JP5111481B2 - 支柱支持方法 - Google Patents

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Description

この発明は、一定の大きさをした矩形状の壁面構築用パネルを左右方向へ立て並べた上に壁面構築用パネルを順次積み重ねて左右方向へ立て並べ、壁面または擁壁を構築するための複数の支柱を一度に基礎に建て、建てた支柱を倒れないように支持する支柱支持方法に関するものである。
道路などの壁面または擁壁を構築する場合、まず、コンクリートを打設して基礎を構築し、この基礎に壁面構築用パネルを積み上げて固定するための支柱を所定間隔で建てる。
そして、壁面構築用パネルに設けたフック、所定のファスナを使用して最下段の壁面構築用パネルを左右方向へ隙間なく立て並べるとともに、支柱に固定する。
次に、最下段の壁面構築用パネルの上に2段目の壁面構築用パネルを積み上げ、壁面構築用パネルに設けたフック、および、所定のファスナを使用して2段目の壁面構築用パネルを左右方向へ隙間なく立て並べるとともに、支柱に固定する。
以後は、同様に壁面構築用パネルを順次積み重ね、支柱に固定する。
そして、壁面構築用パネルの背面側に、例えば、コンクリート、ウレタン、発泡スチロールなどを充填することにより、壁面または擁壁を構築する。
なお、壁面構築用パネルを固定する支柱を建て並べる場合、例えば、基礎を打設するとき、予め支柱を建てる位置にアンカーボルトを設置し、このアンカーボルトを使用して支柱を建てる。
2003年(平成15年)12月三菱化学産資株式会社発行 『現場発泡ウレタン超軽量盛土工法』パンフレット
上記のようにして支柱を建て並べる場合、支柱を1本ずつ重機を用いて建て並べることとなり、支柱を建て並べるのに重機の費用と手間がかかる。
そして、建て並べた支柱は位置ずれが生じやすく、その矯正が著しく困難であるため、構築した壁面または擁壁が歪み、見苦しい壁面または擁壁となる。
また、建て並べた支柱の位置がずれると、壁面構築用パネルを支柱に固定する際、壁面構築用パネルに捻れ荷重がかかることにより、壁面構築用パネルが破損する恐れがある。
この発明は、以下のような発明である。
リップ部と、このリップ部に直交して連なる平坦部と、この平坦部に直交して連なり前記リップ部と平行する直交平坦部と、からリップ溝型形状に形成された横断面を有する支柱に壁面構築用パネルを固定し、倒れないよう前記支柱を支持する支柱支持方法であって、前記リップ部に沿って上下動可能にグリップ具を取り付け、このグリップ具を、前記支柱部と前記壁面構築用パネルの後側に充填する発泡躯体の間に打設する中間コンクリートまたは前記発泡躯体の上に打設する床板コンクリートとの挟まないようにして埋設アンカーを介して固定する、ことを特徴とする。
また、前記グリップ具が、前記埋設アンカーに取り付けられる装着部と、この装着部に固着され、前記リップ部を前記装着部とで前記リップ部に沿って上下動可能に挟持する支柱挟持部とから構成された、ことを特徴とする。
この発明の支柱支持方法によれば、リップ部付き支柱のリップ部に沿って上下動可能にグリップ具を取り付け、このグリップ具を、壁面構築用パネルの後側に充填する発泡躯体の間に打設する中間コンクリートと、発泡躯体の上に打設する床板コンクリートとの少なくとも一方に埋設アンカーを介して固定したので、支柱を倒れないよう支持することができるとともに、荷重によって発泡躯体が圧縮されることによって中間コンクリート、床板コンクリートが沈降しても、この沈降する中間コンクリート、床板コンクリートとともにグリップ具が支柱のリップ部に沿って下降することにより、支柱が発泡躯体側へ引き込まれ(倒れ)なくなる。
また、定規材で連結した複数の支柱を目的の位置に起こして固定するので、一度に複数の支柱を効率よく所望の位置に建てることができる。
(a)〜(f)はこの発明の支柱支持方法の一実施例を示す右側断面図である。 (a)〜(f)はこの発明の支柱支持方法の一実施例を示す平面図である。 この発明の支柱支持方法に使用する支柱の第1例を示す平面図である。 (a)〜(c)はこの発明の支柱支持方法に使用する定規材の第1例を示す正面図、平面図および側面図である。 (a)〜(d)はこの発明の支柱支持方法に使用するグリップ具の第1例を示す正面図、平面図、裏面図および右側面図である。 (a),(b)は図3に示した複数の支柱に図4に示した定規材を図5に示したグリップ具で取り付けた状態の平面図に相当する図および左側面図に相当する図である。 (a)〜(d)はこの発明の支柱支持方法に使用するグリップ具の第2例を示す正面図、平面図、裏面図および右側面図である。 (a),(b)は図3に示した複数の支柱に図4に示した定規材を図7に示したグリップ具で取り付けた状態の平面図に相当する図および左側面図に相当する図である。 この発明の支柱支持方法に使用する支柱の第2例を示す平面図である。 この発明の支柱支持方法に使用する支柱の第3例を示す平面図である。 この発明の支柱支持方法に使用する支柱の第4例を示す平面図である。 この発明の支柱支持方法に使用する支柱の第5例を示す平面図である。 (a)〜(d)はこの発明の支柱支持方法に使用するグリップ具の第3例を示す正面図、平面図、裏面図および右側面図である。 (a),(b)は図12に示した複数の支柱に図4に示した定規材を図13に示したグリップ具で取り付けた状態の平面図に相当する図および左側面図に相当する図である。 (a)〜(d)はこの発明の支柱支持方法に使用するグリップ具の第4例を示す正面図、平面図、裏面図および右側面図である。 (a),(b)は図12に示した複数の支柱に図4に示した定規材を図15に示したグリップ具で取り付けた状態の平面図に相当する図および左側面図に相当する図である。 この発明の支柱支持方法に使用する支柱の第6例を示す平面図である。 (a)〜(d)はこの発明の支柱支持方法に使用するグリップ具の第5例を示す平面図である。 (a),(b)は図9に示した複数の支柱に図4に示した定規材を図18に示したグリップ具で取り付けた状態の平面図に相当する図および左側面図に相当する図である。 (a)〜(d)はこの発明の支柱支持方法に使用するグリップ具の第6例を示す平面図である。 (a),(b)は図17に示した複数の支柱に図4に示した定規材を図20に示したグリップ具で取り付けた状態の平面図に相当する図および左側面図に相当する図である。 支柱および壁面構築用パネルなどを裏面(後)側右上方から見た分解斜視図である。 壁面構築用パネルを用いた壁面構築方法を説明するための平面図に相当する説明図である。 図23の一部を拡大するとともに、破断した説明図である。 壁面構築用パネルを用いた壁面構築方法を説明するための、一部の部材を破断した拡大側面図に相当する説明図である。 壁面構築用パネルを用いた壁面構築方法を説明するための裏面図である。 この発明の支柱支持方法の一実施例を示す右側断面図に相当する説明図である。 図27の要部を示す拡大右側断面図に相当する説明図である。 図27の要部を示す拡大平断面図に相当する説明図である。
以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1(a)〜図1(f)はこの発明の支柱支持方法の一実施例を示す右側断面図、図2(a)〜図2(f)はこの発明の支柱支持方法の一実施例を示す平面図である。
なお、図2(a)〜図2(f)は図1(a)〜図1(f)に対応する平面図である。
そして、壁面構築用パネルを固定する支柱の面は、図1および図2の左側である。
これら図において、11は壁面を構築する形状に沿わせて、後述する支柱21を所定間隔で建て並べる基礎を示し、支柱21の断面外形よりも大きな、例えば、直径が150mmのスリーブ穴12が所定間隔、例えば、450mm間隔で設けられている。
21は図示を省略した壁面構築用パネルを固定する支柱、31は複数の支柱21に水平方向へ差し渡して取り付けられる定規材、41は定規材31を支柱21に取り外し可能に取り付けて固定するためのグリップ具、51は支柱21を、目的の角度を含む目的の位置に起こして仮止めするための支え棒、61は支柱21を固定するためにスリーブ穴21へ充填される、モルタル、コンクリート、砂、砂利などの支柱固定用充填材を示す。
次に、支柱21の設置について説明する。
まず、壁面または擁壁を構築する部分にコンクリートを打設することにより、基礎11を構築する。
そして、壁面または擁壁の面に沿わせて所定間隔で、支柱21の断面外形よりも大きなスリーブ穴12を基礎11に複数設ける(図1(a)、図2(a))。
次に、複数のスリーブ穴12に一端を挿入して支柱21を傾けて建て並べ(図1(b)、図2(b))、この傾けて建て並べた複数の支柱21の左右間隔および前後位置を決める定規材31を、例えば、複数の支柱21の高さ方向の上側と下側との4個所に水平方向へ差し渡してグリップ具41で取り外し可能に取り付ける(図1(c)、図2(c))。
そして、定規材31で連結された複数の支柱21を、支え棒51を使用して人力で目的の位置に起こして仮止めする(図1(d)、図2(d))。
次に、仮止めした複数の支柱21のスリーブ穴12へ支柱固定用充填材61を充填して複数の支柱21を固定した後(図1(e)、図2(e))、支え棒51を取り外すことにより(図1(f)、図2(f))、支柱21の設置が完了する。
なお、定規材31は、壁面構築用パネルを支柱21に固定するのに邪魔な状態なる都度、グリップ具41を定規材31から取り外すことによって支柱21から取り外す。
上述したように、この発明における支柱支持方法の一実施例によれば、定規材31で連結した複数の支柱21を人力で目的の位置に起こして固定するので、一度に複数の支柱21を効率よく所望の位置に建てることができる。
そして、定規材31をグリップ具41で支柱21に取り外し可能に取り付けたので、用済み状態になったら、定規材31およびグリップ具41を取り外すことにより、定規材31およびグリップ具41を再利用することができる。
なお、この実施例では、複数の定規材31を、複数の支柱21の壁面構築用パネルを固定する側に取り付けたが、複数の定規材31を、複数の支柱21の壁面構築用パネルを固定する側と対向する側(図1において支柱21の右側)に取り付けることにより、複数の定規材31を取り外すことなく支柱21に壁面構築用パネルを固定することができる。
したがって、複数の定規材31を取り外す必要がなくなる。
図3はこの発明の支柱支持方法に使用する支柱の第1例を示す平面図である。
図3において、21Aは、軽山形鋼で構成した支柱を示し、後述する定規材31Aとグリップ具41Aとで挟持される平坦部22Aが設けられている。
図4(a)〜図4(c)はこの発明の支柱支持方法に使用する定規材の第1例を示す正面図、平面図および側面図である。
図4において、31Aは、軽角形鋼で構成した定規材を示し、所定間隔、例えば、450mm間隔で取付孔32Aが設けられている。
図5(a)〜図5(d)はこの発明の支柱支持方法に使用するグリップ具の第1例を示す正面図、平面図、裏面図および右側面図である。
図5において、41Aはグリップ具を示し、図4に示した定規材31Aへ着脱可能に取り付けられる装着部42Aと、この装着部42Aに溶着され、図3に示した支柱21Aの一方の平坦部22Aを定規材31Aとで挟持する板状の支柱挟持部46Aとで構成されている。
上記した装着部42Aは、アングル材を切断して構成された支持部43Aと、この支持部43Aの一片の内側に頭部44hが溶着され、ねじ部44sが支持部43Aの一片を貫通するボルト44Aと、このボルト44Aのねじ部44sに螺合するナット45A(図5(b)のみに図示されている。)とで構成されている。
そして、ねじ部44sは、図4に示した定規材31Aの取付孔32Aを一端側から他端側まで貫通する長さとされている。
49Aは間隔を示し、定規材31Aに当接する支持部43Aの一片の面の延長線と支柱挟持部46Aとの間に形成され、図3に示した支柱21Aの平坦部22Aの厚さよりも少し狭い、例えば、8mmとされている。
図6(a),(b)は図3に示した複数の支柱に図4に示した定規材を図5に示したグリップ具で取り付けた状態の平面図に相当する図および左側面図に相当する図である。
