JPH06142369A - ゴム付け用ミシン - Google Patents

ゴム付け用ミシン

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JPH06142369A
JPH06142369A JP31624292A JP31624292A JPH06142369A JP H06142369 A JPH06142369 A JP H06142369A JP 31624292 A JP31624292 A JP 31624292A JP 31624292 A JP31624292 A JP 31624292A JP H06142369 A JPH06142369 A JP H06142369A
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rubber
sewing
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sewing machine
rubber band
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JP31624292A
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English (en)
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Norio Nakada
紀男 中田
Hiromichi Kurata
博道 倉田
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Yamato Sewing Machine Mfg Co Ltd
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Yamato Sewing Machine Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生地の筒口端縁へのゴム帯の縫い付け作業を
自動化し得るゴム付け用ミシンを提供する。 【構成】 ミシンベッド1aにセットした生地の筒口に、
ゴム送り装置2の動作により送給されるゴム帯Rを縫い
付けるに際し、生地の筒口端縁の位置ずれを検出し、こ
の検出に応じた生地端制御装置3の動作により、生地に
送り方向と直交する向きの移動力を加え、位置ずれを解
消する。またミシンベッド1aの周囲を巡って針落ち位置
に復帰する生地の縫い始め端を検出し、この検出に応じ
てゴム送り装置2の出側においてゴム帯Rを切断する一
方、縫い始め端の検出に応じた生地送り量補正装置8の
動作により生地の送り量を増量側に補正し、また補助送
り装置4の動作により、縫い始め端に縫い付けられたゴ
ム帯Rに生地と同等の送り力を付与し、更に押えを少量
上げた位置に固定して、縫い始め端に縫い付けられたゴ
ム帯Rとゴム送り装置2からのゴム帯Rとの同時受け入
れを可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、縫製生地の筒口周縁に
伸縮性に富むゴム帯を縫い付けるべく用いられるゴム付
け用ミシンに関する。
【0002】
【従来の技術】近年のブリーフ等の製造においては、全
体の縫製を終えた後、胴囲部となすべき筒口の周縁に広
幅のゴムを直接的に縫い付ける胴囲部処理が広く行われ
ている。このようなゴムの縫い付けに際しては、予め環
状に成形されたゴム(ゴム環)を筒形のミシンベッドに
架け渡し、適度の張力を付与しつつ生地と共に針落ち位
置に送り込む方法と、帯状をなすゴム(ゴム帯)をミシ
ンベッドの上方から針落ち位置に送り込み、これとは別
個にミシンベッドに沿わせて針落ち位置に送り込まれる
生地の筒口の端縁に重ねて縫い付ける方法とが採用され
ている。
【0003】後者の方法は、パルスモータにより回転駆
動される送りローラによりゴム帯を挾持して連続的に送
り出すゴム送り装置を、ミシンベッド上方の針落ち位置
の前側に配設し、このゴム送り装置から連続的に送り出
されるゴム帯を縫製生地の筒口端縁に重ね、これら両者
を押えにより挾圧保持して相互に縫い付け、この縫い付
け動作を、両者の縫い始め端が針落ち位置に復帰した時
点で停止する手順により実施される。
【0004】なお前記ゴム帯の送り速度は、ゴム送り装
置のパルスモータの速度調節により適宜に設定でき、こ
の設定により前記ゴム帯は、一定の張力を付与されて針
落ち位置に送り込まれる。このゴム帯は、縫い始め端の
復帰に先立ち、針落ち位置前に所定の長さを余して切断
され、復帰した縫い始め端に適長縫い付けられ、最後
に、相互に縫い付けられたゴム帯と生地とをミシンベッ
ドから取り外し、更に、縫い始め側及び縫い終わり側の
ゴム帯の端縁同士を縫い合わせてゴム付け作業が完了す
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上の如くゴム送り装
置から送り出されるゴム帯を縫い付ける後者の方法は、
ゴム環を使用する前者の方法と比較した場合、ゴム環へ
の成形の手間がなく、またミシンベッドへのゴム環の架
け渡しが不要であり、更には、ゴム帯としての取り扱い
がゴム環としての取り扱いに比して有利である上、大き
さの異なる筒口へのフレキシブルな対応が可能である
等、多くの利点を有する反面、実際の縫い付け作業の実
施に際し、次に示す難点を有する。
【0006】第1の難点は、前述した如く縫い始め端の
復帰に伴って切断された後のゴム帯は、張力を有しない
状態、即ち、伸長を解除された状態で生地に縫い付けら
れる結果、縫い終わり部位での縫い付け状態が他の部位
のそれと異なり、縫い始め側及び縫い終わり側のゴム帯
の端縁同士の前述した縫着に支障を来し、また、この縫
着後に生地との縫い付け状態が異なる部位が隣合って出
現し、良好な仕上がり状態が得られず、商品価値の低下
を招来する。
【0007】この難点を解消すべく特公昭63-60679号公
報には、ゴム送り装置から押えへのゴム帯の移送経路の
中途に摩擦ブレーキを配し、切断によりゴム送り装置か
ら開放されたゴム帯の張力を前記摩擦ブレーキの作用に
より維持する構成としたゴム付け用ミシンが開示されて
いる。
【0008】ところがこの構成においては、摩擦ブレー
キの配設位置が、前記移送経路の末端、具体的には、前
記公報中にも示されている如く押えの上部に限定される
ことから、押えの過度の重量増加を招き、縫製中に送り
歯の動作に追随して生じる押えの慣性運動が阻害される
結果、高速度での縫製に支障を来し、作業能率が低下す
る。
【0009】第2の難点は、生地の縫い始め端がこれに
縫い付けられたゴム帯と共に針落ち位置に復帰する際、
ミシンベッドの内部に構成された送り歯により生地側に
のみ送り力が付与される結果、前記ゴム帯の針落ち位置
への送り込みが相対的に遅れて、縫い終わり側のゴム帯
の端縁と縫い始め側のそれとが揃わなくなり、縫製終了
後に行われる両端縁の縫い合わせに支障を来すことであ
る。従来においては、作業者の手作業により前記ゴム帯
の送りを補助してこの難点に対処しており、このことが
ゴム付け作業の自動化の達成を阻害する要因となってい
る。
【0010】第3の難点は、送り歯により送り力を付与
される生地側においても、作業者の手作業による送り補
助が必要であり、このことによってもまた、ゴム付け作
業の自動化の達成が難しくなることである。前述した如
く、針落ち位置の前側には可動メスが配してあり、前記
生地の筒口端縁はこの可動メスにより切断されつつ針落
ち位置に送り込まれ、ゴム送り装置から送り込まれるゴ
ム帯に対する幅方向の相対位置を適正に保って縫い付け
られる。即ち、確実な縫い付けを可能とするには、前記
可動メスによる適度の切断が可能な位置に生地を送り込
むべく、手作業による生地の送り補助を行う必要があ
る。
