JP2004124485A - 型枠コンクリートブロックを使用した建築構造物に対する床面や梁材等の造成工法 - Google Patents

型枠コンクリートブロックを使用した建築構造物に対する床面や梁材等の造成工法 Download PDF

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Abstract

【課題】型枠コンクリートブロックを使用した建築構造物に於いて、床面や梁部材等を迅速、簡便且つ安価に施工する。
【解決手段】型枠コンクリートブロックの片側壁板上面に対し、鋼板製デッキプレートの端縁側を2cm程度重ね合わせ状態に載置させると共に、該端縁上の適所を型枠コンクリートブロックの片側壁板裏面側より逆L字状の止め金具を使用して止着するほか、型枠コンクリートブロックの反対側壁板に向かってゼットセパ金具の複数箇を取付けたものとなし、また型枠コンクリートブロックの反対側壁板面にはコンクリートパネルを当接すると共に、該コンクリートパネルを上記ゼットセパ金具で立設状態に止着させることによりデッキプレート上へ一定深さの箱状空間を形成させ、且つ該空間内の凡そ10cm〜30cmの深さ範囲に鉄筋枠を組込んだのちコンクリート打ちを行う。
【選択図】   図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は型枠コンクリートブロックを使用した建築構造物に対する床面や梁材等の造成工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄骨構造物に対し鋼板製デッキプレートを使用して床構造物を作成することは知られている。即ち、図7,図8はこの造成工法を示すものであり、図7はデッキプレートを取付る前を、図8はデッキプレートを取付けたものである。
各図で1’は鉄骨支柱、2’はデッキ受梁、3’はデッキプレートである。
【0003】
【特許文献】
【文献1】
日本鋼管ライトスチール株式会社のパンフレット「Fデッキプレート」
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記は鉄骨構造物に対する鋼板製デッキプレートを使用して床面構造物を作成するものであるが、本発明は型枠コンクリートブロックを使用した建築構造物に係り、該構造物の床面構造を安価且つ迅速に作成できるようにするものである。一般的にコンクリート構造物で二階の床面や天井などの作成には、一定高さ位置のコンクリートパネルに対し、その下方から数拾本とはいわぬ多数の支柱を林立させ、即ちコンクリートパネル板をコンクリート打ちの重量に耐えられるように支持したものとなし、且つ各支柱はその水平面が得られるように調整しながら、あとパネル板上面に鉄筋枠を組込んで行うのであって、コンクリート打ちするまでの作業は繁雑であり、またコンクリート打ち後も支柱の取外しやパネル板の取外しなどの作業で煩雑なものとなっている。
本発明は、上記問題点を解決せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は多数の型枠ブロックを夫々れ縦、横方向に目地モルタルなどを使用しながら積み重ねて建築構造物を作成するものであって、型枠コンクリートブロックの片側壁板上面に対し、鋼板製デッキプレートの端縁側を2cm程度重ね合わせ状態に載置させると共に、該端縁上の適所を型枠コンクリートブロックの片側壁板裏面側より逆L字状の止め金具を使用して止着するほか、型枠コンクリートブロックの反対側壁板に向かってゼットセパ金具の複数箇を取付けたものとなし、また型枠コンクリートブロックの反対側壁面にはコンクリートパネルを当接すると共に、該コンクリートパネルを上記ゼットセパ金具で立設状態に止着させることによりデッキプレート上へ一定深さの箱状空間を形成させ、且つ該空間内の凡そ10cm〜30cmの深さ範囲に鉄筋枠を組込んだのちコンクリート打ちを行うことを特徴とする。
【0006】
このさい、型枠コンクリートブロックはその前後壁板の各肉厚巾を3cm〜5cmのものとなすほか、その縦、横方向に於ける中央部に対し夫々れ深さ3mm〜7mm程度の目地用の溝を設けたものとする。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は本発明で使用される型枠コンクリートブロック1の斜視図であって、形状及び大きさ寸法は一般の市販製品と凡そ同様(長さL=398mm、高さH=195mm〜198mm、巾W=150mm〜300mm)のものであるが、本発明では前後壁板1a、1bの各肉厚巾Sを少なくとも3cm〜5cmとなすほか、その縦、横方向に於ける中央部に対し夫々れ深さ寸法tを3mm〜7mm程度となした目地溝2を穿設したものとなしてある。これは該型枠コンクリートブロックを縦、横方向へ積み重ねるさいに目地用モルタルやコンクリートを填入させるためのものである。
【0008】
図2、図3、図4、図5、図6は上記型枠コンクリートブロック1を縦、横方向へ積み重ねて実施する建築構造物3に対し、デッキプレート4を載置して床面を造成する状態を示すものである。
先ず、図2に示す如く積み重ねられた型枠コンクリートブロック1の片側壁板(図示例では1b)上面にデッキプレート4の端縁側pを凡そ2cm程度は重なり合うように載置させるのであり、而して図示例の如く止着させるのであり、該止着には逆L字状の止め金具5を使用する。ところで、該止着には逆L字状の垂片5aを型枠コンクリートブロック1の片側壁1bの裏面側へ当接状態になすと共に、その水平片5bをデッキプレート4の上面側へ位置させ、且つ該面を上方からビス金具bを螺入して止着させるのである。
【0009】
一方、7はコンクリートパネルを係止させるためのゼットセパ金具であって、上記デッキプレート4の適当間隔位置に対し、該金具の基板7aをビス金具8で止着させたものとなし、そのさいゼット状針金7bの先端が型枠コンクリート1側へ向かうようになさしめる。なお、図面で7c及び7dは次述するコンクリートパネルの裏面側を支持するための座金及びその締付け用ナットである。
【0010】
他方、図3に示す通り、デッキプレート4上面には鉄筋枠9を取付けると共に、型枠コンクリートブロック1の周辺を取囲むべく上記ゼットセパ金具7によりコンクリートパネル10を取付けた状態にするのである。ここに鉄筋枠9はデッキプレート4上で作業員が鉄筋線を手作業により順次枠組みすることができるが、既に工場で格子状に構成させたものを持ち込んで載置するだけで済ませることができる。なお、コンクリートパネル10は型枠コンクリートブロック1の上記鉄筋枠9を一定高さで取囲むようになすのであり、これによりコンクリート打ちされる床板の一定の肉厚高さが得られるものとなる。なお、図面で11a及び11bは積み重ね状型枠コンクリートブロック内を挿通させてなる補強用の縦及び横鉄筋である。
【0011】
図4は上記のコンクリート打ちの行われた状態を示すものであり、図5は外周のコンクリートパネル10をナット7dを取外して取除くことにより床面12が形成された状態を示す。而して、該床面12上には次階用に適宜必要な型枠コンクリートブロック1を再び順次積み重ねるのであり(図6)、斯くして構成される型枠コンクリートブロック1による建築構造物の全体的外表面には、タイル貼りを含む外装材などの取付け或いは塗装工事などを行って仕上げるのであり、これに対し内面側は必要な内装材を取付けるものとなすのである。
【0012】
上記実施例では建築構造物の全体的な床面の作成について説明したが、梁材などの部分的構造物も同様にして作成することのできるものであって、本発明実施の範囲内とする。
【0013】
本発明で使用する型枠コンクリートブロック1に於いて、その前後壁板に於ける縦、横方向の中央部分に対し、夫々れ深さ3mm〜7mm程度の目地用溝2が設けてあることは、該型枠コンクリートブロック1を縦、横方向へ積み重ねるさい、該溝2内に対して填入される目地モルタルや目地コンクリートが隣り合う各型枠コンクリートブロック1間の強固な固定が行われるようにする上で優れたものとなる。
【0014】
【発明の効果】
本発明は以上の通り構成するものであって、型枠コンクリートブロックを使用して構築される建築構造物に対し、必要な床面や梁部材等を迅速、簡便且つ安価に施工することのできるものとなる。即ち、本発明では市販のデッキプレートの肉厚にもよるが、凡そ肉厚1mmのデッキプレートを使用して4畳半程度の床面工事に於けるコンクリート打ちでは、その下方からの支柱による支持を皆無にすることができる。これに対し広さが大となって10畳程度のものになっても凡そ数箇所程度の支柱を設ける程度で工事を可能にすることができるものである。従って、作業性の向上と共に工期の短縮化に寄与すること大ならしめるものである。
なお、上記床面構造などの造成は外周の型枠コンクリートを積み重ねる工事過程で、即ち該作業と同時のタイミングで、順次同一作業人らが手際良く段取りして行うことができる点でも優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する型枠ブロックの斜視図である。
【図2】床面を造成する工程を示す斜視図である。
【図3】床面を造成する工程を示す斜視図である。
【図4】床面を造成する工程を示す斜視図である。
【図5】床面を造成する工程を示す斜視図である。
【図6】床面を造成する工程を示す斜視図である。
【図7】鉄骨構造物に対する床面を造成する工程を示す斜視図である。
【図8】鉄骨構造物に対する床面を造成する工程を示す斜視図である。
【符号の説明】
1   型枠コンクリートブロック
2   目地溝
3   建築構造物
4   デッキプレート
7   ゼットセパ金具
9   鉄筋枠
10  コンクリートパネル

