JP5110398B2 - 鉄基焼結合金、鉄基焼結合金の製造方法およびコンロッド - Google Patents
鉄基焼結合金、鉄基焼結合金の製造方法およびコンロッド Download PDFInfo
- Publication number
- JP5110398B2 JP5110398B2 JP2009135668A JP2009135668A JP5110398B2 JP 5110398 B2 JP5110398 B2 JP 5110398B2 JP 2009135668 A JP2009135668 A JP 2009135668A JP 2009135668 A JP2009135668 A JP 2009135668A JP 5110398 B2 JP5110398 B2 JP 5110398B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mass
- powder
- iron
- sintered alloy
- based sintered
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C38/00—Ferrous alloys, e.g. steel alloys
- C22C38/02—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing silicon
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C22/00—Alloys based on manganese
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C33/00—Making ferrous alloys
- C22C33/02—Making ferrous alloys by powder metallurgy
- C22C33/0207—Using a mixture of prealloyed powders or a master alloy
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C33/00—Making ferrous alloys
- C22C33/02—Making ferrous alloys by powder metallurgy
- C22C33/0257—Making ferrous alloys by powder metallurgy characterised by the range of the alloying elements
- C22C33/0264—Making ferrous alloys by powder metallurgy characterised by the range of the alloying elements the maximum content of each alloying element not exceeding 5%
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C38/00—Ferrous alloys, e.g. steel alloys
- C22C38/04—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing manganese
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C38/00—Ferrous alloys, e.g. steel alloys
- C22C38/18—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
- C22C38/22—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with molybdenum or tungsten
Description
前記Fe−Cr−Mo系粉末は、全体を100質量%としたときに、0.5質量%以上3.5質量%以下のクロム(Cr)および0.1質量%以上2質量%以下のモリブデン(Mo)を含み、残部が鉄と不可避不純物とからなり、
前記Fe−Mn−Si系粉末は、全体を100質量%としたときに、40質量%以上70質量%以下のマンガン(Mn)および10質量%以上40質量%以下の珪素(Si)を含み、残部が鉄と不可避不純物とからなり、
