JP3656656B2 - ミシンの送り量制御装置 - Google Patents

ミシンの送り量制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、第一の布送り手段と第二の布送り手段とを備えたミシンの送り量制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、第一の布送り手段とそれとは異なる第二の布送り手段とを備えた差動送りミシンを用いて、その送り量を制御することによりいせ込み作業を行う装置としては、例えば、特公平2ー40350に開示されているものが知られていた。
【0003】
即ち、まず、第二の布送り手段について、布送りピッチとしての下送り量を設定する。また、第一の布送り手段を駆動する上送り駆動モータについて、通常上送り量、いせ込み上送り量を設定し、更に、通常上送り量により駆動する縫製区間Aといせ込み上送り量により駆動する縫製区間Cとの間をなす中間縫製区間B及びDにおける針数を設定する。図10(a)に縫製区間A,B,C,D,Aを示す。
【0004】
上記設定後、当該ミシンによれば、当初、縫製区間Aを通常上送り量にて駆動し、いせ込み指令信号の入力により、いせ込みが開始されて縫製区間Aから中間縫製区間Bに移る。このとき、中間縫製区間Bの針数に対応して上送り量の増加を行うために、一針ごとの上送り変化量を求める。次いで、この上送り変化量だけ一針ごとに上送り量を増加させていせ込みを行う。中間縫製区間Bが終了して縫製区間Cに移ると、上送り駆動モータは、いせ込み上送り量により駆動される。
【0005】
そして、縫製区間Cが終了後、いせ込み指令信号の入力により、縫製区間Cから中間縫製区間Dに移り、中間縫製区間Dの針数に対応して求めた上送り変化量だけ一針ごとに上送り量を減少させて、上送り駆動モータを駆動する。中間縫製区間Dが終了して縫製区間Aに移ると、上送り駆動モータは、通常上送り量により駆動される。
【0006】
上述のいせ込み作業を袖付縫い工程に適用したときの仕上がりを図10(b)に示す。この図から明らかなように、縫製の変わり目部分である中間縫製区間B及びDの上送り量を制御することにより、この部分に段差を生じさせることなく、きれいに仕上げることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実際の袖付縫い工程では、図10(c)に示すように、袖の肩頂上部即ち肩越しには、一時的にいせが入らない区間C’を設ける必要があり、この区間C’を縫製するために、縫製者は適宜被縫製物を引っ張って、いせが入らないように縫製していた。この被縫製物を引っ張る力やタイミングは、各縫製者によって異なったり、同一縫製者でも各縫製ごとに異なったりすることがあった。このため、縫製品の品質にバラツキが生ずるという問題があった。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、縫製品におけるいせが入らない区間の質のバラツキを解消するミシンの送り量制御装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のミシンの送り量制御装置は、図1に例示するように、
第一の布送り手段と、それとは異なる第二の布送り手段と、前記第二の布送り手段の送り量に対して前記第一の布送り手段の送り量を相対的に変化させ、いせ込み量を増減する駆動手段とを備えたミシンの送り量制御装置において、
いせ込み量を徐々に増減する縫製区間といせ込み量を固定する縫製区間とを含む複数の縫製区間に応じて設定あるいは演算された送り量に基づいて前記駆動手段を駆動することにより、前記ミシンにいせ込み作業と通常の縫製作業とを行わせる制御手段と、
前記制御手段による複数の縫製区間の内の所定の縫製区間に応じたいせ込み作業中に、いせ込み中断信号により一時的にいせ込み作業を中断して通常の縫製作業を行い、その後いせ込み再開信号により、中断された前記所定の縫製区間のいせ込み作業を再開するいせ込み一時中断手段とを備えたことを要旨とする。
【0010】
【作用】
本発明のミシンの送り量制御装置は、制御手段により駆動手段を駆動して、第二の布送り手段の送り量に対して第一の布送り手段の送り量を相対的に変化させ、ミシンにいせ込み作業と通常の縫製作業とを実行する。尚、前記いせ込み作業は、いせ込み量を徐々に増減する縫製区間といせ込み量を固定する縫製区間とを含んでいる。
【0011】
