JP5095303B2 - 開閉装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、このような開閉装置によれば、例えば、開閉体の表面に雪等の異物が付着し、巻取軸に巻かれた開閉体の巻径が大きくなってしまうと、開閉体を全開位置から全閉位置にするための前記回転量が、当初予定していた値よりも小さくなるため、前記全閉判断用閾値によって全閉位置を判断し閉鎖動作を停止した場合には、開閉体に対し上下方向の過剰な圧縮力が作用し、開閉体がダブついたり、故障や破損等の原因となったり等するおそれがある。
更なる形態としては、双方向へ回転可能な巻取体と、該巻取体により巻き取られたり繰り出されたりすることで、全開位置と全閉位置との間を開閉動作する開閉体と、開放動作中の前記開閉体を全開位置で停止する手段と、前記巻取体の回転量を検出する回転量検出手段と、該回転量検出手段により検出される開閉体全開位置からの回転量を、前記開閉体の開閉方向の位置を示す開閉体位置変数として記憶する手段と、前記開閉体が全開位置から全閉位置になるまでの前記回転量を示す値であって、予め設定された設定ストローク値を記憶する手段と、前記開閉体が全閉位置から全開位置になるまでの前記開閉体位置変数の変化量を検出し、この変化量を実測ストローク値として記憶する手段とを備え、前記設定ストローク値と前記実測ストローク値との差が、予め設定された範囲外であれば前記実測ストローク値を全閉判断用閾値とし、前記範囲内であれば前記設定ストローク値を全閉判断用閾値とし、前記開閉体の閉鎖動作中に前記開閉体位置変数が前記全閉判断用閾値となったことを条件に、前記開閉体が全閉位置になったと判断するようにした。
また、本明細書中において「開閉体幅方向」とは、開閉体の開閉方向と略直交する方向であって、上記開閉体の厚さ方向ではない方向を意味する。
また、本明細書中において「開閉体開閉方向」とは、開閉体が空間を仕切ったり開放したりするためにスライドする方向を意味する。
閉鎖動作中の開閉体が全閉位置になったことを判断するための全閉判断用閾値を、全開位置から全開位置までの実動作量に応じて補正するようにしているため、全閉位置の判断を精度よく行うことができ、ひいては、全閉時に開閉体が着座対象部位に押圧されてダブついてしまうようなことを防ぐことができる。
以下の開閉装置の一例は、住宅やビル、倉庫、工場、地下街、トンネル、車両の荷台等の躯体の開口部分や内部に配設され、前記開口部分を開閉したり、躯体内部の空間を仕切ったり開放したりするシャッター装置として説明する。
なお、この収納部31は、図示例によれば巻取軸32や駆動装置35等の内部構造を隠蔽する略箱状に形成されているが、他例としては、前記内部構造を露出したタイプとすることも可能である。
この付勢手段32cの付勢力は、駆動装置35の回転力が巻取体32bに作用していない時に、開閉体10を開閉途中で停止させることが可能となるように適宜に設定されている。
このエンコーダ装置36から出力されるパルス信号の数は、後述する制御部38によってカウントされ、そのカウント値は、開閉体10の開閉方向の位置を示す開閉体位置変数として図示しない記憶装置に記憶される。
より詳細に説明すれば、例えば、開閉体10が閉鎖動作した際に、前記開閉体位置変数に対しエンコーダ装置36のパルス信号の数(パルス数)が加算され、開閉体10が開放動作した際には、同開閉体位置変数に対しエンコーダ装置36のパルス数が減算される。
すなわち、開閉体10が閉鎖動作すれば、その閉鎖動作量に応じて開閉体位置変数が増加し、開閉体10が開放動作すれば、その開放動作量に応じて開閉体位置変数が減少する。
なお、前記とは逆に、開閉体10の閉鎖動作に伴って開閉体位置変数が減少し、開閉体10の開放動作に伴って開閉体位置変数が増加する構成とすることも可能である。