前記原料粉末は、該原料粉末全体を100質量%としたときに、前記グラファイト粉末を0.3質量%以上0.7質量%以下、最大粒径で5μm以下に分級された前記Fe−Mn−Si系粉末を0.4質量%以上1質量%以下含み、
密度が7.4g/cm3以上であり、かつ、マルテンサイトおよびベイナイトからなる金属組織を有し、金属組織全体に対するマルテンサイトの面積率が40%以下、マルテンサイトの粒径が20μm以下であることを特徴とする。
本発明の鉄基焼結合金は、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、珪素(Si)、マンガン(Mn)および炭素(C)を含み、残部が鉄(Fe)と不可避不純物とからなり、マルテンサイトおよびベイナイトからなる金属組織を有する。マルテンサイトの面積率は、金属組織全体に対して40%以下であり好ましくは4〜40%さらに好ましくは4〜25%である。マルテンサイトの面積率は、たとえば、鉄基焼結合金の断面を顕微鏡観察し、得られた画像の全体の面積に対するマルテンサイトの占有面積を画像解析により算出することで求められる。マルテンサイトの存在により、鉄基焼結合金が硬質となり、切削加工を良好に行うことができる。しかし、マルテンサイトの面積率が40%を超えると、鉄基焼結合金が硬質になり過ぎて脆化し、かえって被削性が低下する。
本発明の鉄基焼結合金の製造方法は、主として、分級工程、原料粉末混合工程、成形工程および焼結工程を含む。以下に、それぞれの工程を説明する。なお、原料粉末として使用するFe−Cr−Mo系粉末、Fe−Mn−Si系粉末およびグラファイト粉末の組成および配合割合は、既に説明した通りである。
分級工程は、Fe−Mn−Si系粉末を最大粒径で5μm以下に分級(篩い分け)する工程である。5μm以下に分級されたFe−Mn−Si粉末を使用することで、金属組織中のマルテンサイトの粒径を20μm以下に抑制することができる。なお、図3に、Fe−Cr−Mo系粉末、グラファイト粉末およびFe−Mn−Si系粉末からなる原料粉末を焼結させてなる鉄基焼結合金のFe−Mn−Si系粉末の粒径とマルテンサイトの粒径との関係を示す。図3において、「FeMSII粒径(d)」がFe−Mn−Si系粉末の粒径、「マルテンサイト径(D)」がマルテンサイトの粒径、に相当する。マルテンサイトの粒径は、Fe−Mn−Si系粉末の粒径の約2倍である。そして、5μm以下に分級されたFe−Mn−Si系粉末を使用すれば、マルテンサイトを確実に微細化できる。
(2−1)原料粉末混合工程は、Fe−Cr−Mo系粉末、グラファイト粉末およびFe−Mn−Si系粉末からなる原料粉末を調製する工程である。本工程では、原料粉末全体を100質量%としたときに、グラファイト粉末を0.3〜0.7質量%さらには0.5〜0.7質量%、Fe−Mn−Si粉末を0.4〜1質量%さらには0.5〜0.8質量%となるように調製する。所定の範囲の組成を有する各粉末を所定の配合割合で調製することで、上記の金属組織を有する本発明の鉄基焼結合金が容易に得られる。また、原料粉末の混合は、一般的な方法により行えばよい。
(3−1)成形工程は、原料粉末を成形して密度が7.4g/cm3以上の粉末成形体とする工程である。密度が7.4g/cm3以上とは、成形体密度比にして95%以上の高密度成形体である。このような高密度成形体を得ることができる成形方法の一例として特許3309970号公報に記載の粉末成形体の成形方法が挙げられる。以下、この成形方法を適宜「金型潤滑温間加圧成形法」という。金型潤滑温間加圧成形法によれば、成形圧力が1000MPa以上、1200MPa以上、1500MPa以上さらには2000MPaといった、従来レベルを超越した超高圧成形を工業レベルで行うことが可能である。これにより得られる粉末成形体の密度は96%以上、97%以上、98%以上さらには99%までにも到達し得る。
(4−1)密度が7.4g/cm3以上の粉末成形体は、粉末成形体を加熱する加熱工程、および加熱工程後の粉末成形体を冷却してマルテンサイトおよびベイナイトからなる金属組織を有する焼結体を得る冷却工程、からなる焼結工程に供される。
上記本発明の鉄基焼結合金は、各種機械部品に好適であるが、高強度で優れた被削性をもつことから、特に、自動車用エンジンのコネクティングロッド(コンロッド)に好適である。コンロッドとは、ピストンとクランクシャフトとを連結するための部材である。コンロッドの一例を図7に示す。コンロッド70は、一端側にピストンピンを挿入するための挿入穴71hが形成された小端部71と、他端側にクランクシャフトのピン部を挿入するための挿入穴72hが形成された大端部72と、を備える。このようなコンロッドは、本発明の鉄基焼結合金の製造方法により得られた所定の形状の素材に対して、ピストンあるいはクランクシャフトに確実に連結するために必要な挿入穴を切削加工して形成することで、製造される。
