JP4652881B2 - 開閉装置 - Google Patents
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この従来技術を防犯目的で利用する場合には、例えば、略全閉位置にある開閉体が悪意を有する第三者により持ち上げ開放操作された際、リミットスイッチ装置(27)から発せられる接点信号の変化を、防犯信号として認識するようにすればよい。
そこで、上記機構に代えて、開閉体の開閉動作に連動してカウント値を出力するエンコーダ装置を備え、該エンコーダ装置から出力されたカウント値を積算し、その積算値が所定値を超えた場合か否かにより、全閉状態の開閉体が持ち上げ開放操作されたか否かを判断するようにした構成が考えられる。
しかし、このようなエンコーダ装置による構成では、開閉体の閉鎖動作により前記積算値が前記所定値を超えた後に、開閉体が全閉時の当接に起因する反動等によって若干開放方向へ移動した場合に、前記積算値が減じて前記所定値を逆方向(開閉体開放方向)へ超えてしまうことになり、このような場合には、見かけ上は開閉体が略全閉状態であるのにも拘らず、制御回路上は開閉体が開放されている状態と判断されてしまうことになる。
したがって、例えば、開閉体の閉鎖動作により前記積算値が前記所定値を超えた際に、開閉体が全閉状態であることを示す全閉信号を出力するように制御回路を構成していた場合には、開閉体が全閉時の当接に起因する反動等で若干開放方向へ移動した際に、見かけ上は開閉体が全閉状態であるのにも拘らず、前記全閉信号が出力されないで、制御回路上は開閉体が開放されている状態と判断されてしまうおそれがある。
すなわち、従来技術の場合にはリミットスイッチ等の機械的なあそび等があるため、前記のような不具合を生じることは少ないが、エンコーダ装置を用いた構成では、工夫を要することになる。
前記開閉体の閉鎖動作により前記開閉体位置情報変数が前記全閉判断用比較値を超えた後に、前記開閉体を開放動作させるための制御指令が無く、且つ前記開閉体の開放方向への移動により前記開閉体位置情報変数が前記離間判断用比較値を超えた場合に、防犯信号を発生するようにした開閉装置において、略全閉位置にある前記開閉体を、開閉方向への遊びを有する状態で前記ガイドレールに係止する施錠機構が具備され、前記施錠機構は、前記開閉体の座板部材から開閉体幅方向へ出没する鍵バーと、該鍵バーを係止すべく前記ガイドレールの底面に固定された被係止部材とを具備し、前記開閉体が略全閉位置にある際に前記鍵バーを突出させて該鍵バーと前記被係止部材との間に所定間隔の隙間である前記遊びを確保し、略全閉状態の前記開閉体が持ち上げ開放操作された場合に、前記鍵バーと前記被係止部材の当接面との当接によって前記開閉体の開放を防ぐように構成され、
前記離間判断用比較値は、前記鍵バーが前記当接面よりも下方側にあることを示す値に設定されていることを特徴とする。
ここで、上記開閉装置は、開閉体により空間を仕切ったり開放したりする開閉装置であればよく、開閉体を巻取り軸により巻き取ったり繰り出したりすることで開閉させる態様や、開閉体を巻取ることなく繰り出したり収納したりする態様等を含む。
この加減算手段には、上記開閉体が閉鎖動作した場合に上記開閉体位置情報変数に対し上記カウント値を加算し、上記開閉体が開放動作した場合には上記開閉体位置情報変数から上記カウント値を減算するようにした態様や、上記開閉体が閉鎖動作した場合に上記開閉体位置情報変数から上記カウント値を減算し、上記開閉体が開放動作した場合には上記開閉体位置情報変数に対し上記カウント値を加算するようにした態様等を含む。
また、上記離間判断用比較値の具体例としては、上記開閉体が略全閉位置から開放方向へ所定間隔離れた際の上記開閉体位置情報変数の値を目安にして設定すればよく、上記所定間隔は、上記開閉体が全閉時の反動により開放方向へ移動する際の移動量よりも大きく設定されるのが好ましい。
また、上記施錠機構とは、略全閉位置にある上記開閉体を開閉方向への遊びを有する状態で上記不動部位に係止することで、上記開閉体の開閉方向への移動を上記遊びの範囲内に規制する構成であればよい。
この施錠機構の具体例としては、上記開閉体と該開閉体を開閉方向へ案内するガイドレールとを凹凸状に係合させるようにした態様や、上記開閉体と該開閉体をその開放方向側で収納する収納ケースとを凹凸状に係合させるようにした態様、上記開閉体と該開閉体により当接される当接対象部位とを、略フック状の掛合部材と該掛合部材によって掛合可能な被掛合部材とによって掛合させるようにした態様等が挙げられる。
