JP2010274315A - 軽金属合金鋳包み用バルブシート - Google Patents
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Abstract
【課題】軽金属合金製シリンダーヘッドに鋳包まれて使用される鉄基焼結合金製バルブシートを提供する。
【解決手段】バルブシート1を、フェイス面側層11と着座面側層と12の2層を一体化してなる鉄基焼結合金製バルブシートとする。フェイス面側層を、基地相中に硬質粒子が分散させ、C:0.2〜1.5%、Co:1.5〜40.0%を含む組成として、着座面側層に比べて、収縮量が多い組成とする。なお、特定組成の高速度鋼系組成としてもよい。フェイス面側層と着座面側層との層厚さを所定の範囲内に調整する。これにより、焼結時にフェイス面側層の収縮により、外周面を加工せず焼結したままで、バルブシートの外周面を、着座面側に比しフェイス面側が小径となる所望のテーパ角を有するテーパ状に形成できる。なお、前記組成に加えて、フェイス面側層および着座面側層には、Ni、W、V、Mo、Si、Mn、Cr等の少なくとも1種を含有してもよい。
【選択図】図1
【解決手段】バルブシート1を、フェイス面側層11と着座面側層と12の2層を一体化してなる鉄基焼結合金製バルブシートとする。フェイス面側層を、基地相中に硬質粒子が分散させ、C:0.2〜1.5%、Co:1.5〜40.0%を含む組成として、着座面側層に比べて、収縮量が多い組成とする。なお、特定組成の高速度鋼系組成としてもよい。フェイス面側層と着座面側層との層厚さを所定の範囲内に調整する。これにより、焼結時にフェイス面側層の収縮により、外周面を加工せず焼結したままで、バルブシートの外周面を、着座面側に比しフェイス面側が小径となる所望のテーパ角を有するテーパ状に形成できる。なお、前記組成に加えて、フェイス面側層および着座面側層には、Ni、W、V、Mo、Si、Mn、Cr等の少なくとも1種を含有してもよい。
【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関(エンジン)用のバルブシートに係り、とくにアルミニウム合金等の軽金属合金製シリンダーヘッドに鋳包まれて使用されるバルブシートに関する。
近年、地球環境の保全という観点から、自動車の燃費向上が要望されている。そのために、自動車の車体重量の軽減が指向され、軽量なエンジンとして、アルミニウム合金製のエンジンが一般化しつつある。そして、このようなアルミニウム合金製シリンダーヘッドに鉄基焼結合金製バルブシートを鋳包んで装着することが行われている。
しかし、シリンダーヘッドに鋳包まれたバルブシートは、鋳包み後の加工外力や、バルブの開閉時に作用する応力等により、回転し「ガタ」が生じ、バルブとの密着性が低下し、極端な場合にはバルブシートが抜け落ちることがあった。
このような問題に対し、例えば、特許文献1には、アルミニウム合金等からなるシリンダヘッドに鋳包まれて使用されるバルブシートリングであって、外周面を切削加工により互いに偏心した上下二つの円周面で形成してなる鋳包み用バルブシートリングが提案されている。特殊な外周面とすることにより、装着後の回転や抜け落ちを防止できるとしている。しかし、特許文献1に記載された技術では、外周加工に多くの工数を必要とし、生産性が低下するとともに、製造コストが高騰するという問題があった。
このような問題に対し、例えば、特許文献2には、鉄系焼結体からなり、少なくとも外周面がRzで25〜100μmを有する軽金属合金鋳包み用バルブシートが提案されている。特許文献2に記載された技術によれば、外周面の表面粗さを所定の範囲内に調整することにより、バルブシートとシリンダヘッドとの接合強度が増加し、エンジン運転中のバルブシートの脱落を防止できるとしている。また、特許文献2に記載された技術では、バルブシートの外周面をテーパ状に形成することが好ましいとしている。これにより、鋳包み時に接触面積が増加し、さらに軽金属合金との接合性が向上するとしている。
上記したように、バルブシートの使用中の回転や抜け落ち等を防止するため、バルブシートの外周面を、上記した特許文献1に記載された技術では互いに偏心した上下二つの円周面で形成し、また特許文献2に記載された技術では表面粗さを所定の範囲に調整し、あるいはさらに、テーパ形状に形成して、シリンダヘッドを構成する軽金属合金との接合強度を更に増加させている。バルブシートの外周面を上記したような形状とするには、従来から主として、切削・研削加工などの機械加工や、あるいはさらにショットブラスト処理等が利用されている。