(原料粉末の調製)
Fe−1.5Cr−0.2Mo粉末(ヘガネス社製AstaloyCrL、粒径20〜212μm)、およびグラファイト(Gr)粉末(日本黒鉛社製JCPB、粒径は45μm以下)を用意した。また、Fe−50Mn−30Si(日本電工社製)のインゴットを振動ミル(中央化工機製)にて30分間粉砕処理して粉末とした。これらの粉末を5μm以下、10μm以下、25μm以下および45μm以下に篩い分けした。以後、Nμm以下に分級したことを「粒度−Nμm」と略記する。同様に、シリコマンガン(JIS1号)のインゴットを振動ミルにて30分間粉砕処理して粉末とし分級し、粒度−5μmとした。以後、Fe−50Mn−30Si粉末を「FeMSII」、シリコマンガン粉を「FeMSC」と表記し、両者を「FeMS」と総称する。FeMSIIおよびFeMSCの組成を表1に示す。
粉末成形体の作製は、特許3309970号公報に記載の金型潤滑温間加圧成形法により行った。具体的には以下の通りである。φ23mmの円柱型キャビティを有する超硬製金型を用意した。金型の内周面には予めTiNコート処理を施した。金型は、バンドヒータで予め150℃に加熱した。加熱した金型の内周面に、ステアリン酸リチウム(LiSt)を分散させた水溶液をスプレーガンにて均一に塗布し、約1μmのLiSt被膜を形成した。この金型のキャビティへ、上記の手順で調製した原料粉末を自然充填した。原料粉末は、金型と同温の150℃に乾燥機で予め加熱しておいた。次に、金型に充填された原料粉末を、成形圧力1176MPaで成形して、φ23mm×12mmの円柱形状の粉末成形体を得た。
得られた粉末成形体を、島津製作所製雰囲気可変急速冷却焼結炉を用いて、1150℃の窒素ガス雰囲気中でそれぞれ焼結させて、焼結体(鉄基焼結合金)を得た。粉末成形体は、1150℃で10分間保持し、焼結後の冷却速度を70℃/分とした。その後、200℃で60分間、大気中で焼き戻しを行った。
上記の手順で作製された粉末成形体および焼結体の密度を測定した。密度は、マイクロメータを用いて測定した円柱の外径および高さから計算した体積と、別途計量した質量から算出した。結果を表2に示す。なお、表2において、「G.D」は粉末成形体、「S.D」は焼結体、の密度をそれぞれ示す。また、ビッカース硬度計を用いて、試験荷重30kgfのもと、焼結体の断面の硬さを測定した。結果を表2および図1に示す。
上記の手順で製作した焼結体の断面を、光学顕微鏡を用いて観察した。観察面は、焼結体の切断面を研磨した後、ナイタールを用いてエッチング処理を施して作製した。顕微鏡観察して得られた画像から、マルテンサイトの面積率(マルテンサイト率)と粒径を求めた。マルテンサイト率は、得られた画像の全体の面積に対するマルテンサイトの占有面積を画像解析により算出して求めた。算出したマルテンサイト率を図2に示す。図2において、Mはマルテンサイト、UBは上部ベイナイト、FPは微細パーライト、をそれぞれ示す。粒径は、得られた画像のマルテンサイト結晶粒の最大径D(粒子を2本の平行線で挟んだとき平行線の間隔の最大値)と、同じ結晶粒の中央部に視認されるFeMSII粒子の最大径dを測定した。幾つか撮影した画像から測定した個々の結晶粒のdおよびDを図3のグラフに示す。また、測定される結晶粒のDおよびdを、図3の左上に模式的に示す。
いずれの原料粉末を用いても、7.4g/cm3以上の高密度の焼結体が得られた。また、寸法変化は、密度の変化率にして0.2%程度であった。硬さは、Gr添加量およびFeMS添加量が多くなるほど高くなった。
(原料粉末の調製)
上記のAstaloyCrL粉末、Gr粉末、FeMSII粉末(粒度−5μm)および潤滑剤としてステアリン酸亜鉛(ZnSt.)、必要に応じて快削成分として硫化マンガン(MnS)粉末を、表3の配合割合となるように秤量し、ボールミル式回転混合を十分に行って、均一な混合粉末からなる原料粉末(No.2c、11e〜13e、22eおよび12e+)を用意した。
一般的な金型成形装置を用い、φ61mm×27mmの円柱形状の粉末成形体を作製した。得られる粉末成形体の密度が7.0g/cm3となるように、成形を行った。
得られた各粉末成形体を、雰囲気加熱炉(エレマ炉)を用いて、1150℃の窒素ガス雰囲気中で10分間加熱した。加熱した粉末成形体を、面圧10t/cm2でコイニング鍛造し、冷却速度70℃/分で冷却し、焼結鍛造体(鉄基焼結合金)を得た。なお、原料粉末2c、11e〜13e、22eおよび12e+を用いて作製された焼結鍛造体を順にC2、E11〜E13、E22およびE12+とした。これらの焼結鍛造体は、いずれも、φ62mm×厚さ23mm、密度7.78〜7.82g/cm3であった。その後、200℃で60分間、大気中で焼き戻しを行った。
