JP3883469B2 - 開閉システム及び開閉装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は開閉システムに関し、例えば、シャッター、ドア、窓、オーバーヘッドドア、門扉、ゲート(駐車場などのゲート)、ロールスクリーン(例えば遮光幕)、ブラインド、オーニング装置などの遠隔操作システム(リモコンシステム)などに適用し得るものである。
【0002】
また、本発明は、かかる開閉システムの構成要素としての開閉装置に関するものである。
【0003】
【従来の技術】
各々が独立に動作し得る2つのシャッター装置から構成される複合シャッターシステムとしては、外気の遮断等を目的とするために、一方のシャッター装置が開放している状態では他方のシャッター装置の開放を制限するインターロック機能を有するものがある。
【0004】
このインターロック機能では、一方のシャッター装置が開放状態(完全閉鎖状態でなければよい)にある場合、他方のシャッター装置は完全閉鎖状態(開口部を完全に閉鎖した状態)を維持するしかないから、2つのシャッター装置がともに完全閉鎖状態にあるときが最もシャッター動作の自由度が高い状態であり、受け取ったシャッター動作指定信号に応じて、どちらのシャッター装置も開動作を行うことが可能である。
【0005】
ただし、2つのシャッター装置が同時に開動作を行うと、外気を遮断することができなくなってしまうため、次のような簡単な一方向の通信によって外気の遮断状態を維持している。
【0006】
すなわち、ともに完全閉鎖状態にある2つのシャッター装置のうち、どちらかのシャッター装置が開動作を行うとき、所定の開動作通知信号を他方のシャッター装置に送信することにより、開動作の発生を通知する。当該開動作通知信号を受信した他方のシャッター装置では、この受信後、自身に対し開動作を指示するシャッター動作指定信号を受け取ったとしてもそれには従わず完全閉鎖状態を維持するから、外気の遮断を継続することができる。
【0007】
反対に、開放状態にあったシャッター装置が完全閉鎖状態となった場合には、閉鎖状態通知信号を他方のシャッター装置に送信して、他方のシャッター装置が開動作を行うことが可能な状態にあることを知らせる。それまで完全閉鎖状態を維持していた他方のシャッター装置は、この閉鎖状態通知信号を受信したあと、自身に対し開動作を指示するシャッター動作指定信号を受け取ると、直ちにそれにしたがい、開動作を開始することが可能である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記シャッター装置が、軽くて機械的に脆弱な材質のシャッターカーテンを持つシートシャッター装置などである場合、完全閉鎖する際にシャッターカーテンの下端部が床面等に衝突する際の衝撃が強すぎると、その衝撃のためにシャッターカーテンが破損する可能性があるため、完全閉鎖時に当該下端部が到達する床面等よりも高い所定位置(減速開始位置)で、閉鎖のための出力軸の回転を行っているモータへの電力供給を停止する構成を取る場合がある。
【0009】
電力供給を停止したあと、シャッターカーテンは、ガイドレールとの摩擦、風圧などに抗しながら惰性で移動し、徐々に減速して、比較的弱い衝撃のもとで前記床面等に到達する。
【0010】
上述した2つのシャッター装置がともにシートシャッター装置であれば、2つのシャッター装置はいずれも、完全閉鎖を行うときには前記減速開始位置から減速を開始するため、上述した閉鎖状態通知信号も、当該減速開始位置に到達した時点で他方のシャッター装置に送信することになる。
【0011】
この場合、当該閉鎖状態通知信号を受信したほうのシャッター装置は、その直後に、開動作を指示するシャッター動作指定信号を受け取ったとすると、直ちにそれにしたがって開動作を行うため、極めてわずかの時間(例えば、0.3秒程度)ではあるが、2つのシャッター装置が、ともに、完全閉鎖状態でない状況が発生し得、外気の遮断効果等が低下する可能性があり、信頼性やインターロック機能の目的を十分に達成することができないおそれがある。
【0012】
また、開動作を指定するシャッター動作指定信号をリモコン送信機などを用いて送信したユーザなどは、2つのシャッター装置がともに完全閉鎖状態でない状況を目視する可能性があるため、前記インターロック機能が正常にはたらいているかどうかという点に不安を持つことが考えられ、信用度が低下し、安心して複合シャッターシステムを利用することができなくなる懸念がある。
【0013】
なお、以上の課題は、シートシャッター、ガレージ用シャッター、窓用シャッターなどのシャッター用だけでなく、ドア、窓、オーバーヘッドドアなどの他の開閉システムにも共通している。
【0014】
本発明は、信頼性と信用度の高い開閉システムおよび開閉装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、第1の発明では、供給される動作指示信号に応じて、基本的には、独立に第1の開閉体を開閉動作させる第1の開閉装置と、供給される動作指示信号に応じて、基本的には、独立に第2の開閉体を開閉動作させる第2の開閉装置とは、他方の開閉装置が閉鎖状態であることを条件として開動作を行う開閉システムにおいて、(0)前記第1の開閉装置が、前記第2の開閉装置との通信を実行する第1の通信手段、及び、前記第1の開閉体の動作を制御する第1の動作制御手段を備えると共に、前記第2の開閉装置が、前記第1の開閉装置との通信を実行する第2の通信手段、及び、前記第2の開閉体の動作を制御する第2の動作制御手段を備え、(1)前記第1の動作制御手段は、(1−1)閉動作時において、前記第1の開閉体の動作の限界となる全閉位置に至るよりも前の所定の限界前位置から、前記第1の開閉体を、その駆動用モータを止めて惰性で閉鎖動作させ、この惰性閉鎖動作による前記第1の開閉体の移動量を指示する所定の物理指標が、所定の基準値を超えると、前記第2の開閉装置に対して、閉鎖状態を示す信号を出力し、(1−2)対向する前記第2の動作制御手段から、閉鎖状態を示す信号を受けると、制御対象である前記第1の開閉体の開動作の禁止状態を解除し、(2)前記第2の動作制御手段は、(2−1)閉動作時において、前記第2の開閉体の動作の限界となる全閉位置に至るよりも前の所定の限界前位置から、前記第2の開閉体を、その駆動用モータを止めて惰性で閉鎖動作させ、この惰性閉鎖動作による前記第2の開閉体の移動量を指示する所定の物理指標が、所定の基準値を超えると、前記第1の開閉装置に対して、閉鎖状態を示す信号を出力し、(2−2)対向する前記第1の動作制御手段から、限界前位置に到達したことを示す信号を受けると、制御対象である前記第2の開閉体の開動作の禁止状態を解除することを特徴とする。
【0016】
また、第2の発明では、供給される動作指示信号に応じて、基本的には、独立に開閉体を開閉動作させる開閉装置であって、連携する他の開閉装置が閉鎖状態であることを条件として開動作を行う開閉システムにおいて、(0)前記他の開閉装置との通信を実行する通信手段、及び、前記開閉体の動作を制御する動作制御手段を備え、(1)前記動作制御手段は、(1−1)閉動作時において、前記開閉体の動作の限界となる全閉位置に至るよりも前の所定の限界前位置に達すると、前記他の開閉装置に対して、限界前位置に到達したことを示す信号を出力し、かつ、前記所定の限界前位置から、前記開閉体を、その駆動用モータを止めて惰性で閉鎖動作させ、この惰性閉鎖動作による前記開閉体の移動量を指示する所定の物理指標が、所定の基準値を超えると、前記他の開閉装置に対して、閉鎖状態を示す信号を出力し、(1−2)前記他の開閉装置から、限界前位置に到達したことを示す信号を受けたときから、前記他の開閉装置から、閉鎖状態を示す信号を受けるまでの間、制御対象である前記開閉体の開動作を禁止することを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
