JP5109231B2 - 中間転写体、及び該中間転写体を用いた画像形成装置 - Google Patents
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特に、前記像担持体に形成したトナー像を中間転写体に一次転写し、更に、中間転写体上のトナー像を記録材に二次転写する方式を採用した画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このような中間転写体の体積抵抗率とトナー像の画質との間には、下記に示すような密接な関係があることが知られている。
中間転写体の体積抵抗率ρvが低すぎる(ρv≦108Ωcm)場合、転写時のトナーの飛び散りが著しく発生し画質が低下することが知られている(例えば、特許文献10参照。)。中間転写体の体積抵抗率が低すぎる場合、1次転写ロールによる転写電界と転写電流の作用で、トナー層のない領域に転写電界が印加され易くなるために転写領域が広がり、その作用によってトナーが飛び散って転写されてしまうためと考えられる。
現在実用化されている画像形成装置の中間転写体は、体積抵抗率が中間値(108Ωcm≦ρv≦1014Ωcm)のものが使用されている。このような画像形成装置は、中間転写体の半導電性により、帯電電荷が適当に減衰する。すなわち、中間転写体の体積抵抗率の平均値は、帯電電荷が適当に減衰する範囲(体積抵抗率が適切な範囲)に有るので、除電部材を使用せずに連続して画像形成を行うことができる。
すなわち、カーボンや金属化合物などのフィラーを高分子樹脂に分散した場合には、フィラーの分散状態に起因する中間転写体内の抵抗バラツキが約1桁以上と大きいこと、フィラーとフィラー間の微少な高分子樹脂部の絶縁破壊や通電によるフィラーの再配列などによる中間転写体の低抵抗化が経時で起こることなどである。このように、印刷を繰り返すと、経時的に中間転写体の体積抵抗率が、部分的に或いは全体的に良好な体積抵抗率の幅から外れ、画像品質を低下させるという問題があった。
中間転写体の体積抵抗率ρvが高い(ρv>1014Ωcm)場合には、トナー画像領域における中間転写体の電荷保持性が増加し、転写に必要な電界を適切にトナーへ印加することができる。一方、隣接する非画像部の中間転写体表面及び内部の電荷移動は減少するため、1次及び2次転写においてこの領域へのトナー転写が起こり難くなる。このことにより、中間転写体の体積抵抗率が高い場合には、トナーの飛び散りが少なく良好な画質のトナー形成像が得られる。しかし、この場合はトナー転写後に中間転写体に蓄積した電荷を除電する工程が必要となり、除電工程で中間転写体を均一に除電することが困難なため、現在、実用化されていない。実用化されていない理由は次のとおりである。
この場合、中間転写体表面及び除電ロール表面には凹凸等があるため、回転移動する中間転写体全表面を前記アースした除電ロールに接触させることは不可能である。そして、除電ロールに接触しない中間転写体部分は中間転写体の体積抵抗率が高い状態では除電され難い。すなわち、前記中間転写体の体積抵抗率が高い場合には、前記中間転写体が除電部材を通過する短い時間で中間転写体全表面を確実に除電することは難しいという問題点がある。中間転写体表面に除電ムラが発生した場合には、次の画像形成時に中間転写体表面に1次転写されるトナー像に除電ムラに応じた濃度ムラが発生するという問題点がある。
また、放電による除電工程であるため高価な除電用高圧電源が必要になるという問題点もある。
更に、前記コロトロンを用いた除電では、多量のオゾンの発生、コロトロンへの付着物の付着による除電ムラに基づく画質欠陥の発生、NOxやO3、その他オゾン反応生成物等の放電生成物の中間転写体への付着、等の問題点がある。
なお、(1)〜(3)において、抵抗値が低下する中間転写体を使用する理由は、(1)では、特殊な方法で1次転写した中間転写体を2次転写前に除電するためであり、(2)及び(3)では、中間転写体の抵抗値低下を利用して2次転写を行うためである。すなわち、(1)〜(3)はいずれも特殊な転写を行うために、抵抗値が低下する中間転写体を使用した画像形成装置であって、通常の転写電界により転写を行う画像形成装置とは全く異なる技術である。また、(1)〜(3)はいずれも、アイデア技術であり、実用化されている技術ではない。しかも、次に説明するような問題点がある。
ここで、図7及び図8は、特許文献11である特開平7−146616号公報記載の技術の説明図である。図7において、Q1は1次転写領域、Q2は2次転写領域を示し、01a,01b(図7(B)参照)は、それぞれ、ブランケット(中間転写体)01(図7(A)参照)の表面層のカーボンを混入した導電ゴム層01a、電荷発生剤を混入したシリコンゴム層01bを示す。図7(C)において、中間転写体として光導電性を有するブランケット01を用い、このブランケット01表面をトナーの帯電極性(−)とは逆の極性(+)に帯電させる。図7(D)において、前記帯電電荷による静電気力によって感光体ドラム02からブランケット01へトナーを1次転写する。図7(E)において、1次転写後で且つ2次転写前に光Lをブランケット01及びその表面の1次転写トナー像に照射し除電する(図8(A)参照)。図7(F)において、除電によりブランケット01表面及びトナー間の結合力を弱まるので、2次転写が光照射により容易に行える。
しかし、この方式では図8(B)に示すように、感光体ドラム02上からブランケット01への1次転写が行われる前段階として中間転写体ブランケット01表面を感光体ドラム02上のトナー帯電極性と逆の極性に帯電させるため、1次転写前領域でのトナー転写が発生し、画像の乱れ、にじみ等による画質の劣化を防止することができない。
したがって、この(1)に記載の中間転写体(ブランケット01)を、カラー画像を多重転写する装置に適用した場合、良好な画質のカラー画像を多重転写を用いて得ることは非常に困難である。
ここで、図9は特許文献12である特開平5−257398号公報記載の技術の説明図である。この公報では、図9(A)及び図9(B)に示されるように、転写前領域での転写を防止することを目的とし、図9(C)に示すように、1次転写する前に転写前帯電器03によりブランケット01表面上にトナー帯電極性と同極性の予電荷を付加し、図9(D)に示すように、1次転写領域Q1で中間転写体01裏面から光照射し1次転写する方法が提案されている。
この方法では転写前領域での転写を軽減できるものの、単色の画像のみしか良好な転写像が得られず、鮮明なフルカラー画像を得ることが困難である。
この結果、1色目の除電されないトナー電荷による電界によって2色目のトナーの飛び散り、ムラが生じてしまう等の問題点がある。
ここで、図11は特許文献13である特開平6−282181号公報記載の光照射により抵抗値の低下する中間転写体を使用して光照射により転写を行う技術の説明図である。また、図12は特許文献13である特開平6−282181号公報記載の加圧力により抵抗値の低下する中間転写体を使用して加圧力の印加により転写を行う技術の説明図である。図11において、紙等の転写材04を中間転写体01上に静電的に保持し、転写領域Q1において中間転写体01の背面から光照射し、電荷発生層01cで発生したホールによる転写電界を印加して感光体ドラム02上のトナー像を転写する方式が提案されている。この方法においては、転写領域Q1で光等の作用によって中間転写体01抵抗を低下させて転写電界を印加しているため、感光体ドラム02の軸方向(紙の進行方向に対して垂直方向)には低抵抗となっている。このため、軸方向のトナー像の飛び散りやにじみを防止することが困難となってしまうという問題点がある。図12は、図11の光照射の代わりにロールによる加圧力により抵抗を低下させて転写を行う技術であるが、この図12に示す技術も前記図11に示す技術と同様の問題点がある。更に、中間転写体支持ロールの軸の曲がり、表面の凹凸等により中間転写体に均一な圧力を加えることは困難であり、圧力分布ムラによる転写ムラが発生するという問題点がある。
即ち、本発明は、転写電界を用いて1次転写及び2次転写を行う際には中間転写体の体積抵抗率が高い状態でトナーの飛散を抑制することができ、前記転写電界により発生する中間転写体の帯電電荷の除電を容易に行える中間転写体を提供することを目的とする。
また、本発明は、このような中間転写体と該中間転写体の帯電電荷を除電する除電手段とを備えることで、従来の中間転写体では困難であったトナーの飛び散り(ブラー)による画質欠陥が著しく少なく、高品質の転写画質を安定して得ることができる画像形成装置を提供することを他の目的とする。
即ち、本発明は、
<1> 基材と、該基材上に設けられた表面層と、を有する中間転写体であって、
前記表面層が、電荷輸送材料、電荷発生材料、及び結着樹脂を含有してなる光導電層であり、
前記電荷輸送材料が、下記一般式(I)のヒドラゾン化合物、又は(3,4−ジメチルフェニル)(4−フェニルフェニル)アミンから選択される少なくとも1種であることを特徴とする中間転写体である。
〔一般式(I)中、R 1 〜R 4 は、各々独立に、アルキル基又はアリール基を表す。〕
前記表面層が、電荷輸送層、及び該電荷輸送層の前記基材側に設けられる光導電層であることを特徴とする<1>に記載の中間転写体である。
<3> 前記電荷発生材料が、Cukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、少なくとも、7.6°,10.0°,25.2°,28.0°の位置に回折ピークを有する結晶型に代表されるヒドロキシガリウムフタロシアニンであることを特徴とする<1>又は<2>に記載の中間転写体である。
