JP5305527B2 - 建築用電動開閉装置 - Google Patents
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Description
そこで、開閉機を構成する電動モータに、該電動モータの回転数を検知する回転検知手段を設けて、電源を投入して開閉機による初回の通常の開閉作動における回転数を検知し、該検知値に基づいて予め基準値を設定して記憶し、二回目以降の電動モータ(開閉機)の駆動時に開閉機の回転数を検知(監視)し、該検知値を前記基準値と比較し、検知値が基準値より小さくなる変化があった場合に、これを過負荷検知、即ち、障害物検知とすることが提唱されている。さらにこのものにおいて、シャッターカーテンの二回目以降の通常開閉作動時において、検知された回転数に基づいて設定される基準値が記憶されている基準値に対して変化した場合に、該変化した基準値を新たな基準値として記憶するように構成された補正機能(基準値補正手段)を設けて、電動シャッターの各部材構成の経時的な変化により発生する電動モータの回転数の変化に対応して過負荷検知ができるようにしたものが提唱されている。
一方、電動モータは、供給される電源の周波数や電圧に正比例した回転数となるものであり、供給される電源の周波数や電圧が変化した場合では電動モータの回転数も変化する。このため、前記特許文献1のように、シャッターカーテンの開閉作動時の回転数を検知して、予め設定される基準値と比較して開閉作動における過負荷を検知する構成としたものを、電源の周波数が不安定になりやすい環境、例えば、自家発電装置に切換わる可能性のある設置環境等に設置した場合では、周波数に基づく電動モータの回転数の変化に対し、記憶されている基準値が前記周波数変化に対応することができず、障害物がないにもかかわらず過負荷検知がなされるような惧れが想定され、このままのものを自家発電装置を具備する環境等、周波数が不安定になる可能性のある環境下に設置するのは好ましくないという問題があり、ここに本発明の解決すべき課題がある。
請求項2の発明において、周波数変化対応手段は、電動モータ起動時に実行され、開閉体の開閉作動後に、検知された周波数を周波数記憶手段に記憶するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の建築用電動開閉装置である。
請求項3の発明において、周波数変化対応手段は、開閉体の開閉作動後に、演算された基準値を基準値記憶手段に記憶するように構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の建築用電動開閉装置である。
請求項4の発明において、周波数変化対応手段は、電源投入時に実行され、検知された周波数を周波数記憶手段に記憶するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の建築用電動開閉装置である。
請求項5の発明において、周波数変化対応手段は、電動モータの起動中に適間隔を存して実行されるものとし、起動当初は短間隔で、それ以降は長間隔で実行されるように構成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の建築用電動開閉装置である。
請求項2、3の発明とすることにより、さらに高い精度の負荷検知をすることができて、信頼性のさらなる向上を図れる。
請求項4の発明とすることにより、過負荷検知による誤作動の防止を図ることができて、信頼性が向上する。
請求項5の発明とすることにより、殊更コスト高になることなく、高い検知精度のシャッター装置とすることができる。
図面において、1は建築物の開口部に設けられる建築用開閉装置としての電動シャッターのシャッターカーテンであって、該シャッターカーテン1は上端部が開口部上方に設けられたシャッターケース2に回転自在に軸承された巻取りドラム3に連結されている。前記巻取りドラム3は、電動モータ4aを備えて構成される開閉機4に連動連結されており、開閉機4の駆動に伴う巻取りドラム3の正逆回転により、シャッターカーテン1の巻取りドラム3からの巻取り、巻出しがなされ、これによって、シャッターカーテン1が開口部の両側に設けられたガイドレール5に沿って開閉作動して開口部を閉鎖する全閉姿勢と開口部を開放する全開姿勢とに変姿するように構成されており、これらの基本構成は従来通りとなっている。
また、制御部7には、シャッター制御盤に設けられる警報ブザー9が接続されている。
さらに、制御部7には本発明が実施された周波数変化対応手段が設けられており、電動シャッターに電源が投入されることに伴い、電源周波数検知手段により周波数を検知し、該検知された周波数(検知周波数)と、周波数記憶手段に記憶される周波数(記憶周波数)との変化値が、予め設定される設定値Fを越えた(|記憶周波数−検知周波数|≧F)か否かを判断し、変化値が設定値F以上であると判断された場合に、周波数記憶手段の記憶周波数を検知された周波数に更新(検知された周波数を周波数記憶手段に記憶)するとともに、前記検知された周波数に対応する新たな基準値を、基準値記憶手段に記憶される基準値(記憶基準値)と周波数の変化率による式、
