JP4864452B2 - 建築用電動シャッターにおける制御装置 - Google Patents
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Description
これに対し、シャッターカーテンと障害物とが当接した場合、シャッターカーテンは閉鎖することができなくなり開閉機への負荷が変化するという現象に着目し、制御部に過負荷検知手段を設けて開閉機の駆動状態を監視し、開閉機(駆動部)に作用する負荷が正常作動時とは異なる状態(過負荷状態)となることを障害物検知とするように構成することが提唱される。ところが、このようにしたものにおいて、電動シャッターの使用の過程で、例えばガイドレールに変形が生じたような場合では、シャッターカーテンが前記変形部分を擦ることにより過負荷検知をすることが想定される。このようになると、従来の制御部では、シャッターカーテンと障害物との当接ではないにもかかわらず、障害物と当接した場合と同じように、シャッターカーテンを緊急停止して所定の異常停止制御をすることになり、シャッターカーテンが全閉状態にならないという問題がある。
請求項2の発明は、異常停止制御に伴うシャッターカーテンの開放作動は、少なくとも開閉機の回転が安定するのに必要な時間よりも長くなされるように構成されている請求項1に記載の建築用電動シャッターにおける制御装置である。
請求項3の発明は、強制閉鎖手段による強制閉鎖後は、過負荷検知がなされないことを条件にシャッターカーテンの閉鎖作動が継続するように構成されている請求項1または2に記載の建築用電動シャッターにおける制御装置である。
請求項4の発明は、強制書き換え手段は、強制閉鎖後にシャッターカーテンが全閉姿勢になることに伴い、負荷値を書き換えるように構成されている請求項1乃至3の何れか一向に記載の建築用電動シャッターにおける制御装置である。
請求項5の発明は、強制書き換え手段は、強制閉鎖時の閉鎖開始から開閉機の回転が安定した後における作動区画の負荷値を書き換えるように構成されている請求項2乃至4の何れか一項に記載の建築用電動シャッターにおける制御装置である。
請求項6の発明は、特殊操作は、シャッターカーテンを閉鎖作動するための操作具の閉鎖用操作スイッチの連続操作である請求項1乃至5の何れか一項に記載の建築用電動シャッターにおける制御装置である。
請求項7の発明は、メモリに記憶されるメモリ負荷値は、前回の駆動時に検知された負荷値であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の建築用電動シャッターにおける制御装置である。
請求項8の発明は、強制閉鎖手段に基づく強制閉鎖作動の時間は、過負荷検知した作動区画を越える部位での閉鎖作動の時間が、シャッターカーテンと、該シャッターカーテンを移動案内するガイドレールとが損傷しない時間となるように設定されている請求項1乃至7の何れか一項に記載の建築用電動シャッターにおける制御装置である。
請求項2の発明とすることにより、安定した開閉機の回転状態で過負荷検知された作動区画を強制閉鎖できる。
請求項3の発明とすることにより、操作性の優れた電動シャッターとすることができる。
請求項4、5の発明とすることにより、信頼性の高い過負荷検知とすることができる。
請求項6の発明とすることにより、操作性の一層優れた電動シャッターとすることができる。
請求項7の発明とすることにより、確実、かつ、信頼性の高い過負荷検知を行うことができる。
請求項8の発明とすることにより、強制閉鎖してもシャッターカーテンやガイドレールを損傷することがないようにできる。
図面において、1は建築物の開口部に設けられた建築用電動シャッターのシャッターカーテンであって、該シャッターカーテン1は、開口部上方に配されたシャッターケース2に内装された巻き取りドラム3に巻装されている。前記巻き取りドラム3は、シャッターケース2に収納された開閉機4に連動連結されており、該開閉機4の図示しない出力軸の正逆回転駆動に伴い、巻き取りドラム3が正逆回転して、シャッターカーテン1の巻き出し、巻き取りを行うように構成されている。これによって、シャッターカーテン1は、両側縁部が開口部両側に立設されたガイドレール5の移動案内を受ける状態で開口部を上下動し、開口部を閉鎖する全閉位置と、開口部を開放する全開位置とのあいだを姿勢変姿するように設定されている。
ここで、前記巻き取りドラム3には、シャッターカーテン1の閉鎖作動に伴い付勢されるバランス弾機(図示せず)が内装されており、これによって、シャッターカーテン1の自重とバランス弾機の付勢力とは、略バランスされるように設定されている。
そして、位置検知センサ10から入力された検知値に基づいて、制御部8aは、シャッターカーテン1の開放位置を演算するように設定されており、前記演算値に基づいて、シャッターカーテン1の全閉位置、全開位置を検知するように設定されている。
さらに、制御部8aは、位置検知センサ10からの検知値によりシャッターカーテン1の全開位置から全閉位置までのあいだを複数の作動区画に分割し、これら各作動区画における電動モータの回転数を過負荷検知センサ9からの入力される検知値に基づいて演算するように設定されている。
さらに、制御部8aには過負荷検知手段8bが設けられており、該過負荷検知手段8bに基づいて、開閉機4の駆動(シャッターカーテン1作動)の過程で、制御部8aに入力される各作動区画(開放位置)に対応する現在の電動モータの回転数(現在負荷値)を、メモリ11に記憶された前記各作動区画における前回の回転数(メモリ負荷値)と比較するように設定されている。そして、制御部8aは、現在の回転数と前回の回転数との差(変化値に相当する)が予め設定される差の範囲内である(基準変化値よりも下回る)場合は、シャッターカーテン1が正常に作動している(開閉機4の正常駆動)と判断し、開閉機4の駆動を継続するように設定されている。
これに対し、現在の回転数と前回の回転数とを比較し、前記変化値が前記予め設定される基準変化値を超える(上回る)場合では、制御部8aは、これを過負荷検知とし、シャッターカーテン1に何らかの負荷が作用して閉鎖しにくくなっている状態(開閉機4に過負荷が作用している状態)であると判断するように設定されている。そして、この状態となると、制御部8aは、前記位置検知センサ10により構成される過負荷位置検知手段8cに基づいて、過負荷検知したときのシャッターカーテン1の開放位置(作動区画)を過負荷位置として検知してメモリ11に記憶するとともに、後述する障害物判断手段8dに基づいた開閉機4の駆動制御をするように設定されている。
このとき、前記メモリ11は、シャッターカーテン1が後述する障害物検知をすることなく全閉姿勢(全開姿勢)になることに伴い、今回(現在)の駆動時の各区画における回転数データを仮登録し、該仮登録された回転数データを、既にメモリ11に記憶されている前回の駆動時における回転数データと書き換えられるように設定されている。このようにすることにより、開閉機4の駆動状態は、常に、現在の駆動状態と前回の駆動状態とを比較しながら過負荷を検知するように構成され、これによって、シャッター装置に生じる経時変化に基づく開閉機4の負荷の変動を吸収することができ、誤作動が低減されるように構成されている。
ここで、異常検知制御におけるシャッターカーテン1の開放作動の時間であるT2タイマ時間は2.5秒に設定されているが、該T2タイマ時間は、開閉機4が始動してから開閉機4の回転が安定するまでに必要な時間(本実施の形態では約1秒)を含む、つまり、1秒よりも長い時間となっている。
尚、再度の閉鎖制御の過程で、過負荷検知がなされても、該過負荷検知が前回の過負荷位置とは異なる開放位置でなされた場合では、少なくとも前回の負荷検知は障害物によるものではなく風圧等によるものであって、シャッターカーテン1の閉鎖作動に支障はないと判断し、前記異常検知制御を行った後、今回の過負荷が障害物によるものか否かについて判断するべく、T3タイマ時間停止制御を行うことに続いて、再度の閉鎖制御を開始するように設定されている。そして、その後、同じ開放位置において二度の過負荷検知をすることがなければ、シャッターカーテン1の閉鎖作動が継続されて全閉姿勢になるように構成されており、このように、障害物判断手段8dにより、制御部8aによる過負荷検知を、シャッターカーテン1の障害物との当接によるものか、それ以外の要因によるものかの区別がなされ、障害物との当接と判断されたときのみ、シャッターカーテン1の緊急停止がなされ、それ以外では遅滞のない閉鎖作動がなされるように設定されており、これによって、誤動作の少ない建築用電動シャッターとすることができる。
ここで、本実施の形態では、同じ過負荷位置で過負荷検知が二回繰り返してなされた場合を障害物検知として異常停止制御する構成としているが、一回目の過負荷検知で異常停止制御する一般的な構成としても勿論よい。
つまり、前述したように、ガイドレール5が変形してシャッターカーテン1が引っ掛かるような場合、あるいは、シャッターカーテン1開閉位置の近傍に荷物があってシャッターカーテン1が擦ってしまうような場合に、制御部部8aは、二度の過負荷検知をして障害物検知と判断することがあり、この状態は、障害物がないのに緊急停止した状態に相当する。この状態は、操作者がシャッターカーテン1の作動状態を目視している場合では、操作者にとっては何も障害物がないのにシャッターカーテン1が閉まらなくなってしまった状態であり、この場合に、操作者による特殊操作、本実施の形態では開放用操作スイッチPBUを連続して二回操作することにより、制御部8aは、シャッターカーテン1を予め設定されるT4タイマ時間のあいだ強制的に閉鎖、即ち、過負荷検知手段8cに基づく制御を無視した状態となる強制閉鎖指令を出力し、シャッターカーテン1を過負荷位置を越える下方まで、強制的に閉鎖する強制閉鎖制御を行うように設定されている。
電源が投入されて初期設定がなされると、制御部8aは、操作スイッチ6または遠隔操作具7の開放、閉鎖の何れかの操作スイッチPBU、PBDの操作に基づく開放、閉鎖指令信号の入力を判断し、何れかの指令信号の入力がなされると対応する開放制御または閉鎖制御を行うように設定されている。
また、メモリ11に前回、即ち一度目の過負荷位置が記憶されているが、該一度目の過負荷位置と、今回、即ち、二度目に記憶された過負荷位置とが異なる場合では、制御部8aは、シャッターカーテン1が同じ開放位置で過負荷検知されたのではなく、依然として、制御部8aは、過負荷検知が生じた原因が障害物との当接にあるのか、他の要因によるものであるのかの区別がつかない状態と判断し、前記メモリ11に記憶されている一度目の過負荷位置を削除して、二度目の過負荷位置を一度目の過負荷位置として書き換え、その後、前記異常検知制御を行い、T3タイマ時間後に閉鎖制御にリターンするように設定されている。
また、閉鎖制御の過程で、停止指令信号の入力がなく、開放指令信号の入力があった場合では、制御部8aは、停止駆動指令を出力して開閉機4を停止制御するとともに、メモリ11に一度目の過負荷位置がメモリされている場合では、これを削除し、開放制御に移行するように設定されている。
さらに、閉鎖制御の過程で、停止指令信号の入力がなく、開放指令信号の入力がなく、全閉検知がなされた場合では、制御部8aは、停止駆動指令を出力して開閉機4を停止制御するとともに、メモリ11に一度目の過負荷位置がメモリされている場合では、これを削除するように設定されている。さらに、この場合では、シャッターカーテン1が障害物検知することなく全閉姿勢となった状態であり、メモリ11に記憶されているシャッターカーテン1の各作動区画(開放位置)毎の回転数(負荷値)を、現在終了した閉鎖作動に基づいて検知された回転数に書き換えて(メモリ負荷値として)、初期の制御状態にリターンするように設定されている。
因みに、例えばガイドレール5の変形が大きく、シャッターカーテン1を強制閉鎖作動させても閉鎖しないことがあり、この場合では、T4タイマ時間のあいだ閉鎖駆動指令を出力後に閉鎖制御にリターンした状態となり、該閉鎖制御において過負荷検知手段8bに基づく過負荷検知状態となるので、再度緊急停止がなされて安全性を確保できる。このとき、シャッターカーテン1を強制閉鎖作動する時間は、異常停止制御(異常検知制御)に基づいて開放作動されるT2タイマ時間より長いT4タイマ時間であり、これらのタイマ時間の差(T4−T2=0.5秒)に相当する時間のあいだは、シャッターカーテン1がガイドレール5の変形部に当接した状態で繰り出されることになるが、本実施の形態では、前記過負荷検知した作動区画を超える強制閉鎖時間が0.5秒と設定されており、該0.5秒のシャッターカーテン1の繰り出しでは、シャッターカーテン1やガイドレール5に破損が生じるようなことはないことが確認されている。これによって、障害物がないのに障害物が検知されたような場合に、強制閉鎖制御をしたときに実際にシャッターカーテン1が強制閉鎖されるか否かを、部材を損傷することなく試行することが可能となる。
しかも、このものでは、強制閉鎖制御に基づいてシャッターカーテン1が実際に閉鎖された場合では、該強制閉鎖作動において検知された負荷値が、そのままメモリ負荷値として書き換えられるので、次回の閉鎖駆動時では、前記書き換えられたメモリ負荷値を基準とする負荷検知がなされることになり、この結果、シャッターカーテン1が例えばガイドレールの変形により閉鎖しにくくなったような場合に、一度特殊操作に基づく強制閉鎖をすれば、次回からは通常の操作でシャッターカーテン1を閉鎖させることができることになって、操作性を一層向上させることができる。
3 巻き取りドラム
4 開閉機
6 操作スイッチ
8 制御装置
8a 制御部
8b 過負荷検知手段
8c 過負荷位置検知手段
8e 強制閉鎖手段
8f 強制書き換え手段
9 過負荷検知センサ
10 位置検知センサ
Claims (8)
- 開口部に配したシャッターカーテンを開閉制御する開閉機の制御部に、シャッターカーテンの開閉範囲を予め設定される複数の作動区画に分割し、各作動区画における現在負荷値を検知し、該現在負荷値と、前記作動区画における予めメモリに記憶されたメモリ負荷値との変化値が、予め設定される基準変化値を越えることを過負荷検知と判断し、シャッターカーテンを緊急停止した後、予め設定される開放量を開放作動する異常停止制御を行うように構成された過負荷検知手段を設けるにあたり、前記制御部には、過負荷検知手段に基づいて開放したシャッターカーテンを、特殊操作に基づいて前記過負荷検知された作動区画での過負荷検知に基づく異常停止制御を無視して強制閉鎖指令を出力し、該作動区画の過負荷検知位置を越えるように強制閉鎖させる強制閉鎖手段と、前記強制閉鎖の終了後に、過負荷検知した作動区画におけるメモリ負荷値を、強制閉鎖時における過負荷検知位置を越えるときの負荷値に書き換える強制書き換え手段とが設けられていて、制御部を、次回の閉鎖制御では、前記過負荷検知がなされた作動区画での過負荷検知を前記書き換えられたメモリ負荷値に基づいて行うように構成した建築用電動シャッターにおける制御装置。
- 異常停止制御に伴うシャッターカーテンの開放作動は、少なくとも開閉機の回転が安定するのに必要な時間よりも長くなされるように構成されている請求項1に記載の建築用電動シャッターにおける制御装置。
- 強制閉鎖手段による強制閉鎖後は、過負荷検知がなされないことを条件にシャッターカーテンの閉鎖作動が継続するように構成されている請求項1または2に記載の建築用電動シャッターにおける制御装置。
- 強制書き換え手段は、強制閉鎖後にシャッターカーテンが全閉姿勢になることに伴い、負荷値を書き換えるように構成されている請求項1乃至3の何れか一向に記載の建築用電動シャッターにおける制御装置。
- 強制書き換え手段は、強制閉鎖時の閉鎖開始から開閉機の回転が安定した後における作動区画の負荷値を書き換えるように構成されている請求項2乃至4の何れか一項に記載の建築用電動シャッターにおける制御装置。
- 特殊操作は、シャッターカーテンを閉鎖作動するための操作具の閉鎖用操作スイッチの連続操作である請求項1乃至5の何れか一項に記載の建築用電動シャッターにおける制御装置。
- メモリに記憶されるメモリ負荷値は、前回の駆動時に検知された負荷値であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の建築用電動シャッターにおける制御装置。
- 強制閉鎖手段に基づく強制閉鎖作動の時間は、過負荷検知した作動区画を越える部位での閉鎖作動の時間が、シャッターカーテンと、該シャッターカーテンを移動案内するガイドレールとが損傷しない時間となるように設定されている請求項1乃至7の何れか一項に記載の建築用電動シャッターにおける制御装置。
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