JP2024072304A - ミシン、ミシンの縫製パラメータの設定装置、ミシンの縫製パラメータの設定方法及びプログラム - Google Patents

ミシン、ミシンの縫製パラメータの設定装置、ミシンの縫製パラメータの設定方法及びプログラム Download PDF

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Figure 2024072304000001
【課題】ミシンの縫製パラメータの設定を容易に行う。
【解決手段】ミシンの縫製パラメータの設定画面を表示する表示装置961と、入力操作によって縫製パラメータの設定値を入力する入力手段962と、表示装置に、上側被縫製物と下側被縫製物のそれぞれの縫製後の状態を示す図柄U,Dを表示させると共に、縫製パラメータの設定値に応じて、上側被縫製物と下側被縫製物のそれぞれの図柄U,Dの形態を変化させる表示処理部91と、縫製に関係する所定の動作を行うアクチュエータ15,16,25,26,31,32,73,と、縫製パラメータの設定値に従ってアクチュエータの動作制御を行う動作制御部91とを備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、ミシン、ミシンの縫製パラメータの設定装置、ミシンの縫製パラメータの設定方法及びプログラムに関する。
従来のミシンは、縫製において設定すべき各種の縫製パラメータの設定がアクチュエータの動作量を示す数値入力によって行われていた(例えば特許文献1参照)。
特開平7-289760号公報
しかしながら、上記従来の縫製パラメータの設定方法は、設定による仕上がりが想像しにくく、適正な縫製パラメータの設定には熟練の経験が必要となっていた。
本発明は、縫製パラメータの設定の容易化をその目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、ミシンにおいて、
ミシンの縫製パラメータの設定画面を表示する表示装置と、
入力操作によって前記縫製パラメータの設定値を入力する入力手段と、
前記表示装置に、上側被縫製物と下側被縫製物のそれぞれの縫製後の状態を示す図柄を表示させると共に、前記縫製パラメータの設定値に応じて、前記上側被縫製物と前記下側被縫製物のそれぞれの前記図柄の形態を変化させる表示処理部と、
縫製に関係する所定の動作を行うアクチュエータと、
前記縫製パラメータの設定値に従って前記アクチュエータの動作制御を行う動作制御部と、
を備えることを特徴とする。
また、ミシンにおいて、
入力操作によってミシンの縫製パラメータの設定値を入力する入力手段と、
縫製に関係する所定の動作を行う複数のアクチュエータと、
前記縫製パラメータの設定値に従って前記複数のアクチュエータの動作制御を行う動作制御部と、
前記縫製パラメータの設定値は、二つの動作量の相対値であり、当該相対値に基づいて前記二つの動作量を求め、さらに、当該二つの動作量を実現する前記複数のアクチュエータのそれぞれの動作量を求める取得処理部と、
を備え、
前記動作制御部は、前記取得処理部が取得したそれぞれの前記動作量に基づいて前記複数のアクチュエータを制御することを特徴とする。
また、ミシンの縫製パラメータの設定装置において、
ミシンの縫製パラメータの設定画面を表示する表示装置と、
入力操作によって前記縫製パラメータの設定値を入力する入力手段と、
前記表示装置に、上側被縫製物と下側被縫製物のそれぞれの縫製後の状態を示す図柄を表示させると共に、前記縫製パラメータの設定値に応じて、前記上側被縫製物と前記下側被縫製物のそれぞれの前記図柄の形態を変化させる表示処理部と、
を備えることを特徴とする。
また、ミシンの縫製パラメータの設定方法において、
入力操作によってミシンの縫製パラメータの設定値の入力を受ける工程と
ミシンの縫製パラメータの設定画面を表示する表示装置に、上側被縫製物と下側被縫製物のそれぞれの縫製後の状態を示す図柄を表示させると共に、前記縫製パラメータの設定値に応じて、前記上側被縫製物と前記下側被縫製物のそれぞれの前記図柄の形態を変化させる工程と、
を備えることを特徴とする。
また、プログラムにおいて、
コンピューターを、
入力手段からの入力操作によってミシンの縫製パラメータの設定値の入力を受ける設定取得手段、
ミシンの縫製パラメータの設定画面を表示する表示装置に、上側被縫製物と下側被縫製物のそれぞれの縫製後の状態を示す図柄を表示させると共に、前記縫製パラメータの設定値に応じて、前記上側被縫製物と前記下側被縫製物のそれぞれの前記図柄の形態を変化させる表示処理部、
として機能させる。
本発明は、縫製パラメータの設定の容易化を図ることが可能となる。
発明の実施形態であるミシンの制御系を示す機能ブロック図である。 操作入力部の表示部に表示される入力画面の表示例を示す説明図である。 図3(A)~図3(G)は図2の入力画面に表示される上布及び下布の図柄の一例を示す説明図である。 操作入力部の表示部に表示される他の入力画面の表示例を示す説明図である。 操作入力部の表示部に表示される入力画面の他の例を示す説明図である。
[実施形態の概略構成]
以下、本発明の実施形態であるミシンについて詳細に説明する。
図1はミシン100の制御系を示す機能ブロック図である。
以下、被縫製物の送り方向下流側を「前」、送り方向上流側を「後」、前を向いた状態で左手側を「左」、右手側を「右」、鉛直上方を「上」、鉛直下方を「下」とする。前後方向、左右方向、上下方向は、互いに直交する。
以下の説明では、ミシン100は水平面に設置されている前提であり、前後方向と左右方向は、水平となる。
本発明の実施形態であるミシン100として、いわゆる本縫いミシンを例示する。また、ミシン100は、上側被縫製物としての上布と下側被縫製物としての下布とを重ねて縫い合わせることができる。
さらに、ミシン100は、上布に対して針落ち位置の左右両側からの送り量に差を設けることができる。
また、ミシン100は、下布に対して針落ち位置の左右両側からの送り量に差を設ける状態と針落ち位置の前後両側からの送り量に差を設ける状態とを手動で切り替えることができる。
さらに、ミシン100は、上布の送り量と下布の送り量に差を設けることができる。
即ち、ミシン100は、差動送りミシンでもある。
ミシン100は、ミシンフレーム、針上下動機構、下送り機構20、上送り機構30、布押さえ機構、釜機構、糸調子装置、天秤機構、制御装置90を備えている。
なお、上記ミシン100について、一般的な本縫いミシンが備える構成については図示を省略し、詳細な説明は省略する。
針上下動機構は、下端部で縫い針を保持する針棒に往復上下動を付与する。
針上下動機構は、ミシンモータ16を駆動源として上軸の回転駆動を行い、ミシンモータ16のトルクを上下の往復動作に変換して針棒に付与する。
また、ミシンモータ16には、その回転数(回転速度)を検出するエンコーダ161が併設されており、検出された回転数は制御装置90に入力される。ミシンモータ16は、例えば、回転数(回転速度)が制御可能なモータ(直流モータ、交流モータ、サーボモータ等)が使用される。
釜機構は、針板の下側に設けられた釜、例えば、垂直全回転釜を有する。なお、釜の種類は、上記に限定されず、半回転釜や水平釜でもよい。
釜機構は、針上下動機構と同様に、ミシンモータ16を駆動源とし、縫い針の上下動数(上軸回転数)の二倍速で回転する。釜機構の釜は、針板の下側で縫い針から上糸を捕捉してループを形成し、当該ループに下糸を挿通させて上糸と下糸とを絡める。
糸調子装置は、ミシンフレームの後面側に設けられ、上糸を挟持する一対の糸調子皿と、一対の糸調子皿の挟持圧を任意に調節可能な糸調子ソレノイド15とを備えている。
糸調子ソレノイド15は、一方の糸調子皿を挟持方向に任意に移動させることができ、当該糸調子皿の位置制御を行って任意に挟持圧を調節し、縫製時の上糸の糸張力の調整を行う。
天秤機構は、針棒近傍におけるミシンフレームの後面上部において、ミシンモータ16を駆動源として、縫い針と同期して上下に揺動する天秤を有する。天秤は、縫い針よりも上流側(上糸供給源側)で上糸が挿通され、縫い針よりも遅れたタイミングで上昇して上糸を引き上げ、釜によって絡められた上糸と下糸を締結して結節を形成させる。
