JP5131491B2 - ジャイロモジュール - Google Patents

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本発明は、2軸ジャイロモジュールに関するものである。
従来のジャイロセンサでは、多軸の検出を行う場合、1つの検出軸を持つセンサ素子を組み合わせて形成していた。例えば、特許文献1に開示された多軸半導体センサは、1軸の検出ができる半導体センサ(角速度センサまたは加速度センサ)をセンサブロックに取り付けたものを3つ用意し、このセンサブロックを貼り合わせて固定することにより形成している。また特許文献2に開示された多軸検出型振動ジャイロは、振動ジャイロや信号処理回路を平面基板に配設したものを複数有し、複数の平面基板のうちの1つに対して他の平面基板を起立させて、四角柱や角柱の形状を取ることにより多軸方向の回転角速度の検出を行うものである。
特開2003−28646号公報 特開平7−306047号公報
前述した多軸検出を行うジャイロセンサでは、1軸の検出軸を有するセンサ素子を搭載しているので、例えば2軸検出を行う場合では、一方のセンサ素子に対して他方のセンサ素子を垂直に立たせて配置しなければならない。この場合では、ジャイロセンサが側面視して略L字型となるので低背化することができず、また1つのモジュールにすると無駄なスペースが生じてしまう。すなわち、2軸検出(Z軸検出とY軸検出)を行うジャイロセンサでは、ジャイロセンサが必要とする検出軸とセンサ素子の検出軸を一致させなければならないので、Z軸検出用のセンサ素子とY軸検出用のセンサ素子の各検出軸が直交した関係を必要とする。
このためジャイロセンサの高さは、立たせて配置してあるセンサ素子の主面の幅に関係するので、センサ素子に薄型のものを使用しても、ジャイロセンサを十分に小型化できるものでなかった。
また従来の多軸検出を行うジャイロセンサでは、これに搭載しているセンサ素子のうちの1つを1軸の検出に使用している。すなわち各検出軸における角速度の検出をそれぞれ1つのセンサ素子で行っている。このためジャイロセンサの出力では、1つの検出軸の出力が1つのセンサ素子の出力になる。そして、センサ素子が出力した信号にノイズが加わっても、そのまま後の処理に使われるので、信号レベルを大きくするとノイズも大きくなってしまう。またノイズを除去するためにフィルタ等を設けると、回路が大きくなってしまう。
本発明は、2軸の角速度検出を行えるジャイロモジュールを提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
第1の形態のジャイロモジュールは、第1検出軸と第2検出軸とを有するジャイロ素子片を2つ有し、一方の前記ジャイロ素子片と他方の前記ジャイロ素子片とを、前記各第1検出軸の検出感度極性を同じにするとともに、前記各第2検出軸の検出感度極性を反転させて配設し、前記各ジャイロ素子片から出力する信号を加算および減算し、これらの演算結果を出力する演算回路を備え、前記演算回路の後段に比較手段が接続されるとともに、警報発信号を入力することによって警報を発する警報手段が前記比較手段の後段に接続されており、前記比較手段は、前記各ジャイロ素子片から出力する信号を加算した結果と前記信号を減算した結果とを入力して各値を比較し、前記各値が同じになっている時間が予め設定した時間よりも長くなったときに、前記2つのジャイロ素子片の少なくともいずれか一方が故障したと判断し、前記警報手段に前記警報発信号を出力してなることを特徴とする。
これによりジャイロ素子片が出力する信号を、第1検出軸回りの角速度成分と、第2検出軸回りの角速度の成分に分離することができ、これらの2軸の出力を得ることができる。また、ジャイロ素子片が故障したとしても、故障が発生したことを知らせることができる。
[適用例1]第1検出軸の角速度の信号と第2検出軸の角速度の信号とを混合した信号を出力するジャイロ素子片を2つ有し、前記2つのジャイロ素子片は前記第1検出軸の検出感度極性が互いに同じであると共に、前記第2検出軸の検出感度極性が反転するよう配置し、前記2つのジャイロ素子片の前記信号を加算および減算する演算回路を備えた、ことを特徴とするジャイロモジュール。
これによりジャイロ素子片が出力する信号を、第1検出軸回りの角速度成分と、第2検出軸回りの角速度の成分に分離することができ、これらの2軸の出力を得ることができる。
また各ジャイロ素子片は2つの検出軸を有しているから、2軸の検出を行うために、従来のように2つあるジャイロ素子片のうちの一方を立てて配置する必要がない。すなわちジャイロモジュールは、2つの検出軸回りの角速度成分を分離するために2つのジャイロ素子片を用いているが、検出軸のうちの一方を一致させ、他方を反転させる構成であるから、ジャイロ素子片の主面は同一方向または反転した方向を向いていればよく、ジャイロ素子片を立設する必要がないのである。よってジャイロモジュールを低背化できる。
