JP5192203B2 - 開閉装置 - Google Patents

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Description

本発明は、オーバーヘッドドアを含むシャッター装置、雨戸を含む引戸、窓、ロールスクリーン、ブラインド、オーニング装置、ゲート、スライディングウォール装置等、構造物の空間部分を仕切ったり開放したりする開閉装置に関し、特に開閉体が動作方向側の物体に当接したことを検出することが可能な開閉装置に関するものである。
従来、この種の発明には、例えば特許文献1に記載されたもののように、開閉体(10)の閉鎖動作中に、駆動源(33)の負荷値が閾値を超えたことを条件に、前記開閉体(10)が閉鎖方向側の物体に当接したものと判断するようにした開閉装置がある。
この従来技術では、閉鎖動作中に、開閉体(10)の閉鎖方向端部が全開位置近傍の所定範囲内にある際に駆動源(33)の負荷値を測定し、その測定された負荷値に対し所定のマージン値を加算することで前記閾値を算出するようにしている。
ところで、前記のような従来構造の開閉装置によれば、開閉体が特に全閉位置に近い状態で、該開閉体の閉鎖方向端部と着座対象部位(例えば床面や地面、枠部材等)との間に物体が挟まれると、繰り出された開閉体の重量や慣性力等が比較的大きいこと等に起因して、該物体に対する押圧力が大きくなる傾向にある。
そのため、開閉体が特に全閉位置に近い状態では、開閉体の閉鎖方向端部が物体に当接したことを、より精度良く判断して、該開閉体を一層速やかに停止や反転等させることが望まれる。
また、開閉体が前記のように全閉位置に近い状態でない場合には、ガイドレールとの摩擦や異物等に起因して、開閉体が予期せぬ負荷感知停止や反転等しないように、物体感知精度を低くすることが望まれる。
特開2006−118231号公報
本発明は上記従来事情に鑑みてなされたものであり、その課題とする処は、開閉体が閉鎖方向寄りに位置する際の物体感知精度を向上することができる開閉装置を提供することにある。
上記課題を解決するための一手段は、収納部から繰り出されて閉鎖動作する開閉体と、該開閉体を閉鎖動作させるための動力源である駆動装置と、前記駆動装置の出力軸の回転に伴ってパルス信号を出力する装置と、前記駆動装置の負荷値を検出する負荷値検出部と、前記駆動装置を制御する制御部とを備え、前記制御部が、前記パルス信号をカウントしてそのカウント値を前記開閉体の開閉方向の位置を示す開閉体位置変数として記憶装置に記憶するようにした開閉装置において、
前記制御部が、初期設定動作と、通常動作とを行うように構成され、
前記初期設定動作では、
前記開閉体を開放動作し、前記負荷検出部により検出される負荷値が所定の全開判断用閾値を超えるのを条件に前記開閉体の開放動作を停止し、前記開閉体位置変数を、前記開閉体の全開状態を示す値に設定し、
この後に、前記開閉体を閉鎖動作し、該開閉体の閉鎖方向端部が着座対象部位に当接した際の手動操作である全閉位置設定操作があること又は前記開閉体の全閉をセンサにより感知したことを条件に、前記開閉体の閉鎖動作を停止し、この停止時点の開閉体位置変数を全閉判断用閾値として記憶装置に記憶し、
この後に、前記開閉体を開放動作し、前記負荷検出部により検出される負荷値が前記全開判断用閾値を超えるのを条件に、前記開閉体の開放動作を停止し、
この後に、前記開閉体の閉鎖動作を開始するとともに前記開閉体の閉鎖動作に伴う負荷値の変動を示す負荷値データの記録を開始し、開閉体位置変数が前記全閉判断用閾値を超えるのを条件に、前記開閉体の閉鎖動作を停止し、
この後に、前記負荷値データについて、前記開閉体の全開位置から全閉位置までの動作範囲を複数に分割し、その分割された各範囲を閾値設定のための閾値設定範囲とし、この閾値設定範囲毎に、前記開閉体が動作方向側の物体に当接していない動作状態における負荷値の最大値に所定のマージン値を加えて前記物体感知用閾値を設定するとともに、所定の開閉位置よりも閉鎖方向側における単位ストロークあたりの前記閾値設定範囲の数を、該開閉位置よりも開放方向側における単位ストロークあたりの前記閾値設定範囲の数よりも多くし
前記通常動作では、
前記開閉体の閉鎖動作中に、開閉体位置変数が前記全閉判断用閾値を超えた場合には前記開閉体の閉鎖動作を停止し、開閉体位置変数が前記全閉判断用閾値を超えていない場合には、前記負荷検出部により検出される負荷値が、その時点の開閉体位置変数に対応する前記閾値設定範囲の前記物体感知用閾値を超えたことを条件に、前記開閉体が動作方向側の物体に当接したと判断し、所定の物体感知動作を行うことを特徴とする。
また、他の手段としては、収納部から繰り出されて閉鎖動作する開閉体と、該開閉体を閉鎖動作させるための動力源である駆動装置とを備え、前記駆動装置の負荷値が物体感知用閾値を超えたことを条件に、前記開閉体が動作方向側の物体に当接したと判断するようにした開閉装置おいて、
前記開閉体の全開位置から全閉位置までの動作範囲を複数に分割し、その分割された各範囲を閾値設定のための閾値設定範囲とし、この閾値設定範囲毎に、前記開閉体が動作方向側の物体に当接していない動作状態における前記負荷値を検出し、この検出負荷値の最大値に所定のマージン値を加えて前記物体感知用閾値を設定した開閉装置にであって、
前記閾値設定範囲は、全開位置寄りの一つの第一の閾値設定範囲と、この第一の閾値設定範囲よりも閉鎖方向側に等間隔に配設された複数の第二の閾値設定範囲と、これら第二の閾値設定範囲よりも閉鎖方向側に等間隔に配設された複数の第三の閾値設定範囲とを有し、
前記複数の第三の閾値設定範囲全体の範囲は、一つの第一の閾値設定範囲よりも広く、且つ前記複数の第二の閾値設定範囲全体の範囲よりも狭く設定され、
一つの第一の閾値設定範囲は、一つの第二の閾値設定範囲よりも狭く、且つ一つの第三の閾値設定範囲よりも広く設定されていることを特徴とする。
本発明に係る一形態は、収納部から繰り出されて閉鎖動作する開閉体と、該開閉体を閉鎖動作させるための動力源である駆動装置とを備え、前記駆動装置の負荷値が物体感知用閾値を超えたことを条件に、前記開閉体が動作方向側の物体に当接したと判断するようにした開閉装置おいて、前記開閉体の全開位置から全閉位置までの動作範囲を複数に分割し、その分割された各範囲を閾値設定のための閾値設定範囲とし、この閾値設定範囲毎に、前記開閉体が動作方向側の物体に当接していない動作状態における前記負荷値を検出し、この検出負荷値の最大値に所定のマージン値を加えて前記物体感知用閾値を設定してなり、所定の開閉位置よりも閉鎖方向側における単位ストロークあたりの前記閾値設定範囲の数を、該開閉位置よりも開放方向側における単位ストロークあたりの前記閾値設定範囲の数よりも多くしている。
更なる形態としては、前記複数の閾値設定範囲は、前記開閉体が全開位置から全閉位置まで閉鎖動作した場合の動作時間を分割することで設定されている。
更なる形態としては、所定の開閉位置よりも閉鎖方向側における前記マージン値を、該開閉位置よりも開放方向側におけるマージン値よりも小さくした。
更なる形態としては、予め設定された所定の操作に応じて、前記開閉体を全開位置から全閉位置まで閉鎖動作させ、その閉鎖動作中に、前記閾値設定範囲毎に前記負荷値の最大値に対し前記マージン値を加えて、前記物体感知用閾値が設定されるようにした。
なお、上記形態の開閉装置には、開閉体が閉鎖動作のみを行うように用いられる態様(例えば、非常時のみ遮煙や遮炎等の目的で閉鎖されるシャッター装置や、引戸装置等)や、開閉体が開放動作と閉鎖動作との双方を行うように用いられる態様等を含む。
更に、この開閉装置には、開閉体を巻取り軸に巻き取って収納するようにした態様や、開閉体を巻取り軸に巻き取ることなくその開放方向側に収納するようにした態様等を含む。
また、本明細書中において「開閉体厚さ方向」とは、閉鎖状態の上記開閉体の厚さ方向を意味する。
また、本明細書中において「開閉体幅方向」とは、開閉体の開閉方向と略直交する方向であって、上記開閉体の厚さ方向ではない方向を意味する。
また、本明細書中において「開閉体開閉方向」とは、開閉体が空間を仕切ったり開放したりするためにスライドする方向を意味する
上記形態は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような作用効果を奏する。
所定の開閉位置よりも閉鎖方向側においては、より細かく区分された範囲毎に、閾値が設定されるため、開閉体が動作方向側の物体に当接したことの判断精度を向上することができる。ひいては、物体に当接した場合の押圧力が比較的大きくなる全閉近傍範囲において、開閉体の停止や反転等の物体感知動作を、感度よく行うことができる
次に、上記形態の好ましい具体例を、図面に基づいて説明する。
以下の開閉装置の一例は、住宅やビル、倉庫、工場、地下街、トンネル、車両の荷台等の躯体の開口部分や内部に配設され、前記開口部分を開閉したり、躯体内部の空間を仕切ったり開放したりするシャッター装置として説明する。
この開閉装置1は、収納部31から繰り出されて閉鎖動作する開閉体10と、該開閉体10の幅方向(図1における左右方向)の端部を囲み開閉方向へ案内するガイドレール20と、該開閉体10を巻取軸32によって巻き取ったり繰り出したりする巻取装置30とを備え、前記巻取装置30における駆動装置35の負荷値が閾値を超えたことを条件に、前記開閉体10が動作方向側の物体xに当接したと判断するようにしている。
開閉体10は、横長略矩形状の金属板を曲げ加工してなるスラット11aを、上下に隣接する該スラット間で回動するように複数連接することで開閉体本体11を構成し、該開閉体本体11の閉鎖方向側(図示例によれば下方側)の端部に、着座対象部位p(例えば、床面や地面、枠部材等)に当接させるための座板部材12を開閉体幅方向にわたって接続している(図1参照)。
前記座板部材12は、開閉体10の全開時には、収納部31のまぐさ部(図示しない開口縁部)に当接させるように、その縦断面形状が、開閉体厚さ方向へ突出する部位を有する略逆T字状とされている。
また、巻取装置30は、開閉体10を駆動装置35の回転力により開閉動作させる機構であり、収納部31内に、開閉体10を巻き取ったり繰り出したりする巻取軸32や、該巻取軸32の巻取体32bをチェーン及びスプロケット等の動力伝達手段33を介して双方向へ回転させる駆動装置35、該駆動装置35の回転に伴ってパルス信号を出力するエンコーダ装置36、駆動装置35の負荷値を検出する負荷検出部37、これらエンコーダ装置36及び負荷検出部37からの信号等に応じて駆動装置35を制御する制御部38等を具備している。
収納部31は、閉鎖方向側(図示例によれば下部側)に開閉体10を出没させるための開口部を形成した略箱状を呈し、前記開口部の縁部分が、全開時における開閉体10の閉鎖方向端部(詳細には座板部材12の開閉体厚さ方向の縁)を当接させるためのまぐさ部(図示せず)となっている。
なお、この収納部31は、図示例によれば巻取軸32や駆動装置35等の内部構造を隠蔽する略箱状に形成されているが、他例としては、前記内部構造を露出したタイプとすることも可能である。
巻取軸32は、収納部31に対し回動不能に固定された軸体32aと、該軸体32aの周囲に回動自在に支持された筒状もしくは籠状等の巻取体32bと、軸体32aに対し巻取体32bを開閉体巻取り方向へ付勢する単数もしくは複数の付勢手段32c等を備え、巻取体32bの外周部に開閉体10の開放方向側端部を止着している。
前記付勢手段32cは、その一端側が軸体32aに固定されるとともに他端側が巻取体32bに固定されたコイルスプリングであり、駆動装置35の開閉体巻取り方向の回転力を補助する。
この付勢手段32cの付勢力は、駆動装置35の回転力が巻取体32bに作用していない時に、開閉体10を開閉途中で停止させることが可能となるように適宜に設定されている。
また、駆動装置35は、交流又は直流の回転式電動機を具備してなり、その出力軸の回転を、動力伝達手段33を介して巻取体32bへ伝達している。
また、エンコーダ装置36は、駆動装置35の出力軸の回転に伴って所定の回転量おきにパルス信号を出力する装置である。
このエンコーダ装置36から出力されるパルス信号の数は、後述する制御部38によってカウントされ、そのカウント値は、開閉体10の開閉方向の位置を示す開閉体位置変数として図示しない記憶装置に記憶される。
より詳細に説明すれば、例えば、閉鎖制御によって開閉体10が閉鎖動作した際に、前記開閉体位置変数に対しエンコーダ装置36のパルス信号の数(パルス数)が加算され、開放制御によって開閉体10が開放動作した際には、同開閉体位置変数に対しエンコーダ装置36のパルス数が減算される。
すなわち、開閉体10が閉鎖動作すれば、その閉鎖動作量に応じて開閉体位置変数が増加し、開閉体10が開放動作すれば、その開放動作量に応じて開閉体位置変数が減少する。
なお、前記とは逆に、開閉体10の閉鎖動作に伴って開閉体位置変数が減少し、開閉体10の開放動作に伴って開閉体位置変数が増加する構成とすることも可能である。
負荷検出部37は、駆動装置35の動作中に、該駆動装置35の負荷値を検出する。