(A)実施形態
以下、本発明にかかる開閉システム及び開閉装置を、2つのシートシャッターを持つ複合シャッターシステム(遠隔操作システム(リモコンシステム))に適用した場合を例に、実施形態について説明する。
【0018】
一般に当該遠隔操作システムには、有線リモコンシステム、前記無線リモコンシステム、およびこれらを混合した混合システムがある。
【0019】
ここで、有線リモコンシステムとは、シャッターシステムを構成要素として含むリモコンシステムであって、有線通信によってシャッター動作を行うものである。
【0020】
一般に、遠くから離れた不特定の位置からシャッター動作を行うことができ、使い勝手が良いという点では前記無線リモコンシステムが有利であり、通信の信頼性の点や、常に特定の位置でシャッター動作を指定したい場合などには、当該有線リモコンシステムが向いている。
【0021】
また、同じシャッターシステムを有線でも無線でも制御できると、融通性に富み、ユーザの都合によりどちらの方法を取ることも可能となる。したがって実際のリモコンシステムは、これら無線リモコンシステムと有線リモコンシステムの特徴を混合した混合システムとすることも少なくない。
ただし本実施形態では、説明を簡潔にするために、当該複合シャッターシステムは、異なるリモコン送信機を用いてシャッター動作を指示することのできる別個のリモコン受信機を備えた無線リモコンシステムであるものとする。
【0022】
(A−1)実施形態の構成
本実施形態の複合シャッターシステム10の全体構成例を図2に示す。
【0023】
図2において、当該複合シャッターシステム10は、後述するリモコン受信機11A,11Bと、リモコン送信機12A,12Bと、シートシャッター装置14A,14Bと、バッファ空間13、伝送路15とを備えている。
【0024】
このうちバッファ空間13は、壁面や床面および2つのシートシャッター装置14A,14Bのシャッターカーテン14AC、14BCで覆うことのできる緩衝用の空間である。図示の例では、バッファ空間13の形状は、直方体であるが、これは直方体に限定する必要はない。例えば、「L」字型に曲がっているために一方から他方が見通せない(例えば、ユーザU1側からユーザU2側のシャッター装置14Bのシャッターカーテン14BCが見通せない)形態を取ることも有り得る。
【0025】
このようなバッファ空間13を設ける目的には様々なものが有り得る。例えば、外気を遮断して、防塵、防虫、保冷、保温などの目的を達成する場合などが考えられる。ユーザU1が位置するSA側が(工場などの)内側であるとすると、反対にユーザU2が位置するSB側が(工場などの)外側となる。必要な防塵、防虫、保冷、保温などの精度が高い場合には、シートシャッター装置14A,14Bの替わりに、高い気密性を持つシャッターや、開閉扉などが使用され得る。
【0026】
シートシャッター装置14A,14Bは、鉄などの金属によって構成された多数のスラットを備えるスラットシャッターと異なり、塩化ビニールやポリエステルなどの合成樹脂や布クロスなど軽い素材によって構成されたシート状のカーテン14AC、14BCを主体とするシャッターである。当該シートシャッター装置14A,14Bでは、シャッターカーテンの素材が軽量であるから、シャッター装置14A,14Bの開閉動作の動力源となるトルクを供給するモータMA、MBの出力軸に作用し得る慣性モーメントが小さく、高速な開閉動作が容易に実現できる。一例として、当該モータMA、MBは、例えばACサーボモータであってよく、シートシャッター装置14Aに開動作(または閉動作)を行わせるとき、1秒間に3000回転程度の速度で回転するものであってよい。
【0027】
また、当該バッファ空間13の両端に配置されている2つのシャッター装置14A,14Bは、図示したシャッターカーテン14AC、14BCのほかに当該モータMA、MBなども含み、当該モータMA、MBの出力軸の回転に応じてシャッターカーテン14AC、14BCの開閉動作を行う部分である。
【0028】
このモータMA、MBの出力軸の回転は、リモコン受信機11A,11Bに内蔵されているモータ制御部64(図1参照)によってコントロールされる。
【0029】
シャッター装置14Aの開閉動作などを行うユーザU1は、携帯しているリモコン送信機12Aを操作することによって、所望のシャッター動作を行わせることができる。この動作には、シャッターカーテン14ACを巻き取ってカーテン下端部14ADを矢印D2方向に移動させる開動作、巻き取ったシャッターカーテン14ACを展開してカーテン下端部14ADを矢印D1方向に移動させる閉動作のほか、移動中の下端部14ADをその位置で停止させる停止動作なども含まれる。ユーザU2とそのリモコン送信機12B、およびシャッター装置14Bの関係も、これと同様である。
【0030】
ただし、シャッター装置14Aに対してシャッター動作を指示することのできるリモコン送信機は、リモコン送信機12Aに限る必要はなく、必要に応じて複数のリモコン送信機であってもかまわない。シャッター装置14Bとリモコン送信機12Bについても同様である。
【0031】
当該リモコン送信機12Aは、例えば、図3に示すような外観を備えている。リモコン送信機12Bの外観や大きさも、図3と同様であってよい。
【0032】
当該リモコン送信機12Aは、携帯性に富み、ユーザU1の手の平に収まる程度にコンパクトなパームサイズの無線送信機である。このようにコンパクトな本体12AD内にすべての機能を収容するため、当該リモコン送信機12Aの機能は極限まで節約する必要がある。
【0033】
図3において、リモコン送信機12Aの本体12ADはその上面から突出したPBS(プッシュ・ボタン・スイッチ)形式の3つの操作スイッチ51〜53を備えている。これら操作スイッチ51〜53は、所望の前記シャッター動作を行わせ得るシャッター操作スイッチである。
【0034】
本実施形態では、当該シャッター操作スイッチ51〜53のうち、シャッター操作スイッチ51は、シャッター14Aの開動作を行わせるための開動作スイッチで、シャッター操作スイッチ52はシャッター14Aの閉動作を行わせるための閉動作スイッチで、シャッター操作スイッチ53はシャッター14Aの開動作または閉動作を任意のタイミングで停止させるための停止スイッチであるものとする。
【0035】
ただし、押し下げる操作スイッチの組合せを替えたり、押し下げ方を変えることによって、さらに多様なシャッター動作を指示することも可能である。例えば、閉動作スイッチ52と停止スイッチ53を同時に短く(例えば3秒以内)押すことによって、所定の中間位置(中間停止位置)までの開動作および閉動作(すなわち中間停止動作)を指示できるように構成すること等も可能である。図2に示す前記矢印D1方向に限界までカーテン下端部14ADが移動した状態が完全閉鎖状態であり、反対に、矢印D2方向の限界まで移動した状態が完全開放状態であり、カーテン下端部14ADの位置がこの両者の中間にある場合が、当該中間位置である。
【0036】