式(1)
(SF)=[(トナー粒子の絶対最大長)2×π×100]/[(トナー粒子の投影面積)×4]
また、このような中間転写体と該中間転写体の帯電電荷を除電する除電手段とを備えることで、トナーの飛び散り(ブラー)による画質欠陥が著しく少なく、高品質の転写画質を安定して得ることができる画像形成装置を提供することができる。
<中間転写体>
本発明の中間転写体は、基材と、該基材上に設けられた表面層と、を有する中間転写体であって、前記表面層が光導電層であることを特徴とする。
また、本発明の他の中間転写体は、基材と、該基材上に設けられた表面層と、を有する中間転写体であって、前記表面層が、電荷輸送層、及び該電荷輸送層の前記基材側に設けられる電荷発生層を有する光導電層であることを特徴とする。
なお、本発明の中間転写体は、ドラム状又はベルト状に構成することが可能である。
以下、本発明の中間転写体を構成する各部材について説明する。
本発明の中間転写体においては、表面層は、(1)光導電層、若しくは、(2)電荷輸送層、及び該電荷輸送層の基材側に設けられる電荷発生層を有する光導電層であることを特徴とする。
ここで、本発明における光導電層は、いずれも、光が照射されない状態では誘電体であり体積抵抗率が高く、かつ、光が照射されると導電性を示す。
このように、本発明における表面層は、いずれも、光導電層であるため、光未照射時には、誘電体の体積抵抗率を有し、光照射時には導電性を示すことになり、光の照射により、抵抗率が変化する層である。
ここで、本発明における「体積抵抗率が高く(高い)」とは、表面層である光導電層に対し、光が照射されてない状態での体積抵抗率が1×1013.5Ωcm以上であることを指し、好ましくは、体積抵抗率が1×1014Ωcm以上である。
以下、本発明における表面層の態様について説明する。
このように、単層構造の光導電層である表面層を備える中間転写体は、図1に示されるように、基材110上に単層構造の光導電層(表面層)121が設けられている構成であるば、必要に応じて、任意の層、例えば、下引層や表面保護層を含んでいてもよい。ここで、図1は、本発明の中間転写体の構成例を示す概略断面図である。
以下、このような単層構造の光導電層を構成する各成分について順に説明する。
本発明における電荷輸送材料は、下記一般式(I)で表されるヒドラゾン系化合物(以下、適宜、「特定ヒドラゾン系化合物」と称する。)、又は(3,4−ジメチルフェニル)(4−フェニルフェニル)アミンから選択される少なくとも1種である。
R1〜R4で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、中でも、好ましくは、メチル基である。
また、R1〜R4で表されるアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基、ピレニル基等が挙げられ、中でも、好ましくは、フェニル基、ナフチル基である。
1.化合物1:R1=メチル基、R2=フェニル基、R3=メチル基、R4=フェニル基
2.化合物2:R1=メチル基、R2〜R4=フェニル基
3.化合物3:R1〜R4=フェニル基
4.化合物4:R1=メチル基、R2=ナフチル基、R3=メチル基、R4=フェニル基
5.化合物5:R1=メチル基、R2=ナフチル基、R3、R4=フェニル基
6.化合物6:R1=フェニル基、R2=ナフチル基、R3、R4=フェニル基
7.化合物7:R1=フェニル基、R2=ナフチル基、R3=フェニル基、R4=ナフチル基
8.化合物8:R1〜R4=ナフチル基
9.化合物9:R1=フェニル基、R2=フェナントリル基、R3、R4=フェニル基
10.化合物10:R1=フェニル基、R2=ピレニル基、R3、R4=フェニル基
なお、上記化合物において、置換基がナフチル基やフェナントリル基である場合には、その置換位置は、ナフチル基ではα位、β位、フェナントリル基では1位〜10位のいずれの個所でもかまわない。
なお、上記特定ヒドラゾン系化合物と従来公知のヒドラゾン系化合物とを併用する場合、電荷輸送材料の総量に対して、特定ヒドラゾン系化合物が50質量%以上含有されることが好ましく、70質量%以上含有されることがより好ましい。
本発明において、単層構造の光導電層を構成する電荷発生材料としては、非晶質セレン,結晶性セレン,セレン−テルル合金,セレン−ヒ素合金,その他のセレン化合物及びセレン合金、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機系光導電体及びこれらを色素増感したもの、無金属フタロシアニン,チタニルフタロシアニン,銅フタロシアニン,錫フタロシアニン,ガリウムフタロシアニンなどの各種フタロシアニン顔料、スクエアリウム系、アントアントロン系、ペリレン系、アゾ系、アントラキノン系、ピレン系、ピリリウム塩、チアピリリウム塩等の各種有機顔料及び染料が用いられる。また、これらの有機顔料は一般に数種の結晶型を有しており、特に、フタロシアニン顔料ではα型、β型などをはじめとしてさまざまな結晶型が知られているが、目的にあった感度その他の特性が得られる顔料であるならば、これらのいずれの結晶型でも用いることが可能である。
なお、結晶の形状や測定方法によりこれらのピーク強度の位置が微妙にこれらの値から外れることも有るが、X線回折パターンが基本的に一致しているものであれば同じ結晶型であると判断できる。
また、これらの電荷発生材料は、1種又は2種以上を組み合せて使用できる。
本発明において、単層構造の光導電層を構成する結着樹脂としては、任意のものを用いることができるが、特に上記電荷輸送材料と相溶性を有し、適当な強度を有するものが望ましい。
具体的には、以下のものを例示することができる。例えば、ビスフェノールAタイプ或いはビスフェノールZタイプなどのポリカーボネート樹脂及びその共重合体、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾールなどである。
このような結着樹脂の分子量は、光導電層の膜厚や溶剤などの成膜条件によって適宜選択されるが、通常は、粘度平均分子量で3000〜30万、より好ましくは2万〜20万の範囲が適当である。
これらの結着樹脂は、単独或いは2種以上混合して用いることが可能である。
本発明において、単層構造の光導電層には、電子写真装置中で発生するオゾンや酸化性ガス、或いは、光・熱による劣化を防止する目的で、酸化防止剤・光安定剤・熱安定剤などの添加剤を添加することができる。
例えば、酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノン及びそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物などが挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチル−フェノール)、4,4’−チオ−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシ−フェニル)プロピオネート]−メタン、3,9−ビス[2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリルなどが挙げられる。
有機燐系酸化防止剤としては、トリスノニルフェニルフォスフィート、トリフェニルフォスフィート、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−フォスフィートなどが挙げられる。
有機硫黄系及び有機燐系酸化防止剤は、2次酸化防止剤と言われフェノール系或いはアミン系などの1次酸化防止剤と併用することにより相乗効果を得ることができる。
これらの酸化防止剤は、単層構造の光導電層の全固形分中、0.1〜3.0質量%の範囲で添加されていることが好ましく、0.2〜2.0質量%の範囲で添加されていることがより好ましい。
ここで、光安定剤の具体的な化合物例を下記に示す。
ベンゾフェノン系光安定剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジ−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
ベンゾトリアゾール系系光安定剤としては、2−(−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラ−ヒドロフタルイミド−メチル)−5’−メチルフェニル]−ベンゾトリアゾール、2−(−2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル−)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル−)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−t−ブチルフェニル−)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)−ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
その他の化合物としては、2,4,ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ニッケルジブチル−ジチオカルバメートなどがある。