【0011】第4の難点は、前述した縫い付けの終了に
際し、切断されたゴム帯と縫い始め端に既に縫い付けら
れているゴム帯とが重なって押えの前縁に詰まり、最終
的な縫い付けが正常に行えなくなることである。この難
点は、縫い付けるべきゴム帯の厚さが大である場合に顕
著であり、従来においてはこのような場合、縫い始め端
の復帰直前にミシンの動作を一旦停止し、押えを上げて
手作業により生地を押え、低速度にてミシンを動作させ
つつ重ね部分の縫い付けを行っており、作業能率の低下
を招来している。
【0012】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、前述した夫々の難点を有効に解消し、ゴム付け
の実質的な自動化を達成し得るゴム付け用ミシンを提供
し、更に、伸縮性を有するゴム帯の取扱いに固有の第1
の難点を簡素な構成により有効に解消し得るゴム付け用
ミシンを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係るゴム付け用
ミシンは、前後の送り歯の動作により、筒口を有する生
地をミシンベッドに沿わせて針落ち位置に送り込むと共
に、ゴム送り装置の動作により、適宜の幅を有するゴム
帯をミシンベッドの上方から針落ち位置に送り込み、前
記筒口の端縁に前記ゴム帯を重ね、押えにより挾圧保持
して縫い付ける動作を、両者の縫い始め端が針落ち位置
に復帰する前にゴム帯を切断し、復帰した縫い始め端に
適長縫い付けて完了するゴム付け用ミシンにおいて、針
落ち位置の前部に配され、所定の送り経路に対する前記
端縁のずれを検出する生地端センサと、前記縫い始め端
の針落ち位置への復帰を、該縫い始め端に縫い付けられ
たゴム帯の存在を媒介として検出する縫い始め端センサ
と、該縫い始め端センサの検出がなされるまでの間、前
記生地端センサの検出に応動し、前記ずれを解消すべく
前記送りの方向と略直交する向きに生地を移動させる生
地端制御装置と、前記縫い始め端センサの検出に応じて
夫々の動作を開始し、前記ゴム送り装置から送出される
ゴム帯を切断するゴムカッタと、針落ち位置への前記生
地の送り量を所定量増量する生地送り量補正手段と、該
生地送り量補正手段に連動し、縫い付け済みのゴム帯に
送り力を付与する補助送り手段と、該補助送り手段によ
り送り込まれるゴム帯を、ゴム送り装置からのゴム帯と
共に受け入れるべく、前記押えを所定量上昇させる押え
上げ手段とを具備することを特徴とする。
【0014】更に加えて、前記生地送り量補正手段は、
後送り歯の送り量に対する前送り歯の送り量の調節機構
を増量側に操作して前記送り量の増量を実現することを
特徴とする。
【0015】
【作用】本発明においては、針落ち位置への縫い始め端
の復帰を検出する縫い始め端センサを設け、この検出に
応じてゴム帯を切断する一方、後送り歯の送り量に対す
る前送り歯の送り量を所定量増量し、所謂いせ込み量を
増して、前記切断により伸長を解除されたゴム帯に対す
る生地の縫い付け状態の変化を解消する。
【0016】また、縫い始め端の検出に応じた生地送り
速度の増加に伴って、これに対応する速度により縫い付
け済みのゴム帯に送りを与え、生地に対するゴム帯の遅
れを解消し、更に所定のタイミングにて押えを少量上昇
させ、詰まりを生じることなくゴム帯の重ね部分を受け
入れ、手作業によらずに縫い終わり端での確実な縫い付
けを可能とする。
【0017】また、針落ち位置に送り込まれる生地の筒
口端縁を検知し、正規の送り経路に対するずれを検出す
る一方、このずれを解消すべく動作する生地端制御装置
により生地を送り経路と略直交する向きに移動させて、
手作業による生地の送り補助を不要とする。この生地端
制御と、縫い始め端の検出に応じた生地送り速度の増
加、ゴム帯への送り力の付与、及び押えの上動とによ
り、縫い始めに際しての生地及びゴム帯のセット、縫い
終わり後のこれらの取り外しを除くゴム付けの全工程を
略完全に自動化する。
【0018】更に加えて、生地の種類に応じたいせ込み
量の変更のために設けてある前送り歯の送り量調節機構
を、例えば、エアシリンダの動作により増量側に操作す
る簡素な構成により、縫い始め端の復帰に応じた生地送
り量の増加を実現する。
【0019】
【実施例】以下本発明をその実施例を示す図面に基づい
て詳述する。図1は本発明に係るゴム付け用ミシンの正
面図である。図中1はミシン本体、1aはミシンベッドで
ある。ミシン本体1は、ミシンベッド1aの上面に平行を
なして延びるミシンアーム1bを備えており、該ミシンア
ーム1bの先端には、針10(図3参照)と、これら夫々に
対応する針落ち孔を有する押え11(図2及び図3参照)
とがミシンベッド1aに向けて垂下支持されている。
【0020】ミシンベッド1aとミシンアーム1bとの間に
は、ゴム送り装置2、生地端制御装置3、及び補助送り
装置4(図6参照)が、これらを一括して搭載する基台
1cと共に取付けてある。基台1cの一側は、ミシン本体1
の前面に固定されたブラケット1dに略鉛直な枢軸回りに
回動自在に枢支してあり、同じく他側は、ミシンアーム
1bの先端側前面に固定されたブラケット1eにねじ止め固
定してある。即ち基台1cは、ブラケット1eへの止めねじ
を外した場合、ブラケット1dの枢軸回りの回動によりミ
シン本体1の前側に引き出すことができ、ゴム送り装置
2、生地端制御装置3、及び補助送り装置4の調整及び
保守は、基台1cを前述の如く引き出して行われる。
【0021】図2は、基台1cに搭載されたゴム送り装置
2、生地端制御装置3、及び補助送り装置4の構成、及
びこれらとミシンベッド1a上の押え11との位置関係を示
す斜視図である。生地端制御装置3及び補助送り装置4
の上部に位置するゴム送り装置2は、図1中に2点鎖線
により示す如く、ミシンアーム1bの上方から供給される
ゴム帯Rに送り力を付与し、ミシンベッド1a上に送り出
す動作をなすものであり、図1及び図2に示す如く、基
台1cに固定されたローラ台20に前後一対の送りローラ2
1,22を架設し、これらの上側に前後一対のガイド棒2
3,23を架設してなる。
【0022】送りローラ21,22の内、一方(後側)の送
りローラ21は、ローラ台20の一側に固設された送りモー
タ24の出力軸にタイミングベルト25を介して連結され、
該送りモータ24からの伝動により軸心回りに回転駆動さ
れる駆動ローラである。他方(前側)の送りローラ22
は、ローラ台20の両側に夫々の基端を枢支されて同軸上
にて揺動するリンク部材26,26の先端部間に軸心回りで
の回動自在に架設されており、リンク部材26,26の揺動
操作は、ローラ台20の他側外面に配した操作レバー27に
より行われるようになしてある。而して前記送りローラ
22は、操作レバー27にその一端を係止された付勢ばね28
のばね力により、リンク部材26,26と共に後方に引かれ
送りローラ21に押し付けられており、該送りローラ21に
追従して回転する従動ローラとして機能し、また付勢ば
ね28のばね力に抗して操作レバー27が操作された場合、
これに伴うリンク部材26,26の揺動により送りローラ21
の前方に離反する。
【0023】以上の如く構成されたゴム送り装置2に
は、ゴムカッタ5が付設されている。このゴムカッタ5
は、送りローラ21,22の下側にこれらと略平行をなして
配されたカッタ部50と、前記送りモータ24の後側に位置
して基台1cに固定されたカッタ駆動シリンダ51とを備え
てなる。カッタ駆動シリンダ51の動作は、図示しない伝
動手段を介してカッタ部50に伝達されており、カッタ部
50は、この伝動に応じて所定の切断動作を行う。なお、
以上の如く動作するこのゴムカッタ5は、公知の装置で
あり、構成の詳細な説明は省略する。
【0024】前述した如くミシンアーム1bの上方から供
給されるゴム帯Rは、まず、ゴム送り装置2のガイド棒
23,23間に、次いで送りローラ21,22間に、更にゴムカ