布押さえ機構は、針板上方で昇降可能に支持された押さえ足と、上布及び下布に対する押さえ圧を調節する押さえモータ73とを備える。さらに、布押さえ機構には、ミシンモータ16を駆動源として押さえ足を縫い針と同期して上下動させる押さえ上下動機構を追加してもよい。
押さえ足は、針板の針穴の周囲において、上布及び下布を上方から押さえることができる。
押さえモータ73は、回転量(回転角度)を任意に制御可能なモータ、例えば、ステッピングモータ等からなる。これにより、押さえ足の高さを任意に調節することができる。押さえ足は、押さえバネを介して押さえ上下動機構に支持されている。
針板上の上布及び下布の重ね合わせ高さは、高さセンサ762により検出可能である。高さセンサ762により検出された上布及び下布の重ね合わせ高さに対して、押さえモータ73によって、押さえ足の高さがより低位置となるように制御すると、押さえ足の押し込み量に応じた押さえ圧を付与することができる。
従って、押さえモータ73は、高さセンサ762により検出された上布及び下布の重ね合わせ高さに対して、設定された押さえ圧が生じる高さとなるように押さえ足の高さを調節することで押さえ圧を任意に調節することができる。
なお、布押さえ機構に押さえ上下動機構を追加する場合には、押さえ足の上下動動作も、押さえモータ73の駆動により行ってもよい。
また、押さえ足には、針落ち位置の左右両側で上布に当接する左右の送りベルトが掛け渡されるベルト送りローラが左右両側に回転可能に設けられている。
押さえ足は、左右のベルト送りローラのそれぞれに掛け渡された左右の送りベルトにより、上布に対する前方へ(又は後方)の送り動作を付与することができる。
上送り機構30は、前述したように、押さえ足の左右のベルト送りローラにより針落ち位置の左右両側で上布に当接する左送りベルト及び右送りベルトを有する。さらに、上送り機構30は、左右の送りベルトに対して、個別に搬送力を付与する左送りモータ31及び右送りモータ32を有する。
左送りモータ31及び右送りモータ32は、いずれも、回転量(回転角度)を任意に制御可能なモータ、例えば、ステッピングモータ等からなる。これにより、左送りベルトと右送りベルトは、左送りモータ31及び右送りモータ32によりそれぞれ個別に搬送量を制御することができ、上布に対する左右の差動送りを行うことが可能である。
従って、上送り機構30は、上布に対して、右側よりも左側の送り量を多くして右側に旋回する送り(右送り)や左側よりも右側の送り量を多くして左側に旋回する送り(左送り)を行うことが可能である。
下送り機構20は、針板上の下布に対して下から当接する左前ベルト、右前ベルト、左後ベルト、右後ベルトと、これらの各ベルトに搬送力を付与する第1モータ25及び第2モータ26とを有する。
第1モータ25及び第2モータ26は、いずれも、回転量(回転角度)を任意に制御可能なモータ、例えば、ステッピングモータ等からなる。
針板の針穴に対する左前側、右前側、左後側、右後側には、それぞれ開口部が形成されている。そして、各開口部からは、左前ベルト、右前ベルト、左後ベルト、右後ベルトが個別に露出しており、下布に対して下から当接し、前方(又は後方)への送りを可能としている。
下送り機構20は、第1モータ25より回転駆動が行われるベルトプーリと第2モータ26により回転駆動が行われるベルトプーリとを有する。左前ベルト、右前ベルト、左後ベルト、右後ベルトは、いずれも、各ベルトプーリのいずれか一方を選択して掛け渡すことができるように構成されている。なお、各ベルトプーリを選択してそれぞれのベルトを掛け渡す作業は、例えば、手作業によって行われる。
従って、一方のベルトプーリ(例えば、第1モータ25側)に左前ベルト及び左後ベルトを掛け渡し、他方のベルトプーリ(例えば、第2モータ26側)に右前ベルト及び右後ベルトを掛け渡す。そして、第1モータ25と第2モータ26とで速度差を設けて駆動を行うと、下布に対して左右の差動送りを行うことができる。
また、一方のベルトプーリ(例えば、第1モータ25側)に左前ベルト及び右前ベルトを掛け渡し、他方のベルトプーリ(例えば、第2モータ26側)に左後ベルト及び右後ベルトを掛け渡す。そして、第1モータ25と第2モータ26とで速度差を設けて駆動を行うと、下布に対して前後の差動送りを行うことができる。
このように、手作業による切り替え作業が必要となるが、下布に対しては、左右の差動送りと前後の差動送りとを選択的に行うことができる。
なお、下送り機構20は、二つのモータ25,26により左右の差動送りと前後の差動送りとを選択的に行うことを可能としているがこれに限定されない。
例えば、左前ベルト、右前ベルト、左後ベルト、右後ベルトのそれぞれを個別に搬送する四つのモータを備え、各ベルトごとに送り量を個別に変更可能としてもよい。その場合、左右の差動送りと前後の差動送りとを切り替える作業を不要とし、左右の差動送りと前後の差動送りとを同時に実施することも可能となる。
また、前述した上送り機構30も、押さえ足における針落ち位置の左前側と右前側と左後側と右後側とにベルト送りローラを装備し、左前ベルト、右前ベルト、左後ベルト、右後ベルトを個別に掛け渡してもよい。そして、下送り機構20と同様に、左前ベルト、右前ベルト、左後ベルト、右後ベルトのそれぞれを個別に搬送する四つのモータを備え、各ベルトごとに送り量を個別に変更可能としてもよい。
[ミシンの制御系]
図1のように、ミシン100は、各構成の動作制御を行う制御装置90を備えている。
制御装置90は、CPU91、ROM92、RAM93、EEPROM94(登録商標)を備え、後述する各種の動作制御を実行する。
ROM92には、後述する各種の制御を行うためのプログラムが格納されている。
また、EEPROM94には、各種の設定データや他のプログラム等が記憶されている。なお、上記各種の設定データ、プログラムは、EEPROMに限らず、フラッシュメモリー、EPROM、HDD(hard disk drive)又はSSD(solid state drive)等の不揮発性の記憶装置に記憶しても良い。
CPU91には、アクチュエータとしてのミシンモータ16、押さえモータ73、第1モータ25、第2モータ26、左送りモータ31、右送りモータ32が各々のモータ駆動回路16a,73a,25a,26a,31a,32aを介して接続されている。
また、ミシンモータ16、押さえモータ73、第1モータ25及び第2モータ26、左送りモータ31、右送りモータ32には、その回転数を検出するエンコーダ161,732,251,261,311,321が併設されている。これらのエンコーダ161,732,251,261,311,321もモータ駆動回路16a,73a,25a,26a,31a,32aを介してCPU91に接続されている。
また、アクチュエータとしての糸調子ソレノイド15は、駆動回路15aを介してCPU91に接続されている。
CPU91は、後述する縫製パラメータに従って上記各アクチュエータの動作制御を行う動作制御部として機能する。
前述した押さえ足の高さを検出する高さセンサ762は、インターフェイス762aを介してCPU91に接続されている。
また、CPU91には、踏み込み操作により縫製の開始及び停止、踏み込み操作量に応じて縫製速度の増減操作等を入力するペダル95がインターフェイス95aを介して接続されている。
また、CPU91には、インターフェイス96aを介して操作入力部96が接続されている。
操作入力部96は、表示装置としての表示部961と当該表示部961の表示面に対する指又は入力ペンの接触又は接近位置を検出する検出装置としての検出部962とを備えている。
表示部961は、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、無機ELディスプレイなどの表示パネルを有し、当該表示パネルの表示画面上に各種表示情報を表示する。
検出部962は、表示部961の表面に設けられ、指又は入力ペンの接触又は接近位置を検出する透明のセンサである。当該センサは、感圧式、静電容量方式、電磁誘導方式等、いずれの方式であってもよい。