上記の手順で製作した焼結鍛造体の断面を光学顕微鏡を用いて観察し、マルテンサイト率を求めた。マルテンサイト率の算出方法は、既に述べた通りである。求めたマルテンサイト率を表4に示す。
上記の手順で作製された焼結鍛造体の硬さを測定した。硬さの測定方法は、既に述べた通りである。結果を表4に示す。また、各焼結鍛造体の引張強さおよび伸びを測定した。引張強さおよび伸びは、JIS Z 2241に準拠した手順により求めた。
上記の手順で作製された焼結鍛造体から黒皮を除去しφ61mm×t23mmとした試験片を用い、切削試験を行った。切削試験にはCNC旋盤を用い、図4に示すように、試験片Pを生爪41でチャッキングした後、外径加工用バイト42を用いて外径旋削加工を行った。バイト42には、チップ42t(住友電工製超硬チップSPP−321S−CG05)を取り付けた。切削条件は、切削速度:195m/分、送り:0.12mm/rev、切込量:0.05mm、とした。この条件の下、試験片の外径を1パスあたり12mm旋削し、1つの試験片に対して150パス(30パス×5回)まで旋削を行った。そして、試験片に対し30パス後と150パス後の仕上げ面の十点平均粗さRz(JIS)を面粗さ計により測定し、30パス毎のチップの摩耗量(摩耗深さ)を実体顕微鏡により測定した。仕上げ面粗さを表4に、チップの摩耗量を図5に、それぞれ示す。
焼結体C2は、FeMSIIを含まない原料粉末2cを用いて作製された比較例である。焼結体C2は、金属組織にマルテンサイトを含まず、硬さおよび引張強さは十分ではなかった。そのため、90パスの時点でチッピングが発生し、試験が中断した。
Claims (13)
- Fe−Cr−Mo系粉末、グラファイト粉末およびFe−Mn−Si系粉末を混合した原料粉末を焼結させてなる鉄基焼結合金であって、
前記Fe−Cr−Mo系粉末は、全体を100質量%としたときに、0.5質量%以上3.5質量%以下のクロム(Cr)および0.1質量%以上2質量%以下のモリブデン(Mo)を含み、残部が鉄と不可避不純物とからなり、
前記Fe−Mn−Si系粉末は、全体を100質量%としたときに、40質量%以上70質量%以下のマンガン(Mn)および10質量%以上40質量%以下の珪素(Si)を含み、残部が鉄と不可避不純物とからなり、
前記原料粉末は、該原料粉末全体を100質量%としたときに、前記グラファイト粉末を0.3質量%以上0.7質量%以下、最大粒径で5μm以下に分級された前記Fe−Mn−Si系粉末を0.4質量%以上1質量%以下含み、
密度が7.4g/cm3以上であり、かつ、マルテンサイトおよびベイナイトからなる金属組織を有し、金属組織全体に対するマルテンサイトの面積率が40%以下、マルテンサイトの粒径が20μm以下であることを特徴とする被削性に優れた鉄基焼結合金。 - 前記Fe−Mn−Si粉末において、MnとSiとの組成比(Mn/Si)が、0.5〜4である請求項1に記載の鉄基焼結合金。
- 前記原料粉末は、該原料粉末全体を100質量%としたときに、前記グラファイト粉末を0.5質量%以上0.7質量%以下含む請求項1または2に記載の鉄基焼結合金。
- 前記Fe−Cr−Mo系粉末は、最大粒径で212μm以下に分級されている請求項1〜3のいずれかに記載の鉄基焼結合金。
- 全体を100質量%としたとき、0.5質量%以上3.5質量%以下のクロム(Cr)、0.1質量%以上0.6質量%以下のモリブデン(Mo)、0.04質量%以上0.4質量%以下の珪素(Si)、0.1質量%以上0.7質量%以下のマンガン(Mn)および0.3質量%以上0.9質量%以下の炭素(C)を含み、残部が鉄(Fe)と不可避不純物とからなる請求項1〜4のいずれかに記載の鉄基焼結合金。
- 銅(Cu)を含まないCuフリー鉄基焼結合金またはニッケル(Ni)を含まないNiフリー鉄基焼結合金である請求項1〜5のいずれかに記載の鉄基焼結合金。
- 常温において、ビッカース硬さがHv300以上400以下かつ引張強さが960MPa以上である請求項1〜6のいずれかに記載の鉄基焼結合金。
- マルテンサイトおよびベイナイトからなる金属組織を有し、金属組織全体に対するマルテンサイトの面積率が40%以下、マルテンサイトの粒径が20μm以下である被削性に優れた鉄基焼結合金の製造方法であって、
