JP4239192B2 - 帯状物の送込寸法制御装置および方法 - Google Patents

帯状物の送込寸法制御装置および方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生地に帯状物を縫着するときの帯状物の送込寸法を制御する制御装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は、従来の技術の帯状物の送込寸法制御装置1の構成を示すブロック図である。図8は、送込寸法制御装置1の操作パネル2を示す正面図である。図9は、縫製物の一部を示す斜視図である。送込寸法制御装置1は、操作パネル2と、ミシン回転センサ3と、制御回路4と、モータ駆動回路5とを有する。この送込寸法制御装置1は、ミシン本体によって生地7に帯状物8を縫着するにあたって、ミシン本体に送り込む帯状物8の送込寸法を制御する装置である。
【0003】
生地7に対して、伸縮性のある帯状物8を縫着する場合、縫製後に生地7が縮むように仕上げるために帯状物に張力を与えながら縫着したい部分と、縫製後の生地7が平らになるように仕上げるために帯状物7に張力を与えないようにして縫着したい部分とが存在する場合がある。この場合、これら部分毎に複数の工程に分け、操作パネル2によって各工程毎の張力および運針数を入力する。そして運針数に対応する値であるミシン本体の駆動軸の回転角度をミシン回転センサ3で検出し、制御回路4から送りモータドライブ回路5に指令を与えて、各工程毎に設定される運針数の縫製動作をする間だけ設定される張力で帯状物8を送るように送りモータ6を制御している。
【0004】
送込寸法制御装置1に類似する装置として、各工程毎の張力に代えて送り込む帯状物8の送込寸法を入力することによって、運針数と送込寸法から各工程の張力を求め、入力される運針数の縫製動作をする間だけ求めた張力で帯状物を送るように制御する装置がある。いずれにしても従来の技術では、運針数に基づいて制御し、各工程毎に設定される運針数だけ縫製動作するようにしている(たとえば第1および第2特許文献参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−68067号公報
【特許文献2】
特公平7−44984号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
縫製装置では、ミシン本体の駆動軸の回転速度によって、生地送り機構に慣性力が生じ、縫いピッチp7、言い換えるならば生地における針が挿通される位置間の間隔が異なる。たとえば回転速度が3000min−1の場合、縫いピッチp7は2.0mmであり、回転速度が5000min−1の場合、縫いピッチp7は2.2mmであり、回転速度が6000min−1の場合、縫いピッチp7は2.4mmである。したがって前述のような運針数に基づく制御では、同一の運針数であっても駆動軸の回転速度によって工程長さが異なってしまうので、回転速度を考慮して運針数を入力しなければならず、手間を要する。また生地7が縫い合わせ部などの段部9を有する場合、縫製方向Aに関して段部9付近で生地の縫いピッチp7が部分的に小さくなることがある。このような場合には、結果に基づいて運針数を設定しなおさなければならない。このように従来の技術では、生地7に縫着される帯状物8の寸法の精度が悪くなり、逆に精度を高くしようとすると、入力操作に手間を要する。
【0007】
したがって本発明の目的は、操作者による入力操作が容易であるとともに、生地に縫着される帯状物の寸法の精度を高くすることができる帯状物の送込寸法制御装置および方法を提供することである。
【0008】
請求項1記載の本発明は、生地に帯状物を縫着する縫製手段と、駆動パルスで駆動される一対のローラ片を有し縫製手段に帯状物を送り込む送込手段と、送込手段を駆動する送込駆動手段とを含む縫製装置における帯状物の送込寸法を制御する制御装置であって、
生地の予め定める領域に縫着すべき帯状物の寸法または前記生地の予め定める領域を縫製後に仕上げるべき寸法である要求寸法を入力する入力手段と、
前記要求寸法を1つの駆動パルスに対応する一方のローラの周長で割り、その除算結果に、一方のローラの全周長とこれによって前記帯状物が送込まれる実送り寸法との比として定められる送り補正値を乗算することによって前記要求寸法に対応する駆動パルス数を求め、これによって、入力された要求寸法に対応する帯状物を送り込むために必要な送込手段の動作量である必要動作量を演算する演算手段と、
送込手段の動作量を検出する送込検出手段と、
検出された動作量と必要動作量とを比較判定する判定手段と、
判定結果に基づいて、送込手段が必要動作量の動作をするように、送込駆動手段を制御する制御手段とを含むことを特徴とする帯状物の送込寸法制御装置である。
【0009】
