JPH10287901A - ステンレス焼結体の製造方法 - Google Patents

ステンレス焼結体の製造方法

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JPH10287901A
JPH10287901A JP11338097A JP11338097A JPH10287901A JP H10287901 A JPH10287901 A JP H10287901A JP 11338097 A JP11338097 A JP 11338097A JP 11338097 A JP11338097 A JP 11338097A JP H10287901 A JPH10287901 A JP H10287901A
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JP
Japan
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raw material
sintered body
material powder
weight
binder
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JP11338097A
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Akihito Otsuka
昭仁 大塚
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 射出成形法を用いて、SUS420に相当す
るように耐食性に優れ、高強度である共に、複雑な形状
を有する製品も容易に得ることができるステンレス焼結
体の製造方法を提供する。 【解決手段】 Crを11〜15重量%、Cを0.15
〜0.8重量%、残部が実質的にFeからなるよう配合
された原料粉末に、バインダーを添加してなる組成物を
射出成形し、得られた成形体を脱バインダー処理し、さ
らに実質的に炭素製の囲繞体により前記脱バインダー処
理した成形体を囲い、該成形体を非酸化性雰囲気で焼結
するステンレス焼結体の製造方法を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐食性に優れ、溶
製材のSUS420Jと同程度の機械的特性を有するス
テンレス焼結体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】JISに規定されているSUS420J
は、Cr12〜14重量%、C0.16〜0.40重量
%を含有するステンレス鋼であって、耐食性および機械
的特性が優れているため、刃物あるいは耐磨耗性と耐食
性を要する構造用材に用いられており、最近ではプラス
チックの射出成形用型としての用途も拡がっている。こ
のJISにおけるSUS420Jは、420J1と42
0J2に分類されているが、420J1は主として耐磨
耗性を要する部品に、また420J2は主として刃物用
として使用されている。
【0003】上記のSUS420J製品を製造するに
は、−般に溶製材を機械加工する切削加工法や精密鋳造
法が知られているが、複雑な形状の製品を製造する場合
には、切削加工法では鋳造品を加工した板や塊状品から
切り出して、所定形状まで機械加工を行うため、加工コ
ストが上昇する上に歩留まりが悪かった。また精密鋳造
法では、鋭利な部分での寸法精度が得られず、鋳造時に
発生する大小の気孔が内部に残留するなどの鋳造欠陥が
生じるなどの問題があった。
【0004】したがってこのような欠点を補うために、
SUS420に相当する合金組成を有するステンレス合
金を粉末冶金法によって製造する試みがなされている。
しかし、通常の粉末冶金法は、原料粉末を金型に装入
し、プレスによって圧縮成形を行う方法であるから、複
雑な形状品を得ることは不可能であり、圧縮性の要求か
ら100μm程度の比較的大きな平均粒径を有する原料
粉末を用いるため、焼結密度が上昇せず、その結果耐食
性を向上することが困難であると共に、高強度に必要な
高密度化が難しく、さらに最終製品形状に仕上げるため
には、切削加工を行う必要もあった。また、焼結時にC
が表面層から蒸発する現象(脱炭と呼ばれる)が生じ、
熱処理後に所望の表面硬度が得られないという問題点も
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の現状に鑑みなされたものであって、射出成形法を用い
て、SUS420に相当するように耐食性に優れ、高強
度である共に、複雑な形状を有する製品も容易に得るこ
とができるステンレス焼結体の製造方法を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、Crを11〜15重量%、Cを0.15〜
0.8重量%、残部が実質的にFeからなるよう配合さ
れた原料粉末に、バインダーを添加してなる組成物を射
出成形し、得られた成形体を脱バインダー処理し、さら
に実質的に炭素製の囲繞体により前記脱バインダー処理
した成形体を囲い、該成形体を非酸化性雰囲気で焼結す
るステンレス焼結体の製造方法を特徴とするものであっ