これらの光安定剤は、単層構造の光導電層の全固形分中、0.1〜3.0質量%の範囲で添加されていることが好ましく、0.2〜2.0質量%の範囲で添加されていることがより好ましい。
以下に、フッ素系樹脂粒子を添加した場合の単層構造の光導電層の構成例を示す。
フッ素系樹脂粒子としては、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂及びそれらの共重合体の中から1種或いは2種以上を適宜選択するのが望ましいが、特に、4フッ化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂が好ましい。
フッ素系樹脂粒子の単層構造の光導電層中の含有量は、層全量に対し、0.1〜40質量%が適当であり、特に1〜30質量%が好ましい。含量が1質量%未満ではフッ素系樹脂粒子の分散による改質効果が十分でなく、一方、40質量%を越えると光通過性が低下し、かつ、繰返し使用による残留電位の上昇が生じてくる。
前記フッ素系樹脂粒子の一次粒子径は、0.05〜1μmがよく、更に好ましくは0.1〜0.5μmが好ましい。一次粒子径が0.05μmを下回ると分散時の凝集が進みやすくなる。一方、1μmを上回ると画質欠陥が発生し易くなる。
無機粒子の単層構造の光導電層中含有量は、層全量に対し、0.1〜30質量%が適当であり、特に1〜20質量%が好ましい。含量が1質量%未満では無機粒子の分散による改質効果が十分でなく、一方、30質量%を越えると繰返し使用による残留電位の上昇が生じてくる。
無機粒子としては、例えば、アルミナ、シリカ(二酸化珪素)、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫化亜鉛、酸化マグネシウム、硫酸銅、炭酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、硫酸ニッケル、アンチモン、二酸化マンガン、酸化クロム、酸化錫、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、炭化ケイ素、炭化チタン、炭化ホウ素、炭化タングステン、炭化ジルコニウム、これらのうち1種を、又は必要に応じて2種以上が用いられるが、好ましくはシリカが用いられる。シリカ粒子としては、化学炎CVD法により製造されるのが好ましく、具体例としては、クロルシランガスを酸素−水素混合ガス又は炭化水素−酸素混合ガスの高温火炎中で気相反応させて、シリカ微粒子を得る方法が好ましい。
このような離型性固体粒子を分散した単層構造の光導電層を形成する塗布液の分散例としては、溶媒に溶解した結着樹脂、電荷輸送物質などの溶液中に、フッ素系樹脂粒子や無機粒子を分散する方法が挙げられる。
分散助剤として、フッ素系界面活性剤、フッ素系ポリマー、シリコーン系ポリマー、シリコーンオイル等が挙げられる。中でも、フッ素系ポリマー、特に、フッ素系クシ型グラフトポリマーが分散助剤として有効であり、フッ素系クシ型グラフトポリマーとしては、アクリル酸エステル化合物、メタクリル酸エステル化合物、スチレン化合物等からなるマクロモノマー及びパーフルオロアルキルエチルメタクリレートよりグラフト重合された樹脂が好ましい。
本発明において、単層構造の光導電層は、上記の各成分を含む塗布液を調製し、これを所望の基材上に塗布することで形成される。
塗布液を調製する際に用いられる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素系、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状或いは直鎖状エーテル、或いはこれらの混合溶剤などを用いることができる。
また、電荷発生材料を結着樹脂に分散する方法としては、電荷発生物質を結着樹脂中に分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、ダイノーミル、サンドミル、コロイドミルなどの方法を用いることができる。
このような多層構造の光導電層である表面層を備える中間転写体は、基材上に、電荷発生層と電荷輸送層とがこの順に設けられている必須の構成であれば、必要に応じて、任意の層、例えば、下引層や表面保護層を含んでいてもよい。
下記に、図2を用いて、この多層構造の光導電層を備える中間転写体について順に説明する。
図2(A)に示されるように、本発明の中間転写体100aの構成としては、基材110と、下引層122、電荷発生層124、及び電荷輸送層126からなる表面層120と、を含む。
また、図2(B)に示されるように、本発明の中間転写体100bの構成としては、基材110と、下引層122、電荷発生層124、電荷輸送層126、及び表面保護層128からなる表面層120と、を含む。
このような中間転写体100a及び100bでは、電荷発生層124及び電荷輸送層126により光導電層が構成される。
電荷発生層は、基材と電荷輸送層との間に設けられる層であって、光が照射された状態で電荷を発生する機能を有する。かかる電荷発生層は、電荷発生物質を真空蒸着により形成するか、電荷発生物質を有機溶剤及び結着樹脂と共に分散し、塗布することにより形成される。
また、電荷発生層において用いられる結着樹脂としては、上記単層構造の光導電層を構成する電荷発生材料と同様のものが用いられる。また、これらの結着樹脂は、単独或いは2種以上混合して用いることが可能である。
電荷発生物質を結着樹脂中に分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、ダイノーミル、サンドミル、コロイドミルなどの方法を用いることができる。
また、電荷発生層の厚みは、一般には、0.01〜5μm、好ましくは、0.05〜2.0μmの範囲に設定される。
なお、電荷発生層の反射光量は、単に膜厚のみならず、照射光に対する顔料の吸収係数、顔料と結着樹脂との配合比、及び顔料の分散状態によっても影響を受けるために、単に膜厚からでは規定されない。
電荷輸送層は、上述した電荷発生層表面に設けられる層であって、光が照射されない状態では誘電体層であり体積抵抗率が高く、かつ、光が照射された状態では負極性の電子又は正極性のホールのいずれかのキャリアにより電荷を輸送する機能を有する。かかる電荷輸送層は、電荷発生物質及び結着樹脂を適当な溶媒に溶解し、それを塗布することにより形成される。
結着樹脂の例として、ビスフェノールAやビスフェノールZ,ビスフェノールC,ビスフェノールTPなどからなる各種のポリカーボネート樹脂やその共重合体;ポリアリレート樹脂やその共重合体;ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノールーホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂、アチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂などが挙げられる。
これらの結着樹脂は単独或いは2種以上の混合物として使用することができる。
本発明で用いられる結着樹脂の分子量は、電荷輸送層の膜厚や溶剤などの成膜条件によって適宜選択されるが、通常は、粘度平均分子量で3000〜30万、より好ましくは2万〜20万の範囲が適当である。
電荷輸送層の形成に使用される溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素系;アセトン、2−ブタノン等のケトン類;塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状或いは直鎖状エーテル;或いはこれらの混合溶剤などを用いることができる。
また、塗布液には、塗膜の平滑性向上のためのレベリング剤として、シリコーンオイルを微量添加することもできる。
電荷輸送物質と結着樹脂との配合比は10:1〜1:5が好ましい。
電荷輸送層の膜厚は、一般に5〜50μm、好ましくは、10〜40μmの範囲に設定される。
上記酸化防止剤は、電荷輸送層の全固形分中、0.1〜3.0質量%の範囲で添加されていることが好ましく、0.2〜2.0質量%の範囲で添加されていることがより好ましい。
また、上記光安定剤は、電荷輸送層の全固形分中、0.1〜3.0質量%の範囲で添加されていることが好ましく、0.2〜2.0質量%の範囲で添加されていることがより好ましい。
本発明における電荷輸送層に用いられる電子受容性物質としては、例えば、無水琥珀酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸などを挙げることができる。これらのうち、フルオレノン系、キノン系や、Cl,CN,NO2等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体が特によい。
これらの電子受容性物質は、電荷輸送層中、3〜30質量%の範囲で添加されていることが好ましく、5〜20質量%の範囲で添加されていることがより好ましい。
このフッ素系樹脂粒子や無機粒子の具体例、一次粒子径、層中の含有量、及び分散方法等については、上記単層構造の光導電層を構成する離型性固体粒子と同様である。
本発明における下引層は、図2(A)及び(B)に示されるように、基材110と電荷発生層124との間に設けられる層であって、電気的なブロッキング層の役割と、上層である電荷発生層との濡れ性改善の役割と、を果たす。
また、単層構造の光導電層を備える中間転写体の場合には、下引層は、電気的なブロッキング層の役割と、上層である単層構造の光導電層との濡れ性改善の役割と、を果たす。