本発明に従えば、送込駆動手段によって駆動パルスで駆動される一対のローラ片を有する送込手段を駆動させ、生地に帯状物を縫着する縫製手段に帯状物を送り込むにあたって、入力される要求寸法に基づいて、送込手段の必要動作量が演算手段によって演算される。要求寸法は、生地の予め定める領域に縫着すべき帯状物の寸法または前記生地の予め定める領域を縫製後に仕上げるべき寸法である。この要求寸法は、いずれの場合も、前記生地の予め定める領域の縫製動作をする間に、縫製手段に送り込むべき帯状物の寸法に対応する寸法である。演算手段は、要求寸法を1つの駆動パルスに対応する一方のローラの周長で割り、その除算結果に、送り補正値を乗算することによって要求寸法に対応する駆動パルス数を求め、これによって、必要動作量を演算する。送り補正値は、一方のローラの全周長とこれによって前記帯状物が送込まれる実送り寸法との比として定められる。また送込手段の動作量が送込検出手段によって検出され、検出された動作量が必要動作量であるか否かが判定手段によって判定され、送込手段が必要動作量の動作をするように、制御手段によって送込駆動手段が制御される。
【0010】
このように要求寸法を入力することによって、その要求寸法に対応する帯状物を送り込むことができる必要動作量だけ、送込手段に動作させて帯状物を送り込むことができる。したがってたとえば駆動軸の回転速度などの縫製手段の動作条件、およびたとえば段部の有無などの生地の状態などによる縫いピッチの差異によって、前記生地の予め定める領域の縫製動作をする間に縫製手段に送り込まれる帯状物の寸法が影響を受けることを防止して、高い寸法制度で帯状物を縫着することができる。しかも演算手段は、送り補正値の乗算を含んで必要動作量を演算するので、ローラ片が1回転したときに送込まれる帯状物の寸法が、ローラ片の全周長と異なる場合があっても、送り補正値で補正することができる。したがって、高い寸法精度を達成するにあたって、操作者は、要求寸法を入力するだけでよく、縫製手段の動作条件および生地の状態などを考慮して入力操作する必要がなく、入力操作を極めて容易にすることができる。
【0011】
請求項2記載の本発明は、生地に帯状物を縫着する縫製手段と、駆動パルスで駆動される一対のローラ片を有し縫製手段に帯状物を送り込む送込手段と、送込手段を駆動する送込駆動手段とを含む縫製装置における帯状物の送込寸法を制御するにあたって、
生地の予め定める領域に縫着すべき帯状物の寸法または前記生地の予め定める領域を縫製後に仕上げるべき寸法である要求寸法を入力し、
前記要求寸法を1つの駆動パルスに対応する一方のローラの周長で割り、その除算結果に、一方のローラの全周長とこれによって前記帯状物が送込まれる実送り寸法との比として定められる送り補正値を乗算することによって前記要求寸法に対応する駆動パルス数を求め、これによって、入力された要求寸法に対応する帯状物を送り込むために必要な送込手段の動作量である必要動作量を演算し、
送込手段の動作量を検出して、検出された動作量と必要動作量とを比較判定し、
判定結果に基づいて、送込手段が必要動作量の動作をするように、送込駆動手段を制御することを特徴とする帯状物の送込寸法制御方法である。
【0012】
本発明に従えば、送込駆動手段によって駆動パルスで駆動される一対のローラ片を有する送込手段を駆動させ、生地に帯状物を縫着する縫製手段に帯状物を送り込むにあたって、帯状物の要求寸法に基づいて、送込手段の必要動作量を演算する。要求寸法は、生地の予め定める領域に縫着すべき帯状物の寸法または前記生地の予め定める領域を縫製後に仕上げるべき寸法である。この要求寸法は、いずれの場合も、前記生地の予め定める領域の縫製動作をする間に、縫製手段に送り込むべき帯状物の寸法に対応する寸法である。必要動作量は、要求寸法を1つの駆動パルスに対応する一方のローラの周長で割り、その除算結果に、送り補正値を乗算することによって要求寸法に対応する駆動パルス数を求め、これによって求められる。送り補正値は、一方のローラの全周長とこれによって前記帯状物が送込まれる実送り寸法との比として定められる。また送込手段の動作量を検出して、検出した動作量が必要動作量であるか否かを判定し、送込手段が必要動作量の動作をするように、送込駆動手段を制御する。
【0013】
このように要求寸法を入力することによって、その要求寸法に対応する帯状物を送り込むことができる必要動作量だけ、送込手段に動作させて帯状物を送り込むことができる。したがってたとえば駆動軸の回転速度などの縫製手段の動作条件、およびたとえば段部の有無などの生地の状態などによる縫いピッチの差異によって、前記生地の予め定める領域の縫製動作をする間に縫製手段に送り込まれる帯状物の寸法が影響を受けることを防止して、高い寸法制度で帯状物を生地に縫着することができる。しかも必要動作量は、送り補正値の乗算を含む演算によって求められるので、ローラ片が1回転したときに送込まれる帯状物の寸法が、ローラ片の全周長と異なる場合があっても、送り補正値で補正することができる。したがって、高い寸法精度を達成するにあたって、操作者は、要求寸法を入力するだけでよく、縫製手段の動作条件および生地の状態などを考慮して入力操作する必要がなく、入力操作を極めて容易にすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態である送込寸法制御装置20を示すブロック図である。図2は、送込寸法制御装置20を備える縫製装置21の一部を示す斜視図である。図3は、縫製装置21による縫製製品22の一例を示す斜視図である。図4は、縫製製品22の一部を拡大して示す斜視図である。送込寸法制御装置20は、生地23に帯状物24を縫着するためのミシン本体24を備える縫製装置21に設けられ、ミシン本体25に送り込む帯状物24の送込寸法を制御する装置である。