て、前記原料粉末が、合金粉末または異なる組成の粉末
の混合粉末であり、かつ前記各原料粉末の平均粒径が、
45μm以下であることが好ましく、さらに前記非酸化
性雰囲気が真空、水素あるいはアルゴン、またはアルゴ
ンパーシャル雰囲気であるステンレス焼結体の製造方法
を特徴とする。
【0007】
【発明の実態の形態】
(原料粉末)出発材料である金属粉末は、目的の組成に
調整、配合された合金粉末でもよく、また異なる組成の
粉末を目標の組成に調整、配合して得られた混合粉末で
もよい。例えば、Fe−Crの合金粉末にC粉末を添加
する方法も採用できる。
【0008】原料粉末におけるCr含有量は、11〜1
5重量%の範囲である。このような組成範囲に限定した
理由は、原料粉末おけるCr含有量が11重量%未満で
は得られた焼結体の耐食性が劣り、一方Cr含有量が1
5重量%を超えると原料が高価となり焼結後の熱処理を
実施しても靭性が低下するからである。
【0009】また、C含有量は0.15〜0.8重量%
であることが必要であり、好ましくは0.3〜0.6重
量%の範囲である。原料粉末におけるC含有量が0.1
5重量%未満では、焼結後の熱処理を実施しても要求さ
れる硬度が得られないため、機械的強度が不十分とな
り、一方C量含有量が0.8重量%を超えると焼結体の
耐食性に悪影響を及ぼす。
【0010】使用する原料粉末には、0.05〜0.5
重量%程度の酸素が含有されており、後工程の焼結時
に、原料粉末中の酸素と添加したCが反応してCOガス
を生成して放出されるために焼結後のC量は減少する。
したがって、原料粉末中のCは、焼結後の焼結体におけ
るC量がほぼSUS420に相当する組成範囲である
0.15〜0.5重量%となるように過剰に添加されて
いる。
【0011】一方、出発材料の各種の金属粉末は、平均
粒径で45μm以下が好ましい。平均粒径が45μmを
超える金属粉末では、上記した特定量に配合してなる原
料粉末とバインダーからなる組成物の流動性が低下した
り、焼結体の密度が上昇しにくくなる。なお前記金属粉
末の平均粒径は、小さい程好ましいが現状の技術水準で
は、平均粒径を1μm以下とすることができないため、
この2〜3μm程度が平均粒径の下限となる。
【0012】(バインダー)バインダーとしては、射出
成形粉末冶金用として公知のポリエチレン、ポリプロピ
レン、天然ワックスなどを使用することができる。ま
た、配合原料粉末に対するバインダーの配合量は、配合
後の組成物において25〜60容量%の範囲が好まし
い。
【0013】前記した原料粉末とバインダーからなる組
成物を射出成形した後、得られた成形体からバインダー
を除去する方法としては、使用するバインダーの種類に
よって、加熱脱脂、溶媒脱脂、その他の公知の方法が使
用できるが、加熱脱脂装置は他の方法と比較して簡便で
あるために、量産時には、窒素または水素雰囲気あるい
は真空中で行う加熱脱脂が好ましい。
【0014】(焼結処理)次に脱バインダーした成形体
を焼結する場合には、実質的に炭素からなる囲繞体、例
えば板または容器で囲み、非酸化性雰囲気として真空、
水素あるいはアルゴン、またはアルゴンパーシャル(ア
ルゴン雰囲気で減圧)雰囲気などで焼結することが必要
である。炭素製の板および容器のような囲繞体で囲わな
いで焼結を行うと、試料表面で前記したような脱炭現象
が生じ、熱処理後に所望の表面硬度が得られない。しか
し炭素製の板または容器などで囲うことにより、Cの雰
囲気を作ることができ、試料表面の脱炭現象を効果的に
抑制できる。
【0015】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに以下に
説明する。 (実施例1)原料粉末として平均粒径10μmのFe−
13重量%Cr−0.45重量%Cの合金粉末を用い、
これにワックス系バインダーを45容量%となるように
加え150℃で混練後、ぺレット状に造粒した。このぺ
レットを射出成形機を用いて射出圧800kg/cm
の条件で金型に射出して成形した。得られた成形体(幅
10mm×長さ50mm×厚さ5mmの直方体)を30
0℃まで加熱して60分間保持し、ワックス系バインダ
ーを除去した。その後この脱バイダー処理した成形体を
黒鉛製の板で囲み、1350℃で2時間真空中で焼結を
行い、さらに得られた焼結体を真空ガス冷却により焼入
れし、ついで200℃で焼戻しを行った。
【0016】このようにして得られた熱処理品について
焼結密度、硬度、耐食性、残留炭素量を調ベた。この
際、焼結密度は比重計で測定し、硬度はロックウェル硬
度計にて荷重150kg(ΗRC)で測定した。また耐
食性の評価としては、3%NaCl水溶液中に室温で2
4時間浸漬し、錆の発生を目視により観察して評価し
た。その結果を表1に示す。
【0017】(実施例2)原料粉末として平均粒径11
μmのFe−13重量%Cr−0.65重量%Cの合金
粉末を用い、実施例1と同様の手順で熱処理品を調製
し、その特性を実施例1と同様にして評価した。この試
験結果を表1に示す。
【0018】(実施例3)原料粉末として平均粒径12
μmのFe−12.5重量%Crの合金粉末に、平均粒
径1μmのC粉末を0.25重量%添加して混合粉末を