かかる下引層は、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂などの高分子樹脂化合物の他に、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、シリコン原子などを含有する有機金属化合物などの材料から形成される。これらの化合物は単独に或いは複数の化合物の混合物或いは重縮合物として用いることができる。中でも、ジルコニウム原子若しくはシリコン原子を含有する有機金属化合物は、残留電位が低く環境による電位変化が少なく、また繰り返し使用による電位の変化が少ないなど性能上優れている。有機金属化合物は単独・混合で、或いは上述の樹脂と混合して用いることが可能である。
本発明においては、中間転写体の耐磨耗性を向上させ寿命を延ばしたり、電荷輸送層の化学的変化を防止するなどの目的から、電荷輸送層上に表面保護層を形成することも可能である。
また、単層構造の光導電層を備える中間転写体の場合にも、中間転写体の耐磨耗性を向上させ寿命を延ばしたり、単層構造の光導電層の化学的変化を防止するなどの目的で、該光導電層上に表面保護層を形成することも可能である。
表面保護層の例としては、絶縁性樹脂からなる絶縁性表面保護層、金属酸化物などの抵抗制御剤を分散した抵抗制御型表面保護層、電荷輸送性を付与した高分子化合物などによる電荷輸送性表面保護層などが挙げられる。
抵抗制御剤としては、カーボンブラックや金属、金属酸化物などの粒子を用いることができる。粒子径は、100nm以下であることが好ましい。
金属酸化物の例として、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アンチモン被覆酸化スズ、酸化ケイ素、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化銅、酸化マンガン、酸化モリブデン、酸化タングステン、硫酸バリウムと酸化アンチモンとの固溶体、上記金属酸化物の混合物、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛又は硫酸バリウムの単一粒子中に上記の金属酸化物を混合したもの、或いは、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛又は硫酸バリウムの単一粒子に上記の金属酸化物を被覆したものが挙げられる。
また、N,N’−ジメチルフェロセン等のメタロセン化合物、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン等の芳香族アミン化合物などを抵抗制御剤(粒子)の調整剤として用いることができる。
更に、これらの金属酸化物は、必要に応じて分散性等諸特性の改善のためシランカップリング剤やチタンカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤などの有機化合物で表面処理を行うことも可能である。
抵抗制御剤は、結着樹脂に分散して成膜されるが、適当な塗膜抵抗を得るために抵抗制御剤の添加量は調整される。抵抗制御剤の添加量としては、結着樹脂固形分中に、10〜60体積%、好ましくは20〜50体積%が含有される。
電荷輸送性表面保護層としては、分子内に電荷輸送性を付与した高分子化合物(以下、電荷輸送性高分子化合物と称する場合がある。)を用いることや、シリコーンハードコート剤等の強靭なコート剤中に低分子の電荷輸送剤を分子レベルで分散させるなどして電荷輸送機能をもたせた樹脂成分を用いることができる。
電荷輸送性高分子化合物の例としては、シリコーンポリマーの分子内に電荷輸送性基を付与したものが挙げられる。また、ポリビニカルバゾール等の電荷輸送能を有する基を側鎖に含む高分子化合物、特開平5−232727号公報等に開示されているような電荷輸送能を有する基を主鎖に含む高分子化合物、及びポリシラン等も挙げることができる。
また、電荷輸送性高分子化合物として、電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックよりなるブロック共重合体又はグラフト共重合体を使用することもできる。電荷輸送性高分子化合物が、トリアリールアミン構造を繰り返し単位として含有する場合は、高い電荷輸送能と好ましい機械的特性を有しているので好ましく、また、トリアリールアミン構造がペンダント型ではなく、主鎖中に含有している場合は、更に好ましい。ペンダント型であると、ペンダント同士が会合し、電荷トラップを形成し電荷輸送性を悪化する場合が多いが、主鎖中に含有されていることでこのような問題を回避できる。
更に、電荷輸送性高分子化合物が、主鎖中にトリアリールアミン構造が含有されているものである場合には、主鎖中には下記一般式(1)又は下記一般式(2)で表される構造の少なくとも1種以上を繰り返し単位として含むトリアリールアミン構造が含有されていることが好ましい。
表面保護層の厚みは0.1〜20μmであることが好ましく、より好ましくは1〜10μmに設定される。この表面保護層を形成するための塗布液の塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、リングコーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
また、表面保護層を形成するための塗布液に用いる溶剤としては、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン、アルコール等の通常の有機溶剤を単独或いは2種以上混合して用いることができるが、できるだけこの塗布液が塗布される感光層を溶解しにくい溶剤を用いることが好ましい。
次に、本発明の中間転写体を構成する基材について説明する。
本発明における基材は、その形状に特に制限はなく、ベルト状やドラム状に構成することができる。
本発明における基材は、色ずれの観点から、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂で構成され、かつ、ヤング率が1,000Mpa以上であることが好ましい。基材を構成する樹脂材料としては、上記のようなヤング率を満足することができれば、特に限定はない。
また、本発明における基材は、体積抵抗率が1×106〜1×1013Ωcmの半導電性であることが好ましく、より好ましい体積抵抗率は、1×109〜1×1012Ωcmである。前記基材の体積抵抗率が1×106Ωcm未満の場合には、後述するタンデム式画像形成装置にこの中間転写体を適用すると、1次転写の各色間での抵抗が低いために転写部で必要な転写電圧が印加できなくなる場合がある。また、1×1013Ωcmを超える場合には、電荷の除去が十分にできないなどの問題が発生する場合がある。
これらの有機極性溶媒には、必要に応じて、クレゾール、フェノール、キシレノール等のフェノール類、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類を混合することができる、これらの溶剤も、単独で、又は2種類以上の混合物として用いられる。
本発明における基材は、下記の導電剤を分散してなるポリイミド樹脂から構成され、上記の体積抵抗率を有するものであることが好ましい態様である。
本発明における基材は、下記の導電剤を分散してなるフッ素系樹脂から構成され、上記の体積抵抗率を有するものであることが好ましい態様である。
本発明における基材には、上記の体積抵抗率(電気抵抗)を得るために、必要に応じて、電子伝導性を付与する導電剤やイオン伝導性を付与する導電剤が、1種類又は2種類以上を組み合わせて添加される。
更には、導電性ポリマーをブレンドする方法があり、導電性ポリマーとしては、例えば、カルボキシル基に4級アンモニユム塩基を結合する(メタ)アクリレートとの各種(例えばスチレン)共重合体、4級アンモニウム塩基と結合するマレイミドとメタアクリレートとの共重合体等の4級アンモニウム塩基を結合するポリマー、ポリスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸のアルカリ金属塩を結合するポリマー、分子鎖中に少なくともアルキルオキシドの親水性ユニットを結合するポリマー、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール系ポリアミド共重合体、ポリエチレンオキド−エピクロルヒドリン共重合体ポリエーテルアミドイミド、ポリエーテルを主セグメントとするブロック型のポリマー、更には、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリフェニレンビニレンなどを挙げることができ、これらの導電性ポリマーを脱ドープ状態、又はドープ状態で用いることができる。上記、導電剤又は導電性ポリマー、又は、界面活性剤を1種又は2種以上を組み合わせ用いることによって、前記した電気抵抗を安定して得ることができる。
