JP2004143713A - 建築用シャッターにおける制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】過負荷検知手段11は、100msec毎に更新される検知用電流変化値Aに基づいて、一枚のスラットが巻取りドラムから繰り出されるあいだ(700msecであって、七つの電流変化値データ)の電流値の増減変化の傾向を判断し、該変化傾向が連続して増加傾向であると判断することに基づいて過負荷検知をするように構成する。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の開口部等に設けられる建築用シャッターにおける制御装置の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種電動シャッター装置のなかには、電動モータを備えた開閉機に制御装置を設け、該制御装置の駆動制御に基づいてシャッターカーテンによる開口部の開閉作動がなされるように構成したものがある。このようなものにおいて、シャッターカーテンが障害物に当接したとき、シャッターカーテンが閉鎖して座板が床面に当接したとき、また、シャッターカーテンが開放して座板がまぐさに当接したとき等では、開閉機の駆動方向とは反対方向の力が作用するため、開閉機に大きな過負荷が生じる。そこで、開閉機の制御装置に過負荷検知手段を設け、このような過負荷を検知することに基づいて、障害物の検知、シャッターカーテンの全閉、全開の検知とし、これに基づいて開閉機の駆動停止をする制御を行うように構成したものが提唱されている。この場合に、開閉機の過負荷検知を行う手段の一つとして開閉機のトルク値を検出し、該トルク値が、予め設定される設定トルク値(基準トルク値であって閾値)を越えたことをもって過負荷検知とし、障害物検知、あるいは、全閉、全開の検知とすることが考えられる。しかるに、シャッターカーテンが全閉から全開に至るまでのあいだには、障害物に当接するようなことがなくてもトルク値に変動が生じている。例えば、シャッターカーテンを複数のスラットを用いて構成したような場合、一枚のスラットが巻取りドラムから巻出し、巻取りされるごとにトルク値の変化が生じるとともに、シャッターカーテンの閉鎖位置によっても巻出されているシャッターカーテンの荷重に基づいてトルク値の変化が生じている。このため、前記設定トルク値を予め設定する場合に、設定トルク値を小さくすると何もないのにシャッターカーテンが作動停止されてしまうような不具合が生じる惧れがある一方、設定トルク値を大きくすると障害物を検知できないようなことが生じる惧れがある。
そこで、開閉機の制御装置に、開閉機に作用するトルク値を検出するトルク検出手段と、該検出されたトルク値の所定時間毎のトルク変化値を算出するトルク変化値算出手段と、前記算出したトルク変化値に基づいて過負荷検知をするための過負荷検知手段とを備え、前記算出されたトルク変化値が、予め設定される設定トルク変化値よりも大きいと判断されたときに、開閉機を緊急停止するように制御する構成としたものが提唱されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−25980号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そして、前記従来のものでは、開閉機のトルク値を予め設定される設定トルク値と比較するのではなく、トルク値の変化の度合を比較する構成となるので、開閉位置に基づくトルク値の変化を過負荷検知とするような不具合を防止できるので、基準となる設定トルク値を小さくすることができ、これによって、検知感度が高くなって精度のよい過負荷検知が実施できる。
しかしながら、開閉機の電動モータとして直流モータ(DCモータ)を用いた場合、開閉機のトルク値の変化は開閉機の電流値の変化と一致しており、トルク値に変えて電流値に基づいて過負荷検知を行えることが知られているが、電動モータは、季節による温度変化等の環境変化があった場合に、発生電流値に変化が生じることがある。そして、例えば低温時では、一般に大きなトルクが必要となるため電流値が大きくなり、高温時では電流値が小さくなり、シャッターカーテンの開閉作動の過程におけるトルク変化値についても増減変化が生じる。因みに、図6は、環境温度を20℃、0℃、−10℃、−20℃と設定したときのシャッター装置開閉機の駆動時における電流値の変化状態を示すグラフ図であり、該グラフ図によると、環境温度が高いときほど電流値が小さく、各温度における電流値の変化幅(変化の度合)も小さくなっていることが確認される。