次に、複数の支柱21Aに定規材31Aをグリップ具41Aで取り付ける一例について説明する。
まず、グリップ具41Aを構成するボルト44Aのねじ部44sを定規材31Aの各取付孔32Aへ挿入し、定規材31Aを貫通した各ねじ部44sにそれぞれナット45Aを緩めに螺合させる。
そして、定規材31Aと各支柱挟持部46Aとの間へ各支柱21Aの平坦部22Aをそれぞれ挿入する。
次に、各ねじ部44sに螺合させてあったナット45Aを締め付けると、間隔49Aが平坦部22Aの厚さよりも少し狭くされているので、図6に示すように、各支柱21Aの平坦部22Aを定規材31Aと支柱挟持部46Aとで挟持することにより、複数の支柱21Aに定規材31Aをグリップ具41Aで取り付けることができる。
このように、定規材31Aを、断面が正方形の方形筒にしたので、定規材31Aに強度を持たせることができる。
さらに、定規材31Aをグリップ具41Aで支柱21Aに取り外し可能に取り付けたので、定規材31Aが用済み状態になったら、定規材31Aおよびグリップ具41Aを支柱21Aから取り外すことにより、定規材31Aおよびグリップ具41Aを再利用することができる。
また、グリップ具41Aを、定規材31Aへ着脱可能に取り付けられる装着部42Aと、この装着部42Aに固着され、支柱21Aの平坦部22Aを定規材31Aとで挟持する支柱挟持部46Aとで構成したので、支柱21Aの平坦部22Aを挟持することにより、捻れを矯正して支柱21Aを建てることができる。
したがって、支柱21Aを歪みなく建てることができることにより、壁面または擁壁を歪みなく構築することができる。
なお、定規材31Aを、構築する壁面または擁壁に沿った形状とすることにより、一度に複数の支柱21Aを構築する壁面に沿わせて効率よく所望の位置に建てることができる。
図7(a)〜図7(d)はこの発明の支柱支持方法に使用するグリップ具の第2例を示す正面図、平面図、裏面図および右側面図である。
図7において、41Bはグリップ具を示し、図4に示した定規材31Aへ着脱可能に取り付けられる装着部42Bと、この装着部42Bに溶着され、図3に示した支柱21Aの一方の平坦部22Aを定規材31Aとで挟持するとともに、支柱21Aの他方の平坦部22Aに当接する板状の支柱挟持部46Bとで構成されている。
上記した装着部42Bは、アングル材を切断して構成された支持部43Bと、この支持部43Bの一片の内側に頭部44hが溶着され、ねじ部44sが支持部44Bの一片を貫通するボルト44Bと、このボルト44Bのねじ部44sに螺合するナット45B(図7(b)のみに図示されている。)とで構成されている。
そして、ねじ部44sは、図4に示した定規材31Aの取付孔32Aを一端側から他端側まで貫通する長さとされている。
49Bは間隔を示し、定規材31Aに当接する支持部43Bの一片の面の延長線と支柱挟持部46Bとの間に形成され、図3に示した支柱21Aの挟持される平坦部22Aの厚さよりも少し狭い、例えば、8mmとされている。
図8(a),(b)は図3に示した複数の支柱に図4に示した定規材を図7に示したグリップ具で取り付けた状態の平面図に相当する図および左側面図に相当する図である。
次に、複数の支柱21Aに定規材31Aをグリップ具41Bで取り付ける一例について説明する。
まず、グリップ具41Bを構成するボルト44Bのねじ部44sを定規材31Aの各取付孔32Aへ挿入し、定規材31Aを貫通した各ねじ部44sにそれぞれナット45Bを緩めに螺合させる。
そして、定規材31Aと各支柱挟持部46Bとの間へ各支柱21Aの平坦部22Aの一方をそれぞれ挿入するとともに、他方の平坦部22Aを支柱挟持部46Bに当接させる(押し当てる。)。
次に、各ねじ部44sに螺合させてあったナット45Bを締め付けると、間隔49Bが平坦部22Aの厚さよりも少し狭くされているので、図8に示すように、各支柱21Aの一方の平坦部22Aを定規材31Aと支柱挟持部46Bとで挟持し、他方の平坦部22Aに支柱挟持部46Bを当接させることにより、複数の支柱21Aに定規材31Aをグリップ具41Bで取り付けることができる。
このようにして複数の支柱21Aに定規材31Aをグリップ具41Bで取り付ける場合、図3〜図6に示した場合と同様な効果が得られる。
そして、支柱挟持部46Bを、一方の平坦部22Aに直交して連なる直交平坦部、すなわち、他方の平坦部22Aに当接させたので、捻れをさらに矯正して支柱21Aを建てることができる。
したがって、支柱21Aをさらに歪みなく建てることができることにより、壁面または擁壁をさらに歪みなく構築することができる。
なお、図4に示した定規材31Aを図5または図7に示したグリップ具41A,41Bで取り付ける支柱を図3に示した支柱21Aとしたが、図9の平面図に示すように、軽溝形鋼で構成され、2つの平坦部22Cと、この2つの平坦部22Cに直交して2つの平坦部22Cを平行に連結する直交平坦部23Cとを有する支柱21Cであっても、また、図10の平面図に示すように、軽Z形鋼で構成され、反対方向へ向いた2つの平坦部22Dと、この2つの平坦部22Dに直交して2つの平坦部22Dを平行に連結する直交平坦部23Dとを有する支柱21Dであっても、また、図11の平面図に示すように、ハット形鋼で構成され、左右に位置する2つの平坦部22Eと、この2つの平坦部22Eの内側端に直交して同一方向へ平行に延びた直交平坦部23Eと、この2つ直交平坦部23Eを平坦部22Eと平行して連結する連結部24Eとを有する支柱21Eであっても、図4に示した定規材31Aを図5または図7に示したグリップ具41A,41Bで取り付けることができる。
図12はこの発明の支柱支持方法に使用する支柱の第5例を示す平面図である。
図12において、21Fは、リップZ形鋼で構成した支柱を示し、反対方向へ向いた2つの平坦部22Fと、この平坦部22Fの離れた端に、互いに近づく方向へ直交して連なる2つのリップ部25Fと、2つの平坦部22Fに直交して2つの平坦部22Fの端を連結する直交平坦部26Fとで構成されている。
図13(a)〜図13(d)はこの発明の支柱支持方法に使用するグリップ具の第3例を示す正面図、平面図、裏面図および右側面図である。