pH5以下の酸性カーボンブラックは、カーボンブラックを酸化処理することで、カルボキシル基、キノン基、ラクトン基、水酸基等を付与して製造することができる。この酸化処理は、高温雰囲気下で、空気と接触され、反応させる空気酸化法、常温下で窒素酸化物やオゾンと反応させる方法、及び高温下での空気酸化後、低い温度下でオゾン酸化する方法などにより行うことができる。具体的には、pH5以下の酸性カーボンブラックは、コンタクト法により製造することができる。このコンタクト法としては、チャネル法、ガスブラック法等が挙げられる。また、酸性カーボンブラックは、ガス又はオイルを原料とするファーネスブラック法により製造することもできる。更に必要に応じて、これらの処理を施した後、硝酸などで液相酸化処理を行ってもよい。なお、酸性カーボンブラックは、コンタクト法で製造することができるが、密閉式のファーネス法によって製造するのが通常である。ファーネス法では通常高pH・低揮発分のカーボンブラックしか製造されないが、これに上述の液相酸処理を施してpHを調整することができる。このため本発明においては、ファーネス法製造により得られるカーボンブラックで、後工程処理によりpHが5以下となるように調節されたカーボンブラックも、pH5以下の酸性カーボンブラックに含まれるとみなす。
これに対し前記揮発成分の含有量を1〜25%とすることで、前記樹脂組成物中への分散をより良好とすることができる。尚、前記揮発成分の含有は、カーボンブラックを950℃で7分間加熱したときに、出てくる有機揮発成分(カルボキシル基、水酸基、キノン基、ラクトン基等)の割合により求めることができる。
本発明において、上述した光導電層により構成される表面層は、光が照射されない状態では誘電体であることから、上述したように、体積抵抗率は1×1013.5Ωcm以上、好ましくは1×1014Ωcm以上である。また、光が照射された状態では、抵抗率が変化して、導電性を示す。
一方、光導電層が電荷輸送層及び電荷発生層からなる場合にも、光が照射されない状態では、電荷輸送層が誘電体として機能することから、上述したように、体積抵抗率は1×1013.5Ωcm以上、好ましくは1×1014Ωcm以上である。また、光が照射された状態では、電荷発生層が電荷を発生することから、抵抗率が変化して、導電性を示す。
なお、中間転写体自体も光が照射された状態では、抵抗率が変化して、導電性を示す。
図3に示す円形電極は、第一電圧印加電極A’と第二電圧印加電極B’とを備える。第一電圧印加電極A’は、円柱状電極部C’と、該円柱状電極部C’の外径よりも大きい内径を有し、且つ円柱状電極部C’を一定の間隔で囲む円筒状のリング状電極部D’とを備える。第一電圧印加電極A’における円柱状電極部C’及びリング状電極部D’と第二電圧印加電極B’との間に中間転写体1を挟持し、第一電圧印加電極A’における円柱状電極部C’と第二電圧印加電極B’との間に電圧V(V)を印可したときに流れる電流I(A)を測定し、下記式(2)により、中間転写体1の体積抵抗率ρv(Ωcm)を算出することができる。ここで、下記式(2)中、tは、中間転写体1の厚さを示す。
式(2) ρv=19.6×(V/I)×t
なお、同様の方法により、上記光導電層や基材の体積抵抗率を測定することもできる。
本発明の中間転写体は、表面層(光導電層)側の表面微小硬度が30度以下であることが好ましく、25度以下であることがより好ましい。本発明者らは、表面層側の表面微小硬度と、ホロキャラクターの発生レベルには極めて正確な相関があることを発見した。即ち、本発明の中間転写体は、表面層側の表面微小硬度が30度以下、より好ましくは25度以下の場合には、後述する画像形成装置に用いた場合、バイアスローラの押圧力によって転写面(表面層)の変形が起こり、これにより半導電性上のトナーに集中していた押圧力は分散される。このためトナーは凝集せず、ライン画像が中抜けするホロキャラクター等の画質欠陥が発生しない。
表面微小硬度の測定に際しては、表面層側の最表面層12の表面部分に所定形状の針状圧子10の先端を、荷重(mN)を荷重0から所定荷重Pとなるまで押圧する。このときの針状圧子10の表面層側の最表面層12中への垂直方向の食い込み深さをD(μm)とした場合、表面微小硬度DHは下記式(3)で表される。
式(3) DH≡αP/D2
ここで、式(3)におけるαは圧子形状による定数で、α=3.8584(使用圧子:三角錐圧子の場合)である。
なお、本発明における表面層側の表面微小硬度は、下記の方法によって求めた。中間転写体を構成する表面層材料のシートを5mm角程度に切り、その小片を瞬間接着剤で硝子板に固定する。この試料の表面微小硬度を超微小硬度計DUH−201S(株式会社島津製作所製)を用いて測定する。測定条件は、以下の通りである。
測定環境:23℃、55%RH
使用圧子:三角錐圧子
試験モード:3(軟質材料試験)
試験荷重:6.9×10-3N(0.70gf)
負荷速度:0.142×10-3N(0.0145gf/sec)
保持時間:5sec
本発明の中間転写体を中間転写ベルトとして使用する場合、その厚みは、総厚みで0.03〜1.0mmの範囲内であることが好ましく、0.05〜0.8mmの範囲内であることがより好ましく、0.1〜0.5mmの範囲内であることが更に好ましい。
総厚みが0.03mm未満の場合には、ベルト駆動時の外乱(負荷変動)によるベルトの伸び・縮み(変位量)が大きくなり、良好な画質を安定して得ることができない場合がある。また、総厚みが1.0mmを超える場合には、駆動系ロールなどのベルト屈曲部でのベルトの外側表面の変形量が大きくなり、良好な画質を得られない場合がある。また、ベルトの外側と内側との変形量が大きくなり、局部的な繰り返し応力のためにベルトが破断するなどの問題が生じる場合がある。
なお、表面層(光導電層)の厚みは、中間転写体の総厚みの10〜80%の範囲内であることが好ましく、20〜60%の範囲内であることがより好ましい。
本発明の画像形成装置は、中間転写体方式の画像形成装置であり、当該中間転写体として上述の本発明の中間転写体を用い、該中間転写体の表面に形成されたトナー像を転写材ヘ転写した後に、当該中間転写体の表面を光照射により除電する光除電手段と、を備えていれば、他の構成は特に限定されるものではない。例えば、現像装置内に単色のトナーのみを収容する通常のモノカラーの画像形成装置や、感光体ドラム等の像担持体上に担持されたトナー像を中間転写体に順次一次転写を繰り返すカラー画像形成装置、各色毎の現像器を備えた複数の像担持体を中間転写体上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置等のいずれでもよい。
また、本発明の画像形成装置は、複数の中間転写体を備える構成であってもよい。その際、本発明の画像形成装置は、複数の中間転写体のうち少なくとも1つが、上述の本発明の中間転写体であればよく、全てが本発明の中間転写体であることが好ましい。
なお、後述する、図5及び図6を参照して説明する画像形成装置においては、「転写材」は記録材である。
図5は本発明の画像形成装置の要部部分を説明する模試図である。該画像形成装置は、像担持体としての感光体ドラム21、中間転写体としての中間転写ベルト22、中間転写ベルト22を除電する除電ランプ91(光除電手段)、転写電極であるバイアスローラ23(第二転写手段)、転写媒体である記録紙を供給する用紙トレイ24、Bk(ブラック)トナーによる現像器25、Y(イエロー)トナーによる現像器26、M(マゼンタ)トナーによる現像器27、C(シアン)トナーによる現像器28、中間転写体クリーナー29、剥離爪33、ベルトローラ41、43及び44、バックアップローラ42、導電性ローラ45(第一転写手段)、電極ローラ46、クリーニングブレード51、記録紙61、ピックアップローラ62、並びにフィードローラ63を有してなる。なお、図5に示される中間転写ベルト22が上述した本発明の中間転写体である。
加えて、ベルトローラ44と導電性ローラ45との間の中間転写ベルト22の外周面側には除電ランプ91が設置されており、また、その内周部に当接するように、アースされた(不図示)除電用導電部材90が設置されている。
中間転写ベルト22に転写された多重トナー像は、中間転写ベルト2の回転でバイアスローラ23(第二転写手段)が設置された二次転写部に到る。二次転写部は、中間転写ベルト22のトナー像が担持された表面側に設置されたバイアスローラ23と該中間転写ベルト22の裏側からバイアスローラ23に対向するように配置されたバックアップローラ42及びこのバックアップローラ42に圧接して回転する電極ローラ46から構成される。
図5に示される中間転写ベルト22は、画像形成装置の感光体ドラム21表面に接触する1次転写領域Q3、記録紙61に接触する2次転写領域Q4、及び、除電ランプ91による除電領域Q5を順次通過するように矢印B方向に回転移動する。ここで、1次転写領域Q3及び2次転写領域Q4を通過時の中間転写ベルト22は光照射されず、誘電体の状態である。中間転写ベルト22は、1次転写領域Q3の通過時に、感光体ドラム21表面のトナー像が1次転写され、1次転写されたトナー像が2次転写領域Q4の通過時に記録紙61に2次転写される。
このように、本発明の中間転写体である中間転写ベルト22は、その表面層(光導電層)が、光が照射されない状態では誘電体であり体積抵抗率が高いので、1次転写及び2次転写する際には誘電体(絶縁体)の状態で転写を行うことができる。この際、中間転写ベルト22の表面層(光導電層)の表面に沿った電荷の移動が少ないので、1次転写領域Q3及び2次転写領域Q4において、トナー像の飛散の少ない良好な転写を行うことができる。
負帯電トナーの場合には、導電性ローラ45(1次転写手段)に正電圧を印加して1次転写を行う。これにより、1次転写後の中間転写ベルト22は、裏面側に導電性ローラ45による正の電荷が蓄積し、表面側にはトナー及びカウンタチャージによる負の電荷が蓄積される。カラー画像を得る場合には、2色目以降順次1次転写電圧を上げていき、中間転写ベルト22上に複数色のトナー像を形成すればよい。
