JP3870136B2 - 画像形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真方式を用いた画像形成方法に関し、特に第1の画像担持体上に形成されたトナー像を、一旦中間転写体上に転写させた後に第2の画像担持体上に更に転写させ画像形成物を得る複写機、プリンター、ファックス等に用いられる画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
中間転写体を使用した画像形成装置は、カラー画像情報や多色画像情報の複数の成分色画像を順次積層転写してカラー画像や多色画像を合成再現した画像形成物を出力するカラー画像形成装置や多色画像形成装置、またはカラー画像形成機能や多色画像形成機能を具備させた画像形成装置として有効であり、各成分色画像の重ね合わせズレ(色ズレ)のない画像を得ることが可能である。
【0003】
ローラ形状を有する中間転写体を用いた転写装置である画像形成装置の1例の概略を図1に示す。
【0004】
図1は電子写真プロセスを利用したカラー画像形成装置(複写機またはレーザービームプリンター)である。中間転写体として中抵抗の弾性ローラ20を使用している。
【0005】
1は第1の画像担持体として繰り返し使用される回転ドラム型の電子写真感光体(以下感光ドラムと記す)であり、矢示の時計方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。
【0006】
感光ドラム1は回転過程で、1次帯電器(コロナ放電器)2により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで矢図示の画像露光手段(カラー原稿画像の色分解・結像露光光学系、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザービームを出力するレーザースキャナによる走査露光系等)による画像露光3を受けることにより目的のカラー画像の第1の色成分像(例えばマゼンタ成分像)に対応した静電潜像が形成される。
【0007】
次いで、その静電潜像が第1現像器41(マゼンタ現像器)により第1色であるマゼンタトナーMにより現像される。この時第2〜第4の現像器42,43,44(シアン、イエロー、ブラックの各現像器)は作動−オフになっていて感光ドラム1には作用せず、上記第1色のマゼンタトナー画像は上記第2〜第4の現像器42〜44により影響を受けない。
【0008】
中間転写体20は矢示の反時計方向に感光ドラム1と同じ周速度をもって回転駆動されている。
【0009】
本実施例の中間転写体20は、パイプ状の芯金21と、その外周面に形成された弾性層22からなる。
【0010】
感光ドラム1上に形成担持された上記第1色のマゼンタトナー画像が、感光ドラム1と中間転写体20とのニップ部を通過する過程で、中間転写体20に印加される一次転写バイアスにより形成される電界により、中間転写体20の外周面に順次中間転写されていく。
【0011】
中間転写体20に対応する第1色のマゼンタトナー画像の転写を終えた感光ドラム1の表面は、クリーニング装置14により清掃される。
【0012】
以下同様に第2色のシアントナー画像、第3色のイエロートナー画像、第4色のブラックトナー画像が順次中間転写体20上に重畳転写され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー画像が形成される。
【0013】
25は転写ローラで、中間転写体20に対応し平行に軸受させて下面部に接触させて配設してある。
【0014】
感光ドラム1から中間転写体20への第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための一次転写バイアスは、トナーとは逆極性(+)でバイアス電源61から印加される。その印加電圧は例えば+2kV〜+5kVの範囲である。
【0015】
感光ドラム1から中間転写体20への第1〜第4色のトナー画像の順次転写実行工程において、転写ローラ25及び中間転写体クリーナ35は中間転写体20から離間することも可能である。
【0016】
中間転写体20上に重畳転写された合成カラートナー画像の第2の画像担持体である転写材24への転写は、転写ローラ25が中間転写体20に当接されると共に、給紙カセット9から中間転写体20と転写ローラ25との当接ニップに所定のタイミングで転写材24が給送され、同時に二次転写バイアスがバイアス電源29から転写ローラ25に印加される。この二次転写バイアスにより中間転写体20から第2の画像担持体である転写材24へ合成カラートナー画像が転写される。トナー画像転写を受けた転写材24は定着器15へ導入され加熱定着される。
【0017】
転写材24への画像転写終了後、中間転写体20上の転写残トナーは中間転写体クリーナ35が当接されクリーニングされる。
【0018】
