JP4480084B2 - 鉄基焼結合金部材およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高強度で寸法安定性に優れる高密度な鉄基焼結合金部材およびその製造方法に関するものである。
機械部品等の構造部材の製造コストを削減するために、鉄を主成分とする原料粉末を加圧成形した粉末成形体を加熱し焼結させた鉄基焼結合金部材の利用が考えられる。鉄基焼結合金部材を用いれば、最終形状に近い製品(焼結体)を得ることも可能となり、機械加工の削減や歩留り向上等によって、構造部材の製造コストや材料コストの低減を図り得る。このためには、鉄基焼結合金部材の強度と焼結前後の寸法安定性が重要となってくる。その方策として従来、次のような方法が採用されてきた。
先ず、Fe−Cu−C系組成の原料粉末を使用することである。Cuが鉄基焼結合金部材の強度向上および焼結前後の寸法精度の安定に有効な元素だからである。しかし、このような組成の原料粉末を使用したとしても、焼結体の密度が低いと、結局は高強度の焼結体は望めない。また、Cuを含む鉄基焼結合金部材は、コスト面やリサイクル面等でも好ましくない。
焼結体の密度を高める方法として、2回成形2回焼結(2P2S)を行う方法が考えられる。しかし、この方法は、成形および焼結を繰返し行うので、焼結体のコスト上昇を招き好ましくない。焼結体を鍛造して緻密化(高密度化)する粉末鍛造法もある。しかし、この方法では焼結体の寸法精度を維持できないので、粉末焼結法の利点が犠牲になり、本来の目的である鉄基焼結合金部材に依る構造部材の低コスト化を図れない。
US6346133 US6364927 特許3309970号公報 特開昭58−210147号公報 特表平10−510007号公報 High Strength Si-Mn-Alloyed Sintered Steels. P.M.Int. vol17. No.1 (1985)
本発明者は、既に1回の成形で超高密度な粉末成形体を得る方法を確立している(上記特許文献3)。この粉末成形体を焼結させることで、高密度の焼結体を得ることが可能となる。つまり、2回成形2回焼結を行うまでもなく、1回成形1回焼結で、超高強度な鉄基焼結合金部材を得ることが可能となる。
ところが、本発明者が鉄基焼結合金部材のさらなる高強度化を図るために、原料粉末の配合組成や焼結温度等を種々変更して、上記の超高強度粉末成形体を高温焼結させたところ、焼結体に膨れ(ブリスター)の発生するものがあった。このような膨れを生じた鉄基焼結合金部材は、当然、寸法精度が崩れ、その密度および強度が低下したものとなる。
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、焼結時の膨れの発生が抑止されて焼結前後の寸法安定性に優れる、高密度で高強度な鉄基焼結合金部材およびその製造方法を提供することを目的とする。
なお、上記の特許文献1および2や非特許文献1には、Siを含有した鉄基焼結合金が開示されている。しかし、それらと後述する本発明とは、前提としている課題および粉末成形体の密度、Siの組成等の多くの点で異なっており、両者は実質的に無関係である。また、特許文献4および5には、Si−Mn−Fe母合金の粉砕粉と鉄粉との混合粉末を圧縮成形および焼結させた鉄基焼結合金が開示されている。しかしこれらの場合も、前提としている課題等が後述の本発明とは異なっており、両者の間に実質的な関係はない。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し試行錯誤を重ねた結果、適量のSiを含有させることで、膨れの発生等のない、高強度で寸法安定性に優れる高密度な鉄基焼結合金部材が得られることを新たに見出し、本発明を完成するに至った。
(1)鉄基焼結合金部材
すなわち、本発明の鉄基焼結合金部材は、
純鉄または鉄合金の少なくとも一方からなる鉄(Fe)系粉末と、黒鉛からなる炭素(C)系粉末と、ケイ素(Si)の単体、合金または金属間化合物の少なくとも一方からなるSi系粉末とを混合した原料粉末を加圧成形して、焼結体の理論密度(ρ’)に対する成形体の嵩密度(ρ)の比である成形体密度比(ρ/ρ’x100%)が96%以上の粉末成形体を得る成形工程と、
該粉末成形体を酸化防止雰囲気で加熱し焼結させる焼結工程とを経て得られ、
全体を100質量%としたときに、Siが0.01〜2質量%、Cが0.1〜0.8質量%、残部がFeおよび不可避不純物であり、
前記理論密度(ρ’)に対する嵩密度(ρ’)の比である焼結体密度比(ρ’/ρ’x100%)が96%以上の高密度であることを特徴とする。
(2)鉄基焼結合金部材の製造方法
この鉄基焼結合金部材は、例えば、次のような本発明の製造方法によって得られる。
すなわち、本発明の鉄基焼結合金部材の製造方法は、純鉄または鉄合金の少なくとも一方からなるFe系粉末と黒鉛からなるC系粉末とSiの単体、合金または金属間化合物の少なくとも一方からなるSi系粉末とを混合した原料粉末を加圧成形して、焼結体の理論密度(ρ ’)に対する成形体の嵩密度(ρ)の比である成形体密度比(ρ/ρ ’x100%)が96%以上の粉末成形体を得る成形工程と、該粉末成形体を酸化防止雰囲気で加熱し焼結させる焼結工程とを備え、該焼結工程後に上述した高密度の鉄基焼結合金部材が得られることを特徴とする。
(3)経緯および作用効果
本発明者は、前述の特許文献3にもあるように、高密度な粉末成形体を1回の成形工程で得られる工業的な方法を確立している。その成形方法に依ると、例えば、成形体密度比が96%以上さらには97%以上という超高密度な粉末成形体が得られる。そして、その超高密度な粉末成形体を1回焼結させることで、同様に、超高密度な焼結体(鉄基焼結合金部材)を得ることが可能となる。
ところで、本発明者は、成形体密度比または焼結体密度比が96%〜97%程度の高密度になると、粉末成形体または焼結体のあらゆる特性が急激に変化することを確認している。例えば、粉末成形体の場合、密度比が95%程度までなら、その密度比の増加と共にその強度も増加するが、密度比が96%〜97%程度を超えるとその強度は指数関数的に増加するようになる。その他の機械的性質(特に延性や疲労特性等)や磁気特性等も同様の傾向を示す。
その一つとして、超高密度な粉末成形体(例えば、成形体密度比が96%以上)を焼結させた場合、膨れ(ブリスタ)が生じ易いことが新たに明らかとなった。このような膨れが発生すると、当然ながら焼結前後の寸法安定性が極端に崩れる。具体的には、鉄基焼結合金部材の寸法が粉末成形体の寸法よりも大きく拡大してしまい、焼結体密度も低下してしまう。また、その膨れは鉄基焼結合金部材の内部欠陥となり、その膨れが激しい場合は破裂して焼結体は原形を留めない。いずれにしても、鉄基焼結合金部材は不良品となってしまう。
