JP5145372B2 - ハードディスクラッチ部品 - Google Patents

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Description

本発明はハードディスクラッチ部品に関する
ポリアセタール樹脂は、機械的強度、耐薬品性および摺動性のバランスに優れ、かつ、その加工性が容易である。そこで、ポリアセタール樹脂は、代表的エンジニアリングプラスチックスとして、電気機器や電気機器の機構部品、OA機器の機構部品、自動車部品、およびその他の機構部品を中心に広範囲に亘って用いられている。
近年、ポリアセタール樹脂製のレバー等の成形体は、ハードディスク部品として金属部品と組み合わせて使用される例が増えてきている。
これまで、ポリアセタール樹脂製の成形体をハードディスク部品に用いる技術が提案されている(たとえば、特許文献1〜3参照。)。これらの特許文献には、ラッチ等にポリアセタール樹脂を用いることが記載されている。また、特許文献4には、柔軟性を付与したポリアセタール樹脂組成物の記載がある。
特開2003−208772号公報 特開2007−179709号公報 特開2009−187600号公報 国際公開第2005/035652号
しかしながら、ポリアセタール樹脂から得られる成形体は、ハードディスク部品として金属と組み合わせて使用されると、当該金属との接触により耳障りな音が発生する場合がある。
上記特許文献1〜3には、ポリアセタール樹脂をラッチに使用することは記載されているが、上述したような音の発生の抑制については何ら検討されていない。また、特許文献4に記載のポリアセタール樹脂組成物を成形して得られるラッチは、柔軟性を付与しすぎると、摩耗が生じたり、成形時にハクリが発生したり、相手部品であるヘッドアクチュエータを充分に拘束できない場合がある。したがって、特許文献4に記載のポリアセタール樹脂組成物は、当該樹脂組成物単体でのラッチへの使用は困難な場合があり、金属部品とのインサート成形等が必要な場合がある。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ラッチの機能を充分満足し、かつ音の発生を抑え、高負荷条件での耐摩耗性に優れ、成形時のハクリを極力抑えたハードディスクラッチ部品を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために、各種の高分子化合物を検討し、融点の異なる2種類のポリアセタール樹脂のブレンド物、ビニル芳香族化合物および共役ジエン化合物のランダム共重合体の水素添加物、ならびにポリオレフィン系樹脂を含むポリアセタール樹脂組成物を用いることにより、優れた消音性と高負荷条件での優れた耐摩耗性とを有するハードディスクラッチ部品を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下に関する。
[1]
融点が163〜167℃のポリアセタール樹脂(a−1)および融点が168〜172℃のポリアセタール樹脂(a−2)のブレンド物であるポリアセタール樹脂(A)、ビニル芳香族化合物および共役ジエン化合物のランダム共重合体ブロックを少なくとも1つ含む重合体の水素添加物(B)、ならびにポリオレフィン系樹脂(C)を含むポリアセタール樹脂組成物を成形して得られ、
ISO法による引張弾性率が1500〜2200MPaであるハードディスクラッチ部品。
[2]
前記ポリアセタール樹脂(a−1)がポリオキシメチレンブロック共重合体である[1]に記載のハードディスクラッチ部品。
[3]
前記ポリアセタール樹脂(A)における前記ポリアセタール樹脂(a−1)の含有率が30〜60質量%である[1]または[2]に記載のハードディスクラッチ部品。
本発明によれば、ラッチの機能を充分満足し、かつ音の発生を抑え、高負荷条件での耐摩耗性に優れ、成形時のハクリを極力抑えたハードディスクラッチ部品を提供することが可能となる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について、説明する。本発明は、以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
≪ハードディスクラッチ部品≫
本実施形態に係るハードディスクラッチ部品は、融点が163〜167℃のポリアセタール樹脂(a−1)および融点が168〜172℃のポリアセタール樹脂(a−2)のブレンド物であるポリアセタール樹脂(A)(以下「成分(A)」とも記す。)、ビニル芳香族化合物および共役ジエン化合物のランダム共重合体ブロックを少なくとも1つ含む重合体の水素添加物(B)(以下「成分(B)」とも記す。)、ならびにポリオレフィン系樹脂(C)(以下「成分(C)」とも記す。)を含むポリアセタール樹脂組成物を成形して得られ、ISO法による引張弾性率が1500〜2200MPaである。
当該引張弾性率は、1600〜2000MPaであることが好ましく、1700〜1800MPaであることがより好ましい。当該引張弾性率が前記範囲内であると、ハードディスクラッチ部品の消音性および耐摩耗性が優れる傾向にある。
前記引張弾性率は、たとえば、成分(B)の含有量によって制御することができる。すなわち、前記引張弾性率は、成分(B)の含有量を多くすると低くなり、成分(B)の含有量を少なくすると高くなる傾向にある。
なお、本実施形態において、引張弾性率は、ISO527−1&2に基づいて測定した値である。
本実施形態に係るハードディスクラッチ部品は、射出成形法、ホットランナー射出成形法、アウトサート成形法、インサート成形法、ガスアシスト中空射出成形法、金型の高周波加熱射出成形法、圧縮成形法、インフレーション成形、ブロー成形、押出成形或いは押出成形品の切削加工等の成形法で、上記ポリアセタール樹脂組成物を成形して得ることができる。
以下、上記ポリアセタール樹脂組成物を構成する各成分について詳細に説明する。
<成分(A)>
本実施形態に用いる成分(A)は、融点が163〜167℃のポリアセタール樹脂(a−1)(以下「成分(a−1)」とも記す。)および融点が168〜172℃のポリアセタール樹脂(a−2)(以下「成分(a−2)」とも記す。)のブレンド物である。
なお、本実施形態において、ポリアセタール樹脂とは、オキシメチレン構造を単位構造に有するポリマーであり、ポリオキシメチレン樹脂ともいう。
成分(A)に用いられる成分(a−1)としては、融点が163〜167℃のポリアセタール樹脂であれば特に限定されないが、例えば、ホルムアルデヒドまたはその3量体であるトリオキサンや4量体であるテトラオキサンと、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,3−ジオキソラン、グリコールのホルマール、ジグリコールのホルマールなどとを共重合させて得られた炭素数2〜8のオキシアルキレン単位をオキシメチレンに対して、0.1〜40モル%を含有するオキシメチレンコポリマーのうち、融点が163〜167℃のオキシメチレンコポリマーなどが挙げられる。
成分(A)に用いられる成分(a−2)としては、融点が168〜172℃のポリアセタール樹脂であれば特に限定されないが、例えば、ホルムアルデヒドまたはその3量体であるトリオキサンや4量体であるテトラオキサンと、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,3−ジオキソラン、グリコールのホルマール、ジグリコールのホルマールなどとを共重合させて得られた炭素数2〜8のオキシアルキレン単位をオキシメチレンに対して、0.1〜40モル%を含有するオキシメチレンコポリマーのうち、融点が168〜172℃のオキシメチレンコポリマーなどが挙げられる。
