JP5142771B2 - ベルトループの供給装置 - Google Patents

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本発明は、ベルトループ形成用のテープ材をミシンに供給するベルトループの供給装置に関する。
従来、ベルトループを形成するテープ材を被縫製物に対して縫い付けるミシンにおいては、テープ材を供給するベルトループの供給装置を付属して備えている。なお、ベルトループとはズボンやスカート等の腰部に設けられてベルトを挿通するためのループ状の部材である。ベルトループを形成するテープ材は扁平なテープ状の布であり、ベルトループ形成の際には、上述のように連続したテープ材から所定の長さに切り取り、当該切り取られたテープ材を縫い付ける。
図8により従来におけるベルトループの供給装置100の構成を説明する。
ベルトループの供給装置100は、歯付きベルト114を介してモータ112に連結されるローラ111の回転によりテープ材送り出し台113からテープ材(図示しない)をその長手方向に沿って繰り出す繰り出し機構110と、モータ123に連結されるアーム121が繰り出されたテープ材の先端部を挟持して矢印B方向に移動することによりテープ材を引き出す引出し機構120と、繰り出され且つ引き出されたテープ材を可動メス131を固定メス132に対して下降させることにより所定の長さで切断する切断機構130と、切断されたテープ材をミシンへと搬送するループ供給機構(図示略)と、を備えている。
ところで、上述のベルトループの供給装置において、繰り出し機構110のローラ111の回転及び引出し機構120のテープ材引き出し動作はそれぞれ個別のモータ112、モータ123によって駆動されている。このとき、繰り出し機構110のモータ112によるローラ111の回転に遅れが生じると、引出し機構120によるテープ材の引き出し量が繰り出し機構110による繰り出し量を大幅に上回ってしまう。このため、繰り出し機構110と引出し機構120との間のテープ材は引出し機構120によって強く引っ張られ、当該テープ材は通常伸縮性を有するので大幅に引き伸ばされた状態となる。この状態のままテープ材が切断されると、切断された後のテープ材は切断前に引き伸ばされていた分だけ縮むので、ベルトループを形成するための所定の長さよりも大幅に短い長さとなり、ベルトループを形成するための十分な長さを有しなくなるといった問題が生ずる。この問題はテープ材が伸縮性の大きな素材である場合に特に顕著に現れ、ベルトループの縫い付けにおいて大きな品質上の問題となる。
この問題を解決するため、繰り出し機構のモータ112とローラ111との間にワンウェイクラッチ(図示略)を設け、ローラ111はモータ112の駆動速度に関らずテープ材を繰り出す方向(図8における右回転方向)に空転可能とすることでテープ材の伸びを防止するベルトループの供給装置が知られている(例えば特許文献1)。
特開平11−128577号公報
しかしながら、従来のベルトループの供給装置においても、引出し機構120によるテープ材の引き出し量よりも繰り出し機構110によるテープ材の繰り出し量が多かった場合に、引出し機構120と繰り出し機構110の間に生じるテープ材の弛みを防止する方法がなかった。このため、当該弛みが生じた状態でテープ材が切断された場合にはテープ材がベルトループを形成するための所定の長さよりも長くなってしまうといった問題点があった。
また、上記特許文献1に記載されているようにワンウェイクラッチを用いた場合でも、テープ材が伸縮性に富む材質であった場合には、テープ材が伸張することでテープ材に対する張力を吸収してしまい、ワンウェイクラッチを空転させるに至らないことがあった。この場合、テープ材は大幅に伸びているので、このまま切断された場合にはベルトループを形成するための所定の長さよりも大幅に短い長さとなり、ベルトループを形成するための十分な長さを有しなくなるといった問題点があった。なお、この問題点はベルトループを形成するテープ材の所定の長さが長い程顕著になる。
さらに、ワンウェイクラッチが何らかの理由により引っ掛かりを生じ、その後当該引っ掛かりが解消された際にテープ材が引出し機構によって強く引っ張られていた場合には、引っ掛かりが解消された反動でテープ材が急激に引き出されることによってワンウェイクラッチが過空転してしまい、テープ材が必要以上に長く引き出されてしまうことがあった。この場合、テープ材がベルトループを形成するための所定の長さよりも長くなってしまうといった問題点があった。
本発明は、上述の問題点に鑑み、伸縮性のあるテープ素材においても所定の長さのテープ材を繰り出して、所定長さのベルトループを確実に供給可能なベルトループの供給装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、ベルトループのテープ材を順次繰り出すと共に所定長さに切断してミシンに供給するベルトループの供給装置において、前記テープ材の長手方向に前記テープ材を繰り出す繰り出し手段(10)と、前記繰り出し手段によって繰り出される前記テープ材の先端部を挟持して前記テープ材の長手方向に引き出す引出し手段(20)と、前記繰り出し手段が前記テープ材を繰り出す動作の駆動源としての第1のモータ(12)と、前記引出し手段が前記テープ材を引き出す動作の駆動源としての第2のモータ(23)と、前記第1のモータの回転角度を検出する第1の検出手段(12a)と、前記第2のモータの回転角度を検出する第2の検出手段(23a)と、前記第1のモータに対する指令角度と前記第1の検出手段によって検出された回転角度との偏差を算出する第1の算出手段(S5、S13)と、前記第2のモータに対する指令角度と前記第2の検出手段によって検出された回転角度との偏差を算出する第2の算出手段(S5、S13)と、前記テープ材を形成する布の材質の各々と前記テープ材を形成する布の厚みの各々に応じて予め定められた固有の数値を記憶する記憶手段と、前記所定長さと前記記憶手段に記憶された固有の数値とに基づいて、前記所定長さの前記テープ材を形成する布の材質及び厚みに応じた偏差の範囲の上限値及び下限値を算出し、前記第1の算出手段が算出した偏差と前記第2の算出手段が算出した偏差とに基づいて、前記引き出し手段の動作の遅れ量と前記繰り出し手段の動作の遅れ量とにより生じた前記テープ材に対する張力の偏差である総合出力偏差を算出し、算出された総合出力偏差が前記偏差の範囲内であるか否かにより前記テープ材の繰り出し量が適切であるか否かを判定する判定手段(41、S6、S7、S8、S14、S15)と、前記判定手段によって前記テープ材の繰り出し量が適切でないと判定された場合に、前記第1のモータ、前記第2のモータのうち少なくとも一方のモータの駆動を制御して前記第1のモータの指令角度と回転角度との偏差及び前記第2のモータの指令角度と回転角度との偏差を調節する調節手段(41、S9、S10、S16、S17)を備えることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のベルトループの供給装置において、前記判定手段によるテープ材の繰り出し量の判定は、前記第1のモータ及び前記第2のモータの駆動停止後であって前記テープ材が切断される前に行うことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1に記載のベルトループの供給装置において、前記判定手段によるテープ材の繰り出し量の判定は、前記テープ材が所定長さ繰り出されるまでの前記第1のモータ及び前記第2のモータの駆動中に行うことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1に記載のベルトループの供給装置において、前記判定手段によるテープ材の繰り出し量の判定は、前記テープ材が所定長さ繰り出されるまでの前記第1のモータ及び前記第2のモータの駆動中及び前記第1のモータ及び前記第2のモータの駆動停止テープ材が所定長さだけ繰り出された後であって、前記テープ材が切断される前に行うことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載のベルトループの供給装置において、前記テープ材を形成する布の材質を入力する第1の決定手段と、前記テープ材の厚みを入力する第2の決定手段と、を備え、前記基準値は、前記テープ材を形成する布の材質及び厚みごとにそれぞれ設けられ、前記判定手段は、前記第1の決定手段によって入力された布の材質と、前記第2の決定手段によって入力されたテープ材の厚みと、前記テープ材を形成する布の材質及び厚みに対応した前記固有の数値と、に基づいて前記偏差の範囲の上限値及び下限値を算出することを特徴とする。