従って、このように温度変化がある環境下においては、高温のときと、低温のときとにおいて電流変化値の変化状態(変化幅)が異なっており、このため、設定電流変化値を大きく設定せざるをえず、このようにすると、過負荷検知の検知感度が低いものになってしまうという問題がある。これに対し、温度変化があっても高い検知感度を維持した状態で過負荷検知を行うためには、環境温度に合わせて設定電流変化値を変化させる必要がある。そして、このようにするためには、温度センサを設けて環境温度を測定し、該環境温度に対応した設定電流変化値を適宜選択、設定し、これに基づいて過負荷検知をするように制御することで対応できるが、このようにするとコスト的に高価になってしまうという問題があり、ここに本発明が解決しようとする課題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の如き実情に鑑み、これらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、シャッターカーテンの開閉作動をせしめる開閉機の制御装置に、開閉機に作用するトルク値を検出するトルク検出手段と、該検出されたトルク値の所定時間毎のトルク変化値を算出するトルク変化値算出手段と、前記算出したトルク変化値に基づいて過負荷検知をするための過負荷検知手段とを設けるにあたり、該過負荷検知手段は、前記トルク変化値に基づいてトルク値の増減変化の傾向を判断し、該変化傾向が予め設定される回数連続して増加傾向であると判断することに基づいて過負荷検知をするように設定されているものである。
そして、このようにすることにより、例えば環境温度等、設置環境によって開閉機のトルク値の変化の度合が変化するようなものにおいて、トルク変化値を基準として負荷検知するものでありながら、環境変化に影響されることなく安定した検知感度の高い過負荷検知ができる。
このものにおいて、本発明のシャッター装置は、複数枚のスラットを連綴して構成されたシャッターカーテンを、開口部上方に設けた巻取りドラムに巻装する構成とし、過負荷検知手段は、一枚のスラットが巻取りドラムから繰り出されるあいだに、少なくとも過負荷検知を判断するための回数のトルク変化値を測定するように構成したものとすることができ、このようにすることにより、検知感度の高い過負荷検知を、環境温度に影響されることなく実施することができる。
さらに、このものにおいて、本発明のトルク変化値の増加傾向の判断は、トルク変化値が予め設定される増加判断トルク変化値を越えることに基づいて増加傾向と判断するように設定されているものとすることができ、このようにすることによって、増加判断トルク変化値を変化させることで検知感度を高低変化させることができる。
また、このものにおいて、本発明の増加判断トルク変化値は、前回算出トルク値を下回る場合を含む設定ができるものとすることができ、このようにすることによって、増加傾向を判断する電流変化の過程で、僅かな電流低下については正常動作の範囲内であるとして処理することができて、より検知感度の高い過負荷検知をすることができる。
さらにまた、このものにおいて、本発明の過負荷検知手段には、過負荷検知手段には、前記変化傾向が予め設定される回数連続して増加傾向であると判断することに基づいて過負荷検知であると判断する第一判断手段に加えて、開閉機のトルク値が予め設定される設定トルク値を越えたとき過負荷検知と判断する第二判断手段と、所定時間に変化するトルク変化値が予め設定される設定トルク変化値を越えたとき過負荷検知と判断する第三判断手段とがさらに設けられ、これらのうち、少なくとも一つの判断手段に基づいて過負荷検知をするように構成されているものとすることができ、これによって、設置環境に適応した検知感度を備えたた過負荷検知をすることができる。
また、このものにおいて、本発明の開閉機は直流モータを備えて構成され、過負荷検知手段は、測定される電流値をトルク値として換算するように構成されているものとすることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図1〜図6の図面に基づいて説明する。