【0015】
縫製装置21は、たとえばオーバーロックミシンと呼ばれるミシン本体25を備える装置であり、たとえば図3に示すレディースショーツの本体を構成する生地23に、脚はき口部に伸縮性を与えるためのゴムなどの弾発的に伸縮する帯状物24を縫着する装置である。縫製装置21は、前記以外にも、レディースショーツの腰まわり部へのゴムの縫着、ガードルの脚はき口部および腰まわり部へのゴムの縫着、パンティストッキングおよびタイツの腰まわり部への天ゴムの装着、ならびに水着およびトランクスなどの腰まわり部へのゴム紐の縫着など、生地23に帯状物24を縫着した他の縫製製品22を縫製するために用いられてもよい。
【0016】
この縫製装置21は、ミシン本体25と、送りローラ26と、送りモータ27と、操作パネル28と、制御回路30と、送りモータドライブ回路31とを含んで構成される。これら構成要素のうち、操作パネル28と、制御回路30と、送りモータドライブ回路31とを含んで、送込寸法制御装置20が構成される。
【0017】
縫製手段であるミシン本体25は、生地23に帯状物24を縫着する手段である。ミシン本体25は、布支持台34の略水平な支持面で支持される生地23(図3および図4に図示;図1および図2では図示省略)を、針板35と押え金36とによって挟み、送り歯(図示省略)によって予め定める縫製方向Bへを送りながら、針(図示省略)を上下の針駆動方向へ往復動させることによって、縫製することができる。また縫製装置21では、帯状物24がミシン本体25に送り込まれ、生地23に帯状物24を縫着することができる。
【0018】
送込手段である送りローラ26は、ミシン本体25に、具体的には押え金36の帯状物供給口に、帯状物24を送り込むための手段であって、一対のローラ片38,39を有する。各ローラ片38,39は、一方のローラ片38が、他方のローラ片39に比べて、外径が大きく形成され、相互に平行な軸線まわりに回転自在に、かつ弾発的に当接されて設けられており、連動して回転する。これら各ローラ片38,39は、帯状物24を挟持して回転することによって、帯状物24をミシン本体25に送り込むことができる。
【0019】
送込駆動手段である送りモータ27は、送りローラ26を回転駆動する手段であって、たとえばステッピングモータなどによって実現される。この送りモータ27は、各ローラ片38,39のいずれか一方、本実施の形態では、一方のローラ片38を回転駆動する。これによって他方のローラ片39も従動して回転される。
【0020】
送りローラ26および送りモータ27を含んで構成される帯状物送り装置は、ミシン本体25に装着される状態で設けられる。ミシン本体25の上方には、たとえば支柱(図示省略)に支持されて、テープ自動送り装置などと呼ばれる帯状物供給装置(図示省略)が設けられている。帯状物送り装置は、帯状物供給装置から供給される帯状物24を、ミシン本体25に送り込むことができるように構成されている。
【0021】
図5は、操作パネル28を示す正面図である。図1〜図4を併せて参照して、操作パネル28は、入力手段40と、表示手段41とを含んでいる。入力手段40は、生地23の予め定める領域に縫着すべき帯状物24の寸法である要求寸法を入力する手段である。入力手段によって入力される要求寸法を含む情報は、制御回路30に与えられ、制御回路30によって表示手段41が制御され、表示手段41は、入力手段40によって入力される要求寸法を含む情報を表示することができる。
【0022】
縫製製品22によっては、生地23に帯状物24を縫着するにあたって、特に弾発的に伸縮する帯状物24を縫着するにあたって、縫製後に生地23がギャザ(しわ)を有して縮むように仕上げるために帯状物24に張力を与えて自然状態から伸張した状態で縫着したい部分と、縫製後に生地23がギャザが存在せずに平らになるように仕上げるために帯状物7に張力を与えないようにして自然状態で縫着したい部分とが存在する場合がある。このような場合に、縫製装置21では、生地23における帯状物24を縫着する部位の全領域を、仕上がりの状態、換言すれば縫製に帯状物24に与える張力によって、複数の領域部分に分割し、この領域部分毎の工程に分けて縫製することができる。たとえば図3に示すレディースショーツの脚はき口部にゴムを設ける場合には、第1〜第3工程の3つの工程に分けられる。
【0023】
