JP7213150B2 - 支柱とコンクリート床版の固定方法及び擁壁の構築方法 - Google Patents

支柱とコンクリート床版の固定方法及び擁壁の構築方法 Download PDF

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Description

本発明は、支柱とコンクリート床版の固定方法、及び擁壁の構築方法に関するものである。
特許文献1に、コンクリートで形成した基礎に列設した複数の穴に支柱を立て、外壁面側になる支柱の外側面に外壁構築用パネルを取り付け、壁面裏側になる内側領域に充填材として発泡スチロールブロックを積層し、積み上げた発泡スチロールブロック上にコンクリートを打設し、支柱に係合するアンカーボルトを上記打設したコンクリートの中に埋め込み、支柱とコンクリート床版とを固定する擁壁の構築方法が開示されている(特許文献1の図27~29参照)。
なお、特許文献1の技術は、その複数の支柱を所定の間隔に固定するための「支柱支持方法」に焦点を当てた発明である。
図14(A)は、特許文献1に記載された、積み上げた発泡スチロールブロック上に形成したコンクリート床版と支柱を固定するための構造を示した概念的平面図であり、図14(B)、(C)及び図15(A)~(C)は、図14(A)に記載したコンクリート床版と支柱を固定するための構造を実現する工程を示した概念的側面図である。
支柱101は、図示しないコンクリート基礎に列設された支柱用穴で支持されている。支柱101の断面は、略平面状の中央平面部と上記中央平面部の両側を直角に曲げて互いに対向するように形成された第1の係合用平面部と第2の係合用平面部を備える。
この例では、上記第1と第2の係合用平面部は、それぞれの外縁端をさらに直角に内側に曲げて中央平面部と平行に形成した第1と第2の外縁部が形成されている。その結果、支柱101の断面は、角張ったC字状を呈している。中央平面部と第1の係合用平面部と第1の外縁部は支柱の長手方向に沿った第1の溝101aを形成し、中央平面部と第2の係合用平面部と第2の外縁部は支柱の長手方向に沿った第2の溝101bを形成している(図14(A)参照)。
図14(A)、(B)等に示した壁面構築用パネル102は、図示されていないグリップ金具を用いて、上記支柱101の第1の係合用平面部に下から順に固定されている。他方、支柱101の裏面側には発泡スチロールブロック103が積み上げられている。支柱101は、次の手順で、前記積み上げられた発泡スチロールブロック103上面に形成されたコンクリート床版110と固定される。
先ず、先端がL字状に曲げられ他端にネジが切られたアンカーボルト104に、第1のナット104aを螺合させる(図14(B)参照)。
次に、スライド金具106の凸状部分106bを支柱101の第2の溝101bに嵌める(図14(A)参照)。
なお、スライド金具106は、貫通穴を有する部分106aと支柱の第2の溝101bにピッタリと嵌る凸状部分106bからなる。
次に、コンクリート打設型枠となるせき板105を支柱101の第2の係合用平面部に当接させ、この状態で、アンカーボルト104をせき板105に設けられた貫通穴とスライド金具106の貫通穴を順に通し、第2のナット104bをアンカーボルト104のネジに螺合させて、二つのナット104aと104bでせき板105とスライド金具106を挟持しながら締め付ける(図14(C)参照)。
この結果、アンカーボルト104とスライド金具106とせき板105が互いに固定されると同時に、スライド金具106の凸状部分106bとせき板105に間に支柱101の第2の係合用平面部が挟持された状態で固定される(図14(A)、図15(A)参照)。
アンカーボルト104のL字状部分は片持ちであり、コンクリート打設時等に垂れ下がる可能性がある場合には、必要に応じてコロ107等でアンカーボルト104の下方を支える(図15(B)参照)。
続いて、せき板105と発泡スチロールブロック103の上面で区画される領域に配筋108を施す。この際、アンカーボルト104との干渉を避けるように注意する。そして、コンクリート109を打設してコンクリート床版110を形成する(図15(C)参照)。