ッタ5のカッタ部50に順次挿通され、図示の如く、これ
らの後下方に位置するミシンベッド1a上の押え11に導か
れる。送りローラ21,22間へのゴム帯Rの挿通は、操作
レバー27の操作により送りローラ22を離反せしめて行わ
れ、挿通後のゴム帯Rは、操作レバー27の操作解除によ
り送りローラ21,22間に挾圧される。而して前記ゴム帯
Rは、送りモータ24の駆動に伴う送りローラ21の回転に
より、ミシンベッド1aに向けての連続的な送り力を付与
され、更にカッタ駆動シリンダ51の駆動に伴うカッタ部
50の動作により、ゴム送り装置2からの送出部において
適宜に切断される。
【0025】押え11は、ゴム送り装置2から導かれるゴ
ム帯Rを、後述の如くミシンベッド1aの上面に沿わせて
供給される生地Kの筒口端縁K′に所定幅だけ重ね合わ
せ、これら両者をその下側に挾圧保持する。図3は、押
え11の近傍を拡大して示す側面図である。図示の如く、
押え11下側のミシンベッド1a上には針板12が架設してあ
り、該針板12の下側には、ミシンベッド1aの内部に構成
された公知の駆動機構の動作に応じて鉛直面内での長円
運動を行う前送り歯13及び後送り歯13′が配してある。
また押え11の上部には、これと共にミシンアーム1bの先
端に垂下支持され、ミシンアーム1bの内部に構成された
公知の駆動機構の動作に応じて所定ストロークの上下運
動を行う複数本の針10,10…(図3には1本のみ図示)
が配してあり、更にミシンベッド1aの後縁部には、上下
一対の補助ローラ14,15が配してある。
【0026】前記補助ローラ14,15の内、一方(上側)
の補助ローラ14は、図示しない駆動源からの伝動によ
り、前,後送り歯13,13′の動作に同期してこれらと等
しい速度で回転駆動されるようになしてあり、前記生地
Kは、図示の如く、押え11と針板12との間の挾圧部分の
後側を前記補助ローラ14,15間に挾持させ、ミシンベッ
ド1aの回りを巡る態様にセットされる。一方、前述の如
くセットされるゴム帯Rは、ミシンベッド1aの上方から
斜め下向きに押え11の前部に達し、針10,10…の降下位
置(針落ち位置)直前において生地Kに重ね合わされ、
押え11と針板12との間に挾圧される。
【0027】このようにセットされた生地Kは、前送り
歯13及び後送り歯13′の動作、並びに補助ローラ14の回
転により送り力を付与され、ミシンベッド1aの後縁側か
ら下方に落ち、ミシンベッド1aの下方に沿って前縁側に
戻り、ミシンベッド1aの上面に沿って針落ち位置に復帰
する経路を辿る。この間、ゴム送り装置2から送り出さ
れるゴム帯Rは、押え11の下部において生地Kに重ね合
わされ、針10,10…の上下動により縫い付けられて、そ
の後は生地Kと共に前述の経路を辿って針落ち位置に復
帰する。
【0028】なおゴム送り装置2の前記送りローラ21
は、送りモータ24からの伝動により、前送り歯13及び後
送り歯13′の動作に同期して回転駆動されるが、この回
転速度は、両送り歯13,13′の動作速度よりもやや小さ
く設定されている。これにより、押え11と針板12との間
へのゴム帯Rの送り込みは、ゴム送り装置2の送りロー
ラ21,22との間で一定の張力を与えられた状態で行われ
ることになる。なお、以上の如き送りローラ21の動作
は、これの駆動用モータたる送りモータ24として、高精
度での回転制御が可能なステップモータを用いることに
より実現できる。ゴム帯Rと生地Kとの縫い付けは、両
者の縫い始め端A(図4参照)が針落ち位置に復帰する
前にゴムカッタ5を動作させ、ゴム送り装置2の出側に
おいてゴム帯Rを切断して、この切断片を復帰した縫い
始め端Aに適長縫い付けて完了する。
【0029】本発明に係るゴム付け用ミシンは、以上の
如く行われるゴム付けの内、ゴム帯R及び生地Kのセッ
ト、並びに縫い付けを完了した生地K及びゴム帯Rの取
外し以外の作業を略完全に自動化しようとするものであ
り、針落ち位置に送給される生地Kの筒口端縁K′の位
置ずれを検出する生地端センサ6、及び針落ち位置への
縫い始め端Aの復帰を検出する縫い始め端センサ7を備
え、更に、これらの検出結果に基づいて動作する前記生
地端制御装置3、補助送り装置4及びゴムカッタ5、並
びに、生地送り量補正装置8及び押え上げ装置9を備え
ている。
【0030】図2に示す如く生地端センサ6は、押え11
の前方のミシンベッド1a上に配設され、上向きの発光を
行う一対の発光部60,61と、これら夫々の上方に適長離
隔して対向する一対の受光部62,63とを備えた光センサ
であり、縫い始め端センサ7は、生地端センサ6よりも
前方のミシンベッド1a上に配設され、同様に上向きの発
光を行う一つの発光部70と、これの上方に適長離隔して
対向する受光部71とを備えた光センサである。
【0031】図4は、生地端センサ6の発光部60,61
(又は受光部62,63)、及び縫い始め端センサ7の発光
部70(又は受光部71)の配設位置を示す平面図である。
本図及び図2に示す如く、押え11前部のミシンベッド1a
上には、該押え11の幅方向の所定位置に刃面を有する可
動メス16が配してある。この可動メス16は、前送り歯13
及び後送り歯13′の駆動機構から分岐された公知の伝動
機構を介しての伝動により所定ストロークでの上下動を
なし、ミシンベッド1aの上面にその刃面を沿わせた固定
メス17と摺接して、押え11に向けて前述した如く送り込
まれる生地Kの筒口端縁K′を切り揃える作用をなす。
【0032】図2及び図4に示す如く、ミシンベッド1a
上には、生地Kの筒口端縁K′を沿わせるべき基準送り
線Cが、前記可動メス16と固定メス17の摺接部位の送り
方向に沿う延長線Bに対してゴム帯Rの送給側(内側)
に所定幅だけ偏倚して設定してあり、生地端センサ6の
発光部60,61は、この基準送り線Cを挾んだ両側に近接
配置されている。生地端センサ6の受光部62,63は、対
応する発光部60,61からの発光を捉え、各別の受光量に
応じた出力を発する動作をなし、両者の出力レベルに基
づく夫々の配設位置での明暗判定により、基準送り線C
に対する筒口端縁K′の位置ずれが、以下の如く検出さ
れる。
【0033】図5はこの検出原理の説明図である。前記
受光部62,63による受光量は、前述の如く配された各別
の発光部60,61の発光が生地Kにより遮られているか否
かに応じて変化する。従って図4に示す如く、筒口端縁
K′が基準送り線Cに正しく沿っている場合、外側の発
光部60のみが生地Kにより覆われるから、受光部62の出
力レベルは低く、暗と判定され、受光部63の出力レベル
は高く、明と判定される。これに対し、図5(a)に示
す如く、筒口端縁K′が基準送り線Cの内側にずれてい
る場合、両方の発光部60,61が生地Kにより覆われる一
方、図5(b)に示す如く、筒口端縁K′が基準送り線
Cの外側にずれている場合、両方の発光部60,61の発光
は生地Kにより遮られることなく受光部62,63に達し、
前者の場合、受光部62,63の出力レベルは低く、共に暗
と判定され、後者の場合、受光部62,63の出力レベルは
逆に高くなり、共に明と判定される。
【0034】以上の如く、受光部62の出力レベルが低
く、暗と判定され、受光部63の出力レベルが高く、明と
判定された場合が正規の送り状態、即ち、筒口端縁K′
が基準送り線Cに正しく沿って送られている状態であ
り、両受光部62,63の出力レベルが共に低く、暗と判定
された場合(又は共に高く、明と判定された場合)に
は、筒口端縁K′が基準送り線Cに対して内側(又は外
側)に位置ずれしていることがわかる。基準送り線Cは
前述した如く設定されているから、前記正規の送り状態
を保った場合、生地Kの筒口端縁K′は、前記可動メス
16と固定メス17とにより適量切り揃えられて押え11に送
り込まれることになり、ゴム送り装置2からのゴム帯R
と適正な幅だけ重ね合わされて前述した縫い付けが確実