しかしながら、焼結合金製バルブシートの外周面を機械加工により形成すると、表面に存在する空孔が潰され、外周面表面が平滑化されて、アルミニウム合金等の軽金属合金で鋳包まれる際に、焼結合金製バルブシートと軽金属合金との密着性が低下するという問題がある。焼結合金製バルブシートの外周面に空孔が存在したほうが、鋳包み時の密着性向上に有利に作用する。また、機械加工等を行うことは、それだけ製造工程が増加し、生産性が低下するという問題もある。
本発明は、かかる従来技術の問題を解決し、機械加工等を施すことなく、焼結のままで、外周面が、着座面側に比しフェイス面側が小径となるテーパ状に形成されてなる軽金属合金鋳包み用鉄基焼結合金製バルブシートを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記した目的を達成するために、鉄基焼結合金製バルブシートにおいて、機械加工等を必要としない、バルブシート外周面のテーパ形成方法について鋭意研究した。その結果、焼結時に、外周面にテーパを形成する方法が簡便でかつ効率的であることに想到した。そして、このために、バルブシートを、フェイス面側層と着座面側層との上下2層構造とし、該フェイス面側層を焼結時に収縮する成分系で構成し、一方、着座面側層を焼結時に膨張する(あるいはフェイス面側層に比し収縮の少ない)成分系で構成することを思い付いた。このような構成とすることにより、焼結時に、フェイス面側層が着座面側層に比べて収縮し、収縮量の差で、焼結したままの状態で、外周面が着座面側が大径でフェイス面側がそれより小径となるテーパ状を呈し、外周面にテーパが形成できることを見出した。さらに、本発明者らは、フェイス面側層と着座面側層の組成と、あるいはさらにそれらの層厚さ比を調整することにより、焼結時に外周面に形成されるテーパの角度を任意に調整できることも知見した。
本発明は、かかる知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨は、次のとおりである。
(1)軽金属合金製シリンダーヘッドに鋳包まれて使用されるバルブシートであって、該バルブシートがフェイス面側層と着座面側層との2層を一体化してなる鉄基焼結合金製であり、該バルブシートの外周面を焼結のままで、着座面側に比しフェイス面側が小径となるテーパ状に形成してなることを特徴とする軽金属合金鋳包み用バルブシート。
(2)(1)において、前記外周面のテーパの角度が0.3〜5.0°であることを特徴とする軽金属合金鋳包み用バルブシート。
(3)(1)または(2)において、前記フェイス面側層が、基地相中に硬質粒子が分散した基地部を有し、該基地部が、質量%で、C:0.2〜2.0%、Co:1.5〜40.0%を含み、さらに、Mo:2.0〜20.0%、Si:0.2〜2.0%、Cr:0.5〜6.0%のうちから選ばれた1種または2種以上、さらにNi:0〜2.0%、Mn:0〜2.0%、W:0〜4.0%、V:0〜2.0%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる基地部組成と、前記基地相中にCo基硬質粒子をフェイス面側層全量に対する質量%で、10.0〜50.0%分散させてなる基地部組織とを有する鉄系焼結合金製で、前記着座面側層が、質量%で、C:0.3〜2.0%を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる基地相組成を有する鉄系焼結合金製であることを特徴とする軽金属合金鋳包み用バルブシート。
(4)(3)において、前記フェイス面側層が、質量%で、C:0.7〜1.0%、Si:0.45%以下、Mn:0.4%以下、Cr:3.8〜4.5%、Mo:4.5〜5.5%、W:5.5〜6.7%、V:1.6〜2.2%を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鉄系焼結合金製であることを特徴とする軽金属合金鋳包み用バルブシート。
(5)(3)または(4)において、前記着座面側層が、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ni、Cr、Mo、V、W、Si、Mn、Sのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で30%以下含有することを特徴とする軽金属合金鋳包み用バルブシート。
(6)(3)ないし(5)のいずれかにおいて、前記フェイス面側層が、さらに固体潤滑剤をフェイス面側層全量に対する質量%で、0.3〜5.0%含有することを特徴とする軽金属合金鋳包み用バルブシート。
(1)軽金属合金製シリンダーヘッドに鋳包まれて使用されるバルブシートであって、該バルブシートがフェイス面側層と着座面側層との2層を一体化してなる鉄基焼結合金製であり、該バルブシートの外周面を焼結のままで、着座面側に比しフェイス面側が小径となるテーパ状に形成してなることを特徴とする軽金属合金鋳包み用バルブシート。