操作パネル28は、複数の操作キー42を有しており、操作者が各操作キー42を操作することによって、工程数、各工程における設定張力、各工程間長さおよび補正設定値などの入力情報を入力することができる。工程数は、生地23における帯状物24を縫着する部位の全領域を、複数の領域部分に分割し、この領域部分毎の工程に分けて縫製する場合の工程の数であって、領域部分の数であり、図3の例では「3」である。各工程には、工程Noが割り当てられ、縫製動作する順に、1、2、…、nと、自然数が順次割り当てられる。ここで「n」は、最も後順の工程Noであり、工程数と同一の数字である。
【0024】
各工程における設定張力は、各工程において、対応する領域部分に縫着するときに帯状物24に与えられる張力(テンション)であり、工程Noが「1」の第1工程における第1設定張力、工程Noが「2」の第2工程における第2設定張力、…工程Noが「n」の第n工程における第n設定張力である。したがって図3の例では、第1〜第3張力を入力する。
【0025】
各工程間長さ(以下「送り長さ」という場合がある)は、各工程で対応する領域部分に縫着する帯状物24の長手方向の寸法であり、第1工程における第1送り長さ、第2工程における第2送り長さ、…第n工程における第n送り長さである。したがって図3の例では、第1〜第3送り長さを入力する。各送り長さは、張力が与えられていない自然状態の寸法であり、対応する領域部分が平らに仕上げたい部分である場合および縮むように仕上げたい部分である場合の両方の場合とも、出来上がった縫製製品における寸法と同一である。この送り長さは、要求寸法に相当し、各工程の縫製動作の間にミシン本体25に送り込むべき帯状物24の寸法そのものである。
【0026】
補正設定値は、送りローラ26による送込寸法を補正する補正値である。送込ローラ26は、原理的に考えると、各ローラ片38,39が1回転すると、各ローラ片38,39の全周長と等しい寸法の帯状物24を送り込むことができるはずであるが、帯状物24の伸縮性および材質などに起因して、各ローラ片38,39が1回転したときに送り込まれる帯状物24の寸法が、各ローラ片38,39の全周長と異なる場合がある。これを補正するための値が、前記補正設定値であり、帯状物24毎に設定される。ここで周長は、外周面の周方向の寸法であり、全周長は、ローラ片38,39の周方向全周にわたる外周面の周方向寸法である。
【0027】
このような入力手段40によって入力される入力情報は、制御回路30に与えられる。表示手段41は、制御回路30に制御されて入力情報を表示することができるので、入力情報を入力するとき、表示される入力情報を確認しながら入力操作することができ、利便性を有する。
【0028】
制御回路30は、演算処理手段としての中央演算処理ユニット(CPU)と、記憶手段としてのリードオンリーメモリ(ROM)およびランダムアクセスメモリ(RAM)などのメモリとを含んで構成される。メモリには、入力手段40によって入力される入力情報が記憶されてもよい。
【0029】
また制御回路30は、メモリに動作量検出プログラムが記憶されており、CPUが動作量検出プログラムを読み出して実行することによって、送りローラ26の動作量を検出する送込検出手段として機能する。具体的には、送りローラ26の動作量を直接検出するのではなく、送りモータ27の動作を指令する駆動パルス数を計測する。この計測パルス数Pcountを、送りモータ26の動作量として取得する。
【0030】
本実施の形態では、送りモータ27は、前述のようにステッピングモータであり、制御回路30から送りモータドライブ回路(以下「ドライブ回路」という場合がある)31に、駆動パルスを与えることによって、送りモータ27を動作させるように指令することができる。ドライブ回路31は、制御回路30からの指令に基づいて、1駆動パルスあたり一定の回転数、言い換えるならば回転角度だけ送りモータ27を動作、つまり出力軸を回転させる。以下、出力軸の回転を送りモータ27の回転という場合がある。
【0031】
このように制御回路30からドライブ回路31に与えられる駆動パルスの数が、送りモータ27の動作量に対応しており、したがって送りローラ26の動作量にも対応する値である。本実施の形態では、この駆動パルス数を計測することによって、送りローラ26の動作量を検出している。
【0032】
また制御回路30は、メモリに必要動作量演算プログラムが記憶されており、CPUが必要動作量演算プログラムを読み出して実行することによって、入力された要求寸法に対応する帯状物24を送り込むために必要な送りローラ26の動作量である必要動作量を演算する演算手段として機能する。具体的には、入力される第1〜第n送り長さに基づいて、これら第1〜第n送り長さの帯状物24を送り込むために必要なだけ送りモータ27が回転するのに必要な駆動パルス数に相当する設定パルス数Pulseを、必要動作量として各工程毎に求める。このとき入力される補正設定値を考慮して演算する。
【0033】
さらに詳細に述べると、各工程の縫製動作の間にミシン本体25に送り込むべき帯状物24の寸法をLとして、設定パルス数Pulseは、次式(1)で演算される。
Pulse=(L/P)×C …(1)
【0034】