さらに各検出軸の角速度は、2つあるジャイロ素子片が出力する信号を足して得られるので、信号レベルを大きくできる。このためジャイロ素子片が出力する信号にノイズが載っていたとしても、各ジャイロ素子片が出力する信号を足して信号レベルを大きくすることにより、ノイズに比べて信号レベルを大きくすることができる。よってジャイロモジュールが出力する信号は、ノイズが小さくなるので高精度にすることができる。
[適用例2]前記ジャイロ素子片は、基部と、該基部を中心に該基部から対称方向に延びる2つの連結腕と、該連結腕を中心に該連結腕から対称方向に延びる駆動腕と、前記連結腕と直交する方向であり且つ前記基部を中心に該基部から対称方向に延びる2つの検出腕とを有し、前記検出腕に錘部を備えた構成であることを特徴とする適用例1に記載のジャイロモジュール。
これによりジャイロ素子片は、ダブルT型ジャイロセンサとなる。そしてダブルT型ジャイロセンサが出力する信号を、第1検出軸回りの角速度成分と、第2検出軸回りの角速度成分に分離することができ、これらの2軸の出力を得ることができる。
[適用例3]前記ジャイロ素子片は、基部と、該基部を中心に該基部から対称方向に延びる2つの連結腕と、該連結腕を中心に該連結腕から対称方向に延びる駆動腕と、前記連結腕と直交する方向であり且つ前記基部を中心に該基部から対称方向に延びる2つの検出腕とを有し、前記検出腕に該検出腕よりも幅広の構成を有する錘部を備えたものであることを特徴とする適用例1に記載のジャイロモジュール。
これによりジャイロ素子片は、ダブルT型ジャイロセンサとなる。ダブルT型ジャイロセンサを用いることにより、第1検出軸と第2検出軸との感度比は1:1となる。このため一方の検出軸の出力に対して他方の検出軸の出力が小さくなることがないので、ゲイン等を一方の検出軸の出力と他方の検出軸の出力とで変える必要がない。よって信号の処理を簡単にすることができる。
[適用例4]前記2つのジャイロ素子片のうち少なくとも一つは、双音叉振動ジャイロセンサであることを特徴とする適用例1に記載のジャイロモジュール。
これにより双音叉振動ジャイロセンサが出力する信号を、Y軸回りの角速度成分と、Z軸回りの角速度成分に分離することができ、これらの2軸の出力を得ることができる。
[適用例5]前記ジャイロ素子片は水晶基板から形成されたものであり、前記2つの検出軸が水晶結晶軸の光学軸と機械軸とであることを特徴とする適用例1乃至4のいずれかに記載のジャイロモジュール。
これによりジャイロ素子片が出力する信号を、光学軸回りの角速度成分と、機械軸回りの角速度成分に分離することができ、これらの2軸の出力を得ることができる。
[適用例6]前記ジャイロモジュールは、前記演算回路の加算結果と前記演算回路の減算結果との信号レベルを比較し、前記信号レベルが一致する時間を計る比較手段と、前記比較手段の出力信号を受けて警報を発生する警報手段を備えたことを特徴とする適用例1に記載のジャイロモジュール。
これによりジャイロ素子片が故障したとしても、故障が発生したことを知らせることができる。
ジャイロモジュールのブロック図である。 ジャイロ素子片の概略斜視図である。 他方のジャイロセンサ素子片を、一方のジャイロ素子片に対して平面方向に反転した状態を説明する概略底面図である。 他方のジャイロセンサ素子片を、一方のジャイロ素子片に対して上下方向に反転した状態を説明する概略斜視図である。 1つのパッケージで2軸ジャイロモジュールを構成したときの概略断面図である。 ジャイロ素子の概略斜視図である。 双音叉振動ジャイロセンサの概略平面図である。
以下に、本発明に係るジャイロモジュールの最良の実施形態について説明する。図1はジャイロモジュールのブロック図である。2軸のジャイロモジュール10は、第1検出軸と第2検出軸を有するジャイロ素子片30を2つ有している。そして一方のジャイロ素子片30と他方のジャイロ素子片30は、各第1検出軸回りの角速度に対する検出感度極性が同じになっており、各第2検出軸回りの角速度に対する検出感度極性が反転している。
このジャイロ素子片30には、入力側に発振回路(図示せず)が接続しており、また出力側に演算回路20が接続している。この発振回路は、ジャイロ素子片30の駆動腕を励振させるものである。また演算回路20は、加算回路22および減算回路24を備えており、加算回路22が各ジャイロ素子片30の出力側に接続するとともに、減算回路24が各ジャイロ素子片30の出力側に接続している。そして加算回路22は、各ジャイロ素子片30が検出した角速度に基づく信号を加算して出力している。また減算回路24は、各ジャイロ素子片30が検出した角速度に基づく信号を減算して出力している。そして加算回路22の出力が第1検出軸の出力(第1検出軸出力)になり、減算回路24の出力が第2検出軸の出力(第2検出軸出力)になっている。
また加算回路22および減算回路24の後段に比較手段26が接続している。この比較手段26は、加算回路22の出力値と、減算回路24の出力値とを比較している。比較手段26の後段に警報手段28が接続しており、比較手段26から入力した警報発信号に基づいて警報を発するものである。