このような膨れの発生原因は、原料粉末の粒子表面に付着していた水分や酸化物等が、焼結工程の加熱中に還元、分解されて、H2O、COやCO2等の様々なガスを発生するためと考えられる。これらのガスが粉末成形体内または焼結体内の封孔に閉じ込められ、焼結工程の加熱中に膨張し、焼結体に膨れが発生したと考えられる。勿論、粉末成形体の密度が従来のような低レベルなら、原料粉末の粒子間にできた隙間から、その発生したガスは外部へ放出されるので、上記のような膨れが発生することは少ない。
本発明のように密度比が96%以上の超高密度成形体になると、各構成粒子の接触状況も従来とは異なり、各構成粒子がぴったりと密着した状態になる。そして、内部に存在するミクロな残留気孔は、周囲の粒子によって封印された独立気孔になっていると思われる。その気孔部分で発生したガスは逃げ場を失い、焼結工程の高温加熱中に異常膨張して、金属粒子間の結合を破壊し、マクロ的な膨れを発生させたと思われる。
このような膨れが発生する程度は、原料粉末の組成、粉末粒径、粉末成形体の成形圧力、焼結条件(特に温度)等によって変化する。
原料粉末が純鉄粉や低合金粉末のみからなる場合、高密度成形した粉末成形体を焼結させても上記膨れはあまり発生しない。しかし、C(黒鉛粉末等)が原料粉末中に含まれると、その膨れは多発する。原料粉末の粒子表面に付着している酸素や水分がCによって還元、分解されて、COやCO を多く発生するためと思われる。特に、原料粉末全体100質量%に対して黒鉛粉末の配合量が0.1〜0.8質量%さらには0.3〜0.5質量%のときに最も激しい膨れを発生する。これは、黒鉛が焼結工程でFe系粉末中に浸炭する際に、COガスとなってFe中に拡散するためと考えられる。
但し、逆に黒鉛粉末等を原料粉末中へ過剰に含有させた場合には、焼結体の膨れは発生し難い。その原料粉末からなる高密度成形体を焼結した場合、粉末成形体中の黒鉛は焼結中の反応によって拡散等して、元々黒鉛粒子が存在していた位置が新たな気孔となり得る。黒鉛量が多いとその気孔量も多くなり、焼結体内部に封孔が形成され難くなる。焼結体内部で発生したCOガス等は、それらの気孔等を通じて外部へ放出されるようになって、膨れが発生し難くなったと思われる。
勿論、前述したように、原料粉末中に黒鉛粉末等を含有させなければ、膨れも抑止され得る。しかし、鋼材の重要元素の一つであるCを含まない鉄基焼結合金部材は、熱処理による機械的特性の向上を図り難いので好ましくない。
成形体密度比が96%以上さらには97%以上の高密度成形体を焼結させると、使用した原料粉末の粒径に拘わらず、前述したような膨れを発生する。もっとも、粒径の微細な原料粉末を使用した場合、上記膨れは一層発生し易くなる。原料粉末が微粉(例えば、粒径が45μm以下)になる程、焼結体内部の封孔の密閉性が高まり、発生したCOガス等の漏出が少なくなるためと思われる。同様のことは、粉末成形体の成形圧力についてもいえる。つまり、その成形圧力を高くする程、内部封孔の密閉性が向上して、膨れが発生し易い。例えば、1200MPa以上さらには1300MPa以上で超高圧成形した粉末成形体を焼結させると、膨れが発生し易い。
もっとも、原料粉末の粒度や成形圧力による膨れへの影響は、原料粉末の詰まり具合(いい換えるなら、焼結体内部の封孔の出来具合)として、成形体密度比で客観的に評価すれば足る。
焼結条件(特に焼結温度)によっても焼結体の膨れの発生具合は変化し得る。膨れの原因である焼結体内部の封孔に閉じ込められたCOガス等は、焼結温度が高くなる程、そのガス圧が上昇する。その結果、焼結温度が高くなる程、焼結体は大きな膨れを生じ易くなる。実際に、焼結体の強度向上を図る観点から、焼結温度を1150℃以上、1200℃以上、1250℃以上、1300℃さらには1350℃と高くしたとき程、焼結体に膨れが発生し易かった。
このような事情を踏まえて、黒鉛粉末等を含む原料粉末からなる超高密度の粉末成形体を高温で焼結させたときであっても、上記膨れを生じない鉄基焼結合金部材およびその製造方法が求められた。
本発明者はこの課題を解決すべく、膨れの原因となるCOガス等の発生自体を抑制することを思い付いた。このためには、原料粉末中に存在する酸素がその周囲にある黒鉛粉末等と反応してCOガス等の気体を発生する前に、その酸素を安定的な固体(酸化物)として焼結体中に固定すれば良い。本発明者は、CよりもOとの親和力が強くて酸化物生成自由エネルギーの低いMnやSiにその効果があること、つまりは酸素ゲッターとしての効果があることを確認した。
MnやSiは、Oとの親和力が極めて高く、酸化物生成自由エネルギーが十分に低い。また、鋼の基本元素であり比較的安価に入手可能な元素であるし、鉄基焼結合金部材のリサイクル性を阻害することもない。特に、鉄基焼結合金部材の主成分であるFeとMnやSiとの合金または金属間化合物からなる(微)粉末(例えば、Fe−Mn−Si粉末)は、MnやSi単体よりもOとの親和力が高く酸化物生成自由エネルギーも低い上に、より安価に入手可能である。そのようなFe−Mn−Si粉末等を使用すれば、膨れを発生させずに、高強度で高密度な鉄基焼結合金部材をさらに低コストで得ることができる。
さらに本発明者が種々の組成のFe−Mn−Si粉末を用いて研究したところ、MnよりもSiに焼結体の膨れを抑止する効果が大きいことを見いだした。こうして本発明者は、前述した本発明を完成させるに至った。
本発明の鉄基焼結合金部材は、膨れを実質的に生じていないので、粉末成形体の寸法精度や高密度を継承したものとなっている。従って、本発明の鉄基焼結合金部材は、高密度で高強度であると共に寸法精度にも優れるため低コストである。
本発明の鉄基焼結合金部材の製造方法によれば、このような優れた鉄基焼結合金部材を、従来のような2P2Sではなく、1回の加圧成形と1回の焼結(1P1S)で得られるので、製造コストを抑制できる。さらには、本発明の製造方法によれば、最終形状に近い焼結製品を得ることも可能であるため、(ニア)ネットシェイプによる加工工数削減、材料歩留まり向上、製品単価の低減等が期待できる。
本発明によって、従来の概念を超越した高密度領域に属する鉄基焼結合金部材の製造も可能となった。この結果、鉄基焼結合金部材の守備範囲が低密度のものから超高密度のものまで広がり、鉄基焼結合金部材の用途が著しく拡大した。
本発明の場合、Siは鉄基焼結合金部材の膨れを抑止する上で重要な元素である。Siが過少ではその効果が乏しく、過多になると焼結時の寸法収縮量が大きくなり好ましくない。Siの下限値は0.01質量%、0.02質量%さらには0.05質量%が好ましい。Siの上限値は、2質量%が好ましい。
なお、本発明では、膨れの発生具合および鉄基焼結合金部材の構造部材としての汎用性等を考慮して、C量を0.1〜0.8質量%としている。Cが過少では高強度な鉄基焼結合金部材が得られず、Cが過多になると延性が低下して好ましくない。Cは0.2〜0.6質量%さらには0.3〜0.5質量%であると好ましい。