(2)(1)において、前記外周面のテーパの角度が0.3〜5.0°であることを特徴とする軽金属合金鋳包み用バルブシート。
(3)(1)または(2)において、前記フェイス面側層が、基地相中に硬質粒子が分散した基地部を有し、該基地部が、質量%で、C:0.2〜2.0%、Co:1.5〜40.0%を含み、さらに、Mo:2.0〜20.0%、Si:0.2〜2.0%、Cr:0.5〜6.0%のうちから選ばれた1種または2種以上、さらにNi:0〜2.0%、Mn:0〜2.0%、W:0〜4.0%、V:0〜2.0%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる基地部組成と、前記基地相中にCo基硬質粒子をフェイス面側層全量に対する質量%で、10.0〜50.0%分散させてなる基地部組織とを有する鉄系焼結合金製で、前記着座面側層が、質量%で、C:0.3〜2.0%を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる基地相組成を有する鉄系焼結合金製であることを特徴とする軽金属合金鋳包み用バルブシート。
(4)(3)において、前記フェイス面側層が、質量%で、C:0.7〜1.0%、Si:0.45%以下、Mn:0.4%以下、Cr:3.8〜4.5%、Mo:4.5〜5.5%、W:5.5〜6.7%、V:1.6〜2.2%を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鉄系焼結合金製であることを特徴とする軽金属合金鋳包み用バルブシート。
(5)(3)または(4)において、前記着座面側層が、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ni、Cr、Mo、V、W、Si、Mn、Sのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で30%以下含有することを特徴とする軽金属合金鋳包み用バルブシート。
(6)(3)ないし(5)のいずれかにおいて、前記フェイス面側層が、さらに固体潤滑剤をフェイス面側層全量に対する質量%で、0.3〜5.0%含有することを特徴とする軽金属合金鋳包み用バルブシート。
本発明によれば、バルブシートの外周面を加工せず焼結したままで、所望のテーパ形状を確保でき、バルブシートと軽金属合金との密着性が向上し、シリンダーヘッドに鋳包まれたのちの仕上加工時に発生するバルブシートのずれ等を防止でき、またエンジン運転中に発生する脱落等を防止できるなど、産業上格段の効果を奏する。また、本発明によれば、機械加工等を施す必要がなく、加工工程の生産性が向上するうえ、軽金属合金に鋳包まれたのちの密着性が向上するという効果もある。
本発明のバルブシートは、鉄基焼結合金製であり、図1(b)に示すように、バルブと接触する側にフェイス面側層11と、着座面12aと接する側に着座面側層12とを有し、該フェイス面側層11と着座面側層12との2層を一体化してなり、加工せず焼結したままで、外周面が、着座面12a側が大径でフェース面11a側が着座面12a側に比して小径となるテーパ状を有する。本発明のバルブシートでは、外周面のテーパの角度αを0.3〜5.0°とすることが好ましい。テーパ角度が0.3°未満では、所望の抜き荷重を確保できない。一方、5.0°を超えると、内周側の当たり面の寸法変化が大きくなり、所望の寸法精度を確保できなくなる。
なお、本発明のバルブシートは高さ(t):2.0mm以上とすることが好ましい。高さが2mm未満では、焼結したままで、所望のテーパ形状を確保できない。また、本発明のバルブシートでは、着座面側層およびフェイス面側層の層厚さt2、t1は、いずれも全高さtの10%以上の厚さを保持することが好ましい。というのは、一方の層厚さが全高さの10%未満では、焼結したままで、所望のテーパ形状を確保できない。
また、本発明のバルブシートは、高さ方向で、フェイス面側層の層厚さt1と着座面側層の層厚さt2との比t1/t2を、0.25〜4の範囲とすることが好ましい。これにより、所望の外周面のテーパ角度を確保することができる。0.25未満では、フェイス面側層の厚さが薄くなり、所望の収縮を確保できない。一方、4を超えると、フェイス面側層の厚さが厚くなりすぎて、バルブシートの寸法形状が不安定となる。
本発明のバルブシートは、図4に示すように、軽金属合金製シリンダーヘッドに鋳包まれて使用される。
本発明バルブシートにおけるフェイス面側層11は、好ましくは、基地相中に硬質粒子が分散した基地部を有し、焼結時に収縮する組成の鉄基焼結合金製とする。フェイス面側層における基地部の組成は、焼結時に鉄(Fe)等の金属原子の拡散を促進させるCoを所定量、含有させることが好ましい。所定のCo含有量は、所定量のCo粉末、または硬質粒子としてのCo基金属間化合物粒子の含有で確保する。これにより、焼結時に所望の収縮量を確保することができることになる。また、バルブシートとして所望の強度を確保するために、所定量のCを必須含有させる。これにより、所望の強度を確保できるとともに、焼結時に十分な金属原子の拡散が得られ、所望の収縮量を確保しやすくなる。