前述の中間転写体を用いた画像形成装置を有するカラー電子写真装置は、従来の技術である転写ドラム上に第2の画像担持体を張り付けまたは吸着せしめ、そこへ第1の画像担持体上から画像を転写する画像形成装置を有したカラー電子写真装置が、例えば特開昭63−301960号公報中で述べられたごとくの転写方法よりは以下の点で優れている。すなわち、各色のトナー画像の重ね合わせ時の色ズレが少ない。次に、図1で示されるごとく、第2の画像担持体になんら加工、制御(例えばグリッパーに把持する、吸着する、曲率をもたせる等)を必要とせずに中間転写体から画像を転写することができるため、第2の画像担持体を多種多様に選択することができる。
【0019】
例えば、薄い紙(40g/m2紙)から厚い紙(200g/m2紙)までの選択が可能である。第2の画像担持体の幅の広狭または長さの長短によらず転写可能である。更には封筒、ハガキ、ラベル紙等までに対応が可能である。
【0020】
また、中間転写体の剛性が優れているため、繰り返しの使用によるへこみ、ひずみ、変形等の寸法精度の狂いが生じにくいため、当該中間転写体の交換頻度を少なくすることができる。
【0021】
このように、中間転写体を用いることによる利点のため、すでに市場においてはこの画像形成装置を用いたカラー複写機、カラープリンター等が稼働し始めている。
【0022】
しかし、この中間転写体を用いた画像形成装置を実際に種々の環境でかつ繰り返し使用する場合、次のような問題点を未だ有している。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
(1)第1の画像担持体、例えば感光ドラムから中間転写体への転写効果、及び中間転写体から第2の画像担持体、例えば紙やOHPシートへの転写効率が十分に高いものとなっていない。そのため、感光ドラムや中間転写体に具備すべきクリーニング装置が不可欠となりかつ、多量の転写残トナーをクリーニングするために部材への負荷が大きくなり、部材が短寿命化すると同時に当該クリーニング装置が構成上かなり複雑となり、かつ高価なものとなってしまう。
【0024】
(2)中間転写体に転写された画像、及び第2の画像担持体に転写された画像の一部が図6のごとく転写されず、抜けたような画像(以後中抜け画像と称す)となる場合がある。これは、(1)で述べたごとく転写効率が100%達成してないことにより生ずるものである。この原因としては、中間転写体に使用する材質、表面性、抵抗、または転写時の印加バイアスの大きさ、そのタイミングまたは画像形成装置の機械構成等が複合的に作用するものと思われるが、主たる原因は判明していない。しかし、中間転写体の耐久が進むにつれ、または低温低湿環境になるほど悪化することは解っている。
【0025】
(3)中間転写体を繰り返し使用し、耐久が進むに連れ、当前記中間転写体の表面性や抵抗が変化することがある。はなはだしい場合は中間転写体の表面で削れが生じ、初期に得られた良好な転写効率や、均質な画像が維持できなくなってしまう。
【0026】
(4)図1に示されるように、中間転写体20には中間転写体クリーナ35が具備されている。これは転写されなかったトナーを、次の一連の転写工程が始まるまでに中間転写体から除去するための装置である。このクリーニング方法としては、ブレードクリーニング、ファーブラシクリーニング、またはその併用と種々あるが、中間転写体20の表面でトナーを転写−付着−離型というサイクルを数千回、または数万回繰り返すと、前記のクリーナ35では除去しきれなかったトナーが中間転写体20の表面に徐々に堆積し、いわゆるフィルミングが形成されるようになる。このようになると第1の画像担持体からのトナーの転写性が悪くなりフィルミングした部分の転写不良による斑点状の白く抜けたような画像となり画像品質を下げたり、または全体の転写効率の低下を招く。このようなトナーのフィルミングを防止するために、特開平6−95517号公報に示されているように、表面の接触角を大きくしたものが知られている。しかし、表面の接触角が大きいものの中にはタックの有るものも含まれてしまい好ましくない。
【0027】
(5)中間転写体の機能を発現するため、多くの場合、その材質としては弾性層としてゴム、エラストマー、樹脂等を用い、必要に応じてその上層に被覆層等を用いる。例えば特開平4−81786号公報、特開平4−88385号公報、特開平3−242667号公報、特開平5−333725号公報等にすでにいくつかの好ましい材料、組成について開示されているが、未だ、低温低湿環境から高温高湿環境まで幅広く抵抗が安定し、使用できるものは見い出されていない。
【0028】
また、更に本発明に用いられる中間転写体の機能をより充分に発揮する目的を持って、より好ましいトナーを選択して、その相乗的効果を期待せしめる様な提案は未だ見出されていない。
【0029】
