JP5192203B2 - 開閉装置 - Google Patents
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Description
この従来技術では、閉鎖動作中に、開閉体(10)の閉鎖方向端部が全開位置近傍の所定範囲内にある際に駆動源(33)の負荷値を測定し、その測定された負荷値に対し所定のマージン値を加算することで前記閾値を算出するようにしている。
そのため、開閉体が特に全閉位置に近い状態では、開閉体の閉鎖方向端部が物体に当接したことを、より精度良く判断して、該開閉体を一層速やかに停止や反転等させることが望まれる。
また、開閉体が前記のように全閉位置に近い状態でない場合には、ガイドレールとの摩擦や異物等に起因して、開閉体が予期せぬ負荷感知停止や反転等しないように、物体感知精度を低くすることが望まれる。
前記制御部が、初期設定動作と、通常動作とを行うように構成され、
前記初期設定動作では、
前記開閉体を開放動作し、前記負荷検出部により検出される負荷値が所定の全開判断用閾値を超えるのを条件に前記開閉体の開放動作を停止し、前記開閉体位置変数を、前記開閉体の全開状態を示す値に設定し、
この後に、前記開閉体を閉鎖動作し、該開閉体の閉鎖方向端部が着座対象部位に当接した際の手動操作である全閉位置設定操作があること又は前記開閉体の全閉をセンサにより感知したことを条件に、前記開閉体の閉鎖動作を停止し、この停止時点の開閉体位置変数を全閉判断用閾値として記憶装置に記憶し、
この後に、前記開閉体を開放動作し、前記負荷検出部により検出される負荷値が前記全開判断用閾値を超えるのを条件に、前記開閉体の開放動作を停止し、
この後に、前記開閉体の閉鎖動作を開始するとともに前記開閉体の閉鎖動作に伴う負荷値の変動を示す負荷値データの記録を開始し、開閉体位置変数が前記全閉判断用閾値を超えるのを条件に、前記開閉体の閉鎖動作を停止し、
この後に、前記負荷値データについて、前記開閉体の全開位置から全閉位置までの動作範囲を複数に分割し、その分割された各範囲を閾値設定のための閾値設定範囲とし、この閾値設定範囲毎に、前記開閉体が動作方向側の物体に当接していない動作状態における負荷値の最大値に所定のマージン値を加えて前記物体感知用閾値を設定するとともに、所定の開閉位置よりも閉鎖方向側における単位ストロークあたりの前記閾値設定範囲の数を、該開閉位置よりも開放方向側における単位ストロークあたりの前記閾値設定範囲の数よりも多くし、
前記通常動作では、
前記開閉体の閉鎖動作中に、開閉体位置変数が前記全閉判断用閾値を超えた場合には前記開閉体の閉鎖動作を停止し、開閉体位置変数が前記全閉判断用閾値を超えていない場合には、前記負荷検出部により検出される負荷値が、その時点の開閉体位置変数に対応する前記閾値設定範囲の前記物体感知用閾値を超えたことを条件に、前記開閉体が動作方向側の物体に当接したと判断し、所定の物体感知動作を行うことを特徴とする。
また、他の手段としては、収納部から繰り出されて閉鎖動作する開閉体と、該開閉体を閉鎖動作させるための動力源である駆動装置とを備え、前記駆動装置の負荷値が物体感知用閾値を超えたことを条件に、前記開閉体が動作方向側の物体に当接したと判断するようにした開閉装置おいて、
前記開閉体の全開位置から全閉位置までの動作範囲を複数に分割し、その分割された各範囲を閾値設定のための閾値設定範囲とし、この閾値設定範囲毎に、前記開閉体が動作方向側の物体に当接していない動作状態における前記負荷値を検出し、この検出負荷値の最大値に所定のマージン値を加えて前記物体感知用閾値を設定した開閉装置にであって、
前記閾値設定範囲は、全開位置寄りの一つの第一の閾値設定範囲と、この第一の閾値設定範囲よりも閉鎖方向側に等間隔に配設された複数の第二の閾値設定範囲と、これら第二の閾値設定範囲よりも閉鎖方向側に等間隔に配設された複数の第三の閾値設定範囲とを有し、
前記複数の第三の閾値設定範囲全体の範囲は、一つの第一の閾値設定範囲よりも広く、且つ前記複数の第二の閾値設定範囲全体の範囲よりも狭く設定され、
一つの第一の閾値設定範囲は、一つの第二の閾値設定範囲よりも狭く、且つ一つの第三の閾値設定範囲よりも広く設定されていることを特徴とする。
更なる形態としては、前記複数の閾値設定範囲は、前記開閉体が全開位置から全閉位置まで閉鎖動作した場合の動作時間を分割することで設定されている。