ここで、中間転写ベルト22の表面電位が残っている状態で次の画像の1次転写工程を行うと、蓄積した電荷の不均一さによる1次転写ムラの発生により画像のにじみ、飛び散り、太り等の乱れが発生してしまう。更には、中間転写ベルト22の表面の除電機構が無く、2次転写後も負の電荷が蓄積していった場合、1次転写、2次転写を繰り返す毎に電荷が蓄積され中間転写ベルト22の表面電位が過剰に高い−(マイナス)の値(裏面側は過剰に高い正(プラス)の表面電位)となり、そのために、次の画像での必要な1次転写電圧も非常に高くなってしまう。
このため2次転写後には、中間転写ベルト22に蓄積した電荷を均一にある一定レベル以下とすることが必要となる。ここで、ある一定レベルとは、感光体ドラム21の表面電位、トナー帯電量、前転写領域の形態等に応じて定まるレベルである。
その場合には、除電用導電部材90を中間転写ベルト22に接触する位置と離れた位置との間で移動させる移動機構が必要となる。したがって、除電用導電部材90を中間転写ベルト22の裏面に常時接触させるように配置した場合には、前記移動機構が不要となって、構成が簡素となり、コストも低くなるので有利である。
図6は本発明の画像形成装置の他の例を示す概略模試図である。図6に示す画像形成装置は、4つのトナーカートリッジ71、1対の定着ロール72、バックアップロール73、テンションロール74、2次転写ロール75、用紙経路76、用紙トレイ77、レーザー発生装置78、4つの感光体79、4つの1次転写ロール80、駆動ロール81、転写クリーナー82、4つの帯電ロール83、感光体クリーナー84、4つの現像器85、中間転写ベルト86、中間転写ベルト86を除電する除電ランプ91(光除電手段)等を主用な構成部材として含んでなる。なお、図6に示す画像形成装置において、本発明の中間転写体は中間転写ベルト86として用いられる。
また、除電ランプ91と除電用導電部材90との設置位置の関係も、上記図5に示される画像形成装置における除電ランプ91と除電用導電部材90との関係と同様である。
更に、図6に示される画像形成装置においても、除電ランプ91としては、例えば、赤色光LEDを用いることができる。また、除電用導電部材90は、中間転写ベルト86の裏面側又は表面側のいずれにも配置可能であり、ここでも、除電用導電部材90としては、体積抵抗率を1×105〜1×1010Ωに調整してなる導電剤を分散して弾性ロール(例えば、カーボンブッラク分散のエピクロルヒドリンゴムロールなど)を用いることができる。
ここで、前記形状係数(SF)は、下記の式(1)で規定される係数である。
式(1)
(SF)=[(トナー粒子の絶対最大長)2×π×100]/[(トナー粒子の投影面積)×4]
なお、トナー粒子の絶対最大長、及び、トナー粒子の投影面積の測定は、ルーゼックス画像解析装置(株式会社ニレコ製、FT)を用いてスライドガラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、画像処理することにより実施した。
また、小径無機微粒子については表面処理することにより、分散性が高くなり、粉体流動性を上げる効果が大きくなるため有効である。
[ベルト状基材の作製]
(ポリアミド酸溶液(A)の調製)
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)とからなるポリアミド酸のN−メチルー2ピロリドン(NMP)溶液(宇部興産製ユーワニスS(固形分18質量%)に、この溶液中のポリイミド系樹脂を形成することが可能な原料の固形分100質量部に対して、乾燥した酸化処理カーボンブラック(SPECIAL BLACK4(Degussa社製、pH3.0、揮発分:14.0%))を23質量部になるよう添加して、衝突型分散機(シーナス製GeanusPY)を用い、圧力200MPaで、最小面積が1.4mm2で2分割後衝突させ、再度2分割する経路を5回通過させて、混合して、基材用のカーボンブラック入りポリアミド酸溶液(A)を得た。
カーボンブラック入りポリアミド酸溶液(A)を、円筒状金型内面に、ディスペンサーを介して塗膜の厚みが0.5mmとなるように塗布し、金型を1500rpmで15分間回転させて均一な厚みを有する塗膜を形成した後、金型を250rpmで回転させながら、金型の外側より60℃の熱風を30分間あてた後、150℃で60分間加熱し、その後、室温にまで冷却して皮膜を形成した。
その後、金型の内面に形成された皮膜を剥離して、この皮膜を金属芯体の外周を覆うように被覆して400℃まで2℃/分の昇温速度で昇温し、更に400℃で30分加熱し、皮膜に残留する溶媒及び脱水閉環水を除去すると共に、イミド転化反応を完結させた。その後、金属芯体を室温にまで冷却した後に、金属芯体表面に形成されたポリイミドフィルムを剥離することにより、厚みが0.08mmの無端ベルト状の基材を得た。
得られた基材のヤング率は3,800Mpaであり、体積抵抗率は1×109.5Ωcm、表面抵抗率は1×1012Ω/□であった。
(体積抵抗率)
得られた基材を、上述したように、図3に示す円形電極(三菱油化(株)製ハイレスターIPのHRプローブ)の所定の位置に挟持し、22℃/55%RH環境下にて、第一電圧印加電極A’における円柱状電極部C’と第二電圧印加電極B’との間に電圧100(V)を印可し、10秒後の電流値を基に、前記式(2)により体積抵抗率ρv(Ωcm)を求めた。
得られた基材を、図3に示す円形電極(三菱油化(株)製ハイレスターIPのHRプローブ)の所定の位置に挟持し、22℃/55%RH環境下にて、第一電圧印加電極A’における円柱状電極部C’とリング状電極部D’との間に電圧100(V)を印可し、10秒後の電流値を基に、下記式(4)により表面抵抗率ρs(Ω/□)を算出した。
式(4) ρs=π×(D+d)/(D−d)×(V/I)
ここで、下記式(4)中、d(mm)は円柱状電極部C’の外径を示す。D(mm)はリング状電極部D’の内径を示す。
酸化亜鉛(MZ300:テイカ社製:比表面積値30m2/g)を150℃にて5時間加熱乾燥後、酸化亜鉛100質量部をトルエン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM403:信越化学社製)5質量部を添加し、2時間攪拌した。その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、150℃で2時間焼き付けを行った。
前記表面処理を施した酸化亜鉛60質量部と硬化剤ブロック化イソシアネート(スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)15質量部とブチラール樹脂(BM−1、積水化学社製)15質量部とを、メチルエチルケトン85質量部に溶解した溶液38質量部とメチルエチルケトン25質量部とを混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散を行い分散液を得た。
得られた分散液に触媒としてジオクチルスズジラウレート:0.005質量部、シリコーンオイルSH29PA(東レダウコーニングシリコーン社製):0.01質量部を添加し、下引層用塗布液を得た。
この下引層用塗布液を浸漬塗布法にて、無端ベルト状の基材表面に塗布し、160℃、100分の乾燥硬化を行い、膜厚20μmの下引層を得た。
次に、電荷発生物質として、Cukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、少なくとも、7.5°,9.9°,12.5°,16.3°,18.6°,25.1°,28.1°の位置に明瞭な回折ピークが得られるヒドロキシガリウムフタロシアニン15質量部、結着樹脂としてのブチラール樹脂(BM−1、積水化学社製)10質量部、n−ブチルアルコール300質量部からなる混合物を、サンドミルにて4時間分散した。
得られた分散液を電荷発生層用塗布液として、上記下引層表面に浸漬塗布し、乾燥し膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、ジ(3,4−ジメチルフェニル)(4−フェニルフェニル)アミン2質量部とN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン2質量部とビスフェノールZポリカーボネート(分子量4万)6質量部とに、テトラヒドロフラン80質量部、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.2質量部を加えて溶解した。得られた液を電荷輸送層用塗布液として、上記電荷発生層表面に浸漬塗布し、120℃40分の乾燥を行うことにより膜厚25μmの電荷輸送層を形成した。
これにより、図2(A)に記載の層構成を有する本発明の中間転写体を得た。
また、実施例1における中間転写体の光照射されていない状態での体積抵抗率を、上記基材の測定方法と同様の方法で測定したところ、1×1013.8Ωcmであった。
実施例1と同じ、無端ベルト状の基材の上に実施例1と同じようにして、以下の下引層、電荷発生層、電荷輸送層、表面保護層を形成した。
4質量部のポリビニルブチラール樹脂(積水化学製エスレックBM−S)を溶解したn−ブチルアルコール170質量部、有機ジルコニウム化合物(アセチルアセトンジルコニウムブチレート)30質量部、及び有機シラン化合物の混合物(γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)3質量部を追加混合撹拌し、下引層用塗布液を得た。無端ベルト状の基材表面に、浸漬塗布装置を用いて下引層の塗布を行ない150℃1時間の硬化処理を行い、膜厚1.0μmの下引層を形成した。