例えば、ドラム形状の中間転写体を用いるフルカラー画像装置は、米国特許第5187526号明細書で提案されている。しかし、米国特許第5187526号には、トナー粒子の形状及び構成に関しての具体的記載がない。
【0030】
更に、特開昭59−15739号公報は、平均粒径10μm以下のトナーで形成されたトナー像を、中間転写体へ転写し、中間転写体上のトナー像を転写材へ更に転写する記録方法について記載し、更に、トナーの製造方法の1つとして懸濁重合法を用いて、直接的にトナー粒子を精製する方法が記載されている。
【0031】
しかし、特開昭59−15739号公報に記載されている転写工程は、押圧転写または粘着転写を用いた転写であり、多数枚耐久中に中間転写体の表面が汚染されやすく、電界中での電気的引力を主に使用してトナー像を転写する転写工程とは全く相違している。
【0032】
更に、特開昭59−50473号公報には、像担持体上のトナー像を所定温度に加熱された支持体表面上に耐熱性弾性層と付加重合型シリコーンゴムで形成された表面層とを有する中間転写体に転写し、中間転写体上のトナー像を更に転写材へ転写する静電記録方法または電子写真複写法を記載している。
【0033】
しかし、特開昭59−50473号公報に記載の画像形成方法は、加熱された中間転写体と接触している像担持体が、劣化しやすい。特開昭59−50473号公報には、電圧が印加されている中間転写体を用いた転写工程に関する記載はない。中間転写体を用いる系に於いては、トナー像を感光体のごとき静電荷像保持体から中間転写体に一旦転写後、更に中間転写体から転写材上に再度転写することが必要であり、トナーの転写効率を従来以上に高める必要がある。
【0034】
また、中間転写体から転写材への転写効率が悪いことから、中間転写体にはクリーニング部材が必須であったが、中間転写体の寿命上好ましくなく、転写効率の改良が求められていた。
【0035】
更に、特開昭61−279864号公報においてはSF−1及びSF−2を規定したトナーが提案されている。しかし、該公報の実施例を行った結果、転写効率が低く、特に中間転写体を用いた画像形成装置に用いた場合の転写効率は不十分であり、更なる改良が必要である。
【0036】
更に、特開昭63−235953号公報においては機械的衝撃力により球形化した磁性トナーが提案されている。しかし、中間転写体を用いた画像形成装置に用いた場合の転写効率は未だ不十分であり、更なる改良が必要である。
【0037】
しかるに、本発明は前述の諸問題を解決した新規なトナー及び中間転写体を用いる画像形成方法を提案するものである。
【0038】
本発明の目的は、第1の画像担持体から中間転写体への転写効率、及び中間転写体から第2の画像担持体への転写効率が極めて高い画像形成方法を提供することにある。
【0039】
本発明の別の目的は、画像の微小部分の転写不良の発生しない、所謂中抜け画像のない、均一、均質の画像品質が、第2の画像担持体である紙やOHPシートの種類に依存することなしに達成される画像形成方法を提供することにある。
【0040】
本発明の更に別の目的は、中間転写体の繰り返し使用による苛酷な耐久使用を行っても中間転写体の特性に変化がなく、初期と同様な特性を維持し得る画像形成方法を提供することにある。
【0041】
本発明のその上の目的は、中間転写体表面へのトナーの付着によるフィルミングの発生しない画像形成方法を提供することにある。
【0042】
本発明の更にその上の目的は、有機感光体に悪影響を与えず、感光体寿命の長い画像形成方法を提供することにある。
【0043】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記の諸目的を達成するために鋭意検討した結果、中間転写体表面の接触角及びすべり抵抗を規定すること、及び用いられるトナーの形状係数を良好な範囲に限定すること等により、前記の目的を達成されることを見い出し、本発明の画像形成方法を完成するに到った。
【0044】
すなわち、本発明は、第1の画像担持体上に形成されたトナー画像を中間転写体に転写した後、第2の画像担持体上に更に転写する画像形成方法において、
該中間転写体表面の水の接触角が60°以上、かつすべり抵抗が200g以下であり、かつ、
該トナーが、少なくとも結着樹脂中に着色剤が分散されたトナー粒子と無機微粉体を有するトナーであり、該トナーの画像解析装置で測定した形状係数SF−1の値が110<SF−1≦180、SF−2の値が110<SF−2≦140、かつ{(SF−2)−100}}/{(SF−1)−100}}の値が1.0以下であり、かつ、
該トナーのうち少なくとも1色のトナーは、結着樹脂100質量部に対し、磁性体30〜200質量部を含有する磁性トナーであり、該磁性トナーの画像解析装置で測定したSF−1の値が120≦SF−1≦160、かつSF−2の値が115≦SF−2≦140である
ことを特徴とする画像形成方法である。
【0045】