また、必要に応じて、これらの操作スイッチ51〜53の操作を52,53以外の組合せにしたがって組み合わせることにより、もっと複雑な動作を行わせることも可能である。一例として、当該シャッター装置14Aのシャッターカーテン部分がスラットシャッターなどである場合には、換気動作(隣接するスラット間に設けられた開口の大きさを制御することによりシャッターの内外の空気が流通し得ない状態から流通し得る状態へ移行する動作)などが、当該複雑な動作に該当する。
【0037】
当該リモコン送信機12Aの内部構成例は図4に示す。もう一つのリモコン送信機12Bの内部構成もこれと同じであってよい。
【0038】
ただし、リモコン送信機12Aと12Bは必ずしも同じ製造業者の製品である必要はない。その一方で、リモコン送信機12Aとリモコン受信機11Aの機能は対応し、基本的に同じ製造業者の製品であることが必要であり、同様に、リモコン送信機12Bとリモコン受信機11Bの機能も対応し、基本的に同じ製造業者の製品であることが必要であるから、リモコン送信機12Aと12Bが異なる製造業者の製品である場合には、リモコン受信機11Aと11Bも異なる製造業者の製品であるのが普通である。
【0039】
(A−1−1)リモコン送信機の内部構成
図4において、リモコン送信機12Aは、無線送信部54と、送信処理部55と、プロセッサ56と、手順記憶部57と、操作検出部58と、操作応答部59とを備え、前記操作スイッチ51〜53は、当該操作検出部58に設けられている。
【0040】
このうち無線送信部54は、無線伝送路としての空間を介してリモコン受信機11Aの後述する無線受信部61に対向する部分で、送信処理部55から所定の信号線を介して受け取った送信信号WSに対応した無線信号WL1を無線送信する。そのために、当該無線送信部54は、送信用のアンテナシステムやフィルタ回路などを備えている。当該無線信号WL1は、周波数帯域が例えば、300MHzや400MHz程度で、送信電力が例えば1mW程度の微弱な電波であってよい。
【0041】
また、前記送信処理部55は符号化処理や変調処理などの必要な処理を実行する機能を備え、プロセッサ56から供給される送信処理信号RPに応じて、生成する送信信号WSの内容を変化させる。
【0042】
リモコン送信機12Aの場合、当該送信信号WSの内容は、例えば、指定するシャッター動作や、ID登録操作などの種類に応じて決定される有限個であるので、送信する情報の発生源(この発生源は、例えばROM(リードオンリーメモリ)などであってよい)も送信処理部55の内部に存在し、前記送信処理信号RPに応じて当該発生源のなかから1つの送信情報を選択して読み出す構成であってもよい。
【0043】
ここで、IDとは、使用する周波数帯域などが同じであるためにリモコン受信機11Aが混同する可能性のあるリモコン送信機(例えば、リモコン送信機12Bの使用周波数が12Aと同じであり、リモコン受信機11A、11B間の距離が十分に遠くなければ、当該リモコン送信機12Bがこれに該当し得る)を一義的に識別し、真に当該リモコン受信機11Aに対して無線送信することのできるユーザのリモコン送信機から送信された無線信号WL1だけに基づいて、シャッター14Aの動作等を行うために使用される識別子である。そのため、リモコン送信機12Aには無線送信するたびに無線信号WL1のなかに当該IDを収容する証明機構(図示せず)が必要であり、リモコン受信機11Aには当該IDを識別し、ユーザ認証(または端末認証)を行うための検証機構(図示せず)が必要である。
【0044】
なお、シートシャッターの場合、工場などの建物の内部で、ある部屋と別な部屋を仕切る壁などに配置されることも多く、スラットシャッターなどに比べ機械的に脆弱であるため、もともと防犯の機能などが弱い点を考慮すると、リモコン受信機11Aの受信範囲内に他のリモコン送信機(例えば、12B)が存在せず、真にユーザU1の意図したとおりのシャッター動作を行い得る環境では、当該証明機構や検証機構を省略しても差し障りは少ないものと考えられる。
【0045】
前記送信処理部55に送信処理信号RPを出力するプロセッサ56は、当該リモコン送信機12AのCPU(中央処理装置)である。
【0046】
機能が極限まで節約されたリモコン送信機12Aを操作するユーザU1にとって唯一の遠隔操作手段である上述した3つの操作スイッチ51〜53を設けた操作検出部58は、各操作スイッチ51〜53について、その押し下げストロークが所定の長さに達すると操作検出信号PB1、PB2を出力する部分である。
【0047】
操作検出信号PB1は押し下げを検出した操作スイッチに応じて異なる状態をとり、その操作手順は手順記憶部57に一時的に記憶される。
【0048】
手順記憶部57は一時記憶している手順がどのような操作または入力データを指定しているかを判定して、その判定結果である判定信号DSをプロセッサ56に供給する部分である。
【0049】
前記操作検出信号PB1が前記手順記憶部57に供給されるのと同時に操作応答部59に供給される操作検出信号PB2も、当該PB1と同様に、押し下げを検出した操作スイッチに応じて異なる状態をとるようにしてもよいが、本実施形態では、操作スイッチ51〜53を区別せず、同じ状態をとるものとする。
【0050】
当該操作検出信号PB2を受け取った操作応答部59は、ブザーなどの音響発生器であってよく、操作スイッチ51〜53の押し下げが有効に検出されたことをユーザU1に伝えるために応答出力RAを出力する部分である。本実施形態では、操作スイッチ51〜53を区別しないので、いずれかの操作スイッチが十分に押し下げられると、一定音程、一定音色のブザー音が応答出力RAとしてユーザU1に聴取されることになる。これにより、ユーザU1は、聴覚的にスイッチ操作の有効性を確認することができる。
【0051】
例えば、パーソナルコンピュータなどでキーボードを操作する場合など、リモコン送信機12Aに比べるとはるかに大規模で豊富なユーザインタフェースを備えた環境ならば、あるキーの押し下げがマシンに認識されたか否かはビットマップディスプレイなどの画面表示を目視すること等によって容易に確認可能であるが、高度な携帯性が求められるリモコン送信機12Aは、前述の機能の節約の観点から、機能が極限まで切りつめられるので、どのようにして小規模な構成で効率的にユーザの操作がマシン(ここではリモコン送信機12A)に認識されたか否かを確認するかは、重要になる。
【0052】
なおここでは、操作応答部59の応答出力RAを一定音程、一定音色のブザー音としたが、必要ならば、押し下げられた操作スイッチ51〜53または同時に押し下げられた操作スイッチの組合せに応じて音程や音色などを変化させるようにしてもよい。また、音響発生器による聴覚的な手段にかぎらず、LED(発光ダイオード)等の発光素子などを使用して、視覚的な手段で操作スイッチの操作が有効に検出されたことをユーザU1に伝えるようにしてもよく、視覚的な手段と聴覚的な手段を併用してもよい。
【0053】
図2の状態でユーザU1側に位置するシャッター装置14A、リモコン受信機11A、リモコン送信機11Aから構成されたシャッター操作システムと、ユーザU2側に位置するシャッター装置14B、リモコン受信機11B、リモコン送信機11Bから構成されたシャッター操作システムとは、本来、別個のシステムであるから、基本的にシャッター装置14AのほうはユーザU1がリモコン送信機11Aを用いて指示した通りのシャッター動作を行い、シャッター装置14BのほうはユーザU2がリモコン送信機11Bを用いて指示した通りのシャッター動作を行う。
【0054】