図13において、41Fはグリップ具を示し、図4に示した定規材31Aへ着脱可能に取り付けられる装着部42Fと、この装着部42Fに溶着され、図12に示した支柱21Fのリップ部25Fを挟持するとともに、平坦部22Fを定規材31Aとで挟持する板状の支柱挟持部46Fとで構成されている。
上記した装着部42Fは、アングル材を切断して構成された支持部43Fと、この支持部43Fの一片の内側に頭部44hが溶着され、ねじ部44sが支持部43Fの一片を貫通するボルト44Fと、このボルト44Fのねじ部44sに螺合するナット45F(図13(b)のみに図示されている。)とで構成されている。
そして、ねじ部44sは、図4に示した定規材31Aの取付孔32Aを一端側から他端側まで貫通する長さとされている。
47Fはリップ部挟持部を示し、支持部43Fと支柱挟持部46Fの一部との間に形成され、図12に示したリップ部25Fを挟持する部分である。
そして、リップ部挟持部47Fの間隔は、リップ部25Fの厚さとされている。
49Fは間隔を示し、図4に示した定規材31Aに当接する支持部43Fの一片の面の延長線と支柱挟持部46Fとの間に形成され、図12に示した支柱21Fの平坦部22Fの厚さよりも少し狭い、例えば、8mmとされている。
図14(a),(b)は図12に示した複数の支柱に図4に示した定規材を図13に示したグリップ具で取り付けた状態の平面図に相当する図および左側面図に相当する図である。
次に、複数の支柱21Fに定規材31Aをグリップ具41Fで取り付ける一例について説明する。
まず、グリップ具41Fのリップ部挟持部47Fへ支柱21Fのリップ部25Fを挿入させるため、例えば、支柱挟持部46Fをリップ部25Fに平行させるとともに直交平坦部26Fに直交させ、リップ部挟持部47Fをリップ部25Fに対応させた後、グリップ具41Fを回動させることにより、リップ部挟持部47Fにリップ部25Fを挟持させる。
そして、ボルト44Fのねじ部44sを定規材31Aの各取付孔32Aへ挿入し、定規材31Aを貫通したねじ部44sにナット45Fを螺合させて締め付けると、間隔49Fが平坦部22Fの厚さよりも少し狭くされているので、図14に示すように、支柱21Fの平坦部22Fを定規材31Aと支柱挟持部46Fとで挟持することにより、支柱21Fに定規材31Aをグリップ具41Fで取り付けることができる。
このように定規材31Aをグリップ具41Fで支柱21Fに取り付けるのを、個々の支柱21Fに対して別々に行うと、定規材31Aをグリップ具41Fで複数の支柱21Fに取り付けられない場合があるので、複数の支柱21Fに対して定規材31Aをグリップ具41Fで取り付けるのを同時に行うのが望ましい。
このようにして複数の支柱21Fに定規材31Aをグリップ具41Fで取り付ける場合、図3〜図6に示した場合と同様な効果が得られる。
そして、支柱挟持部46Fを、装着部43Fに固着され、支柱21Fのリップ部25Fを装着部43Fとで挟持するとともに、平坦部22Fを定規材31Aとで挟持する構成にしたので、捻れをさらに矯正して支柱21Fを建てることができる。
したがって、支柱21Fをさらに歪みなく建てることができることにより、壁面または擁壁をさらに歪みなく構築することができる。
図15(a)〜図15(d)はこの発明の支柱支持方法に使用するグリップ具の第4例を示す正面図、平面図、裏面図および右側面図である。
図15において、41Gはグリップ具を示し、図4に示した定規材31Aへ着脱可能に取り付けられる装着部42Gと、この装着部42Gに溶着され、図12に示した支柱21Fのリップ部25Fを装着部42Gとで挟持し、平坦部22Fを定規材31Aとで挟持するとともに、直交平坦部26Fに当接する板状の支柱挟持部46Gとで構成されている。
上記した装着部42Gは、アングル材を切断して構成された支持部43Gと、この支持部43Gの一片の内側に頭部44hが溶着され、ねじ部44sが支持部43Gの一片を貫通するボルト44Gと、このボルト44Gのねじ部44sに螺合するナット45G(図15(b)のみに図示されている。)とで構成されている。
そして、ねじ部44sは、図4に示した定規材31Aの取付孔32Aを一端側から他端側まで貫通する長さとされている。
47Gはリップ部挟持部を示し、支持部43Gと支柱挟持部46Gの一部との間に形成され、図12に示したリップ部25Fを挟持する部分である。
そして、リップ部挟持部47Gの間隔は、リップ部25Fの厚さとされている。
49Gは間隔を示し、図4に示した定規材31Aに当接する支持部43Gの一片の面の延長線と支柱挟持部46Gとの間に形成され、図12に示した支柱21Fの平坦部22Fの厚さよりも少し狭い、例えば、8mmとされている。
図16(a),(b)は図12に示した複数の支柱に図4に示した定規材を図15に示したグリップ具で取り付けた状態の平面図に相当する図および左側面図に相当する図である。
次に、複数の支柱21Fに定規材31Aをグリップ具41Gで取り付ける一例について説明する。
まず、グリップ具41Gのリップ部挟持部47Gへ支柱21Fのリップ部25Fを挿入させるため、例えば、支柱挟持部46Gをリップ部25Fに平行させるとともに直交平坦部26Fに直交させ、リップ部挟持部47Gをリップ部25Fに対応させた後、グリップ具41Gを回動させることにより、支柱挟持部46Fを直交平坦部26Fに当接させるとともに、リップ部挟持部47Gにリップ部25Fを挟持させる。
そして、ボルト44Gのねじ部44sを定規材31Aの取付孔32Aへ挿入し、定規材31Aを貫通したねじ部44sにナット45Gを螺合させて締め付けると、間隔49Gが平坦部22Fの厚さよりも少し狭くされているので、図16に示すように、支柱21Fの平坦部22Fを定規材31Aと支柱挟持部46Gとで挟持することにより、支柱21Fに定規材31Aをグリップ具41Gで取り付けることができる。
このように定規材31Aをグリップ具41Gで支柱21Fに取り付けるのを、個々の支柱21Fに対して別々に行うと、定規材31Aをグリップ具41Gで複数の支柱21Fに取り付けられない場合があるので、複数の支柱21Fに対して定規材31Aをグリップ具41Gで取り付けるのを同時に行うのが望ましい。