ミシンが複数の縫製区間の内の所定の縫製区間に応じたいせ込み作業を実行しているときに、いせ込み一時中断手段によりいせ込み中断信号が出力されると、駆動手段は、第一の布送り手段を第二の布送り手段の送り量と同じ送り量で駆動する。その結果、ミシンは通常の縫製作業を行う。その後、いせ込み一時中断手段によりいせ込み再開信号が出力されると、駆動手段は、制御手段により駆動される。その結果、ミシンは中断された所定の縫製区間のいせ込み作業を再開する。
【0012】
【実施例】
本発明のミシンの送り量制御装置を差動送りミシンに組み込んだ一実施例について、図面に基づいて以下に説明する。
本実施例のミシン1は、主として、ミシン本体3及びいせ込み制御ボックス5から構成されている。以下、各構成について詳述する。尚、図2は、本実施例の正面図、図3は、同じく右側面図である。
【0013】
ミシン本体3は、テーブル7の上にセットされている。ミシン本体3の右側には、図示しない上軸を駆動可能な駆動プーリ9が設けられている。この駆動プーリ9は、Vベルト11を介して、テーブル7の下に固定されたミシンモータ13の回転に同期して回転する。このミシンモータ13の回転は、踏み込みペダル15(図3参照)の踏み込み量に応じて、モータ制御ボックス17によって制御される。
【0014】
また、ミシン本体3には、上送り歯19(図2参照)の布送り機構が設けられ、またテーブル7内部には、下送り歯21(図2参照)の布送り機構が設けられている。上送り歯19の布送り機構は、後述のパルスモータ31により上送り量調節軸35を介して、上送り歯19の送り量を調節可能である。一方、下送り歯21の布送り機構は、後述の下送り量調節ダイヤル23の設定値に下送り量が固定される。尚、両布送り機構は、例えば、特公平2−25638号公報に示されているように周知のものであるため、その詳細については説明を省略する。
【0015】
また、ミシン本体3には、下送り量を設定するための下送り量調節ダイヤル23が設けられている。この下送り量調節ダイヤル23には、このダイヤル23の回動に連動するレバー軸25が取り付けられている。また、このレバー軸25は、ポテンショメータ用のレバー板27a及びレバー27bを介してポテンショメータ29に連結されている。従って、ポテンショメータ29の出力電圧は、下送り量調節ダイヤル23の回転に応じて変化する。
【0016】
更に、ミシン本体3の上部背面には、上送り量を変更設定するパルスモータ31が設けられている。このパルスモータ31は、パルスモータ用レバー33を介して上送り量調節軸35に連結されおり、上送り量を調節することができる。また、図2に示すように、このパルスモータ31の回転軸には原点レバー37が連結されており、原点スイッチ39をオンして原点位置を出力する。
【0017】
ミシン本体3の上部には、操作パネル41が設けられ、また、図2に示すように、ミシン本体3の左側面には、いせ込みスイッチ43が設けられている。更に、テーブル7の下には、いせ込み中断スイッチ45が設けられている。これらは、各々テーブル7の下のいせ込み制御ボックス5に結線されている。
【0018】
いせ込みスイッチ43及びいせ込み中断スイッチ45は、共に自動復帰型のスイッチであり、スイッチを押したときに指令信号を発するものである。
操作パネル41には、図4に示すように、通常上送り量を表示する通常上送り量表示器47、いせ込み時の上送り量を表示するいせ込み上送り量表示器49、下送り量調節ダイヤル23によって設定された送り量を表示する下送り量表示器51、及び後述の切替スイッチにより設定されている縫製区間の区間長を表示する区間長表示器53が設けられている。また、通常上送り量のアップ・ダウンを行う増減スイッチ47a、いせ込み上送り量のアップ・ダウンを行う増減スイッチ49a、縫製区間長のアップ・ダウンを行う増減スイッチ53aが設けられている。
【0019】
更に、縫製区間の切り替えを行う切替スイッチ55、現在縫製中の縫製区間名及び各縫製区間の送り量を表すグラフを表示する縫製区間表示器57が設けられている。インジケータ57a,57b,57c,57dは、現在の縫製区間が、それぞれ縫製区間A,B,C,Dであることを示すものである。このインジケータ57a,57b,57c,57dは、切替スイッチ55をオンするごとに、順次点灯する。また、このインジケータ57a,57b,57c,57dの点灯箇所により、区間長表示器53がどの縫製区間の区間長を表示しているかを示す。従って、縫製区間A,B,C,Dの区間長は、切替スイッチ55と増減スイッチ53aとを併用することにより、各個別に設定することができる。
【0020】