コンクリート109が固化すると、支柱101はアンカーボルト104によって、このコンクリート床版110に固定される。
特許文献1に開示された上記工法では、支柱101に対して摺動可能なスライド金具106とアンカーボルト104とでせき板105を挟持し、アンカーボルト104をスライド金具106にナットで締結し、同時に支柱101にスライド金具106を固定する方式を採用している。
この方式では、次のような問題点があった。
1)コンクリート床版の配筋108とアンカーボルト104が干渉し、設置が困難な場合が生じる。
2)コンクリート床版の配筋108と接触したアンカーボルト104またはせき板105が、施工時の振動で所定の位置から動くことがある。
3)せき板105に事前に穴あけ加工が必要である。
4)現場での部品の組み立てが必須であり、作業効率が悪い。
5)上部のコンクリート床版の施工時において、外壁構築用パネルの最上端を覆う天端笠石を先行設置することが困難である。
6)カーブ箇所や折れ点での作業が困難である場合がある。
特許第5111481号公報
本発明は、上述した背景技術が有する問題点に鑑み成されたものであって、その課題は、コンクリート床版の配筋と干渉することがなく、またせき板に事前に穴あけ加工が不要であり、現場での部品の組み立て工程を少なくした、支柱とコンクリート床版の固定方法及び擁壁の構築方法を提案することにある。
上記した課題を解決するため、本発明は、次の(1)~(7)に記載した支柱とコンクリート床版の固定方法及び擁壁の構築方法とした。
(1)コンクリート基礎に立設された支柱を、該支柱に隣接して積み上げられた発泡合成樹脂製ブロックの上に形成されるコンクリート床版に固定する方法において、
上記支柱の長手方向に摺動可能に支柱に係合する摺動部と、剪断ボルトを通すための穴と楔を打ち込むための長穴とを備える平面部からなるアンカー材の前記摺動部を上記支柱に係合させながら、上記アンカー材の平面部を上記積み上げた発泡合成樹脂製ブロックの上面に当接させる過程と、
上記アンカー材の平面部に形成された穴を貫通して剪断ボルトを上記発泡合成樹脂製ブロックの上面に打ち込み発泡合成樹脂製ブロックとアンカー材を互いに仮固定する過程と、
上記発泡合成樹脂製ブロックの上面にコンクリートを打設するためのせき板を上記支柱に当接するように配置する過程と、
上記アンカー材の平面部に形成された長穴に楔を打ち込み該楔と上記支柱で上記せき板を挟んでせき板を仮固定する過程と、
上記発泡合成樹脂製ブロックと上記せき板で区画される部分にコンクリートを打設しコンクリート床版を形成する過程を含むことを特徴とする、支柱とコンクリート床版の固定方法。
(2)上記支柱の断面が略平面状の中央平面部と上記中央平面部に対して直角に曲げて形成された係合用平面部を備え、上記アンカー材の摺動部を上記支柱に係合させる過程が、上記アンカー材の上記摺動部を上記支柱の係合用平面部に当接させる過程であることを特徴とする、上記(1)に記載の支柱とコンクリート床版の固定方法。
(3)上記支柱の係合用平面部に長手方向に延在する溝が形成されていることと、上記アンカー材の摺動部に上記支柱の溝に嵌る凸部が形成されていることと、上記溝に上記凸部が嵌ることにより、上記アンカー材が摺動可能に支柱に係合することを特徴とする、上記(2)に記載の支柱とコンクリート床版の固定方法。
(4)所定間隔で支柱用穴が設けられたコンクリート基礎を作る基礎形成過程と、
上記コンクリート基礎の支柱用穴にそれぞれ支柱の下端部を嵌め込んで支柱を立てる支柱立設過程と、
上記支柱の外側に複数の壁面構築用パネルを固定する壁面形成過程と、
上記支柱の内側に発泡合成樹脂製ブロックを積み上げる発泡合成樹脂製ブロック配設過程と、
上記積み上げられた発泡合成樹脂製ブロックの上面をコンクリ―トで被覆してコンクリート床版を作るコンクリート床版形成過程を含む擁壁の構築方法において、
上記コンクリート床版形成過程が、
上記支柱の長手方向に摺動可能に支柱に係合する摺動部と、剪断ボルトを通すための穴と楔を打ち込むための長穴とを備える平面部からなるアンカー材の前記摺動部を上記支柱に係合させながら、上記アンカー材の平面部を上記積み上げた発泡合成樹脂製ブロックの上面に当接させる過程と、