表示部961は、CPU91の制御により、その表示面に対する指又は入力ペンの接触又は接近によって各種の入力を行うための専用の入力画面を表示する。そして、検出部962が専用の入力画面に対する指又は入力ペンの接触又は接近位置を検出することで、CPU91は、入力の内容を認識することができる。
従って、検出部962は、入力手段として機能し、CPU91は、設定取得手段として機能する。
[ミシンの縫製パラメータの設定装置]
上記操作入力部96は、制御装置90との協働により、ミシンの縫製パラメータの設定装置として機能する。以下、ミシンの縫製パラメータの設定装置としての機能について詳細に説明する。
なお、ミシンの縫製パラメータの設定装置としての機能は、制御装置90のCPU91がROM92に格納された所定のプログラムを実行することにより実現する。
ミシン100における縫製パラメータは、「縫製速度」、「縫いピッチ」、「押さえ圧」、「上糸の糸張力」、「縫い糸(上糸及び下糸)の種別」、「被縫製物の種別」等が挙げられる。
さらに、ミシン100は、差動送りミシンである。このため、「上送り機構30の差動量」、「下送り機構20の差動送りの前後と左右の選択」、「下送り機構20の差動量」、「上送り機構30と下送り機構20の差動量」も縫製パラメータに含まれる。
「縫製速度」は、固定速度で縫製を行う場合に設定される。具体的には、縫製時のミシンモータ16の回転数(回転速度)であり、縫製中は、「縫製速度」の設定値を維持するようにミシンモータ16がCPU91により制御される。
なお、「縫製速度」を設定しない場合には、ペダル95の踏み込み量に応じた回転数となるようにミシンモータ16が制御される。
「縫いピッチ」は、一針ごとの上布及び下布の送り量である。CPU91は、ミシンモータ16のエンコーダ161から上軸角度と回転速度を検出する。
縫い針が上布及び下布に挿針されている間は上布及び下布を送ることができないので、上下の送り機構20,30は、縫い針が上布及び下布に挿針されていない上軸角度の一定期間だけベルトを駆動する間欠送りを行う。
従って、この一定期間に対応する所定の上軸角度範囲で「縫いピッチ」に相当する送り量で送りが行われるように上下の送り機構20,30の各モータ25,26,31,32の間欠駆動が行われる。例えば、前述した「縫製速度」の固定値やペダル95の踏み込み量が示す縫製速度が高速となる場合には、各モータ25,26,31,32は高速で間欠的駆動が行われる。
なお、「縫いピッチ」に基づく上布及び下布の送り量は、基準送り量であって、後述する各種の差動量が設定される場合には、各モータ25,26,31,32ごとに送り量が補正される。
「押さえ圧」は、針板上の被縫製物(上布及び下布)に対する押さえ足による押圧力である。
前述したように、「押さえ圧」は、高さセンサ762により検出される針板上の上布及び下布の重ね合わせ高さに基づいて調整される。
即ち、CPU91は、検出された重ね合わせ高さに対して、押さえ足が設定された押さえ圧が生じる高さとなるまで下降するように押さえモータ73を制御する。
「上糸の糸張力」は、糸調子装置によって天秤の上流側(上糸供給源側)で上糸に付与される繰り出しの抵抗力である。前述したように、糸調子装置は、糸調子ソレノイド15によって上糸に挟持圧を付与して繰り出しの抵抗力を与える。
CPU91は、糸調子ソレノイド15のプランジャの進退量を制御して、「上糸の糸張力」の設定値となるように上糸に挟持圧を付与する。
「縫い糸(上糸及び下糸)の種別」、「被縫製物の種別」は、縫製パラメータとして、操作入力部96から設定又は選択することができる。これらの少なくとも一方が設定されると、CPU91は、その種別に適した「縫製速度」、「押さえ圧」又は「上糸の糸張力」の値を自動的に決定してもよい。
「上送り機構30の差動量」は、上送り機構30の左送りベルトによる送り量と右送りベルトによる送り量の差である。即ち、「上送り機構30の差動量」は、「二つの動作量の相対値」に相当する。
CPU91は、「縫いピッチ」に基づく基準送り量に対して、「上送り機構30の差動量」の設定値の半分を加算した加算送り量と減算した減算送り量とを算出する。そして、例えば、CPU91は、加算送り量となるように動作量を求めて右送りモータ32を制御し、減算送り量となるように動作量を求めて左送りモータ31を制御する。
従って、CPU91は、「二つの動作量の相対値(上送り機構30の差動量)」に基づいて二つの動作量(加算送り量と減算送り量)を求め、さらに、当該二つの動作量を実現する複数のアクチュエータ(右送りモータ32及び左送りモータ31)のそれぞれの動作量を求める「取得処理部」として機能する。
「下送り機構20の差動送りの前後と左右の選択」は、下送り機構20の各ベルトの掛け渡し状態が左右の差動送りと前後の差動送りのいずれの状態にあるかをCPU91に認識させるための設定である。
なお、下送り機構20に各ベルトの位置検出を行うセンサ等を設け、左右の差動送りの掛け渡し状態と前後の差動送りの掛け渡し状態とを検出可能な構成としてもよい。その場合、「下送り機構20の差動送りの前後と左右の選択」の設定入力を不要とすることができる。
「下送り機構20の差動量」は、下送り機構20の第1モータ25による送り量と第2モータ26による送り量の差である。これらは、下送り機構20の左送りの送り量と右送りの送り量の差、又は、下送り機構20の前送りの送り量と後送りの送り量の差である。即ち、「下送り機構20の差動量」は、「二つの動作量の相対値」に相当する。
CPU91は、「縫いピッチ」に基づく基準送り量に対して、「下送り機構20の差動量」の設定値の半分を加算した加算送り量と減算した減算送り量とを算出する。そして、例えば、CPU91は、加算送り量となるように動作量を求めて第1モータ25を制御し、減算送り量とになるように動作量を求めて第2モータ26を制御する。
従って、CPU91は、「二つの動作量の相対値(下送り機構20の差動量)」に基づいて二つの動作量(加算送り量と減算送り量)を求め、さらに、当該二つの動作量を実現する複数のアクチュエータ(第1モータ25及び第2モータ26)のそれぞれの動作量を求める「取得処理部」として機能する。
「上送り機構30と下送り機構20の差動量」は、上送り機構30による送り量と下送り機構20による送り量の差である。即ち、「上送り機構30と下送り機構20の差動量」は、「二つの動作量の相対値」に相当する。
CPU91は、「縫いピッチ」に基づく基準送り量に対して、「上送り機構30と下送り機構20の差動量」の設定値の半分を加算した加算送り量と減算した減算送り量とを算出する。そして、例えば、CPU91は、加算送り量を上送り機構30の基準送り量、減算送り量を下送り機構20の基準送り量に設定する。
さらに、CPU91は、上送り機構30の基準送り量に対して、「上送り機構30の差動量」に基づく加算送り量及び減算送り量から右送りモータ32と左送りモータ31のそれぞれの動作量を求めて制御する。
同様に、CPU91は、下送り機構20の基準送り量に対して、「下送り機構20の差動量」に基づく加算送り量及び減算送り量から第1モータ25と第2モータ26のそれぞれの動作量を求めて制御する。
従って、CPU91は、「二つの動作量の相対値(上送り機構30と下送り機構20の差動量)」に基づいて二つの動作量(上送り機構30の基準送り量と下送り機構20の基準送り量)を求め、さらに、当該二つの動作量を実現する複数のアクチュエータ(右送りモータ32、左送りモータ31、第1モータ25及び第2モータ26)のそれぞれの動作量を求める「取得処理部」として機能する。
[表示処理部としての処理]
制御装置90のCPU91によって実行される縫製パラメータの設定処理について詳細に説明する。図2は縫製パラメータの設定入力の際に、操作入力部96の表示部961に表示される入力画面S1の表示例を示す説明図である。
この入力画面S1は、「縫いピッチ」、「上送り機構30の差動量」、「下送り機構20の差動量」、「上送り機構30と下送り機構20の差動量」の設定を行うためのものである。
この入力画面S1によって設定された一連の縫製パラメータの設定値は、一つの縫製データとして固有の識別番号が与えられてEEPROM94内に登録される。
入力画面S1には、設定値の大きさを示すゲージG1~G3と、入力アイコンM1~M3と、設定値の数値表示を行う表示欄C1~C4と、上布と下布の図柄U,Dとが表示される。