次に、いせ込み制御ボックス5に設けられた制御回路60について、図5に基づいて説明する。図5は、本実施例の回路構成を概略的に表すブロック図である。
制御回路60には、外部機器として、上述の操作パネル41、いせ込みスイッチ43、いせ込み中断スイッチ45の他、モータドライバ61を介して上送り量を調節するパルスモータ31、そのパルスモータ31の原点を検出する原点スイッチ39、A/Dコンバータ63を介して下送り量を検出する上述のポテンショメータ29、及びミシン上軸に同期したパルス列を出力するエンコーダ65を基にミシンモータ13を駆動するモータ制御ボックス17が接続されている。尚、ミシン1は、エンコーダ65が24パルス出力するごとに一針縫製するように設定されている。
【0021】
制御回路60は、上記外部機器との信号の入出力を行うI/Oインターフェイス67、各種演算処理が行われるセントラルプロセシングユニット(CPU)69、後述するいせ込み処理に用いられるプログラムが記憶されたリードオンリメモリ71(ROM)、各種データが一時的に記憶されるランダムアクセスメモリ73(RAM)、各種データが永久的に記憶されるエレクトリカリイレース・リードオンリメモリ75(EEROM)を主要部とする周知の電子制御回路である。
【0022】
次に、本実施例のいせ込み処理の動作について、図6及び図7のフローチャートに基づいて説明する。
尚、以下には、動作の理解がしやすいように、各設定値を下記表1に示す数値に設定したとして説明する。また、送り量は、一針当りに布が送られる量を表すものとする。更に、表1には略号も付記した。
【0023】
【表1】
Figure 0003656656
【0024】
いせ込み処理は、電源を投入することにより開始され、まず、パルスモータ31が原点にあるかどうかを判断する(S101)。原点にあれば(S101で「YES」)、20パルス正転し(S102)、その後、S104に進む。ここで、正転とは上送り増加方向をいう。一方、原点になければ(S102で「NO」)、10パルス正転し(S103)、その後、S104に進む。S104では、パルスモータ31を1パルスずつ逆転する。逆転を継続中に原点スイッチ39がオンされたか否かを判断し(S105)、オンされていなければ(S105で「NO」)、再びS104に戻る。オンされたならば(S105で「YES」)、その時点でパルスモータ31の回転を止め、パルスモータカウンタをクリアする(S106)。
【0025】
次に、上送り量に、通常上送り量を0.1mmを1単位としてセットする(S107)。本実施例では、通常上送り量は2.0mmであるので、「20」としてセットされる。そして、いせ込み中断スイッチ45がオンされたか否かを判断する(S108)。尚、いせ込み中断スイッチ45がオンされた場合(S108で「YES」)については、後述するとして、ここでは、オンされていない場合(S108で「NO」)について説明する。
【0026】
いせ込み中断スイッチ45がオンされていなければ(S108で「NO」)、続いて、いせ込みスイッチ43がオンされたか否かを判断する(S109)。
いせ込みスイッチ43がオンされていなければ(S109で「NO」)、再びS108に戻る。従って、いせ込みスイッチ43がオンされるまでは、踏み込みペダル15による通常の縫製が行われる。ここで、通常の縫製とは、上送り歯19を通常上送り量、ここでは2.0mmにて駆動する縫製をいう。
【0027】
一方、いせ込みスイッチ43がオンされたならば(S109で「YES」)、現在の縫製区間が縫製区間A又はCであるか否かを判断し(S110)、縫製区間A又はCでなければ(S110で「NO」)、再びS108に戻る。縫製区間A又はCであれば(S110で「YES」)、S111に進む。
【0028】
そして、S110で縫製区間Aであれば区間長ダウンカウンタに縫製区間Bの区間長をセットし、S110で縫製区間Cであれば縫製区間Dの区間長をセットする(S111)。尚、区間長ダウンカウンタにセットされる区間長の単位は0.1mmを1とする。本実施例では、縫製区間Bの区間長は1.0cmであるので、カウンタ数は「100」としてセットされる。
【0029】
この後、次処理からループ処理を実行する。このループ処理は、区間長ダウンカウンタ数が0になるまで繰り返される。