上記アンカー材の平面部に形成された穴を貫通して剪断ボルトを上記発泡合成樹脂製ブロックの上面に打ち込み発泡合成樹脂製ブロックとアンカー材を互いに仮固定する過程と、
上記発泡合成樹脂製ブロックの上面にコンクリートを打設するためのせき板を上記支柱に当接するように配置する過程と、
上記アンカー材の平面部に形成された長穴に楔を打ち込み該楔と上記支柱で上記せき板を挟んでせき板を仮固定する過程と、
上記発泡合成樹脂製ブロックと上記せき板で区画される部分にコンクリートを打設する過程を含むことを特徴とする、擁壁の構築方法。
(5)上記支柱の断面が略平面状の中央平面部と上記中央平面部に対して直角に曲げて形成された係合用平面部を備え、上記アンカー材の摺動部を上記支柱に係合させる過程が、上記アンカー材の上記摺動部を上記支柱の係合用平面部に当接させる過程であることを特徴とする、上記(4)に記載の擁壁の構築方法。
(6)上記支柱の係合用平面部に長手方向に延在する溝が形成されていることと、上記アンカー材の摺動部に上記支柱の溝に嵌る凸部が形成されていることと、上記溝に上記凸部が嵌ることにより、上記アンカー材が摺動可能に支柱に係合することを特徴とする、上記(5)に記載の擁壁の構築方法。
(7)上記(4)に記載の方法で形成された上記コンクリート床版の上方で、上記壁面形成過程と、上記発泡合成樹脂製ブロック配設過程と、上記コンクリート床版形成過程を繰り返すことを特徴とする、擁壁の構築方法。
上記した本発明に係る支柱とコンクリート床版の固定方法及び擁壁の構築方法によれば、せき板に事前に穴あけ加工が不要であり、現場での部品の組み立てが少なくなるので、作業効率が良い。また、アンカーボルトを使わないので、コンクリート床版の配筋とアンカーボルトが干渉することがなく、アンカーボルトまたはせき板が、施工時の振動で所定の位置から動くという問題から解放される。さらに、上部のコンクリート床版の施工時において、外壁構築用パネルの最上端を覆う天端笠石を先行設置することが容易であり、またカーブ箇所や折れ点での作業も容易となる。
本発明に係る支柱とコンクリート床版の固定方法及び擁壁の構築方法を用いた構造物の一実施形態を示した概念的な側面図である。 支柱を支柱用穴に嵌める工程の概念図であり、(A)は側面図、(B)は平面図である。 支柱の一実施形態を示した概念図であり、(A)は斜視図、(B)は横断面図である。 支柱の他の実施形態を示した概念的横断面図である。 支柱の外側面に外壁構築用パネルを取り付け、内側に発泡スチロールブロックを配設する工程を示した概念図であり、(A)は側面図、(B)は平面図である。 積み上げた発泡スチロールブロックの上面に中間コンクリート床版を形成した状態を示した概念的側面図である。 アンカー材の一実施形態を示した概念的斜視図である。 本発明に係る支柱とコンクリート床版の固定方法及び擁壁の構築方法の一実施形態を示した概念図であって、(A)は平面図、(B)は側面図である。 本発明に係る支柱とコンクリート床版の固定方法及び擁壁の構築方法の一実施形態の手順を示した概念的側面図である。 本発明に係る支柱とコンクリート床版の固定方法及び擁壁の構築方法の一実施形態の手順を示した概念的側面図である。 従来技術と本発明による天端笠石とせき板との関係を示した概念図であって、(A)は従来技術による天端笠石とせき板との関係を示した側面図、(B)は本発明による天端笠石とせき板との関係を示した側面図である。 従来技術と本発明による配筋とアンカー材の関係を示した概念図であって、(A)は従来技術による配筋とアンカー材の関係を示した側面図、(B)は本発明による配筋とアンカー材の関係を示した側面図である。的側面図である。 従来技術と本発明によるコンクリート床版の強度管理を示した概念図であって、(A)は従来技術によるコンクリート床版の強度管理を示した側面図、(B)は本発明によるコンクリート床版の強度管理を示した側面図である。 従来技術による支柱とコンクリート床版の固定方法を示した概念図である。 従来技術による支柱とコンクリート床版の固定方法を示した概念図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る支柱とコンクリート床版の固定方法及び擁壁の構築方法を詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、この実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明に係る支柱とコンクリート床版の固定方法及び擁壁の構築方法を用いた構造物の一実施形態を示した概念的な側面図である。該構造物の作製は、次の方法によりなされている。