なお、第1の決定手段及び第2の決定手段は、例えばテープ材を形成する布の材質やテープ材の厚みがオペレータによって入力されることで決定されるようにしてもよいし、テープ材を形成する布の材質や厚みを検出する機構を設けてもよい。
請求項1記載の発明によれば、判定手段が第1の算出手段が算出した偏差と第2の算出手段が算出した偏差とに基づいてテープ材の繰り出し量が適切であるかどうかを判定する。このとき第1の算出手段が算出する偏差は、第1のモータに対する指令角度と、第1の検出手段が検出した第1のモータの回転角度との偏差である。また、当該偏差は、引出し手段と繰り出し手段との間に位置するテープ材に対する張力によって変化する。
例えば、テープ材に対して引出し手段による張力が強く働いている場合は、第1のモータに対する指令角度に基づくモータの駆動力とは異なる力が繰り出し手段を介して第1のモータに強く働くため、第1のモータに対する指令角度と第1の検出手段が検出した第1のモータの回転角度との偏差は大きくなる。また、このときテープ材は張力によって伸張している可能性があり、このまま切断されるとテープ材は所定の長さより短くなってしまう可能性がある。
一方、引出し手段による張力が弱い場合は、第1のモータに対する指令角度に基づくモータの駆動力以外に第1のモータに働く力がほとんどないので、第1のモータに対する指令角度と第1の検出手段が検出した第1のモータの回転角度との偏差は小さくなる。また、このときテープ材は引出し手段によって引っ張られた状態にはない、あるいは繰り出し量が多すぎてテープ材が弛んでいる可能性がある。
なお、第2のモータについても第1のモータとほぼ同様であるが、偏差の生じる方向は逆となる。つまり、モータの駆動力以外の力によって生ずるそれぞれのモータの指令角度と検出された回転角度との偏差は主に繰り出し手段と引出し手段との間のテープ材に対する張力によって決定するので、繰り出し手段の第1のモータの偏差は引出し手段側に生じ、引出し手段の第2のモータの偏差は繰り出し手段側に生じる。
なお、テープ材が適切な長さだけ繰り出された状態とは、テープ材が伸張してしまわない程度に引出し手段によってテープ材が引っ張られている状態である。この場合、テープ材は繰り出され過ぎて弛むこともなく、また引っ張られすぎて伸張することもない最適な張り具合で引出し手段と繰り出し手段との間で保持されていることを示す。
つまり、判定手段は、第1の算出手段が算出した偏差と第2の算出手段が算出した偏差に基づいて判定されるテープ材の状態が、テープ材が伸張してしまわない程度に引出し手段によってテープ材が引っ張られている状態となっている場合の偏差となっているかどうかを判定することによって、テープ材の繰り出し量が適切であるかどうかを判定する。つまり、テープ材は切断される前に判定手段によってテープ材が強く引っ張られることによって伸張したり、繰り出され過ぎることによって弛んだりしていないかどうか判定される。
よって、弛みが生じた状態でテープ材が切断された場合にテープ材がベルトループを形成するための所定の長さよりも長くなってしまうといった問題点や、テープ材が大幅に伸びた状態で切断されることによってベルトループを形成するための所定の長さよりも大幅に短い長さとなり、ベルトループを形成するための十分な長さを有しなくなるといった問題点を解消できる。従って、ベルトループの供給装置の信頼性が大幅に向上する。
加えて、判定手段によってテープ材の繰り出し量が適切でないと判定された場合には、調節手段が第1のモータ、第2のモータのうち少なくとも一方のモータの駆動を制御して第1のモータの指令角度と回転角度との偏差及び第2のモータの指令角度と回転角度との偏差を調節することでテープ材の繰り出し量が適切になるよう調節する。これによって、繰り出されるテープ材の長さが適切となるので、ベルトループを形成するテープ材の長さは常に適切な長さとなり、品質の高いベルトループの縫い付けが可能となる。よって、ベルトループの縫い付け品質が大幅に向上する。
請求項2記載の発明によれば、判定手段によるテープ材の繰り出し量の判定は、第1のモータ及び第2のモータの駆動停止後であってテープ材が切断される前に行われる。つまり、繰り出し手段及び引出し手段によるテープ材の繰り出し動作が完了した後、テープ材の切断前に当該繰り出し動作によって繰り出されたテープ材の繰り出し量が適切かどうかを判定手段が判定する。つまり、各モータの停止後であってもテープに大きな張力が生じていれば各モータの指令角度と検出された回転角度との偏差が大きいままで各モータは停止する。一方、テープが弛みを生じるほど張力が働いていない状態であれば当該偏差はゼロに近い状態で各モータが停止することとなる。このとき、適切でなかった場合は調節手段が第1のモータ、第2のモータのうち少なくとも一方のモータの駆動を制御して第1のモータの指令角度と回転角度との偏差及び第2のモータの指令角度と回転角度との偏差を調節することでテープ材の繰り出し量が適切になるよう調節する。これによって、テープ材が切断される時点では常にテープ材の繰り出し量は適切となっており、切断されたテープ材の長さは常に所定の長さに保たれる。よって、ベルトループの供給装置の信頼性が大幅に向上する。加えて、ベルトループを形成するテープ材の長さが所定の長さに統一され、ベルトループの縫い付け品質がより一層向上する。
請求項3記載の発明によれば、判定手段によるテープ材の繰り出し量の判定は、テープ材が所定長さ繰り出されるまでの第1のモータ及び第2のモータの駆動中に行われる。つまり、繰り出し手段及び引出し手段によるテープ材の繰り出し動作が行われている最中に判定手段によってその時点でのテープ材の繰り出し量が適切かどうか即ちテープ材の大幅な伸縮や弛みがないかどうか判定され、大幅な伸縮や弛みがあると判定された場合は調節手段によって繰り出し手段及び引出し手段の駆動のうち少なくとも一方が制御されて当該伸縮あるいは弛みが解消される。これによって、ベルトループの供給装置は所定の長さのテープ材の繰り出し動作が完了した時点でテープ材が適切な繰り出し量となるよう制御される。よって、テープ材の長さは常に所定の長さに保たれ、ベルトループの供給装置の信頼性が大幅に向上する。加えて、ベルトループを形成するテープ材の長さが所定の長さに統一され、ベルトループの縫い付け品質がより一層向上する。
また、テープ材の繰り出し量の判定及び調節はテープ材の繰り出し動作中に行われるので、テープ材繰り出し動作が完了した後すぐにテープ材を切断することが可能となる。よって、ベルトループを形成するテープ材の供給サイクルタイムが大幅に短縮され、ベルトループの供給装置を用いたベルトループの縫い付け作業効率が大幅に向上する。