ただし本実施形態の場合、バッファ空間13を利用して外気を遮断することが目的であるから、シャッター装置14Aと14Bとが、同時に開動作を行うことは禁止しなければならない。
【0055】
この禁止は、リモコン受信機11Aと11B間の通信に基づいて行われる。
【0056】
当該リモコン受信機11A(、11B)のほうも、コンパクト性やコスト低減などの観点で、できるだけ機能を節約したほうが好ましいが、リモコン送信機12Aと異なり通常は固定的に配置されるものなので、機能の節約に対する要求水準はそれほど高くはない。したがって、リモコン受信機11A、11Bの機能の節約は、むしろコスト的な観点から求められる面が大きい。例えば、必要な処理能力の増大をもたらすリモコン受信機11A、11B間の双方向通信機能(ネゴシエーション機能等)などは、搭載しないほうが有利である。
【0057】
当該リモコン受信機11Aの内部構成例は、図1に示す通りである。リモコン受信機11Bの内部構成例も図1と同じであってよいが、ここでは、図1には主としてリモコン受信機11Aを示したものとして説明を進める。
【0058】
(A−1−2)リモコン受信機の内部構成
図1において、当該リモコン受信機11Aは、無線受信部61と、受信処理部62と、プロセッサ63と、モータ制御部64と、入力部65と、出力部66と、減速開始位置格納部67と、遅延時間格納部68と、比較部69と、タイマ70とを備えている。
【0059】
このうち無線受信部61は、受信用のアンテナシステムやフィルタ回路などを備え、リモコン送信機12Aから送信される無線信号WL1を、空間(前記無線伝送路)を介して受信する部分で、受信した無線信号に対応した受信信号WSを出力する。前記送信信号WSに対応した信号である当該受信信号WSは所定の信号線を介して受信処理部62に供給される。
【0060】
受信処理部62は、受け取った受信信号WSに対して復調処理、復号処理などの必要な処理を施して受信処理信号RPを生成し、出力する部分である。
【0061】
受信処理信号RPは、前記送信処理信号RPに対応した信号で、シャッターの開動作、閉動作または停止動作などのシャッター動作を指定するシャッター動作指定信号として機能し得るが、必要に応じて、当該リモコン送信機の製造、組み立てを行う工場から出荷されるときなどに当該リモコン送信機12Aに割り当てられた前記IDの登録を指示する信号としても機能する。
【0062】
モータ制御部64は、プロセッサ63から受け取る開閉制御信号CSに対応したモータ制御信号CCを前記モータMAに供給し、ユーザ(例えばU1)の望むシャッター動作を実現する部分である。したがって、当該モータMAに対する電力供給(正転、反転、供給停止など)は、当該モータ制御信号CCに応じて制御される。
【0063】
当該モータ制御部64はまた、エンコーダを内蔵し、モータMAの出力軸の回転量に応じて出力されるエンコーダパルスEPを出力する機能も備えている。エンコーダパルスEPはプロセッサ63に供給される。プロセッサ63では、当該エンコーダパルスEPの数をカウントすることによって、シャッターカーテン14ACの下端部14ADの位置(前記矢印D1,D2に沿った方向上の位置)を認識することができる。
【0064】
当該モータ制御部64は、必要に応じて、リモコン受信機11Aの一部としてではなく、リモコン受信機11Aの外部に設けるようにしてもよい。
【0065】
前記受信処理部62から受信処理信号RPを受け取るプロセッサ63は、当該リモコン受信機11AのCPUとして機能する部分である。当該プロセッサ63がエンコーダパルスEPを利用して前記下端部14ADの位置を認識する方法には、連続カウント方式と、不連続カウント方式がある。
【0066】
連続カウント方式は、前記エンコーダパルスEPの数をカウントする際、完全開放状態での停止、完全閉鎖状態での停止、中間位置での停止などが行われてもカウンタのカウント値を維持する方式であり、例えば、開動作を行っているときにはカウントアップし、閉動作を行っているときにはカウントダウンする。この方式によれば、カウント値と下端部14ADの位置はつねに1対1に対応し、任意の時点のカウント値は、その時点の下端部14ADの位置を示すことになる。
【0067】
これに対し不連続カウント方式は、完全開放状態での停止、完全閉鎖状態での停止、中間位置での停止などが行われるたびに、カウント値を初期値(例えば、0)にリセットする方式である。この方式においては、カウント値は1回の動作(例えば、開動作)における下端部14ADの相対的な移動距離を示すことになる。
【0068】
いずれの方式を用いることも可能であるが、本実施形態では、プロセッサ63は、連続カウント方式を用いるものとする。
【0069】
さらに当該プロセッサ63は、所定の伝送路を介して対向するリモコン受信機11Bから入力部65に送信されてくる他動作通知信号NT2を、信号N2として受け取る機能も備えている。
【0070】
当該プロセッサ63に信号N2を供給する入力部65は、対向するリモコン受信機11Bの出力部(図1の出力部66に相当する構成要素)と前記伝送路を介して接続されている。当該伝送路15には、無線伝送路を用いることも可能であるが、ここでは有線伝送路を使用するものとする。
【0071】
具体的には、当該有線伝送路15は、例えば、ツイストペアケーブル(より対線)や同軸ケーブルなどを用いて構成することができる。リモコン受信機11Aから11Bに向かう方向の信号伝送と、これとは反対にリモコン受信機11Bから11Aに向かう方向の信号伝送は、同一の信号線を用いて行ってもかまわないが、本実施形態では各方向に伝送される他動作通知信号NT2と後述する自動作通知信号NT1の衝突による通信品質の劣化を防止するために、別個の信号線を用いるものとする。
【0072】
ただし、本実施形態の場合、他動作通知信号NT2は、開動作を行うか否か等を示すもので、極めてわずかの情報量しか持たないからその時間幅は狭く、確率的にこのような衝突が発生することは極めて希であると考えられるので、同一の信号線を利用しても問題が生じることは実用上ほとんどない。
【0073】
プロセッサ63は入力部65から信号N2を受け取ると、N2の内容に応じて、他動作情報フラグ71に状態ES2の書き込みを行う。プロセッサ63はカーテン14ACの(完全閉鎖状態からの)開動作を行おうとするときは、必ずこの他動作情報符号ラブ71の状態ES2の内容を検査する。
【0074】
本実施形態の各リモコン受信機11A、11Bは、少なくとも双方のシャッター装置14Aと14Bがともに開放状態となることを防止できる程度には、相互に相手の動作状態を認識している必要がある。そのため、他動作通知信号NT2の状態には、最低限2通りの状態が必要であると考えられる。すなわち、現在シャッターカーテン14BCが完全閉鎖中であることを示す閉鎖状態と、完全閉鎖中ではない(例えば、中間停止中、完全開放中、移動中などを含む)ことを示す非閉鎖状態の2通りである。
【0075】
他動作通知信号NT2の状態が2通りであれば、1ビットで表示することができ、機能の節約のためにも有効である。2通りとする以上、非閉鎖状態の他動作通知信号NT2を受け取ったときには、次に閉鎖状態の他動作通知信号NT2を受け取るまで、相手のリモコン受信機(11Aにとっては11B)側のシャッター装置は開放状態にあるものとみなすことが必要になる。他動作通知信号NT2が2通りであれば、信号N2も2通りである。
【0076】