入力画面S1の表示は、全て、制御装置90のCPU91による表示制御に基づいて行われる。つまり、CPU91は、表示制御を行うプログラムにより、表示処理部として機能する。
ゲージG1は、入力画面S1の画面中央上部において左右方向に延在する略円弧状を呈する。このゲージG1の円弧に沿った長手方向は「上送り機構30の差動量」の設定値の大きさを示す。
例えば、ゲージG1の中央部が差動量0となり、右側が正の数値(右送りが大)、左側が負の数値(左送りが大)となる。右端が正の最大値、左端が負の最大値としてもよい。
入力アイコンM1は、ゲージG1の手前に重なった状態でその長手方向のいずれかに位置した状態で表示される。ゲージG1上での入力アイコンM1の位置が「上送り機構30の差動量」の設定値を示している。
前述したように、操作入力部96は、いわゆるタッチパネルである。このため、入力アイコンM1の表示位置に指又は入力ペンを接触又は接近させてゲージG1に沿ってなぞると入力アイコンM1の表示位置を移動させることができる。また、上記入力アイコンM1の移動操作により、「上送り機構30の差動量」をゲージG1上の位置に応じた設定値に設定することができる。
ゲージG2は、入力画面S1の画面中央下部において左右方向に延在する略円弧状を呈する。このゲージG2の円弧に沿った長手方向は「下送り機構20の差動量」の設定値の大きさを示す。
例えば、ゲージG2の中央部が差動量0となり、右側が正の数値(右送り又は前送りが大)、左側が負の数値(左送り又は後送りが大)となる。右端が正の最大値、左端が負の最大値としてもよい。
入力アイコンM2は、ゲージG2の手前に重なった状態でその長手方向にいずれかに位置した状態で表示される。ゲージG2上での入力アイコンM2の位置が「下送り機構20の差動量」の設定値を示している。
入力アイコンM2を移動させて設定値を設定する操作は、入力アイコンM1の場合と同様である。
ゲージG3は、入力画面S1のゲージG1とゲージG2の間において上下方向に延在する中央がくびれた長円状を呈する。このゲージG3の長手方向は「上送り機構30と下送り機構20の差動量」の設定値の大きさを示す。
例えば、ゲージG3の中央部が差動量0となり、上側が正の数値(上送りが大)、下側が負の数値(下送りが大)となる。上端が正の最大値、下端が負の最大値としてもよい。
入力アイコンM3は、ゲージG3の手前に重なった状態でその長手方向にいずれかに位置した状態で表示される。ゲージG3上での入力アイコンM3の位置が「上送り機構30と下送り機構20の差動量」の設定値を示している。
入力アイコンM3を移動させて設定値を設定する操作は、入力アイコンM1の場合と同様である。
各ゲージG1~G3の右側には、矩形の表示欄C1,C3,C2が上から順番に並んで表示されている。
また、ゲージG1とゲージG2の間であってゲージG3の左側には、矩形の表示欄C4が表示されている。
表示欄C1は、「上送り機構30の差動量」の設定値を数字で表示する。表示欄C2は、「下送り機構20の差動量」の設定値を数字で表示する。表示欄C3は、「上送り機構30と下送り機構20の差動量」の設定値を数字で表示する。表示欄C4は、「縫いピッチ」の設定値を数字で表示する。
各表示欄C1~C3内に表示される設定値は、それぞれの入力アイコンM1~M3の移動操作に応じて設定値の数値が変動する。
さらに、各表示欄C1~C4に対して指又は入力ペンを接触又は接近させると、数値入力キーが含まれるポップアップ画面が入力画面S1の手前に表示される。
これにより、「上送り機構30の差動量」、「下送り機構20の差動量」、「上送り機構30と下送り機構20の差動量」、「縫いピッチ」の設定値をポップアップ画面の数値入力キーから数値で入力することができる。
なお、各表示欄C1~C4のような、「縫製速度」、「押さえ圧」、「上糸の糸張力」の設定値を数値入力可能な表示欄も入力画面S1内に設けてもよい。
上布の図柄Uと下布の図柄Dは、入力画面S1の画面左端部において、下布の図柄Dの手前に上布の図柄Uの一部が重ねられた状態で表示されている。
上布の図柄Uは、「上送り機構30の差動量」と「上送り機構30と下送り機構20の差動量」の設定値に応じて、図柄の種別と形態が変化するように表示制御される。
下布の図柄Dは、「下送り機構20の差動送りの前後と左右の選択」の設定と「下送り機構20の差動量」と「上送り機構30と下送り機構20の差動量」の設定値とに応じて、図柄の種別と形態が変化するように表示制御される。
上布や下布は、左右又は前後の送り量が異なるように差動量が設定されると縫い上がりの形状が変化し、差動量の大きさに応じて変化の度合いが変動する。
上布の図柄Uと下布の図柄Dとは、各種差動量の設定値の大きさによる上布と下布の形状の変化が視覚的に表現されるように、設定値に応じて形態が変化するように表示される。
図3(A)~図3(G)は、上記各縫製パラメータの設定に応じて形成される縫い上がりの各種形状を模して表示される図柄U,Dを示している。
なお、上布の図柄Uと下布の図柄Dは、共通した形態の図柄が使用される。
まず、上布の図柄Uについて説明する。
図3(A)の上布の図柄Uは、「上送り機構30の差動量」と「上送り機構30と下送り機構20の差動量」の設定値がいずれも0である場合に表示される。
即ち、上布の左右の送り量が等しく、上布と下布の送り量も等しい場合に、図3(A)のように、矩形の図柄Uが表示される。
図3(B)の上布の図柄Uは、「上送り機構30の差動量」の設定値が正の数値、「上送り機構30と下送り機構20の差動量」の設定値が0である場合に表示される。
即ち、上布の右の送り量が左よりも多く、上布と下布の送り量が等しい場合に、図3(B)のように、左に湾曲した矩形の図柄Uが表示される。
また、「上送り機構30の差動量」について正の設定値の絶対値が大きくなるほど、図柄Uの曲率が小さくなるように形状が変動する。
図3(C)の上布の図柄Uは、「上送り機構30の差動量」の設定値が負の数値、「上送り機構30と下送り機構20の差動量」の設定値が0である場合に表示される。
即ち、上布の左の送り量が右よりも多く、上布と下布の送り量が等しい場合に、図3(C)のように、右に湾曲した矩形の図柄Uが表示される。
また、「上送り機構30の差動量」について負の設定値の絶対値が大きくなるほど、図柄Uの曲率が小さくなるように形状が変動する。
図3(D)の上布の図柄Uは、「上送り機構30の差動量」の設定値が0、「上送り機構30と下送り機構20の差動量」の設定値が正の数値である場合に表示される。
即ち、上布の左右の送り量が等しく、上布の送り量が下布より多い場合に、図3(D)のように、左右の側縁部が波状となった矩形の図柄Uが表示される。
また、「上送り機構30と下送り機構20の差動量」について正の設定値の絶対値が大きくなるほど、図柄Uの波状の弛みの幅が小さくなるように形状が変動する。
図3(E)の上布の図柄Uは、「上送り機構30の差動量」の設定値が0、「上送り機構30と下送り機構20の差動量」の設定値が負の数値である場合に表示される。
即ち、上布の左右の送り量が等しく、上布の送り量が下布より少ない場合に、図3(E)のように、左右の側縁部が内側に曲成された矩形の図柄Uが表示される。
また、「上送り機構30と下送り機構20の差動量」について負の設定値の絶対値が大きくなるほど、図柄Uが上下に長くなる又は横幅が狭くなるように形状が変動する。
図3(F)の上布の図柄Uは、「上送り機構30の差動量」の設定値が負の数値、「上送り機構30と下送り機構20の差動量」の設定値が正の数値である場合に表示される。
即ち、上布の左の送り量が右より多く、上布の送り量が下布より多い場合に、図3(F)のように、右に湾曲し、左右の側縁部が波状となった矩形の図柄Uが表示される。
また、「上送り機構30の差動量」について負の設定値の絶対値が大きくなるほど、図柄Uの曲率が小さくなるように形状が変動する。
さらに、「上送り機構30と下送り機構20の差動量」について正の設定値の絶対値が大きくなるほど、図柄Uの波状の弛みの幅が小さくなるように形状が変動する。
なお、「上送り機構30の差動量」の設定値が正の数値の場合の図柄Uの図示を省略したが、その場合の図柄Uは、図3(F)を左に湾曲させた図柄となる。