第1の画像担持体上に形成された画像を中間転写体に転写した後、第2の画像担持体上に更に転写する電子写真方式の画像形成方法において、上記の本発明の目的を達成するためには中間転写体の表面に十分な潤滑性を与えることが必要である。中間転写体の表面潤滑性によってトナーの付着力が減少するため二次転写性、耐久性が向上し、同時にフィルミングを防止し、感光体の摩耗を低減することができる。そのためには、中間転写体の構成物質中に潤滑剤を添加する方法が良いが、シリコーンオイル等の液状潤滑剤を使用すると時間の経過に伴って中間転写体の表面に潤滑剤が染み出す所謂ブリードを生じ、その染み出た潤滑剤が感光体に付着して感光体表面のひび割れ等の重大な欠陥を引き起こす恐れがある。特にこの傾向は有機感光体を使用した時に顕著となる。従って、本発明では中間転写体表面の水の接触角、及びすべり抵抗を好ましい範囲に規定することにより、高い転写効率やフィルミングの防止を計ることができるものである。これらの効果は、従来のトナーを用いた場合においてもある程度のレベル向上は期待できるが、本発明のトナーを用いることにより、更に転写性の向上が得られる。従来トナーを用いた場合90%前後の転写効率が、95%以上、更には97%〜98%の転写効率が得られることが判明している。
【0046】
更に驚くべきことには、本発明の中間転写体及びトナーを用いることにより、前述の中間転写体クリーナ35ごときの高価で複雑な装置を用いることなく、第2の画像担持体へ転写した後、中間転写体に残存するトナーを清掃除去できることを見い出した。
【0047】
すなわち、高離型性表面を有する中間転写体、及び高転写性、高離型性トナーを併用することにより、図7に示されるごとく中間転写体クリーナ35の代わりに、バイアスを印加できる中抵抗クリーニングローラ70を当該中間転写体20に当接するだけで、中間転写体20上のトナー71をクリーニング除去することができる。
【0048】
中間転写体20上のトナー71はクリーニングローラ70を通過する時該ローラ70より適当なバイアスが印加される。これにより、トナー71は感光ドラム1に吸引され易い好ましい電荷を付与され感光ドラム1と中間転写体20のニップ部を通過することになる。この時、感光ドラム1上のトナー画像72が、中間転写体20上へ印加された一次転写バイアスにより形成された電界により中間転写されると同時に、トナー71は上述の電界のもとで感光ドラム1上へ回収されることになる。この作用により中間転写体20上のトナー71は全て感光ドラム1へ回収されクリーナ14へ収容される。中間転写体20表面上からトナーは除去清掃されることになる。更に、次の瞬間、先の清掃された中間転写体表面へ前述のトナー画像72が転写されていくことになる。
【0049】
この様なクリーニング同時転写という効果は、本発明のごときの高離型、高転写性を有した、トナー及び中間転写体の組み合せのみによって達成しうるものである。
【0050】
トナーの離型性が悪ければクリーニングローラ70でどんなに高バイアスを印加し、高電荷を付与してもニップ部で完全にトナーを感光ドラム1へ回収することは不可能である。同様に転写効率が低ければ2次転写後の残トナーであるトナー71は思いのほか多くなり、やはりニップ部で全てのトナーを回収することはできなくなる。
【0051】
中間転写体20の離型性についても上述と同様であり、トナー71を中間転写体表面から離脱し易い状態を作ることが必要である。
【0052】
本発明で用いる高潤滑性粉体としては中間転写体表面に潤滑性を付与できるものであり、本発明で用いる粉体の潤滑性を判断するためには次の様な方法を用いることができる。
【0053】
試験する粉体20質量部と中間転写体表層に使用される樹脂、例えばウレタンプレポリマー100質量部とを攪拌混合し、硬化剤5質量部を添加混合した後PET板上にスプレー塗布して試験サンプルを作製する。この時トルエン、MEK等溶解しうる混合溶媒により塗料粘度の調整を行い均一な塗装表面が得られる様に注意する。一方、試験する粉体を添加しない以外は同様にして比較塗装サンプルを作製する。次に、表面性測定機HEIDON−14DR(新東科学社製)を用いて両者のすべり抵抗を測定する。測定方法としては、測定対象物として未塗装のPET板をASTM平面圧子に固定し、200gfの垂直荷重下に100mm/minの速度で塗装サンプルを水平移動させる。試験サンプルのすべり抵抗が比較サンプルの80%以下であれば試験粉体は高潤滑性粉体と判断できる。
【0054】
また一方、前記中間転写体表面の水の接触角が60°以上、かつすべり抵抗が200g以下であるような物性にした場合、トナーの離型性が大きく、転写効率が向上する。このため、耐フィルミング特性も同時に良好となる。また、水との接触角を大きくすることにより、電気抵抗の環境依存性を低減する効果もある。これは、中間転写体表面が疎水性であることから中間転写体が吸湿しにくくなり、使用環境における湿度の影響を受けにくくなるためと推察している。更には、転写効率が向上したことにより、前述のごとくの簡単なクリーニング装置でクリーニングできることから、中間転写体表面への負荷が小さくなり、結果として中間転写体の寿命の向上につながる。中間転写体表面の水の接触角が60°未満、またはすべり抵抗が200gを越えるとトナーの離型性が小さくなり、転写効率の低下、画質の劣化、またはフィルミングの原因となる。
