JP2014173305A - 円弧型枠と擁壁の構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】構築中に転倒、傾斜しない型枠を提供する。
【解決手段】円弧金網1の上下と両側を鋼材の枠で囲んだ型枠である。その円弧金網1、および円弧金網1の上下に位置する円弧上枠21と円弧下枠22を、平面視で湾曲状に形成してある。
【選択図】図1
【解決手段】円弧金網1の上下と両側を鋼材の枠で囲んだ型枠である。その円弧金網1、および円弧金網1の上下に位置する円弧上枠21と円弧下枠22を、平面視で湾曲状に形成してある。
【選択図】図1
Description
本発明は円弧型枠と、その円弧型枠を使用して構築した擁壁の構造に関するものである。
地山に崩壊を阻止するためには擁壁を構築することが知られている。
擁壁の構築方法は多種類の方法が開発されており、ブロックを積み上げる工法だけでなく、木製、鋼製の型枠パネルやプレキャストのコンクリート型枠パネルを法面と平行方向に立ち上げ、その型枠パネルと法面との間にコンクリートや発泡モルタル、あるいはセメントを混合した軽量盛土などを打設するタイプの擁壁も知られている。
そのような構造では鉛直に立てたパネルの転倒を阻止するために、次のような工夫が必要となる。
なお本明細書、および特許請求の範囲の記載ではパネルの地山側を「背面」と称し、それと反対側の外部に露出する面を「外面」と称する。
また「鉛直」「鉛直方向」とは物理的に正確な鉛直に立てた場合をいうだけではなく、傾斜して立てた状態も含めた意味で使用する。
<1> プレキャストのコンクリート型枠パネルを鉛直に積み上げて立ち上げるには、組み立て中の型枠パネルの転倒を阻止し、かつ背面と型枠パネル間に打設するコンクリートの側圧を受けてコンクリートが硬化するまでパネルを支持する、例えばセパレーターのような部材が必要である。
<2> あるいは例えば図4に示すように、パネルaの内部に鉛直に貫通孔を貫通させ、この貫通孔に鋼棒bを挿入し、この鋼棒bに鉛直方向の引っ張り力を与えてパネルaを支持させる構造も知られている。
<3> あるいは法面に多数のアンカーを打設し、そのアンカーとパネル背面を鋼棒などで連結して支持してパネルの転倒を阻止する構造も知られている。
<4> あるいは法面に縦横の格子状にチャンネル材を組み立て、そのチャンネル材とパネル背面を鋼棒などで連結して支持してパネルの転倒を阻止する構造も知られている。
擁壁の構築方法は多種類の方法が開発されており、ブロックを積み上げる工法だけでなく、木製、鋼製の型枠パネルやプレキャストのコンクリート型枠パネルを法面と平行方向に立ち上げ、その型枠パネルと法面との間にコンクリートや発泡モルタル、あるいはセメントを混合した軽量盛土などを打設するタイプの擁壁も知られている。
そのような構造では鉛直に立てたパネルの転倒を阻止するために、次のような工夫が必要となる。
なお本明細書、および特許請求の範囲の記載ではパネルの地山側を「背面」と称し、それと反対側の外部に露出する面を「外面」と称する。
また「鉛直」「鉛直方向」とは物理的に正確な鉛直に立てた場合をいうだけではなく、傾斜して立てた状態も含めた意味で使用する。
<1> プレキャストのコンクリート型枠パネルを鉛直に積み上げて立ち上げるには、組み立て中の型枠パネルの転倒を阻止し、かつ背面と型枠パネル間に打設するコンクリートの側圧を受けてコンクリートが硬化するまでパネルを支持する、例えばセパレーターのような部材が必要である。
<2> あるいは例えば図4に示すように、パネルaの内部に鉛直に貫通孔を貫通させ、この貫通孔に鋼棒bを挿入し、この鋼棒bに鉛直方向の引っ張り力を与えてパネルaを支持させる構造も知られている。