図3(G)の上布の図柄Uは、「上送り機構30の差動量」の設定値が正の数値、「上送り機構30と下送り機構20の差動量」の設定値が負の数値である場合に表示される。
即ち、上布の右の送り量が左より多く、上布の送り量が下布より少ない場合に、図3(G)のように、左に湾曲し、左右の側縁部が内側に曲成された矩形の図柄Uが表示される。
また、「上送り機構30の差動量」について正の設定値の絶対値が大きくなるほど、図柄Uの曲率が小さくなるように形状が変動する。
さらに、「上送り機構30と下送り機構20の差動量」について負の設定値の絶対値が大きくなるほど、図柄Uが上下に長くなる又は横幅が狭くなるように形状が変動する。
なお、「上送り機構30の差動量」の設定値が負の数値の場合の図柄Uの図示を省略したが、その場合の図柄Uは、図3(G)を右に湾曲させた図柄となる。
次に、下布の図柄Dについて説明する。
下布の送りは、「下送り機構20の差動送りの前後と左右の選択」の設定と「下送り機構20の差動量」及び「上送り機構30と下送り機構20の差動量」の設定値によって、表示される下布の図柄Dの種別が変わる。
まず、図3(A)の下布の図柄Dは、「下送り機構20の差動送りの前後と左右の選択」について左右の差動送りが選択され、「下送り機構20の差動量」及び「上送り機構30と下送り機構20の差動量」の設定値がいずれも0である場合に表示される。
即ち、下布の左右の送り量が等しく、上布と下布の送り量も等しい場合に、図3(A)のように、矩形の図柄Dが表示される。
また、図3(A)の下布の図柄Dは、「下送り機構20の差動送りの前後と左右の選択」について前後の差動送りが選択され、「下送り機構20の差動量」及び「上送り機構30と下送り機構20の差動量」の設定値がいずれも0である場合にも表示される。
即ち、下布の前後の送り量が等しく、上布と下布の送り量も等しい場合に、図3(A)のように、矩形の図柄Dが表示される。
図3(B)の下布の図柄Dは、「下送り機構20の差動送りの前後と左右の選択」について左右の差動送りが選択され、「下送り機構20の差動量」の設定値が正の数値、「上送り機構30と下送り機構20の差動量」の設定値が0である場合に表示される。
即ち、下布の右の送り量が左よりも多く、上布と下布の送り量が等しい場合に、図3(B)のように、左に湾曲した矩形の図柄Dが表示される。
また、「下送り機構20の差動量」について正の設定値の絶対値が大きくなるほど、図柄Dの曲率が小さくなるように形状が変動する。
図3(C)の下布の図柄Dは、「下送り機構20の差動送りの前後と左右の選択」について左右の差動送りが選択され、「下送り機構20の差動量」の設定値が負の数値、「上送り機構30と下送り機構20の差動量」の設定値が0である場合に表示される。
即ち、下布の左の送り量が右よりも多く、上布と下布の送り量が等しい場合に、図3(C)のように、右に湾曲した矩形の図柄Dが表示される。
また、「下送り機構20の差動量」について負の設定値の絶対値が大きくなるほど、図柄Dの曲率が小さくなるように形状が変動する。
図3(D)の下布の図柄Dは、「下送り機構20の差動送りの前後と左右の選択」について左右の差動送りが選択され、「下送り機構20の差動量」の設定値が0、「上送り機構30と下送り機構20の差動量」の設定値が負の数値である場合に表示される。
即ち、下布の左右の送り量が等しく、下布の送り量が上布より多い場合に、図3(D)のように、左右の側縁部が波状となった矩形の図柄Dが表示される。
また、「上送り機構30と下送り機構20の差動量」について負の設定値の絶対値が大きくなるほど、図柄Dの波状の弛みの幅が小さくなるように形状が変動する。
また、図3(D)の下布の図柄Dは、「下送り機構20の差動送りの前後と左右の選択」について前後の差動送りが選択され、「下送り機構20の差動量」の設定値が負の数値、「上送り機構30と下送り機構20の差動量」の設定値がいずれの数値である場合でも表示される。
即ち、下布の後の送り量が前より多い場合にも、図3(D)のように、左右の側縁部が波状となった矩形の図柄Dが表示される。
また、「下送り機構20の差動量」について負の設定値の絶対値が大きくなるほど、図柄Dの波状の弛みの幅が小さくなるように形状が変動する。
図3(E)の下布の図柄Dは、「下送り機構20の差動送りの前後と左右の選択」について左右の差動送りが選択され、「下送り機構20の差動量」の設定値が0、「上送り機構30と下送り機構20の差動量」の設定値が正の数値である場合に表示される。
即ち、下布の左右の送り量が等しく、下布の送り量が上布より少ない場合に、図3(E)のように、左右の側縁部が内側に曲成された矩形の図柄Dが表示される。
また、「上送り機構30と下送り機構20の差動量」について正の設定値の絶対値が大きくなるほど、図柄Dが上下に長くなる又は横幅が狭くなるように形状が変動する。
また、図3(E)の下布の図柄Dは、「下送り機構20の差動送りの前後と左右の選択」について前後の差動送りが選択され、「下送り機構20の差動量」の設定値が正の数値、「上送り機構30と下送り機構20の差動量」の設定値がいずれの数値である場合でも表示される。
即ち、下布の後の送り量が前より少ない場合にも、図3(E)のように、左右の側縁部が内側に曲成された矩形の図柄Dが表示される。
また、「下送り機構20の差動量」について正の設定値の絶対値が大きくなるほど、図柄Dが上下に長くなる又は横幅が狭くなるように形状が変動する。
図3(F)の下布の図柄Dは、「下送り機構20の差動送りの前後と左右の選択」について左右の差動送りが選択され、「下送り機構20の差動量」の設定値が負の数値、「上送り機構30と下送り機構20の差動量」の設定値が負の数値である場合に表示される。
即ち、下布の左の送り量が右より多く、下布の送り量が上布より多い場合に、図3(F)のように、右に湾曲し、左右の側縁部が波状となった矩形の図柄Dが表示される。
また、「下送り機構20の差動量」について負の設定値の絶対値が大きくなるほど、図柄Dの曲率が小さくなるように形状が変動する。
さらに、「上送り機構30と下送り機構20の差動量」について負の設定値の絶対値が大きくなるほど、図柄Dの波状の弛みの幅が小さくなるように形状が変動する。
なお、「下送り機構20の差動量」の設定値が正の数値の場合の図柄Dの図示を省略したが、その場合の図柄Dは、図3(F)を左に湾曲させた図柄となる。
図3(G)の下布の図柄Dは、「下送り機構20の差動送りの前後と左右の選択」について左右の差動送りが選択され、「下送り機構20の差動量」の設定値が正の数値、「上送り機構30と下送り機構20の差動量」の設定値が正の数値である場合に表示される。
即ち、下布の右の送り量が左より多く、下布の送り量が上布より少ない場合に、図3(G)のように、左に湾曲し、左右の側縁部が内側に曲成された矩形の図柄Dが表示される。
また、「下送り機構20の差動量」について正の設定値の絶対値が大きくなるほど、図柄Dの曲率が小さくなるように形状が変動する。
さらに、「上送り機構30と下送り機構20の差動量」について正の設定値の絶対値が大きくなるほど、図柄Dが上下に長くなる又は横幅が狭くなるように形状が変動する。
なお、「下送り機構20の差動量」の設定値が負の数値の場合の図柄Dの図示を省略したが、その場合の図柄Dは、図3(G)を右に湾曲させた図柄となる。
なお、上述したように、図3(B)~図3(G)に示す図柄U,Dについては、所定の縫製パラメータの設定値の大きさに応じて形状を変動させる表示処理がCPU91によって行われる。
この図柄U,Dの形状を変動させる表示処理は、例えば、CPU91が設定値に基づく演算により形状を算出し、表示画像を生成して表示させてもよい。
また、設定値について設定可能な数値範囲を複数に区分し、各区分に対応する形状の変動の度合いが異なる複数の図柄U,Dの表示画像を予め用意して、CPU91が、設定値が属する区分の表示画像を選択して表示させてもよい。
CPU91による入力画面S1を表示する上記処理において、表示部961に、ミシンの縫製パラメータの設定値の大きさを示すゲージG1~G3とゲージに対する位置が設定値を示す入力アイコンM1~M3とを表示させる工程と、入力操作によって入力アイコンM1~M3をゲージG1~G3に沿って移動させて縫製パラメータの設定値の入力を受ける工程と、表示部961に、上側被縫製物と下側被縫製物のそれぞれの縫製後の状態を示す図柄U,Dを表示させると共に、縫製パラメータの設定値に応じて、上側被縫製物と下側被縫製物のそれぞれの図柄U,Dの形態を変化させる工程とが実施される。
[報知処理部としての処理]
制御装置90のCPU91は、オペレータによって入力画面S1から入力する各縫製パラメータの設定値について、予め、設定可能な数値範囲の上限値(閾値)と下限値(閾値)とを定めている。
そして、オペレータが入力画面S1から各縫製パラメータの設定値を数値入力又は入力アイコンM1~M3で入力し、その数値が設定可能な数値範囲を超えた場合に、CPU91が報知処理を実行する。即ち、CPU91は、報知処理部として機能する。
この場合、設定可能な数値範囲は、予め固定値を設定しなくともよい。例えば、一部の縫製パラメータの設定値が設定されると、それに基づいて、CPU91が、他の縫製パラメータの設定可能な数値範囲を変更してもよい。
例えば、上布が左に湾曲した送りが行われるように縫製パラメータの設定値が設定された場合に、他の縫製パラメータについて、下布が右に湾曲した送りが行われないように、設定値の数値範囲を変更して制限してもよい。
上記の報知処理としては、エラー画面や設定可能な数値範囲を超えていることを報知する表示、表示欄C1~C4の欄内の色彩を変更することによる報知、音声出力部を有する場合にエラー音による報知等が挙げられる。また、オペレータが視覚又は聴覚で認識可能なあらゆる方法で報知することができる。
[適正化処理部としての処理]
制御装置90のCPU91は、オペレータによって入力画面S1から所定の縫製パラメータの設定が行われると、当該縫製パラメータの設定内容に対応するように他の縫製パラメータの適正化を図って自動的に設定する適正化処理部としての機能を有する。
入力画面S1から設定される所定の縫製パラメータとしては、「上送り機構30の差動量」、「下送り機構20の差動量」、「上送り機構30と下送り機構20の差動量」、「縫いピッチ」の設定値が挙げられる。以下、これらを手動設定パラメータとする。
CPU91は、これらの手動設定パラメータの設定内容に応じて、「縫製速度」、「押さえ圧」、「上糸の糸張力」の全部又は一部の縫製パラメータについて、自動的に適正化された設定値を決定する。以下、これらを自動設定パラメータとする。
自動設定パラメータとして「押さえ圧」について自動的に適正化された設定値を決定する手法の一例を説明する。
CPU91は、例えば、全ての手動設定パラメータについて、設定可能な数値範囲を複数に区分する。そして、全ての手動設定パラメータの全ての区分について、「押さえ圧」の設定値の適正な数値範囲を予め決めておき、これらをテーブルデータとして用意しておく。
そして、入力画面S1から「上送り機構30の差動量」、「下送り機構20の差動量」、「上送り機構30と下送り機構20の差動量」、「縫いピッチ」の設定値が全て入力されると、「上送り機構30の差動量」、「下送り機構20の差動量」、「上送り機構30と下送り機構20の差動量」、「縫いピッチ」のそれぞれについて、各々の設定値が属する数値範囲を特定する。
そして、「上送り機構30の差動量」、「下送り機構20の差動量」、「上送り機構30と下送り機構20の差動量」、「縫いピッチ」のそれぞれについて、「押さえ圧」の設定値の適正な数値範囲をテーブルデータから特定する。
これにより、「押さえ圧」の設定値について、四つの適正な数値範囲が取得されるので、全ての数値範囲を満たす数値を「押さえ圧」の適正な設定値に決定する。全ての数値範囲を満たす数値範囲が幅を有する場合には、中央値を適正な設定値に決定してもよい。
他の自動設定パラメータについても同様に求めることができる。
制御装置90のCPU91は、オペレータによって入力画面S1から「上送り機構30の差動量」、「下送り機構20の差動量」、「上送り機構30と下送り機構20の差動量」、「縫いピッチ」の各縫製パラメータの設定値が入力され、「下送り機構20の差動送りの前後と左右の選択」の選択設定が決定されると、これら一連のデータを一つの設定データとしてEEPROM94等の不揮発性記憶装置に登録する。
この設定データには、適正化処理部によって決定された各自動設定パラメータの設定値も含めてもよい。
上記設定データを登録する際には、CPU91は、当該設定データに唯一となる登録番号や識別子を付与してもよい。これにより、必要時にオペレータが登録番号や識別子の入力又は選択を行うことにより設定データを読み出すことが可能となる。
CPU91は、読み出された設定データに含まれる各縫製パラメータに基づいて縫製が行われるように、ミシン100の制御を実行する。
[設定処理部としての処理]
図4は操作入力部96の表示部961に表示される入力画面S2の表示例を示す説明図である。
CPU91は、入力画面S2に表示された、形態の異なる複数の被縫製物の図柄Pのいずれか一つが、操作入力部96の入力操作によって選択されると、縫製パラメータの設定値を選択された図柄Pの縫製に適した数値に決定する設定処理部として機能する。
なお、入力画面S2は、上布と下布のそれぞれについて個別に入力することができる。
入力画面S2に表示される図柄Pは、いずれも、縫製パラメータの設定値の正負や絶対値の大小は異なるが、前述した図3(A)~図3(G)に示した図柄U,Dと略同一である。
従って、各図柄Pを選択した場合に決定される縫製パラメータの種別については、図3(A)~図3(G)の説明で示した通りである。
また、各図柄Pを選択した場合に決定される縫製パラメータの設定値については、0を含み、正負それぞれについて二段階の数値が予め定められている。
CPU91は、入力画面S2のいずれかの図柄Pが指又は入力ペンの接触又は接近操作により選択されると、当該図柄Pについて予め定められている複数の縫製パラメータについて予め定められている設定値が特定される。
そして、CPU91は、ペダル95の操作により、これらの縫製パラメータの設定内容に基づいて縫製の動作制御を実行する。
[実施形態による技術的効果]
上記ミシン100は、操作入力部96と制御装置90とが協働してミシンの縫製パラメータの設定装置として機能する。
さらに、ミシン100は、操作入力部96の表示部961に、ミシンの縫製パラメータの設定値の大きさを示すゲージG1~G3とゲージG1~G3に対する位置が設定値を示す入力アイコンM1~M3とを表示させる表示処理部としてのCPU91と、入力操作によって入力アイコンM1~M3をゲージG1~G3に沿って移動させて設定値を入力する検出部962とを備えている。
このため、ゲージG1~G3に対する入力アイコンM1~M3の位置から縫製パラメータの設定値の大きさを視覚的に把握することができる。これにより、縫製パラメータの設定による被縫製物の仕上がりの想像が容易となり、熟練を要することなく、容易に適正な縫製パラメータを設定することが可能となる。
さらに、ミシン100は、上記縫製パラメータの設定装置から設定された縫製パラメータの設定値に従って各部のアクチュエータを制御して縫製を行うので、高い縫い品質で縫製を行うことが可能となる。
また、CPU91は、表示部961の入力画面S1に、上布の左右の送り量の差(上送り機構30の差動量)と下布の左右の送り量の差(下送り機構20の差動量)のそれぞれについて、ゲージG1,G2及び入力アイコンM1,M2を表示する。
このため、上送り機構30の左右の差動量と下送り機構20の左右の差動量のそれぞれの縫製パラメータについて、容易に適正な設定値を設定することが可能となる。
さらに、上布の左右方向の差動送りと下布の左右方向の差動送りとを適正に行って高い縫い品質で縫製を行うことが可能となる。
また、CPU91は、表示部961の入力画面S1に、上布の左右の送り量の差(上送り機構30の差動量)と下布の前後の送り量の差(下送り機構20の差動量)のそれぞれについて、ゲージG1,G2及び入力アイコンM1,M2を表示する。
このため、上送り機構30の左右の差動量と下送り機構20の前後の差動量のそれぞれの縫製パラメータについて、容易に適正な設定値を設定することが可能となる。