【0055】
従って、本発明の目的を達成するためには、前述の特性を有した材料を選択する。例えば下記のものが挙げられるが必ずしもこれらに限定されるものではない。フッ素ゴム、フッ素エラストマー、黒鉛やグラファイトにフッ素が結合したフッ化炭素及びPTFE、PVDF、ETFE、PFA等の樹脂の様なフッ素化合物の粉体、シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴム、シリコーンエラストマー等のシリコーン系の粉体、PE、PP、PS、アクリル樹脂、ナイロン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂及びこれらの化合物、混合物の粉体、球状グラファイト等の粒状炭素、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化スズ、酸化鉄等の無機粉体等であり、これらを表面処理したもの、または単独または複数混合して使用することもできる。また、高潤滑性粒子の形状や粒径も特に限定されるものではなく、球状、繊維状、板状、不定型等、潤滑性が得られればどのような形状でも使用でき、粒径も制限はないものの分散性や表面性を考慮すると0.02〜50μmが好ましい。これらの粉体には潤滑性を阻害しない範囲で必要に応じて表面処理を行ってもよい。また、諸特性に問題を引き起こさない範囲で分散剤を使用することもできる。
【0056】
本発明の画像形成方法が所望の効果を発揮するためには、これらの本発明の目的を満たした高潤滑性粉体が中間転写体の表面層を構成する物質の全固型分量に対し20〜80質量%占めることが必要であり、好ましくは25〜75質量%である。含有量が20質量%未満の場合には潤滑性の付与が不十分となり、二次転写効率や耐久性が低下し、トナーのフィルミングが発生する。80質量%を超える場合にはバインダー成分との密着性が不足し、耐久性が低下してしまう。
【0057】
中間転写体の表面層を構成する物質を調製するために、この様な粉体を樹脂、エラストマー、ゴム等のバインダー中に混合、分散させる方法として公知の方法を適宜用いることができる。バインダー成分がゴムまたはエラストマーの場合にはロールミル、ニーダー、バンバリーミキサー等の装置が用いられ、液状の場合にはボールミル、ビーズミル、ホモジナイザー、ペイントシェイカー、ナノマイザーもしくはそれに類する装置を使用して分散できる。
【0058】
本発明に用いる高潤滑性粉体は中間転写体の表面に現れていることが必要であり、従って中間転写体の表面層を構成する組成物中に添加することが必要がある。中間転写体が複数の層により構成されている場合には少なくともその最外層中に添加されていなければならない。
【0059】
この様な表面層を構成することにより、水の接触角及びすべり抵抗を所望の範囲に設定することができるのである。
【0060】
本発明に用いる中間転写体として、例えば、円筒状の導電性支持体(芯金)100の外周面上にゴム、エラストマーまたは樹脂よりなる弾性層101を有するローラ形状(図2)、更にその弾性層101の外周面上に一層の被覆層102を有するローラ形状(図3)、またはその弾性層101の外周面上に二層の被覆層102及び103を有するローラ形状(図4)、更には図5に示されるごときベルト形状104と種々の態様の中間転写体から目的、必要に応じて選択することができる。画像の重ね合わせの色ズレ、繰り返しの使用による耐久性を考慮すると、より好ましい中間転写体の形状はローラ形状である。
【0061】
円筒状導電性支持体(芯金)は、アルミニウム、鉄、銅及びステンレス等の金属や合金、カーボンや金属粒子等を分散した導電性樹脂等を用いて制作することができ、その形状としては、上述したような円筒状や、円筒の中心に軸を貫通したもの、円筒の内部に補強を施したもの等が挙げられる。
【0062】
中間転写体の弾性層、被覆層を構成するのに使用されるゴム、エラストマー、樹脂類としては、例えば、エラストマーやゴムとしては、スチレン−ブタジエンゴム、ハイスチレンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレン共重合体、ニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム及びノルボルネンゴム等が挙げられる。また、樹脂類としてはポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。
【0063】