より具体的に説明すれば、負荷検出部37は、駆動装置35の負荷値を、電流値もしくは電圧値として検出する装置であり、その負荷値の大きさに応じた電気信号を制御部38へ出力する。
すなわち、駆動装置35が一般的な直流モータである場合には、その負荷による電流値の変化量と負荷トルクとは、略比例的な相関関係を有する。したがって、この場合は、駆動装置35の電流値の変化量を検出することで、駆動装置35の負荷値を間接的に検知することができる。
また、駆動装置35が一般的な交流モータである場合には、その負荷による回転速度の変化量と負荷トルクとが比例的な相関関係を有する。したがって、この場合には、駆動装置35の回転速度の変化量を検出することで、駆動装置35の負荷値を間接的に検知することができる。
先ず、図2のフローチャートによれば、ステップ1aでは、図示しない操作部(操作BOXや、リモコン、操作信号を発するコンピュータ、携帯端末等)から開閉体10を閉鎖動作させるための閉鎖信号があったか否かを判断し、閉鎖信号があった場合には次のステップ2aで開閉体10の閉鎖動作を開始し、そうでなければステップ1bへ処理を移行する。
前記全閉位置設定操作とは、閉鎖動作中の開閉体10の閉鎖方向端部(具体的には座板部材12)が着座対象部位pに当接した際に操作者によって手動で行われる操作であり、例えば、停止スイッチのみが押される操作や、停止スイッチと他のスイッチ(開放スイッチや閉鎖スイッチ等)が同時に押される操作等とすればよい。
また、他例としては、開閉体10が自動停止した後に、あるいは開閉体10を適当な操作者が停止スイッチ等によって停止させた後に、操作者が別途所定の操作を行うことによってその位置を全閉位置と認識するようにすることも可能である。
前記実測ストローク値の測定とは、開閉体10が全閉位置(上記ステップ5で停止した位置)から全開位置(後述するステップ10で停止する位置)になるまでについて、開閉体位置変数の変化量を測定することを意味する。より具体的に説明すれば、開閉体10の全閉位置での開閉体位置変数と、開閉体10の全開位置での開閉体位置変数との差を、前記実測ストローク値とすればよい。
なお、前記全開判断用閾値は、開閉体10の閉鎖方向端部における座板部材12の開閉体厚さ方向の縁部分が、収納部31のまぐさ部(図示せず)に当接して、駆動装置35の負荷値が急上昇した際に、その負荷値の急上昇があったことを判断するための閾値であり、予め実験的または設計的に設定されている。
なお、図示例以外の態様として、上記ステップ11から上記ステップ1aへ処理が戻る際に、閉鎖動作信号を自動的に発生させるようにしてもよく、この態様によれば、上記ステップ11の後、上記ステップ1a,2a,3a,20の順に処理が進み、通常の閉鎖動作が行われる。そして、最終的に、開閉体10を全閉状態にして、制御動作を完了させることができる。
すなわち、例えば、上述した図2に示すフローチャートにおいて、電源投入後の所定時間中に閉鎖動作信号がなかった場合には、上記ステップ3移行が実行されることなく、上記ステップ20の通常動作フロー(図3に示すフロー)が実行されるため、実測ストローク値の測定および記憶等が行われていない状態となる。
ステップ22aでは、このような状態を、図示しない記憶装置内の所定領域に実測ストローク値が記憶されているか否かによって判断する。
ここで、設定ストローク値とは、開閉体10が全開位置から全閉位置になるまでにおける駆動装置35の出力軸の回転量を示す値であり、この値に対し、開閉体10が全開位置から全閉位置になるまでの開閉体位置変数の変化量を対応させるようにしてある。
この設定ストローク値は、予め実験的または設計的に設定された値であり、図示しない記憶装置の所定領域に記憶してある。
また、ステップ24bでは、全閉判断用閾値として設定ストローク値が入力され記憶される。
この全閉判断用閾値とは、開閉体10が全閉位置になった際の開閉体位置変数を示す値である。
