JP3208100U - 地中構造物構築用の足場装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内側地盤の掘削作業や排土作業に悪影響を与えずに、低コストに地中構造物の躯体を構築できる、地中構造物構築用の足場装置を提供する。【解決手段】直下地盤を掘削して沈設した地中構造物50の上部にコンクリートを現場打ちするための足場装置10であって、地中構造物の外側地盤G1に据え付けた門形の足場枠ユニット30を具備し、足場枠ユニット30は既設の地中構造物の外側に据え付けた外枠30aと、外枠の上部から水平に延出した張出梁30bと、張出梁の自由端に垂下した足場板33付きの内枠足場30cとを具備し、内枠足場30cは、張出梁を介して地中構造物の内側に垂下されている。【選択図】図2

Description

本考案は地下式立体駐輪場、地下式立体駐車場、又は有害物質埋設施設等のコンクリート製の地中構造物構築用の足場装置に関し、特に複数の掘削装置により地中構造物の底部の直下地盤を掘削しながら地中構造物の躯体を増築するための足場装置に関するものである。
出願人は閉鎖形状を呈する地中構造物の底部の直下地盤を掘削して地中構造物を沈降させる工程と、地中構造物の躯体を増築する工程を繰り返しながら地中構造物を沈設するための自走式の掘削装置を先に提案した(特許文献1〜3)。
一般的なコンクリート構造物であれば、相対向して配置する内外一対の型枠と、型枠を支える支保工と、内外一対の足場枠ユニットとを使用してコンクリート躯体を構築している。
特許文献4にはコンクリート構造物の内外に足場板付きの足場枠ユニットに型枠を一体に結合した型枠装置が開示されていて、コンクリート構造物の内外に配置した複数組の型枠装置を使用してコンクリート躯体を構築している。
特開2001−20293号公報 特開2002−121744号公報 特開2011−17161号公報 特開平6−136938号公報
従来の地中構造物の構築技術にはつぎのような改善すべき点がある。
<1>外型枠は地上を利用して型枠の組み立て及び解体を行える。
これに対して内型枠は、地表から離れた内側地盤に立設した足場枠ユニットを利用して行うことになるが、内側地盤の掘り下げに伴って大量の足場枠ユニットを組み足して高さを高くしなければならず、施工コストが高騰化する。
<2>内側地盤に足場枠ユニットを据え付けたままであると、足場枠ユニットが内側地盤の掘削作業や排土作業の障害となる。
<3>内側地盤の掘削作業と排土作業の邪魔にならないように、内側の足場枠ユニットの組み立てと撤去を繰り返すことも考えられるが、多くの時間とコストがかかり実現性に乏しい。
本考案は以上の点に鑑みて成されたもので、その目的とするところは、内側地盤の掘削作業や排土作業に悪影響を与えずに、低コストに地中構造物の躯体を構築できる、地中構造物構築用の足場装置を提供することにある。
本考案は、閉鎖形状を呈するコンクリート製の地中構造物の直下地盤を掘削して沈設しながら地中構造物の上部にコンクリートを現場打ちする地中構造物構築用の足場装置であって地中構造物を跨いで外側地盤に据え付けられた断面形状が門形を呈する足場枠ユニットを具備し、前記足場枠ユニットは既設構造物の外側に立設された外枠と、地中構造物を跨いで前記外枠の上部から水平に延出された張出梁と、前記張出梁の自由端に垂下された足場板付きの内枠足場とを具備し、前記張出梁を介して地中構造物の内側に内枠足場が垂下されている。
本考案の他の形態において、地中構造物を囲繞するように前記足場枠ユニットが地中構造物に沿って連続して配置されている。
本考案の他の形態において、前記地中構造物の外側地盤に敷設された基板を更に含み、前記基板に足場枠ユニットの外枠が固定されている。
本考案の他の形態において、前記足場枠ユニットが複数の縦材と横材と水平材の組み合わせで構成されている。
本考案の他の形態において、前記複数の縦材と横材と水平材が単管パイプで構成されている。
本考案はつぎの何れかひとつの効果を奏する。
<1>地中構造物の外側地盤から反力を得て作業用の内枠足場を地中構造物の内側に垂下できるので、内側地盤の掘削作業や排土作業に悪影響を与えずに、低コストに地中構造物の躯体を増築することができる。
<2>断面形状が門形を呈する足場枠ユニットを地中構造物の片側の外側地盤に据え付けるだけで地中構造物の増築工事に対応できるので、地中構造物の両側に足場装置を個別に据え付ける必要がなくなる。
<3>足場装置を据え付けたまま地中構造物の沈設作業を行えるので、足場装置の組み立てと解体を繰り返す必要がなくなる。
<4>足場装置に単管パイプを用いれば、軽量で組み立て簡単な低コストの足場装置を提供できる。
一部を省略した地中構造物構築用の足場装置の斜視図 沈設初期における地中構造物と足場装置の縦断面図 地中構造物の増築時における地中構造物と足場装置の縦断面図 脱型後における地中構造物と足場装置の縦断面図
以下に図面を参照しながら本考案について詳細に説明する。
<1>地中構造物
地中構造物50はその水平断面形状が例えば矩形、多角形、円形、楕円形等を呈するコンクリート製の函体で、その躯体厚や全体寸法は地中構造物50の使途に応じて適宜選択する。
<2>地中構造物構築用の足場装置
図1を参照して説明すると、地中構造物構築用の足場装置10は、地中構造物50の外側地盤Gに敷設した基板20と、地中構造物50を跨いで立設可能なように断面形状が門形を呈する足場枠ユニット30とを具備していて、足場枠ユニット30が転倒しないように足場枠ユニット30の基部が基板20等に固定されている。
<3>基板