<3> あるいは法面に多数のアンカーを打設し、そのアンカーとパネル背面を鋼棒などで連結して支持してパネルの転倒を阻止する構造も知られている。
<4> あるいは法面に縦横の格子状にチャンネル材を組み立て、そのチャンネル材とパネル背面を鋼棒などで連結して支持してパネルの転倒を阻止する構造も知られている。
前記したような従来の型枠と擁壁の構造にあっては次のような問題点のいくつかが存在する。
<1> 既設のコンクリート擁壁や石積み擁壁の補修や補強工事などで、新たな擁壁と既設の擁壁との間隔が50cm以下のような工事の発注がなされることがある。その場合に従来の方法ではその間隔に人が入れないことはもちろん、連結する部分まで手が届かない場合もある。そのためにパネルの背面での作業ができず、対応することが困難であった。
<2> 図4に示すような、パネルの内部に鉛直に貫通孔を貫通させ、この貫通孔に鋼棒を挿入し、この鋼棒に鉛直方向の引っ張り力を与えてパネルを支持させる構造は、鉛直の貫通孔を備えた特殊な形状のパネルを製造する必要があり高価である。
<3> また上記の構造では、パネルを一段積み上げるたびにパネルの貫通孔に鋼棒を鉛直に挿入し、ボルトを締め付けるといった作業が必要となる。
<4> 法面に多数のアンカーを打設し、そのアンカーとパネル背面を鋼棒などで連結して支持してパネルの転倒を阻止し、コンクリートの側圧に耐える構造では、アンカーやセパレーターの材料費、削孔費などに多額の費用が必要である。
<5> また背面の地山の土質によっては定着強度の信頼性が低く、アンカーから取る支持強度の信頼性も低いものとなる。
<6> 法面に縦横にチャンネル材を組み立て、そのチャンネル材とパネル背面を鋼棒などで連結して支持してパネルの転倒を阻止する構造は、信頼性は高いが、多数本のチャンネル材を埋め殺しとして使用するから不経済であり、かつそれを組み立てる作業が必要となる。
<7> 以上のように従来の工法では、型枠パネルの背面になんらかの支保材を設置する工程が不可欠であった。
<1> 既設のコンクリート擁壁や石積み擁壁の補修や補強工事などで、新たな擁壁と既設の擁壁との間隔が50cm以下のような工事の発注がなされることがある。その場合に従来の方法ではその間隔に人が入れないことはもちろん、連結する部分まで手が届かない場合もある。そのためにパネルの背面での作業ができず、対応することが困難であった。
<2> 図4に示すような、パネルの内部に鉛直に貫通孔を貫通させ、この貫通孔に鋼棒を挿入し、この鋼棒に鉛直方向の引っ張り力を与えてパネルを支持させる構造は、鉛直の貫通孔を備えた特殊な形状のパネルを製造する必要があり高価である。
<3> また上記の構造では、パネルを一段積み上げるたびにパネルの貫通孔に鋼棒を鉛直に挿入し、ボルトを締め付けるといった作業が必要となる。
<4> 法面に多数のアンカーを打設し、そのアンカーとパネル背面を鋼棒などで連結して支持してパネルの転倒を阻止し、コンクリートの側圧に耐える構造では、アンカーやセパレーターの材料費、削孔費などに多額の費用が必要である。
<5> また背面の地山の土質によっては定着強度の信頼性が低く、アンカーから取る支持強度の信頼性も低いものとなる。
<6> 法面に縦横にチャンネル材を組み立て、そのチャンネル材とパネル背面を鋼棒などで連結して支持してパネルの転倒を阻止する構造は、信頼性は高いが、多数本のチャンネル材を埋め殺しとして使用するから不経済であり、かつそれを組み立てる作業が必要となる。
<7> 以上のように従来の工法では、型枠パネルの背面になんらかの支保材を設置する工程が不可欠であった。
上記のような課題を解決するためになされた本発明の円弧型枠は、円弧金網の上下と両側を鋼材の枠で囲んだ型枠であり、その円弧金網、および円弧金網の上下に位置する円弧上枠と円弧下枠を、平面視で湾曲状に形成したことを特徴とするものである。