図面において、1は建築物の開口部に設けられた電動式シャッター装置のシャッターカーテンであって、該シャッターカーテン1は、開口部上方に配されたシャッターケース2に内装された巻取りドラム(図示せず)に巻装されている。前記巻取りドラムは、シャッターケース2に収納された開閉機3に連動連結されており、該開閉機3の正逆駆動に伴い巻取りドラムが回動し、シャッターカーテン1の巻出し、巻取りを行うように構成されている。これによって、シャッターカーテン1は、両側縁部が開口部両側に立設されたガイドレール4の移動案内を受ける状態で開口部を上下動し、開口部を閉鎖する全閉姿勢と、開口部を開放する全開姿勢とのあいだを姿勢変姿するように設定されている。
【0007】
5はガイドレール4の屋外側部位に配された操作スイッチであって、該操作スイッチ5には、開放用操作スイッチPBU、閉鎖用操作スイッチPBD、停止用操作スイッチPBSがそれぞれ設けられている。また、シャッターケース2内には、マイクロコンピュータで構成される制御部6aを備えた制御装置6が設けられており、該制御装置6は、開閉機3、操作スイッチ5等必要な部材に接続されている。そして、操作スイッチ5の開放用、閉鎖用、停止用の各操作スイッチPBU、PBD、PBSが押し操作された場合、対応する開放操作信号、閉鎖操作信号、停止操作信号の各信号が制御部6aに対して出力するように設定されている。
【0008】
前記制御部6aは、開放操作信号、閉鎖操作信号、停止操作信の各信号の入力に伴い、開閉機3に対して対応する駆動指令(開放駆動指令、閉鎖駆動指令、停止駆動指令)を出力し、これによって、開閉機3の駆動制御をしてシャッターカーテン1の開閉作動がなされるように設定されるが、本実施の形態における開閉機3は、直流モータ(DCモータ)を備えて構成されている。そして、制御部6aには、開閉機3に作用する負荷の状態を数値的に監視するための手段の一つとして、モータを駆動させるべく配線されるモータ駆動回路の電流値を検出する電流検出手段9が設けられており、所定時間(本実施の形態では100msec(ミリ秒))毎に検知用電流値Aを検出するように設定されている。
【0009】
一方、制御部6aには電流変化値算出手段10が設けられており、電流検出手段9により所定時間毎に検出される検知用電流値Aを順次更新する一方で、今回検出された検知用電流値Aから、前回検出された検知用電流値A’を差し引いた電流値(A−A’)、即ち、100msec(予め設定される時間)における電流変化値ΔAを算出し、該電流変化値ΔAを順次更新するように設定されている。
さらに、制御部6aには、過負荷検知手段11が設けられており、前記電流変化値算出手段10により算出、更新される検知用電流値Aおよび電流変化値ΔAに基づいて開閉機3の過負荷状態を判断し、過負荷状態と判断された場合では緊急停止信号の出力をするように設定されており、外勤急停止信号の出力に基づいて、制御部6aは開閉機3に対して緊急停止指令を出力し、シャッターカーテン1を緊急停止制御するように設定されている。
【0010】
ところで、本実施の形態において、シャッターカーテン1は複数のスラット1aを連綴することで構成されている。そして、シャッターカーテン1が開閉作動をする過程における電流値の変化は、図9に示されるように、一枚のスラット1aが巻取りドラムから巻出し、巻取りされる毎に電流値が増減するような電流値の変化があり、全体としてはシャッターカーテン1の作動開始時から次第に電流値が小さくなり、作動終了時に近付くに従い再び大きくなるような変化をしている。そして、シャッターカーテン1が全閉姿勢となることに伴い、電流値は大きく増加しており、その増加傾向は同じような傾向を示している。
このことから、過負荷検知手段11が過負荷状態であることを判断するための第一判断手段11aとしては、スラット1a一枚が巻取りドラムから繰り出されるのに必要な移動時間を基準とし、該移動時間における変化傾向を監視し、該変化傾向が連続して増加傾向(上昇傾向)になっていて、減少傾向することがないことを判断し、これを過負荷が検知された(過負荷検知状態であって、何らかの異状があった)と判断するように設定されている。
【0011】