更に、この開閉装置には、開閉体を巻取り軸に巻き取って収納するようにした態様や、開閉体を巻取り軸に巻き取ることなくその開放方向側に収納するようにした態様等を含む。
また、本明細書中において「開閉体幅方向」とは、開閉体の開閉方向と略直交する方向であって、上記開閉体の厚さ方向ではない方向を意味する。
また、本明細書中において「開閉体開閉方向」とは、開閉体が空間を仕切ったり開放したりするためにスライドする方向を意味する。
所定の開閉位置よりも閉鎖方向側においては、より細かく区分された範囲毎に、閾値が設定されるため、開閉体が動作方向側の物体に当接したことの判断精度を向上することができる。ひいては、物体に当接した場合の押圧力が比較的大きくなる全閉近傍範囲において、開閉体の停止や反転等の物体感知動作を、感度よく行うことができる。
以下の開閉装置の一例は、住宅やビル、倉庫、工場、地下街、トンネル、車両の荷台等の躯体の開口部分や内部に配設され、前記開口部分を開閉したり、躯体内部の空間を仕切ったり開放したりするシャッター装置として説明する。
なお、この収納部31は、図示例によれば巻取軸32や駆動装置35等の内部構造を隠蔽する略箱状に形成されているが、他例としては、前記内部構造を露出したタイプとすることも可能である。
この付勢手段32cの付勢力は、駆動装置35の回転力が巻取体32bに作用していない時に、開閉体10を開閉途中で停止させることが可能となるように適宜に設定されている。
このエンコーダ装置36から出力されるパルス信号の数は、後述する制御部38によってカウントされ、そのカウント値は、開閉体10の開閉方向の位置を示す開閉体位置変数として図示しない記憶装置に記憶される。
より詳細に説明すれば、例えば、閉鎖制御によって開閉体10が閉鎖動作した際に、前記開閉体位置変数に対しエンコーダ装置36のパルス信号の数(パルス数)が加算され、開放制御によって開閉体10が開放動作した際には、同開閉体位置変数に対しエンコーダ装置36のパルス数が減算される。
すなわち、開閉体10が閉鎖動作すれば、その閉鎖動作量に応じて開閉体位置変数が増加し、開閉体10が開放動作すれば、その開放動作量に応じて開閉体位置変数が減少する。
なお、前記とは逆に、開閉体10の閉鎖動作に伴って開閉体位置変数が減少し、開閉体10の開放動作に伴って開閉体位置変数が増加する構成とすることも可能である。
より具体的に説明すれば、負荷検出部37は、駆動装置35の負荷値を、電流値もしくは電圧値として検出する装置であり、その負荷値の大きさに応じた電気信号を制御部38へ出力する。
すなわち、駆動装置35が一般的な直流モータである場合には、その負荷による電流値の変化量と負荷トルクとは、略比例的な相関関係を有する。したがって、この場合は、駆動装置35の電流値の変化量を検出することで、駆動装置35の負荷値を間接的に検知することができる。
また、駆動装置35が一般的な交流モータである場合には、その負荷による回転速度の変化量と負荷トルクとが比例的な相関関係を有する。したがって、この場合には、駆動装置35の回転速度の変化量を検出することで、駆動装置35の負荷値を間接的に検知することができる。
制御部38は、エンコーダ装置36、負荷検出部37、図示しない操作部(操作BOXや、リモコン、操作信号を発するコンピュータ、携帯端末等)などから入力される電気信号を、プログラムに基づいて演算処理し、その処理結果に応じて、駆動装置35を正転や逆転、停止等、制御する。
先ず、制御部38は、図2に示すように、電源投入後の経過時間が所定時間(例えば10分程度)を経過したか否かを判断し(ステップ1)、経過していない場合には、ステップ2以降の初期設定動作のための処理を行い、そうでなければステップ30の通常動作フローを実行する。
なお、他例としては、これらステップ2及びステップ3を、前記開放信号がなくても、上記ステップ1の経過後に、自動的に実行するようにしてもよい。
前記全開判断用閾値は、開閉体10の閉鎖方向端部における座板部材12の開閉体厚さ方向の縁部分が、収納部31のまぐさ部(図示せず)に当接して、駆動装置35の負荷値が急上昇した際に、その負荷値の急上昇があったことを判断するための閾値であり、予め実験的または設計的に設定されている。
なお、他例としては、これらステップ7及びステップ8を、前記閉鎖信号がなくても、上記ステップ6の経過後に、自動的に実行するようにしてもよい。