請求項4記載の発明によれば、判定手段によるテープ材の繰り出し量の判定は、テープ材が所定長さ繰り出されるまでの第1のモータ及び第2のモータの駆動中と、第1のモータ及び第2のモータの駆動が停止した後即ちテープ材が所定長さだけ繰り出された後であって、テープ材が切断される前と、に行われる。つまり、繰り出し手段及び引出し手段によるテープ材の繰り出し動作が行われている最中に判定手段によってその時点でのテープ材の繰り出し量が適切かどうか即ちテープ材の大幅な伸縮や弛みがないかどうか判定され、大幅な伸縮や弛みがあると判定された場合は調節手段によって繰り出し手段及び引出し手段の駆動のうち少なくとも一方が制御されて当該伸縮あるいは弛みが解消される。よって、テープ材の長さは常に所定の長さに保たれ、ベルトループの供給装置の信頼性が大幅に向上する。加えて、ベルトループを形成するテープ材の長さが所定の長さに統一され、ベルトループの縫い付け品質がより一層向上する。また、テープ材の繰り出し量の判定及び調節はテープ材の繰り出し動作中に行われるので、テープ材繰り出し動作が完了した後すぐにテープ材を切断することが可能となる。よって、ベルトループを形成するテープ材の供給サイクルタイムが大幅に短縮され、ベルトループの供給装置を用いたベルトループの縫い付け作業効率が大幅に向上する。
さらに、繰り出し手段及び引出し手段によるテープ材の繰り出し動作が完了した後、テープ材の切断前に当該繰り出し動作によって繰り出されたテープ材の繰り出し量が適切かどうかを判定手段が判定し、適切でなかった場合は調節手段がテープ材の繰り出し量が適切になるよう調節する。これによって、万が一繰り出し手段及び引出し手段によるテープ材の繰り出し動作が完了した後にテープ材が適切な繰り出し量でなかった場合であっても、テープ材が切断される時点では常にテープ材の繰り出し量は適切となっており、切断されたテープ材の長さは常に所定の長さに保たれる。よって、ベルトループの供給装置の信頼性が大幅に向上する。加えて、ベルトループを形成するテープ材の長さが所定の長さに統一され、ベルトループの縫い付け品質がより一層向上する。
請求項5記載の発明によれば、記憶手段にはテープ材を形成する布の材質及び厚みごとに対応した基準値が記憶され、判定手段は、第1の決定手段によって入力されたテープ材を形成する布の材質及び第2の決定手段によって入力されたテープ材の厚みに対応した基準値ならびに第1のモータの指令角度と回転角度との偏差及び第2のモータの指令角度と回転角度との偏差に基づいてテープ材の繰り出し量が適切であるかどうかを判定する。つまり、判定手段はテープ材の材質及び厚みに応じて変化する第1のモータの指令角度と回転角度との偏差及び第2のモータの指令角度と回転角度との偏差に対して、記憶手段から当該テープ材の材質及び厚みに応じた基準値をもとにそれぞれの偏差が示すテープ材の繰り出し量が適切かどうか判別する。これによって、テープ材を形成する布の材質や厚みが変化しても、判定手段は常にテープ材の繰り出し量が適切であるかどうかを好適に判定することが可能となる。よって、テープ材を形成する布の材質や厚みに関りなく適切な長さのテープ材を供給することが可能となり、ベルトループの供給装置の信頼性がより一層向上する。加えて、当該ベルトループの供給装置によって供給されたテープ材によるベルトループの品質がより安定して高いものとなり、ベルトループの縫い付け品質がより一層向上する。
(本発明によるベルトループの供給装置の全体構成)
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明によるベルトループの供給装置1は、ベルトループ形成用のテープ材Tをミシンに供給するベルトループの供給装置である。
図1は本発明によるベルトループの供給装置の一実施形態を示す説明図である。
ベルトループの供給装置1は、テープ材送り出し台13からテープ材Tの長手方向に沿ってテープ材Tを繰り出す繰り出し機構10と、繰り出されたテープ材Tの先端部を挟持してテープ材Tを引き出すように動作する引出し機構20と、繰り出されたテープ材Tを所定の長さで切断する切断機構30と、切断されたテープ材Tをミシンへと搬送するループ供給機構(図示略)と、ベルトループの供給装置1の各部の動作を制御する制御装置40(図5参照)と、を備えている。
繰り出し機構10は、その円筒状の外周部がベルトループのテープ材Tの上面と当接して回転運動によってテープ材Tを繰り出すローラ11と、歯付きベルト14を介してローラ11を回転駆動するモータ12と、ローラ11に対してテープ材Tの繰り出し方向と逆側に設けられてテープ材Tが乗せられる土台となるテープ材送り出し台13と、ローラ11の下方であってテープ材Tを挟んでローラ11と対向する位置に回転可能に設けられてその外周部とローラ11の外周部とでテープ材Tを挟みこむルーズロール15と、を有している。
テープ材Tはローラ11に対して引出し機構20と逆方向から供給される。即ち、テープ材Tはテープ材送り出し台13の上面部に置かれ、ローラ11とルーズロール15との間に挟み込まれるよう配置される。このとき、モータ12の駆動によってローラ11が回転することで、ローラ11とルーズロール15に挟み込まれたテープ材Tはローラ11の回転に伴って引出し機構20が設けられた方向(図1の矢印B方向)へと繰り出される。よって、テープ材Tを繰り出す繰り出し機構10のローラ11は「繰り出し手段」として機能し、ローラ11を回転駆動するモータ12は「第1のモータ」として機能する。
図2は繰り出し機構10を図1とは異なる角度から見た場合を示す説明図である。
また、繰り出し機構10はテープ材Tの厚みを検出する厚み検出機構16を有している。厚み検出機構16は、レバー状の部材であってその一端を中心として回転可能に設けられ、他端がテープ材送り出し台13の上面に対して上下方向に回動する厚み検出レバー16aと、厚み検出レバー16aの一端と接続されて厚み検出レバー16aの一端の回転量を検出するポテンショメータ16bと、を有している。テープ材送り出し台13の上面にテープ材Tが置かれた場合、テープ材Tはテープ材送り出し台13と厚み検出レバー16aの他端部とに挟まれた状態となる。つまり、厚み検出レバー16aの他端部はテープ材Tの厚み分だけテープ材送り出し台13の上面から離れた位置となる。このときの厚み検出レバー16aの回動角度によるポテンショメータ16bの検出値と、テープ材Tがテープ材送り出し台13の上面にない場合即ち厚み検出レバー16aの他端部がテープ材送り出し台13の上面と当接している際の厚み検出レバー16aの回動角度によるポテンショメータ16bの検出値とから、テープ材Tの厚みを検出可能となる。よって、テープ材厚み検出機構16は「第2の決定手段」として機能する。
なお、モータ12の駆動は制御装置40によって制御される。また、図示しないが、モータ12にはモータ12の回転軸の回転角度を検出するエンコーダ12aが設けられており、モータ12の回転軸の回転角度はエンコーダ12aによって検出され、制御装置40に出力される。このとき、制御装置40はエンコーダ12aによって検出されたモータ12の回転角度からテープ材Tの繰り出し量を算出する。つまり、モータ12の駆動に伴って回転するローラ11の回転量をエンコーダ12aによって検出されるモータ12の回転角度から求め、ローラ11の回転に伴って送り出されるテープ材Tの繰り出し量を算出する。よって、エンコーダ12aは「第1の検出手段」として機能する。
図3は引出し機構20を上方から見た平面図である。
引出し機構20は、繰り出し機構10によって繰り出されたテープ材Tの先端部を挟持するアーム21と、繰り出されるテープ材Tの長手方向にほぼ沿った方向に延設されてアーム21をその延設方向に沿った方向に移動可能に支持するロッド22と、ロッド22をその延設方向に沿った方向に移動させる駆動源としてのモータ23と、ロッド22を移動可能に支持する土台部24と、を有している。