Mnは、Siと共に鉄基焼結合金部材の機械的特性(強度や延性等)を向上させる元素である。過少ではその効果が乏しく、過多になると逆に強度低下を招き、焼結前後の寸法安定性も阻害される。Mnは、鉄基焼結合金部材全体を100質量%としたときに、Siとの合計が3.5質量%以下、3質量%以下さらには2.5質量%以下となり、また、その合計が0.02質量%以上、0.03質量%以上さらには0.05質量%以上となるように含むと好ましい。この場合、Mnの下限値は0質量%、0.01質量%、0.02質量%、0.05質量%、0.1質量%さらには0.2質量%であると好ましい。Mnの上限値は、1.5質量%、1.2質量%(特に、1.2質量%未満)、1.15質量%、1.1質量%、1.05質量%、1.0質量%(特に、1.0質量%未満)が好ましく、さらには1〜0.5質量%の範囲でも良い。
上記元素以外に、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)等の合金元素を含有していても良い。特に、調質等の熱処理を行う場合には、これらの元素を含有しているのが好ましい。それらの好適な含有量はC量等によっても変化するため一概には特定できないが、例えば、鉄基焼結合金部材全体を100質量%として、Moは0.3〜2質量%さらには0.5〜1.5質量%、Crは0.3〜5質量%さらには0.5〜3.5質量%、Niは0.5〜6質量%さらには1〜4質量%含まれていると好適である。
本発明の鉄基焼結合金部材は、Cuを含有させるまでもなく、高強度で寸法安定性に優れたものである。つまり、本発明によれば、製錬等による除去困難なCuを実質的に含まないCuフリー鉄基焼結合金部材とすることができる。従って、本発明は、鉄基焼結合金部材のリサイクル性を向上させ、環境対策上好ましいものである。さらに、Cuの使用を抑制することで、鉄基焼結合金部材の材料コスト低減を図れると共にCuに起因した鉄基焼結合金部材の熱間脆性も回避される。但し、本明細書中でいう本発明に係る鉄基焼結合金部材は、Cuを含有する場合を全て排除するものではない。上述したSiおよびCと共に適量のCuを含有する場合も本発明の範囲に含まれる。
本明細書でいう「強度」や「寸法安定性」は、原料粉末の組成、成形体密度(または成形圧力)、焼結条件(温度、時間、雰囲気等)等によって異なる。従って、それら「強度」や「寸法安定性」を一概に特定することはできない。敢ていうならば、強度は、抗折力で1000MPa以上、1500MPa以上、2000MPa以上、2500MPa以上さらには3000MPa以上であると好ましい。
寸法安定性は、焼結中に膨れを生じず、焼結前後の寸法変化率が±1%以内、±0.5%以内、±0.3%以内さらには±0.1%以内であると好ましい。なお、この寸法変化率は、粉末成形体の寸法とそれを焼結させた焼結体の寸法との計測結果から求まるが、その計測箇所は、膨れによって寸法変化し易い方向の寸法を計測することとする。
寸法安定性は、上記寸法変化率に依らずに、成形体密度比と焼結体密度比との対比でも評価できる。すなわち、本発明の鉄基焼結合金部材は、前記焼結体密度比が前記成形体密度比に対して±1%、±0.5%以内、±0.3%以内さらには±0.1%以内であると好ましい。
本明細書でいう「鉄基焼結合金部材」はその形態を問わず、例えば、インゴット状、棒状、管状、板状等の素材であっても良いし、最終的な形状またはそれに近い構造部材であっても良い。従って、この鉄基焼結合金部材を、単に「鉄基焼結合金」と言い換えても良い。
実施形態を挙げて、本発明をより詳しく説明する。なお、以下の実施形態を含め、本明細書で説明する内容は、本発明に係る鉄基焼結合金部材のみならずその製造方法にも、適宜適用できるものであることを断っておく。また、いずれの実施形態が最良であるか否かは、対象、要求性能等によって異なることを断っておく。
(1)原料粉末
原料粉末は、Fe系粉末、C系粉末およびSi系粉末とからなる。
Fe系粉末は、純鉄粉でも鉄合金粉でもそれらの混合粉末でも良い。鉄合金粉に含まれる合金元素は問わない。この合金元素として、先ず、C、Mn、Si、P、S等がある。CはC系粉末として、SiはSi系粉末として配合されるが、Fe系粉末中に少量含まれていても良い。但し、CやSi等の含有量が増加すると、Fe系粉末が硬質となって成形性が低下する。そこで、Fe系粉末が鉄合金粉である場合は、C:0.02質量%以下、Si:0.1質量%以下とするのが良い。
それら以外の合金元素として、Mo、Cr、Ni、V等がある。これらの合金元素は、鉄基焼結合金部材の熱処理性を向上させ、鉄基焼結合金部材を強化する有効な元素である。これらの合金元素は、原料粉末全体を100質量%としたときに、Mo:0.3〜2質量%さらには0.5〜1.5質量%、Cr:0.3〜5質量%さらには0.5〜3.5質量%、Ni:0.5〜6質量%さらには1〜4質量%程度含まれていると好適である。なお、これらの合金元素は、鉄合金粉として原料粉末中に含有させる必要はなく、Fe以外の合金または化合物の粉末等として原料粉末中に混在させても良い。
C系粉末は、原料粉末の成形性や配合の容易性等から、黒鉛(Gr)粉末等を使用すると良い。その配合量は、前述した通りであり、鉄基焼結合金部材中のC量が0.1〜0.8%程度になるようにすると良い。
Si系粉末はSiを含む限り、1種の粉末でも2種以上の粉末でも良く、その存在形態を問わない。具体的には、Si系粉末は、Siの単体、合金または化合物の粉末である。このSi系粉末は、鉄基焼結合金部材の主成分であるFeとMnおよびSiとの合金または金属間化合物からなるFe−Mn−Si粉末(以下適宜、この粉末を「FMS粉末」という。)であると好ましい。この粉末は比較的安価に製造したり入手することが可能である。Fe−Mn−Si粉末は、Fe−Mn−Si粉末全体を100質量%として、Siが15〜75質量%、Mnが15〜75質量%、SiとMnとの合計が35〜95質量%であり、主な残部がFeであると好ましい。SiやMnが過少だと、延性のある鉄合金となり、それを微粉に粉砕するのが困難となる。また、FMS粉末の原料粉末中における添加量も多くなり、鉄基焼結合金部材のコストを上昇させてしまう。一方、SiやMnが過多だと、成分調整のためのコストが上昇するので好ましくない。Siが20〜65質量%、Mnが20〜65質量%、MnとSiとの合計が50〜90質量%であるとより好ましい。
FMS粉末中のMnとSiとの組成比は問わないが、その組成比(Mn/Si)が1/3〜3、特にその組成比が1付近(0.9〜1.1)、つまりFMS粉末中のMnおよびSiが同程度の割合(約1:1)であると好ましい。この場合に膨れが抑制され易い。また、強度、延性、寸法安定性等のバランスのとれた鉄基焼結合金部材が得られる。
FMS粉末は、含有するO量が0.4質量%以下さらには0.3質量%以下であると好ましい。原料粉末中のO量が多くなると、焼結体の膨れの発生原因となるCOガス等も増加するからである。また、焼結体中の酸化物の増加にもつながり、鉄基焼結合金部材の機械的特性が劣化し得るからである。