まず、下送り量をDNSとして読み込みメモリに格納する(S201)。このときのDNSの単位は0.1mmを1とする。本実施例では、下送り量は2.0mmであるので、DNSは「20」として格納される。次いで、エンコーダ65によるパルス入力数が12パルスの倍数(12n,nは整数)であるか否かを判断し(S202)、パルス入力数が12nでなければ(S202で「NO」)、再びS201に戻る。パルス入力数が12nならば(S202で「YES」)、区間長ダウンカウンタ数からDNS/2ずつ減算した値を新たに区間長ダウンカウンタ数とする(S203)。本実施例では、DNS/2は「10」となる。
【0030】
次に、この区間長ダウンカウンタ数の値に従って、パルスモータ31への指示パルス数を演算する。即ち、まず、通常上送り量といせ込み上送り量との大小関係を判別し(S204)、いせ込み上送り量の方が大きければ(S204で「YES」)、続いて、縫製区間Bであるか否かを判断する(S205)。ここで、縫製区間Bと判断したならば(S205で「YES」)、パルスモータの回転を上送り増加方向にセットするために回転方向フラグCW_CCWに「1」を入れ、下記式(1)によりパルスモータへの指示パルス数を計算する(S206)。尚、本実施例では、通常上送り量が2.0mm、いせ込み上送り量が4.2mmであるため、S204で「YES」、S205で「YES」となりS206で下記式(1)により指示パルス数が計算されることになる。また、パルスモータの1パルスは、送り量0.05mmに相当する。
【0031】
【数1】
Figure 0003656656
【0032】
PM_PLS :パルスモータへの指示パルス数PM_TCNT:パルスモータカウンタ数UPS :通常上送り量GAS :いせ込み上送り量SEC_INI:縫製区間の区間長SEC_CNT:区間長ダウンカウンタ数INT :整数補正関数(UPS,GAS,SEC_INI,SEC_CNTの数値は、0.1mmを1として表示)
一方、S205において縫製区間Bでないと判断したならば(S205で「NO」)、パルスモータ31の回転を上送り減少方向にセットするために回転方向フラグCW_CCWに「0」を入れ、下記式(2)によりパルスモータへの指示パルス数を計算する(S207)。
【0033】
【数2】
Figure 0003656656
【0034】
尚、通常上送り量がいせ込み上送り量より大きい場合(S204で「NO」)については、ここでは例示しないが、S206〜S207に準ずる手順によりパルスモータ31の回転方向の設定及び指示パルス数の算出を実行する(S208)。
【0035】
次に、こうして演算された指示パルス数が「0」であるか否かを判断し(S209)、指示パルス数が「0」の場合には(S209で「YES」)、パルスモータ31に指令することなくS211に進む。一方、指示パルス数が「0」でない場合には(S209で「NO」)、パルスモータ31に対して指示パルス数分の回転指令を出す。
【0036】
そして、区間長ダウンカウンタ数が「0」になるまで、S201〜S210の処理を繰り返す(S211)。
縫製区間Bにおいて、この一連のループ処理S201〜S211により演算した結果を随時表記したものが表2である。
【0037】
【表2】
Figure 0003656656
【0038】
縫製区間Bが終了して縫製区間Cに移ると、再びS108に戻る。このとき、パルスモータ31は、いせ込み上送り量に駆動されている。
ここで、いせ込み中断スイッチ45がオンされなければ(S108で「NO」)、縫製区間Cにおいては、S108→S109(→S110)→S108…という処理が行われることになる。
【0039】
一方、いせ込み中断スイッチ45がオンされると(S108で「YES」)、現在の縫製区間が縫製区間Cか否かを判断する(S301)。縫製区間Cでないならば(S301で「NO」)、再びS108に戻る。縫製区間Cならば(S301で「YES」)、上送り量が通常上送り量であるか否かを判断する(S302)。上送り量が通常上送り量でなければ(S302で「NO」)、上送り量を通常上送り量に変更し(S303)、その後S108に戻る。一方、上送り量が通常上送り量であれば(S302で「YES」)、上送り量をいせ込み上送り量に変更し(S304)、その後S108に戻る。
【0040】
このいせ込み中断処理によれば、縫製区間Cにおいていせ込み中断スイッチ45をオンすると、いせ込み作業が一時中断され、通常の縫製作業が行われることになる。即ち、いせ込み作業中にいせ込み中断スイッチ45をオンすると、上送り量が通常上送り量に変更され(S303)、その後いせ込み中断スイッチ45を再びオンしないと、上送り量は通常上送り量のままとなり(S108で「NO」)通常の縫製作業が行われ、いせ込み中断スイッチ45を再びオンすると、いせ込み作業が再開される(S304)。この処理は、例えば、袖付縫い工程において、頂上部だけ、いせを入れず、他の部分はいせ込みを行うといった作業を行う場合等に有用である。