なお図1に示す回路図では、ジャイロ素子片と演算回路との接続構成を簡易的に記載したが、2軸ジャイロモジュール10における各ジャイロ素子片の後段回路の具体的構成は、例えば、後述するジャイロ素子片30の検出電極が検出した検出信号(電荷)を電圧信号に変換する為のチャージアンプ回路を1つの検出腕40に対して1つずつ備えたものである(1つのジャイロ素子片30に対して2つのチャージアンプ回路を備える)。
さらに2軸ジャイロモジュール10は、前記2つのチャージアンプ回路からの出力信号を増幅する為の差動増幅回路と、差動増幅回路からの出力信号と発振器の出力信号とを同期検波する為の同期検波回路と、同期検波回路の出力から高周波信号を除去する為のローパスフィルタとを備える。
そしてローパスフィルタからの出力信号を加算回路22、減算回路24に供給する構成を有する。
またジャイロ素子片30は次のようになっている。図2はジャイロ素子片の概略斜視図である。このジャイロ素子片30は、いわゆるダブルT型ジャイロセンサとなっている。このジャイロ素子片30は水晶を用いており、水晶結晶のX軸(電気軸)およびY軸(機械軸)で形成されるXY平面で切り出されたZカット水晶基板から形成されている。この水晶基板の主面が、ジャイロ素子片30の主面になっている。なおXY平面の垂直方向がZ軸(光学軸)になっている。
そしてジャイロ素子片30は、前記XY平面内において、矩形状の基部32を有している。この基部32には、XY平面内において、Y軸に平行な各端辺の中央からX軸に平行な方向に延びた連結腕34が存在する。すなわち基部32には、基部32と一体に形成した+X方向(X軸矢印方向)に延びる連結腕34と、これとは逆方向の−X方向に延びる連結腕34とが存在する。また各連結腕34の先端(X軸方向の先端)または中間(X軸方向の中間)には、XY平面内において、Y軸に平行な方向に延びた駆動腕36が存在する。すなわち各連結腕34の先端または中間の位置には、連結腕34と一体に形成した+Y方向(Y軸矢印方向)に延びる駆動腕36と、連結腕34を中心にして+Y方向に延びる駆動腕36と対称となるよう−Y方向に延びる駆動腕36が存在する。そして各駆動腕36の先端には、この駆動腕36よりもX軸方向の幅を広くした矩形状の錘部38が駆動腕36と一体に存在する。
また基部32には、XY平面において、X軸に平行な各端辺の中央からY軸に平行な方向に延びた検出腕40が存在する。すなわち基部32には、基部32と一体に形成した+Y方向に延びる検出腕40と、−Y方向に延びる検出腕40とが存在する。そして各検出腕40の先端には、この検出腕40よりもX軸方向の幅を広くした矩形状の錘部42が検出腕40と一体に存在する。この検出腕40の先端に設けた錘部42のX軸方向の幅は、駆動腕36の先端に設けた錘部38のX軸方向の幅よりも大きくしてある。そして検出腕40の先端に設けた錘部42の幅をD、駆動腕36の先端に設けた錘部38の幅をdとすると、5d≦D≦10dの関係を満たすようになっている。すなわち検出腕40の先端に設けた錘部42の幅Dは、駆動腕36の先端に設けた錘部38の幅dの5ないし10倍となるように設計してある。このように検出腕40の先端に設けた錘部42の幅Dを設定するのは、Y軸回転系の角速度検出において、検出腕40の捩れ振動を効率よく得るためである。
また駆動腕36および検出腕40のXY平面に平行する両面には、X軸方向のそれぞれの幅の中央に溝44を設けている。この溝44の内面全体に駆動電極または検出電極用の金属膜を設けることにより、駆動腕36および検出腕40のZY平面に平行する面に形成した駆動電極または検出電極と溝44に設けた電極との間に効率良く電界を発生させることができるので、ジャイロ素子片30の小型化を可能にしている。なお各駆動腕36に駆動電極(図示せず)が設けてあり、各検出腕40には検出電極(図示せず)が設けてある。前記駆動電極および前記検出電極は、基部32の裏面に設けた振動片側マウント電極48(図3、4を参照)と1対1に接続している。この振動片側マウント電極48は、ジャイロ素子片30がパッケージに収容されたときに、パッケージ側の電極との接続する箇所になる。
そしてジャイロ素子片30では、振動片側マウント電極48を介して前記駆動電極に発振回路からの電気信号(ドライブ信号)が供給されると、駆動腕36が対称的に屈曲振動(駆動振動)する。すなわち図2の左側に示す駆動腕36と右側に示す駆動腕36とが、ジャイロ素子片30の重心Gを通るY軸に平行な線に対して線対称の振動をする。このような駆動振動をジャイロ素子片30が行っているときに、Z軸回りの角速度が加えられると駆動腕36にはY軸方向のコリオリ力が働くことになる。そして、コリオリの影響を受けて検出腕40がX軸方向に屈曲振動(検出振動)するので、電気信号が前記検出電極を介して振動片側マウント電極48から出力する。また駆動振動をジャイロ素子片30が行っているときに、Y軸回りの角速度が加えられると検出腕40が捩れ振動(検出振動)する。この捩れ振動は、コリオリ力によって生じた検出腕40のX方向の屈曲振動と、Z方向の屈曲振動とを合成した振動モードである。そしてこの捩れ振動により、電気信号が検出電極から出力する。なおX軸回りの回転の場合には、コリオリ力が発生しないので、ジャイロ素子片30から電気信号を出力しない。