全体を100質量%としたときに、40質量%以上70質量%以下のマンガン(Mn)および10質量%以上40質量%以下の珪素(Si)を含み、残部が鉄と不可避不純物とからなるFe−Mn−Si系粉末を最大粒径で5μm以下に分級する分級工程と、
全体を100質量%としたときに、0.5質量%以上3.5質量%以下のクロム(Cr)および0.1質量%以上2質量%以下のモリブデン(Mo)を含み、残部が鉄と不可避不純物とからなるFe−Cr−Mo系粉末、グラファイト粉末および前記Fe−Mn−Si系粉末を混合して、粉末全体を100質量%としたときに、前記グラファイト粉末を0.3質量%以上0.7質量%以下、前記Fe−Mn−Si系粉末を0.4質量%以上1質量%以下含む原料粉末を得る原料粉末混合工程と、
前記原料粉末を成形して密度が7.4g/cm3以上の粉末成形体とする成形工程と、
前記粉末成形体を加熱する加熱工程および該加熱工程後の該粉末成形体を冷却して前記金属組織を有する焼結体を得る冷却工程からなる焼結工程と、
を含むことを特徴とする鉄基焼結合金の製造方法。 - マルテンサイトおよびベイナイトからなる金属組織を有し、金属組織全体に対するマルテンサイトの面積率が40%以下、マルテンサイトの粒径が20μm以下である被削性に優れた鉄基焼結合金の製造方法であって、
全体を100質量%としたときに、40質量%以上70質量%以下のマンガン(Mn)および10質量%以上40質量%以下の珪素(Si)を含み、残部が鉄と不可避不純物とからなるFe−Mn−Si系粉末を最大粒径で5μm以下に分級する分級工程と、
全体を100質量%としたときに、0.5質量%以上3.5質量%以下のクロム(Cr)および0.1質量%以上2質量%以下のモリブデン(Mo)を含み、残部が鉄と不可避不純物とからなるFe−Cr−Mo系粉末、グラファイト粉末、前記Fe−Mn−Si系粉末および潤滑剤を混合して、粉末全体を100質量%としたときに、前記グラファイト粉末を0.3質量%以上0.7質量%以下、前記Fe−Mn−Si系粉末を0.4質量%以上1質量%以下含む原料粉末を得る原料粉末混合工程と、
前記原料粉末を粉末成形体に成形する成形工程と、
前記粉末成形体を加熱する加熱工程、該加熱工程後の該粉末成形体を熱間鍛造して該粉末成形体の密度を7.4g/cm3以上とする熱間鍛造工程および該熱間鍛造工程後の該粉末成形体を冷却して前記金属組織を有する焼結体を得る冷却工程からなる焼結鍛造工程と、
を含むことを特徴とする被削性に優れた鉄基焼結合金の製造方法。 - 前記原料粉末は、該原料粉末全体を100質量%としたときに、前記グラファイト粉末を0.5質量%以上0.7質量%以下含む請求項8または9に記載の鉄基焼結合金の製造方法。
- 前記加熱工程は、前記粉末成形体を1100〜1370℃で1〜60分間加熱する工程である請求項8〜10のいずれかに記載の鉄基焼結合金の製造方法。
- 前記冷却工程は、30℃/分以上100℃/分以下の冷却速度で冷却する工程である請求項8〜11のいずれかに記載の鉄基焼結合金の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の鉄基焼結合金からなるコンロッド。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009135668A JP5110398B2 (ja) | 2009-06-05 | 2009-06-05 | 鉄基焼結合金、鉄基焼結合金の製造方法およびコンロッド |
US12/794,435 US20100310405A1 (en) | 2009-06-05 | 2010-06-04 | Ferrous sintered alloy, process for producing ferrous sintered alloy and connecting rod |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009135668A JP5110398B2 (ja) | 2009-06-05 | 2009-06-05 | 鉄基焼結合金、鉄基焼結合金の製造方法およびコンロッド |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010280957A JP2010280957A (ja) | 2010-12-16 |
JP5110398B2 true JP5110398B2 (ja) | 2012-12-26 |
Family
ID=43300878