つまり、スラット1a一枚あたりの巻取りドラムからの移動時間は、本実施の形態では、凡そ600〜700msec未満となっている。これによって、第一判断手段11aは、図3に示すパターン図のように、100msec毎に更新される検知用電流値Aが七回連続して増加している状態を、電流値が連続して増加傾向にあり、過負荷検知状態であると判断するように設定されている。そして、この場合に、電流値の増加傾向は、検知用電流値Aから算出される電流変化値ΔAに基づいて判断され、第一判断手段11aでは、電流変化値ΔAが予め設定される判断基準値である増加判断電流変化値A1を上回る(越える)数値(ΔA>A1)となる状態が連続して七回生じたか否かを判断し、七回連続したと判断された場合に、過負荷検知状態であると判断するように設定されている。ここで、増加判断電流変化値A1は、数値を小さくするほど検知感度の高い過負荷検知が行えるものである。
尚、増加判断電流変化値A1としては、前回検知用電流値A’よりも今回検知用電流値Aの方が大きいことが増加傾向の基準であり、正の数を設定することもできるが、100msec毎の電流変化値ΔAに基づいて700msec間における増加傾向を判断する構成であるので、今回算出された検知用電流値Aが前回算出された検知用電流値A’を僅かに下回る状態については正常動作の範囲内であるとして処理するべく、負の数値として設定することも可能である。そして、このように負の数値として設定することにより、より誤作動の少ない検知精度の高い過負荷検知とすることができる。
【0012】
さらに、過負荷検知手段11が過負荷状態を判断する判断手段としては、第二判断手段11bが設けられている。該第二判断手段11bは、電流変化値算出手段10により随時更新される検知用電流値Aが、判断基準値である予め設定される設定電流値A2を上回るか否かを判断し、上回ると判断された場合、これを過負荷検知状態であると判断するように設定されている。
また、過負荷検知手段11が過負荷状態を判断する判断手段として第三判断手段11cが設けられており、該第三判断手段11cは、電流変化値算出手段10により、予め設定される時間(スラット1a一枚分が巻取りドラムから巻出されるのに必要な時間であって、本実施の形態では700msec)のあいだにおける電流変化値ΔTが、判断基準値である予め設定される設定電流変化値A3を上回るか否かを判断し、上回ると判断された場合、これを過負荷検知状態であると判断するように設定されている。
【0013】
尚、過負荷検知手段11の第一、第二、第三判断手段11a、11b、11cの各判断基準値である増加判断電流変化値A1、設定電流値A2、設定電流変化値A3は、それぞれ複数の数値を設定することができ、これらの設定値のなかから選択できるように構成することもできる。因みに、本実施の形態では図4に示すように、小さな電流変化(過負荷)で緊急停止する過負荷検知の検知感度が高い第一段階から、大きい電流変化(過負荷)で緊急停止する過負荷検知の検知感度が低い第八段階までの都合八段階に設定されており、高段階ほど大きい電流値(数値)に設定されている。尚、判断基準値の選択は、制御部6aに設けた検知感度選択手段12により、前記八段階の判断基準値のなかからシャッター装置の設置環境やシャッターカーテン1の作動状態にあわせたものを適宜選択することができるように設定されている。
【0014】
さらに、制御部6aには過負荷検知判断選択手段13が設けられており、過負荷検知手段11の第一、第二、第三判断手段11a、11b、11cのうち、何れか一つの判断手段、または、二つ、あるいは三つの判断手段を選択することができるように設定されており、これによって、過負荷検知手段11は、選択された判断手段に基づいて過負荷検知状態を判断し、該選択された判断手段が何れも過負荷検知状態であると判断された場合に、緊急停止信号を出力するように設定されている。
そして、本実施の形態では、開放作動の過程では第二判断手段11bが選択され、判断基準値である設定電流値A2としては第八段階が選択されている。これによって、開放作動では、検知感度の低い過負荷検知として強風に煽られても停止しないように設定されている。具体的に説明すると、過負荷検知手段11は、電流変化値算出手段10により随時更新される検知用電流値Aがfアンペア(A)を上回ると判断された場合に、過負荷検知状態であるとして緊急停止信号を出力するように設定されている。
【0015】