このようにジャイロ素子片30を構成しているので、Z軸回りの角速度を検出する感度と、Y軸回りの角速度を検出する感度の比が1対1になる。
なおジャイロ素子片30は、フォトリソグラフィ加工技術を用いて製造できるので、小型化することができる。また駆動腕36や検出腕40に錘部38,42や溝44を設けることによっても小型化することができるとともに、感度を高くすることができる。
そして2軸ジャイロモジュール10は、ジャイロ素子片30の出力信号から各検出軸の成分を分離するために、一方のジャイロ素子片30の第1検出軸と他方のジャイロ素子片30の第1検出軸との検出感度極性を一致させ、一方のジャイロ素子片30の第2検出軸と他方のジャイロ素子片30の第2検出軸との検出感度極性を反転させている。
これは、図3に示すように、同一構成のジャイロ素子片30を2つ用意し、他方のジャイロ素子片30を、一方のジャイロ素子片30に対してZ軸回りに180°回転させて配設(対称配設)すればよい。すなわち図3の左側に示す一方のジャイロ素子片30では、+Y方向が図面の上に向き、+Z方向が図面に対して垂直な手前側に向き、+X方向が図面の右に向いている。これに対し、図3の右側に示す他方のジャイロ素子片30は、一方のジャイロ素子片30に対して平面方向に180°反転しているので、+Y方向が図面の下に向き、+Z方向が図面に対して垂直な手前側に向き、+X方向が図面の左に向いている。このように各ジャイロ素子片30を配置すると、第1検出軸がZ軸になり、第2検出軸がY軸になる。
なお各ジャイロ素子片30のZ軸は完全に一致していてもよく、また2軸ジャイロモジュール10に必要とされる検出精度に応じて略一致している状態であってもよい。これと同様に、各ジャイロ素子片30のY軸の向きは、完全に180°反転した状態であってもよく、また2軸ジャイロモジュール10に必要とされる検出精度に応じて略反転している状態であってもよい。
なおZ軸を完全に一致させ、Y軸を完全に180°反転させて構成すれば検出精度の高い2軸ジャイロモジュール10となる。
そして図3では、振動片側マウント電極48に接続する前記駆動電極および前記検出電極を図示していない。また図3では、駆動腕36および検出腕40に設けた溝44を図示していない。
また各ジャイロ素子片30の第1検出軸の検出感度極性を一致させるとともに、第2検出軸の検出感度極性を反転させるには、図4に示すように各ジャイロ素子片30を配置することもできる。すなわち同一の構成のジャイロ素子片30を2つ用意し、他方のジャイロ素子片30を、一方のジャイロ素子片30に対して上下方向に反転すればよい。そして図4の上側に示す一方のジャイロ素子片30では、+Y方向が図面の右下に向き、+Z方向が図面の下に向き、+X方向が図面の右上に向いている。これに対し、図4の下側に示す他方のジャイロ素子片30は、一方のジャイロ素子片30に対して上下方向に180°反転しているので、+Y方向が図面の右下に向き、+Z方向が図面の上に向き、+X方向が図面の左下に向いている。このように各ジャイロ素子片30を配置すると、第1検出軸がY軸になり、第2検出軸がZ軸になる。
なお各ジャイロ素子片30のY軸は完全に一致していてもよく、また2軸ジャイロモジュール10に必要とされる検出精度に応じて略一致している状態であってもよい。これと同様に各ジャイロ素子片30のZ軸の向きは、完全に180°反転した状態であってもよく、また2軸ジャイロモジュール10に必要とされる検出精度に応じて略反転している状態であってもよい。
なおY軸を完全に一致させ、Z軸を完全に180°反転させて構成すれば検出精度の高い2軸ジャイロモジュール10となる。
そして図4では、振動片側マウント電極48に接続する前記駆動電極および前記検出電極の図示を省略する。また図4では、駆動腕36および検出腕40に設けた溝44の図示を省略する。
そして2軸ジャイロモジュール10は、1つのパッケージで構成することができる。図5は1つのパッケージで2軸ジャイロモジュールを構成したときの概略断面図である。すなわち2軸ジャイロモジュール10はパッケージベース62を有しており、上方および下方に向けて開口した凹陥部64がパッケージベース62に設けてある。各凹陥部64の側面は階段状に形成してあり、この階段部68の上面に該当する部分にジャイロ素子片30を搭載するためのパッケージ側マウント電極66が設けてある。また各凹陥部64の底面は、集積回路(IC)チップ58を固着する領域となっている。このような凹陥部64には、ICチップ58とパッケージ側マウント電極66とを導通するパターン(図示せず)が設けてある。またパッケージベース62の裏面に外部端子70が設けてあり、この外部端子70とICチップ58とを導通するパターン(図示せず)が設けてある。
またジャイロ素子片30は、中間基板50の上方に配置してある。この中間基板50はリード52(リード電極)を備えており、このリード52の先端部とジャイロ素子片30の振動片側マウント電極48(図5には図示せず)が接続している。またリード52の基端部は、中間基板50の縁部にまで引き回されており、パッケージ側マウント電極66と接続するようになっている。