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009135668A Expired - Fee Related JP5110398B2 (ja) | 2009-06-05 | 2009-06-05 | 鉄基焼結合金、鉄基焼結合金の製造方法およびコンロッド |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20100310405A1 (ja) |
JP (1) | JP5110398B2 (ja) |
Families Citing this family (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5595980B2 (ja) * | 2011-06-08 | 2014-09-24 | 株式会社豊田中央研究所 | 浸炭焼結体およびその製造方法 |
JP5958144B2 (ja) * | 2011-07-26 | 2016-07-27 | Jfeスチール株式会社 | 粉末冶金用鉄基混合粉および高強度鉄基焼結体ならびに高強度鉄基焼結体の製造方法 |
JP5636605B2 (ja) * | 2012-10-15 | 2014-12-10 | 住友電工焼結合金株式会社 | 焼結部品の製造方法 |
JP5910600B2 (ja) * | 2013-10-11 | 2016-04-27 | トヨタ自動車株式会社 | 耐磨耗性鉄基焼結金属 |
JP5979118B2 (ja) * | 2013-10-30 | 2016-08-24 | トヨタ自動車株式会社 | 耐摩耗性鉄基焼結金属及び内燃機関用バルブシート |
JP6417573B2 (ja) * | 2014-12-24 | 2018-11-07 | 住友電工焼結合金株式会社 | 焼結材料 |
CN105304917A (zh) * | 2015-10-29 | 2016-02-03 | 华中科技大学 | 一种中温平板式固体氧化物燃料电池金属连接体 |
CN106077627A (zh) * | 2016-08-27 | 2016-11-09 | 宁波市鄞州新华仪表电机配件厂 | 一种滑动轴承的制备方法 |
JP6431012B2 (ja) * | 2016-09-16 | 2018-11-28 | トヨタ自動車株式会社 | 耐摩耗性鉄基焼結合金の製造方法および耐摩耗性鉄基焼結合金 |
CN108273993A (zh) * | 2018-02-02 | 2018-07-13 | 陕西华夏粉末冶金有限责任公司 | 铁基粉末冶金里程表测速轮材料组份及采用该材料制备里程表测速轮的方法 |
CN112576507A (zh) * | 2019-09-27 | 2021-03-30 | 安徽美芝精密制造有限公司 | 一种压缩机活塞的制造方法、压缩机活塞 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3936440B2 (ja) * | 1997-08-06 | 2007-06-27 | 新日本製鐵株式会社 | 耐衝突安全性と成形性に優れた自動車用高強度鋼板とその製造方法 |
JP4001450B2 (ja) * | 2000-05-02 | 2007-10-31 | 日立粉末冶金株式会社 | 内燃機関用バルブシートおよびその製造方法 |
SE0401041D0 (sv) * | 2004-04-21 | 2004-04-21 | Hoeganaes Ab | Sintered metal parts and method for the manufacturing thereof |
DE112005000921B4 (de) * | 2004-04-23 | 2013-08-01 | Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho | Verfahren zur Herstellung einer Sinterlegierung auf Eisenbasis und eines Sinterlegierungselements auf Eisenbasis |
JP4789837B2 (ja) * | 2007-03-22 | 2011-10-12 | トヨタ自動車株式会社 | 鉄系焼結体及びその製造方法 |
JP5535576B2 (ja) * | 2008-11-10 | 2014-07-02 | 株式会社豊田中央研究所 | 鉄基焼結合金およびその製造方法並びに鉄基焼結合金部材 |
-
2009
- 2009-06-05 JP JP2009135668A patent/JP5110398B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
2010