このようにして複数の支柱21Fに定規材31Aをグリップ具41Gで取り付ける場合、図3〜図6に示した場合と同様な効果が得られる。
そして、支柱挟持部46Gを、装着部43Gに固着され、支柱21Fのリップ部25Fを装着部43Gとで挟持し、平坦部22Fを定規材31Aとで挟持するとともに、直交平坦部26Fに当接する構成にしたので、捻れをより一層矯正して支柱21Fを建てることができる。
したがって、支柱21Fをより一層歪みなく建てることができることにより、壁面または擁壁をより一層歪みなく構築することができる。
なお、図4に示した定規材31Aを図13または図15に示したグリップ具41F,41Gで取り付ける支柱を図12に示した支柱21Fとしたが、図17の平面図に示すように、リップ溝形鋼(C形鋼)で構成され、対向する2つの平坦部22Hと、この2つの平坦部22Hの同じ側に互いに近づくように、平坦部22Hに直交して連なるリップ部25Hと、2つの平坦部22Hのリップ部25Hと反対側の端に、2つの平坦部22Hに直交して2つの平坦部22Hを平行に連結する直交平坦部26Hとを有する支柱21Hであっても、図4に示した定規材31Aを図13または図15に示したグリップ具41F,41Gで取り付けることができる。
図18(a)〜図18(d)はこの発明の支柱支持方法に使用するグリップ具の第5例を示す平面図である。
図18において、41Iはグリップ具を示し、図4に示した定規材31Aへ着脱可能に取り付けられる装着部42Iと、この装着部42I溶着され、図9に示した支柱21Cの平坦部22Cを定規材31Aとで挟持するとともに、支柱21Cの全内側面、すなわち、2つの平坦部22Cの内側面および直交平坦部23Cの内側面に当接する板状の支柱挟持部46Iとで構成されている。
上記した装着部42Iは、アングル材を切断して構成された支持部43Iと、この支持部43Iの一片の内側に頭部44hが溶着され、ねじ部44sが支持部43Iの一片を貫通するボルト44Iと、このボルト44Iのねじ部44sに螺合するナット45I(図18(b)のみに図示されている。)とで構成されている。
そして、ねじ部44sは、図4に示した定規材31Aの取付孔32Aを一端側から他端側まで貫通する長さとされている。
49Iは間隔を示し、図4に示した定規材31Aに当接する支持部43Iの一片の面の延長線と支柱挟持部46Iとの間に形成され、図9に示した支柱21Cの平坦部22Cの厚さよりも少し狭い、例えば、8mmとされている。
図19(a),(b)は図9に示した複数の支柱に図4に示した定規材を図18に示したグリップ具で取り付けた状態の平面図に相当する図および左側面図に相当する図である。
次に、複数の支柱21Cに定規材31Aをグリップ具41Iで取り付ける一例について説明する。
まず、グリップ具41Iを構成するボルト44Iのねじ部44sを定規材31Aの各取付孔32Aへ挿入し、定規材31Aを貫通した各ねじ部44sにそれぞれナット45Iを緩めに螺合させる。
そして、定規材31Aと各支柱挟持部46Iとの間へ各支柱21Cの一方の平坦部22Cをそれぞれ挿入するとともに、各支柱挟持部46Iを各支柱21Cの内側へ嵌めてその支柱21Cの全内側面に当接させる。
次に、各ねじ部44sに螺合させてあったナット45Iを締め付けると、間隔49Iが平坦部22Cの厚さよりも少し狭くされているので、図19に示すように、各支柱21Cの平坦部22Cを定規材31Aと支柱挟持部46Iとで挟持することにより、複数の支柱21Cに定規材31Aをグリップ具41Iで取り付けることができ、各支柱21Cの内側に支柱挟持部46Iが嵌めて支柱21Cの全内側面に支柱挟持部46Iが当接する。
このようにして複数の支柱21Cに定規材31Aをグリップ具41Iで取り付ける場合、図3〜図6に示した場合と同様な効果が得られる。
そして、支柱挟持部46Iを、装着部43Iに固着され、支柱21Cの平坦部22Cを定規材31Aとで挟持するとともに、支柱21Cの全内側面に当接する構成にしたので、捻れをさらにより一層矯正して支柱21Cを建てることができる。
したがって、支柱21Cをさらにより一層歪みなく建てることができることにより、壁面または擁壁をさらにより一層歪みなく構築することができる。
図20(a)〜図20(d)はこの発明の支柱支持方法に使用するグリップ具の第6例を示す平面図である。
図20において、41Jはグリップ具を示し、図4に示した定規材31Aへ着脱可能に取り付けられる装着部42Jと、この装着部42Jに溶着され、図17に示した支柱21Hのリップ部25Hを装着部42Jとで挟持し、平坦部22Hを定規材31Aとで挟持するとともに、支柱21Hの内側に嵌って支柱21Hの全内側面、すなわち、2つの平坦部22Hの内側面、2つのリップ部25Hの内側面および直交平坦部26Hの内側面に当接する板状の支柱挟持部46Jとで構成されている。
上記した装着部42Jは、アングル材を切断して構成された支持部43Jと、この支持部43Jの一片の内側に頭部44hが溶着され、ねじ部44sが支持部43Jの一片を貫通するボルト44Jと、このボルト44Jのねじ部44sに螺合するナット45J(図20(b)のみに図示されている。)とで構成されている。
そして、ねじ部44sは、図4に示した定規材31Aの取付孔32Aを一端側から他端側まで貫通する長さとされている。
47Jはリップ部挟持部を示し、支持部43Jと支柱挟持部46Jの一部との間に形成され、図17に示したリップ部25Hを挟持する部分である。
そして、リップ部挟持部47Jの間隔は、リップ部25Hの厚さとされている。
49Jは間隔を示し、図4に示した定規材31Aに当接する支持部43Jの一片の面の延長線と支柱挟持部46Jとの間に形成され、図17に示した支柱21Hの平坦部22Hの厚さよりも少し狭い、例えば、8mmとされている。
図21(a),(b)は図17に示した複数の支柱に図4に示した定規材を図20に示したグリップ具で取り付けた状態の平面図に相当する図および左側面図に相当する図である。