また上記の円弧型枠において、両側の鋼材枠には、隣接する円弧型枠との連結用に縁板を背面に向けて突設してあることを特徴とするものである。
また上記の円弧型枠において、上下の円弧上枠、円弧下枠の相対する位置には、上下方向に搭載する円弧型枠との連結用のピンかピン穴かのいずれか一方が形成してあることを特徴とするものである。
また本発明の擁壁の構造は、上記の円弧型枠を、その円弧上枠の上に、上段の円弧型枠の円弧下枠を搭載して鉛直に積み上げ、その背面にコンクリートやソイルセメントを打設して構築した構造を特徴とするものである。
また上記の円弧型枠において、両側の鋼材枠には、隣接する円弧型枠との連結用に縁板を背面に向けて突設してあることを特徴とするものである。
また上記の円弧型枠において、上下の円弧上枠、円弧下枠の相対する位置には、上下方向に搭載する円弧型枠との連結用のピンかピン穴かのいずれか一方が形成してあることを特徴とするものである。
また本発明の擁壁の構造は、上記の円弧型枠を、その円弧上枠の上に、上段の円弧型枠の円弧下枠を搭載して鉛直に積み上げ、その背面にコンクリートやソイルセメントを打設して構築した構造を特徴とするものである。
本発明の円弧型枠と擁壁の構造は以上説明したように金網部分と上下の鋼材枠を、平面視で湾曲状に形成してある型枠を積み上げて全体の型枠を構成するものである。そのために以下のような効果の少なくともひとつを達成することができる。
<1> 型枠が平面視で湾曲をしているので、ひとつひとつの型枠の自立性がきわめて高く、打設したコンクリートなどの側圧にも十分に抵抗することができる。そのため、パネルと背面の地山との間で型枠を支持するセパレーターのような部材の使用量を大幅に減少させ、作業効率を向上させることができる。
<2> 上記のようにパネルが直立するから、前面からの作業だけでパネルの鉛直性を維持でき、その自立の維持のために背面で支保材を配置したり、セパレータを設置する作業が不要となる。そのためパネルと既設擁壁や地山と間の空間が狭く、空間に手が入らないような場所でも採用することができる。
<1> 型枠が平面視で湾曲をしているので、ひとつひとつの型枠の自立性がきわめて高く、打設したコンクリートなどの側圧にも十分に抵抗することができる。そのため、パネルと背面の地山との間で型枠を支持するセパレーターのような部材の使用量を大幅に減少させ、作業効率を向上させることができる。
<2> 上記のようにパネルが直立するから、前面からの作業だけでパネルの鉛直性を維持でき、その自立の維持のために背面で支保材を配置したり、セパレータを設置する作業が不要となる。そのためパネルと既設擁壁や地山と間の空間が狭く、空間に手が入らないような場所でも採用することができる。
以下図面を参照しながら本発明の円弧型枠とその円弧型枠を使用した擁壁の構造の好適な実施の形態を詳細に説明する。
<1>全体の構成
本発明の円弧型枠Aは、円弧金網1と、少なくともその上下と両側を囲んだ鋼材の枠体2によって構成する。
本発明の円弧型枠Aは、円弧金網1と、少なくともその上下と両側を囲んだ鋼材の枠体2によって構成する。
<2>円弧金網
円弧金網1としては、鋼線を縦横に折り込んだもの、細い鋼棒を縦横に溶接したもの、切れ目を入れた金属板を引き延ばしたエキスパンドメタル、金属鋼板に多数の穴を開口した穴あき鋼板などを使用することができる。
したがって、「金網」とはこれらを総称したものである。
この金網を円弧状に形成した構造については後述する。
円弧金網1としては、鋼線を縦横に折り込んだもの、細い鋼棒を縦横に溶接したもの、切れ目を入れた金属板を引き延ばしたエキスパンドメタル、金属鋼板に多数の穴を開口した穴あき鋼板などを使用することができる。
したがって、「金網」とはこれらを総称したものである。