- 2010-06-04 US US12/794,435 patent/US20100310405A1/en not_active Abandoned
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20100310405A1 (en) | 2010-12-09 |
JP2010280957A (ja) | 2010-12-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5110398B2 (ja) | 鉄基焼結合金、鉄基焼結合金の製造方法およびコンロッド | |
JP4183346B2 (ja) | 粉末冶金用混合粉末ならびに鉄系焼結体およびその製造方法 | |
US9637811B2 (en) | Iron-based sintered sliding member and production method therefor | |
JP5992402B2 (ja) | 窒化焼結コンポーネントの製造方法 | |
JP4789837B2 (ja) | 鉄系焼結体及びその製造方法 | |
KR101706913B1 (ko) | 철 바나듐 분말 합금 | |
KR20110073291A (ko) | 소결 밸브 가이드 및 그 제조 방법 | |
JP6194613B2 (ja) | 摺動部材用鉄基焼結合金およびその製造方法 | |
JP6112473B2 (ja) | 鉄基焼結摺動部材 | |
JP6722511B2 (ja) | 浸炭用焼結鋼、浸炭焼結部材およびそれらの製造方法 | |
SE533866C2 (sv) | Höghållfast järnpulversammansättning samt sintrad detalj tillverkad därav | |
KR20140114788A (ko) | 철기 소결 슬라이딩 부재 및 그 제조 방법 | |
JP2017534754A (ja) | プレアロイ鉄基粉末、プレアロイ鉄基粉末を含有する鉄基粉末混合物、及び鉄基粉末混合物からプレス成形および焼結した部品を製造する方法 | |
JP2007100200A (ja) | 軸受用アルミニウム合金 | |
JP2009097047A (ja) | プラスチック成形金型用鋼およびプラスチック成形金型 | |
US10619229B2 (en) | Manufacturing method of wear-resistant iron-based sintered alloy and wear-resistant iron-based sintered alloy | |
JP2010274315A (ja) | 軽金属合金鋳包み用バルブシート | |
JP2015160960A (ja) | 耐摩耗性銅基焼結合金 | |
JP6528899B2 (ja) | 粉末冶金用混合粉および焼結体の製造方法 | |
JP6352959B2 (ja) | 耐摩耗性鉄基焼結合金の製造方法、焼結合金用成形体、および耐摩耗性鉄基焼結合金 | |
JPH1180803A (ja) | 粉末冶金用鉄基混合粉 | |
JP6384687B2 (ja) | 鉄基焼結摺動部材の製造方法 | |
JP6519955B2 (ja) | 鉄基焼結摺動部材およびその製造方法 | |
JP6341455B2 (ja) | 鉄基焼結摺動部材の製造方法 | |
KR102533137B1 (ko) | 분말 야금용 철기 혼합 분말 및 철기 소결체 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20111026 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20111108 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20111226 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120913 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120926 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151019 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151019 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |