JP2001087583A - ミシン用生地送り装置 - Google Patents

ミシン用生地送り装置

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JP2001087583A
JP2001087583A JP26981399A JP26981399A JP2001087583A JP 2001087583 A JP2001087583 A JP 2001087583A JP 26981399 A JP26981399 A JP 26981399A JP 26981399 A JP26981399 A JP 26981399A JP 2001087583 A JP2001087583 A JP 2001087583A
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sewing
belt
cloth
sewing machine
fabric
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JP26981399A
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Kenji Ishibashi
賢治 石橋
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ATSUPU STONE KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生地送り時の上生地と下生地の送り量が、生
地表面の摩擦抵抗値や、生地の伸縮率によって異なるの
を解消して、パッカリングや柄ずれ等の縫い不良を防止
できる生地送り装置を提供する。 【解決手段】 ステップモータ9で間欠的に周回駆動さ
れるベルト12を生地送り要素にして、縫着生地を送り
操作する。生地送り時の上生地の送り量のずれをテスト
縫いによって補正し、この補正量分だけ生地送り量を増
減制御する制御部2を設ける。ミシンの縫着動作に同調
しながらベルト12の送り量を制御部2で制御すること
により、摩擦や伸縮率の違いに起因する生地送り量の違
いを補正して、縫い不良を一掃できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、一方向へ送り駆
動されるベルトで縫製対象生地を送り操作するミシン用
の生地送り装置に関する。この生地送り装置は既存のミ
シンに付加装着して使用され、縫いずれあるいは縫い縮
みによるパッカリングや、柄ずれあるいは生地の切換段
差の縫い結り等の縫い不良を防止し、必要に応じてギャ
ザー縫い等を行うために用いられる。
【0002】
【従来の技術】パッカリングに代表される縫い不良の原
因の殆どは、例えば生地表面の摩擦抵抗値の違いによっ
て、上生地と下生地との送り量に差が生じることや、生
地送り時に上下いずれかの生地が伸び変形して、上下の
生地送り量が結果的に異なっていること等にある。こう
した縫い不良を避けるために、上生地と下生地を上下一
対の送り歯で挟持固定し、両生地を強制的に送り操作す
る形態(特公平8−15513号公報)や、下送り歯の
一部に設けた下針で、上下の生地を串刺し状に刺して送
り操作する形態(特開昭62−16786号公報)等、
生地を完全に拘束した状態で強制送給することが知られ
ている。
【0003】この発明の生地送り装置は、ベルトで生地
を押え付けて送り操作するが、この種の装置は、実公昭
61−2536号公報、および実公昭63−29512
号公報に公知である。これらの装置は、いずれもミシン
本体の動力を利用してベルトを間欠駆動する。特開平7
−116370号公報には、ミシン本体の動力系から独
立した、専用のステップモータでベルトを送り駆動する
形態の生地送り装置が公知である。そこでは、生地押え
の左右両側に左右一対ずつの上送りベルトと下送りベル
トを配置し、上生地および下生地を上下のベルトで挟持
して強制的に送り操作している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】下送り歯に設けた下針
を縫着生地に突き刺し、あるいは縫着生地を上下一対の