弾性層の膜厚は0.5mm以上、更には1mm以上、特には1〜10mmであることが好ましい。また、被覆層の膜厚は、下層の弾性層の柔軟性をその被覆層の上のもう一つの被覆層にまたは感光体表面に伝えるために薄膜にすることが好ましく、具体的には3mm以下、更には2mm以下、特には20μm〜1mmであることが好ましい。
【0064】
中間転写体の体積抵抗は101〜1013Ω・cmであることが好ましく、特には、102〜1010Ω・cmであることが好ましい。更には、表面層の体積抵抗はこれらの範囲内であることが好ましい。
【0065】
上記のごとく抵抗を制御するために、本発明の目的を妨げない範囲で弾性層、被覆層に導電剤を適宜含有させることができる。導電剤としては、例えば、各種の導電性無機粒子及びカーボンブラック、イオン系導電剤、導電性樹脂、導電性粒子分散樹脂等を挙げることができる。具体的には、導電性無機粒子として酸化チタン、酸化スズ、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素等の粒子に必要に応じて酸化スズ、酸化アンチモン、カーボン等で表面処理を行ったものでこれらの形状も球状、繊維状、板状、不定型等どのような形状でもよい。イオン系導電剤はアンモニウム塩やアルキルスルホン酸塩、リン酸エステル、過塩素酸塩等であり、導電性樹脂としては、4級アンモニウム塩含有ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルアニリン、ポリビニルピロール、ポリジアセチレン及びポリエチレンイミン等が挙げられる。また、導電性粒子分散樹脂としては、カーボン、アルミニウム、ニッケル等の導電性粒子をウレタン、ポリエステル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリメタクリル酸メチル等の樹脂中に分散させたものが挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではないが、これらの中でも導電性のコントロールの点から、被覆層の導電剤には導電性無機粒子が好ましい。
【0066】
一方、本発明に用いるトナーにおいては形状係数を示すSF−1,SF−2とは、例えば日立製作所製FE−SEM(S−800)を用い1000倍に拡大した2μm以上のトナー像を100個無作為にサンプリングし、その画像情報はインターフェースを介して、例えばニコレ社製画像解析装置(LuzexIII)に導入し解析を行い下式より算出し得られた値を形状係数SF−1,SF−2と定義する。
【0067】
SF−1=(MXLNG)2/AREA×π/4×100
SF−2=(PERIME)2/AREA×1/4π×100
(式中、MXLNGは粒子の絶対最大長、PERIMEは粒子の周囲長、AREAは粒子の投影面積を示す)
形状係数SF−1はトナー粒子の丸さの度合いを示し、形状係数SF−2はトナー粒子の凹凸の度合いを示している。
【0068】
複数のトナー像を現像後転写せしめるフルカラー複写機を用いた場合においては、白黒複写機に用いられる一色の黒トナーの場合と比較し中間転写体上のトナー量が増加し、従来の不定形黒トナーを用いた場合には、更に転写効率を向上させることが困難となった。更に、一般の磁性を有する黒トナーを用いた場合には、感光体とクリーニング部材の間や中間転写体とクリーニング部材との間、及び/または感光体と中間転写体間でのズリ力や摺擦力のために感光体表面や中間転写体表面にトナーの融着やフィルミングが発生し転写効率が低下し易い。また、フルカラー画像の生成に於いては黒を含めた4色のトナー像が均一に転写されにくく、更に中間転写体を用いる場合には、色ムラやカラーバランスの面で問題が生じ易く、高画質のフルカラー画像を安定して出力することは容易ではない。
【0069】
トナーの形状係数SF−1が180を越えるかまたはSF−2が140を越えると、球形から離れて不定形に近づき、現像器内でトナーが破砕され易く、粒度分布が変動したり、地かぶりや反転かぶりが生じ易い。また、静電像保持体から中間転写体への転写時におけるトナー像の転写効率の低下、及び中間転写体から転写材への転写時におけるトナー像の転写効率の低下やライン画像の転写中抜けを招き好ましくない。また、SF−1が110以未満下のときまたはトナーの形状係数SF−2が110未満のとき、及び{(SF−2)−100}/{(SF−1)−100}が1.0を越えるときは、一般にクリーニング不良が発生し易い。本発明は上記課題を少なくとも磁性トナーの形状を本発明の範囲にすることで改善したものである。
【0070】
更には、SF−1の値が120≦SF−1≦160、かつSF−2の値が115≦SF−2≦140であり、粉砕法で製造したトナーが好ましく用いられる。
【0071】
また、{(SF−2)−100}/{(SF−1)−100}は図8において、原点を通る直線の傾きを示し、好ましくはこの値が0.20〜0.95(更には0.35〜0.85)であることが、現像性を維持しながら転写性を向上させるために、好ましい。