この金網を円弧状に形成した構造については後述する。
<3>鋼材枠
そのような金網を矩形に形成し、その上下、左右を鋼材の枠体2で囲んで補強する。
枠体2は、断面がL字状のアングル材、あるいは断面がU字状のチャンネル材などによって構成する。
金網の面積が広いときには、枠体2はその周囲だけでなく、内部にも配置して、鉛直の鋼材や弓型の水平材を、例えば「田」の字状に配置して円弧金網1の全面を補強することができる。
そのような金網を矩形に形成し、その上下、左右を鋼材の枠体2で囲んで補強する。
枠体2は、断面がL字状のアングル材、あるいは断面がU字状のチャンネル材などによって構成する。
金網の面積が広いときには、枠体2はその周囲だけでなく、内部にも配置して、鉛直の鋼材や弓型の水平材を、例えば「田」の字状に配置して円弧金網1の全面を補強することができる。
<3−1>円弧枠
円弧金網1の上下を補強する枠体2は、円弧上枠21と円弧下枠22によって構成する。
すなわちアングル材、チャンネル材などを円弧状に形成した枠体2であり、その上下の枠体2の内部に円弧金網1を取り付ける構造である。
円弧金網1の上下を補強する枠体2は、円弧上枠21と円弧下枠22によって構成する。
すなわちアングル材、チャンネル材などを円弧状に形成した枠体2であり、その上下の枠体2の内部に円弧金網1を取り付ける構造である。
<3−2>左右縁枠
円弧金網1の両側の端部を補強する鋼材の縁枠23は、直線の矩形の鋼製の板によって構成する。
すなわち、上下に配置した円弧上枠21、円弧下枠22と、左右の縁枠23によって、円弧金網1の周囲を包囲して補強する構造である。
円弧金網1の両側の端部を補強する鋼材の縁枠23は、直線の矩形の鋼製の板によって構成する。
すなわち、上下に配置した円弧上枠21、円弧下枠22と、左右の縁枠23によって、円弧金網1の周囲を包囲して補強する構造である。
<3−3>ピンとピン穴
円弧金網1を包囲して補強する上下の枠体2、すなわち円弧上枠21と円弧下枠22には、対応する位置にピン24かピン穴のいずれかを形成する。
円弧型枠Aを鉛直方向に延長する場合に、上下方向に搭載する円弧型枠Aにおいて、連結用のピンとピン穴とが嵌合して位置を保持して確保することができる。
円弧金網1を包囲して補強する上下の枠体2、すなわち円弧上枠21と円弧下枠22には、対応する位置にピン24かピン穴のいずれかを形成する。
円弧型枠Aを鉛直方向に延長する場合に、上下方向に搭載する円弧型枠Aにおいて、連結用のピンとピン穴とが嵌合して位置を保持して確保することができる。
<4>連結板
左右縁枠23の外側には、背面に向けて突設した状態で連結板3を取り付ける。
この連結板3は、矩形の鋼板であり、市販の型枠連結用のクリップ金具を挿入するための穴を開口してある。
この連結板3は、円弧金網1を補強する左右縁板23を兼ねて構成することもできる。
円弧型枠Aを隣接して設置する場合に、連結板3と連結板3とが平行に接触するので、市販の型枠接続用のクリップなどの連結具を用いて簡単に連結して水平方向に順次延長してゆくことができる。
左右縁枠23の外側には、背面に向けて突設した状態で連結板3を取り付ける。
この連結板3は、矩形の鋼板であり、市販の型枠連結用のクリップ金具を挿入するための穴を開口してある。
この連結板3は、円弧金網1を補強する左右縁板23を兼ねて構成することもできる。
円弧型枠Aを隣接して設置する場合に、連結板3と連結板3とが平行に接触するので、市販の型枠接続用のクリップなどの連結具を用いて簡単に連結して水平方向に順次延長してゆくことができる。
<5>平面視
上記のように本発明の円弧型枠Aは、円弧金網1の周囲を枠体2で包囲したものであるが、円弧金網1は平面視で、円弧状に湾曲した金網として構成してある。