送り歯で挟持固定する生地送り装置は、生地表面の摩擦
抵抗値が異なる生地どうしの縫着には有効であるが、伸
縮率が異なる生地どうしを縫着する場合には、生地送り
時に一方の生地が伸び変形するので、縫い不良を生じて
しまう。また、下針による刺し傷や、上下の送り歯によ
る挟み傷を生じやすく、繊細な生地の縫着には適さな
い。下針を頻繁に交換しなければならない不利もある。
【0005】ベルトで生地を押え付けて送り操作する形
態によれば、上生地と下生地の送り量を同量にできる場
合があるが、全ての生地の組み合わせに対応できる訳で
はない。とくに、ミシン動力を利用してベルトを間欠駆
動する生地送り装置では、下送り歯による下生地の送り
量を基準にして、ベルトによる上生地の送り量が基準値
と一致するように、ベルトを下送り歯と同期駆動するの
で、縫着生地の摩擦抵抗値や伸縮率が多様に変化する場
合に対応し切れない。摩擦抵抗値や伸縮率は生地の特性
に応じて広範に変化するが、にもかかわらずベルトと下
送り歯とを常に同じ速度で送り駆動しているからであ
る。この考え方は、先に述べた、下針や上下の送り歯で
縫着生地を定量ずつ強制的に送る方式と、原理的に同じ
考え方に立脚している。
【0006】専用のステップモータを駆動源とする生地
送り装置(特開平7−116370号公報)は、ミシン
動力を利用しないので、ベルトの送り量や送り速度を任
意に変更できるであろうことを予測させる。しかし、同
公報には縫い不良に言及した記載は一切ない。
【0007】先に述べたように縫い不良の殆どは、生地
送り量の差や、生地送り時の伸び変形等を主な原因にし
て起っており、例えば、生地の摩擦抵抗による引っ掛か
りや滑り、伸びあるいは縮みなど、生地自体の特性の違
いと、生地を組み合わせたときの生地の挙動に差を生じ
ることが原因であると考えられる。こうした、個々の状
況の違いがあるにもかかわらず、従来は上下の縫着生地
を半ば強引に同時送給することにのみこだわっており、
その事が災いして個々の生地の特性の違いや、生地の組
み合わせの違いによって、縫い不良が生じていることに
本発明者は気付いた。つまり、上生地と下生地とを同じ
条件で送り操作しても、生地送り量は殆どの場合異なる
はずであり、むしろ生地の特性等に応じて、生地送り量
を増減制御してやれば、結果的に縫い不良を解消できる
はずであるとの確信を持つに至った。
【0008】この発明の目的は、縫着される個々の生地
特性の違いや、その組み合わせの違いに応じて生地送り
量を増減できるようにし、これにより生地送りに起因す
る縫い不良を一掃できるミシン用の生地送り装置を提供
することにある。この発明の他の目的は、例えば上生地
の送り量を精確に制御して、上下の両生地を適正に送り
操作できるうえ、必要があればいずれか一方の生地送り
量を、他方の生地に対して意図的に増減してギャザー縫
いを行うことができ、しかも縫製途中であっても、任意
の縫い位置から任意量のギャザー縫いを行える、ミシン
用の生地送り装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の生地送り装置
は、無端状のベルト12を生地送り要素とする駆動部1
と、駆動部1の運転状態を制御する制御部2とを備えて
いる。駆動部1は、ステップモータ9で間欠駆動される
原動プーリ10と、ミシン本体3の押え棒5に装着され
るベルトガイド11と、原動プーリ10とベルトガイド
11の下面との間に巻装したベルト12と、原動プーリ
10とベルトガイド11との間でベルト12を変向案内
する複数個のガイドプーリ13〜15、およびテンショ
ンプーリ16とを含む。制御部2は、ミシン本体3の動
作タイミングを検知するセンサ27と、ベルト12の駆
動開始タイミングを設定するタイミング設定器28と、
テスト縫いによって確定された単位長さ当りの縫いピッ
チを設定する少なくとも一個の送り量設定器29と、こ
れらの各機器27・28・29からの出力信号、および
設定信号を受けて、ステップモータ9の作動状態を制御
する制御回路31とを備えている。以て、下生地に対す
る上生地の送り量のずれ、および両生地の伸縮率の差を
制御部2で補正しながら、ベルト12をステップモータ