アーム21は、ロッド22の繰り出し機構10側の端部に固定されて設けられた固定アーム部21aと、その一端部が固定アーム部21aの先端部に対して上下方向に回動可能に設けられた可動アーム部21bと、を有している。可動アーム部21aは他端部がエアシリンダ25のプランジャ部に接続されており、エアシリンダ25の駆動によって上下方向に回動する。つまり、固定アーム部21bの先端部に対して可動アーム部21aが上下方向に回動することにより、アーム21は繰り出し機構10によって繰り出されたテープ材Tの先端部を挟持、開放する。
ロッド22は、土台部24に設けられた穴部24a、24bに挿通されて、ロッド22の延設方向に移動可能に設けられている。また、図3に示すように、ロッド22はロッド駆動ローラ26、27の円筒状の外周部と当接するように設けられている。ロッド駆動用ローラ26、27はほぼ鉛直方向に設けられた回転軸を中心に回転可能に設けられたローラである。また、ロッド駆動用ローラ26はモータ23の回転軸の回転運動を伝達されて回転駆動するように設けられている。さらに、ロッド駆動用ローラ26とロッド駆動用ローラ27とはタイミングベルト28によって接続されており、ロッド22とタイミングベルト28とは固定部材22bにより連結されており、これによりモータ23が回転すると、ロッド22がロッド22の延設方向に沿って移動する。これによって、ロッド22の繰り出し機構10側の端部に設けられたアーム21が移動する。
なお、モータ23及びエアシリンダ25の駆動は制御装置40によって制御される。また、図示しないが、モータ23にはモータ23の回転軸の回転角度を検出するエンコーダ23aが設けられており、モータ23の回転軸の回転角度はエンコーダ23aによって検出され、制御装置40に出力される。このとき、制御装置40はエンコーダ23aによって検出されたモータ23の回転角度からロッド22の位置すなわちアーム21の位置を算出する。つまり、モータ23の駆動に伴って回転するロッド駆動用ローラ26、27の回転量をエンコーダ23aによって検出されるモータ23の回転角度から求め、ロッド駆動用ローラ26、27の回転に伴って移動するロッド22の繰り出し機構10側の端部に設けられたアーム21の位置を算出する。よって、エンコーダ23aは「第2の検出手段
として機能する。
図4は繰り出し機構のローラ11、引出し機構20のアーム21、切断機構30の可動メス31a及びテープ材Tの位置関係を示す説明図である。
繰り出し機構10によるテープ材Tの繰り出しが行われる前は、アーム21は最後退位置(動作基準位置)に待機している。このとき、可動アーム部21aは上方に回動している。繰り出し機構10によってテープ材Tが送り出されると、それに伴ってアーム21が繰り出し機構10側に前進することにより、テープ材Tの先端部がアーム21の最前進位置(つかみ位置)にまで達するときにはテープ材Tの先端部が可動アーム部21aと固定アーム部21bとの間に位置する。このとき、エアシリンダ25の駆動により可動アーム部21aが下方へと回動してテープ材Tの先端部を可動アーム部21aと固定アーム部21bとで挟持する。その後、アーム21は繰り出し機構10によるテープ材Tの繰り出し速度とほぼ等速でテープ材Tの繰り出し方向へと後退移動する。その後、テープ材Tの繰り出し量が予め設定されたベルトループを形成するテープ材の長さとなったとき、繰り出し機構10によるテープ材Tの繰り出し及び引出し機構20のアーム21の移動が停止される。つまり、アーム21は繰り出し機構10によって繰り出されるテープ材Tの先端部を挟持して、あらかじめ設定されたベルトループを形成するテープ材Tの長さまでテープ材Tを引き出すように移動する。よって、テープ材Tの先端部を挟持するアーム21を、テープ材Tを引き出すように移動させる引出し機構20は「引出し手段」として機能する。また、アーム21を移動させるすなわちロッド22を移動させる駆動源となるモータ23は「第2のモータ」として機能する。
なお、上述の繰り出し機構10による繰り出し動作、引出し機構20によるテープ材Tの引出し動作の制御は制御装置40によって行われる。
切断機構30は、繰り出されたテープ材Tを切断するメス31と、メス31の可動メス31aを上下動させる駆動源としてのエアシリンダ32と、可動メス31aを上下動可能に支持すると共に可動メス31aが上昇している際に可動メス31aを収納するメスブラケット33と、を有している。
メス31は、繰り出し機構10によって繰り出されたテープ材Tに対して上下動可能に設けられた可動メス31aと、繰り出し機構10によって繰り出されたテープ材Tの下方であって可動メス31aが下降した際に可動メス31aと噛み合う位置に設けられた固定メス31bとを有している。つまり、可動メス31aがテープ材Tに下降して固定メス31bと噛み合うことでテープ材Tが切断される。また、可動メス31aはエアシリンダ32のプランジャ部に接続されており、エアシリンダ32の駆動によって可動メス31aの上下動が行われる。エアシリンダ32の駆動は制御装置40によって行われる。
なお、メス31によってテープ材Tが切断される位置は、図4に示すように、繰り出し機構10のローラ11とルーズロール15とによってテープ材Tが挟まれている位置(セット位置)に対して所定の距離となるよう設けられている。
ループ供給機構は、切断機構30によって切断されたテープ材Tの両端付近をそれぞれ把持してミシンへと搬送する二本の搬送アーム部(図示略)を有している。切断機構30によって切断されたテープ材Tは搬送アーム部によってその両端付近を把持される。その後、テープ材Tの先端部を挟持している状態の引出し機構20のアーム21は、エアシリンダ25が駆動することで可動アーム部21aが上方へと回動してテープ材Tの先端部を開放する。その後、アーム21は最後退位置へと移動し、搬送アーム部は切断されたテープ材Tをミシンへと搬送するよう動作する。
(制御装置)
次に、制御装置40について詳細に説明する。図5は、制御装置40の構成を示す機能ブロック図である。
制御装置40は、ベルトループの供給装置1の動作における各種処理を行うCPU41と、CPU41が処理を行うための各種プログラム及びデータを書き換え不可能に記憶するROM42と、CPU41が処理を行う際に各種プログラム及びデータを格納するRAM43と、CPU41が処理を行うための各種プログラム及びデータを書き換え可能に記憶するEEPROM44と、制御装置40とベルトループの供給装置1の各部とを接続するI/Oインターフェース45と、を有している。
制御装置40のCPU41はベルトループの供給装置1の各種動作に対応したソフトウェア及びデータをROM42又はEEPROM44から呼び出して実行処理し、ベルトループの供給装置1の動作制御を行う。また、制御装置40はI/Oインターフェース45を介してモータ12、エンコーダ12a、モータ23、エンコーダ23a、エアシリンダ25、エアシリンダ32及びベルトループの供給装置1の各種情報が表示されると共にベルトループの供給装置1の動作に関する各種入力操作を行うことが可能な操作パネル50等のベルトループの供給装置1の各部に接続されている。制御装置40のCPU41は、エンコーダ12a、エンコーダ23a、ポテンショメータ16b及び操作パネル50等の入力内容に応じて各種処理を行い、モータ12、モータ23、エアシリンダ25及びエアシリンダ32等を制御する。