さらに円弧金網1の周囲を包囲する枠材2の内で、上下の枠体、すなわち上の枠体と下の枠体とを、平面視で円弧状に湾曲した円弧上枠21と円弧下枠22として構成する。
そのために型枠全体が円弧状の円弧型枠Aを形成することができる。
上記のように本発明の円弧型枠Aは、円弧金網1の周囲を枠体2で包囲したものであるが、円弧金網1は平面視で、円弧状に湾曲した金網として構成してある。
さらに円弧金網1の周囲を包囲する枠材2の内で、上下の枠体、すなわち上の枠体と下の枠体とを、平面視で円弧状に湾曲した円弧上枠21と円弧下枠22として構成する。
そのために型枠全体が円弧状の円弧型枠Aを形成することができる。
<6>円弧の効果
本発明の円弧型枠Aは、上記のように円弧金網1と上下の円弧上枠21、円弧下枠22を平面視で湾曲状に形成したものである。
その結果、下端を固定し、上端に水平力を作用させた場合の外力に対して大きな強度を期待することができる。
その概念図を図3に示すが、従来の矩形のコンクリートパネルBの下端を固定して上端に水平力を作用させた場合と比較して、変形に対する抵抗が大幅に上昇していることが明らかである。
本発明の円弧型枠Aは、上記のように円弧金網1と上下の円弧上枠21、円弧下枠22を平面視で湾曲状に形成したものである。
その結果、下端を固定し、上端に水平力を作用させた場合の外力に対して大きな強度を期待することができる。
その概念図を図3に示すが、従来の矩形のコンクリートパネルBの下端を固定して上端に水平力を作用させた場合と比較して、変形に対する抵抗が大幅に上昇していることが明らかである。
<7>間隔が狭い現場での有効性
老朽化したコンクリート擁壁や石積み擁壁の補修、補強工事などで、新設するコンクリート擁壁との間隔が50cm以下の現場が発注される場合がある。
そのような現場では新設するコンクリートパネルの裏の空間が狭いので、人が立ち入れないことはもちろん、肝心のパネル接合部付近まで作業員の手が届かないことになる。
その場合に本発明の構造では円弧型枠Aは前面からの作業のみで構築が可能であるために、背面の空間を利用する必要がなく、そのような現場において特に有効に活用することができる。
老朽化したコンクリート擁壁や石積み擁壁の補修、補強工事などで、新設するコンクリート擁壁との間隔が50cm以下の現場が発注される場合がある。
そのような現場では新設するコンクリートパネルの裏の空間が狭いので、人が立ち入れないことはもちろん、肝心のパネル接合部付近まで作業員の手が届かないことになる。
その場合に本発明の構造では円弧型枠Aは前面からの作業のみで構築が可能であるために、背面の空間を利用する必要がなく、そのような現場において特に有効に活用することができる。
<8>擁壁の構築方法
次に上記で説明した円弧型枠Aを使用してコンクリート擁壁を構築する方法を説明する。
なお本発明の構築方法は、いわゆる擁壁の他に、老朽化した法面吹き付けコンクリートの上を壁面で被覆する工事や、河川の護岸工事などに広く採用することができるから、本件明細書と特許請求の範囲の記載における「擁壁」とは壁面の総称である。
次に上記で説明した円弧型枠Aを使用してコンクリート擁壁を構築する方法を説明する。
なお本発明の構築方法は、いわゆる擁壁の他に、老朽化した法面吹き付けコンクリートの上を壁面で被覆する工事や、河川の護岸工事などに広く採用することができるから、本件明細書と特許請求の範囲の記載における「擁壁」とは壁面の総称である。
<9>基礎の構築
本発明の円弧型枠Aを鉛直に立ち上げる前に、基礎コンクリートCを打設して立ち上げの基礎を形成する。
この基礎コンクリートCの内部に本発明の円弧型枠Aの下部を埋め込んでおくこともできる。
あるいは基礎コンクリートCに円弧型枠Aを固定するためのアンカーを設置しておき、そのアンカーにボルトを締結する構造によって円弧型枠Aを基礎コンクリートC上に固定する方法を採用することもできる。