また、実測ストローク値が記憶されていない場合、または記憶されている実測ストローク値が設定ストローク値と同等またはそれ以上である場合には、設定ストローク値を用いて開閉体10の全閉位置が判断され、その判断に基づき該開閉体10の閉鎖動作が停止する。
そして、次のステップ23cでは、開閉体10の開放動作を停止して、通常動作フローを終了する。
なお、前記ステップ22cで用いられる全開判断用閾値は、上記ステップ9(図2参照)で用いた全開判断用閾値と同一の値とすればよい。
また、例えば、開閉体10の表面に雪等の異物が付着し、巻取体32bに巻かれた開閉体10の外径が大きくなった場合には、図2のステップ2以降を実行して実測ストローク値を更新し、その後に図3の通常動作フローを実行すればよく、この操作によれば、図4(b)に示すように、上記全閉判断用閾値として設定ストローク値よりも小さい実測ストローク値が用いられて(ステップ23a〜24a参照)、開閉体10の閉鎖動作を停止する。
したがって、開閉体10を精度よく全閉位置で停止させることができ、ひいては、開閉体10が着座後も巻取体32bから繰り出されてダブつくようなことを防ぐことができる。
図5のフローチャートは、図3のフローチャートにおけるステップ23aをステップ23a’に置換したものであり、他の処理については同様であるため重複説明を省略する。
更に、同フローチャートによれば、例えば、経年変化に起因する収納部31のまぐさ部分や、スラット11a、座板部材12の変形等により、開閉体10を全閉位置から全開位置まで開放動作させた場合の実測ストローク値が設定ストローク値よりも大きくなった場合(図6(b)参照)には、図2のステップ2以降を実行して実測ストローク値を更新し、その後に図5の通常動作フローを実行すればよく、この操作により、設定ストローク値と実測ストローク値の差の絶対値が上記閾値よりも大きいことを条件に、上記全閉判断用閾値として設定ストローク値よりも大きい実測ストローク値が用いられ(ステップ23a’〜24a参照)、開閉体10の閉鎖動作を停止する。
よって、開閉体10を精度よく全閉位置で停止させることができ、ひいては、全閉時の開閉体10と着座対象部位pとの間に隙間が生じるようなことを防ぐことができる。
より詳細に説明すれば、通常動作中、開閉体10が全閉位置から全開位置まで開放動作した際の開閉体位置変数の変化量を積算し、その積算値を実測ストローク値として記憶し、該実測ストローク値を、開閉体10が全開位置から全開位置まで開放動作する毎に更新するようにしてもよい。
この態様によれば、雪等の異物の付着や、まぐさの変形等に起因して実測ストローク値と設定ストローク値との差が大きくなった場合に、図2に示す初期設定動作をやり直すことなく、通常動作の中で実測ストロークを設定することができ、ひいては、開閉体10を一層精度よく全閉位置で停止させることができる。
30:巻取装置 32:巻取軸
32a:軸体 32b:巻取体
35:駆動装置 36:エンコーダ装置
37:負荷検出部 38:制御部
p:着座対象部位
Claims (5)
- 双方向へ回転可能な巻取体と、
前記巻取体を双方向へ回転させる駆動装置と、
前記駆動装置の負荷値を検出する負荷検出部と、
前記巻取体により巻き取られたり繰り出されたりすることで、全開位置と全閉位置との間を開閉動作する開閉体と、
開放動作中の前記開閉体を全開位置で停止する手段と、
前記巻取体の回転量を検出する回転量検出手段と、
該回転量検出手段により検出される開閉体全開位置からの回転量を、前記開閉体の開閉方向の位置を示す開閉体位置変数として記憶する手段と、
前記開閉体が全開位置から全閉位置になるまでの前記回転量を示す値であって、予め設定された設定ストローク値を記憶する手段と、
前記開閉体が全閉位置から全開位置になるまでの前記開閉体位置変数の変化量を検出し、この変化量を実測ストローク値として記憶する手段とを備えた開閉装置であって、
前記開閉体の閉鎖動作中に初期設定動作を行うか通常動作を行うかを判断し、
初期設定動作を行った場合には、前記開閉体の閉鎖動作中に所定の全閉位置設定操作があることを条件に、前記閉鎖動作を停止後、前記開閉体の開放動作を開始するとともに、実測ストローク値の測定を開始し、前記負荷検出部により検出される負荷値が全開判断用閾値を超えたことを条件に、前記開放動作を停止してその時点の実測ストローク値を記憶し、
通常動作を行った場合には、前記開閉体が閉鎖動作中であるか開放動作中であるかを判断し、前記開閉体が閉鎖動作中であれば、前記設定ストローク値と前記実測ストローク値とを比較して、これらの内の小さい方の値を全閉判断用閾値とし、前記開閉体位置変数が前記全閉判断用閾値となったことを条件に、前記開閉体が全閉位置になったと判断して、前記閉鎖動作を停止し、前記開閉体が開放動作中であれば、前記負荷検出部により検出される負荷値が全開判断用閾値を超えたことを条件に、前記開放動作を停止することを特徴とする開閉装置。 - 双方向へ回転可能な巻取体と、
前記巻取体を双方向へ回転させる駆動装置と、
前記駆動装置の負荷値を検出する負荷検出部と、
前記巻取体により巻き取られたり繰り出されたりすることで、全開位置と全閉位置との間を開閉動作する開閉体と、
開放動作中の前記開閉体を全開位置で停止する手段と、
前記巻取体の回転量を検出する回転量検出手段と、
該回転量検出手段により検出される開閉体全開位置からの回転量を、前記開閉体の開閉方向の位置を示す開閉体位置変数として記憶する手段と、
前記開閉体が全開位置から全閉位置になるまでの前記回転量を示す値であって、予め設定された設定ストローク値を記憶する手段と、
前記開閉体が全閉位置から全開位置になるまでの前記開閉体位置変数の変化量を検出し、この変化量を実測ストローク値として記憶する手段とを備えた開閉装置であって、
前記開閉体の閉鎖動作中に初期設定動作を行うか通常動作を行うかを判断し、
初期設定動作を行った場合には、前記開閉体の閉鎖動作中に所定の全閉位置設定操作があることを条件に、前記閉鎖動作を停止し、その後、前記開閉体の開放動作を開始するとともに、実測ストローク値の測定を開始し、前記負荷検出部により検出される負荷値が全開判断用閾値を超えたことを条件に、前記開放動作を停止してその時点の実測ストローク値を記憶し、
通常動作を行った場合には、前記開閉体が閉鎖動作中であるか開放動作中であるかを判断し、前記開閉体が閉鎖動作中であれば、前記設定ストローク値と前記実測ストローク値との差が、予め設定された範囲外であれば前記実測ストローク値を全閉判断用閾値とし、前記範囲内であれば前記設定ストローク値を全閉判断用閾値とし、前記開閉体位置変数が前記全閉判断用閾値となったことを条件に、前記開閉体が全閉位置になったと判断して、前記閉鎖動作を停止し、前記開閉体が開放動作中であれば、前記負荷検出部により検出される負荷値が全開判断用閾値を超えたことを条件に、前記開放動作を停止することを特徴とする開閉装置。 - 前記全閉位置設定操作は、操作者によって手動で行われる操作であることを特徴とする請求項1又は2記載の開閉装置。
- 前記初期設定動作における前記開閉体の開放動作の開始と実測ストローク値の測定の開始は、前記初期設定動作における前記閉鎖動作の停止後に、所定時間経過した直後であることを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載の開閉装置。
- 前記開閉体の閉鎖動作中に初期設定動作を行うか通常動作を行うかの判断は、電源投入後の所定時間内に閉鎖動作信号があるか否かの判断であり、閉鎖動作信号がある場合には前記開閉体の閉鎖動作を開始した直後に初期設定動作を行い、閉鎖動作信号がない場合には前記開閉体の開放動作を開始した直後に通常動作行うことを特徴とする請求項1乃至4何れか1項記載の開閉装置。
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