原料粉末中に配合するSi系粉末の割合は、使用する粉末組成、成形体密度比、焼結条件等に応じて異なる。例えば、Si系粉末としてFMS粉末(Siが15〜75質量%、Mnが15〜75質量%、SiとMnとの合計が35〜95質量%)を使用する場合、原料粉末全体を100質量%としたときに、0.01〜5質量%さらには0.05〜3質量%さらには0.1〜2質量%配合すると良い。
Si系粉末の粒径は小さい程、成形体密度比や焼結体密度比が向上し、成分変動や偏析等の少ない均質な鉄基焼結合金部材が得られる。しかし、粒径が過小な粉末は入手が困難でコスト高である。凝集等も生じ易く取扱性が悪い。そこでSi系粉末は、粒径が63μm以下さらには45μm以下さらには25μm以下で入手の容易なものを使用すれば良い。ちなみに、原料粉末(Fe系粉末または低合金鋼粉)の粒径は、200μm以下さらには180μm以下程度で十分である。なお、本明細書でいう粒径は、篩い分けにより特定されるものである。
(2)成形工程
本発明の鉄基焼結合金部材の製造方法は、主に成形工程と焼結工程とからなる。ここでは、先ず成形工程について詳しく説明する。
成形工程は、前述したFe系粉末とC系粉末とSi系粉末とを混合した原料粉末を加圧成形して粉末成形体とする工程である。本発明では、粉末成形体の形状や成形圧力自体を問題とはしないが、成形体密度比が96%以上の高密度成形体を対象としている。成形体密度比が小さいものは、その焼結中に膨れがあまり発生しないからである。
本発明者は、このような高密度成形体を得ることができる成形方法を確立している(特許文献3参照)。この成形方法によれば、成形圧力が1000MPa以上、1200MPa以上、1500MPa以上さらには約2000MPaといった、従来レベルを超越した超高圧成形を工業レベルで行うことが可能である。これにより得られる粉末成形体の密度は96%以上、97%以上、98%以上さらには99%までにも到達し得る。以下、この優れた成形方法(以下、この成形方法を適宜「金型潤滑温間加圧成形法」という。)について説明する。
金型潤滑温間加圧成形法(成形工程)は、高級脂肪酸系潤滑剤が内面に塗布された金型へ前記原料粉末を充填する充填工程と、この金型内の原料粉末を温間で加圧して金型内面に接する原料粉末の表面に金属石鹸皮膜を生成させる温間加圧成形工程とからなる。
この成形方法に依れば、成形圧力を相当大きくしても、一般的な成形方法で生じるような不具合を生じない。具体的には、原料粉末と金型の内面との間のかじり、抜圧の過大化、金型寿命の低下等が抑止される。以下、この成形方法の充填工程および温間加圧成形工程についてさらに詳細に説明する。
(a)充填工程
原料粉末を金型(キャビティ)へ充填する前に、金型の内面に高級脂肪酸系潤滑剤を塗布しておく(塗布工程)。ここで使用する高級脂肪酸系潤滑剤は、高級脂肪酸自体の他、高級脂肪酸の金属塩であっても良い。高級脂肪酸の金属塩には、リチウム塩、カルシウム塩又は亜鉛塩等がある。特に、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛等が好ましい。この他、ステアリン酸バリウム、パルミチン酸リチウム、オレイン酸リチウム、パルミチン酸カルシウム、オレイン酸カルシウム等を用いることもできる。
塗布工程は、例えば、加熱された金型内に水、水溶液またはアルコール溶液等に分散させた高級脂肪酸系潤滑剤を噴霧して行える。高級脂肪酸系潤滑剤が水等に分散していると、金型の内面へ高級脂肪酸系潤滑剤を均一に噴霧し易い。加熱された金型内にそれを噴霧すると、水分等が素早く蒸発して、金型の内面へ高級脂肪酸系潤滑剤が均一に付着する。金型の加熱温度は、後述する温間加圧成形工程の温度を考慮すると好ましいが、例えば、100℃以上に加熱しておけば足る。もっとも、高級脂肪酸系潤滑剤の均一な膜を形成するために、その加熱温度を高級脂肪酸系潤滑剤の融点未満にすると好ましい。例えば、高級脂肪酸系潤滑剤としてステアリン酸リチウムを用いた場合、その加熱温度を220℃未満とすると良い。
なお、高級脂肪酸系潤滑剤を水等に分散させる際、その水溶液全体の質量を100質量%としたときに、高級脂肪酸系潤滑剤が0.1〜5質量%、さらには、0.5〜2質量%の割合で含まれるようにすると、均一な潤滑膜が金型の内面に形成されて好ましい。
また、高級脂肪酸系潤滑剤を水等へ分散させる際、界面活性剤をその水に添加しておくと、高級脂肪酸系潤滑剤の均一な分散が図れる。そのような界面活性剤として、例えば、アルキルフェノール系の界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO)6、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO)10、アニオン性非イオン型界面活性剤、ホウ酸エステル系エマルボンT−80等を用いることができる。これらを2種以上組合わせて使用しても良い。例えば、高級脂肪酸系潤滑剤としてステアリン酸リチウムを用いた場合、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO)6、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO)10及びホウ酸エステルエマルボンT−80の3種類の界面活性剤を同時に用いると好ましい。この場合、それらの1種のみを添加した場合に較べて、ステアリン酸リチウムの水等への分散性が一層活性化されるからである。
噴霧に適した粘度の高級脂肪酸系潤滑剤の水溶液を得るために、その水溶液全体を100体積%として、界面活性剤の割合を1.5〜15体積%とすると好ましい。
この他、少量の消泡剤(例えば、シリコン系の消泡剤等)を添加しても良い。水溶液の泡立ちが激しいと、それを噴霧したときに金型の内面に均一な高級脂肪酸系潤滑剤の被膜が形成され難いからである。消泡剤の添加割合は、その水溶液の全体積を100体積%としたときに、例えば0.1〜1体積%程度であればよい。
水等に分散した高級脂肪酸系潤滑剤の粒子は、最大粒径が30μm未満であると、好適である。最大粒径が30μm以上になると、高級脂肪酸系潤滑剤の粒子が水溶液中に沈殿し易く、金型の内面に高級脂肪酸系潤滑剤を均一に塗布することが困難となるからである。
高級脂肪酸系潤滑剤の分散した水溶液の塗布には、例えば、塗装用のスプレーガンや静電ガン等を用いて行うことができる。なお、本発明者が高級脂肪酸系潤滑剤の塗布量と粉末成形体の抜出圧力との関係を実験により調べた結果、膜厚が0.5〜1.5μm程度となるように高級脂肪酸系潤滑剤を金型の内面に付着させると好ましい。
(b)温間加圧成形工程
高級脂肪酸系潤滑剤が内面に塗布された金型に充填された原料粉末を温間で加圧成形すると、金型内面に接する原料粉末(または粉末成形体)の表面に金属石鹸皮膜が生成され、この金属石鹸皮膜の存在によって工業レベルでの超高圧成形が可能になったと考えられる。この金属石鹸被膜は、その粉末成形体の表面に強固に結合し、金型の内表面に付着していた高級脂肪酸系潤滑剤よりも遙かに優れた潤滑性能を発揮する。その結果、金型の内面と粉末成形体の外面との接触面間での摩擦力を著しく低減させ、高圧成形にも拘らず、かじり等を生じさせない。また、非常に低い抜圧で粉末成形体を金型から取出せ、金型寿命の極端な短縮もなくなった。