本発明の円弧型枠Aを鉛直に立ち上げる前に、基礎コンクリートCを打設して立ち上げの基礎を形成する。
この基礎コンクリートCの内部に本発明の円弧型枠Aの下部を埋め込んでおくこともできる。
あるいは基礎コンクリートCに円弧型枠Aを固定するためのアンカーを設置しておき、そのアンカーにボルトを締結する構造によって円弧型枠Aを基礎コンクリートC上に固定する方法を採用することもできる。
<10>水平方向の接続
先行して設置した円弧型枠Aに隣接して、同一の高さに新たな円弧型枠Aを設置する。
円弧型枠Aの両端には、背面に向けて連結板3が突設してあるので、隣接する連結板3どうしが平行に接触する。
そのように平行に接触した2枚の連結板3を、型枠固定用の市販のクリップなどを使用して強固に接続する。
こうして同一高さの円弧型枠Aを水平方向に延長することができる。
先行して設置した円弧型枠Aに隣接して、同一の高さに新たな円弧型枠Aを設置する。
円弧型枠Aの両端には、背面に向けて連結板3が突設してあるので、隣接する連結板3どうしが平行に接触する。
そのように平行に接触した2枚の連結板3を、型枠固定用の市販のクリップなどを使用して強固に接続する。
こうして同一高さの円弧型枠Aを水平方向に延長することができる。
<11>鉛直の積み上げ
下段の円弧型枠Aの円弧上枠21の上に、上段の円弧型枠Aを搭載する。
下段の円弧上枠21と、上段の円弧下枠22とには、対抗する位置にピン24とピン孔が形成してあるから、積み上げた場合にその位置の確保が容易である。
こうして水平方向と鉛直方向へ、円弧型枠Aを接続して広い擁壁の面を形成することができる。
円弧型枠Aの背面が法面ではなく、背面にも同様に本発明の円弧型枠Aを設置する場合もある。
下段の円弧型枠Aの円弧上枠21の上に、上段の円弧型枠Aを搭載する。
下段の円弧上枠21と、上段の円弧下枠22とには、対抗する位置にピン24とピン孔が形成してあるから、積み上げた場合にその位置の確保が容易である。
こうして水平方向と鉛直方向へ、円弧型枠Aを接続して広い擁壁の面を形成することができる。
円弧型枠Aの背面が法面ではなく、背面にも同様に本発明の円弧型枠Aを設置する場合もある。
<12>コンクリートなどの打設
広い面として構成した円弧型枠Aと、背面の法面などの間にコンクリートを打設する。
なお実施例はコンクリートの打設を説明するが、ソイルセメントを打設することもできるから、それらを含む意味で本明細書ではコンクリート等と表現する。
ソイルセメントとは、土、セメント及び水を混合して固めた混合物のことである。
円弧型枠Aの面を構成するのは金網であるが、コンクリートのスランプ次第でコンクリートは金網から流出することなく、背面に充填できることは知られている。
コンクリートが硬化しても円弧型枠Aは解体することなく、擁壁の表面にそのまま残った状態となる。
広い面として構成した円弧型枠Aと、背面の法面などの間にコンクリートを打設する。
なお実施例はコンクリートの打設を説明するが、ソイルセメントを打設することもできるから、それらを含む意味で本明細書ではコンクリート等と表現する。
ソイルセメントとは、土、セメント及び水を混合して固めた混合物のことである。
円弧型枠Aの面を構成するのは金網であるが、コンクリートのスランプ次第でコンクリートは金網から流出することなく、背面に充填できることは知られている。
コンクリートが硬化しても円弧型枠Aは解体することなく、擁壁の表面にそのまま残った状態となる。
<13>支保材の省略
本発明の円弧型枠Aは前記したように平面視が円弧状の型枠である。
そのために平板状のコンクリートパネルを鉛直に立て上げる場合と比較して、図3に示すような水平力、すなわち打設したコンクリートの側圧に対して大きな抵抗を示すことができる。