また、本発明のバルブシートでは、フェイス面側層にさらに所望の耐摩耗性を保持するために、好ましくは基地相中に硬質粒子を分散させる。本発明では、基地相中に分散させる硬質粒子はCo基金属間化合物とする。これにより、所望の耐摩耗性を確保できるとともに、フェイス面側層を、さらに強く収縮させることができる。
上記したような焼結時に所望の収縮特性を有し、さらに所望の強度および耐摩耗性を有するフェイス面側層とするためには、基地部組成を、質量%で、C:0.2〜2.0%、Co:1.5〜40.0%を含み、さらに、Mo:2.0〜20.0%、Si:0.2〜2.0%、Cr:0.5〜6.0%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有し、あるいはさらに、Ni:0〜2.0%、Mn:0〜2.0%、W:0〜4.0%、V:0〜2.0%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成とし、さらにCo基硬質粒子をフェイス面側層全量に対する質量%で、10.0〜50.0%分散させてなる組織を有する鉄系焼結合金製とすることが好ましい。
つぎに、フェイス面側層における好ましい基地部組成の限定理由について説明する。以下、とくに断わらない限り、質量%は単に%で記す。
C:0.2〜2.0%
Cは、焼結体の強度、硬さを増加させ、所望の強度、硬さを確保するとともに、焼結時の金属原子の拡散を容易にし、フェイス面側層の収縮に寄与する。このような効果を得るためには、0.2%以上の含有を必要とする。0.2%未満ではとくに所望の収縮量を確保できなくなる。一方、2.0%を超える含有は、基地中にセメンタイト相が生成しやすくなるとともに、焼結時に液相が発生しやすく、寸法変化が大きく、寸法精度が不安定となる。このため、Cは0.2〜2.0%の範囲に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.9〜1.1%である。
Cは、焼結体の強度、硬さを増加させ、所望の強度、硬さを確保するとともに、焼結時の金属原子の拡散を容易にし、フェイス面側層の収縮に寄与する。このような効果を得るためには、0.2%以上の含有を必要とする。0.2%未満ではとくに所望の収縮量を確保できなくなる。一方、2.0%を超える含有は、基地中にセメンタイト相が生成しやすくなるとともに、焼結時に液相が発生しやすく、寸法変化が大きく、寸法精度が不安定となる。このため、Cは0.2〜2.0%の範囲に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.9〜1.1%である。
Co:1.5〜40.0%
Coは、焼結時に金属原子の拡散を促進させ、フェイス面側層の収縮に大きく寄与する元素であり、所望の基地部組成となるように、Co粉末または硬質粒子粉末(Co基金属化合物粉末)を添加して含有させる。所望の収縮量を確保するために、本発明では基地部でCoを、1.5%以上含有することを必要とする。1.5%未満ではとくに所望の収縮量を確保できなくなる。一方、40.0%を超えて含有しても、効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できなくなり経済的に不利となる。このようなことから、Coは1.5〜40.0%の範囲に限定することが好ましい。なお、より好ましくは4.0〜35.0%である。なお、基地部のCo含有量は、基地相中のCo量および硬質粒子中のCo量の合計をいう。
Coは、焼結時に金属原子の拡散を促進させ、フェイス面側層の収縮に大きく寄与する元素であり、所望の基地部組成となるように、Co粉末または硬質粒子粉末(Co基金属化合物粉末)を添加して含有させる。所望の収縮量を確保するために、本発明では基地部でCoを、1.5%以上含有することを必要とする。1.5%未満ではとくに所望の収縮量を確保できなくなる。一方、40.0%を超えて含有しても、効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できなくなり経済的に不利となる。このようなことから、Coは1.5〜40.0%の範囲に限定することが好ましい。なお、より好ましくは4.0〜35.0%である。なお、基地部のCo含有量は、基地相中のCo量および硬質粒子中のCo量の合計をいう。
なお、基地部では、上記したC、Co以外に、硬質粒子起因の、Mo、Cr、Siのうちから選ばれた1種または2種以上を含有する。