9で間欠駆動することを特徴とする。
【0010】具体的には、ミシン本体3のヘッド部4の
上方に、駆動部1の各機器を支持する駆動ベース8を配
置する。ベルト12は生地送り中心軸を通る垂直平面に
沿って、ヘッド部4をその上面から前面と下面と後面を
経由して周回するように配置する。
【0011】別の生地送り装置においては、ミシン本体
3の後方に、駆動部1の各機器を支持する駆動ベース8
を配置する。ベルトガイド11の上面の前部に、ミシン
後方からベルトガイド11へ向かって移行してきたベル
ト12を反転案内する反転ローラ40を設ける。ベルト
12は生地送り中心軸を通る垂直平面に沿って、ヘッド
部4の後面と下面との間を周回するように配置する。
【0012】制御部2に複数個の送り量設定器29と、
各送り量設定器29で設定した縫着状態の持続回数を設
定する縫着量設定器30とを設ける。以て、1回の生地
送り動作中に、ベルト12による生地送り量を連続して
自動的に変更できるように構成する。
【0013】
【作用および発明の効果】駆動部1に設けたベルト12
は、ステップモータ9の動力で間欠駆動されて、ベルト
ガイド11の下面に位置する縫着生地を、ミシン本体3
に設けられた生地送り機構、例えば下送り歯と協同して
送り操作する。このときのベルト12の送り量を、下送
り歯の送り量を基準値にして増減制御するために制御部
2を設けている。例えば、上生地の摩擦抵抗が大きい場
合には、上生地の送り量が不足し勝ちになるので、ベル
ト12による生地送り量を先の基準値よりも増加する。
逆に上生地がすべりやすい場合には、ベルト12による
生地送り量を先の基準値より減少させる。また、上生地
の伸び率が下生地より大きい場合には、ベルト12によ
る生地送り量を先の基準値より大きく設定して、生地送
り時の上生地の伸長変形を解消する。
【0014】こうした、生地の特性や、異質の生地を縫
着するときの生地の挙動の違いをテスト縫いによって十
分に確認し、適正な縫着が行えるようになったときの上
生地の送り量を、送り量設定器29によって設定する。
多くの場合は、縫製作業指示書に指定された単位長さ当
りの縫いピッチを送り量設定器29に仮入力してテスト
縫いし、さらに、入力値を何度か増加(又は減少)調整
し、適正な縫着結果が得られた時の縫いピッチを適正な
送り量として確定する。実際の作業手順においては、ミ
シン本体3を調整して、下送り歯による生地送り量を縫
製作業指示書の指定内容(例えば3cmの長さを15針で
縫着)に合致させた後、上記のテスト縫いを数回行っ
て、ベルト12による生地送り量を確定する。このとき
の生地送り量、即ち単位長さ当りの縫いピッチは、下送
り歯によるそれと異なっていることが多く、両者の差分
が、摩擦抵抗値や生地の伸縮率を補正する値に合致する
こととなる。因みに、送り量設定器29で設定できる縫
いピッチの最小単位は、実用上0.1mmとしたが、必要が
あればさらに細分化できる。
【0015】ベルト12による生地送り動作は、ミシン
本体3の縫着動作に同期して、縫針6が縫着生地から引
き抜かれた後、上死点を経て再び縫着生地を刺し通すま
での間に行う必要がある。この送りタイミングを知るた
めにセンサ27を設けている。センサ27としては、図
1に示すように、プーリ3aの回転変位を検知する、フ
ォトセンサや磁気センサ等を適用できる。また、ミシン
本体3のモータが同期信号の出力機能を備えている場合
には、この同期信号をタイミング信号として利用するこ
とができる。
【0016】ベルト12による生地送りタイミングは、
基本的には上記のセンサ27からの出力信号によって特
定される時間範囲内であればどこでもよい。しかし、ミ
シン本体3の天びんによる糸締め動作との関係で、ベル
ト12の駆動開始タイミングを変更すると、糸締まりに
よるパッカリング等の縫い不良を阻止できる。例えば、
薄い生地どうしを縫着する場合には、天びんが上昇して
縫糸に張力が作用し始める前に縫着生地を送り操作する
と、まだたるんだ状態の糸を生地と共に送って、縫い目
が糸で引き絞られるのを確実に阻止できる。逆に分厚い
生地の場合には、送り開始タイミングは遅くてもよい。
このように、ベルト12の駆動開始タイミングを生地特
性に応じて変更するために、タイミング設定器28を設