当該オキシメチレンコポリマーの融点は、上述の炭素数2〜8のオキシアルキレン単位の量により制御することができる。例えば、炭素数2〜8のオキシアルキレン単位の量を多くすると、オキシメチレンコポリマーの融点は低くなる。
したがって、成分(a−1)としては、オキシメチレン基を主たる繰り返し単位とし、炭素数2〜8のオキシアルキレン基をオキシメチレン基に対して、3〜10モル%を含有するポリオキシメチレンコポリマーであることが好ましく、3〜8モル%を含有するポリオキシメチレンコポリマーであることがより好ましく、4〜6モル%を含有するポリオキシメチレンコポリマーであることがさらに好ましい。
また、成分(a−2)としては、オキシメチレン基を主たる繰り返し単位とし、炭素数2〜8のオキシアルキレン基をオキシメチレン基に対して、0.1〜2.9モル%を含有するポリオキシメチレンコポリマーであることが好ましく、0.5〜2.0モル%を含有するポリオキシメチレンコポリマーであることがより好ましく、1.0〜1.5モル%を含有するポリオキシメチレンコポリマーであることがさらに好ましい。
なお、本実施形態において、融点は、後述する実施例に記載の測定方法により得られる値である。
前記成分(a−1)は、ポリオキシメチレンブロック共重合体であることが好ましい。
特に好ましいポリオキシメチレンブロック共重合体としては、下記式(1)で表される数平均分子量10,000〜500,000であるポリオキシメチレンブロック共重合体である。このポリオキシメチレンブロック共重合体は、国際公開第WO01/009213号に示す方法により製造することが可能である。
上記式(1)中、S以外(以下「Tブロック」ともいう)は、m=2〜98モル%、n=2〜98%、m+n=100モル%であり、mはnに対してランダムあるいはブロックで存在し、数平均分子量500〜10,000である両末端をヒドロキシアルキル化された水素添加液状ポリブタジエン残基(但し、Tブロックはヨウ素価20g−I2/100g以下の不飽和結合をもつものであってもよい)である。kは、2〜6から選ばれる整数であり、2つのkは各々同一であっても異なっていてもよい。Rは、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基および置換アリール基からなる群から選ばれた基であって、各々同一であっても異なっていてもよい。Sブロックは、下記式(2)で表されるポリオキシメチレン共重合体残基である。
上記式(2)中、R1は水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基および置換アリール基からなる群から選ばれた基であって、各々同一であっても異なっていてもよい。jは2〜6から選ばれる整数である。x=95〜99.9モル%、y=5〜0.1モル%、x+y=100モル%、yはxに対してランダムに存在する。
上記式(1)中の2つのSブロックの平均の数平均分子量は、5,000〜250,000である。
なお、本実施形態において、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されたポリスチレン換算の分子量を基準として算出された値である。
上記ポリオキシメチレンブロック共重合体は、オレフィン成分を含むポリマーとの相溶性改良に効果がある。
前記成分(A)における前記成分(a−1)の含有率は、30〜60質量%であることが好ましく、35〜60質量%であることがより好ましく、39〜60質量%であることがさらに好ましい。
また、成分(a−1)および成分(a−2)のメルトフローレート(ASTM−D1238−57Tの条件で測定)は、成形加工の面から0.5g/10分以上であることが好ましく、耐久性の面から100g/10分以下であることが好ましく、より好ましくは1.0〜80g/10分、さらに好ましくは5〜60g/10分、最も好ましくは7〜50g/10分の範囲である。
上述した成分(a−1)および成分(a−2)には、従来のポリオキシメチレン樹脂に使用されている安定剤、たとえば熱安定剤、耐候(光)安定剤等を単独、またはこれらを組み合わせて用いることが出来る。
熱安定剤としては、酸化防止剤、ホルムアルデヒドやギ酸の捕捉剤およびこれらの併用が効果を発揮する。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、たとえば、n−オクタデシル−3−(3'5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3'−メチル−5'−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テトラデシル−3−(3'5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、1,4−ブタンジオール−ビス−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、トリエチレングリコール−ビス−(3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)が挙げられる。
また、テトラキス−(メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネートメタン、3,9−ビス(2−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、N,N'−ビス−3−(3'5'−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プリピオニルヘキサメチレンジアミン、N,N'−テトラメチレンビス−3−(3'−メチル−5'−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオニルジアミン、N,N'−ビス−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオニル)ヒドラジン、N−サリチロイル−N'−サリチリデンヒドラジン、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、N,N'−ビス(2−(3−(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル)オキシアミド等が挙げられる。
これらヒンダードフェノール系酸化防止剤のなかでも、トリエチレングリコール−ビス−(3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、テトラキス−(メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネートメタンが好ましい。
これらの酸化防止剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ホルムアルデヒドやギ酸の捕捉剤としては、(イ)ホルムアルデヒド反応性窒素を含む化合物および重合体、(ロ)アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、およびカルボン酸塩が挙げられる。