そしてICチップ58は各凹陥部64の底面に固着しており、この内部または表面に前記発振回路を備えている。またICチップ58のうちの一方には、演算回路20や比較手段26等の発振回路の他の必要な回路が設けられている。なお2つ有るICチップ58は、1つにまとめた形態であってもよい。そして凹陥部64に設けた階段部68の上面に該当する部分に、ジャイロ素子片30が接続している中間基板50を配設する。これによりジャイロ素子片30とICチップ58が導通するとともに、ICチップ58と外部端子70が導通する。またジャイロ素子片30は、上下方向に互いに反転した状態でパッケージベース62に搭載されているので、第1検出軸がY軸となり、第2検出軸がZ軸となっている。
また各凹陥部64には、その開口している部分に蓋体72を設けることにより、凹陥部64を封止している。これによりジャイロ素子片30等が真空封止される。このような構成にすることにより、2軸ジャイロモジュール10を1つのパッケージ60で構成することができる。
なお真空封止工程としては、2つの凹陥部64を個別に真空封止しても良い。
また、一度の真空工程で2つの凹陥部64内を真空状態にしても良い。
この工程を実現する為には、例えば、パッケージベース62の内部(例えば、凹陥部の底面)に上下の凹陥部64を連結する為の貫通孔を形成しておけばよい。これにより、一方の凹陥部64の開口している部分を蓋体72にて覆った後、他方の凹陥部64を封止する前に真空処理することで、一方の凹陥部64内の気体が貫通孔を介して排出されるので、一度の真空処理工程にて2つの凹陥部64内を真空にすることが可能である。
したがって真空封止工程を簡素化することができる。
また上述した2つ有るICチップ58を1つにまとめた形態の場合、一方のジャイロ素子片30を搭載した中間基板50を凹陥部の底面に搭載することが可能である。
すなわちICチップ58が1つであれば、一方の凹陥部64内にはジャイロ素子片30のみを収納すればよいので、リード52の基端部と接続する為のパッケージ側マウント電極66を当該凹陥部64の底面に配設することが可能である。
そしてこれに伴い、当該凹陥部64内部には階段部68が不要となるので2軸ジャイロモジュール10の低背化に有効である。
さらには、Z軸方向における2つのジャイロ素子片30間の距離が短くなるので2つのジャイロ素子片30のY軸回転に対する角速度の検知結果の差(絶対値)は小さいものとなる。
また2軸ジャイロモジュール10は、1つのパッケージで構成する場合でも、次のようにすることもできる。すなわち中間基板50の上方および下方(表裏面)に、リード52を用いてジャイロ素子片30を互いに対向するよう配設する。このとき中間基板50の上方に配置するジャイロ素子片30と下方に配置するジャイロ素子片30の各第1検出軸を一致させるとともに、これらのジャイロ素子片30の各第2検出軸を反転させておけばよい。そして上方に開口した凹陥部を1つ有するパッケージベースに、この2つのジャイロ素子片30を備えた中間基板50とICチップ58を搭載する(パッケージベース内にはパッケージ側マウント電極を有する階段部を有し、パッケージ側マウント電極とリードの基端部とを接続する)。さらにパッケージの上面に蓋体を接合して、ジャイロ素子片30等を真空封止する。このような形態にすると、1つの凹陥部を備えたパッケージに2つのジャイロ素子片30とICチップ58を収容することができる。
そしてこのような構成では、Z軸方向における2つのジャイロ素子片30間の距離が短くなるので2つのジャイロ素子片30のY軸回転に対する角速度の検知結果の差(絶対値)は小さいものとなると共に、蓋体72の封止工程(接続工程)が一度で足りるので生産効率の高い2軸ジャイロモジュール10を得ることができる。
なおICチップ58とパッケージベース62側の回路配線との接続にはワイヤボンディングを適用しても良いが、フリップチップボンディング工法などによりICチップ58をパッケージベース62にフェイスダウンボンディングしても良い。
ICチップ58をフェイスダウンボンディングした場合、ワイヤボンディングの場合のようにZ軸方向にはワイヤのループの高さ分のスペースを設ける必要がないので、階段部68の高さをより低く構成することが可能である。
したがってICチップ58をワイヤボンディングした場合と比較してZ軸方向における2つのジャイロ素子片30間の距離を更に短くすることができるので、2つのジャイロ素子片30のY軸回転に対する角速度の検知結果の差(絶対値)を小さくすることができる。
また2軸ジャイロモジュール10は、1つのパッケージで構成する場合でも、パッケージベースに1つ設けた凹陥部に、1つのジャイロ素子片30を備えた中間基板50を2つ平面方向に並べて配設(図3に示す配設状態)するとともに、ICチップ58を配設し、パッケージベースの上面に蓋体を接合することもできる。
なお2つのジャイロ素子片30を一枚の中間基板50に平面方向に並べて配設した構成でもよい。