基板20は足場枠ユニット30の外枠30aを固定するための極厚鋼板等の板体であり、地中構造物50を囲繞するように地中構造物50に沿って敷設してある。
足場枠ユニット30の転倒防止手段としては、基板20に重量を付与するか、又はアンカーピン等で基板20を外側地盤Gに固定するか、或いはこれらを併用する。
基板20は必須ではなく、基板20を省略して足場枠ユニット30の外枠30aを外側地盤Gに直接固定してもよい。
足場枠ユニット30の外枠30aの固定手段は、足場枠ユニット30の転倒モーメントを考慮して適宜選択する。
<4>足場枠ユニット
足場枠ユニット30は既設構造物50の外側に立設される外枠30aと、外枠30aの上部から水平に延出した張出梁30bと、張出梁30bの自由端に垂下した内枠足場30cとを具備する。
地中構造物50を間に挟んで、地中構造物50の外側に外枠30aが位置すると共に、地中構造物50の内側に内枠足場30cが位置する。
これら外枠30a、張出梁30b、及び内枠足場30cは、例えば単管パイプ等の軽量な複数の鋼材を縦横方向及び水平方向に向けて配置し、各鋼材の交差部をクランプ等の固定具で固定して立体的に組み立てられている。
鋼材以外に公知の建枠を組み合せて使用することも可能である。
<4.1>外枠
外枠30aは張出梁30bを介して内枠足場30cを垂下するための剛性枠体である。
外枠30aは間隔を隔てて立設した複数の縦材31aと、縦材31aの上部間を水平に横架した複数の横材32aとを具備し、これらの鋼材を組み合せて立体的に組み立てられている。
各縦材31aは少なくとも地中構造物50の打継ぎ高さより長い全長を有する。
各縦材31aの下端は基板20に溶接又はボルト止めにより一体に固定してある。
<4.2>内枠足場
内枠足場30cは地中構造物50の内側位置に垂下された作業足場である。
内枠足場30cは少なくとも間隔を隔てて立設した複数の縦材31cと、縦材31cの上部間と下部間を水平に横架した複数の横材32cと、最下段の横材32cの間に連続的に架け渡した複数の足場板33とを有する。
内枠足場30cの下部側面には転落防止用の手すり材34を設けておく。
足場板33には公知のフック付き足場パネルの他に合板等を適用できる。
<4.3>張出梁
張出梁30bは外枠30aと内枠足場30cの上部間を連結可能な全長を有する曲げ耐力に優れた梁部材である。
本例では張出梁30bが複数の水平材31bで構成する場合について示すが、トラス構造の梁部材を使用することも可能である。
[足場装置の使用例]
つぎに足場装置10の使用例について説明する。
<1>足場装置の設置
図2は地中構造物50の底部に設けた自走式の掘削装置40が直下地盤を掘削して地中構造物50を打継ぎ予定深度まで沈設した沈設初期の状態を示している。
以下に足場装置10の組み立て方法について説明する。
<1.1>基板の敷設
地中構造物50に接近させて外側地盤Gに基板20を敷設する。
<1.2>足場枠ユニットの組み立て
本例では地中構造物50に沿って足場枠ユニット30を現場で組み立てる形態について説明するが、予めスパン単位で製作した足場枠ユニット30の分割体をクレーンで吊り込んで現場で組み立てて設置してもよい。
図2を参照して足場枠ユニット30の組み立て方法について説明すると、基板20上に複数の縦材31aと横材32aを立体的に組み立てて外枠30aを完成させる。
外枠30aの各縦材31aの下端を基板20又は外側地盤Gに固定する。
つぎに外枠30aの上部から地中構造物50を越えて複数の水平材31bを延出する。
最後に水平に張り出した水平材31bの自由端側に複数の縦材31cと横材32cを組み付けると共に、足場板33等を取り付けて内枠足場30cを完成させる。
地中構造物50の沈設初期は、外側地盤Gと掘削地盤Gの高低差が少ないため、掘削地盤Gを利用して内枠足場30cを手作業で組立てできる。
<2>地中構造物の躯体の増築
図3を参照して地中構造物50の上部への躯体の増築方法について説明する。
<2.1>配筋、型枠組立て
足場装置10を使用して地中構造物50の上部へ鉄筋51を配筋すると共に、内型枠52と外型枠53を相対向して組み立て、各型枠52,53の外方に図示しない支保工を取り付ける。
内枠足場30cに複数の作業員が載っても足場枠ユニット30が転倒しないように足場枠ユニット30の外枠30aが基板20又は外側地盤Gに固定されているので、鉄筋工や内型枠52の組立て作業を安全に行える。
しかも足場枠ユニット30が複数の鋼材を組み合せただけのスケルトン構造を呈するため、長尺鉄筋等の建設資材の搬入がし易い。
<2.2>コンクリート打設と脱型
内型枠52と外型枠53の内部へコンクリート54を打設して地中構造物50を上方へ増築する。
コンクリート54の強度が発現したら、所定の養生期間を経たら、足場装置10を使用して内型枠52と外型枠53を脱型する。
図4は打継ぎした脱型後における地中構造物50の躯体上部の断面を示している。
<3>掘削と地中構造物の増築
型枠装置10は脱型を完了しても撤去せずに据付けたままにしておき、次回の地中構造物50の増築時に使用する。
基板20又は外側地盤Gに支持された足場枠ユニット30の内枠足場30cが地中構造物50の内側上位に垂下されているので、掘削地盤Gの掘削作業や排土作業に悪影響を与えることがない。
10・・・・・足場装置
20・・・・・基板
30・・・・・足場枠ユニット
30a・・・・足場枠ユニットの外枠
30b・・・・足場枠ユニットの張出梁
30c・・・・足場枠ユニットの内枠足場
33・・・・・足場板
34・・・・・手すり材
40・・・・・自走式の掘削装置
50・・・・・地中構造物
51・・・・・鉄筋
52・・・・・内型枠
53・・・・・外型枠