(イ)ホルムアルデヒド反応性窒素を含む化合物および重合体としては、ジシアンジアミド、メラミン、メラミンとホルムアルデヒドとの共縮合物、ポリアミド樹脂(たとえばナイロン4−6、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン6−12、ナイロン12、ナイロン6/6−6、ナイロン6/6−6/6−10、ナイロン6/6−12等)、ポリ−β−アラニン、ポリアクリルアミド等が挙げられる。これらの中では、メラミンとホルムアルデヒドとの共縮合物、ポリアミド樹脂、ポリ−β−アラニン、ポリアクリルアミドが好ましく、ポリアミド樹脂とポリ−β−アラニンがさらに好ましい。
(ロ)アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、およびカルボン酸塩としては、たとえば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムもしくはバリウムなどの水酸化物、上記金属の炭酸塩、リン酸塩、珪酸塩、硼酸塩、カルボン酸塩が挙げられる。具体的にはカルシウム塩が最も好ましく、たとえば、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、珪酸カルシウム、硼酸カルシウム、および脂肪酸カルシウム塩(ステアリン酸カルシウム、ミリスチン酸カルシウム等)が挙げられる。これら脂肪酸は、ヒドロキシル基で置換されていてもよい。これらの中では、脂肪酸カルシウム塩(ステアリン酸カルシウム、ミリスチン酸カルシウム等)が好ましい。
これらのホルムアルデヒドやギ酸の捕捉剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
耐候(光)安定剤としては、(ハ)ベンゾトリアゾール系物質、(ニ)シュウ酸アニリド系物質および(ホ)ヒンダードアミン系物質が好ましい。
(ハ)ベンゾトリアゾール系物質としては、たとえば2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3,5−ジ−イソアミル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2'−ヒドロキシ−3,5−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−4'−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。好ましくは2−[2'−ヒドロキシ−3,5−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾールである。これらの物質はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(ニ)シュウ酸アニリド系物質としては、たとえば、2−エトキシ−2'−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2'−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−3'−ドデシルオキザリックアシッドビスアニリド等が挙げられる。これらの物質はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(ホ)ヒンダードアミン系物質としては、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルアセトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−フェノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(エチルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(シクロヘキシルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンが挙げられる。
また、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)−カーボネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−オキサレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−マロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−アジペート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−テレフタレート、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−エタン、α,α'−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−p−キシレンが挙げられる。
また、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)トリレン−2,4−ジカルバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレン−1,6−ジカルバメート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,4−トリカルボキシレート等が挙げられる。好ましくはビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケートである。上記ヒンダードアミン系物質はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また上記ベンゾトリアゾール系物質、シュウ酸アニリド系物質およびヒンダードアミン系物質の組合せが最も好ましい。
安定剤の好ましい組み合わせは、「ヒンダードフェノール(特にトリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、テトラキス−[メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネートメタン])」、「ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体(特にポリアミド樹脂、ポリ−β−アラニン)」および必要により「アルカリ土類金属の脂肪酸塩(特に脂肪酸カルシウム塩)」の併用である。その添加量は、成分(a−1)および成分(a−2)に対して、「ヒンダードフェノール」0.05〜0.5質量%、「ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体」0.01〜0.5質量%、および必要により「アルカリ土類金属の脂肪酸塩(特に脂肪酸金属塩)」0.01〜0.3質量%の範囲が好ましい。また、耐候(光)安定剤を用いる場合は0.1〜3質量%の範囲での使用が好ましい。
<成分(B)>
