JP2001089824A - クロム・モリブデン鋼焼結体の製造方法 - Google Patents

クロム・モリブデン鋼焼結体の製造方法

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JP2001089824A
JP2001089824A JP26808499A JP26808499A JP2001089824A JP 2001089824 A JP2001089824 A JP 2001089824A JP 26808499 A JP26808499 A JP 26808499A JP 26808499 A JP26808499 A JP 26808499A JP 2001089824 A JP2001089824 A JP 2001089824A
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powder
chromium
molybdenum steel
sintered compact
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Akihito Otsuka
昭仁 大塚
Masakazu Enboku
正和 遠北
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 射出成形法を用いて、高密度で高強度である
とともに、複雑な形状を有する製品も容易に得ることが
できるクロム・モリブデン鋼系焼結体の製造方法を提供
する。 【解決手段】 上記目的を達成するため本発明は、Cを
0.1〜0.5重量%、Crを0.5〜2.0重量%、Moを0.1〜
1.0重量%,Mnを0.2〜1.5重量%、Siを0.1〜1.0重
量%、残部が実質的にFeからなり不可避不純物として
酸素を0.1重量%以上含む原料粉末に、Cを含むFe粉
末を添加し、得られた混合粉末にバインダーを添加して
なる組成物を射出成形し、得られた成形体を脱バインダ
ー処理し、該成形体を非酸化性雰囲気で焼結するクロム
・モリブデン鋼焼結体の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶製材と同程度の
機械的特性を有するクロム・モリブデン鋼焼結体の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】JISに規定されているクロム・モリブ
デン鋼は、機械構造用炭素鋼材の中でも熱処理特性が優
れており、熱処理により機械的特性が向上することか
ら、自動車部品をはじめとして、幅広く使用されている
材料である。
【0003】上記材料を用い部品を製造するためには、
一般に溶製材を機械加工する切削加工法や精密鋳造法が
知られている。しかし、複雑な形状の製品を製造する場
合には、切削加工法では鋳造品を加工した板や塊状品か
ら切り出して、所定形状まで機械加工を行うため、加工
コストが上昇する上、歩留まりが悪かった。また、精密
鋳造法では、鋭利な部分での寸法精度が得られず、鋳造
時に発生する大小の気孔が内部に残留するなどの鋳造欠
陥が生じるなどの問題があった。
【0004】したがって、このような欠点を補うため
に、該当する合金組成を有する合金粉末や配合した混合
粉末を用い、粉末冶金法によって製造する試みがなされ
ている。
【0005】しかし、通常の粉末冶金法は、原料粉末を
金型に装入し、プレスによって圧縮成形を行う方法であ
るから、複雑な形状品を得ることは不可能であり、ま
た、圧縮性の要求から100μm程度の比較的大きな平
均粒径を有する原料粉末を用いるため、焼結密度が上昇
せず、その結果、高強度に必要な高密度化が難しく、さ
らに最終製品形状に仕上げるためには、切削加工を行う
必要もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の現状に鑑みなされたものであって、射出成形法を用い
て、高強度であるとともに、複雑な形状を有する製品も
容易に得ることができるクロム・モリブデン鋼系焼結体
の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、Cを0.1〜0.5重量%、Crを0.5〜2.0重量
%、Moを0.1〜1.0重量%,Mnを0.2〜1.5重量%、S
iを0.1〜1.0重量%、残部が実質的にFeからなり不可
避不純物として酸素を0.1重量%以上含む原料粉末に、
Cを含むFe粉末を添加し、得られた混合粉末にバイン
ダーを添加してなる組成物を射出成形し、得られた成形
体を脱バインダー処理し、該成形体を非酸化性雰囲気で
焼結するクロム・モリブデン鋼焼結体の製造方法であっ
て、前記非酸化性雰囲気が真空、水素あるいはアルゴ
ン、またはアルゴンパーシャル雰囲気であるクロム・モ
リブデン鋼焼結体の製造方法を特徴とする。
【0008】
【発明の実態の形態】(原料粉末と混合粉末)原料粉末
におけるC、Cr、Mo、Mn、Siの含有量をこのよ
うな組成範囲にした理由は、JISの規格をほぼ満足す
るために限定している。使用する原料粉末には、0.05〜
0.6重量%程度の酸素が含有されているため、後工程の
焼結の進行を妨げられる。
【0009】よって、Cを含むFe粉末を添加すること
により、粉末中の酸素とCとが反応してCOガスを生成
し、粉末中の酸化物の還元が円滑に進行すると共に粉末
を混合して目的組成とするため、焼結の進行が進みやす
くなり、焼結体の密度が向上する。したがって、混合粉
末へのC添加量は、CO生成反応によって消費される分
を見込み、組成範囲の量となるよう、過剰に添加する。
【0010】Cを添加する方法としては、C粉末を添加
して目的組成となる様に調整する方法も考えられるが、
C粉末は微粉末でありかつ凝集しやすいため、均一に分
散することが難しく、密度の向上が難しい。また、目的
組成の合金粉末を使用する方法においては、焼結の進行
が遅くなる結晶構造となっているため、同様に密度の向
上が難しい。