記憶基準値×検知周波数/記憶周波数
に基づいて演算し、電源投入後のシャッターカーテン1の開閉作動において、前記演算された新規の基準値と回転検知手段からの回転数との比較に基づいてシャッターカーテン1の過負荷を検知するように構成されている。
因みに、前記周波数変化対応手段が電動シャッターの設置時に実施された場合では、比較する記憶周波数の設定がなく、検知された周波数に対応して演算された基準値に基づいて過負荷検知手段を実行する状態でシャッターカーテン1の運転を行い、この運転時において、回転検知手段6により実際に検知される電動モータ4aの回転数に基づいて基準値記憶手段に基準値を記憶するように構成されており、これによって、シャッター設置時に設置環境に応じて発生する負荷を考慮した基準値が基準値記憶手段に記憶されるように構成されている。
また、過負荷検知手段を実行するにあたり、基準値はシャッターカーテン1が通常に開閉作動するときの回転数に所定の係数を乗じることにより設定されており、前記係数は、設置環境等に基づいて適宜設定することができるように構成されている。
因みに、周波数変化対応手段により新たな基準値が設定された状態でシャッターカーテン1の開閉作動がなされた場合では、該新規基準値で過負荷検知制御を実行し、過負荷の検知がなされることなく通常のシャッターカーテン1の開閉作動がなされると、該開閉作動終了後に基準値補正手段により設定される新たな基準値が基準値記憶手段に記憶されるように構成されている。
電動シャッターに電源投入がなされてシステムがスタートすると、制御部7は、電源周波数検知手段により周波数を検知し、続いて、制御部7は前記検知された周波数(検知周波数)と周波数記憶手段に記憶されている周波数(記憶周波数)との変化値が予め設定されている設定値F以上であるか否かを判断する。そして、変化値が設定値Fよりも小さく周波数の変化がないと判断された場合では、制御部7は通常の開閉駆動制御を行なうように構成されている。
前記通常の開閉駆動制御において、制御部7は、操作スイッチ8の開放、閉鎖操作スイッチPBU、PBDの選択的な押し操作に基づいて、電動モータ4a(開閉機4)に対応する開閉駆動指令を出力してシャッターカーテン1を開閉作動させ、該シャッターカーテン1の開閉作動の過程で、制御部7に停止操作スイッチPBSの操作による停止操作信号や、ポテンショメータPMにより検知されるデータに基づいて上、下限検知信号が入力されると、シャッターカーテン1を停止させる開閉駆動制御を実施するように構成されている。
さらにこの駆動制御の過程において、制御部7は、回転検知手段から検知される回転数Rと基準値記憶手段に記憶されている記憶基準値とを比較する過負荷検知手段を行なうように構成されており、回転数Rが記憶基準値を下回る場合にシャッターカーテン1に過負荷が作用していると判断して、シャッターカーテン1を緊急停止する等のシャッターカーテン1の開閉作動に対応した過負荷検知制御を行うように構成されている。そして、過負荷検知がなされることなく、シャッターカーテン1の通常の開閉作動がなされた後には、後述する基準値補正手段により、開閉作動時の回転数に基づいて設定される検知基準値と記憶基準値が異なる場合に、検知基準値を基準値記憶手段に記憶して、電動シャッターの経時的変化に対応した過負荷検知ができるように構成されている。
そして、過負荷検知がなされることなく、シャッターカーテン1の通常の開閉作動がなされた後には、後述する基準値補正手段により、開閉作動時の回転数に基づいて設定される検知基準値と記憶基準値が異なる場合に、検知基準値を基準値記憶手段に記憶するように構成されている。
まず、第一の実施の形態において生じる問題点について説明する。
前述したように、自家発電装置は切換え当初については不安定な周波数の電源を供給するが、ある程度の時間が経過すると安定な周波数の電源となることが知られている。このため、自家発電装置に切換えられたときに周波数変化対応手段が直ちに実行されて周波数記憶手段に前記切換え時の周波数が記憶された状態に対し、すぐにシャッターカーテンを開閉作動させるのではなく、周波数が安定して商用電源と同じ周波数の電源を供給する状態となってからシャッターカーテンを開閉作動させることがある。
このような条件下において、周波数変化対応手段の実行時の周波数が商用電源の周波数より大きい場合では、周波数安定時(商用電源と同様の周波数となった時)に開閉作動がなされると、検知される電動モータの回転数が前記周波数変化対応手段において演算された基準値より下回ることがあり、このとき、障害物がないにもかかわらず負荷検知制御がなされるという問題(誤作動)が生じる。