式(1)におけるPは、1つの駆動パルスがドライブ回路31に与えられたときに、送りローラ26が回転する回転数(回転角度)に相当する送りローラ26の周長である。前述のように送りローラ26は、外径が異なる一対のローラ片38,39を有しているが、連動して回転するので1パルスに対応する周長は同一であり、いずれのローラ片に関する値であってもよいが、本実施の形態では、たとえば一方のローラ片38に関する周長である。
【0035】
また式(1)におけるCは、送り補正値である。この送り補正値Cは、前述した各ローラ片38,39の全周長と、ローラ片38,39の1回転によって実際に送り込まれる帯状物24の寸法(以下「実送り寸法」という場合がある)との差を補正するための値であって、各ローラ片38,39の全周長と実送り寸法の比である。
【0036】
一方のローラ片38を例に具体的に述べると、一方のローラ片38の全周長がXであり、一方のローラ片38による実送り寸法がYである場合、送り補正値Cは、次式(2)で表されれる。
C=Y/X …(2)
【0037】
ここで入力手段40によって入力する補正設定値は、この送り補正値Cであってもよいが、実送り寸法Yであってもよい。ローラ片38の全周長Xは、機械的な寸法であり、一定値であるので、演算回路30のメモリに記憶しておき、帯状物24によって変化する実送り寸法Yを計測して入力することによって、演算回路30によって送る補正値Cを演算するようにしてもよい。いずれにしても送り補正値Cは、入力される補正設定値に基づいて取得される。
【0038】
また制御回路30は、メモリに判定プログラムが記憶されており、CPUが判定プログラムを読み出して実行することによって、検出された動作量(以下「検出動作量」という場合がある)と必要動作量とを比較判定する判定手段として機能する。具体的には、制御回路30は、前述のように計測した計測パルス数Pcountと前記設定パルス数Pulseとを比較し、両者が一致するか否かを判定する。
【0039】
また制御回路30は、メモリにモータ制御プログラムが記憶されており、CPUがモータ制御プログラムを読み出して実行することによって、判定結果に基づいて、送りローラ26が必要動作量の動作をするように送りモータ27を制御する制御手段として機能する。具体的には、第1〜第n設定張力に基づいて、その入力される張力を帯状物24に与えた状態で、帯状物24を送り込むことができるように送りモータ27を動作させる駆動パルスを、ドライブ回路31に与える。ドライブ回路31は、制御回路30からの駆動パルスに基づいて、送りモータ27を動作させる。
【0040】
送込寸法制御装置20は、ミシン回転センサ45を備えており、ミシン回転センサ45は、ミシン本体25の動作量を検出する手段である。具体的には、ミシン本体25に設けられる針などを駆動する駆動軸の回転数(回転角度)を検出し、制御回路30に与える。このミシン回転センサ45は、たとえばミシン本体25の駆動軸に設けられるロータエンコーダによって実現され、予め定める角度だけ回転する毎にパルスを発生させ、このパルスを制御回路30に与える。
【0041】
制御回路30は、このミシン回転センサ45から与えられるパルスに基づいて、ミシン本体25と同期して、送りモータ27を動作させるように指令する。このように同期動作させることによって、ミシン本体25において、送り歯によって生地23とともに送られる帯状物24の送り速度と、送りローラ26によって送り込まれる帯状物24の送込速度との比を一定に保つことができ、その速度比に応じた一定の張力を帯状物24に与えることができる。
【0042】
帯状物24の張力は、針板35および押え金36によって挟まれる位置と、送りローラ26によって挟まれる位置との間の張力であって、ミシン本体25における送り速度と送りローラ26による送り込み速度とを同一にすれば、帯状物に張力を与えない状態にすることができ、ミシン本体25における送り速度に比べて送りローラ26による送り込み速度を低くすることによって、その速度比に応じた張力を与えることができる。したがって各工程毎に入力される設定張力に、帯状物24の張力を調整し、その張力を維持して帯状物24を送り込むことができる。
【0043】
また張力の調整にあたって、前記針板35および押え金36によって挟まれる位置と、送りローラ26によって挟まれる位置との間の張力を検出する張力センサ46を設けてもよい。この張力センサからの検出張力に基づいて、制御回路30が、設定張力となるように、送りモータ27を動作させるように指令してもよい。
【0044】
図6は、送込寸法制御装置30によって実行される送込寸法制御方法を示すフローチャートである。具体的には、制御回路30における制御動作を示す。入力手段40によって、前述の入力情報が入力された状態で、ミシン本体25における縫製動作が開始されると、制御回路30における制御動作がステップs0から開始され、ステップs1に進む。ステップs1では、工程ナンバー(工程No)の初期値を「1」に設定し、ステップs2に進む。
【0045】
ステップs2では、現在の工程Noに対応する工程に対応して設定される設定張力をメモリから読み込んで取得する。たとえば工程Noが「1」である第1工程の場合には、第1設定張力を読み込み、工程Noが「2」である第2工程の場合には、第2設定張力を読み込み、…というように、工程に対応して設定される設定張力を読み込む。この設定張力の読み込みが終了すると、ステップs3に進む。