この基地部組成に加えて、さらに選択元素として、Ni、Mn、W、Vのうちから選ばれた1種または2種以上を、さらに硬質粒子起因以外に選択元素としてMo、Cr、Siのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で50%以下含有してもよい。
Ni:0〜2.0%、Mn:0〜2.0%、W:0〜4.0%、V:0〜2.0%のうちから選ばれた1種または2種以上、Mo:2.0〜20.0%、Si:0.2〜2.0%、Cr:0.5〜6.0%のうちから選ばれた1種または2種以上
Ni、Mn、W、V、Cr、Mo、Siは、いずれもフェイス面側層の強度、硬さを増加させ、さらには耐摩耗性をも増加させる作用を有する元素であり、必要に応じて選択して1種または2種以上を含有できる。これら、Ni、Mn、W、V、Cr、Mo、Siの含有量が合計で50%を超えると、成形性が低下し、強度も低下する。なお、好ましくは合計30%以下である。
Mo、Si、Crは硬質粒子起因でMo:2.0%以上、Si:0.2%以上、Cr:0.5%以上基地部に含有されるが、必要に応じて選択元素としてさらに含有できるが、Mo:20.0%以上、Si:2.0%以上、Cr:6.0%をそれぞれ超える含有は、成形性を低下させるため、それぞれ上限とした。また、Ni、Mn、W、Vは選択元素として必要に応じて含有できる元素であるが、Ni:2.0%、Mn:2.0%、W:4.0%、V:2.0%を超える含有は成形性を低下させるために、それぞれ上限とした。
Ni、Mn、W、V、Cr、Mo、Siは、いずれもフェイス面側層の強度、硬さを増加させ、さらには耐摩耗性をも増加させる作用を有する元素であり、必要に応じて選択して1種または2種以上を含有できる。これら、Ni、Mn、W、V、Cr、Mo、Siの含有量が合計で50%を超えると、成形性が低下し、強度も低下する。なお、好ましくは合計30%以下である。
Mo、Si、Crは硬質粒子起因でMo:2.0%以上、Si:0.2%以上、Cr:0.5%以上基地部に含有されるが、必要に応じて選択元素としてさらに含有できるが、Mo:20.0%以上、Si:2.0%以上、Cr:6.0%をそれぞれ超える含有は、成形性を低下させるため、それぞれ上限とした。また、Ni、Mn、W、Vは選択元素として必要に応じて含有できる元素であるが、Ni:2.0%、Mn:2.0%、W:4.0%、V:2.0%を超える含有は成形性を低下させるために、それぞれ上限とした。
上記した成分の残部は、Feおよび不可避的不純物からなる。
上記した基地相組成を有するフェイス面側層では、硬質粒子が基地相中に分散する。基地相中に硬質粒子を分散させることにより、バルブシートの耐摩耗性が顕著に向上する。本発明では、分散させる硬質粒子は、Co基金属間化合物粒子とすることが好ましい。Co基金属間化合物粒子であれば、焼結時に所望の収縮量を確保しやすくなる。Co基金属間化合物粒子は、比較的軟らかなCo基地中に硬さの高い金属間化合物が分散した粒子であり相手攻撃性が低いうえ、焼結時に基地相へCoが拡散し、基地相中の金属原子の拡散を促進し、フェイス面側層の焼結時の収縮量の更なる増加に寄与する。
なお、Co基金属間化合物粒子としては、Si−Cr−Mo系Co基金属間化合物粒子とすることが好ましい。このCo基金属間化合物以外に、Mo−Ni−Cr系Co基金属間化合物粒子、ステライト系Co基金属間化合物粒子等が例示できる。
フェイス面側層では、硬質粒子として、Co基金属間化合物粒子をフェイス面側層全量に対する質量%で、10.0〜50.0%分散させた組織とすることが好ましい。分散させる量が10.0%未満では、所望の耐摩耗性を確保できないうえ、収縮量が不足する場合がある。一方、50.0%を超えると、効果が飽和し、添加量に見合う効果が期待できなくなる。このため、フェイス面側層では、Co基金属間化合物粒子を10.0〜50.0%分散させることとした。
本発明バルブシートにおけるフェイス面側層11は、上記した組成の鉄基焼結合金製に代えて、特定組成の高速度鋼(ハイス)の粉末を用いて得られる基地相組成の鉄系焼結合金製としてもよい。この鉄系焼結合金製フェイス面側層では、とくに基地相中に硬質粒子を分散させなくても、所望の耐摩耗性を確保できる。
本発明バルブシートにおけるフェイス面側層11は、上記した組成の鉄基焼結合金製に代えて、特定組成の高速度鋼(ハイス)の粉末を用いて得られる基地相組成の鉄系焼結合金製としてもよい。この鉄系焼結合金製フェイス面側層では、とくに基地相中に硬質粒子を分散させなくても、所望の耐摩耗性を確保できる。