Claims (5)

  1. 閉鎖形状を呈するコンクリート製の地中構造物の直下地盤を掘削して沈設しながら地中構造物の上部にコンクリートを現場打ちする地中構造物構築用の足場装置であって
    地中構造物を跨いで外側地盤に据え付けられた断面形状が門形を呈する足場枠ユニットを具備し、
    前記足場枠ユニットは既設構造物の外側に立設された外枠と、
    地中構造物を跨いで前記外枠の上部から水平に延出された張出梁と、
    前記張出梁の自由端に垂下された足場板付きの内枠足場とを具備し、
    前記張出梁を介して地中構造物の内側に内枠足場が垂下されていることを特徴とする、
    地中構造物構築用の足場装置。
  2. 地中構造物を囲繞するように前記足場枠ユニットが地中構造物に沿って連続して配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の地中構造物構築用の足場装置。
  3. 前記地中構造物の外側地盤に敷設された基板を更に含み、前記基板に足場枠ユニットの外枠が固定されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の地中構造物構築用の足場装置。
  4. 前記足場枠ユニットが複数の縦材と横材と水平材の組み合わせで構成されていることを特徴とする、請求項1乃至3の何れか一項に記載の地中構造物構築用の足場装置。
  5. 前記複数の縦材と横材と水平材が単管パイプであることを特徴とする、請求項4に記載の地中構造物構築用の足場装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112982934A (zh) * 2021-02-26 2021-06-18 中国一冶集团有限公司 一种可调整角度的花篮悬挑工字钢梁施工装置

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