【0041】
次に、縫製区間Cが終了する時点でいせ込みスイッチ43をオンすると(S109で「YES」)、S110で「YES」と判断され、縫製区間Dに移行する。続いて、S111にて区間長ダウンカウンタ数に縫製区間Dの区間長をセットする。本実施例では、縫製区間Dの区間長は1.0cmであるので、区間長ダウンカウンタ数は「100」としてセットされる。そして、前述したように、ループ処理S201〜S211を行う。
【0042】
このようにして、縫製区間A,B,C,Dの1サイクルのいせ込み処理が終了する。
図9(a)には、縫製区間Cにおいて区間C’だけいせ込み中断処理を行ったときの送り量と縫製区間との関係を表すグラフを示す。このグラフに基づいて袖付縫い工程におけるいせ込み作業を実行した場合、図10(c)の袖付部を得ることができる。
【0043】
尚、上記実施例では縫製区間Cが所定の縫製区間に相当し、この区間においてのみいせ込み中断処理を行っているが、縫製区間B,Dにおいても、いせ込み中断処理を行うようにプログラムを設定することもできる。例えば、図8に示すように、図7のフローチャートのS111とS201の間に、いせ込み中断スイッチ45がオンされたか否かを判断するステップを設ける(S401)。いせ込み中断スイッチ45がオンされていないならば(S401で「NO」)、S201に進む。一方、いせ込み中断スイッチ45がオンされたならば(S401で「YES」)、次いで、一時中断フラグOFF_F が「1」であるか否かを判断する(S402)。ここで、一時中断フラグOFF_F が「1」とは、いせ込み作業が一時中断されていることを示す。一時中断フラグOFF_F が「1」ならば(S402で「YES」)、一時中断フラグOFF_F を「0」とし(S403)、S406に進む。一方、一時中断フラグOFF_F が「0」ならば(S402で「NO」)、上送り量を通常上送り量に変更し(S404)、一時中断フラグOFF_F を「1」とし(S405)、S401に戻る。その後、いせ込み中断スイッチ45が再びオンされるまで、S401→S201〜S203→S406→S211→S401…の処理が繰り返し行われる。そして、いせ込み中断スイッチ45が再びオンされると(S401で「YES」)、S402で「YES」と判断され、S403で一時中断フラグをリセットし、その後S406で「NO」と判断され、S204〜S211の処理が行われる。そして、区間長ダウンカウンタ数が「0」となったとき(S211で「YES」)、一時中断フラグOFF_F をリセットし(S407)、その後S108に戻る。
【0044】
尚、縫製区間B,Dにおいていせ込み中断スイッチ45がオンされない限り、S401→S201〜S203→S406→S204〜S211→S401のループ処理が行われる。
図9(b)には、一例として、縫製区間Bにおいて区間B’だけいせ込み中断処理を行ったときの送り量と縫製区間との関係を表すグラフを示した。
【0045】
以上詳述した本実施例の効果について、以下に述べる。
本実施例では、いせ込み中断スイッチ45のオン操作により、縫製区間C又は縫製区間B,Dにおいて一時的にいせ込み作業を中断し、通常の縫製作業をした後、再びいせ込み作業を再開することができる。即ち、熟練を要することなく容易にいせ込みの一時中断が実施できる。また、いせが入らない区間を容易に再現することができる。従って、縫製品におけるいせが入らない区間の質のバラツキを解消することができる。
【0046】
ここで、本実施例の構成要素と本発明の構成要素との対応関係について説明する。本実施例の上送り歯19の布送り機構が第一の布送り手段に、下送り歯21の布送り機構が第二の布送り手段に、パルスモータ31が駆動手段に相当する。
また、本実施例の制御回路60が制御手段に相当し、図6のフローチャートにおけるS107〜S110、及び図7のフローチャートにおけるS201〜S211が制御手段の処理に相当する。
【0047】
また、本実施例のいせ込み中断スイッチ45がいせ込み一時中断手段に相当し、図6のフローチャートにおけるS108及びS301〜S304がいせ込み一時中断手段の処理に相当する。一方、他の実施例として例示した図8のフローチャートにおけるS401〜S406も、いせ込み一時中断手段の処理に相当する。
【0048】
更に、いせ込み中断スイッチ45をオンしたときの出力がいせ込み中断信号に相当し、再度オンしたときの出力がいせ込み再開信号に相当する。