なお、前記一例によれば、開閉体10の閉鎖方向端部が着座対象部位pに当接した際に、操作者が目視判断して前記全閉位置設定操作を行うようにしているが、他例としては、開閉体10が全閉したことをセンサにより感知して、開閉体10の閉鎖動作を停止するようにしてもよい。
また、他例として、前記全閉位置設定操作は、通常動作時と同じ操作で停止した後に、前記特別な操作によって行われるようにしてもよい。この構成によれば、一度で好ましい位置に停止できなかった場合には、再度開閉操作と停止操作により停止位置を修正することができる。
前記負荷値データの記録とは、より具体的に説明すれば、所定のサンプリング時間毎に、開閉体10が動作方向側の物体xに当接していない動作状態で負荷検出部37によって検出される検出負荷値と、該検出負荷値の測定時に対応する上記開閉体位置変数とを、図示しない記憶装置に記憶する動作である。この負荷値データは、グラフで表現すれば、例えば図5に示すように、開閉体10の閉鎖動作に応じて変動する曲線となる。
この停止時点では、開閉体10の全開状態から全閉状態までの閉鎖動作中の負荷値データが全て記録されたことになる。すなわち、図5の負荷値曲線に示すデータが全て記憶装置に記憶された状態となる。
すなわち、制御部38は、開閉体10の全開位置から全閉位置までの閉鎖動作時間を複数に分割し、その分割された各時間範囲を、物体感知用閾値を設定するための閾値設定範囲とする。なお、この際、所定の開閉位置よりも閉鎖方向側における単位ストローク(換言すれば単位閉鎖方向距離、あるいは単位閉鎖時間)あたりの前記閾値設定範囲の数が、該開閉位置よりも開放方向側における単位ストロークあたりの前記閾値設定範囲の数よりも多く設定される。
そして、先ず、時間範囲E1を物体感知用閾値を設定するための範囲である閾値設定範囲e1(一つの第一の閾値設定範囲)とし、この閾値設定範囲e1について、記録された負荷値データに基づいて、「負荷値の最大値+マージン値m=障害物感知用閾値s1」と、対応する開閉体位置変数の範囲とが設定される。
前記マージン値mは、例えば経年変化による摺動抵抗の増大や汚れの付着等に起因して、正常範囲内で負荷値が若干増大した場合には開閉体10停止等の制御が行われないように、予め適宜な値に設定されている。
そして、各閾値設定範囲毎に、物体感知用閾値s1〜s11と、その各閾値が用いられる開閉体位置変数の範囲とが設定されたことになる。
また、図2に示す一例では、上記ステップ1を電源投入後の経過時間が所定時間を経過したか否かを判断するステップとしたが、他例としては、このステップ1を、電源投入後の初めての動作かどうか(より具体的に説明すれば、所定の記憶装置の記憶領域に動作の記憶があるか否か)を判断するステップに置換してもよい。
更に他例としては、上記ステップ1を、上記ステップ2以降の一連の設定動作により設定された物体感知用閾値や、全閉判断用閾値等が記憶されているか否かを判断するステップに置換することも可能である。
このフローチャートは、電源投入後の経過時間が所定時間を超えた場合に実行される当該開閉装置1の通常の制御(図2のステップ30)の内、特に開閉体10の閉鎖動作中の制御について示している。
より詳細に説明すれば、開閉体10の閉鎖動作中にエンコーダ装置36のパルス値を加算してなる開閉体位置変数が、閾値設定範囲e1を示す開閉体位置変数の範囲内に含まれるか否かが判断される。
そして、開閉体10が閾値設定範囲e1内に位置すると判断した場合には次のステップ32aへ処理を進め、そうでなければステップ31bへ処理を移行する。
例えば、ステップ31cでは、前記ステップ31aや31bと略同様にして、開閉体位置変数の値より、開閉体10が閾値設定範囲en内に位置するか否かを判断し、閾値設定範囲en内に位置すると判断した場合には、次のステップ32cへ処理を移行する。ステップ32cでは、上記ステップ32aや32bと略同様に、負荷値が物体感知用閾値snを超えたか否かを判断し、物体感知用閾値snを超えた場合にはステップ33へ処理を移行し、そうでなければステップ31cへ処理を戻す。
したがって、前記範囲E3では、より細かく区分された閾値設定範囲(e7〜e11)毎の物体感知用閾値(s7〜s11)が用いられ、その結果、開閉体10の閉鎖方向端部が物体xに当接したことを、全開位置寄りの範囲E1〜E2と比較し、精度よく判断することができる。
そのため、例えば、ガイドレール20内の異物の影響や、開閉体10とガイドレール20との摩擦抵抗等に起因して、負荷値が上昇し、開閉体10の閉鎖動作が予期せずに停止してしまうようなことを防ぐことができる。