金属石鹸被膜は、例えば、高級脂肪酸系潤滑剤と原料粉末中のFeとが温間高圧下でメカノケミカル反応を生じて形成された、高級脂肪酸の鉄塩被膜である。この代表例は、高級脂肪酸系潤滑剤であるステアリン酸リチウムまたはステアリン酸亜鉛と、Feとが反応して生成されたステアリン酸鉄皮膜である。
本工程でいう「温間」は、原料粉末と高級脂肪酸系潤滑剤との反応が促進される程度の加熱状態であれば良い。概していえば、成形温度を100℃以上とすれば良い。但し、高級脂肪酸系潤滑剤の変質を防止する観点から、成形温度を200℃以下とするのが良い。成形温度を120〜180℃とするとより好適である。
本工程でいう「加圧」は、鉄基焼結合金部材の仕様を考慮しつつ、金属石鹸皮膜が形成される範囲内で適宜決定されれば良い。金型寿命や生産性を考慮して、その成形圧力の上限を2000MPaとすると好ましい。成形圧力が1500MPa程度になると、得られる粉末成形体の密度も真密度に近付き(成形体密度比で98〜99%となり)、2000MPa以上に加圧してもさらなる高密度化は望めない。
なお、この金型潤滑温間加圧成形法を用いると、内部潤滑剤を使用する必要がなく、より高密度な粉末成形体が得られる。また、その粉末成形体を焼結させたときに、内部潤滑剤の分解、放出等に伴って炉内が汚染されることもない。但し、本発明では、内部潤滑剤の使用を排除するものではないことを断っておく。
(3)焼結工程
焼結工程は、成形工程で得られた粉末成形体を酸化防止雰囲気で加熱して焼結させる工程である。
焼結温度および焼結時間は、鉄基焼結合金部材の所望特性、生産性等を考慮して適宜選択される。焼結温度は高い程、短時間で高強度な鉄基焼結合金部材が得られる。もっとも、焼結温度が高すぎると液相が発生したり、寸法変化が大きくなって好ましくない。焼結温度が低すぎると強化元素の拡散が不十分で好ましくない。また、焼結時間が長くなって、鉄基焼結合金部材の生産性が低下する。焼結温度は、1100〜1400℃さらには1150〜1350℃が良い。特に、高強度の鉄基焼結合金部材を得る場合には、焼結温度を1200℃以上とするのが良い。また、焼結時間は、焼結温度、鉄基焼結合金部材の仕様、生産性、コスト等を考慮しつつ0.1〜3時間さらには0.1〜1時間とするのが良い。
ここで、焼結雰囲気と高強度焼結体の膨れ抑止に有効な元素であるSiとMnについて説明しておく。先ず、Siは、C、Mn、リン(P)および硫黄(S)と共に鋼の五元素と呼ばれ、溶製される鉄鋼材料では一般的な強化元素である。しかし、Si系粉末中のSiは、Oとの親和力が極めて強く非常に酸化され易い元素である。Si系粉末としてFMS粉末を使用した場合、Fe−Mn−Si合金(化合物)は、Si単体よりも酸化物生成自由エネルギーが低く、加熱炉内の僅かなOとも結合して、焼結体内部にSiの酸化物を形成するおそれがある。このような酸化物の介在は、鉄基焼結合金部材の機械的性質を劣化させるので好ましくない。そこで、Siを含有した鉄基焼結合金はこれまで殆どなかった。
本発明の製造方法では、Si含有による鉄基焼結合金部材の劣化を抑止するために、酸化防止雰囲気で焼結工程を行うこととした。具体的には、真空雰囲気、不活性ガス雰囲気、窒素雰囲気等がある。このような雰囲気であっても、その中の残留酸素(酸素分圧)が問題となるときは、窒素ガスに水素ガス(露点の低い精製された高純度水素ガス)を数%混合した還元雰囲気を採用しても良い。もっとも、水素ガスの使用は工業上あまり好ましくないので、本発明の焼結工程を、酸素分圧が10−19Pa以下(CO濃度で100ppm以下)に相当する極低酸素分圧の不活性ガス雰囲気内で行うとより好ましい。このような極低酸素分圧の不活性ガス(N ガス)雰囲気を実現する連続焼結炉は市販されている(関東冶金工業株式会社製オキシノン炉)。
このような極低酸素分圧の不活性ガス雰囲気下では、焼結中にSi系粉末と原料粉末に付着等したOとが反応して複合酸化物などが形成されても、それがさらに分解され、酸化物等の介在物のない健全な組織の鉄基焼結合金部材が得られ、その劣化が抑制される。
(4)その他
本発明の鉄基焼結合金部材はその仕様に応じて、さらに、焼鈍、焼準、時効、調質(焼き入れ、焼き戻し)、浸炭、窒化等の熱処理工程が施されても良い。勿論、鉄基焼結合金部材は、熱処理の種類に応じた組成(C、Mo、Cr等)であることが好ましい。
本発明の鉄基焼結合金部材の形態や用途は問わない。鉄基焼結合金部材の用途の一例を挙げると、自動車分野では、各種プーリー、変速機のシンクロハブ、エンジンのコンロッド、スプロケット、リングギヤ、ピニオンギヤ等がある。その他、サンギヤ、ドライブギヤ、ドリブンギヤなど各種の歯車部品等もある。
実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
(試料の製造)
(1)Fe系粉末として、ヘガネス社製のAstaloy Mo(Fe−1.5Mo、粒径20〜180μm)、ヘガネス社製のDistaloy AE(Fe−4.0Ni−1.5Cu−0.5Mo、粒径20〜180μm)、JFEスチール社製のKIP 30CRV(Fe−3Cr−0.3Mo−0.3Mn−0.3V、粒径20〜180μm)およびJFEスチール社製のKIP 103V(Fe−1Cr−0.3Mo−0.3V、粒径20〜180μm)を用意した。
Si系粉末としてFe−Mn−Si粉末(FMS粉末)を用意した。このFMS粉末は、Arガス雰囲気中で溶製した表11に示す各種組成のFe−Mn−Si系鋳塊(インゴット)を大気中で粉砕し、粒径が25μm以下の粉末に篩い分けしたものである。以下、表11中の番号(I〜III)によってFMS粉末の種類を特定する。ちなみに、Fe−Mn−Si系鋳塊(FMS鋳塊)は脆いため、それを機械粉砕することでFMS粉末を容易に得ることができる。但し、Si+Mn量が35%以下のFMS鋳塊は比較的延性が高く機械粉砕のみで微粉にするのは困難であった。
本実施例では、FMS鋳塊の粉砕性およびFMS粉末の配合量を少なくする観点から、Si+Mn量が比較的多い(例えば、80質量%)FMS粉末を使用することとした。FMS粉末の各合金組成は、焼結体の寸法精度の観点から、サーモカルクにより求まる液相温度が異なるものを選定した。
FMS粉末以外に、純Si粉末(福田金属箔粉社製)、Si系粉末であるFe−76.4%Si粉末(福田金属箔粉社製)と、Mn系粉末であるFe−75.6%Mn粉末(福田金属箔粉社製)も用意した。組成の単位は質量%である(特に断らない限り以下同様である。)。これらの粉末はいずれも、粒度が−500mesh(25μm以下)のものを使用した。C系粉末である黒鉛(Gr)粉末(日本黒鉛社製JCPB)も用意した。この粉末の粒径は45μm以下であった。