そのために円弧型枠Aの高さを1.5m程度に構成し、鉛直方向への積み上げを1段ずつに積み上げて行き、コンクリートの打設高さも1段ごとに行う工程を採用すれば、円弧型枠Aの背面に支保材を配置する作業を省略するか、あるいは大幅に簡素化することができる。
したがって支保材の消費が不要で、その設置作業も省略できるからきわめて経済的な工法となる。
特に円弧型枠Aと背面の地山などとの間隔が狭く作業が困難な箇所でも採用することができ、省力化と効率的な作業が可能となる。
本発明の円弧型枠Aは前記したように平面視が円弧状の型枠である。
そのために平板状のコンクリートパネルを鉛直に立て上げる場合と比較して、図3に示すような水平力、すなわち打設したコンクリートの側圧に対して大きな抵抗を示すことができる。
そのために円弧型枠Aの高さを1.5m程度に構成し、鉛直方向への積み上げを1段ずつに積み上げて行き、コンクリートの打設高さも1段ごとに行う工程を採用すれば、円弧型枠Aの背面に支保材を配置する作業を省略するか、あるいは大幅に簡素化することができる。
したがって支保材の消費が不要で、その設置作業も省略できるからきわめて経済的な工法となる。
特に円弧型枠Aと背面の地山などとの間隔が狭く作業が困難な箇所でも採用することができ、省力化と効率的な作業が可能となる。
1:円弧金網
2:枠体
21:円弧上枠
3:連結板
2:枠体
21:円弧上枠
3:連結板
Claims (4)
- 円弧金網の上下と両側を鋼材の枠で囲んだ型枠であり、
その円弧金網、
および円弧金網の上下に位置する円弧上枠と円弧下枠を、
平面視で湾曲状に形成したことを特徴とする、
円弧型枠。 - 上記の円弧型枠において、
両側の鋼材枠には、隣接する円弧型枠との連結用に縁板を背面に向けて突設してあることを特徴とする、
円弧型枠。 - 上記の円弧型枠において、
上下の円弧上枠、円弧下枠の相対する位置には、上下方向に搭載する円弧型枠との連結用のピンかピン穴かのいずれか一方が形成してあることを特徴とする、
円弧型枠。 - 請求項1記載の円弧型枠を使用し、
その円弧型枠を同一高さに水平方向に設置してあり、
その円弧上枠の上に、上段の円弧型枠の円弧下枠を搭載して鉛直に積み上げてあり、
その背面にはコンクリート等が打設してある、
擁壁の構造。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107859056A (zh) * | 2017-11-15 | 2018-03-30 | 中南大学 | 一种用于挡土的预制构件及其挡土墙 |
CN112575809A (zh) * | 2020-12-14 | 2021-03-30 | 长沙理工大学 | 一种桁架拱形挡墙 |
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2013
- 2013-03-07 JP JP2013045880A patent/JP2014173305A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107859056A (zh) * | 2017-11-15 | 2018-03-30 | 中南大学 | 一种用于挡土的预制构件及其挡土墙 |
CN107859056B (zh) * | 2017-11-15 | 2023-12-05 | 中南大学 | 一种用于挡土的预制构件及其挡土墙 |
CN112575809A (zh) * | 2020-12-14 | 2021-03-30 | 长沙理工大学 | 一种桁架拱形挡墙 |
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