に行われる。
【0035】一方、縫い始め端センサ7の発光部70は、
図4に示す如く、生地端センサ6の発光部60,61よりも
前方であって、内側の発光部61の更に内側、即ち、ゴム
帯Rの縫い付け側に偏倚した位置に配設してある。この
ような縫い始め端センサ7の配設により、前述の如く生
じる縫い始め端Aの復帰は、発光部70からの発光を捉え
る受光部71が受光量に応じて発する出力レベルの明暗判
定を行うことにより、押え11、即ち、針落ち位置に達す
る前に検出できる。
【0036】縫い付け作業中の生地Kは、生地端センサ
6の検出結果に基づいて行われる生地端制御装置3の後
述する動作により、送り方向と直交する方向への移動力
を付与され、筒口端縁K′を基準送り線Cに沿わせるべ
く送り位置を変更されており、発光部61の更に内側に位
置する縫い始め端センサ7の発光部70は、生地Kにより
覆われることはないが、図4中に示す如く、ミシンベッ
ド1a上に縫い始め端Aが復帰した場合、この縫い始め端
Aに縫い付けられているゴム帯Rにより覆われる。従っ
て、前記受光部71の出力レベルは、発光部70の配設位
置、即ち、押え11の所定長前方への縫い始め端Aの復帰
に応じて低下し、暗と判定されるようになる。即ち、縫
い始め端Aの復帰は、縫い始め端センサ7の受光部71の
出力レベルに基づく明暗判定の結果が、明から暗に反転
することにより検出できる。
【0037】次に、ゴム送り装置2と共に基台1cに搭載
された生地端制御装置3及び補助送り装置4の構成につ
いて述べる。図1及び図2に示す如く生地端制御装置3
は、ゴム送り装置2下部の前側に沿ってミシンアーム1b
の先端に向けて延設された揺動アーム30を備えている。
該揺動アーム30の基端には、ゴム送り装置2の送りモー
タ24の下側に固設された生地端モータ31の出力軸が、ミ
シンベッド1a上での生地Kの送り方向に沿って略水平に
嵌挿されており、揺動アーム30の揺動は、前記出力軸を
枢軸として行われるようになっている。一方、揺動アー
ム30の先端側には、生地端モータ31の出力軸と平行をな
す略水平な軸回りでの回動自在に生地端制御ローラ32が
枢支してある。
【0038】生地端制御ローラ32の枢軸と生地端モータ
31の出力軸とは、揺動アーム30の内部において両軸間に
巻架されたタイミングベルト33により連結されており、
生地端制御ローラ32は、タイミングベルト33を介して伝
達される生地端モータ31の回転に応じて正逆両方向に回
転駆動される。一方、生地端制御ローラ32の取付け位置
に対応するミシンベッド1aの内部には、生地端制御ロー
ラ32と対をなす従動ローラ34が取付けてある。この従動
ローラ34は生地端制御ローラ32と平行をなす軸回りに回
動自在に枢支され、その上部をミシンベッド1aの上面か
らわずかに突出させている。
【0039】揺動アーム30は、枢支部近傍に取付けた図
示しない付勢ばねにより、先端側が下向きとなるように
付勢されており、この付勢により生地端制御ローラ32
は、下側の従動ローラ34に押し付けられ、両者の転接状
態が維持されている。生地端制御ローラ32及び従動ロー
ラ34の平面的な配設位置は、図4中に示す如く、生地端
センサ6よりも前方であって、前記基準送り線Cよりも
十分に外側となるように設定してある。従って、生地端
制御ローラ32と従動ローラ34との転接は、両者間に生地
Kを挾んだ状態で生じ、この状態で生地端モータ31を駆
動した場合、前記生地Kには、これの送り方向と直交す
る向きの移動力が付与され、該生地Kは、内側(ゴム帯
Rとの縫い付け側)又は外側に移動する。
【0040】揺動アーム30の基端部には、ミシン本体1
の側に向けて押し上げ板35が突設してあり、この押し上
げ板35の上部には、ボックス型のエアシリンダである昇
降シリンダ36が、上下方向に進退動作する出力ロッドの
先端を押し上げ板35の上面に臨ませて固定してある。昇
降シリンダ36の出力ロッドは、図示しないエア源からの
給気により通常時には進出状態にあり、押し上げ板35、
即ち揺動アーム30の基端部を下向きに押圧しているが、
前記給気の遮断により昇降シリンダ36が退入動作した場
合、揺動アーム30が前記付勢ばねの付勢により揺動し
て、生地端制御ローラ32と従動ローラ34との転接が実現
される。
【0041】一方前記補助送り装置4は、生地端制御装
置3の後側に構成されており、図1及び図2にはその一
部が示されているに過ぎない。図6は、図1のVI−VI線
による矢視図であり、補助送り装置4のみを抜き出して
示してある。以下の説明はこの図に従って行い、本図と
の対照を可能とするため図1及び図2に、各図中に現れ
る各構成部材の番号を符してある。
【0042】補助送り装置4は、ミシンベッド1aの上面
に沿って生地Kの送り方向前後に延びる揺動アーム40を
備えている。この揺動アーム40は、長手方向中途部に突
設された支持ブラケット 40aを介して基台1cに枢支さ
れ、前記送り方向と直交する略水平な軸回りに揺動可能
となしてある。基台1cには、前記ゴムカッタ5における
カッタ駆動シリンダ51の後下側に位置して補助送りモー
タ41が固設されており、該補助送りモータ41の出力軸
は、前記揺動アーム40の支持ブラケット 40aに嵌挿さ
れ、揺動アーム40の枢支軸を兼ねている。
【0043】揺動アーム40の前端には、該揺動アーム40
の枢軸、即ち、前記補助送りモータ41の出力軸と平行を
なす軸回りでの回動自在に補助送りローラ42が枢支さ
れ、該補助送りローラ42の枢支軸と補助送りモータ41の
出力軸とは、両軸間に巻架されたタイミングベルト43を
介して連結してある。これにより補助送りローラ42は、
タイミングベルト43を介して伝達される補助送りモータ
41の回転に応じて一方向に回転駆動される。
【0044】一方、揺動アーム40の後側は、基台1cから
上向きに突設されたばね掛け突起44との間に張架された
コイルばね45のばね力により上向きに付勢してある。ま
た基台1cの後縁には、生地端制御装置3におけるものと
同様のボックス型のエアシリンダである昇降シリンダ46
が固設してあり、該昇降シリンダ46の下向きに突出する
出力ロッドが前記揺動アーム40の後端部上面に当接させ
てある。
【0045】昇降シリンダ46は、図示しないエア源から
の給気により通常時には進出状態にあり、揺動アーム40
の後側を押し下げており、揺動アーム40の前端に取付け
た補助送りローラ42は、ミシンベッド1aの上面から離反
した位置にあるが、前記給気の遮断により昇降シリンダ
46が退入した場合、コイルばね45のばね力により揺動ア
ーム40の後側が引き上げられる結果、補助送りローラ42
は、図示の如くミシンベッド1aの上面に転接する。
【0046】補助送りローラ42の平面的な配設位置は、
図4中に示す如く、生地端制御ローラ32の後側であっ
て、基準送り線Cよりも内側となるように設定してあ
る。即ち、ミシンベッド1a上への補助送りローラ42の転
接は、縫い始め端Aの復帰と共にミシンベッド1a上に復
帰するゴム帯Rの送り経路内にて生じ、この状態で補助
送りモータ41を駆動した場合、補助送りローラ42の回転
により、ミシンベッド1aとの間に挾圧された前記ゴム帯
Rに補助的な送り力が付与される。
【0047】なお、図2においては図示の都合上、生地
端センサ6及び縫い始め端センサ7を補助送りローラ42
の後側に位置させてあるが、実際には図4に示す如く、
生地端センサ6及び縫い始め端センサ7は、生地端制御
ローラ32と補助送りローラ42との間に配設されている。
このような配置は、生地端センサ6の受光部62,63及び
縫い始め端センサ7の受光部71を、例えば、ゴム送り装
置2のローラ台20の下側に取り付けることにより実現し
得る。
【0048】次に、生地送り量補正装置8及び押え上げ
装置9の構成について述べる。これらは、生地端制御装
置3及び補助送り装置4とは異なる位置に構成されてい