地面1の上に通常の工法でコンクリート基礎2を作り、そのコンクリート基礎2に支柱用穴3(例えば直径150mmの穴)を列設(例えば450mm間隔で)する。
列設した支柱用穴3に支柱4を嵌め込み、支柱を立て、図示しない仮止め固定材、及び図示しない水平定規材と固定用グリップなどを用いて所定の間隔及び配置に支柱を仮固定する(図2(A)、(B)参照)。
続いて、支柱用穴3の中に、例えばモルタル、コンクリート等の充填剤3aを充填し、支柱4を固定する。なお、支柱4の底部の固定に関する技術は、特許文献1等により開示され公知技術に属するので、詳しい説明はここでは省略する。
図3(A),(B)は、図1の実施形態で使われている支柱4の概念的斜視図及び横断面図である。この実施形態では、支柱4の断面は、略平面状の中央平面部4aと上記中央平面部の両側を直角に曲げて互いに平行になるように形成された第1の係合用平面部4bと第2の係合用平面部4cを備え、さらに、第1と第2の係合用平面部4b,4cは、それぞれの外縁端をさらに直角に内方に曲げて中央平面部4aと平行に形成した第1と第2の外縁部4dと4eが形成されている。その結果、支柱4の断面は角張った略C字状を呈している。中央平面部4aと第1の係合用平面部4bと第1の外縁部4dは支柱の長手方向に沿った第1の溝4fを形成し、中央平面部4aと第2の係合用平面部4cと第2の外縁部4eは支柱の長手方向に沿った第2の溝4gを形成している。そして、該支柱4は、図2(B)等に示すように、外壁構築用パネルが取り付けられる第1の係合用平面部4bが擁壁の表面に現れるよう方向を揃えて、支柱用穴3に嵌め込まれ、固定される。
図3(A),(B)に示した支柱4の形状は、本発明を実施する上で好適であるが、本発明は他の形状、例えば、第1と第2の溝4f,4gの両方または一方が無い形状、或いは断面形状が全く異なる支柱を用いても実施することが可能である。図4(A)は、第1の溝4fを備えない場合を示す。図4(B)は、第1と第2の溝4f,4gを備えるものの、断面形状が全体としてクランク状形状である場合を示す。
図5に示すように、この実施形態では、上記支柱4の第1の係合用平面部4bに壁面構築用パネル5を取り付ける。壁面構築用パネル5は、例えば高さ300mm、幅900mm、厚さ35mmのコンクリートや合成樹脂等からなる矩形のパネルである。壁面構築用パネル5は取り付け部材を用いて、該パネルの裏面で支柱4の第1の係合平面部4bに取り付けられる。例えば、支柱4の外側に下から順に横方向に1/2単位だけずらしながら、外壁構築用パネル5を順次に取り付けてゆく。パネルの取り付けには、種々の公知の方法、例えば特許文献1に開示されている方法を採用することができる。
同時進行で、支柱4の内側、すなわち支柱4の第2の係合用平面部4c側に充填材としての発泡スチロールブロック6を敷き詰める。
そして、図6に示した実施形態においては、発泡スチロールブロック6を4段積み上げた上面に中間コンクリート床版7を形成している。この中間コンクリート床版7は、発泡スチロールブロック6の積み上げ状態の安定化及び荷重の分散による補強のために設けられる。図6は積み上げた発泡スチロールブロック6の上面に中間コンクリート床版7を形成した状態の概念的側面図である。
中間コンクリート床版7を形成するとき、支柱4と係合したアンカー材8を打設したコンクリートに埋め込み、支柱4をコンクリート床版7に固定する。図7は本発明において用いる一実施形態のアンカー材8の形状を示した概念的斜視図である。
