操作送受信機において、通信方向モード切換に応じて必要な場合にのみ、このような単方向通信を行い得るようにしてもよい。
【0251】
また、以上の説明では、主として、開閉体側通信装置が遠隔被操作器であり、非開閉体側通信装置が遠隔操作器である場合について説明したが、本発明は、このケースに限って適用できるものではない。
【0252】
非開閉体側通信装置が受信だけを行う(ただし割り当てられているIDは送信する)実質的な受信専用機器である場合も考えられる。
【0253】
この受信専用機器は、例えば、メンテナンスなどを目的としたもので、開閉体側通信装置が開閉体に関して保有している動作管理情報(開閉体の開閉位置、開閉回数、開閉に関する障害情報、開閉時の障害物当接感知の有無など)などを受信し、受信結果を表示するものであってよい。
【0254】
また、この動作管理情報を開閉体側通信装置が送信する送信タイミングについては、例えば、曜日や時間などを固定的に予め決めておいたり、有線で送信指示が与えられた任意のタイミングを、当該送信タイミングとすること等も可能である。
【0255】
さらに、当該送信タイミングで送信される前記動作管理情報の具体的な内容についても、予め固定的に決めておくようにしてもよく、指示された内容だけを送信するようにしてもよい。
【0256】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、1または複数の非開閉体側通信装置が開閉体側通信装置に対して通信しなくても、認証操作手段を備えた非開閉体側通信装置がこれらの非開閉体側通信装置の認証識別子に関する認証登録受付手段操作を実行することができるので、認証登録受付手段操作を実行する非開閉体側通信装置を、当該認証操作手段を備えた非開閉体側通信装置に一元化すること等も可能で、認証登録受付手段操作に関連する操作性が向上し、使い勝手がよくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係るマスタ送信機の主要部の構成を示すブロック図である。
【図2】第1および第2の実施形態に係る遠隔操作システムの全体構成を示す概略図である。
【図3】第1および第2の実施形態に係るリモコン送信機の外観を示す概略図である。
【図4】第1および第2の実施形態に係るリモコン受信機の主要部の構成を示すブロック図である。
【図5】第1および第2の実施形態に係るスレーブ送信機の主要部の構成を示す概略図である。
【図6】第1および第2の実施形態に係る送信フレームのフォーマット構成を示す概略図である。
【図7】第1の実施形態におけるマスタ送信機の動作を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施形態におけるリモコン受信機の動作を示すフローチャートである。
【図9】第2の実施形態におけるマスタ送信機の主要部の構成を示す概略図である。
【符号の説明】
10…遠隔操作システム、20,70…マスタ送信機、23,43,53,73…プロセッサ、25,55…モード切替部、24,44,74…自IDメモリ、26,76…手順記憶部、28,48…操作応答部、50…リモコン受信機、56…初期IDメモリ、57…IDメモリ、FR1、FR2…送信フレーム、MF、MF1…自IDコードフィールド、FL1、FL2…フラグフィールド、NF…IDコード、GP1…送信機グループ。

Claims (6)

  1. 開閉体側に配置された開閉体側通信装置に対し既に認証識別子を登録していることを条件として、前記開閉体側通信装置との間で、少なくとも前記開閉体の動作の制御に用いる伝送信号を通信し得る非開閉体側通信装置において、
    前記開閉体側通信装置に対して非開閉体側通信装置となる1または複数の非開閉体側通信装置の認証識別子について、前記伝送信号のうち所定の仕様を持つ認証登録用信号を用いて、前記開閉体側通信装置登録させる認証識別子の内容を制御する認証登録制御、ユーザの当該非開閉体側通信装置に対する操作に応じて行う認証登録制御手段と、
    ユーザの当該非開閉体側通信装置に対する操作に応じて、前記開閉体側通信装置に対して、前記開閉体の動作を指示する開閉体操作手段とを備え、
    当該非開閉体側通信装置は、前記認証登録制御手段を機能させる認証登録受付モード、及び、前記開閉体操作手段を機能させる開閉体操作モードを備え、
    ユーザの当該非開閉体側通信装置に対する操作に応じて、当該非開閉体側通信装置の動作モード切替を実行するモード切替え操作手段をさらに備え、
    前記認証登録制御手段では、前記モード切替え操作手段により認証登録受付モードとなると、前記開閉体側通信装置に対して登録又は抹消する他の任意の非開閉体側通信装置に係る、所定の桁数の数値により示される認証識別子を、当該非開閉体側通信装置に備えられた複数のスイッチに対する操作によりユーザに入力させ、第1のスイッチが連続して押下された回数により認証識別子の各桁の数値の入力を受け付けた後、第2のスイッチの押下により、当該桁に対する数値入力の終了を受け付け、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチによる認証識別子の各桁の入力は、上位桁から下位桁へ1桁ずつ順番に行うように処理し、認証識別子の全ての桁の入力を受付けた後、前記モード切替え操作手段により動作モードが切替ると、入力を受け付けた認証識別子の登録又は抹消を指示する伝送信号を前記開閉体側通信装置に送信する
    ことを特徴とする非開閉体側通信装置。
  2. ユーザインタフェースの割に認証識別子が長い場合の請求項1の非開閉体側通信装置において、
    前記認証識別子の入力操作が正確に行われることを支援する非開閉体側識別子入力支援手段を備えたことを特徴とする非開閉体側通信装置。
  3. 請求項1の非開閉体側通信装置において、
    前記認証識別子は、1つの前記開閉体側通信装置に対して非開閉体側通信装置となる非開閉体側通信装置間だけでなく、前記伝送信号の仕様上、当該開閉体側通信装置からみて同種の通信装置である全ての非開閉体側通信装置間で各非開閉体側通信装置を一義的に識別し認証するために形成された膨大な認証識別子体系のなかの1つの認証識別子であることを特徴とする非開閉体側通信装置。
  4. 請求項1の非開閉体側通信装置において、
    前記認証登録制御手段は、
    前記開閉体の動作を指示する開閉体操作手段の全部または一部を含むことを特徴とする非開閉体側通信装置。
  5. 請求項1の非開閉体側通信装置において
    前記モード切替え操作手段は、当該開閉体操作手段の全部または一部を含むことを特徴とする非開閉体側通信装置。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の非開閉体側通信装置と、
    非開閉体側に配置される非開閉体側通信装置の認証識別子を、当該開閉体側通信装置に既に登録していることを条件として、非開閉体側通信装置との間で、少なくとも開閉体の動作の制御に用いる伝送信号を通信し得る開閉体側通信装置と、
    前記開閉体側通信装置に対し既に認証識別子を登録していることを条件として、前記開閉体側通信装置との間で、開閉体の動作の制御に用いる伝送信号を通信し得る1または複数の非開閉体側通信装置とを備えることを特徴とする開閉装置の通信システム。
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