特定組成の高速度鋼粉末を用いることにより、焼結時にフェイス面側層を強く収縮させることができる。上記したような焼結時に所望の収縮特性を有し、さらに所望の強度および耐摩耗性を有するフェイス面側層とするためには、基地相組成を、質量%で、C:0.7〜1.0%、Si:0.45%以下、Mn:0.4%以下、Cr:3.8〜4.5%、Mo:4.5〜5.5%、W:5.5〜6.7%、V:1.6〜2.2%を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成とすることが好ましい。
各成分が上記した範囲を外れると、所望の収縮特性を確保できなくなり、所望のテーパのバルブシートを得ることができなくなる。
なお、本発明バルブシートにおけるフェイス面側層は、上記した各組成に加え、さらに固体潤滑剤をフェイス面側層全量に対する質量%で0.3〜5.0%配合することが好ましい。含有量が0.3%未満では、所望の潤滑効果が期待できない。一方、5.0%を超える含有は、強度の低下を招く。このため、固体潤滑剤を配合する場合には0.3〜5.0%の範囲に限定することが好ましい。固体潤滑剤としてはMnS、CaF2が例示できる。
なお、本発明バルブシートにおけるフェイス面側層は、上記した各組成に加え、さらに固体潤滑剤をフェイス面側層全量に対する質量%で0.3〜5.0%配合することが好ましい。含有量が0.3%未満では、所望の潤滑効果が期待できない。一方、5.0%を超える含有は、強度の低下を招く。このため、固体潤滑剤を配合する場合には0.3〜5.0%の範囲に限定することが好ましい。固体潤滑剤としてはMnS、CaF2が例示できる。
また、本発明バルブシートにおける着座面側層12は、焼結時に膨張する(あるいはフェイス面側層に比して収縮量の少ない)組成の鉄基焼結合金製とする。着座面側層12は、バルブとは接触せず、フェイス面側層を支え、単にバルブシートとして所望の強度を確保できる組成とする。このような組成としては、質量%で、C:0.3〜2.0%を含み、あるいはさらに、Ni、Cr、Mo、V、W、Si、Mn、Sのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で30%以下含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成とすることが好ましい。
つぎに、着座面側層における好ましい組成の限定理由について説明する。以下、とくに断わらない限り、質量%は単に%で記す。
つぎに、着座面側層における好ましい組成の限定理由について説明する。以下、とくに断わらない限り、質量%は単に%で記す。
C:0.3〜2.0%
Cは、焼結体の強度、硬さを増加させ、所望の強度、硬さを確保するために、本発明の着座面側層では0.3%以上含有させる。また、Cは、焼結時の拡散を促進し、所望の収縮量に調整しやすくする作用も有する。0.3%未満では所望の強度、硬さを確保できなくなる。一方、2.0%を超える含有は、基地中にセメンタイト相が生成しやすくなるとともに、焼結時に液相が発生しやすく、寸法変化が大きく、寸法精度が不安定となる。このため、Cは0.3〜2.0%の範囲に限定することが好ましい。
Cは、焼結体の強度、硬さを増加させ、所望の強度、硬さを確保するために、本発明の着座面側層では0.3%以上含有させる。また、Cは、焼結時の拡散を促進し、所望の収縮量に調整しやすくする作用も有する。0.3%未満では所望の強度、硬さを確保できなくなる。一方、2.0%を超える含有は、基地中にセメンタイト相が生成しやすくなるとともに、焼結時に液相が発生しやすく、寸法変化が大きく、寸法精度が不安定となる。このため、Cは0.3〜2.0%の範囲に限定することが好ましい。
上記した成分が基本の成分であるが、この基本組成に加えて、さらに選択元素として、Ni、Cr、Mo、V、W、Si、Mn、Sのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で30%以下含有してもよい。
Ni、Cr、Mo、V、W、Si、Mn、Sは、いずれも着座面側層の強度、硬さを増加させる元素であり、所望の強度、硬さとするために、必要に応じて選択して1種または2種以上を含有できる。これら元素の含有量が合計で30%を超えると、成形性が低下し、また強度も低下する。なお、好ましくは10%以下である。
着座面側層では、上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物からなる。
つぎに、本発明のバルブシートの好ましい製造方法について説明する。
フェイス面側層用の原料粉として、上記したフェイス面側層組成となるように、鉄系粉末と、さらに鉄系粉末と黒鉛粉末と合金用粉末と硬質粒子粉末との合計量に対する質量%で、0.9〜1.1%の黒鉛粉末と、20〜30質量%の硬質粒子粉末と、あるいはさらに3.0〜5.0質量%のCo粉末と、あるいはさらに所定量の固体潤滑剤粒子と、を配合し、混合してフェイス面側層用の混合粉とする。硬質粒子粉末としては、Co基金属間化合物粒子粉末を用いる。