より具体的に説明すれば、負荷検出部37は、駆動装置35の負荷値を、電流値もしくは電圧値として検出する装置であり、その負荷値の大きさに応じた電気信号を制御部38へ出力する。
すなわち、駆動装置35が一般的な直流モータである場合には、その負荷による電流値の変化量と負荷トルクとは、略比例的な相関関係を有する。したがって、この場合は、駆動装置35の電流値の変化量を検出することで、駆動装置35の負荷値を間接的に検知することができる。
また、駆動装置35が一般的な交流モータである場合には、その負荷による回転速度の変化量と負荷トルクとが比例的な相関関係を有する。したがって、この場合には、駆動装置35の回転速度の変化量を検出することで、駆動装置35の負荷値を間接的に検知することができる。
そして、上記負荷検出部37によって検出される負荷値は、所定のサンプリング時間毎に、制御部38に具備されている記憶装置(図示せず)に記憶される。
制御部38は、エンコーダ装置36、負荷検出部37、図示しない操作部(操作BOXや、リモコン、操作信号を発するコンピュータ、携帯端末等)などから入力される電気信号を、プログラムに基づいて演算処理し、その処理結果に応じて、駆動装置35を正転や逆転、停止等、制御する。
なお、この制御部38は、回路構成や設定値等を現場状況等に応じて容易に変更可能なように、例えばマイコンやプログラマブルコントローラー等に用いたプログラムドロジック回路による構成とするのが好ましいが、リレー回路やその他の電子回路を用いたワイヤードロジック回路とすることも可能である。
次に、開閉装置1の制御動作上の特徴を、図2及び3に示すフローチャート、図4及び5に示すグラフに基づいて詳細に説明する。
先ず、制御部38は、図2に示すように、電源投入後の経過時間が所定時間(例えば10分程度)を経過したか否かを判断し(ステップ1)、経過していない場合には、ステップ2以降の初期設定動作のための処理を行い、そうでなければステップ30の通常動作フローを実行する。
すなわち、前記ステップ1によれば、電源投入後の所定時間内であれば、以下に示す初期設定動作が可能となる。この初期設定動作とは、開閉体を全閉位置で停止するための全閉判断用閾値や、物体xを感知するための物体感知用閾値を設定するためのフローチャートである。
次に、制御部38は、図示しない操作部(操作BOXや、リモコン、操作信号を発するコンピュータ、携帯端末等)から開閉体10を開放動作させるための開放信号が入力されるのを待ち(ステップ2)、その開放信号の入力に応じて開閉体10を開放動作する(ステップ3、図4に示すa時点)。
なお、他例としては、これらステップ2及びステップ3を、前記開放信号がなくても、上記ステップ1の経過後に、自動的に実行するようにしてもよい。
次に制御部38は、負荷検出部37により測定される負荷値が全開判断用閾値を超えるのを待ち(ステップ4)、全開判断用閾値を超えた場合には、次のステップ5で、駆動装置35の動作を停止して、開閉体10の開放動作を停止する(図4のb時点)。
前記全開判断用閾値は、開閉体10の閉鎖方向端部における座板部材12の開閉体厚さ方向の縁部分が、収納部31のまぐさ部(図示せず)に当接して、駆動装置35の負荷値が急上昇した際に、その負荷値の急上昇があったことを判断するための閾値であり、予め実験的または設計的に設定されている。
次のステップ6では、図示しない記憶装置に記憶された開閉体位置変数の値が、開閉体10の全開状態を示す0の値に設定される。すなわち、開閉体10の開閉方向の位置を示す開閉体位置変数が、開閉体10の全開状態において0にリセットされる。なお、巻取装置10の全開状態を示す前記開閉体位置変数は、適宜所定の値とすればよく、0以外の数値とすることも可能である。
そして、制御部38は、操作部(操作BOXや、リモコン、操作信号を発するコンピュータ、携帯端末等)から開閉体10を閉鎖動作させるための閉鎖信号が入力されるのを待ち(ステップ7)、その閉鎖信号の入力に応じて開閉体10の閉鎖動作を開始する(ステップ8、図4のc時点)。
なお、他例としては、これらステップ7及びステップ8を、前記閉鎖信号がなくても、上記ステップ6の経過後に、自動的に実行するようにしてもよい。