【0046】
ステップs3では、現在の工程Noに対応する工程に対応して設定される送り長さをメモリから読み込んで取得する。たとえば工程Noが「1」である第1工程の場合には、第1送り長さを読み込み、工程Noが「2」である第2工程の場合には、第2送り長さを読み込み、…というように、工程に対応して設定される送り長さを読み込む。このように読み込んだ送り長さを、その工程の縫製動作の間にミシン本体25に送り込むべき帯状物24の寸法Lに代入して、ステップs4に進む。
【0047】
ステップs4では、前記式(1)を用いて、現在の工程Noに対応する工程における設定パルス数Pulseを演算して求め、ステップs5に進む。ステップs5では、計測パルス数Pcountをリセットして「0」にする。この時点で、制御回路30は、帯状物24の張力が読み込んだ設定張力となる状態で、ミシン本体25に送り込まれるように、ミシン本体25の動作に同期して、工程Noに対応する工程における帯状物24の送りを開始し、ドライブ回路31に駆動パルスを与え、以降、その工程が終了するまでミシン本体25の動作に同期して設定張力を保持して送り込むように、ドライブ回路31に駆動パルスを与える。
【0048】
次にステップs6に進み、ステップs6で、送りモータ27が回転したか否かを判定する。具体的には、ドライブ回路31に駆動パルスを与えたか否かを判定する。送りモータ27が回転していないと判定すると、ステップs6に戻り、送りモータ27が回転したと判定するまでステップs6の動作を繰り返し、送りモータ27が回転したと判定すると、ステップs7に進む。
【0049】
ステップs7では、送りモータ27が、帯状物24を送り込む方向である正転方向に回転したか、または帯状物24を引き戻す方向である逆転方向に回転したかを判定する。具体的には、ドライブ回路31に与えた駆動パルスが、正転方向および逆転方向のいずれの方向へ回転させるためのパルスであるか判定する。この判定をする理由は、送りモータ27が、帯状物24の張力を調整するために、帯状物24をわずかに引き戻す場合があるからである。
【0050】
送りモータ27が正転方向に回転した場合には、ステップs8に進み、パルス毎に計測パルス数Pcountに「1」を加算して、ステップs10に進む。また送りモータ27が逆転方向に回転した場合には、ステップs9に進み、パルス毎に計測パルス数Pcountから「1」を減算して、ステップs10に進む。
【0051】
ステップs10では、計測パルス数Pcountと設定パルス数Pulseとが同一か否かが判定される。同一ではないと判定すると、現在の工程が終了していないと判断し、ステップs6に戻り、同一であると判定すると、現在の工程が終了したと判断して、ステップs11に進む。
【0052】
ステップs11では、次の工程が存在するか否か判定する。具体的には現在の工程Noと入力された工程数とが同一であるか否かを判定する。同一でなければ、次の工程があると判断し、ステップs12に進み、現在の工程Noに「1」を加算して、ステップs2に戻る。同一であれば、次の工程がないと判断し、ステップs13に進み、制御動作を終了する。
【0053】
以上説明したような送込寸法制御装置20およびこれによる制御方法によれば、送りモータ27によって送りローラ26を駆動させ、ミシン本体25に帯状物24を送り込むにあたって、各工程毎に入力される帯状物24の送り長さに基づいて、その送り長さの帯状物24を送り込むために必要な送りモータ27の回転数(回転角度)に相当する駆動パルス数である設定パルス数Pulseが制御回路30で演算される。また制御回路30によってドライブ回路31に与えた駆動パルス数が計測され、この計測パルス数Pcountと設定パルス数Pulseとが同一であるか否か、制御回路30で判定され、設定パルス数Pulesに相当する回転数回転するように、送りモータ27が制御回路30によって制御される。
【0054】
このように生地23に縫着すべき帯状物24の送り長さを入力することによって、その送り長さの帯状物24を送り込むことができる回転数だけ、送りモータ27を回転させて送りローラ26を回転させ、帯状物24を送り込むことができる。したがってたとえば駆動軸の回転速度などのミシン本体25の動作条件、およびたとえば段部の有無などの生地23の状態などによる縫いピッチの差異によって、帯状物24の縫着寸法が影響を受けることを防止して、高い寸法制度で帯状物24を縫着することができる。しかもこのような高い寸法精度を達成するにあたって、操作者は、送り長さを入力するだけでよく、ミシン本体25の動作条件および生地23の状態などを考慮して入力操作する必要がなく、入力操作を極めて容易にすることができる。
【0055】