【0072】
また、更に当該磁性黒トナー粒子表面に無機微粉体を有することで、転写効率の向上及び文字やライン画像の転写中抜けが改善される。このとき、BET法によって測定された単位体積あたりの比表面積Sbと、トナーを真球と仮定した際の重量平均粒径(D4)から算出した単位体積あたりの比表面積St(St=6/D4)の関係が3.0≦Sb/St≦7.0かつ、Sb≧St×1.5+1.5であることが好ましく、更にSbが好ましくは3.2〜6.8m2/cm3、より好ましくは3.4〜6.3m2/cm3である。
【0073】
上記比率が3.0倍未満であると転写効率が不十分であり、7.0倍を越えると画像濃度が低下する。これはトナー粒子に添加される無機微粒子がトナー粒子とトナー像担持体との間でスペーサーとして有効に挙動することに因ると考えられる。
【0074】
上記範囲のトナーの比表面積はトナー粒子の比表面積とトナー粒子に添加する無機微粉体の比表面積、添加量及び添加混合強度を制御することが達成される。添加混合強度が強過ぎると、無機微粒子がトナー粒子中に埋め込まれてしまい、転写効率の向上が不十分である。
【0075】
更に、無機微粉体が有効に使われるためには、トナー粒子の体積あたりの比表面積Srが好ましくは1.2〜2.5m2/cm3、より好ましくは1.4〜2.1m2/cm3であり、トナーを真球と仮定した際の重量平均粒径から計算される体積あたりの理論比表面積の1.5〜2.5倍であることが好ましい。
【0076】
また、無機微粉体の添加によって、比表面積は1.5m2/cm3以上増加することが好ましい。無機微粉体を添加する前のトナー粒子の1nm〜100nmの細孔の積算細孔面積比率が60%細孔半径が3.5nm以下であることが好ましい。この際、トナーのBET比表面積Sbとトナー粒子のBET比表面積Srの比Sb/Srの値は2〜5の範囲にあることが好ましい。
【0077】
これらは、トナー粒子に添加される無機微粉体の一次粒径以上の、トナー粒子中の細孔を減ずることによって、該無機微粉体が更に有効に挙動し、転写効率を向上させるものと考えられる。
【0078】
比表面積はBET法に従って、比表面積測定装置オートソーブ1(湯浅アイオニクス社製)を用いて試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて比表面積を算出した。また、60%細孔半径は、脱離側の細孔半径に対する積算細孔面積比率曲線から求めた。オートソーブ1においては細孔分布の計算はBarrett,Joyner,&Harenda(B.J.H)によって、考えられたB.J.H法で行う。
【0079】
本発明においては、多種の転写材に対応させるため中間転写体を設けているため転写工程が実質2回行われるため転写効率の低下は著しくトナーの利用効率の低下を招き問題となる。デジタルフルカラー複写機やプリンターにおいては原稿やCRTの色情報に対応して多量にトナーが乗るため本発明に使用されるトナーは、極めて高い転写性が要求される。本発明は好ましくは黒トナー、より好ましくは磁性黒トナーに適用できるものである。
【0080】
更に、高画質化のためより微小な潜像ドットを忠実に現像するために、トナー粒子は重量平均径が4〜9μmであることが好ましい。重量平均径が4μm未満のトナー粒子においては、転写効率の低下から感光体や中間転写体上に転写残のトナーが多く、更に、カブリ・転写不良に基ずく画像の不均一ムラの原因となり易く、本発明で使用するトナーには好ましくない。また、トナー粒子の重量平均径が9μmを越える場合には、文字やライン画像の飛び散りが生じ易い。
【0081】
トナーの平均粒径及び粒度分布はコールターカウンターTA−II型またはコールターマルチサイザー(コールター社製)等を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)を接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調整する。例えば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型によりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算出した。それから、体積分布から体積基準の重量平均粒径(D4)、個数分布から個数基準の長さ平均粒径(D1)を求めた。
【0082】
トナーの真密度はガス置換式密度計Accupyc1330(マイクロメリティックス社製)を用いて測定した。
【0083】
また、トナーのガラス転移点Tgは定着性、保存性の観点から50℃〜75℃が好ましく、52℃〜70℃がより好ましい。
【0084】
本発明に用いるトナーのガラス転移点Tgの測定には、例えばパーキンエルマー社製のDSC−7のような、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計を用いる。