この施錠機構は、開閉体の制御動作に連動せずに手動操作等により開錠されるものであってもよいし、開閉体の制御動作に連動して自動的に開錠されるものであってもよい。
また、本明細書中において「開閉方向」とは、上記開閉体が空間を仕切ったり開放したりするためにスライドする方向を意味する。
第一の形態によれば、開閉体を閉鎖動作させれば、その閉鎖動作に伴ってエンコーダ装置からカウント値が出力され、そのカウント値がメモリー部に記憶された開閉体位置情報変数に加算または減算される。そして、開閉体が略全閉位置となることで、開閉体位置情報変数が全閉判断用比較値を超え、その後に、開閉体を開放動作させるための制御指令が無く、且つ開閉体の開放方向への移動により開閉体位置情報変数が離間判断用比較値を超えた場合、すなわち、例えば悪意を有する第三者により開閉体が持ち上げ開放操作された場合等には、防犯信号を発生する。
したがって、故障や動作不良等が比較的少なく生産性の良い簡素な構造でもって、全閉状態の開閉体が持ち上げ開放操作されてしまうのを防ぐことができる。
その上、開閉体が閉鎖動作しているときに比較される比較値(全閉判断用比較値)と、開閉体が開放動作されたときに比較される比較値(離間判断用比較値)とを分けた構成としているため、これら双方の比較値の数値幅内に、開閉体の全閉時の反動に起因する開閉体位置情報変数の変化を許容することができ、ひいては、全閉時の反動等の影響に起因する誤動作を低減することができる。
しかも、歯車や、リミットスイッチ、リセット機構等の機械的な構成が比較的少ないため、機械的な故障や動作不良等も低減することができる。
したがって、略全閉状態の開閉体が持ち上げ開放操作されてしまうのを、効果的に防ぐことができ、当該開閉装置の防犯性能を向上することができる。
したがって、閉鎖状態の開閉体が故意に持ち上げ開放操作された場合等、異常な開放があった場合でも、その開放された開閉体を、元の略全閉された状態に自動的に戻し、通常の防犯性能を発揮することができる。その上、制御性も良好である。
すなわち、通常、施錠機構の遊びは、該施錠機構による係脱動作をスムーズに行うために確保された必要最小限の遊びである。したがって、この遊びの範囲内で開閉体の閉鎖方向端部が開閉方向へ若干移動したとしても、防犯上や意匠上等においては殆ど問題がない。
そこで、本形態は、このような施錠機構の遊びの範囲を有効に利用して、全閉時の反動等の影響に起因する誤動作を低減している。
本実施の形態による一例は、住宅やビル、倉庫、工場、地下街、トンネル、車両の荷台等の躯体の開口部分や内部に配設され、前記開口部分を開閉したり、躯体内部の空間を仕切ったり開放したりするシャッター装置として説明する。
そして、この開閉装置1は、巻取装置30内に配設されたエンコーダ装置35、制御部40等により、開閉体10の位置を開閉体位置情報変数として認識し、その開閉体位置情報変数が所定の比較値領域以内の値となったか否かに応じて所定の制御を行う。
施錠機構50は、開閉体10の座板部材12から開閉体幅方向へ出没する鍵バー51と、該鍵バー51を係止すべくガイドレール20の底面に固定された被係止部材52とを具備している。
この鍵バー51は、開閉体10が略全閉された状態で、開閉体本体11や座板部材12等に設けられた図示しない操作部が手動操作された場合や、電気信号等により同操作部が電動操作された場合等に、開閉体10側へ没入動作するようになっている。
この遊びS2は、鍵バー51と被係止部材52との係脱動作を良好にし、且つ、閉鎖状態の開閉体10が不当に持ち上げ操作された際であっても、座板部材12と当接対象部位pとの間に殆ど隙間が生じない程度、あるいは若干の隙間が生じたとしても当該開閉装置1による防犯性や閉鎖性等に殆ど支障がない程度に、適宜設定されている。
なお、図1によれば、本実施の形態の特徴を明瞭に示すために、図面上における遊びS2を実際よりも大きめに図示している。
したがって、開閉体10の略全閉状態において、仮に開閉体10が悪意を有する第三者により持ち上げ開放操作された場合でも、鍵バー51と被係止部材52との当接により、開閉体10の開放を防ぐことができる。
また、使用者等が開閉体10を通常に開放動作する場合には、図示しない操作部に対する手動操作や電動操作等により、鍵バー51を没入させて、開閉体10を開放方向へ動作させればよい。
すなわち、電動駆動源33が一般的な直流モータである場合には、その負荷による電流値の変化量と負荷トルクとは、略比例的な相関関係を有する。したがって、この場合は、電動駆動源33の電流値の変化量を負荷検出部36により検出すれば、電動駆動源33の負荷値を間接的に検知することができる。