さらに2軸ジャイロモジュール10は、各ジャイロ素子片30をそれぞれ1つのパッケージに収容し、これを2つ組み合わせることにより形成してもよい。図6はジャイロ素子の概略斜視図である。なお図6では、蓋体、リード、パッケージ側マウント電極、外部端子およびICチップの記載を省略している。
ジャイロ素子80は、1つのパッケージ82に1つのジャイロ素子片30を収容したものである。そしてジャイロ素子片30は、図5を用いて説明した形態と同様に、リードを用いて中間基板50に固定されている。このジャイロ素子片30を搭載するパッケージベース84は、上方に向けて開口した凹陥部86を有しており、その内部にパッケージ側マウント電極が設けてある。またパッケージベース84の裏面に外部端子が設けてある。そして凹陥部86の底面にICチップが固着してあり、このICチップと外部端子が導通している。またICチップの上方には、ジャイロ素子片30を上方に向けて中間基板50が配設している。このとき中間基板50に設けた前記リードと、前記パッケージ側マウント電極が接続するので、ジャイロ素子片30とICチップが導通することになる。そしてパッケージベース84の上面に蓋体を接合して、ジャイロ素子片30を真空封止することにより、ジャイロ素子80を得る。
この後、2軸ジャイロモジュール10を形成するために、図6に示すジャイロ素子80を2つ組み合わせて配置する。なお、この組み合わせて配置する方法は、他方のジャイロ素子80を、一方のジャイロ素子80に対して平面方向に反転させて、配置すればよい。これにより各ジャイロ素子片30は、図3に示す形態となる。また組み合わせて配置する方法は、他方のジャイロ素子80を、一方のジャイロ素子80に対して上下方向に反転させて、配置してもよい。これにより各ジャイロ素子片30は、図4に示す形態となる。
このように各ジャイロ素子80を配置した後は、これらの周囲を樹脂モールド材で覆うことにより、1つのパッケージにすることができる。なお、このように2つのジャイロ素子80を用いて2軸ジャイロモジュール10を形成する場合、各パッケージ82に収容したICチップのうちのいずれか一方に演算回路20や比較手段26等を設けておけばよい。
なお上述ではパッケージ60内にICチップ58を収容した構成を説明したが、ICチップ58をパッケージ60の外部に搭載しても構わない。
この場合、特に図5に示すように、2つのジャイロ素子片30を重ねた構成においては、外部端子70と検出電極とが導通した構成となり、また2つの中間基板50を凹陥部の底面に搭載することができる。
したがって、Z軸方向における2つのジャイロ素子片30間の距離を更に短くすることができるので、2つのジャイロ素子片30のY軸回転に対する角速度の検知結果の差(絶対値)を小さくすることができる。
このような2軸ジャイロモジュール10の動作は、次のようになっている。まずジャイロ素子片30は、前記発振回路から駆動電極に電気信号が供給されて、駆動腕36が励振している。このとき第1検出軸回りの角速度および第2検出軸回りの角速度が各ジャイロ素子片30に加わると、それぞれのジャイロ素子片30が備えている検出腕40が励振し、これを電気信号に変換して出力する。この信号は、加算回路22および減算回路24に入力する。そして加算回路22は、一方のジャイロ素子片30から入力した信号と、他方のジャイロ素子片30から入力した信号とを加算する。加算回路22は、この加算により、検出感度極性が反転している軸(第2検出軸)回りの角速度成分を取除いて、検出感度極性が一致している軸(第1検出軸)回りの角速度成分を得ている。そして加算回路22は、各ジャイロ素子片30における第1検出軸回りの角速度成分を加算したものを出力するので、この出力する信号のレベルが入力する信号に比べて2倍になっている。この加算回路22の出力が、2軸ジャイロモジュール10の第1検出軸出力となる。
他方、減算回路24は、一方のジャイロ素子片30から入力した信号と、他方のジャイロ素子片30から入力した信号とを減算する。減算回路24は、この減算により、検出感度極性が一致している軸(第1検出軸)回りの角速度成分を取除いて、検出感度極性が反転している軸(第2検出軸)回りの角速度成分を得ている。そして減算回路24は、検出感度極性が反転している成分を減算するので、出力する信号のレベルが入力する信号に比べて2倍になっている。この減算回路24の出力が、2軸ジャイロモジュール10の第2検出軸出力となる。
すなわち2軸ジャイロモジュール10の回転軸が、例えば、図3に示す左側に記載したXYZ座標軸に於いてYZ平面内でZ軸となす角方向に傾斜した軸である場合、2つのジャイロ素子片30にはZ軸回りの角速度とY軸回りの角速度が混合して発生する。
よって、ジャイロ素子片30の検出電極からはZ軸回りの角速度に対する検出信号成分とY軸回りの角速度に対する検出信号成分とが重畳し合った検出信号が出力される。
但しこの場合であっても、Y軸回りの角速度の変化に対して、一方のジャイロ素子片30の検出信号成分の変化と、他方のジャイロ素子片30の検出信号成分の変化とでは極性が反転したものである。