また、EEPROM44には、制御装置40のCPU41がテープ材Tの繰り出し量について適切かどうか判定するための基準値d1、d2が記憶されている。基準値d1、d2はモータ23の偏差からモータ12の偏差を減算した値が適切かどうかを判定する下限値と上限値である。なお、モータ23の偏差とはモータ23に対してCPU41が行う駆動指令によるモータ23の回転軸の指令角度とエンコーダ23aによって検出されるモータ23の回転軸の回転角度との偏差である。また、モータ12の偏差とはモータ12に対してCPU41が行う駆動指令によるモータ12の回転軸の指令角度とエンコーダ12aによって検出されるモータ12の回転軸の回転角度との偏差である。また、d1、d2はテープ材Tが切断される長さが所定の長さLだった場合の基準値である。基準値d1、d2の詳細は後述する。
(操作パネル)
操作パネル50はベルトループの供給装置1の各種情報が表示されると共にベルトループの供給装置1の動作に関する各種入力操作を行うことが可能な所謂タッチパネルディスプレイである。オペレータは操作パネル50を介してベルトループの供給装置1の動作に関する各種情報を確認し、必要に応じて各種設定や入力を行うことができる。例えば、ベルトループのテープ材Tに用いられている布の材質について設定する画面を表示させた場合、操作パネル50には布の材質の一覧が表示される。このとき、布の材質がそれぞれ独立したボタンとして表示されており、オペレータはテープ材Tに用いられている材質に対応する材質のボタンを押すことで設定が可能となる。よって、操作パネル50は「第1の決定手段」として機能する。
また、ベルトループを形成するテープ材Tの長さ即ちテープ材Tが切断される際の長さの設定等も操作パネル50を介して行われる。この場合、ベルトループを形成するテープ材の長さを数値入力する画面が表示され、オペレータは任意の値を設定できる。
(偏差に基づくモータの駆動制御)
次に、制御装置40が行う処理のうち、モータ12及びモータ23の駆動におけるモータ12及びモータ23に対する指令角度とエンコーダ12aが検出したモータ12の回転角度及びエンコーダ23aが検出したモータ23の回転角度との間にそれぞれ生ずる偏差に基づくモータ12及びモータ23の駆動制御について詳細に説明する。図6はテープ材Tに生じている張力Sの強さとモータ12の偏差及びモータ23の偏差の生じる方向との関係を示す概念図である。なお、図6(a)は適正な張力Sがテープ材Tに生じている場合、図6(b)は適正な張力Sよりも大きな張力Sがテープ材Tに生じている場合、図6(c)はテープ材Tに張力Sが生じていない場合を示す。
制御装置40のCPU41の制御によってテープ材Tが繰り出される際、CPU41はまず繰り出し機構10のモータ12に対して駆動指令を出す。このとき、モータ12に対する駆動指令はモータ12の回転軸の指令角度Oとして出力される。つまり、モータ12の回転軸が指令角度Oまで駆動するようCPU41によって制御される。また、モータ12が駆動しているとき、モータ12の回転軸の回転角度Pは所定時間ごとにエンコーダ12aによって検出される。
なお、本実施形態では、テープ材Tの過剰な引張りと弛みの双方を検出可能とするために、引出し機構20の引張り量に対して繰り出し機構10の繰り出し量が若干少なくなるように設定されている。これによって、適正なテープ材の送り出し状態では、繰り出し機構10と引出し機構20との間のテープ材Tに適正な張力Sが生じる。このように設定することで、テープ材Tに弛みが生じた状態(張力がほぼゼロとなる状態)を検出可能としている。従って、図6(a)に示すように、適正にテープ材Tの繰り出し及び引出しが行われている場合には、繰り出し機構10のモータ12は引出し機構20の方向に僅かに張力Sを受けた状態となり、これによってモータ12に対する指令角度に対して先行状態の偏差を生じることとなる。
一方、実際のモータ12の回転においては指令角度Oに対する遅延が発生する。モータ12の遅延の度合いはモータ12にかかる負荷の大きさによって変化し、負荷が大きいほど遅延が大きくなる。つまり、モータ12の遅延が生じている場合にはモータ12に生じている負荷が大きく、テープ材Tの繰り出し動作において何らかの障害が生じていること(例えばテープ材が引っ掛かりを生じていて適正に繰り出されていない等)を示す。また、引出し機構20によるテープ材Tへの張力Sによりテープ材Tが繰り出し機構10のローラ11に対して滑りを生じてしまい、繰り出し機構10による繰り出し量以上にテープ材Tが引き出されてしまうことがある。この場合、テープ材Tは繰り出し機構10と引出し機構20との間で弛みを生じるか、あるいは弛みを生じなくても引出し機構20による張力Sがほとんど発生しない状態となる。よって、張力Sによるモータ12の先行状態はほとんどなくなり、モータ12の偏差はゼロに近くなる。
上述のモータ12に対する指令角度Oとエンコーダ12aによって検出される回転角度Pとの間の偏差とほぼ同様に、モータ23に対する指令角度Qとエンコーダ23aによって検出される回転角度Rとの間にも偏差が生じる。ただし、モータ23の偏差はテープ材Tの張力により、指令角度Qに対して回転角度Rが遅延するように生ずる。モータ23の偏差の大きさは引出し機構20によるテープ材Tへの張力Sの大きさによって変化する。例えば、テープ材Tに適正な張力Sが働いている場合は、モータ23の偏差は引出し機構側に若干生じた状態となる。一方、繰り出し機構10に何らかの障害が生じた等の理由によりテープ材Tの繰り出し動作が遅れると、引出し機構20によるテープ材Tの引張りのみが先行することによってテープ材Tに大きな張力Sが生じる。これによってモータ23には大きな負荷が生じ、モータ23の偏差は大きくなる。また、繰り出し機構10のローラ11とテープ材Tとが滑りを生じ、テープ材Tが繰り出し機構10の繰り出し量を超えて引き出されてしまうと、テープ材Tにはほとんど張力Sが働かない状態となり、モータ23の負荷が減少してモータ23の偏差はゼロに近くなる。
つまり、テープ材Tの繰り出し量及び引出し量が共に適正である場合、図6(a)に示すように、モータ12の偏差は検出された回転角度が指令角度に対して引出し機構20側に若干先行し、モータ23の偏差は検出された回転角度が指令角度に対して繰り出し機構10側に若干遅れる。一方、テープ材Tに大きな張力Sが生じているとき即ち繰り出し機構10によるテープ材Tの繰り出しに何らかの障害が生じている場合、図6(b)に示すように、モータ12の偏差及びモータ23の偏差は回転角度が指令角度に対して大幅に遅れた状態となる。また、テープ材Tが弛んでいるあるいはほとんど張力Sが生じていない場合すなわちテープ材Tと繰り出し機構10のローラ11とが滑りを生じた場合、図6(c)に示すように、モータ12の偏差及びモータ23の偏差はゼロに近くなる。
制御装置40のCPU41は、繰り出し機構10と引出し機構20との間に位置するテープ材Tが引出し機構20によって僅かに張力Sが生じる程度となるモータ12及びモータ23の偏差となるようにモータ12及びモータ23を駆動制御する。
なお、図6(a)、(b)、(c)におけるモータ12の指令角度O、モータ23の指令角度Qはそれぞれのモータの回転軸に対してほぼ鉛直方向となっているが、実際にはそれぞれの指令角度ごとに異なる角度が駆動指令として出力される。
なお、テープ材に張力Sが生じた場合に生じるモータ12の偏差及びモータ23の偏差の大きさはテープ材Tを形成する布の材質や厚み、テープ材Tが切断される際のテープ材Tの繰り出し量によって変化する。これに伴い、テープ材Tが僅かに引っ張られている程度の状態を示すモータ12の偏差及びモータ23の偏差も変化する。よって、制御装置40のCPU41は、テープ材Tを形成する布の材質や厚み、テープ材Tが切断される際のテープ材Tの繰り出し量に応じたモータ12及びモータ23の偏差となるようにモータ12及びモータ23を駆動制御する。
具体的には、まず制御装置のCPU41は、を形成する布の材質や厚みに応じたモータ12及びモータ23の偏差となるようにモータ12及びモータ23を駆動制御するための基準値D1、D2を算出する。基準値D1、D2は以下の式(1)、(2)によって算出される。