次に、出力部66は、すでに述べた相手のリモコン受信機11B側の出力部と同様な機能を持ち、前記他動作通知信号NT2に対応する自動作通知信号NT1を出力する部分である。他動作通知信号NT2が相手のリモコン受信機11B側のシャッターカーテン14BCの動作状態を示しているのに対し、当該自動作通知信号NT1はリモコン受信機11A側のシャッターカーテン14ACの動作状態を示している。したがって、当該自動作通知信号NT1およびその基礎となる信号N1の状態も、前記閉鎖状態と非閉鎖状態の2通りである。
【0077】
他動作情報フラグ71は当該リモコン受信機11Aからみて他方のリモコン受信機(すなわち、リモコン受信機11B)側の状態ES2を格納するフラグで、このフラグの状態ES2の書き換えは、受信した前記信号N2の内容に応じてプロセッサ63が行う。したがって、状態ES2は、前記閉鎖状態または非閉鎖状態のいずれかを示し、ES2が非閉鎖状態であるときには、プロセッサ63が開動作を指示する開閉制御信号CSを出力することはない。
【0078】
同様に、自動作情報フラグ72は当該リモコン受信機11A自身の側の状態ES1を格納するフラグで、このフラグの状態ES1の書き換えは、自身の動作状態にもとづいてプロセッサ63が行う。したがって、状態ES1も、前記状態ES2と同様、前記閉鎖状態または非閉鎖状態のいずれかを示すが、少なくも、状態ES1と状態ES2が同時に非閉鎖状態となることは、本実施形態の構成上、禁止される。
【0079】
例えば、前記プロセッサ63がシャッター装置14Aの開動作を指示する受信処理信号RP(無線信号WL1)を受け取った場合、他動作情報フラグ71の状態ES2が閉鎖状態であれば、当該出力部65に非閉鎖状態の自動作通知信号NT1を送信する信号N1を供給し、自動作情報フラグ72の状態ES1を非閉鎖状態に変更するとともに、モータ制御部64にシャッターカーテン14ACの開動作を実行させる開閉制御信号CSを供給することになるが、他動作情報フラグ71の状態ES2が非閉鎖状態であれば、当該出力部65に非閉鎖状態の自動作通知信号NT1を送信する信号N1を供給することはなく、自動作情報フラグ72の状態ES1は閉鎖状態に維持するとともに、モータ制御部64にシャッターカーテン14ACの開動作を実行させる開閉制御信号CSを供給することもない。
【0080】
プロセッサ63に接続されている減速開始位置格納部67は、減速開始位置DG1を示す減速開始位置情報を格納する部分である。減速開始位置DG1は、完全閉鎖時に下端部14ADが到達する床面FL1(図1,図5参照)よりも高い所定位置である。プロセッサ63は、前記連続カウント方式によるエンコーダパルスEPの数のカウントによって、下端部14ADが当該減速開始位置DG1に到達したことを認識すると、そのタイミングで、それまでモータMAに供給していた電力の供給を停止する。
【0081】
図5(A)および(B)では、下端部14ADが最上部に位置する完全開放状態ではエンコーダパルスEPの数に関する前記カウント値が0で、最下部に位置する完全閉鎖状態では前記カウント値が7000であることを示す。そして、当該減速開始位置DG1は、カウント値5000の中間位置である。完全閉鎖位置と減速開始位置DG1のあいだには、エンコーダパルスEPの数にして2000パルス分の距離があり、モータMAからの機械的エネルギーの供給を断たれたシャッターカーテン14ACは、この2000パルス分の距離を、ガイドレールGR(図2参照)との摩擦や、風圧などに抗しながら惰性で移動し、徐々に減速して、比較的弱い衝撃のもとで前記床面FL1に到達し停止することになる。
【0082】
遅延時間格納部68は、遅延時間TMDを示す情報を格納する部分である。遅延時間とは、閉鎖しつづけているシャッターカーテン14ACの下端部14ADが前記減速開始位置DG1に到達してから、ほぼ床面FL1に到達するまでに要する時間である。この遅延時間は減速開始位置DG1に到達したときの下端部14ADの移動速度(通常はほぼ一定速度)や、減速の加速度などに応じて変化するが、一例としては、減速開始位置DG1に到達した時点における下端部14ADの移動速度を1.2m/sとし、前記床面FL1から減速開始位置DG1までの高さを30cm程度とすると、0.3秒程度であってよい。
【0083】
この遅延時間TMDが経過したときに下端部14ADが完全に床面FL1に到達しているほうが、外気の遮断効果などを高めるには有利であるが、完全に床面FL1に到達していない場合でも、2つのシャッターカーテン14ADと14BCがともに完全閉鎖状態でない状況をユーザU1またはU2が目視し得ない程度に、下端部14ADが床面FL1に近い位置にあれば、インターロック機能の信用度を高めることは可能である。
【0084】
タイマ70は、プロセッサ63からの制御を受けて時間を計測する部分である。タイマ70は、例えば、一定の時間間隔で供給されるクロックパルスの数をカウントするカウンタによって構成することが可能である。プロセッサ63は、前記下端部14ADが減速開始位置DG1に到達したタイミングでタイマ70に時間の計測を開始させる。ひとたび時間の計測を開始すると、タイマ70が生成する計測時間TM1は、初期値(例えば、0)から単調に増進して行く。
【0085】
比較部69は、前記遅延時間格納部68から読み出した遅延時間TMDの値と、タイマ70が生成する計測時間TM1とを比較し、計測時間TM1が当該遅延時間TMDに達した時点で、到達信号LD1をプロセッサ63に供給する部分である。
【0086】
本実施形態の特徴は、前記下端部14ADが前記減速開始位置DG1に到達したときではなく、当該到達信号LD1を受信したときに、プロセッサ63が、シャッターカーテン14ACの前記閉鎖状態を認める点にある。
【0087】
したがってプロセッサ63は、当該到達信号LD1を受信したときに、自動作情報フラグES1の状態ES1を非閉鎖状態から閉鎖状態に書き換え、閉鎖状態を示す信号N1を送信して出力部66に閉鎖状態の自動作通知信号NT1を送信させる。この閉鎖状態の自動作通知信号NT1を受信することによって、リモコン受信機14B側では、それまで維持していた完全閉鎖状態から、開動作を行うことが可能になる。
【0088】
ただし、本実施形態の構成上、閉動作中のシャッターカーテン14ACが減速開始位置DG1を通過したあと、床面FL1に到達するまえに(一例としては、下端部14ADが図5(B)に示す位置にあるときに)、リモコン送信機12Aから開動作を指示する無線信号WL1が到来する可能性がある。その場合、プロセッサ63は、ただちにタイマ70の計測時間TM1を初期値にリセットし、モータ制御部64に開動作を指示する開閉制御信号CSを送信する。上述したようにシートシャッターは素材が軽量であるから、このようなケースでもただちに反転して、それまでの閉動作から開動作に転じることが可能である。
【0089】
この反転が行われたときには、前記到達信号LDがプロセッサ63に供給されることはないため、当然、閉鎖状態の自動作通知信号NT1が送信されることもない。
【0090】
なお、ここで用いた計測時間TM1は、その他の物理指標で置換することが可能である。
【0091】
例えば、下端部14ADの移動距離(この移動距離は前記連続カウント方式を利用してエンコーダパルスEPの数をもとに動的に算出することができる)そのものを計測してもよく、下端部14ADの移動速度を計測してもよい。減速開始位置DG1を通過したあと、下端部14ADが減速する点に着目すれば、下端部14ADの移動速度が所定値以下になったことをもって前記床面FL1に十分に近づいたことを認識することが可能である。