したがって2つのジャイロ素子片30の検出信号を加算回路22にて加算すると、極性が等しいZ軸回りの角速度に対する検出信号成分は加算されるが、極性が異なるY軸回りの角速度に対する検出信号成分は結果的に減算されることになる。
そしてこの結果、第1の検出軸出力としてはZ軸回りの角速度に対する検出結果のみが得られる。
また2つのジャイロ素子片30の検出信号を減算回路24にて減算すると、極性が等しいZ軸回りの角速度に対する検出信号成分は結果的に減算されるが、極性が異なるY軸回りの角速度に対する検出信号成分は結果的に加算されることになる。
そしてこの結果、第2の検出軸出力としてはY軸回りの角速度に対する検出結果のみが得られる。
したがって2軸ジャイロモジュール10は、Z軸回りの角速度の検出成分とY軸回りの角速度の検出成分とを分離して検知することが可能である。
なお一方のジャイロ素子片30と他方のジャイロ素子片30が、上下を反転して配置してあれば、第1検出軸はY軸となる。また一方のジャイロ素子片30と他方のジャイロ素子片30が、平面方向に反転して配置してあれば、第1検出軸はZ軸となる。
そして第1検出軸回りの角速度のみが各ジャイロ素子片30に加わった場合、加算回路22は、各ジャイロ素子片30が出力した信号を加算して、入力した信号のレベルを2倍にしたものを出力する。他方、減算回路24は、各ジャイロ素子片30が出力した信号を減算すると出力が零になる。また第2検出軸回りの角速度が各ジャイロ素子片30に加わった場合、減算回路24は、各ジャイロ素子が出力した信号を減算して、入力した信号のレベルを2倍にしたものを出力する。他方、加算回路22は、各信号を加算すると出力が零になる。
また比較手段26は、加算回路22が出力した信号と減算回路24が出力した信号とを入力し、各信号のレベルが同じになっているか否かを比較する。比較手段26は、比較した結果、各信号のレベルが同じになっており、且つ、このレベルが同じになっている時間が予め設定した時間よりも長くなったときに、ジャイロ素子片30の少なくともいずれか一方が故障したと判断する。そして比較手段26は、警報手段28に警報発信号を出力する。警報手段28は、警報発信号を入力すると警報を発して、ジャイロ素子片30に故障が発生したことを知らせる。なお警報手段28は、2軸ジャイロモジュール10が搭載される電子機器に設けてあってもよい。
このようになっている2軸ジャイロモジュール10は、2つの検出軸を有するジャイロ素子片30を2つ有し、各ジャイロ素子片30の第1検出軸の検出感度極性を一致させ、第2検出軸の検出感度極性を反転しているので、各ジャイロ素子片30の出力を加算または減算することにより、各検出軸の成分を分離することができる。すなわち2軸ジャイロモジュール10は、ジャイロ素子片30が出力する信号から、第1検出軸回りの角速度の成分と、第2検出軸回りの角速度の成分を分離することができ、これらの2軸の出力を得ることができる。
また2軸ジャイロモジュール10は、ダブルT型の各ジャイロ素子片30をパッケージに収容すると、各ジャイロ素子片30の主面がパッケージの底面に沿うようにジャイロ素子片30を配設しても主面に垂直方向を検出軸回りとした角速度を検出することができる。これにより2軸ジャイロモジュール10は、従来のようにジャイロ素子片30を垂直に立たせて配置する必要がないので、2つのジャイロ素子片30を平面方向または積層方向に配置するいずれの場合であっても、低背化することができる。また2軸ジャイロモジュール10は、各ジャイロ素子片30の主面を平行に配置しても2軸の検出を行えるので、無駄な空間を生じることがない。よってジャイロ素子片30の厚みサイズを2軸ジャイロモジュール10の厚みサイズに反映させることができ、その結果、2軸ジャイロモジュール10を小型化することができる。そして各ジャイロ素子片30を平面方向に並べて配置した場合は、2軸ジャイロモジュール10をより低背化することができる。また各ジャイロ素子片30を上下方向に並べて配置した場合は、2軸ジャイロモジュール10の平面サイズをより小型化することができる。
また2軸ジャイロモジュール10は、1つの検出軸の出力が2つのジャイロ素子片30の出力を足したものになっているので、信号レベルを従来に比べて2倍にすることができる。このためジャイロ素子片30が出力した信号にノイズが加わったとしても、演算回路20において信号レベルが大きくなるが、ノイズのレベルが変わることがない。よって2軸ジャイロモジュール10は、信号レベルに比べてノイズを小さくできるので、高精度になる。また2軸ジャイロモジュール10は、フィルタ等を設ける必要がないので、信号の処理工程が少なくて済み、回路が大きくなることもない。
また2軸ジャイロモジュール10は、1つのパッケージに形成した1つの凹陥部内に2つのジャイロ素子片30を平面方向に配設する構成とすれば、中間基板50を配設する面を同一面内にすることができるので、各ジャイロ素子片30を搭載する平面精度を優れたものにすることができる。そして仮に、中間基板50を配設する面で構成する前記同一面が、水平方向に対して傾斜していても、2つのジャイロ素子片30の傾斜確度は等しいので、この傾斜確度を調整する作業を簡易なものにすることができる。