そして、制御部38は、開閉体10の閉鎖動作中、全閉位置設定操作があるのを待ち(ステップ9)、全閉位置設定操作があった場合には、開閉体10の閉鎖動作を停止する(ステップ10、図4のd時点)。なお、フローチャート上の表示を省略するが、前記全閉位置設定操作がなかった場合には、負荷検出部37の負荷値が所定の閾値を超えたことを条件に閉鎖動作が停止するようになっている。
前記全閉位置設定操作とは、閉鎖動作中の開閉体10の閉鎖方向端部(具体的には座板部材12)が着座対象部位pに当接した際に操作者によって手動で行われる操作であり、例えば、開放スイッチ、閉鎖スイッチ、停止スイッチの3つが所定時間(例えば3秒)同時に押される等の特別な操作とすればよい。
なお、前記一例によれば、開閉体10の閉鎖方向端部が着座対象部位pに当接した際に、操作者が目視判断して前記全閉位置設定操作を行うようにしているが、他例としては、開閉体10が全閉したことをセンサにより感知して、開閉体10の閉鎖動作を停止するようにしてもよい。
また、他例として、前記全閉位置設定操作は、通常動作時と同じ操作で停止した後に、前記特別な操作によって行われるようにしてもよい。この構成によれば、一度で好ましい位置に停止できなかった場合には、再度開閉操作と停止操作により停止位置を修正することができる。
次に、制御部38は、前述した開閉体10の全閉時点における開閉体位置変数を、全閉判断用閾値として、図示しない記憶装置に記憶し(ステップ11)、所定時間経過後に(ステップ12)、開閉体10の開放動作を自動的に開始する(ステップ13、図4のe時点)。
そして、制御部38は、開閉体10の開放動作中、負荷検出部37により検出される負荷値が上記全開判断用閾値を超えるのを待ち(ステップ14)、超えた直後に、開閉体10の開放動作を停止する(ステップ15、図4のf時点)。
次に、制御部38は、所定時間経過後に(ステップ16)、開閉体10の閉鎖動作を自動的に開始し(ステップ17、図4のg時点)、それと略同時に負荷値データの記録を開始する(ステップ18)。
前記負荷値データの記録とは、より具体的に説明すれば、所定のサンプリング時間毎に、開閉体10が動作方向側の物体xに当接していない動作状態で負荷検出部37によって検出される検出負荷値と、該検出負荷値の測定時に対応する上記開閉体位置変数とを、図示しない記憶装置に記憶する動作である。この負荷値データは、グラフで表現すれば、例えば図5に示すように、開閉体10の閉鎖動作に応じて変動する曲線となる。
そして、制御部38は、開閉体位置変数が上記ステップ11で記憶した全閉判断用閾値を超えるのを待ち(ステップ19)、超えた直後に開閉体10の閉鎖動作を停止する(ステップ20、図4のh時点)。
この停止時点では、開閉体10の全開状態から全閉状態までの閉鎖動作中の負荷値データが全て記録されたことになる。すなわち、図5の負荷値曲線に示すデータが全て記憶装置に記憶された状態となる。
次に、制御部38は、複数種類の閾値設定範囲を設定し(ステップ21)、更に各閾値設定範囲毎に物体感知用閾値を設定する(ステップ22)。
すなわち、制御部38は、開閉体10の全開位置から全閉位置までの閉鎖動作時間を複数に分割し、その分割された各時間範囲を、物体感知用閾値を設定するための閾値設定範囲とする。なお、この際、所定の開閉位置よりも閉鎖方向側における単位ストローク(換言すれば単位閉鎖方向距離、あるいは単位閉鎖時間)あたりの前記閾値設定範囲の数が、該開閉位置よりも開放方向側における単位ストロークあたりの前記閾値設定範囲の数よりも多く設定される。
より詳細に説明すれば、例えば、図5に示すように、開閉体10の全開位置から全閉位置までの閉鎖動作時間中、全開位置寄りの所定の時間範囲をE1、全閉位置寄り所定の時間範囲をE3、これらE1とE3の間の時間範囲をE2とする。
そして、先ず、時間範囲E1を物体感知用閾値を設定するための範囲である閾値設定範囲e1(一つの第一の閾値設定範囲)とし、この閾値設定範囲e1について、記録された負荷値データに基づいて、「負荷値の最大値+マージン値m=障害物感知用閾値s1」と、対応する開閉体位置変数の範囲とが設定される。
前記マージン値mは、例えば経年変化による摺動抵抗の増大や汚れの付着等に起因して、正常範囲内で負荷値が若干増大した場合には開閉体10停止等の制御が行われないように、予め適宜な値に設定されている。
次に、時間範囲E2を、所定数(図示例によれば5)に分割して閾値設定範囲e2〜e6(複数の第二の閾値設定範囲)が設定され、その各閾値設定範囲について、記録された負荷値データに基づき、「負荷値の最大値+マージン値m=障害物感知用閾値(s2〜s6)」と、対応する開閉体位置変数の範囲が設定される。なお、前記所定数は、図示例によれば、前記各閾値設定範囲が約5秒程度になるよう予め設定されている。