また、電動駆動源33が一般的な交流モータである場合には、その負荷による回転数の変化量と負荷トルクとが比例的な相関関係を有する。したがって、この場合は、電動駆動源33の回転数の変化量を負荷検出部36により検出すれば、電動駆動源33の負荷値を間接的に検知することができる。
なお、この制御部40は、回路構成や、制御のための設定値等を現場状況等に応じて容易に変更可能なように、例えばマイコンやプログラマブルコントローラー等が用いたプログラムドロジック回路による構成とするのが好ましいが、リレー回路やその他の電子回路を用いたワイヤードロジック回路とすることも可能である。
また、上記加減算手段は、電子的に構成された加減算回路であり、制御部40をマイコンやプログラマブルコントローラー等とした場合には、そのCPU(中央処理装置)を用いた構成とすればよい。
先ず、図2(a)のフローチャートでは、開閉体10が全閉される際の制御部40による処理を示している。
ステップ1では、図示しない操作部からの閉鎖信号があるか否かを監視し、閉鎖信号があった場合には、処理をステップ2へ移行し、開閉体10を閉鎖動作するように電動駆動源33を駆動させ、そうでない場合には、閉鎖信号の入力待ち状態を継続する。
そして、開閉体10の閉鎖動作中、メモリー部41に記憶された開閉体位置情報変数には、エンコーダ装置35から入力されるカウント値が加算される。したがって、メモリー部41に記憶された開閉体位置情報変数は、開閉体10の開閉方向の位置を示すことになる。
より詳細に説明すれば、比較値領域は、開閉体10が略全閉位置になったことを判断するための全閉判断用比較値と、同開閉体10が略全閉位置から開放方向へ所定間隔離れたことを判断するための離間判断用比較値との間の領域である。
前記全閉判断用比較値は、比較値領域における閉鎖方向側の限界値であり、図1に示す一例によれば、開閉体10の閉鎖方向端部が当接対象部位pに略接触した位置aを示す値である。
また、前記離間判断用比較値は、比較値領域における開放方向側の限界値であり、図1に示す一例によれば、開閉体10の閉鎖方向端部が当接対象部位pから開放方向へ若干離れた位置bを示す値である。
このステップ3では、開閉体位置情報変数が比較値領域の閉鎖方向側の限界値である全閉判断用比較値をプラス方向へ超えた場合、換言すれば開閉体位置情報変数が全閉判断用比較値よりも大きくなった場合に、開閉体10が略全閉位置に達したと判断して、次のステップ4へ処理を移行し、そうでない場合には、開閉体10の閉鎖動作を継続するとともに開閉体位置情報変数へのカウント値の加算を継続する。
なお、前記全閉判断用比較値は、開閉体10の動作の応答遅れ等を見込んで、開閉体10が当接対象部位pに略接触した時点の開閉体位置情報変数よりも若干小さい値に設定されるのが好ましい。
先ず、ステップ11では、図示しない操作部からの開放信号があるか否かを監視し、開放信号があった場合には、ステップ12へ処理を移行して、開閉体10を開放動作するように電動駆動源33を駆動させ、そうでない場合には、ステップ22へ処理を移行する。
そして、開閉体10の開放動作中は、メモリー部41に記憶された開閉体位置情報変数に対し、エンコーダ装置35から入力されるカウント値が減算される。したがって、この開放動作中においても、メモリー部41に記憶された開閉体位置情報変数は、開閉体10の開閉方向の位置を示すことになる。
前記全開判断用比較値は、開閉体10が略全開された位置を示す値である。したがって、開閉体位置情報変数がこの全開判断用比較値をマイナス方向へ超えた際に、開閉体10を停止すれば、開閉体10は、略全開された状態で停止することになる。
より詳細に説明すれば、このステップ22では、開閉体位置情報変数が比較値領域の開放方向側の限界値である離間判断用比較値をマイナス方向へ越えた場合、換言すれば開閉体位置情報変数が離間判断用比較値よりも小さくなった場合に、次のステップ23へ処理が移行され、開閉体10を閉鎖方向へ動作させるように電動駆動源33が駆動される。また、そうでない場合には、上記ステップ11へ処理が戻される。
なお、比較値領域の領域幅S1、換言すれば離間判断用比較値と全閉判断用比較値との差は、開閉体10がその全閉時に当接対象部位pから受ける反動やスプリング34の付勢力等により若干開放方向へ移動した場合に、その移動量を許容可能であって、且つ、施錠機構50の遊びS2を許容可能な範囲に設定され、本実施の形態の好ましい一例によれば、施錠機構50の遊びS2と略同等の幅に設定されている。
しかしながら、この場合には開閉体10が全閉時の反動等により若干開放方向へ移動した場合も含まれる。そして、このような場合に開閉体10を強制的に閉鎖動作させるように制御すると、全閉時の反動による開閉体10の若干の開放方向への移動と、同開閉体10の閉鎖動作とが繰り返されてしまうことになる。