成分(B)成分は、ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とのランダム共重合したブロックを必ず1個以上持った重合体を水素添加したものである。前記重合体の具体例としては、(1)ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックB1(ビニル芳香族化合物の含有量が少なくとも90質量%以上である)と、少なくとも1個のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックB2(ビニル芳香族化合物の含有量が3質量%以上90質量%未満である)とからなるブロック共重合体、(2)共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックB3(共役ジエン化合物の含有量が少なくとも97質量%以上である)と、少なくとも1個のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックB2(ビニル芳香族化合物の含有量が3質量%以上、90質量%未満である)とからなるブロック共重合体、(3)ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックB1(ビニル芳香族化合物の含有量が少なくとも90質量%以上である)と少なくとも1個のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックB2(ビニル芳香族化合物の含有量が3質量%以上90質量%未満である)および共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックB3(共役ジエン化合物の含有量が少なくとも97質量%以上である)とからなるブロック共重合体、(4)ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体が、挙げられる。
上記したブロック共重合体中のランダム共重合体ブロックのビニル芳香族化合物は均一に分布していても、またはテーパー状に分布していてもよい。また該ランダム共重合体ブロックは、ビニル芳香族化合物が均一に分布しているブロックおよび/またはテーパー状に分布しているブロックがそれぞれ複数個共存していてもよい。また、該ランダム共重合体ブロックは、ビニル芳香族化合物含有量が異なるブロックが複数個共存していてもよい。この(1)ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックB1と、少なくとも1個のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックB2とからなるブロック共重合体としては、一般に下記構造を有するブロック共重合体が例示される。
(B1−B2)n、B1−(B2−B1)n−B2、B2−(B1−B2)n+1、[(B1−B2)km+1−Z、[(B1−B2)k−B1]m+1−Z、[(B2−B1)km+1−Z、[(B2−B1)k−B2]m+1−Z
上式において、Zはカップリング剤の残基または多官能有機リチウム化合物の開始剤の残基を示す。n、kおよびmは1以上の整数、一般的には1〜5である。
さらに(2)共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックB3と、少なくとも1個のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックB2とからなるブロック共重合体としては、一般に下記構造を有するブロック共重合体が例示される。
(B3−B2)n、B3−(B2−B3)n−B2、B2−(B3−B2)n+1、[(B3−B2)km+1−Z、[(B3−B2)k−B3]m+1−Z、[(B2−B3)km+1−Z、[(B2−B3)k−B2]m+1−Z
上式において、Zはカップリング剤の残基または多官能有機リチウム化合物の開始剤の残基を示す。n、kおよびmは1以上の整数、一般的には1〜5である。
そしてさらに、(3)ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックB1と少なくとも1個のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックB2および共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックB3とからなるブロック共重合体としては、一般に下記構造を有するブロック共重合体が例示される。
(B1−B2−B3)n、B1−(B2−B3)n−B3、B3−(B1−B2)n+1、[(B1−B2−B3)km+1−Z、[(B1−B2−B3)k−B1]m+1−Z、[(B2−B1−B3)km+1−Z、[(B2−B1)k−B3]m+1−Z
上式において、Zはカップリング剤の残基または多官能有機リチウム化合物の開始剤の残基を示す。n、kおよびmは1以上の整数、一般的には1〜5である。
上記に挙げたこれらのビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックを少なくとも1個有する重合体に用いるビニル芳香族化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルエチレン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン等があげられる。これらは1種単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。特にスチレンが好ましい。
前記共役ジエンは1対の共役二重結を有するジオレフィンであり、たとえば1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられる。特に一般的なものとしては、1,3−ブタジエン、イソプレンが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
成分(B)におけるビニル芳香族化合物の含有量は、通常3〜90質量%の中から好適に選ぶことが可能であり、好ましくは5〜88質量%、より好ましくは10〜86質量%である。なお、成分(B)におけるビニル芳香族化合物の含有量が、50質量%以下、好ましくは40質量%以下の場合はゴム的な弾性特性を示す傾向にあり、50質量%を超え、好ましくは60質量%を超える場合は柔軟な軟質樹脂的な特性を示す傾向にある。
本願の目的からは、ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックB1(ビニル芳香族化合物の含有量が少なくとも90質量%以上である)と、少なくとも1個のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックB2(ビニル芳香族化合物の含有量が3質量%以上90質量%未満である)とからなるブロック共重合体が好ましい。成分(B)におけるビニル芳香族化合物の含有量は、好ましくは50〜90質量%の範囲、より好ましくは60〜88質量%の範囲、特に好ましくは62〜86質量%の範囲である。ビニル芳香族化合物の含有量は紫外分光光度計、赤外分光光度計や核磁気共鳴装置等を用いて測定できる。以下、具体的な測定は、国際公開第WO03/035705号公報に記載された測定方法に従って実施できる。
また、上記に挙げた成分(B)における水素添加前の共役ジエン化合物の重合形式であるミクロ構造は任意に選ぶことができる。たとえば、1,3−ブタジエンにおいては、1,2−ビニル結合が2〜85%、好ましくは8〜85%、さらに好ましくは10〜85%である。また、イソプレンにおいては、1,2−ビニル結合および3,4−ビニル結合の合計量が2〜85%、好ましくは3〜75%、さらに好ましくは3〜60%である。