図示したアンカー材8は、断面が略「己」字状の摺動部8aと、該摺動部8aに垂直な平面内に延在する平面部8bからなる形状を呈している。摺動部8aは支柱4の長手方向に摺動可能に支柱に係合する。平面部8bは、剪断ボルトを通すための穴8cと、楔打ち込み用の長穴8dをその板面に備える。
この実施形態では、図3(B)に示したように、支柱4の断面形状は中央平面部4aと第2の係合用平面部4cと第2の外縁部4eが形成する第2の溝4gを有している。アンカー材8の摺動部8aの凸状部が、この第2の溝4gに嵌って支柱4と係合する。
図8(A)の平面図は、アンカー材8の摺動部8aの凸状部を支柱4の第2の溝4gに係合させた状態を示す。アンカー材8は支柱4の長手方向に摺動可能であるので、アンカー材8を第2の係合用平面部4cに引き付けながら、アンカー材8の平面部8bの下面を積層した発泡スチロールブロック6の上面に当接させることができる。その当接させた状態を、図9(A)の側面図に示す。なお、支柱4の断面形状が図4(A)または(B)に示すような形状の第2の係合用平面部4cを有する場合にも、アンカー材8の摺動部8aが支柱4に係合した状態で、発泡スチロールブロック6の上面に当接するようにアンカー材8の位置決めをすることができる。
この状態で、図9(B)の側面図に示すように、剪断ボルト9をアンカー材8の穴8cを貫通させて発泡スチロールブロック6に打ち込み、剪断ボルト9をナット9aで固定する。この結果、発泡スチロールブロック6はアンカー材8を介して支柱4に仮固定される。
発泡スチロールブロック6をアンカー材8を介して支柱4に仮固定した後、図9(C)に示すように、コンクリート打設型枠となるせき板10を支柱4の第2の当接用平面部4cに発泡スチロールブロック側から当接させて仮置きする。
次に、図10(A)に示すように、楔11をアンカー材8の長穴8dを貫通させて発泡スチロールブロック6に打ち込む。長穴8dの支柱4の第2の係合用平面部との間の距離を楔11の厚さに合わせて適切に設計しておくことにより、せき板10を楔11と支柱4で挟み込み、せき板10を支柱4に沿った状態で固定できる。
この状態で、発泡スチロールブロック6の上面とせき板10で区画された領域に配筋12を施し、そしてコンクリート13を打設する。発泡スチロールブロックの上面を覆うコンクリート13が固化すると、中間コンクリート床版7が形成され、アンカー材8はコンクリート13と一体となり、アンカー材8と係合している支柱4は中間コンクリート床版7に固定される。
図1の実施形態に係る構造体は、中間コンクリート床版7に支柱4を上記の方法で固定した後、さらに支柱4の外側に外壁構築用パネル5を順に取り付け、支柱4の内側に発泡スチロールブロック6を積み上げ、最上段の発泡スチロールブロック6の上に上部コンクリート床版14を形成した例である。この上部コンクリート床版14の形成も、上記中間コンクリート床版7の形成方法と同様の方法により行うことにより、支柱4と上部コンクリと床版14とが固定される。図1の実施形態では、このようにして完成したコンクリート床版14の上に調整コンクリート15を形成し、さらにその上に上部擁壁(あるいはガードレール基礎等)16を形成したものである。
天端笠石17は、図1に示されているように、外壁構築用パネル5が取り付けられた支柱4の最上端に笠のように取り付けられる部材である。従来技術によって上部コンクリート床版を形成するときは、従来技術を示す図11(A)に示すように、アンカーボルト104を取り付けたせき板105の穴を貫通させて支柱101にナット104bにより固定しなければならない。しかし、この天端笠石17を支柱101の上を覆うように取り付けた後は、そのようなせき板105を支柱101に取り付けるために手を入れる開部が閉じられてしまうので、天端笠石17の取り付けは上部コンクリート床版の形成後に行う必要があった。
本発明に係る方法によるときは、図11(B)に示すように、先ず天端笠石12を支柱4の最上端に天端笠石取り付け部材18を用いて取り付ける。その後に、アンカー材8を支柱4に係合させながら発泡スチロールブロック6の上面に当接させ、剪断ボルト9を打ち込み、それをナット9aで固定し、その後にせき板10を楔11で仮固定し、配筋をした後コンクリートを打設することが可能であり、容易な作業に変わる。