次に、複数の支柱21Hに定規材31Aをグリップ具41Jで取り付ける一例について説明する。
まず、グリップ具41Jのリップ部挟持部47Jへ支柱21Hのリップ部25Hを挿入させるため、例えば、支柱挟持部46Jをリップ部25Hに平行させるとともに直交平坦部26Hに直交させ、リップ部挟持部47Jをリップ部25Fに対応させた後、グリップ具41Jを回動させることにより、支柱挟持部46Jを支柱21Hの内側に嵌めて支柱挟持部46Jを各平坦部22Hの内側面、各リップ部25Hの内側面および直交平坦部26Hの内側面に当接させるとともに、リップ部挟持部47Jにリップ部25Hを挟持させる。
そして、ボルト44Jのねじ部44sを定規材31Aの取付孔32Aへ挿入し、定規材31Aを貫通したねじ部44sにナット45Jを螺合させて締め付けると、間隔49Jが平坦部22Hの厚さよりも少し狭くされているので、図21に示すように、支柱21Hの平坦部22Hを定規材31Aと支柱挟持部46Jとで挟持することにより、支柱21Hに定規材31Aをグリップ具41Jで取り付けることができる。
このように定規材31Aをグリップ具41Jで支柱21Hに取り付けるのを、個々の支柱21Hに対して別々に行うと、定規材31Aをグリップ具41Jで複数の支柱21Hに取り付けられない場合があるので、複数の支柱21Hに対して定規材31Aをグリップ具41Jで取り付けるのを同時に行うのが望ましい。
このようにして複数の支柱21Hに定規材31Aをグリップ具41Jで取り付ける場合、図3〜図6に示した場合と同様な効果が得られる。
そして、支柱挟持部46Jを、装着部43Jに固着され、支柱21Hのリップ部25Hを装着部43Jとで挟持し、平坦部22Hを定規材31Aとで挟持するとともに、支柱21Hの内側に嵌って支柱21Hの全内側面に当接する構成にしたので、捻れをより一層矯正して支柱21Hを建てることができる。
したがって、支柱21Hをさらにより一層歪みなく建てることができることにより、壁面または擁壁をさらにより一層歪みなく構築することができる。
図22は支柱および壁面構築用パネルなどを裏面(後)側右上方から見た分解斜視図である。
図22において、21Dはステンレス製のZ形鋼で構成された支柱を示し、2つの平坦部22Dと、この2つの平坦部22Dを連結する直交平坦部23Dとで構成されている。
そして、平坦部22Dと直交平坦部23Dとで形成する上下方向へ延びる隅が、コーナー部分27Dとされている。
131はコンクリート製の壁面構築用パネルを示し、例えば、高さが300mm、幅が900mm、厚さが35mmの裏面視長方形に形成されている。
141はステンレス製のファスナーを示し、頭部(142a)、この頭部(142a)から垂直に起立し、周面に係止部としての雄ねじ142sが設けられた軸部142bからなる係止部材としてのボルト142と、雄ねじ142sに螺合(係合)する係合部材としてのナット143とで構成されている。
そして、ボルト142は、頭部(142a)全体、および、軸部142bの基端側が壁面構築用パネル131の左右の端から、例えば、横幅の1/4ずつ内側へ寄った裏面の上下方向の中央部分に、軸部142bの先端側を壁面構築用パネル131の裏面へ突出させて埋め込まれている。
151はステンレス製のスペーサーを示し、例えば、後述する第1挟持部材161の前面部分162の形状と同一に、裏面視横長の矩形状に形成され、ボルト142の軸部142bが相対的に左右方向へ移動可能な横長孔151aが設けられている。
161はステンレス製の第1挟持部材を示し、裏面視横長の矩形状で、ボルト142の軸部142bが相対的に左右方向へ移動可能な横長孔162aが設けられた平坦な前面部分162と、この前面部分162の左右から後側へ突出する左側、右側後進部分163,164とで構成されている。
そして、前面部分162と左側後進部分163とで形成する上下方向へ延びる隅が左側コーナー部分163lとされ、前面部分162と右側後進部分164とで形成する上下方向へ延びる隅が、右側コーナー部分164rとされている。
171はステンレス製の第2挟持部材を示し、平面視円弧状で、裏面視横長の矩形状で、ボルト142の軸部142bが相対的に左右方向へ移動可能な横長孔171aが設けられている。
そして、左側の上下に延びる端が左側上下方向端171lとされ、右側の上下に延びる端が右側上下方向端171rとされている。
図23は壁面構築用パネルを用いた壁面構築方法を説明するための平面図に相当する説明図、図24は図23の一部を拡大するとともに、破断した説明図、図25は壁面構築用パネルを用いた壁面構築方法を説明するための、一部の部材を破断した拡大側面図に相当する説明図、図26は壁面構築用パネルを用いた壁面構築方法を説明するための裏面図である。
図23または図26において、11はコンクリートを打設して構築した基礎を示し、前述したように、スリーブ穴(12)が設けられている。
次に、壁面構築用パネル131を立て並べ、壁面(擁壁)を構築する方法の一例について説明する。
まず、図1および図2で説明したようにして、基礎11に支柱21Dを450mmの間隔で建てる。
次に、壁面構築用パネル131を横長にして下側を基礎11に当接させ、図22に示すように、ボルト142の軸部142bをスペーサー151の横長孔151a、第1挟持部材161の横長孔162aへ挿通し、図24に示すように、スペーサー151を第1挟持部材161の前面部分162に重ね、各横長孔151a,162aを左右方向へ向けて壁面構築用パネル131の裏面に当接させるとともに、第1挟持部材161の左側コーナー部分163lの内側を支柱21Dのコーナー部分27Dの外側に沿わせる。
そして、図22に示すように、ボルト142の軸部142bを第2挟持部材171の横長孔171aへ挿通し、第2挟持部材171の左側上下方向端171lを支柱21Dのコーナー部分27Dの内側に当接させるとともに、第2挟持部材171の右側上下方向端171rを第1挟持部材161の右側コーナー部分164rの内側に当接させる。