尚、本発明は上記実施例になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
【0049】
上記実施例では、布送り手段として、送り歯による布送り機構を採用したが、他の機構を用いてもよい。例えば、布案内板を駆動して布を送る手段、回転ローラにより布を送る手段等、差動送り可能なミシンであればよい。
また、上記実施例では、縫製区間C又はB,Dにていせ込み中断スイッチ45をオンすると、一時的にいせ込み作業を中断し通常の縫製作業を行い、その後いせ込み中断スイッチ45を再度オンすると、いせ込み作業を再開するようにプログラムを設定したが、他のプログラムを用いてもよい。
【0050】
例えば、縫製区間Cにおいて、いせ込み作業を中断する区間の開始位置及びその区間長を設定しておき、この開始位置に達するといせ込み中断信号を出力し、その後当該区間長を経過するといせ込み再開信号を出力するようにプログラムを設定してもよい。また、いせ込み再開信号の出力のタイミングを、区間長によらずタイマにより制御してもよい。このとき、いせ込み中断スイッチ45は不要である。
【0051】
また、上記実施例では、縫製区間B,Dの送り量は、いせ込み送り量と通常送り量との差、及びこれらの区間長に基づいて制御したが、例えば、区間長に代えて、これらの区間の針数を設定し、その針数に基づいて制御してもよい。
また、上記実施例では、ミシン本体3といせ込み制御ボックス5をミシン1に一体化して構成したが、ミシン本体3といせ込み制御ボックス5とを切り離し、例えば、ミシン本体3のいせ込み制御を外部装置としてのコンピュータを利用して行ってもよい。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明のミシンの送り量制御装置によれば、熟練を要することなく容易にいせ込みの一時中断が実施でき、しかもいせが入らない区間を容易に再現することができる。従って、縫製品におけるいせが入らない区間の質のバラツキを解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成を例示するブロック図である。
【図2】 本実施例の正面図である。
【図3】 本実施例の右側面図である。
【図4】 本実施例の操作パネルの説明図である。
【図5】 本実施例の回路構成を概略的に表すブロック図である。
【図6】 本実施例の処理を表すフローチャートである。
【図7】 本実施例の処理を表すフローチャートである。
【図8】 縫製区間B,Dにおけるいせ込み中断処理を表すフローチャートである。
【図9】 各縫製区間における送り量を表すグラフであり、(a)は縫製区間Cにていせ込み中断処理を行ったもの、(b)は縫製区間Bにていせ込み中断処理を行ったものである。
【図10】 従来のミシンの送り制御装置の制御の説明図であり、(a)は袖付縫いにおける各縫製区間を表す説明図であり、(b)は袖付部の略断面図であり、(c)は一部いせを入れていない袖付部の略断面図である。
【符号の説明】
1・・・ミシン
3・・・ミシン本体
5・・・いせ込み制御ボックス
13・・・ミシンモータ
19・・・上送り歯
21・・・下送り歯
23・・・下送り量調節ダイヤル
29・・・ポテンショメータ
31・・・パルスモータ
35・・・上送り量調節軸
41・・・操作パネル
43・・・いせ込みスイッチ
45・・・いせ込み中断スイッチ
53・・・区間長表示器
60・・・制御回路

Claims (1)

  1. 第一の布送り手段と、それとは異なる第二の布送り手段と、前記第二の布送り手段の送り量に対して前記第一の布送り手段の送り量を相対的に変化させ、いせ込み量を増減する駆動手段とを備えたミシンの送り量制御装置において、
    いせ込み量を徐々に増減する縫製区間といせ込み量を固定する縫製区間とを含む複数の縫製区間に応じて設定あるいは演算された送り量に基づいて前記駆動手段を駆動することにより、前記ミシンにいせ込み作業と通常の縫製作業とを行わせる制御手段と、
    前記制御手段による複数の縫製区間の内の所定の縫製区間に応じたいせ込み作業中に、いせ込み中断信号により一時的にいせ込み作業を中断して通常の縫製作業を行い、その後いせ込み再開信号により、中断された前記所定の縫製区間のいせ込み作業を再開するいせ込み一時中断手段とを備えたことを特徴とするミシンの送り量制御装置。
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