これに対し、本実施の形態における閉鎖作動の過程では、第一判断手段11aと第三判断手段11cの二つの判断手段が選択され、第一判断手段11aの判断基準値となる増加判断電流変化値A1、および、第三判断手段11cの判断基準値となる設定電流変化値A3は、第八段階よりも検知感度のよい、例えば第四段階(A1=aアンペア、A3=iアンペア)が選択されている。そして、この場合では、電流変化値算出手段10により随時更新される電流変化値ΔAに基づいて、両判断手段11a、11cが共に過負荷状態であると判断された場合に、緊急停止信号を出力するように設定されている。
【0016】
これは、スラット1a一枚毎の移動に対して変化する電流値が小さいようなシャッター装置において、第一判断手段11aの判断基準値を負の数として過負荷検知を行おうとした場合、通常動作であるのに過負荷状態と判断する誤作動を発生してしまう可能性があり、そこで、本実施の形態では、第一判断手段11aに加えて第三判断手段11cに基づく過負荷状態についても判断し、両判断手段11a、11cがともに過負荷検知と判断されることに基づいて、過負荷検知であるとして緊急停止信号を出力するようにしている。これによって、スラット1a一枚分の巻出し時間に相当する所定時間(700msec)のあいだ、電流値が連続して増加傾向にあり、かつ、電流変化値ΔTの変化が判断基準値よりも大きいことに基づいて過負荷検知がなされることになり、スラット1a一枚毎の移動における電流変化の小さいものについても、高い検知感度で、しかも、高精度で確実な過負荷検知を行えるようにして、誤作動のないシャッター装置となるように構成されている。
【0017】
つぎに、過負荷検知手段11の過負荷判断手段として第一、第三判断手段11a、11cを用いたときの過負荷検知手段11における制御手順を図5のフローチャート図に基づいて説明する。
つまり、過負荷検知手段11は、検知用電流値Aが更新されることに伴い、前回検知用電流値A’とのあいだの変化値(A−A’)を計算して電流変化値ΔAを算出し、該電流変化値ΔAを前回のものから更新する。そして、過負荷検知手段11は、電流変化値ΔAが、判断基準値となる増加判断電流変化値A1(本実施の形態ではaアンペア)を上回るか否かを判断する。そして、更新された電流変化値ΔAが増加判断電流変化値A1を上回ると判断された場合では、増加傾向にあると判断して増加傾向回数をカウンターにより加算(増加傾向回数1を加算)するとともに、電流変化値ΔAを積算カウンターにより積算する。続いて、過負荷検知手段11は、増加傾向回数が七回になっているかを判断し、七回に達していないと判断された場合では、つぎに更新される検知用電流値Aを待機して前述の手順に戻る。一方、増加傾向回数が七回に達した場合では、電流変化値ΔAの積算値である変化値ΔTが設定電流変化値A3(iアンペア)を上回っているか否かを判断し、上回っていると判断された場合に、緊急停止信号を出力した後、増加傾向回数のカウンターをリセットするとともに、電流変化値ΔAの積算カウンターをリセットし、つぎに更新される検知用電流値Aを待機して、前述した手順に戻るように設定されている。
【0018】
これに対し、検知用電流値Aが増加判断電流変化値A1を上回っていない場合、また、電流変化値ΔAの積算値である変化値ΔTが設定電流値A3を上回っていない場合は、増加傾向回数のカウンターをリセットするとともに、電流変化値ΔAの積算カウンターをリセットし、つぎに、更新される検知用電流値Aを待機するように設定されている。
このように、制御部6aは、選択された第一、第二、第三判断手段11a、11b、11cの何れかまたは何れかの組合せに基づいて、選択された判断基準値を基準として過負荷状態を検知をし、過負荷検知状態であると判断されることに基づいて緊急停止信号の出力をするように設定されている。
【0019】
叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、シャッターカーテン1を開閉作動せしめる開閉機3は、制御部6aからの駆動指令に基づいて開閉駆動制御されることになるが、この場合に、制御部6aは過負荷検知手段11に基づいて開閉機3の制御を行うので、障害物を検知することの他に、シャッターカーテン1の上限、下限を検知することができ、上下限を検知するための手段を不要にできる。この場合に、過負荷検知手段11は、従来のもののように単に電流の変化値を基準として過負荷検知するのではなく、複数の電流変化値ΔAに基づいて所定時間における電流値の変化傾向を判断し、変化傾向が連続して増加傾向であると判断されることに基づいて過負荷検知としている。これによって、例えばシャッター装置の環境温度が大きく変化するような場合に、季節によって、開閉機3の電流値の変化状態が変って電流変化値ΔAが異なってくるような場合であっても、検知感度を低下させることがなく、しかも、制御部に温度センサ等を用いることなく、誤作動のない安定した、かつ、検知感度の高い過負荷検知をすることができて、低コスト、高品質のシャッター装置を提供できる。
【0020】
しかもこの場合に、変化傾向を判断する所定時間としては、スラット1a一枚分の巻取りドラムからの巻出し(巻取り)時間以上に相当するあいだを設定し、このあいだに相当する時間内に、開閉機3の検知用電流値Aが減少傾向とならない、即ち増加傾向が連続する状態であることを、電流変化値ΔAに基づいて判断して過負荷検知としている。このため、過負荷状態であることの検知が素早くなされ、より速やかな検知とすることができる。
【0021】
また、本発明が実施されたものでは、増加傾向の判断基準値として0および負の数値を設定した場合では、大きな電流変化のあいだに正常動作の範囲内において生じる電流低下については、これを増加傾向と見做すことができ、より誤作動の少ない精度の高い過負荷検知を実現することができる。
【0022】
さらに、本実施の形態では、電流変化値ΔAの増加傾向を判断する第一判断手段11aの他に、スラット1a一枚の巻出し時間に相当する所定時間における変化値ΔTが予め設定された設定電流変化値A3を上回ることで過負荷検知とする第三判断手段11cが設けられており、シャッターカーテン1の閉鎖作動の過程では、第一、第三判断手段11a、11cとの両者が過負荷検知をしたことに基づいて緊急停止信号を出力するようにしている。このため、第一判断手段11aが、負の数に設定された増加判断電流変化値A1を基準として、スラット1a一枚分の巻出し時間のあいだに僅かな電流の減少がある状態を増加傾向と判断して過負荷検知がなされたとしても、該スラット1a一枚分の巻出し時間のあいだに、電流の変化値ΔTが設定電流変化値A3を上回ることがなければ、第三判断手段11cはこれを過負荷検知状態と判断することはなく、この結果、検知感度の高いものでありながら、誤作動が少なく、検知精度の優れた過負荷検知とすることができる。
【0023】
そのうえ、このものでは、第一、第二、第三の各判断手段11a、11b、11cは、それぞれ設置環境に合わせて適宜選択的が可能であり、これら各判断手段11a、11b、11cによる過負荷検知の判断において、判断基準となる増加判断電流変化値A1、設定電流値A2、設定電流変化値A3はそれぞれ複数段階のなかから選択することができるので、過負荷検知の検知感度を自由に設定することもでき、さらなる検知感度の向上、検知精度の向上を果すことができて、信頼性の高いシャッター装置を構成できる。
【0024】
尚、本発明は前記実施の形態に限定されないことは勿論であって、開閉機の電流値を検知するのではなく、開閉機のトルク値を数値的に表現できるものであれば何れの手段であってもよく、例えば、開閉機の回転数に基づく数値等とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)、(B)はそれぞれシャッター装置の概略正面図、概略側面図である。
【図2】制御装置を説明するブロック図である。
【図3】第一判断手段を説明する電流値変化状態を説明するパターン図である。
【図4】第一、第二、第三判断手段に対する判断基準値を示す表図である
【図5】過負荷検知手段に基づく緊急停止信号出力手順を説明するフローチャート図である。
【図6】環境温度を20℃、0℃、−10℃、−20℃と設定したときのシャッター装置開閉機の電流値の変化状態を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1 シャッターカーテン
2 シャッターケース
3 開閉機
5 操作スイッチ
6 制御装置
6a 制御部
7 遠隔操作スイッチ
9 電流検出手段
10 電流変化値算出手段
11 過負荷検知手段
11a 第一判断手段
11b 第二判断手段