けている。
【0017】以上のように、この発明の生地送り装置に
よれば、ベルト12による生地送り量を、縫着しようと
する生地の摩擦抵抗値や伸縮率の違いに応じて増減し、
上生地と下生地とを縫着する瞬間の両生地の送り量を確
実に一致させることができるので、両生地の生地送り量
が異なることに起因する、パッカリングや柄ずれ等の縫
い不良を一掃できる。さらに、ベルト12の生地送り量
を自由に変更できるので、このことを利用してギャザー
縫いを行うことができる。ギャザーは、上生地と下生地
のいずれの側にも形成できる。
【0018】ベルト12で生地送りを行うので、縫着部
に切り換え段差があるような場合でも、生地送り量がば
らつくのを解消して、縫い詰まりのない適正な縫い目を
形成することができる。多くの場合、ベルト12はゴム
やプラスチックで形成してあるので、生地送り時に挟持
傷や刺し傷が生じることも解消でき、繊細な生地であっ
ても安心して縫着できる。
【0019】ベルト12が、ミシン本体3のヘッド部4
を、その上面から前面と下面と後面を経由して周回する
ように配置した生地送り装置によれば、ベルト12の周
回経路長が大きくなるものの、ベルトガイド11の前後
のベルト移行経路で挟まれる角度を大きく設定できるの
で、ベルト12が短期間のうちに劣化するのを防止でき
る。
【0020】駆動ベース8をミシン本体3の後方に配置
し、ベルト12がヘッド部4の後面と下面との間をL字
状に周回するように配置した生地送り装置によれば、ベ
ルト12の周回経路をミシン後方に集約できるので、ベ
ルト12が作業者の邪魔になるのを防止できる。さら
に、ベルト12の張力によってベルトガイド11を押し
下げる向きに付勢できるので、押え棒5によるベルトガ
イド11の押し下げ力を小さくできる。
【0021】複数個の送り量設定器29と、これらの設
定器29で設定した縫着状態を切り換える縫着量設定器
30とを備えた生地送り装置によれば、予め設定してお
いた設定値の分だけ生地送りが完了するごとに、新たな
設定値に基づいて生地送り量を変更できるので、例え
ば、通常の縫い目を所定量形成した後、連続してギャザ
ー縫いを行い、再び通常の縫い目を形成する、と言うよ
うな縫製をミシンを停止させる必要もなく自動的に行う
ことができる。なお、ミシン本体3にフットスイッチや
ニーレバーでオン操作されるスイッチを設けておいて、
このスイッチからの信号を受けて、各送り量設定器29
で設定した縫着状態を、次々に切り換えることも可能で
ある。
【0022】
【実施例】図1ないし図5はこの発明に係る生地送り装
置の実施例を示す。図1および図2において、生地送り
装置は、無端状のベルト12を生地送り要素とする駆動
部1と、駆動部1の運転状態を制御する制御部2とで構
成する。図中、符号3はミシン本体、4はそのヘッド
部、5は押え棒、6は縫針である。制御部2はミシンテ
ーブル上の適用に設置される(図2参照)。
【0023】駆動部1はミシン本体3のヘッド部4の上
方に配置される駆動ベース8と、その内部に配置したス
テップモータ9で間欠駆動される原動プーリ10と、押
え棒5に装着されるベルトガイド11と、原動プーリ1
0とベルトガイド11との間に巻装されるベルト12
と、ベルト12を変向案内する3個のガイドプーリ13
・14・15と、テンションプーリ16、および原動プ
ーリ10に外接する押えローラ17などで構成する。
【0024】駆動ベース8は中空の箱体からなり、ミシ
ンテーブルに固定した支柱19で支持されている。駆動
ベース8の一側面には原動プーリ10を配置する。さら
に、原動プーリ10より前側に2個のガイドプーリ14
・15を配置し、これらを遊転自在に軸支する。前者プ
ーリ14は、ベルト12を原動プーリ10に対して所定
の巻掛角で巻き掛けるために、原動プーリ10より下側
に設けてある。後者プーリ15のプーリ軸は、テンショ
ンアーム16aの支軸を兼ねており、従って、テンショ
ンプーリ16は先のプーリ軸を中心にして上下揺動でき
る。図示していないが、テンションアーム16aは駆動
ベース8の内部に設けたばねで、ベルト張り方向、即ち
反時計回転方向へ揺動付勢してある。ベルトガイド11
は、縫着生地をセットする際に上方移動されるが、この