次に、電荷発生物質としてCukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、少なくとも、7.5°,9.9°,12.5°,16.3°,18.6°,25.1°,28.1°の位置に明瞭な回折ピークが得られるヒドロキシガリウムフタロシアニン15質量部、結着樹脂としてのブチラール樹脂(BM−1、積水化学社製)10質量部、n−ブチルアルコール300質量部からなる混合物を、サンドミルにて4時間分散した。得られた分散液を電荷発生層用の塗布液として、これを下引層表面に浸漬塗布し、乾燥し膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、ジ(3,4−ジメチルフェニル)(4−フェニルフェニル)アミン2質量部とN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン2質量部とビスフェノールZポリカーボネート(粘度平均分子量4万)6質量部とを、テトラヒドロフラン80質量部、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.2質量部を加えて溶解した。得られた液を電荷輸送層用塗布液として、上記電荷発生層表面に浸漬塗布し、120℃40分の乾燥を行うことにより膜厚25μmの電荷輸送層を形成した。
そして、下記に示す化合物2質量部、メチルトリメトキシシラン2質量部、テトラメトキシシラン1質量部、コロイダルシリカ0.3質量部を、イソプロピルアルコール5質量部、テトラヒドロフラン3質量部、蒸留水3質量部に溶解させ、イオン交換樹脂(0.5質量部)を加え室温で24時間加水分解させてから、イオン交換樹脂をろ過分離後、アルミニウムトリスアセチルアセトナート0.1質量部、3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)0.4質量部加え、コーティング液を調製した。このコーティング液を上記電荷輸送層表面に浸漬塗布し、150℃1時間の乾燥を行うことにより膜厚3μmの表面保護層を得た。
これにより、図2(B)に記載の層構成を有する本発明の中間転写体を得た。
また、実施例2における中間転写体の光照射されていない状態での体積抵抗率を、実施例1における基材の測定方法と同様の方法で測定したところ、1×1014.0Ωcmであった。
実施例1と同じ、無端ベルト状の基材の上に下記のようにして単層構造の光導電層を形成した。
結着樹脂としてのビスフェノールA型ポリカーボネート100質量部に対して、電荷発生材料としてのCukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、少なくとも7.5°,9.9°,12.5°,16.3°,18.6°,25.1°,28.1°の位置に明瞭な回折ピークが得られるヒドロキシガリウムフタロシアニン15質量部と、電荷輸送材料としての下記構造式に示した特定ヒドラゾン系化合物100質量部と、テトラヒドロフラン900質量部と、を混合し、サンドミルにて4時間分散した。得られた分散液を光導電層用の塗布液とした。この塗布液を浸漬塗布法にて、無端ベルト状の基材表面に塗布し、90℃で1時間乾燥させ、膜厚25μmの光導電層を形成した。
これにより、図1に記載の層構成を有する本発明の中間転写体を得た。
また、実施例3における中間転写体の光照射されていない状態での体積抵抗率を、実施例1における基材の測定方法と同様の方法で測定したところ、1×1014.0Ωcmであった。
実施例3において、電荷輸送材料として下記構造式の特定ヒドラゾン系化合物を用い、膜厚が50μmとした以外は、実施例3と同様にして単層構造の光導電層を形成した。
これにより、図1に記載の層構成を有する本発明の中間転写体を得た。
また、実施例4における中間転写体の光照射されていない状態での体積抵抗率を、実施例1における基材の測定方法と同様の方法で測定したところ、1×1014.0Ωcmであった。
[ベルト状基材の作製]
基材の樹脂材料としてのフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(呉羽化学工業(株)製:商品名「#2300」)100質量部に、導電剤としての酸化カーボンブラック(商品名:プリンテックス140U(pH4.5%):デグサ・ジャパン社製)15重量部を添加して、二軸押出機で分散・混練して樹脂組成物を得た。これを1軸押出機を用いて、厚さ0.12mmの無端ベルト状を成型し、基材を得た。
得られた基材のヤング率は1,500Mpaであり、体積抵抗率は5×1010Ωcm、表面抵抗率は1×1011Ω/□であった。
なお、実施例5における中間転写体の表面層側の表面微小硬度について、実施例1と同様に測定したところ、21度であった。
また、実施例5における中間転写体の光照射されていない状態での体積抵抗率を、実施例1における基材の測定方法と同様の方法で測定したところ、9×1013Ωcmであった。
[ベルト状基材の作製]
基材の樹脂材料としてのポリフッ化ビニリデン樹脂(呉羽化学工業(株)製:商品名「#850」)100質量部に、導電剤としての酸化カーボンブラック(商品名:プリンテックス140U(pH4.5%):デグサ・ジャパン社製)16重量部を添加して、二軸押出機で分散・混練して樹脂組成物を得た。これを1軸押出機を用いて、厚さ0.12mmの無端ベルト状に成型し、基材を得た。
得られた基材のヤング率は1,900Mpaであり、体積抵抗率は1×1010Ωcm、表面抵抗率は8×1010Ω/□であった。
なお、実施例6における中間転写体の表面層側の表面微小硬度について、実施例1と同様に測定したところ、30度であった。
また、実施例6における中間転写体の光照射されていない状態での体積抵抗率を、実施例1における基材の測定方法と同様の方法で測定したところ、8×1013Ωcmであった。
実施例5における電荷輸送層にフッ素系樹脂粒子(体積平均粒子径0.3μmのテフロン(登録商標)粒子:三井デュポンフロロケミカル(株)製)5質量部を添加した以外は、実施例5と同様にして、図2(A)に記載の層構成を有する本発明の中間転写体を得た。
なお、実施例7における中間転写体の表面層側の表面微小硬度について、実施例1と同様に測定したところ、18度であった。
また、実施例7における中間転写体の光照射されていない状態での体積抵抗率を、実施例1における基材の測定方法と同様の方法で測定したところ、3×1014Ωcmであり、また、表面抵抗率は、3×1014Ω/□であった。
[ベルト状基材の作製]
基材の樹脂材料としてのポリプロピレン(出光興産(株)RB110(商品名))100質量部に、導電剤としてのケッチエンブラック15質量部を添加して、二軸押出機で分散・混練して、樹脂組成物のペレットを得た。次いで、このペレットを1軸押出機を用いて、厚さ0.15mmの無端ベルト状を成型し、基材を得た。
得られた基材のヤング率は950Mpaであり、体積抵抗率は5×1010Ωcm、表面抵抗率は1×1011Ω/□であった。
なお、実施例8における中間転写体の表面層側の表面微小硬度について、実施例1と同様に測定したところ、21度であった。
また、実施例8における中間転写体の光照射されていない状態での体積抵抗率を、実施例1における基材の測定方法と同様の方法で測定したところ、8×1013Ωcmであった。
実施例1におけるカーボンブラック入りポリアミド酸溶液(A)を円筒状金型内面に、ディスペンサーを介して塗膜の厚みが0.5mmとなるように塗布し、金型を1500rpmで15分間回転させて均一な厚みを有する塗膜を形成した後、金型を250rpmで回転させながら、金型の外側より60℃の熱風を30分間あてた後、150℃で60分間加熱し、室温にまで冷却して皮膜を形成した。
その後、金型の内面に形成された皮膜を剥離して、この皮膜を金属芯体の外周を覆うように被覆して400℃まで2℃/分の昇温速度で昇温し、更に400℃で30分加熱し、皮膜に残留する溶媒及び脱水閉環水を除去すると共に、イミド転化反応を完結させた。その後、金属芯体を室温にまで冷却した後に、金属芯体表面に形成されたポリイミドフィルムを剥離することにより、厚みが0.08mmの無端ベルトを得た。
得られた無端ベルトのヤング率は3,800Mpaであり、体積抵抗率は1×109.5Ωcm、表面抵抗率は1×1012Ω/□であった。
得られたポリイミド樹脂からなる無端ベルトを、中間転写体とした。
ここで、比較例1における中間転写体の表面微小硬度について、実施例1と同様に測定したところ、28度であった。
下記に示すような無端ベルト状の基材を用いた以外は、実施例1と同様にして、図2(A)に記載の層構成を有する中間転写体を得た。
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)とからなるポリアミド酸のN−メチルー2ピロリドン(NMP)溶液(宇部興産製ユーワニスS(固形分18質量%)に、この溶液中のポリイミド系樹脂を形成することが可能な原料の固形分100質量部に対して、乾燥した酸化処理カーボンブラック(SPECIAL BLACK4(Degussa社製、pH3.0、揮発分:14.0%)を7質量部になるよう添加して、衝突型分散機(シーナス製GeanusPY)を用い、圧力200MPaで、最小面積が1.4mm2で2分割後衝突させ、再度2分割する経路を5回通過させて、混合して、基材用のカーボンブラック入りポリアミド酸溶液(B)を得た。