さらには、前記条件下において、周波数変化対応手段の実行時の周波数が商用電源の周波数より小さい場合、周波数安定時(商用電源と同様の周波数となった時)に開閉作動がなされても過負荷検知されることなく通常の開閉作動がなされることになり、この場合では、基準値補正手段による基準値の補正がなされて前記開閉作動時の基準値が基準値記憶手段に記憶されるが、該記憶された基準値は自家発電装置の周波数安定時の周波数であって、商用電源の周波数と同様の周波数に基づくものである一方、周波数記憶手段に記憶されている周波数は自家発電装置に切換え当初の周波数となっており、記憶されている周波数と、記憶されている基準値を演算する周波数とが対応していない。このため、自家発電装置からの電源供給状態が停止して商用電源の電源投入がなされて、周波数変化対応手段が実行されると、周波数の変化があることから基準値記憶手段に記憶されている基準値に基づいて新たな基準値が演算されることになって、新規基準値が検知周波数に対応しないものに設定されて、誤作動を発生する原因となるという問題が生じる。
つまり、電源投入がなされてシステムがスタートすると、制御部7は、操作スイッチ8の開放、閉鎖操作スイッチPBU、PBDの選択的な押し操作がなされた場合、シャッターカーテンの対応する開閉駆動制御を行なうが、開放、閉鎖の何れかの操作信号の入力に伴い、制御部7は、周波数変化対応手段を実行するように構成されている。そして、電源周波数検知手段により周波数を検知し、検知周波数と記憶周波数との変化値が設定値Fよりも小さいと判断された場合では、過負荷検知を伴う通常の開閉駆動制御を行なうが、このときの過負荷検知では、検知される回転数Rと基準値記憶手段に記憶されている記憶基準値とを比較するように構成されている。そして、シャッターカーテンの開閉作動が終了したとき、基準値補正手段により基準値の変化があることに基づいて基準値の補正を行うとともに、検知周波数を周波数記憶手段に記憶するように構成されている。
このように、このものでは、基準値(回転数)に経時的な変化があった場合では基準値補正手段に基づいて補正され、かつ、設定値Fを越える周波数変化があった場合では、周波数変化対応手段に基づいて基準値が演算されることになって、電動モータの経時変化が吸収され、さらに、周波数変化が吸収された状態において過負荷検知手段を行なうことができて、誤作動の一層の防止が図れてさらなる信頼性の向上を図ることができる。
2 シャッターケース
4 開閉機
4a 電動モータ
6 回転検知手段
7 制御部
8 操作スイッチ
Claims (5)
- 開口部に設けた開閉体を開閉駆動する開閉機に、開閉機を構成する電動モータの回転数を検知する回転検知手段を設けるとともに、開閉機の制御部に、回転検知手段からの回転数と基準値記憶手段に記憶される基準値との比較に基づいて開閉体への過負荷を検知する過負荷検知手段と、前記基準値記憶手段に記憶される基準値を、開閉体の開閉作動時における回転検知手段の回転数に基づいて補正する基準値補正手段とを設けてなる建築用電動開閉装置において、前記制御部に、供給電源の周波数を検知する周波数検知手段と、周波数を記憶する周波数記憶手段とを設けるとともに、周波数検知手段により検知された周波数と周波数記憶手段に記憶される周波数との変化値が、予め設定される設定値を越えたと判断した場合に、周波数の変化率に対応して基準値を演算し、開閉体の開閉作動時に前記演算された基準値と回転検知手段からの回転数との比較に基づいて開閉体の過負荷を検知する周波数変化対応手段を設けたことを特徴とする建築用電動開閉装置。
- 周波数変化対応手段は、電動モータ起動時に実行され、開閉体の開閉作動後に、検知された周波数を周波数記憶手段に記憶するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の建築用電動開閉装置。
- 周波数変化対応手段は、開閉体の開閉作動後に、演算された基準値を基準値記憶手段に記憶するように構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の建築用電動開閉装置。
- 周波数変化対応手段は、電源投入時に実行され、検知された周波数を周波数記憶手段に記憶するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の建築用電動開閉装置。
- 周波数変化対応手段は、電動モータの起動中に適間隔を存して実行されるものとし、起動当初は短間隔で、それ以降は長間隔で実行されるように構成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の建築用電動開閉装置。
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