D1=d1×(L/L1)×Km×Kt……(1)
D2=d2×(L/L1)×Km×Kt……(2)
式(1)、(2)におけるL1はそのときのテープ材Tが切断される際の繰り出し量である。上述のように、d1、d2はテープ材Tが切断される長さが所定の長さLだった場合の基準値であるので、そのときのテープ材Tが切断される際の繰り出し量に応じて補正されたD1、D2が算出される。
また、Kmはそのときのテープ材Tを形成する布の材質ごとに定められた固有の数値である。Kmはテープ材Tを形成する布の材質ごとにあらかじめ設定された固有の数値がEEPROM44に記憶されており、操作パネル50を介してオペレータによって設定された布の材質に応じたKmが用いられる。
また、Ktはそのときのテープ材Tの布の厚みごとに定められた固有の数値である。Ktはテープ材Tを形成する布の厚みごとにあらかじめ設定された固有の数値がEEPROM44に記憶されており、厚み検出機構16によって検出された布の厚みに応じたKtが用いられる。
よって、テープ材Tを形成する布の材質ごとにあらかじめ設定された固有の数値及びテープ材Tを形成する布の厚みごとにあらかじめ設定された固有の数値を記憶するEEPROM44は「記憶手段」として機能する。
次に、制御装置40のCPU41は、繰り出し機構10及び引出し機構20を動作させてテープ材Tの繰り出し動作を行わせる制御の際に、モータ12の偏差Doをモータ12に対する指令角度とエンコーダ12aによって検出されたモータ12の回転角度から算出する。同様に、モータ23の偏差Dpをモータ23に対する指令角度とエンコーダ23aによって検出されたモータ12の回転角度から算出する。よって、制御装置40のCPU41は「第1の算出手段」及び「第2の算出手段」として機能する。
次に、CPU41はモータ12の偏差Do、モータ23の偏差Dpから総合出力偏差Dopを以下の式(3)によって算出する。
Dop=Dp×Kp−Do×Ko……(3)
式(1)におけるKp、Koは、引出し機構20及び繰り出し機構10のそれぞれが有する動力伝達機構(ベルト等)の摩擦やその他の要因によって生じるそれぞれのモータの駆動量と実際の機構の動作との間の差異を補正するための固有値である。なお、Kp、Koはあらかじめベルトループの供給装置1の検証動作等により測定された最適な値が用いられ、Kp、KoはROM42あるいはEEPROM44に記憶されている。
つまり、総合出力偏差Dopは、モータ23の偏差Dpに基づいて求められた引出し機構20の動作の遅れ量とモータ12の偏差Doに基づいて求められた繰り出し機構10の動作の遅れ量との偏差である。
また、このときモータ12の偏差Doは先行状態の偏差を正の偏差、遅延状態の偏差を負の偏差として扱う。モータ23の偏差Dpは遅延状態の偏差を正の偏差、先行状態の偏差を負の偏差として扱う。
次に、CPU41は総合出力偏差Dopと基準値D1、D2との比較が行われる。このとき、D1≦Dop≦D2が成り立つ場合は、モータ12の偏差及びモータ23の偏差は適切な範囲内にある。即ち、繰り出し機構10と引出し機構20との間のテープ材Tに対して引出し機構20によって加えられる張力が適切であり、テープ材Tは伸びることも弛むこともない状態である。この場合、テープ材Tの繰り出し量は適切であるので、モータ12、モータ23に対する特別な駆動制御は行われない。一方、D1>Dopである場合は、テープ材Tが弛んでいるあるいは適正な張力が生じていない状態即ちテープ材Tと繰り出し機構10のローラ11とが滑りを起こしてテープ材Tが繰り出し量以上に引き出されていることを示す。よって、CPU41はモータ23の回転速度を上げることで引出し機構20によるテープ材Tの引出し量を大きくすると共に、モータ12の回転速度を下げることで繰り出し機構10によるテープ材Tの繰り出し量を小さくすることで、テープ材Tの弛みを解消する。また、D2<Dopである場合は、テープ材Tに生じる張力が大きすぎる即ちテープ材Tの繰り出しに何らかの障害が生じた等の理由により引出し機構20の動作量に対して繰り出し機構10の動作量が遅れている。このとき、繰り出し機構10と引出し機構20との間のテープ材Tは引出し機構20によって強く引っ張られて大幅に伸びてしまっていることが多い。よって、CPU41はモータ23の回転速度を下げることで引出し機構20によるテープ材Tの引出し量を小さくすると共に、モータ12の回転速度を上げることで繰り出し機構10によるテープ材Tの繰り出し量を大きくすることで、テープ材Tの伸びを解消する。
なお、上述の処理によるモータ12、モータ23の駆動制御はテープ材Tの繰り出し動作中即ちモータ12、モータ23の駆動中に行われるが、テープ材Tの繰り出し動作完了後即ちモータ12、モータ23の停止後にも行われる。ただし、テープ材Tの繰り出し動作完了後にモータ23が駆動することで引出し機構20が動作してアーム21の位置が移動すると、繰り出し機構10と引出し機構20との間のテープ材Tの長さがあらかじめ設定されたテープ材Tが切断される際の繰り出し量から逸脱してしまう可能性がある。よって、テープ材Tの繰り出し動作完了後はモータ12の駆動制御のみを行うことによってテープ材Tに対する張力Sを適切に調節することが望ましい。例えば、繰り出し機構10によってテープ材Tが繰り出され過ぎてテープ材Tが弛んでいる場合は、CPU41はモータ12を繰り出し方向とは逆回転させることで繰り出されたテープ材Tを巻戻すように動作させてテープ材Tに張力Sがかかるように動作制御する。また、引出し機構20によってテープ材Tが強く引っ張られてテープ材Tが大幅に伸びてしまっている場合は、CPU41はモータ12を繰り出し方向に再度駆動してテープ材Tを繰り出し、テープ材Tの伸びを解消するように動作制御する。このとき、モータ12の駆動量はモータ12の最小分解能にて行われることが望ましい。これによってテープ材Tに対する張力Sの微調整が容易となる。
上述のように、制御装置40のCPU41はモータ12の偏差Do及びモータ23の偏差Dpに基づいて算出された総合出力偏差Dopと、ベルトループを形成するテープ材Tの長さL1、テープ材Tを形成する布の材質に応じた固有の数値Km、テープ材Tの厚みに応じた固有の数値Ktに基づいて算出された基準値D1、D2と、からテープ材Tの繰り出し量が適切かどうか判定する。よって、制御装置40のCPU41は「判定手段」として機能する。また、制御装置40のCPU41は、総合出力偏差Dop、基準値D1、D2による判定の結果、テープ材Tの繰り出し量が適切でないと判定された場合にはモータ12、モータ23のうち少なくとも一方のモータを駆動制御してテープ材Tの繰り出し量を調節する。よって、制御装置40のCPU41は「調節手段」として機能する。
なお、D1、D2、Dopの算出及びD1≦Dop≦D2の判定は極めて短時間のタイムサイクルで行われており、DopがD1≦Dop≦D2の範囲内でなくなった場合は即座にDopがD1≦Dop≦D2の範囲内に収まるようモータ12、23が駆動制御される。
(ベルトループの供給装置の動作)
次に、ベルトループの供給装置1の動作について詳細に説明する。図7はベルトループの供給装置1の動作を示すフロー図である。
まず、操作パネル50を介してオペレータによって各種設定が行われる(ステップS1)。各種設定とは、ベルトループの長さ即ち切断後のテープ材Tの長さ、テープ材Tを形成する布の材質等である。その後、テープ材Tの先端部がローラ11とルーズロール15の間に巻き込まれるようにテープ材Tが繰り出し機構10に設置される。このとき、厚み検出機構16によってテープ材Tの厚みが検出される(ステップS2)。制御装置40のCPU41はステップS1にて入力されたベルトループの長さ、テープ材Tの布の材質とステップS2で検出されたテープ材Tの厚みから基準値D1、D2を算出する(ステップS3)。その後、CPU41によってモータ12、モータ23が駆動され、テープ材Tの繰り出し動作と引き出し機構20の動作が開始される(ステップS4)。