【0092】
本実施形態の効果を得るために、最も信頼できる優れた物理指標は、移動距離であるが、計測の容易さの点などでは、時間(TM1)のほうが好ましいといえる。速度の場合にはどのようにして速度を検出するかによって有利な点と不利な点が異なるが、速度を実測する場合、すなわち実際の移動距離に基づいて動的に速度を算出する場合は物理指標として前記移動距離を用いた場合に近く、速度変化を経過時間にしたがう静的なモデルで近似する場合には、物理指標として時間を用いた場合に近い。
【0093】
以上の構成要素のうち、フラグ71,72については、当該複合シャッターシステム10の運用時(電源供給時)にだけ機能すればよいので、通常のRAM(ランダムアクセスメモリ)を使用することができるが、減速開始位置格納部67および遅延時間格納部68については、電源が供給されないときにも記憶内容を維持して電源供給再開時に備える必要がある。このため、当該減速開始位置格納部67および遅延時間格納部68としては、ROM(リードオンリーメモリ)を使用するとよい。もしも記憶内容の書き換えが必要ならば、EEPROM(フラッシュメモリ:Electrical Erasable Programmable ROM)などの書き込み可能なROMを当該減速開始位置格納部67や遅延時間格納部68に使用することも好ましい。
【0094】
ただし、必要に応じて、磁気的記憶手段や、十分な電源バックアップ機構を備えたRAMなどで当該ROMを置換することが可能である。一般に、メモリ自体の価格は、EEPROMのほうがRAMよりも高価であるが、バックアップ用の電力消費などの点を考慮すると、運用コストはRAMのほうが高くなる可能性が高い。実際の実装にあたっては、これらの点を考慮して、有利なものを選定すればよい。
【0095】
以下、上記のような構成を有する本実施形態の動作について、図6を参照しながら説明する。
【0096】
図6のフローチャートは、S10〜S19の各ステップから構成されている。
【0097】
(A−2)実施形態の動作
複合シャッターシステム10を構成する2つのシャッター装置14Aと14Bに電源が投入されて、システム10の動作が開始され、閉動作を指示する無線信号WL1が前記リモコン送信機12Aからリモコン受信機11Aに送信されると(S10,S11)、リモコン受信機11Aはシャッターカーテン14ACの閉動作が可能か否かを検査する(S12)。
【0098】
すでに述べた説明では、開動作が行えないケースについては説明したが、閉動作が行えないケースについては説明していない。ステップS12がNo側に分岐し閉動作が行えないケースとしては、例えば、障害物感知センサ(図示せず)が、閉動作する下端部14ADの進行方向に障害物を感知したときがあげられる。このようなケースでは、障害物に下端部14ADが当接しないように、閉動作を中止する。
【0099】
障害物の感知などがなく、ステップS12がYes側に分岐してカーテン14ACの閉動作が実行されているあいだ(すなわち、閉動作のため、モータMAへの電力供給が行われるあいだ)、下限リミット入力の有無、すなわち下端部14ADが前記減速開始位置DG1へ到達したか否かが検査される(S14)。前記ステップS11の無線信号WL1が、例えば、下端部14ADが前記減速開始位置DG1よりも高い位置にあるときに完全閉鎖位置までの閉動作を指示したものである場合などには、その閉動作の過程で必ず下端部14ADが減速開始位置DG1を通過することになる。当該ステップS14は、その通過時点を検出するものである。
【0100】
下端部14ADが減速開始位置DG1を通過すると、ステップS14がYes側に分岐してプロセッサ63がモータMAの電力供給を停止するとともに前記タイマ70による時間計測を開始させる(S15)。どのようにしてプロセッサ63がモータMAへの電力供給を停止するかは、モータMAやモータ制御部64の機能仕様に依存するが、例えば、停止を指示する開閉制御信号CSをプロセッサ63から出力することで電力供給を停止することが可能である。
【0101】
タイマ70による計測時間TM1の値が、所定のX(ここでは、X=TMDとする)秒に到達すると、ステップS16がYes側に分岐して前記比較部69が前記到達信号LD1をプロセッサ63に供給するが、下端部14ADが減速開始位置DG1を通過してから遅延時間TMDが経過する前に開動作入力(開動作を指示する無線信号WL1のリモコン送信機12Aからの受信)が行われると、ステップS19がYes側に分岐して、処理は再び、前記ステップS11に戻る。この場合この時点でタイマ70による時間計測は停止されるため、前記到達信号LD1がプロセッサ63に供給されることはない。
【0102】
ステップS16がYes側に分岐して前記到達信号LD1を受け取ったプロセッサ63は、自動作情報フラグ72の状態ES1を非閉鎖状態から閉鎖状態に書き換え、閉鎖状態を示す信号N1を送信して出力部66に閉鎖状態の自動作通知信号NT1を送信させる。これによって、それまでリモコン受信機11Aだけが持っていた開動作を行う権限(開動作権)を、リモコン受信機11Bも持つことになる(S17)。
【0103】
この閉鎖状態の自動作通知信号NT1を受信することにより、リモコン受信機14B側では当該開動作権を得て、それまで維持していた完全閉鎖状態から、開動作を行うことが可能になる。実際に、シャッター装置14Bが開動作を行うか否かは、ユーザU2がリモコン送信機12Bを用いて開動作を指示するか否かに応じて決まるが、もしユーザU2が開動作を指示すれば、リモコン受信機11BはモータMBを制御してそれまで完全閉鎖状態を維持していたシャッターカーテン14BCを開動作させることになる。
【0104】
この開動作にともない、リモコン受信機11Bから11Aへ、前記非閉鎖状態の他動作通知信号NT2が供給され、プロセッサ63が他動作情報フラグ71の状態ES2を閉鎖状態から非閉鎖状態へ書き換えることで、開動作権は、リモコン受信機14Bだけが持つようになる。
【0105】
以降は、リモコン受信機14Bによって、図6に示すフローチャートにしたがった処理が行われ得る。
【0106】
(A−3)実施形態の効果
本実施形態によれば、前記減速開始位置(DG1)と遅延時間(TMD)の設定により、2つのシャッター装置(14A、14B)が、ともに、完全閉鎖状態でない状況が発生しないように保証することが可能であるため、外気の遮断効果等を高め、信頼性を高めることができる。
【0107】
また、本実施形態では、前記減速開始位置と遅延時間の設定により、2つのシャッター装置がともに完全閉鎖状態でない状況をユーザ(U1,U2)が目視しないようにすることが可能であるため、ユーザに安心感を与え、信用度を向上することができる。
【0108】
(B)他の実施形態
なお、上記実施形態では、無線信号WL1は周波数帯域が300MHzや400MHz程度で、送信電力が1mW程度の微弱な電波であったが、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。これよりも高い周波数や低い周波数の電波を使用してもよく、赤外線などを使用してもよい。また、送信電力もこれよりも大きくしてもよく、小さくしてもよい。
【0109】
また、上記実施形態では、連動関係として、シャッターの開閉に関する動作の連動関係を所定のものに保持する構成であったが、必要ならば、シャッターの開閉以外の動作に関する連動関係を保持するようにしてもよい。
【0110】