これらの各種粉末を所望組成となるように配合し、ボールミル式回転混合を十分に行って、各試料毎に均一な混合粉末からなる原料粉末を調製した。
(2)粉末成形体は、主に金型潤滑温間加圧成形法により行った。具体的には以下の通りである。
φ23mmの円柱型キャビティと10x55mmの抗折試験片型キャビティを有する2種の超硬製金型を用意した。各金型の内周面には予めTiNコート処理を施し、その表面粗さを0.4Zとした。各金型はバンドヒータで予め150℃に加熱しておいた。加熱した金型の内周面に、高級脂肪酸系潤滑剤であるステアリン酸リチウム(LiSt)を分散させた水溶液をスプレーガンにて1cm3/秒程度の割合で均一に塗布した(塗布工程)。これにより、各金型の内周面には約1μm程度のLiStの被膜が形成された。
ここで用いた水溶液は、水に界面活性剤と消泡剤とを添加したものにLiStを分散させたものである。界面活性剤には、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO)6、(EO)10及びホウ酸エステルエマルボンT−80を用いて、それぞれを水溶液全体(100体積%)に対して1体積%づつ添加した。消泡剤には、FSアンチフォーム80を用い、水溶液全体(100体積%)に対して0.2体積%添加した。LiStには、融点が約225℃で、平均粒径が20μmのものを用いた。その分散量は上記水溶液100cm3に対して25gとした。LiStを分散させた水溶液をさらにボールミル式粉砕装置で微細化処理(テフロンコート鋼球:100時間)した。こうして得られた原液を20倍に希釈して、最終濃度1%の水溶液を上記塗布工程に供した。
LiStの均一な被膜が内面に形成された各金型のキャビティへ前述した各種原料粉末を自然充填した(充填工程)。原料粉末は、金型と同温の150℃に乾燥器で予め加熱しておいた。
金型に充填された各原料粉末を各種成形圧力で成形して粉末成形体を得た(温間加圧成形工程)。いずれの成形圧力の場合であっても、金型の内面にかじり等を生じることはなく、低い抜出力で粉末成形体を金型から容易に取出すことができた。
(3)得られた各粉末成形体を、連続焼結炉(関東冶金工業製オキシノン炉)を用いて、1350℃の窒素雰囲気中で焼結させた(焼結工程)。均熱保持時間は30分とし、焼結後の冷却速度は40℃/minであった。なお、その焼結炉内は、CO濃度で50〜100ppm(酸素分圧に換算で10-19〜10-21Pa相当)の極低酸素分圧雰囲気とした。こうして各種の鉄基焼結合金部材からなる、φ23mmの円柱型試料と、10x55mmの抗折試験片型試料を得た。
なお、抗折試験片は,焼結後に焼入れ・焼戻しの熱処理を行った。焼入れは、窒素雰囲気中で850℃x1時間加熱後、60℃の油中で急冷して行った。その後の焼戻しは、大気中で200℃x1時間加熱して行った。
(測定)
(1)上記円柱型試料を用いて、その焼結前後の重量と寸法から、成形体密度(G.D)およびその密度比、焼結体密度(S.D)およびその密度比、さらに寸法変化(高さ変化ΔTおよび外径変化ΔD)を計算で求めた。なお、膨れが発生した試料の焼結体密度は参考値である。
(2)上記抗折試験片型試料を用いて、支点間距離40mmの三点曲げにより抗折試験を行った。これにより、各試料が折断までの強度(抗折力)とたわみを求めた。また、抗折試験片型試料の側面の硬さを、ビッカース硬さ計により荷重30kgで測定した。
(比較例:試料No.HS8)
前述のAstaloy Mo粉末および黒鉛(Gr)粉末を配合、混合した種々の組成の原料粉末を調製した。これらの原料粉末はSi系粉末を含まないものである。これらの原料粉末を金型潤滑温間加圧成形法により各種成形圧力で成形し、得られた各粉末成形体を焼結して、表10に示す試料No.HS8の各焼結体(鉄基焼結合金部材)を得た。各粉末成形体および各焼結体の特性をそれぞれの原料粉末の配合組成と共に表10に示した。
試料No.HS8の内で、Gr粉末の配合量が0(Astaloy Moのみ)の焼結体はいずれも、寸法が僅かに収縮し緻密化していた。そして、膨れは生じていなかった。このことは、成形圧力が1960MPaのときの焼結体密度が7.86g/cm3(焼結体密度比99.7%)と非常に超高密度であることからも確認される。
試料No.HS8の内で、Gr粉末の配合量が0.3〜0.6%の焼結体は、成形圧力が1568MPa以上または1960MPa以上の場合に膨れを生じた。膨れの発生は、寸法変化(特に高さ寸法)がプラス側に大きく変化していることから確認できるし、焼結体密度比が急激に低下することでも確認できる。例えば、成形体密度比が98%以上の粉末成形体を焼結させた場合、その焼結体密度比が成形体密度比の±1%を超えて90%以下にまで急激に低下していることからも、膨れが発生したと判断できる。
図1にGr粉末の配合量が0.5%の原料粉末を用いた場合の、成形体密度比および焼結体密度比と成形圧力との関係を示す。図2(a)、(b)に膨れが発生した試料(Gr粉末の配合量:0.5%、成形圧力:1960MPa)の外観写真およびその断面写真をそれぞれ示す。図2(b)から明らかなように、焼結体の内部に大きな気孔が形成されたことが膨れの原因であることが分った。
(実施例)
(1)第1実施例(試料No.HS9〜HS12)
前述のAstaloy Mo粉末と黒鉛(Gr)粉末とI番のFMS粉末とを配合、混合して種々の組成の原料粉末を調製した。この原料粉末を金型潤滑温間加圧成形法により種々の成形圧力で成形し、得られた各粉末成形体を焼結して、表1に示す試料No.HS9〜HS12の焼結体を得た。各粉末成形体および各焼結体の特性をそれぞれの原料粉末の配合組成と共に表1に示した。
試料No.HS9から分るように、FMS粉末の配合量が0.01%と極微量の場合は、Gr粉末の配合量に拘らず、成形圧力が1568MPa以上の試料に膨れが発生した。試料No.HS10から分るように、FMS粉末の配合量が0.05%の場合は、Gr粉末の配合量が0.5%で成形圧力が1568MPa以上の試料に膨れが発生した。試料No.HS11から分るように、FMS粉末の配合量が0.1%の場合は、Gr粉末の配合量が0.5%で成形圧力が1960MPa以上の試料にのみ膨れが発生した。
ここで表中の高さ変化(ΔT)は、φ23の円柱型試料の圧縮方向の寸法変化量である。このΔTが膨れの挙動を最も顕著に表している。このΔTのマイナス値は、焼結体が粉末成形体から収縮していることを意味する。ΔTがマイナスとなる焼結体であれば、膨れが発生しておらず、鉄基焼結合金部材として実用上問題はない。ΔTがプラス値であっても、ΔTが0.5%以下の焼結体なら、その密度は殆ど低下しておらず、実用上問題はない。一方、逆に、このΔTが1%を超えると、焼結体の膨れは、目視で容易に判別できるようになる。ΔTがマイナスのときは勿論、ΔTが+0.5%以下か、焼結体密度比が96%以上であれば、その焼結体は実用上問題ないと考える。