上方移動に伴うベルト12の緩みは、テンションアーム
16aの揺動によって吸収できる。
【0025】駆動ベース8の後端寄りに垂直のブラケッ
ト20を固定し、その下端にガイドプーリ13を遊転自
在に軸支する。図1に示すように、ガイドプーリ13は
ヘッド部4の後面下端に面して位置している。原動プー
リ10、3個のガイドプーリ13〜15、テンションプ
ーリ16、およびベルトガイド11にベルト12を掛け
渡すことにより、ベルト12は、生地送り中心軸を通る
垂直平面に沿って、ヘッド部4をその上面から前面と下
面と後面を経由して周回できるよう移行案内される。
【0026】図3に示すようにベルトガイド11は、押
え棒5に着脱される取付部21と、取付部21で一定角
度範囲だけ上下揺動可能に軸支されるそり状の生地押え
部22とからなり、生地押え部22に縫針6用の針孔2
3が上下貫通状に通設してある。生地押え部22は図示
していないばねで、下方揺動する向きに付勢してある。
生地押え部22の下面に沿ってベルト12を移行案内す
るために、その下面にガイド溝24を形成し、溝前端に
組付け開口25を設けている。ガイド溝24の凹み深さ
は、ベルト12の全厚寸法と同じか、これより僅かに小
さく設定する。ベルト12はタイミングベルトからな
り、従って先の原動プーリ10はタイミングプーリで形
成する。
【0027】図4において制御部2は、ミシン本体3の
動作タイミングを検知するセンサ27と、ベルト12の
駆動開始タイミングを設定するタイミング設定器28
と、4個の送り量設定器29と、各送り量設定器29で
設定した縫着状態の持続回数を設定する縫着量設定器3
0と、これらの各機器27・28・29・30からの出
力信号と設定信号を受けて、ステップモータ9の作動状
態を制御する制御回路31などで構成する。
【0028】図1において、センサ27は、ミシン本体
3のプーリ3aに固定したセンシング体27bと、プー
リ3aの回転平面と対向するミシンフレームに固定した
センサ本体27aとからなり、センシング体27bがセ
ンサ本体27aと正対するタイミングを検知することに
よって、ミシン本体3の動作タイミングを知ることがで
きる。例えば、縫針6が下死点に達したときに、センシ
ング体27bがセンサ本体27aと正対するように、セ
ンシング体27bをプーリ3aに取り付けておく。セン
サ本体27aの検知信号は、ミシン本体3のモータの回
転速度信号と共に制御回路31へ出力される。センサ本
体27aとしては、フォトセンサや磁気センサ等の非接
触型のセンサが好ましいが、プーリ3aと同行回転する
形態のセンサであってもよい。
【0029】縫着生地の厚みや生地の硬軟等に応じて、
ベルト12の駆動開始タイミングを変更するためにタイ
ミング設定器28を設けている。この設定器28は、下
死点から上昇する縫針6が縫着生地から抜き出された直
後と、縫針が上死点の近くまで上昇した時点との間で、
ベルト12の駆動開始タイミングを例えば4段階に切り
換えることができる。この設定値を小さくするほど早め
に生地送りが開始されるので、天びんによる縫糸の引締
め動作に先行して生地送りを行って、薄い生地や軟らか
な生地が縫い糸で絞られて縫い不良に陥るのを防止でき
る。生地の厚みや硬さが増すほど、生地送りタイミング
を上死点側へずらすことができる。
【0030】送り量設定器29は、縫着生地の摩擦抵抗
値や伸縮率等の違いによって、上下の生地の送り量に差
が生じるとき、この差を補正して、縫着直前における上
下両生地の送り量を精確に一致させるために設けてあ
る。送り量設定器29の設定値は、実際に縫着する生地
を用いたテスト縫いを幾度か行って決める。詳しくは、
縫製作業指示書に指定された単位長さ当りの縫いピッチ
を仮入力してテスト縫いを行った後、縫い不良の状況に
応じて、入力値を増加(あるいは減少して)再度テスト
縫いを行い、適正な縫い目が得られるまで入力値の変更
とテスト縫いとを繰り返し行い、適正な縫い目が得られ
たときの設定値を確定された設定値とする。多くの場合
は、過去の経験に基づいて補正すべき送り量の見当を付
けることができるので、テスト縫いは数度で終えること
ができる。なお、設定値は、縫いピッチを10分の1mm