カーボンブラック入りポリアミド酸溶液(B)を、円筒状金型内面に、ディスペンサーを介して塗膜の厚みが0.5mmとなるように塗布し、金型を1500rpmで15分間回転させて均一な厚みを有する塗膜を形成した後、金型を250rpmで回転させながら、金型の外側より60℃の熱風を30分間あてた後、150℃で60分間加熱し、室温にまで冷却して皮膜を形成した。
その後、金型の内面に形成された皮膜を剥離して、この皮膜を金属芯体の外周を覆うように被覆して400℃まで2℃/分の昇温速度で昇温し、更に400℃で30分加熱し、皮膜に残留する溶媒及び脱水閉環水を除去すると共に、イミド転化反応を完結させた。その後、金属芯体を室温にまで冷却した後に、金属芯体表面に形成されたポリイミドフィルムを剥離することにより、厚みが0.08mmの無端ベルト状の基材を得た。
得られた基材のヤング率は3,700Mpaであり、体積抵抗率は1×1012.0Ωcm、表面抵抗率は1×1014Ω/□であった。
得られたポリイミド樹脂からなる無端ベルトを、中間転写体とした。
ここで、比較例2における中間転写体の表面微小硬度について、実施例1と同様に測定したところ、27度であった。
下記に示すような無端ベルト状の基材を用いた以外は、実施例5と同様にして、図2(A)に記載の層構成を有する中間転写体を得た。
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)とからなるポリアミド酸のN−メチルー2ピロリドン(NMP)溶液(宇部興産製ユーワニスS(固形分18質量%)に、この溶液中のポリイミド系樹脂を形成することが可能な原料の固形分100質量部に対して、乾燥した酸化処理カーボンブラック(SPECIAL BLACK4(Degussa社製、pH3.0、揮発分:14.0%)を25質量部になるよう添加して、衝突型分散機(シーナス製GeanusPY)を用い、圧力200MPaで、最小面積が1.4mm2で2分割後衝突させ、再度2分割する経路を5回通過させて、混合して、基材用のカーボンブラック入りポリアミド酸溶液(C)を得た。
カーボンブラック入りポリアミド酸溶液(C)を、円筒状金型内面に、ディスペンサーを介して塗膜の厚みが0.5mmとなるように塗布し、金型を1500rpmで15分間回転させて均一な厚みを有する塗膜を形成した後、金型を250rpmで回転させながら、金型の外側より60℃の熱風を30分間あてた後、150℃で60分間加熱し、室温にまで冷却して皮膜を形成した。
その後、金型の内面に形成された皮膜を剥離して、この皮膜を金属芯体の外周を覆うように被覆して400℃まで2℃/分の昇温速度で昇温し、更に400℃で30分加熱し、皮膜に残留する溶媒及び脱水閉環水を除去すると共に、イミド転化反応を完結させた。その後、金属芯体を室温にまで冷却した後に、金属芯体表面に形成されたポリイミドフィルムを剥離することにより、厚みが0.08mmの無端ベルト状の基材を得た。
得られた基材のヤング率は3,800Mpaであり、体積抵抗率は1×109.2Ωcm、表面抵抗率は5×1011Ω/□であった。
得られたポリイミド樹脂からなる無端ベルトを、中間転写体とした。
ここで、比較例3における中間転写体の表面微小硬度について、実施例1と同様に測定したところ、28度であった。
得られた中間転写体を、図5に示す画像形成装置とほぼ同様な構成の富士ゼロックス(株)Docu Color1255CPに、中間転写ベルト22として装着し、更に、中間転写ベルト22の除電手段として、除電ランプ91及び除電用導電部材90も図5に示すように装着した。ここで、除電ランプ91としては、赤色光LED(波長720nm)を用いた。除電用導電部材90としては、体積抵抗を106Ωに調整してなる導電剤を分散してカーボンブッラク分散のエピクロルヒドリンゴムロールを用いた。
このような画像形成装置を用いて、2次転写による転写画質について評価した。なお、ここで用いた記録紙61は、富士ゼロックスオフィスサプライ(株)フルカラー複写機用紙J紙である。
トナーとしては、形状係数(SF)125、体積平均粒子径5.5μmの球形トナーを用いた。
また、プリントサンプルは、画像パターンとして、1枚目は、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各単色、2次色、3次色の2cm角大のソリッド、及びライン画像で構成されている。
実施例1〜8では、1枚目のプリントサンプルにおいて、濃度ムラやブラー(トナーの飛び散り)の無い均一な画像が得られた。ここで、2次転写直後では、実施例1〜8における中間転写ベルト22の表面電位は、いずれも、−300V〜−400V程度の画像パターンに応じていると思われる表面電位ムラがあったが、除電ランプ91の点灯照射後に、除電用導電部材90による除電が行なわれると、中間転写ベルト22の表面電位は−10V〜−30Vの間で、ほぼ均一となった。
続いて、2枚目のプリントサンプルにおいても、濃度ムラやブラー(トナーの飛び散り)の無い均一な画像が得られた。また、同様に、連続して、10000枚出力したが、濃度ムラ、ブラー(トナーの飛び散り)の無い良好な画像が得られた。
なお、実施例8では、基材のヤング率が950MPaと若干小さいため、転写画質に大きな問題はないが、カラーレジずれがわずかに発生した。
02 感光体ドラム
1 中間転写体
10 針状圧子
12 表面層側の最表面層
21 感光体ドラム(像担持体)
22 中間転写ベルト(中間転写体)
23 バイアスローラ(第二転写手段)
24 用紙トレー
25 ブラック現像器
26 イエロー現像器
27 マゼンタ現像器
28 シアン現像器
29 中間転写体クリーナー
33 剥離爪
41 ベルトローラ
42 バックアップローラ
43 ベルトローラ
44 ベルトローラ
45 導電性ローラ(第一転写手段)
46 電極ローラ
50 除電ロール
51 クリーニングブレード
61 記録紙
62 ピックアップローラ
63 フィードローラ
71 トナーカートリッジ
72 定着ロール
73 バックアップロール
74 テンションロール
75 2次転写ロール
76 用紙経路
77 用紙トレイ
78 レーザー発生装置
79 感光体
80 1次転写ロール
81 駆動ロール
82 転写クリーナー
83 帯電ロール
84 感光体クリ−ナー
85 現像器
86 中間転写ベルト(中間転写体)
90 除電用導電部材
91 除電ランプ
100a、100b 中間転写体
110 基材
120 表面層
121 単層構造の光導電層
122 下引層
124 電荷発生層
126 電荷輸送層
128 表面保護層
T トナー像
Q1 1次転写領域
Q2 2次転写領域
Q3 1次転写領域
Q4 2次転写領域
Q5 除電領域
Claims (9)
- 基材と、該基材上に設けられた表面層と、を有する中間転写体であって、
前記表面層が、電荷輸送材料、電荷発生材料、及び結着樹脂を含有してなる光導電層であり、
前記電荷輸送材料が、下記一般式(I)のヒドラゾン化合物、又は(3,4−ジメチルフェニル)(4−フェニルフェニル)アミンから選択される少なくとも1種であることを特徴とする中間転写体。
〔一般式(I)中、R 1 〜R 4 は、各々独立に、アルキル基又はアリール基を表す。〕 - 基材と、該基材上に設けられた表面層と、を有する中間転写体であって、
前記表面層が、電荷輸送層、及び該電荷輸送層の前記基材側に設けられる電荷発生層を有する光導電層であることを特徴とする請求項1に記載の中間転写体。 - 前記電荷発生材料が、Cukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、少なくとも、7.6°,10.0°,25.2°,28.0°の位置に回折ピークを有する結晶型に代表されるヒドロキシガリウムフタロシアニンであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の中間転写体。
- 前記基材が熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂で構成され、かつ、ヤング率が1,000Mpa以上であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の中間転写体。
- 前記基材が、体積抵抗率が1×106〜1×1013Ωcmであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の中間転写体。
- 前記基材が、導電剤を分散してなるポリイミド樹脂から構成されることを特徴とする請求項5に記載の中間転写体。
- 前記表面層がフッ素系樹脂粒子を含有することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の中間転写体。
- 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の中間転写体と、該中間転写体の表面に形成されたトナー像を転写材ヘ転写した後に、当該中間転写体の表面を光照射により除電する光除電手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
- 前記トナーの下記式(1)で規定される形状係数(SF)が、140〜100である球形トナーを用いることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
式(1)
(SF)=[(トナー粒子の絶対最大長)2×π×100]/[(トナー粒子の投影面積)×4]
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