また、フェイス面側層用の原料粉としては、上記したフェイス面側層となるように、鉄系粉末として特定組成の高速度鋼系粉末と、あるいはさらに所定量の固体潤滑剤粒子と、を配合し、混合してフェイス面側層の混合粉としてもよい。
また、着座面側層用の原料粉として、上記した着座面側層組成となるように、鉄系粉末と、さらに鉄系粉末と黒鉛粉末と合金用粉末の合計量に対する質量%で、0.9〜1.1質量%の黒鉛粉末と、あるいはさらに30質量%以下の合金用粉末と、あるいはさらに所定量の固体潤滑剤粒子とを配合し、混合して着座面側層用の混合粉とする。なお、使用する鉄系粉末としては、アトマイズ鉄粉とすることが好ましい。
また、着座面側層用の原料粉として、上記した着座面側層組成となるように、鉄系粉末と、さらに鉄系粉末と黒鉛粉末と合金用粉末の合計量に対する質量%で、0.9〜1.1質量%の黒鉛粉末と、あるいはさらに30質量%以下の合金用粉末と、あるいはさらに所定量の固体潤滑剤粒子とを配合し、混合して着座面側層用の混合粉とする。なお、使用する鉄系粉末としては、アトマイズ鉄粉とすることが好ましい。
これら混合粉を、フェイス面側層と着座面側層との層厚さ比が所望の層厚さ比となるように、順次、金型に装入し、プレス成形等で加圧成形して上下2層構造の圧粉体とする。加圧成形では、高さ方向にストレート状の金型を使用して、圧粉体の状態で、図1(a)に示すように、外周面が高さ方向にストレートな形状となるように成形する。なお、加圧成形の条件は、所望に応じて適宜限定すればよく、特に限定する必要はないが、焼結収縮の観点から、圧粉体の密度が5.0〜7.5g/cm3の範囲内となるように加圧成形条件を調整することが好ましい。より好ましくは6.5〜7.5 g/cm3である。
そして、得られた圧粉体は、ついで焼結処理を施されて上下2層構造の焼結体とする。この焼結処理時に生じる、フェイス面側層と着座面側層との収縮量の差により、外周面がテーパ状を呈する焼結体となる。テーパ角度は、所望の角度となるように、フェイス面側層と着座面側層との層厚さ比や、フェイス面側層の組成を調整することが好ましい。焼結処理の条件としては、還元雰囲気中で行うこと以外は、所望の特性に応じて適宜、決定すればよく、とくに限定する必要はない。なお、焼結拡散、収縮の観点から、焼結温度は1100〜1200℃とすることが好ましい。
なお、強度の観点から、加圧成形と焼結処理とを少なくとも2回繰り返す、いわゆる2P2S工程とすることが好ましい。なお、2回を超えて繰り返しても効果が飽和するだけである。2P2S工程では、1回目の焼結は、仮焼結とし、2回目の焼結により、所望の密度を有する焼結体とすることが好ましい。これにより、更なる密度向上が期待される。
なお、本発明では、バルブシート外周面側は焼結したままとし、加工を施すことなく、焼結したままの表面性状とする。外周面以外の、バルブと当接するバルブ当たり面13aやフェイス面11a、着座面12aは必要に応じ機械加工を施しても問題はない。
なお、本発明では、バルブシート外周面側は焼結したままとし、加工を施すことなく、焼結したままの表面性状とする。外周面以外の、バルブと当接するバルブ当たり面13aやフェイス面11a、着座面12aは必要に応じ機械加工を施しても問題はない。
表1に示す原料粉を、表1に示す配合量で混合して、V型混合機で混練し、フェイス面側層用混合粉とした。また、表1に示す原料粉を、表1に示す配合量で混合して、混練し、着座面側層用混合粉とした。混合に際し、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛粉末を使用した。なお、原料粉として使用した鉄系粉末はアトマイズ鉄粉とし、Co粉末、Ni粉末粉、黒鉛粒子粉を使用した。また、硬質粒子は、28.5Mo−2.6Si−8.5Cr−残部CoからなるCo基金属間化合物粒子粉末とした。また、固体潤滑剤粒子はMnSとした。なお、一部では、鉄系粉末として高速度鋼系粉末を用いた。
バルブシートの高さをt=5.0〜10mmとし、得られた各混合粉を、表1に示すような2層の厚さ比となるように順次、金型に装入し、メカニカルプレス機でプレス成形(加圧成形:面圧4〜10ton/cm2)して、図1(a)に示すような、外周面が高さ方向にストレートな形状の圧粉体とした。
これら圧粉体にさらに、仮焼結を施し、さらに粉末成形機で加圧成形(面圧6〜11ton/cm2)したのち、表2に示す焼結雰囲気で焼結し、焼結体(バルブシート:寸法φ30mm×φ21mm×8.0tmm)とする、2P2S工程を施した。
得られた焼結体の各層から分析用試料を採取し、発光分析により各元素の含有量を求めた。なお、測定は各階層の境界面より内側の断面とした。