また生地23に縫着するときの帯状物24の張力は、送りローラ26からミシン本体25までの間で与えられており、送りローラ26よりも上流側では張力が与えられていないので、工程毎に設定張力が異なっても、送りローラ26の1回転に対する送込寸法が一定であり、張力が送込寸法に影響することがなく、送込寸法を容易に制御することができる。図6のステップs9では、送りローラ26が逆転されるが、張力の調整のためだけであり、送込寸法への影響は誤差範囲であり、制御は容易である。
【0056】
前述の実施の形態は、本発明の例示に過ぎず、本発明の範囲内で構成を変更することができる。たとえば前述の実施の形態では、制御回路30が送込検出手段として機能する構成を説明したけれども、送込検出手段として、図1に示すように別途、モータ回転センサ29を設けるようにしてもよい。このモータ回転センサ29は、送りモータ27の動作量である送りモータ27の回転数(回転角度)を検出する。検出された送りローラ26の回転数は、制御回路30に与えられる。具体的には、モータ回転センサ29は、たとえば送りモータ27に設けられるロータエンコーダによって実現され、予め定める角度だけ回転する毎にパルスを発生させ、このパルスを制御回路30に与える。制御回路30では、このパルスを計測して計測パルス数を取得する。この計測パルス数もまた、送りローラ26の動作量に対応する値であって、前述の駆動パスルを計測した計測パルス数に代えて用い、同様の制御をすることができる。
【0057】
また前述の実施の形態では、要求寸法として、各工程毎の送り長さを入力する構成であったけれども、送り長さに代えて、各工程毎の仕上がり寸法を入力するようにしてもよい。仕上がり寸法は、各工程に対応する生地23の領域部分を縫製後に仕上げるべき寸法であり、縫製後の外力を与えない自然状態における寸法である。この仕上がり寸法もまた1つの工程の縫製動作の間にミシン本体25に送り込むべき帯状物24の寸法に対応する値であって、仕上がり寸法から生地23の材質および厚さなどを考慮して、1つの工程の縫製動作の間にミシン本体25に送り込むべき帯状物24の寸法を求めることができる。したがって前述の実施の形態と同様の制御が可能である。
【0058】
またたとえば、前述の実施の形態では、複数の工程が存在する例を挙げたけれども、1工程だけしかない場合にも適用可能であり、優れた効果を達成することができる。また送込手段として送りローラを用い、送込駆動手段として送りモータを用いたが、これに限ることはなく、他の構成であってもよい。また送込寸法の検出は、送りモータの回転数を検出する代わりに、光学式センサなどを用いて、直接帯状物の送込量を検出するようにしてもよい。また生地および帯状物については、前述の例以外のものであってもよい。
【0059】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、送込駆動手段によって駆動パルスで駆動される一対のローラ片を有する送込手段を駆動させ、生地に帯状物を縫着する縫製手段に帯状物を送り込むにあたって、入力される要求寸法に基づいて、送込手段の必要動作量が演算手段によって演算される。要求寸法は、生地の予め定める領域に縫着すべき帯状物の寸法または前記生地の予め定める領域を縫製後に仕上げるべき寸法である。この要求寸法は、いずれの場合も、前記生地の予め定める領域の縫製動作をする間に、縫製手段に送り込むべき帯状物の寸法に対応する寸法である。演算手段は、要求寸法を1つの駆動パルスに対応する一方のローラの周長で割り、その除算結果に、送り補正値を乗算することによって要求寸法に対応する駆動パルス数を求め、これによって、必要動作量を演算する。送り補正値は、一方のローラの全周長とこれによって前記帯状物が送込まれる実送り寸法との比として定められる。また送込手段の動作量が送込検出手段によって検出され、検出された動作量が必要動作量であるか否かが判定手段によって判定され、送込手段が必要動作量の動作をするように、制御手段によって送込駆動手段が制御される。
【0060】
このように要求寸法を入力することによって、その要求寸法に対応する帯状物を送り込むことができる必要動作量だけ、送込手段に動作させて帯状物を送り込むことができる。したがってたとえば駆動軸の回転速度などの縫製手段の動作条件、およびたとえば段部の有無などの生地の状態などによる縫いピッチの差異によって、前記生地の予め定める領域の縫製動作をする間に縫製手段に送り込まれる帯状物の寸法が影響を受けることを防止して、高い寸法制度で帯状物を縫着することができる。しかも演算手段は、送り補正値の乗算を含んで必要動作量を演算するので、ローラ片が1回転したときに送込まれる帯状物の寸法が、ローラ片の全周長と異なる場合があっても、送り補正値で補正することができる。したがって、高い寸法精度を達成するにあたって、操作者は、要求寸法を入力するだけでよく、縫製手段の動作条件および生地の状態などを考慮して入力操作する必要がなく、入力操作を極めて容易にすることができる。
【0061】