そこで、ステップ22では、開閉体10が、全閉時の反動等による移動量よりも大きく開放方向へ移動したことを、開閉体位置情報変数と離間判断用比較値との比較結果により判断している。
そして、上記ステップ22により開閉体位置情報変数が離間判断用比較値よりも小さくなったと判断された場合、制御部40は、次のステップ23で、防犯信号としての閉鎖信号を出力し、開閉体10を強制的に閉鎖動作させる。
また、上記ステップ22と上記ステップ23の間に、更に、開閉体10が開放方向へ何パルス分移動したかをエンコーダ装置35のパルス信号によりカウントし、そのカウント値が所定値を超えた場合に次のステップ23へ処理を移行するステップを加えてもよい。
これらの構成によれば、全閉時の瞬発的な反動による開閉体10の若干の開放方向への移動や、ノイズ、その他の影響による誤判断等を、より効果的に防ぐことができる。
また、負荷検出部36の用い方の他例としては、閉鎖動作中の開閉体10が障害物に当接した際の負荷上昇を負荷検出部36により感知し、開閉体10を停止や反転上昇等させるようにしてもよい。
また、本発明に係わる開閉装置1は、負荷検出部36を省いた態様とすることも可能である。
10:開閉体
20:ガイドレール(不動部位)
30:巻取装置
32:巻取り軸
33:電動駆動源
35:エンコーダ装置
40:制御部
41:メモリー部
50:施錠機構
Claims (4)
- 閉鎖方向端部をスライドさせて開閉動作する開閉体と、該開閉体の幅方向の端部を囲み開閉方向へ案内するガイドレールと、前記開閉体の開閉動作に連動してカウント値を出力するエンコーダ装置と、前記開閉体の位置情報である開閉体位置情報変数を記憶するメモリー部と、前記開閉体位置情報変数に対し前記カウント値を加減算する加減算手段とを備え、前記メモリー部に記憶された前記開閉体位置情報変数から開閉体位置を認識するようにした開閉装置であって、
前記開閉体が略全閉位置になったことを判断するための全閉判断用比較値と、前記開閉体が略全閉位置から開放方向へ所定間隔離れたことを判断するための離間判断用比較値とを予め設定し、
前記開閉体の閉鎖動作により前記開閉体位置情報変数が前記全閉判断用比較値を超えた後に、前記開閉体を開放動作させるための制御指令が無く、且つ前記開閉体の開放方向への移動により前記開閉体位置情報変数が前記離間判断用比較値を超えた場合に、防犯信号を発生するようにした開閉装置において、
略全閉位置にある前記開閉体を、開閉方向への遊びを有する状態で前記ガイドレールに係止する施錠機構が具備され、
前記施錠機構は、前記開閉体の座板部材から開閉体幅方向へ出没する鍵バーと、該鍵バーを係止すべく前記ガイドレールの底面に固定された被係止部材とを具備し、前記開閉体が略全閉位置にある際に前記鍵バーを突出させて該鍵バーと前記被係止部材との間に所定間隔の隙間である前記遊びを確保し、略全閉状態の前記開閉体が持ち上げ開放操作された場合に、前記鍵バーと前記被係止部材の当接面との当接によって前記開閉体の開放を防ぐように構成され、
前記離間判断用比較値は、前記開閉体の閉鎖方向端部が当接対象部位から開放方向へ若干離れ且つ前記当接面よりも下方側にあることを示す値に設定されていることを特徴とする開閉装置。 - 前記開閉体を巻き取ったり繰り出したりする巻取り軸と、該巻取り軸に内在され付勢力によって前記開閉体が自重で閉鎖されてしまうのを阻むスプリングとを備え、
前記離間判断用比較値と前記全閉判断用比較値との差は、前記開閉体がその全閉時に当接対象部位から受ける反動や前記スプリングの付勢力により若干開放方向へ移動した場合に、その移動量を許容可能なように設定されていることを特徴とする請求項1記載の開閉装置。 - 前記防犯信号により前記開閉体を強制的に閉鎖動作させるようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の開閉装置。
- 前記開閉体の閉鎖動作により前記開閉体位置情報変数が前記全閉判断用比較値を超えた後に、前記開閉体を開放動作させるための制御指令が無く、且つ前記開閉体の開放方向への移動により前記開閉体位置情報変数が前記離間判断用比較値を超えた場合に、タイマによるカウントを開始し、そのカウントが所定値を超えた場合に、前記防犯信号を発生するようにしたことを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載の開閉装置。
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