表1の各試料から、超高密度焼結体(C:0.3〜0.6%)の膨れを防止するためには、FMS粉末の配合量が0.1%以上さらには0.2%以上が好ましい。これをSi量に換算すると、Si量は0.02%以上さらには0.04%以上が好ましいといえる。
(2)第2実施例(試料No.HS13〜16)
前述のAstaloy Mo粉末と黒鉛(Gr)粉末とII番のFMS粉末とを配合、混合して種々の組成の原料粉末を調製した。この原料粉末を金型潤滑温間加圧成形法により種々の成形圧力で成形し、得られた各粉末成形体を焼結して、表2に示す試料No.HS13〜HS16の焼結体を得た。各粉末成形体および各焼結体の特性をそれぞれの原料粉末の配合組成と共に表2に示した。
試料No.HS13から分るように、FMS粉末の配合量が0.01%と極微量の場合は、Gr粉末の配合量に拘らず、成形圧力が1568MPa以上の試料に膨れが発生した。
試料No.HS14から分るように、FMS粉末の配合量が0.05%の場合、Gr粉末の配合量が0.3%で成形圧力が1568MPa以上のときまたはGr粉末の配合量が0.5%で成形圧力が1960MPa以上のときに、ΔTが少し大きなプラス値となった。しかし、これらのΔTはいずれも0.5%以下であったので、それらに膨れは発生していないといえる。
試料No.HS15およびHS16から分るように、FMS粉末の配合量が0.1%以上の焼結体は、Gr粉末の配合量や成形圧力に拘らず、いずれもΔTがマイナス値であって、それらの試料に膨れは発生していなかった。
表2の各試料から、超高密度焼結体(C:0.3〜0.6%)の膨れを防止するために、FMS粉末の配合量が0.1%以上さらには0.2%以上が好ましい。これをSi量に換算すると、Si量は0.03%以上さらには0.06%以上が好ましいといえる。
(3)第3実施例(試料No.HS17〜20)
前述のAstaloy Mo粉末と黒鉛(Gr)粉末とIII番のFMS粉末とを配合、混合して種々の組成の原料粉末を調製した。この原料粉末を金型潤滑温間加圧成形法により種々の成形圧力で成形し、得られた各粉末成形体を焼結して、表3に示す試料No.HS17〜HS20の焼結体を得た。各粉末成形体および各焼結体の特性をそれぞれの原料粉末の配合組成と共に表3に示した。
試料No.HS17から分るように、FMS粉末の配合量が0.01%と極微量の場合は、Gr粉末の配合量に拘らず、成形圧力が1568MPa以上の試料に膨れが発生した。
試料No.HS18から分るように、FMS粉末の配合量が0.05%の場合、Gr粉末の配合量が0.3%で成形圧力が1568MPa以上のときまたはGr粉末の配合量が0.5%で成形圧力が1960MPa以上のときに、ΔTがプラス値になった。しかし、これらのΔTはいずれも十分に小さく(0.15%以下)、それらに膨れの発生はない。
試料No.HS19およびHS20から分るように、FMS粉末の配合量が0.1%以上の焼結体は、Gr粉末の配合量や成形圧力に拘らず、いずれもΔTがマイナス値であって、それらの試料に膨れは発生していなかった。
表3の各試料から、超高密度焼結体(C:0.3〜0.6%)の膨れを防止するために、FMS粉末の配合量が0.05%以上、0.1%以上さらには0.2%以上が好ましい。これをSi量に換算すると、0.02%以上、0.04%以上さらには0.08%以上が好ましいといえる。
(4)第4実施例(試料No.HS11、HS15、HS19)
上述した試料No.HS11、HS15、HS19の内で、Gr粉末の配合量を0.5%、FMS粉末の配合量を0.1%、成形圧力を1568MPaとした各試料と同様の抗折試験片型焼結体をそれぞれ製造した。これらに前述した熱処理を施して抗折試験片(鉄基焼結合金部材)を得た。この試験片に抗折試験を行い、それぞれの曲げ強度特性を調べた。この結果を表4に示す。
いずれのFMS粉末を用いた試験片であっても、十分な密度、延性を発揮し、FMS粉末の種類による顕著な相違はなかった。表1〜3に示した寸法変化(ΔTおよびΔD)をも勘案すれば、II番のFMS粉末が好ましいといえるが、他のFMS粉末でも実質的に何ら問題はない。
(5)第5実施例(試料No.HS1〜HS7、試料No.C1、C2)
前述した各種の低合金粉末と黒鉛(Gr)粉末とII番のFMS粉末とを配合、混合して種々の組成の原料粉末を調製した。この原料粉末を金型潤滑温間加圧成形法により種々の成形圧力で成形し、得られた各粉末成形体を焼結して、試料No.HS1〜HS7および試料No.C1、C2の焼結体を得た。各粉末成形体および各焼結体の特性をそれぞれの原料粉末の配合組成と共に表5および表6に示した。なお、原料粉末の配合には、第5実施例の結果を踏まえてII番のFMS粉末を使用した。Astaloy Moを使用した試料No.HS1〜HS4では、FMS粉末の配合量を0.1〜1質量%の範囲で変えた。他のFe系粉末の場合はFMS粉末の配合量を0.5質量%で一定とした。但し、試料No.C1、C2はFMS粉末を配合しなかった。Gr粉末の配合量は、全試料とも0.5質量%で一定とした。
表5から次のことが分る。Distaloy AE以外のFe系粉末を用いた試料は全て、高さ変化ΔTがマイナス値で焼結体の収縮を示した。一方、Cuを1.5%も含有するDistaloy AEを使用した場合、焼結体の膨れが最も発生し易いことが分った。もっとも、Distaloy AEは、本来、1350℃というような高温で焼結させる材料ではないにも拘らず、それからなる焼結体のΔTは、+0.3%未満と、従来の普通焼結体と同程度に抑制されていた。これらのことから、FMS粉末は、Fe系粉末の種類に依らず、焼結体の膨れ抑止効果または寸法安定性効果を発揮することが確認された。
また、Distaloy AE以外のFe系粉末を用いた試料の殆どは、外径変化ΔDがマイナス値であり、特に成形圧力が1000MPaを超えている試料のΔDは±0.1%以内と非常に小さかった。このことから、本発明によれば、鉄基焼結合金部材のネットシェイプ化を十分に期待できる。
表6から次のことが分る。FMS粉末を原料粉末中に配合した試料はいずれも、Fe系粉末の種類に依らず、高強度であるのみならず延性(変形量)も優れるものであった。FMS粉末を含まない試料No.C1、C2と比較すれば明らかである。試料No.HS1〜HS4より明らかなように、Astaloy Moを使用した場合、FMS粉末の配合量が0.1〜0.2%(Mn、Si:0.03〜0.1%)のときに強度のピークが現れた。
Fe系粉末の中でも、Astaloy Moを使用した試料が最も高強度であった。しかし、Fe−Cr低合金系のKIP 30CRVやKIP 103Vを使用した試料であっても、試料No.C1、C2と比較すれば明らかに強度および延性が向上していた。
(6)第6実施例(試料No.HS29、HS21〜23)