また本発明によれば、送込駆動手段によって駆動パルスで駆動される一対のローラ片を有する送込手段を駆動させ、生地に帯状物を縫着する縫製手段に帯状物を送り込むにあたって、帯状物の要求寸法に基づいて、送込手段の必要動作量を演算する。要求寸法は、生地の予め定める領域に縫着すべき帯状物の寸法または前記生地の予め定める領域を縫製後に仕上げるべき寸法である。この要求寸法は、いずれの場合も、前記生地の予め定める領域の縫製動作をする間に、縫製手段に送り込むべき帯状物の寸法に対応する寸法である。必要動作量は、要求寸法を1つの駆動パルスに対応する一方のローラの周長で割り、その除算結果に、送り補正値を乗算することによって要求寸法に対応する駆動パルス数を求め、これによって求められる。送り補正値は、一方のローラの全周長とこれによって前記帯状物が送込まれる実送り寸法との比として定められる。また送込手段の動作量を検出して、検出した動作量が必要動作量であるか否かを判定し、送込手段が必要動作量の動作をするように、送込駆動手段を制御する。
【0062】
このように要求寸法を入力することによって、その要求寸法に対応する帯状物を送り込むことができる必要動作量だけ、送込手段に動作させて帯状物を送り込むことができる。したがってたとえば駆動軸の回転速度などの縫製手段の動作条件、およびたとえば段部の有無などの生地の状態などによる縫いピッチの差異によって、前記生地の予め定める領域の縫製動作をする間に縫製手段に送り込まれる帯状物の寸法が影響を受けることを防止して、高い寸法制度で帯状物を生地に縫着することができる。しかも必要動作量は、送り補正値の乗算を含む演算によって求められるので、ローラ片が1回転したときに送込まれる帯状物の寸法が、ローラ片の全周長と異なる場合があっても、送り補正値で補正することができる。したがって、高い寸法精度を達成するにあたって、操作者は、要求寸法を入力するだけでよく、縫製手段の動作条件および生地の状態などを考慮して入力操作する必要がなく、入力操作を極めて容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である送込寸法制御装置20を示すブロック図である。
【図2】送込寸法制御装置20を備える縫製装置21の一部を示す斜視図である。
【図3】縫製装置21による縫製製品22の一例を示す斜視図である。
【図4】縫製製品22の一部を拡大して示す斜視図である。
【図5】操作パネルを示す正面図である。
【図6】送込寸法制御装置30によって実行される送込寸法制御方法を示すフローチャートである。
【図7】従来の技術の帯状物の送込寸法制御装置1の構成を示すブロック図である。
【図8】送込寸法制御装置1の操作パネル2を示す正面図である。
【図9】縫製物の一部を示す斜視図である。
【符号の説明】
20 送込寸法制御装置
21 縫製装置
23 生地
24 帯状物
25 ミシン本体
26 送りローラ
27 送りモータ
28 操作パネル
29 モータ回転センサ
30 制御回路
31 送りモータドライブ回路
40 入力手段

Claims (2)

  1. 生地に帯状物を縫着する縫製手段と、駆動パルスで駆動される一対のローラ片を有し縫製手段に帯状物を送り込む送込手段と、送込手段を駆動する送込駆動手段とを含む縫製装置における帯状物の送込寸法を制御する制御装置であって、
    生地の予め定める領域に縫着すべき帯状物の寸法または前記生地の予め定める領域を縫製後に仕上げるべき寸法である要求寸法を入力する入力手段と、
    前記要求寸法を1つの駆動パルスに対応する一方のローラの周長で割り、その除算結果に、一方のローラの全周長とこれによって前記帯状物が送込まれる実送り寸法との比として定められる送り補正値を乗算することによって前記要求寸法に対応する駆動パルス数を求め、これによって、入力された要求寸法に対応する帯状物を送り込むために必要な送込手段の動作量である必要動作量を演算する演算手段と、
    送込手段の動作量を検出する送込検出手段と、
    検出された動作量と必要動作量とを比較判定する判定手段と、
    判定結果に基づいて、送込手段が必要動作量の動作をするように、送込駆動手段を制御する制御手段とを含むことを特徴とする帯状物の送込寸法制御装置。
  2. 生地に帯状物を縫着する縫製手段と、駆動パルスで駆動される一対のローラ片を有し縫製手段に帯状物を送り込む送込手段と、送込手段を駆動する送込駆動手段とを含む縫製装置における帯状物の送込寸法を制御するにあたって、
    生地の予め定める領域に縫着すべき帯状物の寸法または前記生地の予め定める領域を縫製後に仕上げるべき寸法である要求寸法を入力し、
    前記要求寸法を1つの駆動パルスに対応する一方のローラの周長で割り、その除算結果に、一方のローラの全周長とこれによって前記帯状物が送込まれる実送り寸法との比として定められる送り補正値を乗算することによって前記要求寸法に対応する駆動パルス数を求め、これによって、入力された要求寸法に対応する帯状物を送り込むために必要な送込手段の動作量である必要動作量を演算し、
    送込手段の動作量を検出して、検出された動作量と必要動作量とを比較判定し、
    判定結果に基づいて、送込手段が必要動作量の動作をするように、送込駆動手段を制御することを特徴とする帯状物の送込寸法制御方法。
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