また2軸ジャイロモジュール10は、1つのパッケージに2つのジャイロ素子片30を収容する構成や、2つのジャイロ素子80を一体化した構成にすれば、2つのジャイロ素子片30の向き、すなわち第1検出軸および第2検出軸の向きを調整してパッケージに搭載することができる。このため2軸ジャイロモジュール10を実装基板に実装する場合でも、第1検出軸間にずれが生じることがなく、また第2検出軸間にずれが生じることもない。これに対し、1つのパッケージに1つのジャイロ素子片を収容したジャイロ素子を一体化することなく、個別に実装基板へ実装する場合では、ジャイロ素子を実装基板に載せて固定するまでの間にジャイロ素子が平面方向に回転してしまう等の不具合が発生することがある。この場合には、各検出軸間の向きを調整するのは困難であり、各検出軸の向きにバラツキが生じてしまう。よって2軸ジャイロモジュール10は、2軸の角速度の検出を高精度に行うことができる。
また2軸ジャイロモジュール10は、ジャイロ素子片30に前述した構成のダブルT型ジャイロセンサを用いているので、Z軸とY軸の検出感度を等しくすることができる。よってZ軸の検出感度と、Y軸の検出感度を等しくするための調整を必要としないので、演算回路20で加算・減算を行う処理だけで済む。これに対し、第1検出軸と第2検出軸の検出感度が異なる場合は、第1検出軸の検出感度と、第2検出軸の検出感度を等しくする処理を必要とする。この場合には、演算回路20で加算・減算を行う処理の他に、検出感度を等しくするための処理が必要になり、信号処理の工程が多くなってしまう。
なお前述した実施形態では、ジャイロ素子片30にダブルT型ジャイロセンサを用いた構成を説明したが、本発明はこの形態に限定されることはない。すなわちジャイロ素子片30は、双音叉振動ジャイロセンサを用いた構成であってもよい。図7は双音叉振動ジャイロセンサの概略平面図である。双音叉振動ジャイロセンサ90は、X軸とY軸で形成されるXY平面で切り出されたZカット水晶基板から形成されている。この水晶基板の主面が、双音叉振動ジャイロセンサ90の主面になっている。なおXY平面の垂直方向がZ軸になっている。
そして双音叉振動ジャイロセンサ90は2本の振動腕92を有しており、これらの振動腕92の両端に双音叉支持部94が設けてある。各双音叉支持部94には、振動腕92が接続している側に対して反対の方向に、検出部96を介して支持固定部98が接続している。振動腕92は駆動部になっており、表面に駆動電極(図示せず)が設けてある。この駆動電極に電気信号を供給することにより、各振動腕92が互いに近づいたり離れたりする屈曲振動を行う。また検出部96の表面に検出電極(図示せず)が設けてある。そして双音叉振動ジャイロセンサ90は、角速度が加わるとコリオリ力が働くので、これに応じた屈曲振動が発生する。この屈曲振動の時には検出部96も振動をするので、前記検出電極で検出部96の振動を電気信号に変えて出力する。このような双音叉振動ジャイロセンサ90では、Y軸回りの角速度と、Z軸周りの角速度を検出することができる。したがって2軸ジャイロモジュール10は、このような双音叉振動ジャイロセンサ90をジャイロ素子片30として用いることができる。
なお前述した2軸ジャイロモジュールは、ジャイロ素子片30,80に水晶を用いた形態であるが、本発明はこれに限定されることはない。すなわちジャイロ素子片は、水晶以外の他の圧電材料を用いて作製したものであってもよく、シリコンの微細加工技術を用いて作製したもの(MEMS:微小電気機械システム)であってもよい。
10………ジャイロモジュール、20………演算回路、22………加算回路、24………減算回路、26………比較手段、28………警報手段、30………ジャイロ素子片、32………基部、36………駆動腕、38………錘部、40………検出腕、42………錘部、50………中間基板、60………パッケージ、80………ジャイロ素子、82………パッケージ。

Claims (1)

  1. 第1検出軸と第2検出軸とを有するジャイロ素子片を2つ有し、
    一方の前記ジャイロ素子片と他方の前記ジャイロ素子片とを、前記各第1検出軸の検出感度極性を同じにするとともに、前記各第2検出軸の検出感度極性を反転させて配設し、
    前記各ジャイロ素子片から出力する信号を加算および減算し、これらの演算結果を出力する演算回路を備え、
    前記演算回路の後段に比較手段が接続されるとともに、警報発信号を入力することによって警報を発する警報手段が前記比較手段の後段に接続されており、
    前記比較手段は、前記各ジャイロ素子片から出力する信号を加算した結果と前記信号を減算した結果とを入力して各値を比較し、前記各値が同じになっている時間が予め設定した時間よりも長くなったときに、前記2つのジャイロ素子片の少なくともいずれか一方が故障したと判断し、前記警報手段に前記警報発信号を出力してなることを特徴とするジャイロモジュール。
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