11c 第三判断手段
12 検知感度選択手段
13 過負荷検知判断選択手段
Claims (6)
- シャッターカーテンの開閉作動をせしめる開閉機の制御装置に、開閉機に作用するトルク値を検出するトルク検出手段と、該検出されたトルク値の所定時間毎のトルク変化値を算出するトルク変化値算出手段と、前記算出したトルク変化値に基づいて過負荷検知をするための過負荷検知手段とを設けるにあたり、該過負荷検知手段は、前記トルク変化値に基づいてトルク値の増減変化の傾向を判断し、該変化傾向が予め設定される回数連続して増加傾向であると判断することに基づいて過負荷検知をするように設定されている建築用シャッターにおける制御装置。
- 請求項1において、シャッター装置は、複数枚のスラットを連綴して構成されたシャッターカーテンを、開口部上方に設けた巻取りドラムに巻装する構成とし、過負荷検知手段は、一枚のスラットが巻取りドラムから繰り出されるあいだに、少なくとも過負荷検知を判断するための回数のトルク変化値を測定するように構成した建築用シャッターにおける制御装置。
- 請求項1または2において、トルク変化値の増加傾向の判断は、トルク変化値が予め設定される増加判断トルク変化値を越えることに基づいて増加傾向と判断するように設定されている建築用シャッターにおける制御装置。
- 請求項3において、増加判断トルク変化値は、前回算出トルク値を下回る場合を含む設定ができる建築用シャッターにおける制御装置。
- 請求項1乃至4において、過負荷検知手段には、前記変化傾向が予め設定される回数連続して増加傾向であると判断することに基づいて過負荷検知であると判断する第一判断手段に加えて、開閉機のトルク値が予め設定される設定トルク値を越えたとき過負荷検知と判断する第二判断手段と、所定時間に変化するトルク変化値が予め設定される設定トルク変化値を越えたとき過負荷検知と判断する第三判断手段とがさらに設けられ、これらのうち、少なくとも一つの判断手段に基づいて過負荷検知をするように構成されている建築用シャッターにおける制御装置。
- 請求項1乃至5において、開閉機は直流モータを備えて構成され、過負荷検知手段は、測定される電流値をトルク値として換算するように構成されている建築用シャッターにおける制御装置。
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JP2002307019A Pending JP2004143713A (ja) | 2002-10-22 | 2002-10-22 | 建築用シャッターにおける制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004143713A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008180011A (ja) * | 2007-01-25 | 2008-08-07 | Bunka Shutter Co Ltd | 開閉装置 |
JP2009041187A (ja) * | 2007-08-06 | 2009-02-26 | Sanwa Shutter Corp | 開閉制御装置 |
JP2011214292A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Lixil Corp | 電動開口部材の挟込検出装置 |
-
2002
- 2002-10-22 JP JP2002307019A patent/JP2004143713A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008180011A (ja) * | 2007-01-25 | 2008-08-07 | Bunka Shutter Co Ltd | 開閉装置 |
JP2009041187A (ja) * | 2007-08-06 | 2009-02-26 | Sanwa Shutter Corp | 開閉制御装置 |
JP2011214292A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Lixil Corp | 電動開口部材の挟込検出装置 |
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