Claims (2)

  1. 多数の型枠ブロックを夫々れ縦、横方向に目地モルタルなどを使用しながら積み重ねるものであって、型枠コンクリートブロックの片側壁板上面に対し、鋼板製デッキプレートの端縁側を2cm程度重ね合わせ状態に載置させると共に、該端縁上の適所を型枠コンクリートブロックの片側壁板裏面側より逆L字状の止め金具を使用して止着するほか、型枠コンクリートブロックの反対側壁板に向かってゼットセパ金具の複数箇を取付けたものとなし、また型枠コンクリートブロックの反対側壁板面にはコンクリートパネルを当接すると共に、該コンクリートパネルを上記ゼットセパ金具で立設状態に止着させることによりデッキプレート上へ一定深さの箱状空間を形成させ、且つ該空間内の凡そ10cm〜30cmの深さ範囲に鉄筋枠を組込んだのちコンクリート打ちを行って構成することを特徴とした型枠コンクリートブロックを使用した建築構造物に対する床面や梁材等の造成工法。
  2. 請求項1記載の型枠コンクリートブロックは、その前後壁板の各肉厚巾を3cm〜5cmのものとなすほか、その縦、横方向に於ける中央部に対し夫々れ深さ3mm〜7mm程度の目地用溝を設けたものとなしてあること。
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