すなわち、図5では閾値設定範囲e1〜e11の各々を時間として表現しているが、閾値設定範囲e1〜e11の各々を開閉体開閉方向の距離として表現することが可能である。
この場合、前記開閉開閉方向の距離は制御部38によってパルス信号のカウント値として認識されるため、具体的には、閾値設定範囲e1〜e11の各々が、パルス信号のカウント値の範囲で表されることになる。
この構成によれば、全閉位置に近い閾値設定範囲(例えばe7〜e11)における物体感知精度を一層向上することができる。
なお、前記構成において、所定の開閉位置よりも閉鎖方向側におけるマージン値は、該開閉位置よりも開放方向側におけるマージン値よりも、一様に小さくしてもよいし、あるいは閉鎖方向へ向かって徐々に段階的に小さくしてもよい。
また、他例としては、所定の開閉位置よりも開放方向側(例えば、図5における時間範囲E1〜E2の範囲)の物体感知用閾値を、一様に単一の物体感知用閾値とすることも可能である。
30:巻取装置 31:収納部
35:駆動装置 e1〜e11:閾値設定範囲
s1〜s11:障害物感知用閾値 x:物体
Claims (4)
- 収納部から繰り出されて閉鎖動作する開閉体と、該開閉体を閉鎖動作させるための動力源である駆動装置と、前記駆動装置の出力軸の回転に伴ってパルス信号を出力する装置と、前記駆動装置の負荷値を検出する負荷値検出部と、前記駆動装置を制御する制御部とを備え、前記制御部が、前記パルス信号をカウントしてそのカウント値を前記開閉体の開閉方向の位置を示す開閉体位置変数として記憶装置に記憶するようにした開閉装置において、
前記制御部が、初期設定動作と、通常動作とを行うように構成され、
前記初期設定動作では、
前記開閉体を開放動作し、前記負荷検出部により検出される負荷値が所定の全開判断用閾値を超えるのを条件に前記開閉体の開放動作を停止し、前記開閉体位置変数を、前記開閉体の全開状態を示す値に設定し、
この後に、前記開閉体を閉鎖動作し、該開閉体の閉鎖方向端部が着座対象部位に当接した際の手動操作である全閉位置設定操作があること又は前記開閉体の全閉をセンサにより感知したことを条件に、前記開閉体の閉鎖動作を停止し、この停止時点の開閉体位置変数を全閉判断用閾値として記憶装置に記憶し、
この後に、前記開閉体を開放動作し、前記負荷検出部により検出される負荷値が前記全開判断用閾値を超えるのを条件に、前記開閉体の開放動作を停止し、
この後に、前記開閉体の閉鎖動作を開始するとともに前記開閉体の閉鎖動作に伴う負荷値の変動を示す負荷値データの記録を開始し、開閉体位置変数が前記全閉判断用閾値を超えるのを条件に、前記開閉体の閉鎖動作を停止し、
この後に、前記負荷値データについて、前記開閉体の全開位置から全閉位置までの動作範囲を複数に分割し、その分割された各範囲を閾値設定のための閾値設定範囲とし、この閾値設定範囲毎に、前記開閉体が動作方向側の物体に当接していない動作状態における負荷値の最大値に所定のマージン値を加えて前記物体感知用閾値を設定するとともに、所定の開閉位置よりも閉鎖方向側における単位ストロークあたりの前記閾値設定範囲の数を、該開閉位置よりも開放方向側における単位ストロークあたりの前記閾値設定範囲の数よりも多くし、
前記通常動作では、
前記開閉体の閉鎖動作中に、開閉体位置変数が前記全閉判断用閾値を超えた場合には前記開閉体の閉鎖動作を停止し、開閉体位置変数が前記全閉判断用閾値を超えていない場合には、前記負荷検出部により検出される負荷値が、その時点の開閉体位置変数に対応する前記閾値設定範囲の前記物体感知用閾値を超えたことを条件に、前記開閉体が動作方向側の物体に当接したと判断し、所定の物体感知動作を行うことを特徴とする開閉装置。 - 前記初期設定動作が可能になるのを、電源投入後の所定時間内としたことを特徴とする請求項1記載の開閉装置。
- 前記初期設定動作を、操作部からの信号がなくても、自動的に実行するようにしたことを特徴とする請求項2記載の開閉装置。
- 前記初期設定動作において、前記のようにして、前記開閉体の閉鎖動作を停止し、この停止時点の開閉体位置変数を全閉判断用閾値として記憶装置に記憶する条件は、前記全閉位置設定操作があることとしたことを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載の開閉装置。
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