さらに、上布の左右方向の差動送りと下布の前後方向の差動送りとを適正に行って高い縫い品質で縫製を行うことが可能となる。
また、CPU91は、表示部961の入力画面S1に、上布と下布の前後の送り量の差(上送り機構30と下送り機構20の差動量)について、ゲージG3及び入力アイコンM3を表示する。
このため、上送り機構30と下送り機構20との前後の差動量の縫製パラメータについて、容易に適正な設定値を設定することが可能となる。
さらに、上布と下布の前後方向の差動送りを適正に行って高い縫い品質で縫製を行うことが可能となる。
また、CPU91は、表示部961の入力画面S1に、上布と下布のそれぞれの図柄U,Dを表示させると共に、縫製パラメータの設定値に応じて、上布の図柄Uと下布の図柄Dの形態を変化させて表示している。
このため、縫製パラメータの設定による被縫製物の仕上がりの想像がさらに容易に把握可能となり、熟練を要することなく、さらに容易に適正な縫製パラメータを設定することが可能となる。
さらに、ミシン100は、上記縫製パラメータの設定装置から設定された縫製パラメータの設定値に従って縫製を行うので、さらに高い縫い品質で縫製を行うことが可能となる。
また、CPU91は、表示部961の入力画面S2に、形態の異なる上布及び下布の図柄Pを複数表示させ、検出部962からの入力操作によって複数の図柄Pの一つが選択されると、縫製パラメータの設定値を、選択された図柄Pの縫製に適した数値に決定する処理を行っている。
このため、被縫製物の仕上がりを図柄Pから把握して、縫製パラメータの設定値を適正に取得することが可能となり、飛躍的に容易に適正な縫製パラメータを設定することが可能となる。
さらに、ミシン100は、上記縫製パラメータの設定装置から設定された縫製パラメータの設定値に従って縫製を行うので、高い縫い品質で縫製を行うことが可能となる。
また、CPU91は、操作入力部96の検出部962から入力される縫製パラメータの設定値が閾値を超える場合に、報知処理を実行する報知処理部として機能する。
このため、縫製パラメータの設定値について不適正な数値を設定することを抑制し、縫製パラメータの設定値の適正化を図ることが可能となる。
また、CPU91は、操作入力部96の検出部962から手動設定パラメータに該当する縫製パラメータの設定値が入力されると、他の縫製パラメータである自動設定パラメータの設定値を決定する適正化処理部として機能する。
このため、全ての縫製パラメータを入力する必要がなくなり、設定作業の負担の軽減を図ることが可能となる。
さらに、手動設定パラメータに該当する縫製パラメータの設定値について適正化を図ることが可能となり、高い縫い品質で縫製を行うことが可能となる。
また、操作入力部96の検出部962は、表示部961の表示面に対する指又は入力ペンの接触又は接近位置を検出する検出装置であり、指又は入力ペンによりゲージG1~G3の表示位置がなぞられると、縫製パラメータの設定値が入力されると共に入力アイコンM1~M3の表示位置の移動が行われる。
このため、ゲージG1~G3に対して、入力アイコンM1~M3を指又は入力ペンによってあたかも直接的に移動させている操作を行っているかのように入力作業を行うことができる。
従って、縫製パラメータの設定値の大きさを視覚的に把握し、移動動作を感覚的に把握することができる。これにより、縫製パラメータの設定による被縫製物の仕上がりを把握して、さらに容易に適正な縫製パラメータを設定することが可能となる。
また、CPU91は、操作入力部96の検出部962から入力される縫製パラメータの設定値は、二つの動作量の相対値(例えば、前述した各種の差動量)であり、当該相対値に基づいて二つの動作量を求め、さらに、当該二つの動作量を実現する複数のアクチュエータである右送りモータ32、左送りモータ31、第1モータ25及び第2モータ26のそれぞれの動作量を求める取得処理部として機能すると共に、取得処理部が取得したそれぞれの動作量に基づいて右送りモータ32、左送りモータ31、第1モータ25及び第2モータ26を制御する。
このため、右送りモータ32、左送りモータ31、第1モータ25及び第2モータ26の動作量の数値を個別に設定する場合に比べて、二つの動作量の相対値、例えば、上送り機構30の左右の差動量、下送り機構20の前後又は左右の差動量、上送り機構30と下送り機構20の差動量を設定する方が、縫いに現れる影響を予測又は把握することができる。これにより、縫製パラメータの設定による被縫製物の仕上がりの想像が容易となり、熟練を要することなく、容易に適正な縫製パラメータを設定することが可能となる。
[その他]
以上、本発明の各実施形態について説明した。しかし、本発明は上記の実施形態に限られるものではない。
上記発明の実施の形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、入力画面S1のゲージG1~G3に対する入力アイコンM1~M3の移動操作により、「上送り機構30の差動量」、「下送り機構20の差動量」、「上送り機構30と下送り機構20の差動量」の設定値を入力する場合を例示した。
これらについては、差動量に限らず、左右の送り量の比率、前後の送り量の比率、上送り機構30と下送り機構20の送り量の比率を入力可能としてもよい。その場合、各ゲージG1~G3の中央部は、1:1の比率を示すこととなる。
また、前述したように、上記ミシン100は、針棒に同期して押さえが上下動作する構成としてもよい。
また、ミシン100が差動送りミシンである場合を例示したが、縫製パラメータの設定を要するあらゆるミシンに縫製パラメータの設定装置の構成を適用することが可能である。
さらに、縫製パラメータは、上記実施形態で例示したものに限らず、数値や比率を設定すべき縫製に関するあらゆるパラメータを設定の対象とすることができる。
さらに、上記実施形態では、ミシン100に縫製パラメータの設定装置が組み込まれた構成を例示したが、縫製パラメータの設定装置は、表示装置と入力手段と縫製パラメータの設定に関する処理を実行可能な処理装置とを有する構成によってミシンとは別の装置で実現することが可能である。例えば、パソコンやタブレット、スマートフォン等の情報処理端末で構成してもよい。
また、縫製パラメータの設定入力のための入力画面は、図2に示すゲージG1~G3と入力アイコンM1~M3を使用する入力画面S1に限定されない。
図5は縫製パラメータの設定入力の際に、操作入力部96の表示部961に表示される他の入力画面S1Aの表示例を示す説明図である。
入力画面S1Aには、ゲージG1~G3及び入力アイコンM1~M3に替えて設定値の増減を行う加算ボタンB1及び減算ボタンB2が表示される。
さらに、入力画面S1Aには、前述した表示欄C1~C4及び上布と下布の図柄U,Dに加えて、縫製作業の工程図PRと、現在の工程のガイド図Nが表示される。入力画面S1Aの表示も、CPU91による表示制御に基づいて行われる。
加算ボタンB1及び減算ボタンB2は、表示欄C1~C4のいずれかを指又は入力ペンの接触又は接近により選択すると、選択された縫製パラメータの設定値を増減させることができる。
工程図PRは、入力画面S1Aによって設定される一連の縫製パラメータの設定値からなる縫製データが、完成品のどこのパーツに属するものかを簡易的な図で示すものである。
図5の工程図PRは、一例として、完成品がワンピースであって袖のパーツを縫い合わせる工程を示している。
ガイド図Nは、袖のパーツを構成する上布と下布の形態を図示すると共に、縫製の縫い開始位置を示している。
このように、縫製パラメータの設定入力のための入力画面は、ゲージG1~G3及び入力アイコンM1~M3の表示を必須とせず、加算ボタンB1及び減算ボタンB2で数値を入力してもよい。
なお、前述した図2の入力画面S1に加算ボタンB1及び減算ボタンB2を加えて表示し、入力アイコンM1~M3と加算ボタンB1及び減算ボタンB2のいずれからも設定値の入力を可能にしてもよい。
また、図2の入力画面S1に工程図PRとガイド図Nを加えて表示してもよい。
[その他の解決手段]
縫製パラメータの設定の容易化という課題を解決するために、請求項10として以下の「解決手段1」を特許請求の範囲に記載している。この「解決手段1」に従属する他の「解決手段2~7」を以下に記載する。