る。生地送り量補正装置8は、ゴム帯Rに対する生地K
のいせ込み量の調節をなすべく、図1に示す如くミシン
ベッド1aの先端部下方に設けられた調節装置80と一体的
に構成されており、また押え上げ装置9は、後述の如
く、ミシン本体1及びミシンアーム1bの内側及び背面側
に構成されている。
【0049】生地送り量補正装置8の構成は、図1の V
II−VII 線による矢視図である図7に示されている。ま
ず、調節装置80の構成について説明する。この調節装置
80は、前送り歯13の送り量を後送り歯13′の送り量に対
して増量側に調節し、両者の送り量の差(差動量)を適
宜に変更して、前記いせ込み量の調節を行うべく構成さ
れており、図中 13aは、ミシンベッド1aの内部において
前送り歯13の駆動機構に関連させてあり、軸心回りの回
動操作により前記差動量の調節が可能な枢軸である。調
節装置80は、その基端を前記枢軸 13aに固定された調節
レバー81と、該調節レバー81の全面を覆う目盛り板82と
を備えてなる。なお目盛り板82は、ミシンベッド1aの後
部に立設された支持板83に固定支持されている。
【0050】目盛り板82には、調節レバー81の中途部の
視認が可能な長孔 82aと、調節レバー81の先端部の視認
が可能な長孔 82bとが、共に枢軸 13aを中心とする円弧
状をなして形成されている。一方の長孔 82aは、図示の
如く、その内側縁に所定間隔毎に複数の目盛り線を有し
ており、これらの目盛り線を前記調節レバー81の中途部
に形成された基準線に整合させることにより、調節レバ
ー81の揺動角度により定まる前記枢軸 13aの回動位置、
即ち、前送り歯13の送り量を確認するための目盛り孔で
ある。また他方の長孔 82bには、一対のストッパねじ8
4,85が、長手方向に沿っての移動と適宜位置での固定
とが可能に取付けてあり、調節レバー81の先端は、両ス
トッパねじ84,85間に位置し、これら両者により上下方
向への揺動範囲を夫々規制されている。
【0051】以上の如く構成された調節装置80において
は、調節レバー81を上下方向に揺動させ、枢軸 13aを回
動せしめることにより、前記差動量を適宜に変更でき
る。この変更は、いせ込み縫いを可能とすべく行われる
ものであり、前記調節装置80は、メリヤス等の伸縮性を
有する生地を取り扱うミシンに広く装備されている。な
お、本実施例においては、調節レバー81の下方への揺動
に応じて前送り歯13の送り量が増し、差動量が増量され
る構成となっている。
【0052】前記調節装置80と一体的に構成された生地
送り量補正装置8は、調節レバー81の中途から下方に分
岐された分岐レバー 81aと、目盛り板82を支持する前記
側板83の下部に固定された調節シリンダ86とを備え、該
調節シリンダ86の前方に延びる出力ロッドの先端を、リ
ンク部材87を介して前記分岐レバー 81aに連結した構成
となっている。なお調節シリンダ86は、図示しないエア
源からの給気により退入動作をなすエアシリンダであ
り、前記出力ロッドは、例えば、図示しない内蔵ばねの
ばね力により進出方向に弱く付勢されている。
【0053】調節装置80の初期設定は、上側のストッパ
ねじ84の固定位置を変更して行われる。前述した如く、
調節シリンダ86の出力ロッドは進出方向に付勢されてお
り、この出力ロッドにリンク部材87及び分岐レバー 81a
を介して連結された調節レバー81は、前記ストッパねじ
84に押し付けられた図示の位置に拘束され、このとき前
送り歯13は、ストッパねじ84の固定位置に対応する差動
量を維持する。即ち、生地Kの種類に応じて前送り歯13
の差動量を決定し、ストッパねじ84を緩め、調節レバー
81を押し下げつつ長孔 82bに沿って移動させ、長孔 82a
の内側縁の目盛りを確認して固定することにより、所望
の差動量を実現できる。
【0054】前記生地送り量補正装置8は、この状態で
の調節シリンダ86への給気により、前送り歯13の差動
量、即ち、針落ち位置の前側での生地Kの送り量を増量
側に補正する動作をなす。前述の如く調節シリンダ86
は、動作用エアの給気により退入動作をなすから、この
動作に応じて調節レバー81は、下向き、即ち増量側に揺
動せしめられ、図中に破線にて示す如く、下側のストッ
パねじ85に押し付けられた位置に拘束されて、前送り歯
13の差動量が増量側に補正される。なお、調節レバー81
の下方への揺動範囲はストッパねじ85により規制される
から、ストッパねじ84を前述の如く固定し、次にこの固
定位置からの所定長離隔した位置にストッパねじ85を固
定することにより、送り量の補正程度を適宜に設定でき
る。
【0055】図8は、押え上げ装置9の構成を示す模式
図である。なお本図は、図1に示す側とは逆側、即ち、
ミシンの背面側から見た図であり、押え上げ装置9及び
これの関連部分以外の図示は省略している。
【0056】押え上げ装置9は、生地K及びゴム帯Rの
挾圧作用をなす前記押え11を昇降動作させるものであ
る。図示の如く押え11は、ミシンアーム1bの先端側に上
下動自在に支持された押え棒90の下端に取付けてある。
ミシンアーム1bの内部には、これの延設方向に沿う略水
平な軸心回りでの揺動自在に押え上げ軸91が枢支されて
おり、該押え上げ軸91の先端部は、前記押え棒90の中途
部にリンク機構92を介して連結されている。
【0057】またミシン本体1の後外側には、ミシン本
体1の内側から突出する支軸93に基端を接続され、ミシ
ンアーム1bの延設方向と逆方向に略水平をなして延びる
押え上げレバー94が設けてある。前記支軸93は、ミシン
本体1の内部において前記押え上げ軸91の基端部にリン
ク機構95を介して連結してあり、押え上げレバー94の先
端側が下向きに押圧された場合、これに伴う支軸93の回
転がリンク機構95を介して押え上げ軸91に伝達され、該
押え上げ軸91が軸心回りの一方向に回転し、更にこの回
転がリンク機構92を介して押え棒90に伝達されて、該押
え棒90及びこれの下端の押え11が上方に引き上げられる
ようになしてある。
【0058】一方、前記押圧が解除された場合、前記押
え上げ軸91は、これの中途に巻装された復帰ばね 91aの
ばね力により逆方向に回転し、押え11は押え棒90と共に
ミシンベッド1a上に下降して、図3に示す如く針板12に
弾接する位置(下位置)に達し、該針板12との間に前記
生地K及びゴム帯Rを挾圧保持する。なおこの際の挾圧
力は、ミシンアーム1bの上部に突出する押え棒90の上端
に設けた公知の調整ねじ 90aの操作により適宜に設定で
きる。
【0059】ミシン本体1の後側に突設された基台96に
は、前記押え上げレバー94に押圧力を付与するための第
1,第2の押え上げシリンダ97,98が取付けてある。こ
れらは共に、図示しないエア源からの給気により下向き
に進出する出力ロッドを備えたエアシリンダであり、夫
々の出力ロッドの先端は、押え上げレバー94の上面に当
接させてあるが、押え上げレバー94の先端側に位置する
第2の押え上げシリンダ98の動作ストロークは、第1の
押え上げシリンダ97のそれよりも十分小さくしてある。
【0060】即ち、第1の押え上げシリンダ97の動作に
より押え上げレバー94が押圧された場合、前記押え11
は、針板12との間に十分な間隔を有する位置(上位置)
まで上昇するのに対し、第2の押え上げシリンダ98の動
作により押え上げレバー94が押圧された場合、前記押え
11は、押え棒90と共にわずかに上昇するのみであり、こ
のとき押え11は、これに付設されたつる巻きばね 11a
(図3参照)のばね力により、図9に示す如く、生地K
の受け入れ側を上として傾斜し、後側において針板12と
の接触を保った位置(中間位置)となる。
【0061】なお、第1の押え上げシリンダ97による上
位置への押え上げは、生地K及びゴム帯Rの縫い始め端
を前述した如くセットする場合に実施され、十分に上昇