FMS粉末の替りにFe−76.4%Si粉末を使用して焼結体を製造した。すなわち、Astaloy Mo粉末と黒鉛(Gr)粉末とFe−76.4%Si粉末(−500メッシュ)とを配合、混合して種々の組成の原料粉末を調製した。この原料粉末を金型潤滑温間加圧成形法により種々の成形圧力で成形し、得られた各粉末成形体を焼結して、表7に示す試料No.HS29、HS21〜HS23の焼結体を得た。各粉末成形体および各焼結体の特性をそれぞれの原料粉末の配合組成と共に表7に示した。
試料No.HS29中の1960MPaで成形した試料のみΔTが僅かにプラスとなったものの、0.5%以下であった。その他、いずれの試料にも膨れは発生しておらず、高さ変化ΔTおよび外径変化ΔDはいずれもマイナス値であって、寸法安定性に優れていた。表7の結果から、焼結体の膨れ防止と寸法安定性の確保にはSiが非常に有効な元素であることが確認された。なお、この場合の焼結体全体(または粉末成形体全体)中に占めるSi量は0.015〜0.15%である。
(7)第7実施例(試料No.HS24)
FMS粉末の替りにFe−75.6%Mn粉末を使用して焼結体を製造した。すなわち、Astaloy Mo粉末と黒鉛(Gr)粉末とFe−75.6%Mn粉末(−500メッシュ)とを配合、混合して種々の組成の原料粉末を調製した。この原料粉末を金型潤滑温間加圧成形法により種々の成形圧力で成形し、得られた各粉末成形体を焼結して、表8に示す試料No.HS24の焼結体を得た。各粉末成形体および各焼結体の特性をそれぞれの原料粉末の配合組成と共に表8に示した。
この場合、Gr粉末の配合量が0.3%、0.5%のいずれも成形圧力が1568MPa以上の試料では全て膨れが発生し、焼結体の高さおよび外径が拡張した。表8の結果から、Mnは、焼結体の膨れ防止と寸法の安定化にあまり効果がないことが確認された。
(8)第8実施例(試料No.HS25〜28および試料No.HS30)
FMS粉末の替りに純Si粉末を使用して焼結体を製造した。すなわち、Astaloy Mo粉末と黒鉛(Gr)粉末と純Si粉末(−500メッシュ)とを配合、混合して種々の組成の原料粉末を調製した。この原料粉末を金型潤滑温間加圧成形法により種々の成形圧力で成形し、得られた各粉末成形体を焼結して、表9に示す試料No.HS25〜28の焼結体を得た。各粉末成形体および各焼結体の特性をそれぞれの原料粉末の配合組成と共に表9に示した。
試料No.HS25およびHS26に示すように、Si量が0.01%および0.02%の場合、1568MPa以上の圧力で成形したものには膨れが発生した。これに対して、試料No.HS27、HS28およびHS30に示すように、Si量が0.03%以上の場合、1960MPaの超高圧成形したものでも膨れは発生しなかった。
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成形圧力と焼結体密度比との関係を示すグラフである。 膨れを生じた焼結体の外観写真(同図(a))と、その断面写真(同図(b))である。

Claims (15)

  1. 純鉄または鉄合金の少なくとも一方からなる鉄(Fe)系粉末と、黒鉛からなる炭素(C)系粉末と、ケイ素(Si)の単体、合金または金属間化合物の少なくとも一方からなるSi系粉末とを混合した原料粉末を加圧成形して、焼結体の理論密度(ρ’)に対する成形体の嵩密度(ρ)の比である成形体密度比(ρ/ρ’x100%)が96%以上の粉末成形体を得る成形工程と、
    該粉末成形体を酸化防止雰囲気で加熱し焼結させる焼結工程とを経て得られ、
    全体を100質量%としたときに、Siが0.01〜2質量%、Cが0.1〜0.8質量%、残部がFeおよび不可避不純物であり、
    前記理論密度(ρ’)に対する嵩密度(ρ’)の比である焼結体密度比(ρ’/ρ’x100%)が96%以上の高密度であることを特徴とする鉄基焼結合金部材。
  2. 前記Si系粉末は、Fe、MnおよびSiの合金または金属間化合物からなるFe−Mn−Si粉末であり、
    さらに、全体を100質量%としたときに、前記Siとの合計が3.5質量%以下のマンガン(Mn)を含む請求項1に記載の鉄基焼結合金部材。
  3. 全体を100質量%としたときに、0.3〜2質量%のMo、0.3〜5質量%のCrまたは0.5〜6質量%のNiの少なくともいずれかを含む請求項1または2に記載の鉄基焼結合金部材。
  4. 1回の加圧成形と1回の焼結後に得られた請求項1〜3のいずれかに記載の鉄基焼結合金部材。
  5. 純鉄または鉄合金の少なくとも一方からなるFe系粉末と黒鉛からなるC系粉末とSiの単体、合金または金属間化合物の少なくとも一方からなるSi系粉末とを混合した原料粉末を加圧成形して、焼結体の理論密度(ρ’)に対する成形体の嵩密度(ρ)の比である成形体密度比(ρ/ρ’x100%)が96%以上の粉末成形体を得る成形工程と、
    該粉末成形体を酸化防止雰囲気で加熱し焼結させる焼結工程とを備え、
    該焼結工程後に請求項1に記載した高密度の鉄基焼結合金部材が得られることを特徴とする鉄基焼結合金部材の製造方法。
  6. 前記鉄基焼結合金部材の理論密度(ρ’)に対する嵩密度(ρ’)の比である焼結体密度比(ρ’/ρ’x100%)は、前記成形体密度比に対して±1%の範囲内にある請求項5に記載の鉄基焼結合金部材の製造方法。
  7. 前記Si系粉末は、MnおよびSiの合金または金属間化合物からなるMn−Si系粉末である請求項5に記載の鉄基焼結合金部材の製造方法。
  8. 前記Mn−Si系粉末は、Fe、MnおよびSiの合金または金属間化合物からなるFe−Mn−Si粉末である請求項7に記載の鉄基焼結合金部材の製造方法。
  9. 前記Fe−Mn−Si粉末は、該Fe−Mn−Si粉末全体を100質量%として、Mnが15〜75質量%、Siが15〜75質量%、MnとSiとの合計が35〜95質量%であり、残部がFeおよび不可避不純物である請求項8に記載の鉄基焼結合金部材の製造方法。
  10. 前記Fe−Mn−Si粉末は、前記原料粉末全体を100質量%としたときに、0.01〜5質量%含まれる請求項9に記載の鉄基焼結合金部材の製造方法。
  11. 前記Si系粉末は、粒径が50μm以下の粒子からなる請求項5に記載の鉄基焼結合金部材の製造方法。
  12. 前記成形工程は、高級脂肪酸系潤滑剤が内面に塗布された前記金型内へ前記原料粉末を充填する充填工程と、
    該金型内に充填された該原料粉末を温間で加圧して該金型内面に接する該原料粉末の表面に金属石鹸皮膜を生成させる温間加圧成形工程である請求項5に記載の鉄基焼結合金部材の製造方法。
  13. 前記成形工程の成形圧力は、1150MPa以上である請求項12に記載の鉄基焼結合金部材の製造方法。
  14. 前記焼結工程は、酸素分圧が10−19Pa以下に相当する極低酸素分圧の不活性ガス雰囲気内で行う工程である請求項5に記載の鉄基焼結合金部材の製造方法。
  15. 前記焼結工程の焼結温度は、1200℃以上である請求項5に記載の鉄基焼結合金部材の製造方法。
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