成分(B)の重量平均分子量は、100,000〜1,000,000の範囲、好ましくは100,000〜500,000の範囲、さらに好ましくは13,000〜400,000の範囲、特に好ましくは150,000〜300,000の範囲である。分子量100,000を超えると耐ブロッキング性、損失係数、摩擦摩耗性能が良好となり、1,000,000以下では成形加工性が良好となる。また、重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)は成形加工性の点から1.5〜5.0が好ましく、さらに好ましくは1.6〜4.5、特に好ましくは1.8〜4.0が推奨される。
なお、本実施形態において、重量平均分子量および数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されたポリスチレン換算の分子量を基準として算出された値である。
成分(B)における水素添加量は、共役ジエン化合物に基づく二重結合の85%以上が水素添加されていることが耐ブロッキング性や摩擦摩耗性、熱エージング性の観点から望ましい。好ましくは90%以上、さらに好ましくは92%以上、特に好ましくは95%以上である。
上記した、水素添加前の共役ジエン化合物重合体、ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックを少なくとも1個有する重合体は、炭化水素溶媒中で、有機リチウム化合物を重合開始剤として、共役ジエン化合物、ビニル芳香族化合物をアニオン重合して得られる。かかる炭化水素溶媒としては、脂肪族、脂環式および芳香族炭化水素を使用することができる。たとえば、プロパン、イソブタン、n−ヘキサン、イソオクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。特に好ましい溶媒はn−ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼンであり、これらの溶媒は1種または2種以上の混合溶媒として用いても構わない。また、重合に使用する重合開始剤である有機リチウム化合物としては、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等のモノ有機リチウム化合物や、ジリチオメタン、1,4−ジリチオブタン、1,4−ジリチオ−2−エチルシクロヘキサン、1,2−ジリチオ−1,2−ジフェニルメタン、1,3,5−トリリチオベンゼン等の多官能性有機リチウム化合物が使用できる。これらは単独、または二種以上の混合物で使用することができる。これらの有機リチウム化合物の使用量は、目的とする共役ジエン化合物を含む重合体の数平均分子量に応じ、単分散ポリマー(重量平均分子量/数平均分子量=1)を前提とした計算で適宜選択できる。
そして、上記した共役ジエン化合物の重合形式であるミクロ構造の1,2−ビニル結合量、3,4−ビニル結合量の増加調整、あるいはビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物共重合体鎖中のランダム性を調整するために、通常、エーテル類、第3級アミン類、アルカリ金属アルコキシド等の極性化合物を使用することができる。たとえば、ジエチルエーテル、エチレングリコール・ジメチルエーテル、エチレングリコール・ジn−ブチルエーテル、エチレングリコール・n−ブチル−tert−ブチルエーテル、エチレングリコール・ジ−tert−ブチルエーテル、ジエチレングリコール・ジメチルエーテル、トリエチレングリコール・ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、α−メトキシメチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシベンゼン、トリエチルアミン、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン、カリウム−tert−アミルオキシド、カリウム−tert−ブチルオキシド等が挙げられる。これらの化合物は単独または2種以上の混合物として使用できる。かかる極性化合物の使用量は、有機リチウム化合物1モルに対して0モル以上、好ましくは0〜300モルである。
本実施形態において、有機リチウム化合物を重合開始剤として共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物を共重合する方法は、バッチ重合であっても連続重合であっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。特に分子量分布を好ましく適正範囲に調整する上で連続重合方法が推奨される。重合温度は一般的に0〜180℃、好ましくは30〜150℃である。重合に要する時間は条件により異なるが、通常は48時間以内である。特に好適には0.1〜10時間である。また、重合系の雰囲気は窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気とすることが好ましい。重合圧力は、上記重合温度範囲でモノマーおよび溶媒を液相に維持するに十分な圧力の範囲で行えばよく、特に限定されるものではない。さらに、重合系内は触媒およびリビングポリマーを不活性化させるような不純物、たとえば水、酸素、炭酸ガスなどを混入しないように留意する必要がある。
また、前記重合終了時に2官能以上のカップリング剤を必要量添加してカップリング反応を行うことも出来るし、共重合体として重合体の少なくとも1つの重合体鎖に極性基含有原子団が結合した変性共重合体を用いることも出来る。極性基含有原子団としては、たとえば水酸基、カルボキシル基、カルボニル基、チオカルビオニル基、酸ハロゲン物化基、酸無水物基、カルボン酸基、チオカルボン酸基、アルデヒド基、チオアルデヒド基、カルボン酸エステル基、アミド基、スルホン酸エステル基、リン酸基、リン酸エステル基、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、ピリジル基、キノリン基、エポキシ基、チオエポキシ基、スルフィド基、イソシアネート基、チオイソシアネート基、ハロゲン化ケイ素基、シラノール基およびアルコキシケイ素基等からなる群から選ばれる極性基を少なくとも1種含有する原子団が挙げられる。変性共重合体は、共重体の重合終了時にこれらの極性基含有原子団を有する化合物を反応させることにより得られる。好ましい変性素水添共重合体は水酸基、エポキシ基、アミノ基、酸無水物基、カルボン酸基、アミド基、シラノール基およびアルコキシシラン基からなる群から選ばれる官能基を少なくとも1種有する原子団が結合している変性水添共重合体である。