また、中間コンクリート床版7あるいは上部コンクリート床版14を形成するとき配筋を施さなければならない。従来技術によるときは、支柱を固定するためにアンカーボルト104を使う。そして、従来技術を示す図12(A)に示すように、アンカーボルト104は片持ちでまたはコロ107によって支えられて発泡スチロールブロックの上面から離れて保持されている。その位置は配筋108が配置される場所と重なっている。従って中間コンクリート床版あるいは上部コンクリート床版の中でアンカーボルト104と配筋108が交差し干渉することが起こりがちである。それらの干渉を避けあるいは解除するためには周到な準備が必要であった。
これに対して本発明においては、図12(B)に示すように、アンカー材8は発泡スチロールブロック6の上面に当接しているので、コンクリートの中央部に配置される配筋12とは位置が異なり、中間コンクリート床版7あるいは上部コンクリート床版14の中でアンカー材8と配筋12が交差し干渉することは起こらない。この結果、作業性と部材の設置安定性が著しく改善される。
さらに、図13(A)は、従来技術による支柱とコンクリート床板との固定方法を採用したときの、地震・風荷重等の外力Fに対するコンクリートと支柱の間の結合強度を、コンクリートとの付着力で管理していることを示している。図13(B)は、本発明に係る支柱とコンクリート床板との固定方法を採用したときの、地震・風荷重等の外力Fに対してコンクリートと支柱の間の結合強度を、剪断ボルト9の剪断力で管理していることを示している。例えば、想定される外力の大きい場合は、剪断ボルト9の大きさあるいは数を増やすことで結合強度を変えることが容易にでき、設計の自由度が高く信頼性の高い固定を実現できる。
以上、本発明に係る支柱とコンクリート床板との固定方法及び擁壁の構築方法を詳しく説明してきたが、本発明の適用対象は図面に例示された実施形態に限られず、同じ技術思想で他の形態の装置及び方法として実施することも可能であることは言うまでもない。例えば、充填材としての発泡スチロールブロックは、同等の機能を有する他の発泡合成樹脂製ブロック、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂を発泡させたブロックを用いることができる。また、支柱の断面構造、アンカー材の形状等も、実施形態で示したものに何ら限定されるものではない。
本発明に係る支柱とコンクリート床板との固定方法及び擁壁の構築方法は、作業性が著しく改善されたものとなるので、道路、鉄道、土地造成などの土木、建築分野の工事において擁壁を構築する際に広く用いることができる。
1 地面
2 コンクリート基礎
3 支柱用穴
3a 充填剤
4 支柱
4a 中央平面部
4b 第1の係合用平面部
4c 第2の係合用平面部
4d 第1の外縁部
4e 第2の外縁部
4f 第1の溝
4g 第2の溝
5 壁面構築用パネル
6 発泡スチロールブロック
7 中間コンクリート床版
8 アンカー材
8a 摺動部
8b 平面部
8c 穴
8d 長穴
9 剪断ボルト
9a,9b 剪断ボルトのナット
10 せき板
11 楔
12 配筋
13 コンクリート
14 上部コンクリート床版
15 調整コンクリート
16 上部擁壁(ガードレール基礎等)
17 天端笠石
18 天端笠石取り付け部材

Claims (7)

  1. コンクリート基礎に立設された支柱を、該支柱に隣接して積み上げられた発泡合成樹脂製ブロックの上に形成されるコンクリート床版に固定する方法において、
    上記支柱の長手方向に摺動可能に支柱に係合する摺動部と、剪断ボルトを通すための穴と楔を打ち込むための長穴とを備える平面部からなるアンカー材の前記摺動部を上記支柱に係合させながら、上記アンカー材の平面部を上記積み上げた発泡合成樹脂製ブロックの上面に当接させる過程と、
    上記アンカー材の平面部に形成された穴を貫通して剪断ボルトを上記発泡合成樹脂製ブロックの上面に打ち込み発泡合成樹脂製ブロックとアンカー材を互いに仮固定する過程と、
    上記発泡合成樹脂製ブロックの上面にコンクリートを打設するためのせき板を上記支柱に当接するように配置する過程と、