した押え11の下部に生地K及びゴム帯Rを位置決めし、
第1の押え上げシリンダ97の動作を解除して、押え11に
より挾圧せしめて初期セットが完了する。また第2の押
え上げシリンダ98による中間位置への押え上げは、後述
の如く、縫い始め端Aの復帰時に実施される。
【0062】図10は、以上の如く構成された本発明に係
るゴム付け用ミシンの制御系のブロック図である。図中
100は、マイクロプロセッサを用いてなる制御部であ
り、該制御部 100の入力側には、運転操作のための足踏
み式のペダルスイッチ 101が接続され、制御部 100は、
ペダルスイッチ 101の操作の有無を認識し得るようにな
っている。
【0063】また制御部 100の入力側には、前記生地端
センサ6の出力、及び縫い始め端センサ7の出力が入力
回路 103を介して夫々与えられている。これらは、前記
受光部62,63、及び受光部71からの出力であり、制御部
100は、入力回路 103において波形整形変換された夫々
の出力を所定時間毎にサンプリングし、生地Kの筒口端
縁K′のずれ及び針落ち位置前への縫い始め端Aの復帰
を前述の如く認識するようになっている。
【0064】また制御部 100の入力側には、ゴム帯Rの
送り速度、生地端制御装置3及び補助送り装置4の動作
速度、並びに後述する各種の遅れ時間等、自動によるゴ
ム付けの実施に際して必要となる種々の数値を設定する
ための数値設定回路 104が接続してあり、制御部 100
は、この数値設定回路 104に設定された数値を取込み、
後述する動作に使用する。なお数値設定回路 104への設
定値は、生地Kの種類、ゴム帯Rの伸縮度、送り速度等
の縫製条件に応じて異なるから、予め試し縫いを行って
適正値を探し、この適正値を設定する。
【0065】更に制御部 100の入力側には、試し縫いス
イッチ及び糸切りスイッチ等の各種の操作スイッチが接
続され、また、ゴム帯Rの途切れ、ミシン本体1内部の
異常等、各種の異常を検出するセンサの出力が与えられ
ているが、これらのスイッチ及びセンサは本発明の要旨
に関わらないので、図示及び説明を省略する。
【0066】一方、制御部 100の出力は、ミシンの主駆
動用モータであるミシンモータ 102(図1参照)に与え
られていると共に、ゴム送り装置2、生地端制御装置
3、補助送り装置4、ゴムカッタ5、生地送り量補正装
置8及び押え上げ装置9に与えられている。
【0067】制御部 100からゴム送り装置2及びゴムカ
ッタ5への出力は、送りモータ24及びカッタ駆動シリン
ダ51に夫々の駆動回路を介して与えられており、ゴム送
り装置2は、前記出力に応じた送りモータ24の動作によ
り送りローラ21を回転駆動し、前記数値設定回路 104に
設定された所定の速度にてゴム帯Rを送り出し、ゴムカ
ッタ5は、制御部 100の出力に応じたカッタ駆動シリン
ダ51の動作によりカッタ部50を動作させ、前記ゴム帯R
を切断する。
【0068】生地端制御装置3への出力は、生地端モー
タ31にこれの駆動回路を介して与えられており、前記出
力に応じた生地端モータ31の動作により生地端制御ロー
ラ32が正逆転駆動され、前述の如く生地Kに送り方向と
直交する向きの移動力が付与される。また生地端制御装
置3への出力は、昇降シリンダ36への給気回路中に配さ
れた電磁弁にも与えられており、この出力に応じた昇降
シリンダ36の退入動作により、生地端制御ローラ32が下
降して従動ローラ34に転接し、前記移動力の付与を行い
得る状態となる。
【0069】補助送り装置4への出力は、生地端制御装
置3へのそれと同様、補助送りモータ41の駆動回路と、
昇降シリンダ46への給気回路中に配された電磁弁とに与
えられており、後者の出力に応じた昇降シリンダ46の退
入動作により、補助送りローラ42はミシンベッド1a上に
下降してゴム帯Rに転接し、前者の出力に応じた補助送
りモータ41の動作により、補助送りローラ42が回転駆動
され前記ゴム帯Rに送り力を付与する。なおこのときの
補助送りローラ42の回転速度は、前記数値設定回路 104
への数値設定により調整でき、この調整は、補助送りロ
ーラ42の回転により付与されるゴム帯Rの送り量が、生
地送り量補正装置8による補正後における生地Kの送り
量と等しくなるように調整されている。
【0070】生地送り量補正装置8への出力は、調節シ
リンダ86への給気回路中に配された電磁弁に与えられて
おり、この出力に応じて調節シリンダ86が進出動作し、
前述した如く、前送り歯13の動作による生地Kの送り量
が、調節装置80において設定された本来の送り量よりも
増量され、後送り歯13′に対する前送り歯13の差動量が
増量側に補正される。
【0071】更に押え上げ装置9への出力は、第1,第
2の押え上げシリンダ97,98への給気回路中に各別に配
された電磁弁に夫々与えられており、押え11は、これら
の出力に応じた第1の押え上げシリンダ97の進出動作に
より前記上位置に、また第2の押え上げシリンダ98の進
出動作により前記中間位置に夫々上昇する。
【0072】以上の如く構成された制御部 100の動作
は、作業者によるペダルスイッチ 101の操作に応じて、
図11に示すタイムチャートに従って行われる。前記ペダ
ルスイッチ 101の操作は、生地K及びゴム帯Rの前述の
如きセット作業に際して一回行われ、その後の縫い付け
作業の開始に際して一回行われる。
【0073】まず、一回目のペダルスイッチ 101の操作
に応じて制御部 100は、ゴム送り装置2に所定時間T1
の動作指令を発し、またこの間、押え上げ装置9の第1
の押え上げシリンダ97への動作指令を継続する。これに
より、ゴム送り装置2からゴム帯Rが所定長だけ送出さ
れ、このゴム帯Rの先端が押え11による挾圧が可能な位
置まで達する一方、押え11は前記上位置を保つから、生
地K及びゴム帯Rのセットが容易に行える。なおこの
間、ミシンモータ 102、及び該ミシンモータ 102を駆動
源とする各部の動作は停止しており、また、生地端制御
装置3の生地端制御ローラ32及び補助送り装置4の補助
送りローラ42は上位置にあり、生地Kのセットに支障を
来すことはない。更にこの間、押え11の前部に配された
可動メス16は、図示しない昇降機構の動作により生地K
のセットに支障を来さない位置まで下降せしめられてい
る。
【0074】二回目のペダルスイッチ 101の操作は、以
上の如きセット作業の完了を待って行われる。このとき
ゴム帯R及び生地Kは、下位置に復帰した押え11により
針板12との間に挾圧保持され、またゴム送り装置2の動
作は、他の各装置の動作と共に停止した状態にあり、ま
た前記可動メス16は上昇し、ミシンベッド1aの上部に突
出した状態となる。
【0075】この操作に応じて制御部 100は、ミシンモ
ータ 102及びゴム送り装置2に連続的な動作指令を発す
る。これによりゴム送り装置2からゴム帯Rが送出さ
れ、前述の如く押え11の下部にて生地Kにおいて重ね合
わされ、前送り歯13及び後送り歯13′の動作により送り
力が付与される。なおこのとき、ゴム送り装置2による
ゴム帯Rの送り速度は、前述の如く前後の送り歯13,1
3′による生地Kの送り量よりもやや小さくなってお
り、このことは、数値設定回路 104に前者を数値設定し
た後、調節装置80の前述した操作により後者を調節して
行われる。
【0076】また二回目のペダルスイッチ 101の操作に
応じて制御部 100は、生地端制御装置3の昇降シリンダ
36に連続的な動作指令を発する。この動作指令に従う昇
降シリンダ36の動作により生地端制御ローラ32が降下
し、従動ローラ34との間に生地Kを挾持して、該生地K
に前述した移動力を付与し得る状態となり、この後制御
部 100は、筒口端縁K′の送り込み経路の基準送り線C
に対するずれを解消すべく、生地端センサ6の検出結果
に基づいて生地端モータ31に動作指令を発し、生地端制