未水素添加のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックを少なくとも1個有する重合体(上記官能基で変性された変性共重合体を含む)に、炭化水素溶媒中で、水素添加触媒および水素ガスを添加して水素添加反応を行い、重合体中に存在する共役ジエン化合物に由来するオレフィン性不飽和結合を90%以下、好ましくは55%以下、より好ましくは20%以下まで低減化することにより、成分(B)を得ることができる。かかる水添反応は、ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックを少なくとも1個有する重合体に存在する共役ジエン化合物に由来するオレフィン性不飽和結合を低減化できるものであれば、その製造方法に制限は無く、いかなる製造方法でもよい。たとえば、Ni、Pt、Pd、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等に担持させた担持型不均一水添触媒、Ni、Co、Fe、Cr等の有機酸塩またはアセチルアセトン塩など遷移金属塩と有機アルミニウム等の還元剤とを用いる、いわゆるチーグラー型水添触媒、Ti、Ru、Rh、Zr等のいわゆる有機金属錯体等の均一系水添触媒が用いられる。具体的な水添触媒としては、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、特開昭60−220147号公報、特開昭61−33132号公報、特開昭62−207303号公報、英国特許第1020720号明細書、米国特許第3333024号明細書および米国特許第4501857号明細書等に記載された触媒を使用することが出来る。好ましい水添触媒としてはチタノセン化合物、還元性有機金属化合物またはそれらの混合物が挙げられる。チタノセン化合物としては特開平8−109219号公報に記載された化合物が使用できる。具体例としては、ビスシクロペンタジエニルチタンジクロライド、モノペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリクロライド等の(置換)シクロペンタジエニル骨格、インデニル骨格あるいはフルオレニル骨格を有する配位子を少なくとも1つ以上持つ化合物が挙げられる。また、還元性有機金属化合物としては、有機リチウム等の有機アルカリ金属化合物、有機マグネシウム化合物、有機アルミニウム化合物、有機ホウ素化合物あるいは有機亜鉛化合物等が挙げられる。
本実施形態において、水添反応温度は一般的に0〜200℃、より好ましくは30〜150℃の範囲であり、水添に使用される水素の圧力は0.1〜15MPa、好ましくは0.2〜10MPa、さらに好ましくは0.3〜5MPaが推奨される。また、水添反応時間は3分〜10時間、好ましくは10分〜5時間である。水添反応はバッチプロセス、連続プロセス、或いはこれらの組み合わせも可能である。これらの方法で得られる水添ポリマーの水素添加率に関しては、赤外線分光分析、核磁気共鳴分析等により容易に知ることができる。
成分(B)は、粘弾性スペクトルにおけるtanδの主分散ピークが60℃以下であることが好ましい。粘弾性スペクトルにおけるtanδの主分散ピークが60℃以下でると、常温(23℃)付近での消音性能が良好となる。さらに消音性能の温度バランスから、成分(B)の粘弾性スペクトルにおけるtanδの主分散ピークは、60〜−30℃の範囲が好ましく、60〜−20℃の範囲がさらに好ましく、50〜−10℃の範囲が特に好ましい。
なお、本実施形態において、粘弾性スペクトルにおけるtanδの主分散ピークは、ARESダイナミックアナライザー(レオメトリックス・サイエンティフィック・エフ・イー(株)、日本国)を用い、ねじりモード(測定周波数:1Hz)で求めることができる。
成分(B)は、α、β−不飽和カルボン酸またはその誘導体、たとえば、その無水物、エステル化合物、アミド化合物、イミド化合物でグラフト変性したものも使用することが出来る。α、β−不飽和カルボン酸またはその誘導体の具体的な例としては、無水マレイン酸、無水マレイン酸イミド、アクリル酸またはそのエステル、メタクリル酸またはそのエステル、エンド−シス−ビシクロ〔2,2,1〕−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸またはその無水物などが挙げられる。α、β−不飽和カルボン酸またはその誘導体の付加量は、成分(B)100質量部当たり、0.01〜5質量部、好ましくは0.1〜2質量部の範囲である。
また、成分(B)は、あらかじめ有機過酸化物などによる架橋体として用いることも可能である。また、ゴム用軟化材として鉱物油系オイル(ナフテン系および/またはパラフィン系)を用いることも可能である。
<成分(C)>
成分(C)の具体例としては、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、メチルペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、ブタジエン、イソプレン、ノルボルネンなどの化合物の単独重合体/共重合体、それらの水素添加物、および他の共重合可能な化合物との共重合体が挙げられる。より具体的にはポリエチレン(高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、ポリブテン、ポリブタジエンの水素添加物、イソプレンの水素添加物、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体などがあげられる。さらに、これらをα,β−不飽和カルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ナジック酸)および/またはそれらの酸無水物で(必要により過酸化物を併用して)変性した酸変性オレフィン系樹脂が挙げられる。また、これらのオレフィン化合物と酸無水物とを共重合したものでもよい。これらの未変性オレフィン系樹脂および酸変性オレフィン系樹脂は2種類以上を併用することも可能である。
成分(C)は、その作用機構は解明出来ていないが、酸変性オレフィン系樹脂を用いる方が耐衝撃性やハクリの面から好ましい。その酸変性オレフィン系樹脂を用いる場合の酸変性率(変性に用いた酸のオレフィン系樹脂に対する重量割合)は3〜0.01質量%の範囲が好ましく、さらに好ましくは2〜0.05質量%の範囲、特に好ましくは1〜0.1質量%の範囲である。酸変性率が3質量%を超えると、熱安定性が損なわれるため好ましくなく、0.01を超えると改良効果が発現される。この酸変性オレフィン系樹脂の酸変性率は、樹脂サンプルを熱キシレンで溶解し、フェノールフタレインを指示薬としてナトリウムメチラートで滴定して求めることができる。
<各成分の含有割合>
上記成分(A)、成分(B)および成分(C)の割合(成分(A)、成分(B)および成分(C)の合計を100質量部とした場合)は、成分(A)が10〜99.5質量部に対して、成分(B)および成分(C)の合計が90〜0.5質量部であることが好ましい。より好ましくは(A)成分が15〜99.0質量部に対して、成分(B)および成分(C)の合計が85〜1.0質量部、さらに好ましくは成分(A)が20〜98.0質量部に対して、成分(B)および成分(C)の合計が80〜2.0質量部である。また、成分(B)および成分(C)の質量比((B)/(C))は、(20/80)以上の範囲であることが好ましく、(30/70)以上の範囲がより好ましく、(40/60)以上の範囲がさらに好ましい。(B)および(C)成分の合計に対する(B)成分の質量比率が、20質量%を超えると消音・制振効果が良好となる。
<各成分の分散状態>
上記成分(A)、成分(B)および成分(C)の分散状態は、成分(A)が連続相をとり、成分(B)および成分(C)が分散相として存在するケース、成分(B)および成分(C)が連続相をとり、成分(A)が分散相として存在するケース、および両者の中間段階とが存在するが何れでもかまわない。
<ポリアセタール樹脂組成物の製造方法>