さらに、上記実施形態では、いずれか一方のシャッターが閉鎖状態であることが当該連動関係を保持するための条件であったが、このような条件は保持すべき連動関係の内容に応じて変化するものである。
【0111】
上記実施形態では、外気の遮断を目的とするため、2つのシャッター装置が同時に開放されることを防ぐ必要があったが、目的によっては、2つのシャッター装置が同時に閉鎖されることを防ぐ必要が生じることも考えられる。本発明はそのようなケースにも適用可能である。その場合、上記実施形態での説明における開放や開動作を閉鎖や閉動作に読み替えるとともに、閉鎖や閉動作を開放や開動作と読み替えること等が必要となる。
【0112】
さらに、前記開閉動作とは、開方向のみ、閉方向のみ、または開閉両方向の移動動作を意味する。また、「閉」は開口部が存在するような場合にはこれを閉鎖する方向への移動を意味する概念であり、繰り出し、スライド移動、展張等を含む開閉体の前進を意味し、「開」は開口部が存在するような場合にはこれを開放する方向への移動を意味する概念であり、巻取り、収縮、折り畳み等を含む開閉体の後退を意味する。
【0113】
また、上記実施形態では、自他の動作状態信号NT1、NT2の状態は、非閉鎖状態と閉鎖状態の2通りとしたが、これは3通り以上としてもよい。
【0114】
例えば、前記非閉鎖状態のなかでも、完全開放状態と、中間停止状態を区別するようにしてもよく、下端部(例えば、14AD)が停止中であるか移動中であるかを区別するようにしてもよい。
【0115】
なお、上記実施形態では閉動作する下端部(例えば、14AD)が減速開始位置DG1を通過しても遅延時間TMDが経過するまでは、閉鎖状態の自動作通知信号NT1を送信しなかったが、減速開始位置を通過すると直ちに閉鎖状態の自動作通知信号TN1を送信する構成としてもよい。これは、開動作権を持たないリモコン受信機(例えば、11B)が、開動作権の付与に関する予告を受けることに等しく、開動作権を独占しているリモコン受信機(ここでは、11A)側の動作状態をリモコン受信機11B側でも、ある程度認識することができる。
【0116】
ただしこの場合は、下端部14ADが減速開始位置DG1を通過してから遅延時間TMDが経過するまでに、開動作を指示する無線信号WL1がリモコン受信機14Aに受信されるケースに備え、リモコン受信機14B側でも、閉鎖状態の自動作通知信号TN1をリモコン受信機14Aから受け取った時点から、前記遅延時間TMDが経過するまでは、開動作を行わないようにする必要がある。
【0117】
また、リモコン受信機14A側では、下端部14ADが減速開始位置DG1を通過してから遅延時間TMDが経過するまでに開動作を指示する無線信号WL1がリモコン受信機14Aに受信されると、先に送信した閉鎖状態の自動作通知信号NT1を取り消す非閉鎖状態の自動作通知信号NT1をリモコン受信機11Bに送信する必要が生じる。
【0118】
なお、物理指標が時間である場合には、閉鎖状態の自動作通知信号NT1を受信したリモコン受信機14B側でも、経過時間が当該遅延時間TMDに達したか否かを容易に検査することが可能であるが、移動距離などである場合には、モータMAの出力軸の回転量を示すエンコーダパルスEPを、リモコン受信機11B側でも受信できるようにすること等が必要になり、シャッター装置14Aと14Bのあいだのケーブルの引き回しやリモコン受信機11A、11Bの機能などが複雑化する可能性がある。
【0119】
なお、上記実施形態で用いたのはシートシャッターであるため、下端部(14ADなど)の構造は単純である(例えば、必要に応じて、重りなどが内包されている程度)であるが、スラットシャッター等では、下端部に、床面FL1到達時の衝撃を緩和し、完全閉鎖状態でも下端部と床面が弾性的に接触するためのクッション機構などを持つものもある。本発明はこのような下端部を持つシャッターにも適用可能である。
【0120】
また、上記実施形態では、物理指標(計測時間TM1)が基準値(TMD)に達するまでは、下端部14ADが減速開始位置DG1を通過したあとでも開動作の指示を受け入れたが、下端部14ADが減速開始位置DG1を通過したあとは、その直後から、開動作指示を無視するようにしてもよい。
【0121】
さらに、下端部14ADに減速開始位置DG1を通過させた閉動作指示が完全閉鎖状態への移行を指示するものである場合などには、その閉動作が開始されると、下端部14ADが減速開始位置DG1に到達する前の時点で、入力される開動作指示を無視するようにしてもよい。
【0122】
また、前記物理指標に関する基準値を大きめに設定し、例えば、物理指標が時間である場合には、前記0.3秒で下端部14ADが床面FL1に到達するところを0.5秒程度に設定し、当該0.5秒が経過するまでは、開動作指示を無視するようにしてもよい。これにより、差の0.2秒程度の時間、開動作の優先権をそれまで完全閉鎖状態を維持してきたリモコン受信機(例えば、14B)に与えることができる。もちろん、当該0.2秒は、もっと長い時間であってもよい。
【0123】
さらに、上記実施形態では、シャッター装置は14Aと14Bの2つであったが、3つ以上のシャッター装置を含む複合シャッターシステムを構築することも可能である。
【0124】
また、上記実施形態では、リモコン送信機に搭載する機能をできるだけ少なくし、できるだけ多くの機能をリモコン受信機側に配分する構成を取ったが、必要ならば、リモコン受信機が搭載している機能の一部をリモコン送信機側に搭載する構成を採用することもできる。
【0125】
さらに、上記実施形態では、操作スイッチは、PBS形式のスイッチであるものとしたが、本発明は、PBS形式のスイッチに限って適用されるものではない。スライド式スイッチや回転式スイッチなどを使用してもよく、圧力や温度、静電気の変化などに反応する各種のスイッチを適用することもできる。
【0126】
なお、上記実施形態においては主として、シートシャッターについて本発明を適用したが、本発明はシートシャッター以外にも、ガレージ用シャッターや窓用シャッターなど各種のシャッターに適用することも可能である。
【0127】
さらに本発明は、シャッター用としてだけでなく、ドア、窓、オーバーヘッドドア、ロールスクリーン(例えば遮光幕)、ブラインド、オーニング装置などの他の開閉装置の混合システムにも適用することが可能である。
【0128】
また、以上の説明において、情報の流れる方向は、基本的にはリモコン送信機からリモコン受信機へ向かう単方向であったが、本発明の適用範囲はこのような単方向通信に限定されるものではない。
【0129】
すなわち当該リモコン送信機を送信専用の通信機器ではなく遠隔操作用の送受信機である操作送受信機に置換するとともに、当該リモコン受信機を受信専用の通信機器ではなく遠隔被操作用の送受信機である被操作送受信機に置換し、必要に応じて全二重通信や半二重通信が行えるようにしてもよい。
【0130】
このとき操作送受信機から被操作送受信機に向かう無線信号に含まれている信号は、前記シャッター動作などを指示する動作状態指示信号であってよく、反対に被操作送受信機から操作送受信機に向かう無線信号に含まれている信号は、シャッター動作などの現状を報告するための動作状態報告信号であってよい。
【0131】
当該動作状態報告信号は、その時点のシャッター動作状態が、例えば、「完全開放状態」、「完全閉鎖状態」、「中間停止状態(部分的に開放して停止している状態)」、「開動作中」、「閉動作中」、「異常発生」などであることを示す信号であってよい。
【0132】