御ローラ32を正逆転駆動せしめる生地端制御動作を行
う。
【0077】図12は、生地端制御の動作内容を示すフロ
ーチャートである。制御部 100は、生地端センサ6の出
力、即ち、前述の如く配された受光部62,63の出力を所
定の時間間隔にて取込み(ステップ1)、まず、外側の
受光部62の出力X1 と所定の基準レベルXとの大小比
較、即ち、受光部62の受光結果の明暗判定を行い(ステ
ップ2)、次いで、内側の受光部63の出力X2 と基準レ
ベルXとの大小比較、即ち、受光部63の受光結果の明暗
判定を行う(ステップ3,4)。
【0078】この結果、X1 がXよりも小さくX2 がX
よりも大きい場合、即ち、受光部62が暗であり、受光部
63が明であるとの判定がなされた場合、正常な送り込み
がなされていることから、そのままの状態を保ってステ
ップ5に進む。またX1 及びX2 が共にXよりも小さい
場合、即ち、受光部62,63が共に暗であるとの判定がな
された場合、基準送り線Cに対して筒口端縁K′が内側
(ゴム帯Rとの縫い付け側)にずれていることから、生
地Kに外向きの移動力を付与すべく生地端モータ31に所
定の正転指令を発し(ステップ6)た後に、逆に、X1
及びX2 が共にXよりも大きい場合、即ち、受光部62,
63が共に明であるとの判定がなされた場合、筒口端縁
K′が外側にずれていると判定し、生地Kに内向きの移
動力を付与すべく生地端モータ31に所定の逆転指令を発
し(ステップ7)た後、夫々ステップ5に進む。以上の
ずれの判定原理は、図5において説明した通りである。
なお、ステップ6,7における生地端モータ31の正逆転
量は、試し縫いの結果に基づいて決定され、数値設定回
路 104に数値設定される。
【0079】ステップ5においては、縫い始め端センサ
7による縫い始め端Aの検出の有無を調べ、この検出が
なされていない場合、ステップ1に戻って前述した動作
を繰り返し、この検出がなされた場合、一連の生地端制
御動作を終了する。更に、ステップ2,3,4での判定
の結果、受光部62が明であり、受光部63が暗であるとの
判定がなされた場合、このような状態は通常時には起こ
り得ないことから、生地端センサ6に異常があると判定
し、このことを、警報ランプの点灯及び警報音の発生等
の適宜の警報手段により作業者に報知して(ステップ
8)、以降の動作を行うことなく生地端制御動作を終了
する。
【0080】以上の動作により、生地Kとゴム帯Rとの
縫製開始からミシンベッド1a上に縫い始め端Aが復帰す
るまでの間、生地Kの筒口端縁K′が基準送り線Cに沿
う正規の送り経路を保って針落ち位置に送り込まれるこ
とになり、ゴム送り装置2からのゴム帯Rと適正な幅だ
け重ね合わされて確実な縫い付けが実施される。
【0081】次いで制御部 100は、縫い始め端センサ7
による縫い始め端Aの検出時点から所定時間T2 の経過
を待って、補助送り装置4の補助送りモータ41及び昇降
シリンダ46に所定時間T3 だけ継続する動作指令を与
え、同時に押え上げ装置9の第2の押え上げシリンダ98
に所定時間T4 だけ継続する動作指令を与える。また前
記制御部 100は、縫い始め端Aの検出時点から所定時間
5 の間、生地端制御装置3への動作指令を継続し、そ
の後停止指令を与える。なお前記動作指令は、生地端制
御モータ31を連続的に逆転させるためのものであり、こ
れに伴う生地端制御ローラ32の逆転により生地Kは、内
側(ゴム帯Rの縫い付け側)に移動せしめられ、縫い始
め端Aと共に復帰するゴム帯Rは、生地Kの送り経路と
平行をなしてミシンベッド1a上に配された定規G(図4
参照)にその端縁を当接せしめた状態となる。更に前記
制御部 100は、縫い始め端Aの検出時点から所定時間T
6 の経過を待って、生地送り量補正装置8に所定時間T
7 だけ継続する動作指令を与え、また、同じく所定時間
8 の経過を待ってゴム送り装置2に停止指令を与え、
同時にゴムカッタ5に短時間の動作指令を与える。
【0082】最後に制御部 100は、補助送り装置4への
動作指令の終了と略同時に、ミシンモータ 102に停止指
令を与え、また、押え上げ装置9の第2の押え上げシリ
ンダ98への動作指令の終了と共に、第1の押え上げシリ
ンダ97に動作指令を与え、更にこれと略同時に、ゴム送
り装置2に短時間の動作指令を与えて一連の動作を終了
する。以上の動作における待機時間T2 ,T6 及び
8 、並びに継続時間T3,T4 ,T5 及びT7 の大小
関係は、例えば図11に示す如くであり、これらは数値設
定回路 104に運針数を媒介として数値設定されている。
【0083】縫い始め端センサ7による縫い始め端Aの
検出を起点とする以上の動作により次の効果が得られ
る。まず、待機時間T2 の経過後に補助送りローラ42が
ミシンベッド1a上に下降し、補助送りモータ41により前
述の如く回転駆動されるから、図4に示す如く縫い始め
端Aと共に復帰するゴム帯Rに、前送り歯13及び後送り
歯13′による生地Kの送りと略同等の速度での送り力が
付与され、針板11へのゴム帯Rの送り込みが相対的に遅
れる虞がなく、作業者の手によるゴム帯Rの送り補助が
不要となる。
【0084】なお補助送り装置4の動作開始までの待機
時間T2 は、縫い始め端センサ7により検出された縫い
始め端Aが補助送りローラ42の転接位置に達するまでの
所要時間を基準として、またこの動作の継続時間T
3 は、縫い始め端Aが補助送りローラ42の転接位置から
針落ち位置に達するまでの時間を基準として、前送り歯
13及び後送り歯13′による生地Kの送り量を考慮して夫
々決定される。
【0085】一方待機時間T2 の経過後に生じる第2の
押え上げシリンダ98の進出動作により、押え11は、図9
に示す如く、前方を上として傾斜した中間位置となり、
縫い始め端Aと共に送り込まれるゴム帯Rが押え11の前
縁に詰まる虞がなく、ゴム送り装置2からのゴム帯Rを
縫い始め端Aに適長縫い付けるまでの工程が、ミシン本
体1の停止及び動作速度の低下を強いることなく自動的
に行えるようになる。
【0086】また、補助送り装置4の動作開始と略同時
に生地端制御装置3は、前記T5 時間の生地端制御ロー
ラ32の逆転により生地Kに内向きの移動力を付与し、該
生地Kに縫い付けられたゴム帯Rの端縁を定規Gに当接
せしめる動作を行い、この後に与えられる停止指令に応
じて動作を停止する。これにより、生地端制御ローラ32
は、昇降シリンダ36の進出により従動ローラ34から離反
し、また生地端モータ31の停止により回転を止めて、次
なる動作指令が与えられるまで待機する。またこれと同
時に前記可動メス16は、縫い始め端Aと共に復帰するゴ
ム帯Rの移動に支障を来さないように、図示しない昇降
機構の動作により下降し、更に上下方向のストロークを
減じて動作する。
【0087】また、待機時間T8 の経過後にゴムカッタ
5が動作し、ゴム送り装置2と押え金11との間に伸長状
態を保っていたゴム帯Rが切断されるが、この直前、即
ち、縫い始め端Aの検出から待機時間T6 の経過後に、
生地送り量補正装置8の動作により生地K側の送り量が
増量されて、前記切断によるゴム帯Rの縮短に見合うだ
け生地Kのいせ込み量が増すことから、ゴム帯Rと生地
Kとの縫い付け状態の差異が、ゴム帯Rの切断前後に生
じることがなく、良好な仕上がり状態が得られる。また
生地送り量補正装置8は、前送り歯13の差動量調整のた
めの調節装置80に、調節シリンダ86、分岐レバー 81a及
びストッパねじ85を追加した簡素な構成であり、他の部
分、特に、押え11の動作に影響を及ぼすことがない。
【0088】補助送り装置4による前述した補助送り動
作は、生地送り量補正装置8の動作停止後、ミシン本体
1の動作停止と略同時に発せられる制御部 100からの停
止指令に従って終了し、補助送りローラ42は、昇降シリ
ンダ46の進出により上動し、また補助送りモータ41の停