本実施形態に用いるポリアセタール樹脂組成物の製造方法は、一般的に使用されている溶融混練機で上記各成分を溶融混練する方法が挙げられる。溶融混練機としてはニーダー、ロールミル、単軸押出機、二軸押出機、多軸押出機等を挙げることができる。溶融混練の際の加工温度は180〜240℃であることが好ましい。品質や作業環境の保持のためには不活性ガスによる置換や一段および多段ベントで脱気することが好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、後述する実施例に限定されるものではない。
はじめに、実施例および比較例で使用する成分の内容と評価方法を以下に示す。
[使用成分の内容]
≪(A)ポリアセタール樹脂≫
(1)ポリアセタール樹脂(a−1)の調製
(1−1)ポリアセタール樹脂(a−1−1)
熱媒を通すことのできるジャケット付き2軸のパドル型連続重合機を80℃に調整した。当該重合機に、水+蟻酸=4ppmであるトリオキサンを40モル/hrで供給し、同時に環状ホルマールとして1、3−ジオキソランを2モル/hrで供給した。また、前記重合機に、重合触媒としてシクロヘキサンに溶解下させた三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテラートをトリオキサン1モルに対し5×10-5モルになるように連続的にフィードし、連鎖移動剤としてメチラール[(CH3O)2CH2]をトリオキサン1モルに対し2×10-3モルになるように連続的にフィードし重合を行った。
前記重合機から排出されたポリマーをトリエチルアミン1%水溶液中に投入し重合触媒の失活を完全に行い、粗ポリオキシメチレン共重合体を得た。続いて、得られた粗ポリオキシメチレン共重合体を濾過および洗浄した。濾過および洗浄後の粗ポリオキシメチレン共重合体1質量部に対し、第4級アンモニウム化合物として、トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム蟻酸塩を窒素の量に換算して20質量ppmになるよう添加し、均一に混合した後120℃で乾燥した。
次に、前記乾燥後の粗ポリオキシメチレン共重合体100質量部に対し、酸化防止剤としてトリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を0.3質量部、ステアリン酸カルシウム0.02質量部を添加し、ベント付き2軸スクリュー式押出機に供給した。
前記押出機中の溶融しているポリオキシメチレン共重合体に必要に応じて水および/またはトリエチルアミンを添加し、前記押出機の設定温度200℃、前記押出機における滞留時間5分で、不安定末端部の分解を行った。
不安定末端部が分解されたポリオキシメチレン共重合体は、ベント真空度20Torrの条件下に脱揮され、押出機ダイス部よりストランドとして押し出されペレタイズされた。ペレタイズされたポリオキメチレン共重合体は、引張弾性率2,800MPaで、メルトフローレート9.0g/10分(ASTMD−1238−57T)で、融点は165℃であった。当該ポリオキメチレン共重合体をポリアセタール樹脂(a−1−1)として用いた。
なお、本実施例において、引張弾性率はISO527−1&2に基づいて測定した。
また、本実施例において、融点は、以下のとおり示差走査熱量分析(DSC)により求めた。ポリオキメチレン共重合体の吸熱ピークより低い温度から200℃まで速度320℃/分で昇温し、200℃で2分間保持した後に、速度10℃/分で100℃まで降温し、100℃で2分間保持した後に、融解するまで2.5℃/分の速度で昇温したときに得られる吸熱ピークのうち、吸熱容量が最も大きな吸熱ピークの頂点を示す温度(℃)を融点とした。なお、当該分析装置は、パーキンエルマー社製、型番;PYRIS1を用いた。
(1−2)ポリアセタール樹脂(a−1−2)
熱媒を通すことのできるジャケット付き2軸のパドル型連続重合機を80℃に調整した。当該重合機に、水+蟻酸=4ppmであるトリオキサンを40モル/hrで供給し、同時に環状ホルマールとして1、3−ジオキソランを2モル/hrで供給した。また、前記重合機に、重合触媒としてシクロヘキサンに溶解させた三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテラートをトリオキサン1モルに対し5×10-5モルになるように連続的にフィードし、また連鎖移動剤として、下記式(i)の両末端ヒドロキシル基水素添加ポリブタジエン(数平均分子量(Mn)=2330)をトリオキサン1モルに対し1×10-3モルになるように連続的にフィードし重合を行った。
前記重合機から排出されたポリマーをトリエチルアミン1%水溶液中に投入し重合触媒の失活を完全に行い、粗ポリオキシメチレンブロック共重合体を得た。続いて、得られた粗ポリオキシメチレンブロック共重合体を濾過および洗浄した。濾過および洗浄後の粗ポリオキシメチレン共重合体1質量部に対し、第4級アンモニウム化合物として、トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム蟻酸塩を窒素の量に換算して20質量ppmになるよう添加し、均一に混合した後120℃で乾燥した。
次に、前記乾燥後の粗ポリオキシメチレンブロック共重合体100質量部に対し、酸化防止剤としてトリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を0.3質量部、ステアリン酸カルシウム0.02質量部を添加し、ベント付き2軸スクリュー式押出機に供給した。
前記押出機中の溶融しているポリオキシメチレンブロック共重合体に必要に応じて水および/またはトリエチルアミンを添加し、前記押出機の設定温度200℃、前記押出機における滞留時間5分で、不安定末端部の分解を行った。不安定末端部が分解されたポリオキシメチレンブロック共重合体は、ベント真空度20Torrの条件下に脱揮され、押出機ダイス部よりストランドとして押し出されペレタイズされた。ペレタイズされたポリオキシメチレンブロック共重合体は、引張弾性率2,600MPaで、メルトフローレート9.3g/10分(ASTMD−1238−57T)で、融点は165℃であった。当該ポリオキメチレンブロック共重合体をポリアセタール樹脂(a−1−2)として用いた。
(2)ポリアセタール樹脂(a−2)の調製
熱媒を通すことのできるジャケット付き2軸のパドル型連続重合機を80℃に調整した。当該重合機に、水+蟻酸=4ppmであるトリオキサンを40モル/hrで供給し、同時に環状ホルマールとして1、3−ジオキソランを0.5モル/hrで供給した。また、前記重合機に、重合触媒としてシクロヘキサンに溶解下させた三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテラートをトリオキサン1モルに対し5×10-5モルになるように連続的にフィードし、また連鎖移動剤としてメチラール[(CH3O)2CH2]をトリオキサン1モルに対し2×10-3モルになるように連続的にフィードし重合を行った。
前記重合機から排出されたポリマーをトリエチルアミン1%水溶液中に投入し重合触媒の失活を完全に行い、粗ポリオキシメチレン共重合体を得た。続いて、得られた粗ポリオキシメチレン共重合体を濾過および洗浄した。濾過および洗浄後の粗ポリオキシメチレン共重合体1質量部に対し、第4級アンモニウム化合物として、トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム蟻酸塩を窒素の量に換算して20質量ppmになるよう添加し、均一に混合した後120℃で乾燥した。