「解決手段1」
入力操作によってミシンの縫製パラメータの設定値を入力する入力手段と、
縫製に関係する所定の動作を行う複数のアクチュエータと、
前記縫製パラメータの設定値に従って前記複数のアクチュエータの動作制御を行う動作制御部と、
前記縫製パラメータの設定値は、二つの動作量の相対値であり、当該相対値に基づいて前記二つの動作量を求め、さらに、当該二つの動作量を実現する前記複数のアクチュエータのそれぞれの動作量を求める取得処理部と、
を備え、
前記動作制御部は、前記取得処理部が取得したそれぞれの前記動作量に基づいて前記複数のアクチュエータを制御することを特徴とするミシン。
「解決手段2」
前記二つの動作量の相対値は、被縫製物の左右の送り量の差又は比率であることを特徴とする解決手段1に記載のミシン。
「解決手段3」
前記二つの動作量の相対値は、被縫製物の前後の送り量の差又は比率であることを特徴とする解決手段1に記載のミシン。
「解決手段4」
前記二つの動作量の相対値は、上側被縫製物と下側被縫製物の送り量の差又は比率であることを特徴とする解決手段1に記載のミシン。
「解決手段5」
入力操作によってミシンの縫製パラメータの設定値を入力する入力手段と、
前記縫製パラメータの設定値は、二つの動作量の相対値であり、当該相対値に基づいて前記二つの動作量を求め、さらに、当該二つの動作量を実現する複数のアクチュエータのそれぞれの動作量を求める取得処理部と、
を備えることを特徴とするミシンの縫製パラメータの設定装置。
「解決手段6」
入力操作によってミシンの縫製パラメータの設定値を入力する工程と、
前記縫製パラメータの設定値は、二つの動作量の相対値であり、当該相対値に基づいて前記二つの動作量を求め、さらに、当該二つの動作量を実現する複数のアクチュエータのそれぞれの動作量を求める工程と、
を備えることを特徴とするミシンの縫製パラメータの設定方法。
「解決手段7」
コンピューターを、
入力手段からの入力操作によってミシンの縫製パラメータの設定値の入力を受ける設定取得手段、
前記縫製パラメータの設定値は、二つの動作量の相対値であり、当該相対値に基づいて前記二つの動作量を求め、さらに、当該二つの動作量を実現する複数のアクチュエータのそれぞれの動作量を求める取得処理部、
として機能させるためのプログラム。
15 糸調子ソレノイド(アクチュエータ)
16 ミシンモータ(アクチュエータ)
20 下送り機構
25 第1モータ(アクチュエータ)
26 第2モータ(アクチュエータ)
30 上送り機構
31 左送りモータ(アクチュエータ)
32 右送りモータ(アクチュエータ)
73 押さえモータ(アクチュエータ)
90 制御装置
91 CPU(表示処理部、設定取得手段、取得処理部)
96 操作入力部
100 ミシン
961 表示部(表示装置)
962 検出部(入力手段)
D 図柄
G1~G3 ゲージ
M1~M3 入力アイコン
S1,S1A 入力画面
S2 入力画面
U,D 図柄
P 図柄

Claims (13)

  1. ミシンの縫製パラメータの設定画面を表示する表示装置と、
    入力操作によって前記縫製パラメータの設定値を入力する入力手段と、
    前記表示装置に、上側被縫製物と下側被縫製物のそれぞれの縫製後の状態を示す図柄を表示させると共に、前記縫製パラメータの設定値に応じて、前記上側被縫製物と前記下側被縫製物のそれぞれの前記図柄の形態を変化させる表示処理部と、
    縫製に関係する所定の動作を行うアクチュエータと、
    前記縫製パラメータの設定値に従って前記アクチュエータの動作制御を行う動作制御部と、
    を備えるミシン。
  2. 前記表示処理部は、前記表示装置に、ミシンの縫製パラメータの設定値の大きさを示すゲージと前記ゲージに対する位置が前記設定値を示す入力アイコンとを表示し、
    前記入力手段は、入力操作によって前記入力アイコンを前記ゲージに沿って移動させて前記設定値を入力することを特徴とする請求項1記載のミシン。
  3. 前記表示処理部は、前記表示装置に、前記縫製パラメータとしての上側被縫製物の左右の送り量の差又は比率と前記縫製パラメータとしての下側被縫製物の左右の送り量の差又は比率のそれぞれについて、前記ゲージ及び前記入力アイコンを表示させることを特徴とする請求項2に記載のミシン。
  4. 前記表示処理部は、前記表示装置に、前記縫製パラメータとしての上側被縫製物の左右の送り量の差又は比率と前記縫製パラメータとしての下側被縫製物の前後の送り量の差又は比率のそれぞれについて、前記ゲージ及び前記入力アイコンを表示させることを特徴とする請求項2に記載のミシン。
  5. 前記表示処理部は、前記表示装置に、前記縫製パラメータとしての上側被縫製物と下側被縫製物の送り量の差又は比率について、前記ゲージ及び前記入力アイコンを表示させることを特徴とする請求項2に記載のミシン。
  6. 前記表示処理部は、前記表示装置に、形態の異なる被縫製物の図柄を複数表示させ、
    前記入力手段からの入力操作によって前記複数の図柄の一つが選択されると、前記縫製パラメータの設定値を、選択された前記図柄の縫製に適した数値に決定する設定処理部を備えることを特徴とする請求項1に記載のミシン。
  7. 前記入力手段から入力される前記縫製パラメータの設定値が閾値を超える場合に、報知処理を実行する報知処理部を備えることを特徴とする請求項1に記載のミシン。
  8. 前記入力手段から前記縫製パラメータの設定値が入力されると、他の縫製パラメータの設定値を決定する適正化処理部を備えることを特徴とする請求項1に記載のミシン。
  9. 前記入力手段は、前記表示装置の表示面に対する指又は入力ペンの接触又は接近位置を検出する検出装置を有し、
    前記指又は前記入力ペンにより前記ゲージの表示位置がなぞられると、前記縫製パラメータの設定値が入力されると共に前記入力アイコンの表示位置の移動が行われることを特徴とする請求項2に記載のミシン。
  10. 入力操作によってミシンの縫製パラメータの設定値を入力する入力手段と、
    縫製に関係する所定の動作を行う複数のアクチュエータと、
    前記縫製パラメータの設定値に従って前記複数のアクチュエータの動作制御を行う動作制御部と、
    前記縫製パラメータの設定値は、二つの動作量の相対値であり、当該相対値に基づいて前記二つの動作量を求め、さらに、当該二つの動作量を実現する前記複数のアクチュエータのそれぞれの動作量を求める取得処理部と、
    を備え、
    前記動作制御部は、前記取得処理部が取得したそれぞれの前記動作量に基づいて前記複数のアクチュエータを制御することを特徴とするミシン。
  11. ミシンの縫製パラメータの設定画面を表示する表示装置と、
    入力操作によって前記縫製パラメータの設定値を入力する入力手段と、
    前記表示装置に、上側被縫製物と下側被縫製物のそれぞれの縫製後の状態を示す図柄を表示させると共に、前記縫製パラメータの設定値に応じて、前記上側被縫製物と前記下側被縫製物のそれぞれの前記図柄の形態を変化させる表示処理部と、
    を備えることを特徴とするミシンの縫製パラメータの設定装置。
  12. 入力操作によってミシンの縫製パラメータの設定値の入力を受ける工程と
    ミシンの縫製パラメータの設定画面を表示する表示装置に、上側被縫製物と下側被縫製物のそれぞれの縫製後の状態を示す図柄を表示させると共に、前記縫製パラメータの設定値に応じて、前記上側被縫製物と前記下側被縫製物のそれぞれの前記図柄の形態を変化させる工程と、
    を備えることを特徴とするミシンの縫製パラメータの設定方法。
  13. コンピューターを、
    入力手段からの入力操作によってミシンの縫製パラメータの設定値の入力を受ける設定取得手段、
    ミシンの縫製パラメータの設定画面を表示する表示装置に、上側被縫製物と下側被縫製物のそれぞれの縫製後の状態を示す図柄を表示させると共に、前記縫製パラメータの設定値に応じて、前記上側被縫製物と前記下側被縫製物のそれぞれの前記図柄の形態を変化させる表示処理部、
    として機能させるためのプログラム。
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