また、得られたバルブシート(焼結体)の外周面側で、フェイス面側端面と着座面側端面とのずれ量Lを測定し、高さtの値を用いて、外周面のテーパ角度αを算出した。また、一部は得られたバルブシートの外周面のテーパ角度を非接触のレーザ式形状測定機を用いて外周面形状を求め、テーパ角度を算出した。 得られた結果を表3に併記して示す。
得られたバルブシート(焼結体)を、シリンダーヘッドを模した鋳型の所定部位に装着した。ついで、該鋳型にアルミニウム合金(ADC8)溶湯を注入し、低圧ダイカストして、バルブシートが鋳包まれたシリンダヘッド相当材とした。なお、従来例として、バルブシートの外周面を機械加工により形成したバルブシートについても鋳包んだ。
これらシリンダヘッド相当材について、図3に示すように、抜き治具3を用いて、鋳包んだバルブシート1を押圧して、シリンダヘッド2から離脱するときの抜き荷重を測定した。得られた各バルブシートの抜き荷重の結果を、比較例(焼結体No.35)(機械加工:テーパーなし、鋳包み)の抜き荷重を基準(100)として、それに対する比(抜き荷重比)で各バルブシートの接合性を評価した。比較例として外周面を機械加工しテーパーなしで圧入で接着した。得られた結果を図2および表3に示す。
本発明例はいずれも、外周面を加工せず焼結したままで外周面が所望のテーパ角を有し、アルミニウム合金で鋳包んでも抜き荷重は基準(100)より格段に大きく、接合性に優れたバルブシートとなっている。一方、本発明の範囲を外れる比較例は、焼結したままで外周面が所望のテーパ角を保持できなく、接合性が低下している。
1 バルブシート
2 シリンダヘッド
3 抜き治具
11 フェース面側層
12 着座面側層
11a フェース面
12a 着座面
13a バルブ当たり面
2 シリンダヘッド
3 抜き治具
11 フェース面側層
12 着座面側層
11a フェース面
12a 着座面
13a バルブ当たり面
Claims (6)
- 軽金属合金製シリンダーヘッドに鋳包まれて使用されるバルブシートであって、該バルブシートがフェイス面側層と着座面側層との2層を一体化してなる鉄基焼結合金製であり、該バルブシートの外周面を焼結のままで、着座面側に比しフェイス面側が小径となるテーパ状に形成してなることを特徴とする軽金属合金鋳包み用バルブシート。
- 前記外周面のテーパの角度が0.3〜5.0°であることを特徴とする請求項1に記載の軽金属合金鋳包み用バルブシート。
- 前記フェイス面側層が、基地相中に硬質粒子が分散した基地部を有し、該基地部が、質量%で、C:0.2〜2.0%、Co:1.5〜40.0%を含み、さらに、Mo:2.0〜20.0%、Si:0.2〜2.0%、Cr:0.5〜6.0%のうちから選ばれた1種または2種以上、さらに、Ni:0〜2.0%、Mn:0〜2.0%、W:0〜4.0%、V:0〜2.0%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる基地部組成と、前記基地相中にCo基硬質粒子をフェイス面側層全量に対する質量%で、10.0〜50.0%分散させてなる基地部組織とを有する鉄系焼結合金製で、
前記着座面側層が、質量%で、C:0.3〜2.0%を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる基地相組成を有する鉄系焼結合金製であることを特徴とする請求項1または2に記載の軽金属合金鋳包み用バルブシート。 - 前記フェイス面側層が、質量%で、C:0.7〜1.0%、Si:0.45%以下、Mn:0.4%以下、Cr:3.8〜4.5%、Mo:4.5〜5.5%、W:5.5〜6.7%、V:1.6〜2.2%を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鉄系焼結合金製であることを特徴とする請求項3に記載の軽金属合金鋳包み用バルブシート。
- 前記着座面側層が、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ni、Cr、Mo、V、W、Si、Mn、Sのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で30%以下含有することを特徴とする請求項3または4に記載の軽金属合金鋳包み用バルブシート。
- 前記フェイス面側層が、さらに固体潤滑剤をフェイス面側層全量に対する質量%で、0.3〜5.0%含有することを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載の軽金属合金鋳包み用バルブシート。
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-
2009
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