更に、時間範囲E3を、所定数(図示例によれば5)に分割して閾値設定範囲e7〜e11(複数の第三の閾値設定範囲)が設定され、その各閾値設定範囲について、記録された負荷値データに基づき、「負荷値の最大値+マージン値m=障害物感知用閾値s7〜s11」と、対応する開閉体位置変数の範囲が設定される。なお、前記所定数は、前記各閾値設定範囲(e7,e8・・・e11)が上記時間範囲E2を分割する各閾値設定範囲(e2,e3・・・e6)よりも小さい数であって、例えば各閾値設定範囲(e7,e8・・・e11)が1〜1.5秒程度になるように予め設定されている。
よって、ステップ21及び22によれば、開閉体10の全開閉ストロークが、複数の閾値設定範囲e1〜e11に分割されるとともに、その単位ストロークあたりの分割数が開放方向側の時間範囲E2よりも、閉鎖方向側の時間範囲E3において多く設定される。
そして、各閾値設定範囲毎に、物体感知用閾値s1〜s11と、その各閾値が用いられる開閉体位置変数の範囲とが設定されたことになる。
なお、図2に示すフローチャート中は、どのステップにおいても、図示しない操作部(操作BOXや、リモコン、操作信号を発するコンピュータ、携帯端末等)から入力される停止信号に応じて、開閉体10の動作を停止することが可能になっている。
また、図2に示す一例では、上記ステップ1を電源投入後の経過時間が所定時間を経過したか否かを判断するステップとしたが、他例としては、このステップ1を、電源投入後の初めての動作かどうか(より具体的に説明すれば、所定の記憶装置の記憶領域に動作の記憶があるか否か)を判断するステップに置換してもよい。
更に他例としては、上記ステップ1を、上記ステップ2以降の一連の設定動作により設定された物体感知用閾値や、全閉判断用閾値等が記憶されているか否かを判断するステップに置換することも可能である。
次に、図3に示すフローチャートについて説明する。
このフローチャートは、電源投入後の経過時間が所定時間を超えた場合に実行される当該開閉装置1の通常の制御(図2のステップ30)の内、特に開閉体10の閉鎖動作中の制御について示している。
先ず、制御部38は、開閉体10の閉鎖動作中に、開閉体位置変数が全閉判断用閾値よりも小さいか否かを判断し、小さい場合には、次のステップ31aへ処理を進め、そうでなければステップ31dへ処理を移行する(ステップ30a)。
次のステップ31aでは、上記開閉体位置変数の値より、開閉体10が閾値設定範囲e1内に位置するか否かを判断する(ステップ31a)。
より詳細に説明すれば、開閉体10の閉鎖動作中にエンコーダ装置36のパルス値を加算してなる開閉体位置変数が、閾値設定範囲e1を示す開閉体位置変数の範囲内に含まれるか否かが判断される。
そして、開閉体10が閾値設定範囲e1内に位置すると判断した場合には次のステップ32aへ処理を進め、そうでなければステップ31bへ処理を移行する。
そして、ステップ32aでは、負荷検出部37により検出された負荷値が物体感知用閾値s1を超えたか否かを判断し、超えた場合にはステップ33へ処理を進め、そうでなければ上記ステップ31aへ処理を戻す。
次のステップ33では、物体感知動作を行う。具体例としては、制御部38が駆動装置35を制御することにより、開閉体10の閉鎖動作を一端停止し、その直後に該開閉体10を所定時間(数秒程度)だけ反転動作(開放動作)させ、該開閉体10を再度停止する。
また、ステップ31bでは、開閉体位置変数の値より、開閉体10が閾値設定範囲e2内に位置するか否かが判断され、閾値設定範囲e1内に位置すると判断した場合には次のステップ32bへ処理を進める。そして、次のステップ32bでは、負荷検出部37により検出された負荷値が物体感知用閾値s2を超えたか否かを判断し、超えた場合にはステップ33へ処理を進め、そうでなければ上記ステップ31bへ処理を戻す。
また、上記ステップ31bにおいて、開閉体10が閾値設定範囲e2内に位置しないと判断された場合には、図3においてステップ31c及び32cとして例示するように、閾値設定範囲をe3,e4,e5・・・en、物体感知用閾値をs3,s4,s5・・・snに、順次に変更したステップを実行することになる。
例えば、ステップ31cでは、前記ステップ31aや31bと略同様にして、開閉体位置変数の値より、開閉体10が閾値設定範囲en内に位置するか否かを判断し、閾値設定範囲en内に位置すると判断した場合には、次のステップ32cへ処理を移行する。ステップ32cでは、上記ステップ32aや32bと略同様に、負荷値が物体感知用閾値snを超えたか否かを判断し、物体感知用閾値snを超えた場合にはステップ33へ処理を移行し、そうでなければステップ31cへ処理を戻す。
また、閾値設定範囲をe3,e4,e5・・・en、物体感知用閾値をs3,s4,s5・・・snと変更したステップ中、その最終ステップで、開閉体位置変数により認識される開閉体10の位置が、閾値設定範囲en(図5に示す一例ではs11)を超えたと判断した場合には、上記ステップ30aへ処理が戻される。
また、ステップ31dは、上記ステップ30aにおいて開閉体位置変数が全閉判断用閾値以上と判断された場合に実行される処理であり、開閉体10の閉鎖動作を停止する。すなわち、開閉体10が、着座対象部位pに当接した全閉位置で停止することになる。そして、図3に示す通常の閉鎖動作フローを終了する。
なお、図3に示すフローチャートでは、本実施の形態の特徴である閉鎖動作時の制御のみを示しているが、図示しない制御として、開閉体10の開放動作を、負荷値が全開感知用閾値を超えたことを条件に停止する制御や、図示しない操作部(操作BOXや、リモコン、操作信号を発するコンピュータ、携帯端末等)から入力される停止信号に応じて開閉体10の動作を停止する制御等が可能になっている。
而して、上記開閉装置1によれば、図5に一例を示すように、開閉体10の閉鎖動作中において、全閉位置寄りの範囲E3では、単位ストロークあたりの閾値設定範囲(s7〜s11)の数が、全開位置寄りの範囲E1〜E2と比較して多く、各閾値設定範囲の幅も狭くなっている。
したがって、前記範囲E3では、より細かく区分された閾値設定範囲(e7〜e11)毎の物体感知用閾値(s7〜s11)が用いられ、その結果、開閉体10の閉鎖方向端部が物体xに当接したことを、全開位置寄りの範囲E1〜E2と比較し、精度よく判断することができる。
また、全開位置寄りの範囲E1〜E2では、比較的大まかに区分された閾値設定範囲(e1〜e6)毎の物体感知用閾値(s1〜s6)が用いられる。
そのため、例えば、ガイドレール20内の異物の影響や、開閉体10とガイドレール20との摩擦抵抗等に起因して、負荷値が上昇し、開閉体10の閉鎖動作が予期せずに停止してしまうようなことを防ぐことができる。
なお、上記実施の形態によれば、開閉体10が全開位置から全閉位置まで閉鎖動作した場合の時間を分割することで、複数の閾値設定範囲e1〜e11を設定したが、他例としては、開閉体10が全開位置から全閉位置まで閉鎖動作した場合の距離を分割することで複数の閾値設定範囲を設定することも可能である。
すなわち、図5では閾値設定範囲e1〜e11の各々を時間として表現しているが、閾値設定範囲e1〜e11の各々を開閉体開閉方向の距離として表現することが可能である。
この場合、前記開閉開閉方向の距離は制御部38によってパルス信号のカウント値として認識されるため、具体的には、閾値設定範囲e1〜e11の各々が、パルス信号のカウント値の範囲で表されることになる。
また、上記実施の形態では、全ての閾値設定範囲e1〜e11について、マージン値mを一定の値とした一例を示したが、他例としては、所定の開閉位置よりも閉鎖方向側(例えば全閉位置に近い閾値設定範囲e7〜e11)における前記マージン値を、該開閉位置よりも開放方向側(例えば閾値設定範囲e1〜e6)におけるマージン値よりも小さくするようにしてもよい。
この構成によれば、全閉位置に近い閾値設定範囲(例えばe7〜e11)における物体感知精度を一層向上することができる。
なお、前記構成において、所定の開閉位置よりも閉鎖方向側におけるマージン値は、該開閉位置よりも開放方向側におけるマージン値よりも、一様に小さくしてもよいし、あるいは閉鎖方向へ向かって徐々に段階的に小さくしてもよい。
また、他例としては、所定の開閉位置よりも開放方向側(例えば、図5における時間範囲E1〜E2の範囲)の物体感知用閾値を、一様に単一の物体感知用閾値とすることも可能である。