次に、軸部142bの雄ねじ142sにナット143を螺合させて第2挟持部材171を前側へ押すことにより、支柱21Dのコーナー部分27Dを第1挟持部材161の左側コーナー部分163lと第2挟持部材171の左側上下方向端171lとで挟持することにより、支柱21Dに対して壁面構築用パネル131を固定する。
この作業を水平方向(横方向)へ順次行うことにより、図23〜図26に示すように、1段目の壁面構築用パネル131を横に立て並べる。
次に、2段目の壁面構築用パネル131を1段目の壁面構築用パネル131に対して横幅の1/2ずつずらし、1段目と同様な作業を順次行うことにより、2段目の壁面構築用パネル131を1段目の壁面構築用パネル131の上に積み重ねて横に立て並べる。
この壁面構築用パネル131を積み重ねる作業を、図26に示すように、壁面構築用パネル131の裏面側から足場を使用せずに可能な範囲で、例えば、4段目の壁面構築用パネル131を積み重ねるまで行い、壁面構築用パネル131の合わせ目の裏側などをシール材でシールした後、例えば、コンクリート(充填材)を壁面構築用パネル131の裏面側に充填して硬化させることにより、立て並べた壁面構築用パネル131と固化したコンクリートとを一体化させる。
以後は、同様な手順で壁面構築用パネル131を積み重ね、壁面構築用パネル131の合わせ目の裏側をシール材でシールした後にコンクリート(充填材)を充填する作業を順次行うことにより、壁面(擁壁)を構築する。
なお、1段目の壁面構築用パネル131の前面は、適当な時期に所定の埋め戻し材で埋め戻す。
図27はこの発明の支柱支持方法の一実施例を示す右側断面図に相当する説明図、図28は図27の要部を示す拡大右側断面図に相当する説明図、図29は図27の要部を示す拡大平断面図に相当する説明図であり、図1〜図26と同一または相当部分に同一符号を付し、その説明を省略する。
これらの図において、31Bは軽溝形鋼で構成された、コンクリート型枠を兼ねる定規材を示し、図示が省略されているが、所定間隔で取付孔(32B)が設けられている。
そして、グリップ具41Kは、図15に示したグリップ具41Gと同様な構成であるが、図15おけるボルト(44G)が支持部43Kに溶着されいない。
141Aは所定の強度を有するステンレス製のファスナーを示し、壁面構築用パネル131に埋設され、フック部分を壁面構築用パネル131の裏面へ突出させたフック146と、前端がフック146のフック部分に取り外し可能に係合するフック部とされ、係止部としての雄ねじが周面に設けられた後端側が、後述するクランパー171Aの横長孔へ挿通されるフックアンカー147と、このフックアンカー147の雄ねじに螺合(係合)し、クランパー171Aを前側へ押す係合部材としてのナット148とで構成されている。
171Aはステンレス製のクランパーを示し、ハット型とされ、平坦な後面部分にフックアンカー147の軸部が相対的に左右方向へ移動可能な横長孔(図示省略)が設けられている。
181は充填材としての直方体形状の発泡スチロールを示し、構築した壁面の後側に充填されるものである。
191は定規材31Bとグリップ具41Kの支持部43Kとの間に配置されるステンレス製のスペーサーを示し、グリップ具41Kが支柱21Hのリップ部25Hに沿って上下動できるように、すなわち、定規材31Bと支柱挟持部46Kとで平坦部22Hを挟持できないように定規材31Bと支柱挟持部46Kとの間に所定の間隔を確保するためのものであり、図示が省略されているが、後述する埋設アンカー201の一端側が挿通される孔(192)が設けられている。
201は埋設アンカーを示し、後述する中間コンクリート211、後述する床板コンクリート212に埋設され、ナット202によって定規材31B、グリップ具41K、スペーサー191に一端側が固定される。
211は発泡スチロール181の間に打設される中間コンクリート、212は発泡スチロール181の上に打設される床板コンクリートを示す。
次に、壁面構築用パネル131を立て並べ、壁面(擁壁)を構築する方法の一例について簡単に説明する。
まず、図1および図2で説明したようにして、基礎11に支柱21Hを450mmの間隔で建てる。
なお、支柱21Hには、壁面構築用パネル131を固定側と対向する側(反対側)に、定規材31Bを取り付ける。
次に、図27に示すように、横長にした壁面構築用パネル131を、ファスナー141Aおよびクランパー171Aを使用して所定の高さ、例えば、4段目まで積み重ねて支柱21Hに固定し、壁面構築用パネル131の合わせ目の裏側などをシール材でシールした後、発泡スチロール181(充填材)を壁面構築用パネル131の裏面側に充填する。
なお、1段目の壁面構築用パネル131の前面は、適当な時期に所定の埋め戻し材で埋め戻す。
そして、同様にして壁面構築用パネル131を、定規材31Bを越える高さまで積み重ね、壁面構築用パネル131の合わせ目の裏側をシール材でシールする。
次に、発泡スチロール181(充填材)を壁面構築用パネル131の裏面側に、定規材31Bの下側の高さまで充填する。
そして、ボルト(44K)とナット(45K)を取り外し、定規材31Bと支持部43Kとの間にスペーサー191を配置した後、埋設アンカー201の一端側を、定規材31B、スペーサー191、支持部43Kの順に貫通させ、ナット202を締め付けることにより、グリップ具41Kを支柱21Hのリップ部25Hに沿って上下動可能にするとともに、グリップ具41Kをリップ部25Hから外れないようにして埋設アンカー201をグリップ具41Kなどに固定する。
この状態で、定規材31Bを型枠として中間コンクリート211を打設し、この中間コンクリート211の中に埋設アンカー201を埋設させる。
次に、中間コンクリート211の養生が完了した後、同様にして、壁面構築用パネル131を支柱21Hの先端まで積み重ね、、壁面構築用パネル131の合わせ目の裏側などをシール材でシールした後、発泡スチロール181(充填材)を壁面構築用パネル131の裏面側に充填するのを順次行う。