    上記アンカー材の平面部に形成された長穴に楔を打ち込み該楔と上記支柱で上記せき板を挟んでせき板を仮固定する過程と、
    上記発泡合成樹脂製ブロックと上記せき板で区画される部分にコンクリートを打設しコンクリート床版を形成する過程を含むことを特徴とする、支柱とコンクリート床版の固定方法。
  2. 上記支柱の断面が略平面状の中央平面部と上記中央平面部に対して直角に曲げて形成された係合用平面部を備え、上記アンカー材の摺動部を上記支柱に係合させる過程が、上記アンカー材の上記摺動部を上記支柱の係合用平面部に当接させる過程であることを特徴とする、請求項1に記載の支柱とコンクリート床版の固定方法。
  3. 上記支柱の係合用平面部に長手方向に延在する溝が形成されていることと、上記アンカー材の摺動部に上記支柱の溝に嵌る凸部が形成されていることと、上記溝に上記凸部が嵌ることにより、上記アンカー材が摺動可能に支柱に係合することを特徴とする、請求項2に記載の支柱とコンクリート床版の固定方法。
  4. 所定間隔で支柱用穴を設けたコンクリート基礎を作る基礎形成過程と、
    上記コンクリート基礎の支柱用穴にそれぞれ支柱の下端部を嵌め込んで支柱を立てる支柱立設過程と、
    上記支柱の外側に複数の壁面構築用パネルを固定する壁面形成過程と、
    上記支柱の内側に発泡合成樹脂製ブロックを積み上げる発泡合成樹脂製ブロック配設過程と、
    上記積み上げられた発泡合成樹脂製ブロックの上面をコンクリ―トで被覆してコンクリート床版を作るコンクリート床版形成過程を含む擁壁の構築方法において、
    上記コンクリート床版形成過程が、
    上記支柱の長手方向に摺動可能に支柱に係合する摺動部と、剪断ボルトを通すための穴と楔を打ち込むための長穴とを備える平面部からなるアンカー材の前記摺動部を上記支柱に係合させながら、上記アンカー材の平面部を上記積み上げた発泡合成樹脂製ブロックの上面に当接させる過程と、
    上記アンカー材の平面部に形成された穴を貫通して剪断ボルトを上記発泡合成樹脂製ブロックの上面に打ち込み発泡合成樹脂製ブロックとアンカー材を互いに仮固定する過程と、
    上記発泡合成樹脂製ブロックの上面にコンクリートを打設するためのせき板を上記支柱に当接するように配置する過程と、
    上記アンカー材の平面部に形成された長穴に楔を打ち込み該楔と上記支柱で上記せき板を挟んでせき板を仮固定する過程と、
    上記支柱の長手方向に摺動可能に支柱に係合する摺動部と、剪断ボルトを通すための穴と楔を打ち込むための長穴とを備える平面部からなるアンカー材を上記支柱に係合させる過程と、
    上記アンカー材の穴を貫通して剪断ボルトを上記発泡合成樹脂製ブロックの上面に打ち込む過程と、
    上記発泡合成樹脂製ブロックの上面にコンクリートを打設するためのせき板を上記支柱に当接するように配置する過程と、
    上記アンカー材の長穴に楔を打ち込み上記楔と上記支柱で上記せき板を挟んでせき板を仮固定する過程と、
    上記発泡合成樹脂製ブロックと上記せき板で区画される部分にコンクリートを打設する過程を含むことを特徴とする、擁壁の構築方法。
  5. 上記支柱の断面が略平面状の中央平面部と上記中央平面部に対して直角に曲げて形成された係合用平面部を備え、上記アンカー材の摺動部を上記支柱に係合させる過程が、上記アンカー材の上記摺動部を上記支柱の係合用平面部に当接させる過程であることを特徴とする、請求項4に記載の擁壁の構築方法。
  6. 上記支柱の係合用平面部に長手方向に延在する溝が形成されていることと、上記アンカー材の摺動部に上記支柱の溝に嵌る凸部が形成されていることと、上記溝に上記凸部が嵌ることにより、上記アンカー材が摺動可能に支柱に係合することを特徴とする、請求項5に記載の擁壁の構築方法。
  7. 請求項4に記載の方法で形成された上記コンクリート床版の上方で、上記壁面形成過程と、上記発泡合成樹脂製ブロック配設過程と、上記コンクリート床版形成過程を繰り返すことを特徴とする、擁壁の構築方法。
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