単位で指定でき、その値が大きくなるほどベルト12に
よる生地送り量が増加する。つまり、生地表面の摩擦抵
抗値が大きい場合や、伸縮変形しやすい生地の場合に
は、それぞれ設定値を増加して、摩擦による生地送り量
の不足を補い、あるいは伸び変形分に相当する生地送り
を行うことになる。
【0031】縫い不良を防ぐうえでは、センサ27から
の出力信号と、タイミング設定器28および送り量設定
器29の設定値信号とから、これらの信号を制御回路3
1で演算処理し、その処理結果に基づいてステップモー
タ9に作動指令信号と停止信号とを出力することによ
り、ベルト12による生地送りを適正に行える。しか
し、縫着対象によっては、あるい長さを一定のピッチで
縫着した後、縫着ピッチのみを変えて引続き縫着を行う
場合がある。こうした場合に備えて、送り量設定器29
を複数個設け、さらに縫着量設定器30で各送り量設定
器29による縫着状態の持続回数を設定できるようにし
ている。
【0032】縫着量設定器30は、縫着開始から何針目
に、次の送り量設定器29の縫着条件に切り換えるかを
設定するために設けられており、制御回路31は、縫針
の縫着回数が縫着量設定器30に入力された設定値に達
するごとに、次の送り量設定器29の設定値に従って、
ベルト12の送り量を制御する。
【0033】上記の機能を利用することにより、ギャザ
ー縫いを行うことができる。ギャザー縫いは、一方の生
地に対する他方の生地の送り量を極端に増加し、あるい
は減少することで行うことができるので、例えば、通常
の縫製を行った後、次の送り量設定器29の設定値を増
加しておけば、増加量に見合うギャザーを形成できる。
【0034】上記の各設定器28・29・30は、縫製
機器の制御に多用される市販のデジスイッチを利用でき
る。デジスイッチは設定値を表示する表示器33と、設
定値を入力する増数ボタン34および減数ボタン35
と、オン・オフボタン36を一組にして構成してあり、
タイミング設定器28は表示器33が一桁の数字を表示
し、送り設定器29は表示器33が二桁の数字を表示
し、縫着量設定器30は表示器33が三桁の数字を表示
する点と、縫着量設定器30におけるオン・オフボタン
36が入力値を確定するためのセットボタンとして機能
する点とに違いがある。図5にこれらの設定器28・2
9・30の配置例を示している。図5において、符号3
7は電源スイッチである。
【0035】図6は、この発明に係る生地送り装置の第
2実施例を示す。そこでは、ミシン本体3の背部に駆動
ベース8を固定し、駆動ベース8に設けた原動プーリ1
0と、ベルトガイド11との間にベルト12を掛け渡し
て、ベルト12がL字状に周回するようにした。具体的
には、ベルトガイド11の生地押え部22の上面前端
に、ミシン後方からベルトガイド11へ向かって移行し
てきたベルト12を反転案内する反転ローラ40を配置
し、これを軸41で遊転自在に軸支した。反転ローラ4
0の後方には、ベルト押え用のピン42を配置する。ま
た、駆動ベース8の下面にブラケット43を突設し、そ
の下端寄りに一対のガイドプーリ13・14を遊転自在
に軸支した。駆動部1の他の部分は、先の実施例と同じ
であるので、同一部材に同じ符号を付して、その説明を
省略する。
【0036】上記のように、駆動部1をヘッド部4の後
方に配置し、ベルト12をL字状の軌跡に沿って周回さ
せるようにすると、ヘッド部4の前面側の全てを、作業
空間として開放できるので、生地送り装置が縫製作業の
邪魔になるのを防止できる。また、ベルトガイド11を
ベルト12の張力で押し下げ付勢できるので、押え棒5
によるベルトガイド11の押し下げ力を軽減できる。な
お、この実施例における制御部2では、先のセンサ27
に代えて、ミシン本体3のモータから出力される同期信
号を利用して、生地送りタイミングを決めるようにし
た。
【0037】上記の実施例以外に、制御部2は送り量設
定器29を少なくとも一個だけ備えていればよい。ミシ
ンの下送り歯に代えて、周回駆動されるベルトで下生地
を送り操作することができる。反転ローラ40の突端に
生地送りローラ部を設けておき、反転ローラ40がベル
ト12に同行して回転するとき、生地送りローラ部で縫