また、上記実施の形態によれば開閉体10の一例として複数のスラットを連設してなるシャッターカーテンを示しているが、この開閉体10の他例としては、複数のパイプを開閉方向へ連設してなる態様や、単数もしくは複数のパネルや、シート状物、ネット状物を開閉方向へ設けてなる態様、あるいはスラット、パネル、パイプ、シート状物、ネット状物等を適宜に組み合わせてなる態様等とすることが可能である。
また、上記駆動装置35の他例としては、リニアモータや、エアーモータ等とすることも可能である。
本発明に係わる開閉装置の一例を模式的に示す正面図である。 同開閉装置の制御内容を示すフローチャートである。 同開閉装置の制御内容中、特に閉鎖動作時の制御内容を示すフローチャートである。 同開閉装置の初期設定動作を示すグラフである。 同開閉装置の閉鎖動作中の負荷変動、閾値設定範囲、物体感知用閾値等を示すグラフである。
10:開閉体 20:ガイドレール
30:巻取装置 31:収納部
35:駆動装置 e1〜e11:閾値設定範囲
s1〜s11:障害物感知用閾値 x:物体

Claims (4)

  1. 収納部から繰り出されて閉鎖動作する開閉体と、該開閉体を閉鎖動作させるための動力源である駆動装置と、前記駆動装置の出力軸の回転に伴ってパルス信号を出力する装置と、前記駆動装置の負荷値を検出する負荷値検出部と、前記駆動装置を制御する制御部とを備え、前記制御部が、前記パルス信号をカウントしてそのカウント値を前記開閉体の開閉方向の位置を示す開閉体位置変数として記憶装置に記憶するようにした開閉装置において、
    前記制御部が、初期設定動作と、通常動作とを行うように構成され、
    前記初期設定動作では、
    前記開閉体を開放動作し、前記負荷検出部により検出される負荷値が所定の全開判断用閾値を超えるのを条件に前記開閉体の開放動作を停止し、前記開閉体位置変数を、前記開閉体の全開状態を示す値に設定し、
    この後に、前記開閉体を閉鎖動作し、該開閉体の閉鎖方向端部が着座対象部位に当接した際の手動操作である全閉位置設定操作があること又は前記開閉体の全閉をセンサにより感知したことを条件に、前記開閉体の閉鎖動作を停止し、この停止時点の開閉体位置変数を全閉判断用閾値として記憶装置に記憶し、
    この後に、前記開閉体を開放動作し、前記負荷検出部により検出される負荷値が前記全開判断用閾値を超えるのを条件に、前記開閉体の開放動作を停止し、
    この後に、前記開閉体の閉鎖動作を開始するとともに前記開閉体の閉鎖動作に伴う負荷値の変動を示す負荷値データの記録を開始し、開閉体位置変数が前記全閉判断用閾値を超えるのを条件に、前記開閉体の閉鎖動作を停止し、
    この後に、前記負荷値データについて、前記開閉体の全開位置から全閉位置までの動作範囲を複数に分割し、その分割された各範囲を閾値設定のための閾値設定範囲とし、この閾値設定範囲毎に、前記開閉体が動作方向側の物体に当接していない動作状態における負荷値の最大値に所定のマージン値を加えて前記物体感知用閾値を設定するとともに、所定の開閉位置よりも閉鎖方向側における単位ストロークあたりの前記閾値設定範囲の数を、該開閉位置よりも開放方向側における単位ストロークあたりの前記閾値設定範囲の数よりも多くし、
    前記通常動作では、
    前記開閉体の閉鎖動作中に、開閉体位置変数が前記全閉判断用閾値を超えた場合には前記開閉体の閉鎖動作を停止し、開閉体位置変数が前記全閉判断用閾値を超えていない場合には、前記負荷検出部により検出される負荷値が、その時点の開閉体位置変数に対応する前記閾値設定範囲の前記物体感知用閾値を超えたことを条件に、前記開閉体が動作方向側の物体に当接したと判断し、所定の物体感知動作を行うことを特徴とする開閉装置。
  2. 前記初期設定動作が可能になるのを、電源投入後の所定時間内としたことを特徴とする請求項1記載の開閉装置。
  3. 前記初期設定動作を、操作部からの信号がなくても、自動的に実行するようにしたことを特徴とする請求項2記載の開閉装置。
  4. 前記初期設定動作において、前記のようにして、前記開閉体の閉鎖動作を停止し、この停止時点の開閉体位置変数を全閉判断用閾値として記憶装置に記憶する条件は、前記全閉位置設定操作があることとしたことを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載の開閉装置。
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