そして、最上段の定規材31Bの下側の高さまで発泡スチロール181を充填した後、ボルト(44K)とナット(45K)を取り外し、定規材31Bと支持部43Kとの間にスペーサー191を配置した後、埋設アンカー201の一端側を、定規材31B、スペーサー191、支持部43Kの順に貫通させ、ナット202を締め付けることにより、グリップ具41Kを支柱21Hのリップ部25Hに沿って上下動可能にするとともに、グリップ具41Kをリップ部25Hから外れないようにして埋設アンカー201をグリップ具41Kなどに固定する。
この状態で、定規材31Bを型枠として床板コンクリート212を打設し、この床板コンクリート212の中に埋設アンカー201を埋設させ、床板コンクリート212を養生させることにより、壁面(擁壁)の構築が完了する。
上述したように、この発明における支柱支持方法の一実施例によれば、支柱21Hのリップ部25Hに沿って上下動可能にグリップ具41Kを取り付け、このグリップ具41Kを、壁面構築用パネル131の後側に充填する発泡スチロール181(発泡躯体)の間に打設する中間コンクリート211と、発泡スチロール181の上に打設する床板コンクリート212とに埋設アンカー201を介して固定したので、支柱21Hを倒れないよう支持することができるとともに、荷重によって発泡スチロール181が圧縮されることによって中間コンクリート211、床板コンクリート212が沈降しても、この沈降する中間コンクリート211、床板コンクリート212とともにグリップ具41Kが支柱21Hのリップ部25Hに沿って下降することにより、支柱21Hが発泡スチロール181側へ引き込まれ(倒れ)なくなる。
上記した実施例では、支柱を形鋼で構成した例を示したが、同様に機能する、平坦部と、この平坦部に直交して連なる直交平坦部とを有し、または、リップ部と、このリップ部に直交して連なる平坦部と、この平坦部に直交して連なり、リップ部と平行する直交平坦部とを有する他のものであってもよい。
また、定規材を断面が正方形の軽角形鋼または軽溝形鋼で構成した例を示したが、定規材を、断面が矩形の角筒の鋼材で構成したり、断面が円形の丸筒で構成したり、板状の強度を有した鋼材で構成してもよい。
そして、定規材を支柱から取り外す例を示したが、定規材を支柱から取り外す必要がなければ、定規材を支柱に溶着してもよい。
さらに、図18〜図21の実施例で、支柱挟持部を支柱の全内側面に当接させる例を示したが、全内側面とは、各内側面を形成する面の端から端まで当接する必要がなく、内側面を構成する全ての面一部に、移動しないように当接していればよく、さらに好ましくは、内側面を構成する全ての面のコーナー部分を除いた部分に当接するのがよい。
また、図27〜図29の実施例で、リップ部を有する支柱としてリップ溝形鋼(C形鋼)で構成した支柱21Hの例を示したが、リップ部を有する他の形状の支柱であってもよい。
さらに、図27〜図29の実施例で、グリップ具41Kのボルト、ナットを取り外す例を示したが、図13または図15に示したグリップ具41F,41Gを使用し、グリップ具41F,41Gのナット45F,45Gを緩めて定規材31Bと支持部43F,43Gと間にスペーサーを配置してナット45F,45Gを締め付け、グリップ具41F,41Gのボルト44F,44Gに、連結具を介して埋設アンカー201を連結、固定してもよい。
また、図27〜図29の実施例で、支柱21Hを中間コンクリート211および床板コンクリート212に固定する例を示したが、支柱21Hは、中間コンクリート211と床板コンクリート212との少なくとも一方に固定すればよい。
さらに、図27〜図29の実施例で、発泡スチロール181を直方体形状とした例を示したが、充填材としての発泡スチロールは、発泡させながら壁面構築用パネル131の裏面側に充填するものであってもよい。
11 基礎
12 スリーブ穴
21,21A 支柱
21C〜21F 支柱
21H 支柱
22A,22H 平坦部
22C〜22F 平坦部
23C〜23D 直交平坦部
24E 連結部
25F,25H リップ部
26F,26H 直交平坦部
31,31A 定規材
31B 定規材
32A 取付孔
41,41A グリップ具
41B,41F グリップ具
41G,41I グリップ具
41J,41K グリップ具
42A,42B 装着部
42F,42G 装着部
42I,42J 装着部
42K 装着部
43A,43B 支持部
43F,43G 支持部
43I,43J 支持部
43K 支持部
44A,44B ボルト
44F,44G ボルト
44I,44J ボルト
44h 頭部
44s ねじ部
45A,45B ナット
45F,45G ナット
45I,45J ナット
46A,46B 支柱挟持部
46F,46G 支柱挟持部
46I,46J 支柱挟持部
46K 支柱挟持部
47F,47G リップ部挟持部
47J,47K リップ部挟持部
49A,49B 間隔
49F,49G 間隔
49I,49J 間隔
51 支え棒
61 支柱固定用充填材
131 壁面構築用パネル
141 ファスナー
141A ファスナー
151,191 スペーサー
161 第1挟持部材
171 第2挟持部材
171A クランパー
181 発泡スチロール
201 埋設アンカー
202 ナット
211 中間コンクリート
212 床板コンクリート

Claims (2)

  1. リップ部と、このリップ部に直交して連なる平坦部と、この平坦部に直交して連なり前記リップ部と平行する直交平坦部と、からリップ溝型形状に形成された横断面を有する支柱に壁面構築用パネルを固定し、倒れないよう前記支柱を支持する支柱支持方法であって、
    前記リップ部に沿って上下動可能にグリップ具を取り付け、
    このグリップ具を、前記支柱部と前記壁面構築用パネルの後側に充填する発泡躯体の間に打設する中間コンクリートまたは前記発泡躯体の上に打設する床板コンクリートとの挟まないようにして埋設アンカーを介して固定する、
    ことを特徴とする支柱支持方法。
  2. 前記グリップ具が、前記埋設アンカーに取り付けられる装着部と、この装着部に固着され、前記リップ部を前記装着部とで前記リップ部に沿って上下動可能に挟持する支柱挟持部とから構成された
    ことを特徴とする請求項1に記載の支柱支持方法。
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