着生地を針落部へ送り込むことができる。生地送りロー
ラ部の周面にローレット加工を施し、あるいはローラ周
面にゴム層を設けて生地送りを確実化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】生地送り装置を装着したミシンの側面図であ
る。
【図2】生地送り装置を装着したミシンの斜視図であ
る。
【図3】ベルトガイドの斜視図である。
【図4】制御部を示すブロック図である。
【図5】制御部の実際例を示す正面図である。
【図6】生地送り装置の別実施例を示すミシンの側面図
である。
【符号の説明】
1 駆動部 2 制御部 3 ミシン本体 4 ヘッド部 8 駆動ベース 9 ステップモータ 10 原動プーリ 11 ベルトガイド 12 ベルト 27 センサ 28 タイミング設定器 29 送り量設定器 30 縫着量設定器 31 制御回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無端状のベルト12を生地送り要素とす
    る駆動部1と、駆動部1の運転状態を制御する制御部2
    とを備えており、 駆動部1は、ステップモータ9で間欠駆動される原動プ
    ーリ10と、ミシン本体3の押え棒5に装着されるベル
    トガイド11と、 原動プーリ10とベルトガイド11の下面との間に巻装
    したベルト12と、原動プーリ10とベルトガイド11
    との間でベルト12を変向案内する複数個のガイドプー
    リ13〜15、およびテンションプーリ16とを含み、 制御部2は、ミシン本体3の動作タイミングを検知する
    センサ27と、ベルト12の駆動開始タイミングを設定
    するタイミング設定器28と、テスト縫いによって確定
    された単位長さ当りの縫いピッチを設定する少なくとも
    一個の送り量設定器29と、これらの各機器27・28
    ・29からの出力信号、および設定信号を受けて、ステ
    ップモータ9の作動状態を制御する制御回路31とを備
    えており、 下生地に対する上生地の送り量のずれ、および両生地の
    伸縮率の差を制御部2で補正しながら、ベルト12をス
    テップモータ9で間欠駆動することを特徴とするミシン
    用生地送り装置。
  2. 【請求項2】 ミシン本体3のヘッド部4の上方に、駆
    動部1の各機器を支持する駆動ベース8が配置されてお
    り、 ベルト12が生地送り中心軸を通る垂直平面に沿って、
    ヘッド部4をその上面から前面と下面と後面を経由して
    周回するように配置してある請求項1記載のミシン用生
    地送り装置。
  3. 【請求項3】 ミシン本体3の後方に、駆動部1の各機
    器を支持する駆動ベース8が配置されており、 ベルトガイド11の上面の前部に、ミシン後方からベル
    トガイド11へ向かって移行してきたベルト12を反転
    案内する反転ローラ40が設けられており、 ベルト12が生地送り中心軸を通る垂直平面に沿って、
    ヘッド部4の後面と下面との間を周回するように配置し
    てある請求項1記載のミシン用生地送り装置。
  4. 【請求項4】 制御部2に複数個の送り量設定器29
    と、各送り量設定器29で設定した縫着状態の持続回数
    を設定する縫着量設定器30が設けられており、 1回の生地送り動作中に、ベルト12による生地送り量
    を連続して自動的に変更できるように構成してある請求
    項1、2、または3記載のミシン用生地送り装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106567197A (zh) * 2015-10-07 2017-04-19 Juki株式会社 缝纫机
CN107869009A (zh) * 2017-11-03 2018-04-03 晋江力达机械有限公司 一种全自动包边机
CN109137272A (zh) * 2018-08-28 2019-01-04 杰克缝纫机股份有限公司 一种用于裁片同步缝制的缝制机构及缝制控制方法

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