この場合、当該動作状態報告信号を受け取ることによって、操作送受信機のユーザは、シャッター動作状態が例えば当該「閉動作中」であることを認識することができる。
【0133】
また、当該操作送受信機を携帯受信機に置換し、被操作送受信機を固定送信機に置換することもできる。この場合、情報の流れる方向は、固定送信機から携帯受信機に向かう単方向となる。常時このような単方向通信だけが行われるシステム構成であってもよく、通信方向モード切換に応じて必要な場合にのみ、このような単方向通信を行い得るシステム構成であってもよい。
【0134】
すなわち、前記操作送受信機と被操作送受信機において、通信方向モード切換に応じて必要な場合にのみ、このような単方向通信を行い得るようにしてもよい。
【0135】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、開閉システムおよび開閉装置の信頼性と信用度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る複合シャッターシステムのリモコン受信機の主要部の構成例を示す概略図である。
【図2】実施形態に係る複合シャッターシステムの全体構成例を示す概略図である。
【図3】実施形態に係るリモコン送信機の外観例を示す概略図である。
【図4】実施形態に係るリモコン送信機の主要部の構成を示す概略図である。
【図5】実施形態の動作説明図である。
【図6】実施形態の動作説明図である。
【符号の説明】
10…複合シャッターシステム、11A、11B…リモコン受信機、12A、12B…リモコン送信機、13…バッファ空間、14A、14B…シャッター装置、15…有線伝送路、57…手順記憶部、58…操作検出部、51〜53…操作スイッチ、56,63…プロセッサ、59…操作応答部、61…無線受信部、62…受信処理部、64…モータ制御部、65…入力部、66…出力部、67…減速開始位置格納部、68…遅延時間格納部、69…比較部、70…タイマ、71…他動作情報フラグ、72…自動作情報フラグ、NT1…自動作通知信号、NT2…他動作通知信号、TMD…遅延時間、DG1…減速開始位置、TM1…計測時間。
Claims (6)
- 供給される動作指示信号に応じて、基本的には、独立に第1の開閉体を開閉動作させる第1の開閉装置と、供給される動作指示信号に応じて、基本的には、独立に第2の開閉体を開閉動作させる第2の開閉装置とは、他方の開閉装置が閉鎖状態であることを条件として開動作を行う開閉システムにおいて、
前記第1の開閉装置が、前記第2の開閉装置との通信を実行する第1の通信手段、及び、前記第1の開閉体の動作を制御する第1の動作制御手段を備えると共に、前記第2の開閉装置が、前記第1の開閉装置との通信を実行する第2の通信手段、及び、前記第2の開閉体の動作を制御する第2の動作制御手段を備え、
前記第1の動作制御手段は、
閉動作時において、前記第1の開閉体の動作の限界となる全閉位置に至るよりも前の所定の限界前位置から、前記第1の開閉体を、その駆動用モータを止めて惰性で閉鎖動作させ、この惰性閉鎖動作による前記第1の開閉体の移動量を指示する所定の物理指標が、所定の基準値を超えると、前記第2の開閉装置に対して、閉鎖状態を示す信号を出力し、
対向する前記第2の動作制御手段から、閉鎖状態を示す信号を受けると、制御対象である前記第1の開閉体の開動作の禁止状態を解除し、
前記第2の動作制御手段は、
閉動作時において、前記第2の開閉体の動作の限界となる全閉位置に至るよりも前の所定の限界前位置から、前記第2の開閉体を、その駆動用モータを止めて惰性で閉鎖動作させ、この惰性閉鎖動作による前記第2の開閉体の移動量を指示する所定の物理指標が、所定の基準値を超えると、前記第1の開閉装置に対して、閉鎖状態を示す信号を出力し、
対向する前記第1の動作制御手段から、閉鎖状態を示す信号を受けると、制御対象である前記第2の開閉体の開動作を禁止状態を解除する
ことを特徴とする開閉システム。 - 請求項1の開閉システムにおいて、
前記第1の動作制御手段は、前記限界前位置から限界位置へ向かって、前記第1の開閉体が惰性閉鎖動作している途中で、開動作を指示する動作指示信号が供給されると、第1の開閉体に今までとは反対方向の開動作を行わせるように制御し、
前記第2の動作制御手段は、前記限界前位置から限界位置へ向かって、前記第2の開閉体が惰性閉鎖動作している途中で、開動作を指示する動作指示信号が供給されると、第2の開閉体に今までとは反対方向の開動作を行わせるように制御する
ことを特徴とする開閉システム。 - 請求項2の開閉システムにおいて、
前記第1の動作制御手段は、閉動作時において、前記第1の開閉体の動作の限界となる全閉位置に至るよりも前の所定の限界前位置に達すると、前記第2の開閉装置に対して、限界前位置に到達したことを示す閉鎖予告信号を出力すると共に、前記第1の開閉体が惰性閉鎖動作している途中で、開動作を指示する動作指示信号が供給されたときに、すでに送信した限界前位置に到達したことを示す閉鎖予告信号を取り消す取消通知信号を第2の開閉装置に送信し、
前記第2の動作制御手段は、閉動作時において、前記第2の開閉体の動作の限界となる全閉位置に至るよりも前の所定の限界前位置に達すると、前記第1の開閉装置に対して、限界前位置に到達したことを示す閉鎖予告信号を出力すると共に、前記第2の開閉体が惰性閉鎖動作している途中で、開動作を指示する動作指示信号が供給されたときに、すでに送信した限界前位置に到達したことを示す閉鎖予告信号を取り消す取消通知信号を第1の開閉装置に送信する
ことを特徴とする開閉システム。 - 請求項2または3の開閉システムにおいて、
前記第1の動作制御手段は、前記第1の開閉体が惰性閉鎖動作している途中で、開動作を指示する動作指示信号が供給されたときに、前記第1の開閉体の移動量を指示する所定の物理指標が、所定の基準値を超えるか否かの検査を中止し、
前記第2の動作制御手段は、前記第2の開閉体が惰性閉鎖動作している途中で、開動作を指示する動作指示信号が供給されたときに、前記第2の開閉体の移動量を指示する所定の物理指標が、所定の基準値を超えるか否かの検査を中止する
ことを特徴とする開閉システム。 - 請求項1〜4のいずれかの開閉システムにおいて、
前記第1若しくは第2の開閉体の移動量を指示する前記物理指標は、前記第1若しくは第2の開閉体が前記限界前位置に達した時点からの経過時間、前記第1若しくは第2の開閉体の移動距離、または、前記第1若しくは第2の開閉体の移動速度のいずれかであることを特徴とする開閉システム。 - 供給される動作指示信号に応じて、基本的には、独立に開閉体を開閉動作させる開閉装置であって、連携する他の開閉装置が閉鎖状態であることを条件として開動作を行う開閉システムにおいて、
前記他の開閉装置との通信を実行する通信手段、及び、前記開閉体の動作を制御する動作制御手段を備え、
前記動作制御手段は、
閉動作時において、前記開閉体の動作の限界となる全閉位置に至るよりも前の所定の限界前位置から、前記開閉体を、その駆動用モータを止めて惰性で閉鎖動作させ、この惰性閉鎖動作による前記開閉体の移動量を指示する所定の物理指標が、所定の基準値を超えると、前記他の開閉装置に対して、閉鎖状態を示す信号を出力し、
前記他の開閉装置から、限界前位置に到達したことを示す信号を受けると、制御対象である前記開閉体の開動作の禁止状態を解除する
ことを特徴とする開閉装置。
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