止により回転を止め、次なる動作指令が与えられるまで
待機する。更にこの後、押え上げ装置9においては、制
御部 100からの前述した指令により第2の押え上げシリ
ンダ98の退入と同時に第1の押え上げシリンダ97が進出
し、押え11は、上位置にまで上昇してこの位置を保つ。
従って、この後に行われる縫製済みの生地K及びゴム帯
Rの取外しに支障を来すことがない。
【0089】最後にゴム送り装置2に与えられる短時間
の動作指令は、ゴムカッタ5によるゴム帯Rの切断に伴
ってゴム送り装置2の送りローラ21,22とゴムカッタ5
のカッタ部50との間のゴム帯Rもまた縮短することを考
慮し、次なる動作開始に先立ってゴム帯Rの先端を所定
位置(カッタ部50に達する位置)まで少量送り出すため
である。これにより、一回目のペダルスイッチ 101の操
作に応じたT1 時間の送り動作により、ゴム帯Rの先端
が押え11の前縁位置まで確実に達し、該ゴム帯Rと生地
Kとのセット作業が無理なく行えるようになる。
【0090】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明に係るゴム付け
用ミシンにおいては、縫い始め端センサにより針落ち位
置への縫い始め端の復帰を検出し、この検出に応じてゴ
ム帯を切断すると共に、この切断により伸長を解除され
たゴム帯に対する生地の送り速度を生地送り補正手段の
動作により相対的に増すから、ゴム帯と生地との縫い付
け状態が切断の前後において変化することがなく、更
に、前記生地送り量補正手段は、生地の種類に応じたい
せ込み量の変更のために設けてある前送り歯の調節機構
の小変更により実現できるから、簡素な構成により良好
な仕上がりでのゴム付けが可能となる。
【0091】また、縫い始め端の復帰に応じた補助送り
手段の動作により、縫い始め端に既に縫い付けられたゴ
ム帯に送りを与えるから、生地に対する遅れを解消する
ための手作業によるゴム帯の送り補助が不要であり、更
に、縫い始め端の復帰に応じた押え上げ手段の動作によ
り、押えを少量上昇させるから、押えの前縁での詰まり
を生じることなくゴム帯の重ね部分を受け入れることが
でき、手作業を必要とせず、またミシン本体の停止及び
動作速度の低下を強いることなく縫い終わり端の処理が
可能となる。
【0092】更に、縫い付け作業中、針落ち位置に送り
込まれる生地の筒口端縁の位置ずれを生地端センサによ
り検出し、この検出に応じた生地端制御手段の動作によ
り生地を送り経路と略直交する向きに移動させるから、
前記位置ずれ補正のための手作業による送り補助が不要
であり、この生地端制御手段の動作と、縫い始め端の検
出に応じた生地送り補正手段、補助送り手段及び押え上
げ手段の各動作とにより、縫い始めに際しての生地及び
ゴム帯のセット、縫い終わり後のこれらの取り外しを除
くゴム付けの全工程を略完全に自動化できる等、本発明
は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るゴム付け用ミシンの正面図であ
る。
【図2】ゴム送り装置、生地端制御装置、及び補助送り
装置の構成、及びこれらとミシンベッド上の押えとの位
置関係を示す斜視図である。
【図3】押えの近傍を拡大して示す側面図である。
【図4】生地端センサ及び縫い始め端センサの配設態様
を示す平面図である。
【図5】生地端センサによる位置ずれの検出原理の説明
図である。
【図6】補助送り装置の構成を示す側面図である。
【図7】生地送り量補正装置の構成を示す側面図であ
る。
【図8】押え上げ装置の構成を示す模式図である。
【図9】押え上げ装置の動作により生じる押えの中間位
置の説明図である。
【図10】本発明に係るゴム付け用ミシンの制御系のブ
ロック図である。
【図11】本発明に係るゴム付け用ミシンの動作内容を
示すタイムチャートである。
【図12】本発明に係るゴム付け用ミシンにおける生地
端制御の動作内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ミシン本体 1a ミシンベッド 2 ゴム送り装置 3 生地端制御装置 4 補助送り装置 5 ゴムカッタ 6 生地端センサ 7 縫い始め端センサ 8 生地送り量補正装置 9 押え上げ装置 10 針 11 押え 13 前送り歯 13′ 後送り歯 13a 枢軸 21 送りローラ 22 送りローラ 24 送りモータ 30 揺動アーム 31 生地端モータ 32 生地端制御ローラ 36 昇降シリンダ 40 揺動アーム 41 補助送りモータ 42 補助送りローラ 46 昇降シリンダ 50 カッタ部 51 カッタ駆動シリンダ 81 調節レバー 81a 分岐レバー 82 目盛り板 84 ストッパねじ 85 ストッパねじ 86 調節シリンダ 90 押え棒 91 押え上げ軸 94 押え上げレバー 97 第1の押え上げシリンダ 98 第2の押え上げシリンダ 100 制御部 101 自動スイッチ 101 ペダルスイッチ 102 ミシンモータ 104 数値設定回路 A 縫い始め端 C 基準送り線 G 定規 K 生地 R ゴム帯

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前後の送り歯の動作により、筒口を有す
    る生地をミシンベッドに沿わせて針落ち位置に送り込む
    と共に、ゴム送り装置の動作により、適宜の幅を有する
    ゴム帯をミシンベッドの上方から針落ち位置に送り込
    み、前記筒口の端縁に前記ゴム帯を重ね、押えにより挾
    圧保持して縫い付ける動作を、両者の縫い始め端が針落
    ち位置に復帰する前にゴム帯を切断し、復帰した縫い始
    め端に適長縫い付けて完了するゴム付け用ミシンにおい
    て、針落ち位置の前部に配され、所定の送り経路に対す
    る前記端縁のずれを検出する生地端センサと、前記縫い
    始め端の針落ち位置への復帰を、該縫い始め端に縫い付
    けられたゴム帯の存在を媒介として検出する縫い始め端
    センサと、該縫い始め端センサの検出がなされるまでの
    間、前記生地端センサの検出に応動し、前記ずれを解消
    すべく前記送りの方向と略直交する向きに生地を移動さ
    せる生地端制御装置と、前記縫い始め端センサの検出に
    応じて夫々の動作を開始し、前記ゴム送り装置から送出
    されるゴム帯を切断するゴムカッタと、針落ち位置への
    前記生地の送り量を所定量増量する生地送り量補正手段
    と、該生地送り量補正手段に連動し、縫い付け済みのゴ
    ム帯に送り力を付与する補助送り手段と、該補助送り手
    段により送り込まれるゴム帯を、ゴム送り装置からのゴ
    ム帯と共に受け入れるべく、前記押えを所定量上昇させ
    る押え上げ手段とを具備することを特徴とするゴム付け
    用ミシン。
  2. 【請求項2】 前記生地送り量補正手段は、後送り歯の
    送り量に対する前送り歯の送り量の調節機構を増量側に
    操作して前記送り量の増量を実現する請求項1記載のゴ
    ム付け用ミシン。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107034592A (zh) * 2016-02-04 2017-08-11 Juki株式会社 缝纫机
CN110396774A (zh) * 2019-08-19 2019-11-01 宁波申洲针织有限公司 一种自动上下摆罗纹
CN110424108A (zh) * 2019-08-26 2019-11-08 宁波舒普机电股份有限公司 一种腰绳套结机的进料校准机构
CN114575059A (zh) * 2022-01-28 2022-06-03 西安标准工业股份有限公司 一种基于plc的切带机控制方法

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