また、この動作開始により、偏差Do、Dpの算出が行われる(ステップS5、第1の算出手段及び第2の算出手段)。
制御装置40のCPU41は、モータ12及びモータ23に対する指令角度とエンコーダ12a、23aによって検出されたモータ12及びモータ23の回転角度から式(3)に基づき総合出力偏差Dopを算出する(ステップS6)。このとき、CPU41は総合出力偏差DopがD1≦Dop≦D2を満たしているかどうか判定する(ステップS7、判定手段)。総合出力偏差DopがD1≦Dop≦D2を満たしていないと判定された場合(ステップS7:No)、CPU41は総合出力偏差DopがD1>Dopを満たしているかどうか判定する(ステップS8、判定手段)。総合出力偏差DopがD1>Dopを満たしていた場合(ステップS8:YES)、テープ材Tが弛んでいるかあるいはほとんど張力Sが生じていない状態(図6(c)の状態)となるので、CPU41はモータ12の回転速度を下げ、モータ23の駆動速度を上げる(ステップS9)。総合出力偏差DopがD1>Dopを満たしていなかった場合(ステップS8:NO)、それは即ちD2<Dopであることを意味し、このときテープ材Tの張力Sは大きすぎる状態(図6(b)の状態)なので、CPU41はモータ12の回転速度を上げ、モータ23の駆動速度を下げる(ステップS10)。その後、CPU41はテープ材Tがベルトループの長さだけ送り出されたかどうか判定する(ステップS11)。なお、総合出力偏差DopがD1≦Dop≦D2を満たしていると判定された場合(ステップS7:YES)、テープ材Tの張力Sは適正な状態(図6(a)の状態)なので、すぐにステップS11へと移行する。ステップS5〜S11の処理は、テープ材Tがベルトループの長さだけ送り出されるまで繰り返し行われる(ステップS11:NO)。
テープ材Tがベルトループの長さだけ送り出されると(ステップS11:YES)、制御装置40のCPU41はモータ12及びモータ23の駆動を停止してテープ材Tの繰り出し動作を停止させる(ステップS12)。その後、CPU41は繰り出し動作停止時のモータ12及びモータ23に対する指令角度とエンコーダ12a、23aによって検出されたモータ12及びモータ23の回転角度から総合出力偏差Dopを算出する(ステップS13、第1の算出手段及び第2の算出手段)。このとき、CPU41は総合出力偏差DopがD1≦Dop≦D2を満たしているかどうか判定する(ステップS14、判定手段)。総合出力偏差DopがD1≦Dop≦D2を満たしていないと判定された場合(ステップS14:No)、CPU41は総合出力偏差DopがD1>Dopを満たしているかどうか判定する(ステップS15、判定手段)。総合出力偏差DopがD1>Dopを満たしていた場合(ステップS15:YES)、テープ材Tが弛んでいるかあるいはほとんど張力Sが生じていない状態(図6(c)の状態)となるので、CPU41はモータ12をテープ材Tの繰り出し時の回転方向に対して逆回転させる(ステップS16)。総合出力偏差DopがD1>Dopを満たしていなかった場合(ステップS15:NO)、それは即ちD2<Dopであることを意味し、このときテープ材Tの張力Sは大きすぎる状態(図6(b)の状態)なので、CPU41はモータ12をテープ材Tの繰り出し方向に再度回転(正回転)させる(ステップS17)。その後、ステップS13に戻る。なお、総合出力偏差DopがD1≦Dop≦D2を満たしていると判定された場合(ステップS14:YES)、CPU41はテープ材Tの繰り出し動作を終了させる。ステップS13〜S17の処理は、ステップS14において総合出力偏差DopがD1≦Dop≦D2を満たしていると判定される即ちテープ材Tの張力Sが適正となるまで繰り返し行われる。
その後、切断機構30が動作してテープ材Tが切断され、ループ供給機構によって切断されたテープ材Tがミシンに搬送される。
上記ステップS7、S8、S14、S15は、判定手段を構成し、ステップS9、S10、S16、S17は、調節手段を構成する。
(本発明によるベルトループの供給装置の作用効果)
上述の実施の形態によれば、制御装置40のCPU41がモータ12の偏差とモータ23の偏差とに基づいてテープ材Tの繰り出し量が適切であるかどうかを判定する。つまり、制御装置40のCPU41は、モータ12の偏差とモータ23の偏差とに基づいて判定されるテープ材Tの状態が、テープ材Tが伸張してしまわない程度に引出し機構20によってテープ材Tが引っ張られている状態となっている場合の偏差となっているかどうかを判定することによって、テープ材Tの繰り出し量が適切であるかどうかを判定する。よって、弛みが生じた状態でテープ材が切断された場合にテープ材がベルトループを形成するための所定の長さよりも長くなってしまうといった問題点や、テープ材が大幅に伸びた状態で切断されることによってベルトループを形成するための所定の長さよりも大幅に短い長さとなり、ベルトループを形成するための十分な長さを有しなくなるといった問題点を解消できる。従って、ベルトループの供給装置の信頼性が大幅に向上する。
加えて、制御装置40のCPU41によってテープ材Tの繰り出し量が適切でないと判定された場合には、制御装置40のCPU41がモータ12、モータ23のうち少なくとも一方のモータの駆動を制御して総合出力偏差Dopを調節することでテープ材Tの繰り出し量が適切になるよう調節する。これによって、繰り出されるテープ材Tの長さが適切となるので、ベルトループを形成するテープ材Tの長さは常に適切な長さとなり、品質の高いベルトループの縫い付けが可能となる。よって、ベルトループの縫い付け品質が大幅に向上する。
さらに、制御装置40のCPU41によるテープ材Tの繰り出し量の判定は、テープ材Tが切断前の長さ(あらかじめ設定された長さにテープ材Tの切断位置と繰り出し機構10のセット位置との間の所定の距離分の長さを加算した長さ)繰り出されるまでのモータ12及びモータ23の駆動中と、テープ材Tが切断前の長さだけ繰り出された後即ちモータ12及びモータ23の駆動が停止した後であって、テープ材Tが切断される前と、に行われる。つまり、繰り出し機構10及び引出し機構20によるテープ材Tの繰り出し動作が行われている最中にCPU41によってその時点でのテープ材Tの繰り出し量が適切かどうか即ちテープ材Tの大幅な伸縮や弛みがないかどうか判定され、総合出力偏差DopがD1≦Dop≦D2の範囲内にないと判定された場合はモータ12、モータ23の駆動のうち少なくとも一方が制御されて当該伸縮あるいは弛みが解消される。よって、テープ材Tの長さは常に所定の長さに保たれ、ベルトループの供給装置の信頼性が大幅に向上する。加えて、ベルトループを形成するテープ材Tの長さが所定の長さに統一され、ベルトループの縫い付け品質がより一層向上する。また、テープ材Tの繰り出し量の判定及び調節はテープ材Tの繰り出し動作中に行われるので、テープ材繰り出し動作が完了した後の調整は不要あるいはごく僅かでよくなるので、テープ材繰り出し動作後は迅速にテープ材Tを切断することが可能となる。よって、ベルトループを形成するテープ材の供給サイクルタイムが大幅に短縮され、ベルトループの供給装置を用いたベルトループの縫い付け作業効率が大幅に向上する。