次に、前記乾燥後の粗ポリオキシメチレン共重合体100質量部に対し、酸化防止剤としてトリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を0.3質量部、ステアリン酸カルシウム0.02質量部を添加し、ベント付き2軸スクリュー式押出機に供給した。
前記押出機中の溶融しているポリオキシメチレン共重合体に必要に応じて水および/またはトリエチルアミンを添加し、前記押出機の設定温度200℃、前記押出機における滞留時間5分で、不安定末端部の分解を行った。
不安定末端部が分解されたポリオキシメチレン共重合体は、ベント真空度20Torrの条件下に脱揮され、押出機ダイス部よりストランドとして押し出されペレタイズされた。ペレタイズされたポリオキメチレン共重合体は、引張弾性率3,100MPaで、メルトフローレート9.0g/10分(ASTMD−1238−57T)で、融点は169℃であった。当該ポリオキメチレン共重合体をポリアセタール樹脂(a−2)として用いた。
≪(B)ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックを少なくとも1つ含む重合体の水素添加物≫
窒素ガスで置換した攪拌機付きリアクターのシクロヘキサン溶媒中で、n−ブチルリチウムを重合開始剤として用い、B1−B2−B1構造を有するスチレンブタジエンランダム共重合体を重合した。
その後、窒素ガスで置換された別のリアクターへ前記重合液を移送し、水素加圧下で水素添加触媒を用いてポリブタジエン部分のエチレン性不飽和基に水素添加を実行した。得られた水素添加物は、結合スチレン量70質量%、ポリマー中のブロックスチレン全ての含有量が5質量%であり、ブタジエン部分の1,2ビニル結合量が14質量%、GPCで測定した重量平均分子量が190,000で、Mw/Mnが1.9であった。この水素添加物の粘弾性スペクトルにおけるtanδの主分散ピーク温度は15℃であった。当該水素添加物を、ビニル芳香族化合物および共役ジエン化合物のランダム共重合体ブロックを少なくとも1つ含む重合体の水素添加物(b−1)として用いた。
なお、重量平均分子量および数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されたポリスチレン換算の分子量を基準として算出した。また、粘弾性スペクトルにおけるtanδの主分散ピークは、ARESダイナミックアナライザー(レオメトリックス・サイエンティフィック・エフ・イー(株)、日本国)を用い、ねじりモード(測定周波数:1Hz)で求めた。
≪(C)オレフィン系樹脂≫
無水マレイン酸変性エチレン−ブテン共重合体(商品名タフマーMH7010、三井化学(株)製、マレイン酸変性率0.5質量%)を、オレフィン系樹脂(c−1)として用いた。
[評価方法]
(1)引張弾性率
実施例および比較例で得られたポリアセタール樹脂組成物のペレットを、80℃で3時間乾燥した。その後、当該ペレットから、シリンダー温度200℃に設定された5オンス成形機(東芝機械(株)製 IS−100E)を用いて、金型温度70℃、冷却時間30秒の条件で試験片を成形した。
この試験片の引張弾性率をISO527−1&2に基づいて測定した。
(2)ハクリ特性
実施例および比較例で得られたポリアセタール樹脂組成物のペレットを80℃で3時間乾燥した。その後、当該ペレットから、シリンダー温度200℃に設定された5オンス成形機(東芝機械(株)製IS−100GN)を用いて、金型温度80℃、射出圧力一定で、射出速度(152mm/sを100%とした)を変化させて、厚さ1mm、幅5mmの渦巻状の薄肉成形品を成形した。当該成形の際にハクリが認められた射出速度でハクリ特性を評価した。評価の基準は以下の通りである。
(基準)
◎;射出速度100%でハクリが認められないもの
○;射出速度80%以上でハクリが認められるもの
△;射出速度40%以上80%未満でハクリが認められるもの
×;射出速度20%以上40%未満でハクリが認められるもの
(3)耐摩耗性
実施例および比較例で得られたポリアセタール樹脂組成物のペレットを、80℃で3時間乾燥した。その後、当該ペレットから、シリンダー温度200℃に設定された1オンス成形機(東洋機械金属(株)製 TI−30G)で金型温度70℃、冷却時間20秒の条件で、厚さ3mmの平板を成形し試験片とした。
この試験片を用いて、往復動摩擦摩耗試験機(東洋精密(株)製 AFT−15MS型)により、下記条件で摩耗深さを測定した。摩耗深さが小さいほど、耐摩耗性に優れる。
(往復動摩擦摩耗試験条件)
荷重:1kg
線速度:30mm/sec
往復距離:20mm
往復回数:5000回
摩擦相手材料:SUS304製(直径5mmの球)
(4)消音性
実施例および比較例で得られたポリアセタール樹脂組成物のペレットを用いて、1オンス成形機(東洋機械金属(株)製 TI−30G)で金型温度70℃、冷却時間20秒の条件で試験片を成形した。
この試験片を用いて、噛み合い歯車騒音評価機(大倉インダストリー社製)を下記条件で稼動させ、小野測器社製騒音計で騒音測定を行った。なお、騒音測定範囲50Hz〜20kHz、測定モードA特性で測定を行った。騒音値が低いほど、消音性に優れる。
(噛み合い歯車騒音評価条件)
回転数:3000rpm
トルク:150kg−cm
温度:23℃
歯数:50
モジュール:0.6
歯車:ピッチ円直径30mmの平歯車。
[実施例1]
ポリアセタール樹脂(a−1)45質量部、ポリアセタール樹脂(a−2)45質量部に、ビニル芳香族化合物および共役ジエン化合物のランダム共重合体ブロックを少なくとも1つ含む重合体の水素添加物(b−1)7.5質量部、ポリオレフィン系樹脂(c−1)2.5質量部を加え均一にブレンドし、200℃に設定した25mmφ二軸押出機を用いて溶融混練し、ポリアセタール樹脂組成物のペレットを得た。得られたポリアセタール樹脂組成物のペレットを用いて、上記のとおり成形品(ハードディスクラッチ部品に相当)を作成し、各種測定を行った。当該結果を表1に示した。
[実施例2〜8および比較例1〜7]
表1に示したとおり、各成分の種類および量を変更した以外は、実施例1と同様にして成形品(ハードディスクラッチ部品に相当)を作成し、各種測定を行った。当該結果を表1に示した。
本発明のハードディスクラッチ部品は、柔軟性、消音性、高負荷条件での摩耗特性に優れる。このため、本発明のハードディスクラッチ部品は、ハードディスクドライブ内のヘッドアクチュエータを拘束するラッチとして、全てのハードディスクおよびハードディスク近似製品に使用できる。

Claims (3)

  1. 融点が163〜167℃のポリアセタール樹脂(a−1)および融点が168〜172℃のポリアセタール樹脂(a−2)のブレンド物であるポリアセタール樹脂(A)、ビニル芳香族化合物および共役ジエン化合物のランダム共重合体ブロックを少なくとも1つ含む重合体の水素添加物(B)、ならびにポリオレフィン系樹脂(C)を含むポリアセタール樹脂組成物を成形して得られ、
    ISO法による引張弾性率が1500〜2200MPaであるハードディスクラッチ部品。
  2. 前記ポリアセタール樹脂(a−1)がポリオキシメチレンブロック共重合体である請求項1に記載のハードディスクラッチ部品。
  3. 前記ポリアセタール樹脂(A)における前記ポリアセタール樹脂(a−1)の含有率が30〜60質量%である請求項1または2に記載のハードディスクラッチ部品。
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