得た後、実施例1と同様の手順で熱処理品を調製し、そ
の特性を実施例1と同様にして評価した。この試験結果
を表1に示す。
【0019】(比較例1)実施例1と同様な原料を使用
して、焼結時に黒鉛製の板で脱脂体を囲わなかった以外
は、実施例1と同様に処理して熱処理品を調製した後、
実施例1と同様にして評価を行った。これらの試験結果
を表1に示すが、黒鉛製の板で脱脂体を囲わなかったた
め脱炭し、十分な表面硬度が得られかった。
【0020】(比較例2)実施例2と同様な原料を使用
して、焼結時に炭素製の板で脱脂体を囲わなかった以外
は、実施例1と同様に処理して熱処理品を調製した後、
実施例1と同様にして評価を行った。これらの結果を表
1に示すが、比較例1と同様に十分な表面硬度が得られ
なかった。
【0021】(比較例3)原料粉末として平均粒径12
μmのFe−12.5重量%Crの合金粉末に、1μm
のC粉末を0.1重量%添加して混合粉末を得た後、実
施例1と同様の手順で熱処理品を調製し、実施例1と同
様にして評価を行った。これらの結果を表1に示すが、
C含有量が少ないため表面硬度は測定不能である程低か
った。
【0022】(比較例4)原料粉末として平均粒径12
μmのFe−12.5重量%Crの合金粉末に、1μm
のC粉末を0.9重量%添加して混合粉末を得た後、実
施例1と同様の手順で熱処理品を調製し、実施例1と同
様にして評価を行った。これらの結果を表1に示すが、
C含有量が多いため耐食性が悪かった。
【0023】
【表1】 ─────────────────────────────────── 処 理 前 処 理 結 果 属 性 粉末配合比(重量%) 焼結密度 硬 度 耐食性 C量 Cr C Fe (%) (ΗRC) (重量%) ─────────────────────────────────── 実施例1 13.0 0.45 残 94.2 39.5 ○ 0.28 実施例2 13.0 0.65 残 95.4 43.0 ○ 0.38 実施例3 12.5 0.25 残 93.3 30.3 ○ 0.18 比較例1 13.0 0.45 残 94.2 11.5 ○ 0.10 比較例2 13.0 0.65 残 95.3 20.2 ○ 0.22 比較例3 12.5 0.10 残 92.3 測定不可 ○ 0.01 比較例4 12.5 0.90 残 96.7 49.8 × 0.70 ─────────────────────────────────── ○:良 好 ×:悪 い 上記表1から分かる通り本発明の実施例に係るステンレ
ス焼結体は、比較例に比べて高硬度と耐食性を兼ね備え
優れているものであった。
【0024】
【発明の効果】以上述べた通り本発明に係る製造方法に
よれば、優れた強度と、耐食性を有する焼結体を容易に
かつ安定して製造することができ、また射出成形法を用
いているので、複雑な形状を有する製品でも容易に製造
することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Crを11〜15重量%、Cを0.15
    〜0.8重量%、残部が実質的にFeからなるよう配合
    された原料粉末に、バインダーを添加してなる組成物を
    射出成形し、得られた成形体を脱バインダー処理し、さ
    らに実質的に炭素製の囲繞体により前記脱バインダー処
    理した成形体を囲い、該成形体を非酸化性雰囲気で焼結
    すること特徴とするステンレス焼結体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記原料粉末が、合金粉末または異なる
    組成の粉末の混合粉末であることを特徴とする請求項1
    記載のステンレス焼結体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記各原料粉末の平均粒径が、45μm
    以下であることを特徴とする請求項1または2記載のス
    テンレス焼結体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記非酸化性雰囲気が真空、水素あるい
    はアルゴン、またはアルゴンパーシャル雰囲気であるこ
    とを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載のス
    テンレス焼結体の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008189981A (ja) * 2007-02-02 2008-08-21 Seiko Epson Corp 焼結体の製造方法および焼結体
JP2008214663A (ja) * 2007-02-28 2008-09-18 Seiko Epson Corp 焼結体の製造方法および焼結体

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008189981A (ja) * 2007-02-02 2008-08-21 Seiko Epson Corp 焼結体の製造方法および焼結体
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