さらに、繰り出し機構10及び引出し機構20によるテープ材Tの繰り出し動作が完了した後、テープ材Tの切断前に当該繰り出し動作によって繰り出されたテープ材Tの繰り出し量が適切かどうかを制御装置40のCPU41が判定し、適切でなかった場合はCPU41がテープ材Tの繰り出し量が適切になるようモータ12の駆動制御を行ってテープ材Tの繰り出し量を調節する。これによって、繰り出し機構10及び引出し機構20によるテープ材Tの繰り出し動作が完了した後にテープ材Tが適切な繰り出し量でなかった場合であっても、テープ材Tが切断される時点では常にテープ材Tの繰り出し量は適切となっており、切断されたテープ材Tの長さは常に所定の長さに保たれる。よって、ベルトループの供給装置の信頼性が大幅に向上する。加えて、ベルトループを形成するテープ材の長さが所定の長さに統一され、ベルトループの縫い付け品質がより一層向上する。
さらに、制御装置40のEEPROM44にはテープ材Tを形成する布の材質及び厚みごとに対応した固有の数値Km、Ktが記憶され、制御装置40のCPU41は、ベルトループを形成するテープ材Tの長さL1、テープ材Tを形成する布の材質及び厚みに対応した固有の数値Km、Kt並びにモータ12の偏差及びモータ23の偏差に基づいてテープ材Tの繰り出し量が適切であるかどうかを判定する。つまり、CPU41は操作パネル50を介してオペレータによって入力されたテープ材Tの材質と、厚み検出機構16によって検出されたテープ材Tの厚みと、に応じて変化するモータ12の偏差及びモータ23の偏差に対して、EEPROM44から当該テープ材Tの材質及び厚みに応じた固有の数値Km、Ktをもとにそれぞれの偏差が示すテープ材Tの繰り出し量が適切かどうか判別する。これによって、テープ材Tを形成する布の材質や厚みが変化しても、CPU41は常にテープ材Tの繰り出し量が適切であるかどうかを好適に判定することが可能となる。よって、テープ材Tを形成する布の材質や厚みに関りなく適切な長さのテープ材Tを供給することが可能となり、ベルトループの供給装置の信頼性がより一層向上する。加えて、当該ベルトループの供給装置によって供給されたテープ材によるベルトループの品質がより安定して高いものとなり、ベルトループの縫い付け品質がより一層向上する。
(その他)
なお、上述の実施の形態によるD1、D2、Dopの算出方法や、モータ12の偏差、モータ23の偏差からテープ材Tの張力Sが適正かどうかを判定することでテープ材Tの繰り出し量を判定する方法についてはあくまで一例であり、他の計算式や判定方法によっても良い。例えば、モータ12の偏差及びモータ23の偏差の絶対値を取り、その加算結果に応じて判定するようにしてもよい。
また、上述の実施の形態においては、厚み検出機構16によってテープ材Tの布の厚みが検出されているが、テープ材Tの布の厚みを操作パネル50から入力することによって設定可能としても良い。
また、繰り出し機構10のローラ11あるいはルーズロール15をテープ材Tに対して上下方向に移動可能に設けても良い。これによって、繰り出し機構10はテープ材Tの材質及び厚みの変化により柔軟に対応してテープ材Tを繰り出すことが可能となる。
本発明によるベルトループの供給装置の一実施形態を示す説明図である。 繰り出し機構を図1とは異なる角度から見た場合を示す説明図である。 引出し機構を上方から見た平面図である。 繰り出し機構のローラ、引出し機構のアーム、切断機構の可動メス3及びテープ材の位置関係を示す説明図である。 制御装置の構成を示す機能ブロック図である。 テープ材に生じている張力の強さと各モータの偏差の生じる方向との関係を示す説明図である。なお、図6(a)は適正な張力がテープ材に生じている場合、図6(b)は適正な張力よりも大きな張力がテープ材に生じている場合、図6(c)はテープ材に張力が生じていない場合を示す。 ベルトループの供給装置の動作を示すフロー図である。 従来技術によるベルトループの供給装置の構成を示す説明図である。
符号の説明
10 繰り出し機構
11 ローラ
12 モータ
12a エンコーダ
16 厚み検出機構
20 引出し機構
21 アーム
22 ロッド
23 モータ
23a エンコーダ
30 切断機構
40 制御装置
41 CPU
42 ROM
44 EEPROM
50 操作パネル

Claims (5)

  1. ベルトループのテープ材を順次繰り出すと共に所定長さに切断してミシンに供給するベルトループの供給装置において、
    前記テープ材の長手方向に前記テープ材を繰り出す繰り出し手段と、
    前記繰り出し手段によって繰り出される前記テープ材の先端部を挟持して前記テープ材の長手方向に引き出す引出し手段と、
    前記繰り出し手段が前記テープ材を繰り出す動作の駆動源としての第1のモータと、
    前記引出し手段が前記テープ材を引き出す動作の駆動源としての第2のモータと、
    前記第1のモータの回転角度を検出する第1の検出手段と、
    前記第2のモータの回転角度を検出する第2の検出手段と、
    前記第1のモータに対する指令角度と前記第1の検出手段によって検出された回転角度との偏差を算出する第1の算出手段と、
    前記第2のモータに対する指令角度と前記第2の検出手段によって検出された回転角度との偏差を算出する第2の算出手段と、
    前記テープ材を形成する布の材質の各々と前記テープ材を形成する布の厚みの各々に応じて予め定められた固有の数値を記憶する記憶手段と、
    前記所定長さと前記記憶手段に記憶された固有の数値とに基づいて、前記所定長さの前記テープ材を形成する布の材質及び厚みに応じた偏差の範囲の上限値及び下限値を算出し、前記第1の算出手段が算出した偏差と前記第2の算出手段が算出した偏差とに基づいて、前記引き出し手段の動作の遅れ量と前記繰り出し手段の動作の遅れ量とにより生じた前記テープ材に対する張力の偏差である総合出力偏差を算出し、算出された総合出力偏差が前記偏差の範囲内であるか否かにより前記テープ材の繰り出し量が適切であるか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段によって前記テープ材の繰り出し量が適切でないと判定された場合に、前記第1のモータ、前記第2のモータのうち少なくとも一方のモータの駆動を制御して前記第1のモータの指令角度と回転角度との偏差及び前記第2のモータの指令角度と回転角度との偏差を調節する調節手段を備えることを特徴とするベルトループの供給装置。
  2. 前記判定手段によるテープ材の繰り出し量の判定は、前記第1のモータ及び前記第2のモータの駆動停止後であって前記テープ材が切断される前に行うことを特徴とする請求項1に記載のベルトループの供給装置。
  3. 前記判定手段によるテープ材の繰り出し量の判定は、前記テープ材が所定長さ繰り出されるまでの前記第1のモータ及び前記第2のモータの駆動中に行うことを特徴とする請求項1に記載のベルトループの供給装置。
  4. 前記判定手段によるテープ材の繰り出し量の判定は、前記テープ材が所定長さ繰り出されるまでの前記第1のモータ及び前記第2のモータの駆動中及び前記第1のモータ及び前記第2のモータの駆動停止テープ材が所定長さだけ繰り出された後であって、前記テープ材が切断される前に行うことを特徴とする請求項1に記載のベルトループの供給装置。
  5. 記テープ材を形成する布の材質を入力する第1の決定手段と、
    前記テープ材の厚みを入力する第2の決定手段と、を備え、
    前記基準値は、前記テープ材を形成する布の材質及び厚みごとにそれぞれ設けられ、
    前記判定手段は、前記第1の決定手段によって入力された布の材質と、前記第2の決定手段によって入力されたテープ材の厚みと、前記テープ材を形成する布の材質及び厚みに対応した前記固有の数値と、に基づいて前記偏差の範囲の上限値及び下限値を算出することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のベルトループの供給装置。
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