【0011】また、出発材料の各種の金属粉末は、平均
粒径で45μm以下が好ましい。平均粒径が45μmを超え
る金属粉末では、上記した特定量に配合してなる原料粉
末とバインダーからなる組成物の流動性が低下したり、
焼結体の密度が上昇しにくくなる。なお金属粉末の平均
粒径は小さい程好ましいが現状の技術水準では、平均粒
径を1μm以下とすることができないため、この2〜3
μm程度が平均粒径の下限となる。
【0012】(バインダー)バインダーとしては、射出
成形粉末冶金用として公知のポリエチレン、ポリプロピ
レン、天然ワックスなどを使用することができる。また
混合粉末に対するバインダーの配合量は、配合後の組成
物において25〜60容量%の範囲が好ましい。
【0013】前記した混合粉末とバインダーからなる組
成物を射出成形した後、得られた成形体からバインダー
を除去する方法としては、使用するバインダーの種類に
よって、加熱脱脂、溶媒脱脂、その他の公知の方法が使
用できるが、加熱脱脂装置は他の方法と比較して簡便で
あるために、量産時には窒素または水素雰囲気あるいは
真空中で行う加熱脱脂が好ましい。
【0014】(焼結処理)次に脱バインダーした成形体
を焼結する場合には、非酸化性雰囲気として真空、水素
あるいはアルゴン、またはアルゴンパーシャル(アルゴ
ン雰囲気で減圧)雰囲気などで焼結することが必要であ
る。
【0015】
【実施例】次に、本発明の実施例を比較例と共に述べ
る。
【0016】(実施例1)原料粉末として平均粒径10μ
mのFe粉末:35重量%、Crを5.0重量%、Moを
1.2重量%、Mnを3.6重量%、Siを1.1重量%、残部
がFeからなる合金粉末:20重量%、Cを0.8重量%
含有したFe粉末:45重量%を混合後、これにワック
ス系バインダーを45容量%となるように加え150℃で混
練後、ペレット状に造粒した。このペレットを射出成形
機を用いて射出圧800kg/cm2の条件で金型に射出成形し
た。得られた成形体(幅10mm、長さ50mm、厚さ5mmの直
方体)を300℃まで加熱し60分間保持してワックス系バ
インダーの除去を行った。
【0017】その後、1330℃で2時間真空中で焼結を行
い、さらに焼結体の熱処理を行った。このようにして得
られた熱処理品のC量、焼結密度および機械的特性であ
る引張強度、伸びを調べた。この際、焼結密度は比重計
で測定し、引張強度、伸びについては、JISZ2201に
よる金属材料引張試験により、引張強度、伸びを求め
た。表1に混合粉末組成、表2に機械試験結果を示す。
【0018】(実施例2)原料粉末として平均粒径10μ
mのFe粉末:10重量%、実施例1と同様の合金粉
末:20重量%、Cを0.50重量%含有したFe粉末:7
0重量%を混合後、実施例1と同様の手順で熱処理品を
製造し、特性を実施例1と同様に評価した。この試験結
果を表1、表2に示す。
【0019】(実施例3)実施例1と同様の成形体を作
成し、焼結雰囲気としてアルゴンパーシャルで行った以
外は、実施例1と同様の手順で熱処理品を製造し、特性
を実施例1と同様にして評価した。この試験結果を表
1、表2に示す。
【0020】(比較例1)原料粉末として平均粒径10μ
mのFe粉末:79.6重量%、実施例1と同様の合金
粉末:20重量%、C源として、平均粒径1μmのC粉
末:0.4重量%を用いた以外は、実施例1と同様にし
て評価を行った。これらの結果を表1、表2に示すが、
密度が低く、引張強度、伸びが劣っていた。
【0021】(比較例2) 原料粉末としてCを0.4重量
%、Crを1.1重量%、Moを0.22重量%、Mnを0.61
重量%、Siを0.21重量%、残部がFeからなる合金粉
末を用い、前記合金粉を単独でた以外は、実施例1と同
様にして評価を行った。これらの結果を表1、表2に示
すが、密度が低く、引張強度、伸びが劣っていた。
【0022】
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明の方法を用い
れば、射出成形法を用いて、高密度で高強度なクロム・
モリブデン鋼系焼結体が得られる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cを0.1〜0.5重量%、Crを0.5〜2.0重
    量%、Moを0.1〜1.0重量%,Mnを0.2〜1.5重量%、
    Siを0.1〜1.0重量%含み、残部が実質的にFeからな
    り、不可避不純物として酸素を0.05重量%以上含む原料
    粉末に、Cを含むFe粉末を添加して混合粉末とし、前
    記混合粉末にバインダーを添加してなる組成物を射出成
    形し、得られた成形体を脱バインダー処理し、該成形体
    を非酸化性雰囲気で焼結することを特徴とするクロム・
    モリブデン鋼焼結体の製造方法。
  2. 【請求項2】 非酸化性雰囲気が真空、水素、アルゴ
    ン、あるいはアルゴンパーシャル雰囲気であることを特
    徴とする請求項1記載のクロム・モリブデン鋼焼結体の
    製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9017601B2 (en) 2004-04-23 2015-04-28 Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho Iron-based sintered alloy, iron-based sintered-alloy member and production process for them
CN108637259A (zh) * 2018-04-12 2018-10-12 金华市宇辰粉末冶金有限公司 一种粉末冶金锯片上下压板及其生产方法
CN108941573A (zh) * 2018-06-26 2018-12-07 深圳市鑫迪科技有限公司 用于金属粉末注射成型的喂料粉末

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