【0085】
測定方法は、ASTM D3418−82に準じて行う。本発明においては、試料を1回昇温させ前履歴をとった後、急冷し、再度昇温速度10℃/min、温度0〜200℃の範囲で昇温させたときに測定されるDSC曲線を用いる。
【0086】
本発明のトナーに使用される結着樹脂の種類としては、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体等のスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂等が使用できる。また、架橋されたスチレン系樹脂も好ましい結着樹脂である。
【0087】
スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のような二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;例えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチル、等のような二重結合を有するジカルボン酸及びその置換体;例えば、塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル等のようなビニルエステル類、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のようなエチレン系オレフィン類;例えば、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のようなビニルケトン類;例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のようなビニルエーテル類;等のビニル単量体が単独もしくは組み合わせて用いられる。ここで架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等のような芳香族ジビニル化合物;例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート等のような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物、;及び3個以上のビニル基を有する化合物;が単独もしくは混合物として使用できる。
【0088】
また、圧力定着用に供せられるトナー用の結着樹脂としては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、高級脂肪酸、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂が挙げられる。これらは単独または混合して用いることが好ましい。
【0089】
また、定着時の定着部材からの離型性の向上、定着性の向上の点から次のようなワックス類をトナー中に含有させることも好ましい。パラフィンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス、及びその誘導体、カルナバワックス及びその誘導体等で、誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。
【0090】
その他、アルコール、脂肪酸、酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックス、鉱物系ワックス、ペトロラクタム等も利用できる。
【0091】
本発明に用いるトナーには荷電制御剤をトナー粒子に配合(内添)、またはトナー粒子と混合(外添)して用いることができ好ましい。荷電制御剤によって、現像システムに応じた最適の荷電量コントロールが可能となり、特に本発明では粒度分布と荷電量とのバランスを更に安定したものとすることが可能である。トナーを負荷電性に制御するものとして、例えば、下記物質がある。
【0092】
例えば、有機金属錯体、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属錯体がある。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類等がある。また、正荷電性に制御するものとして下記物質が例示される。
【0093】
ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料、(レーキ化剤としては、燐タングステン酸、燐モリブデン酸、燐タングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物等)高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート類;これらを単独または2種類以上組み合わせて用いることができる。上述した荷電制御剤は微粒子状として用いることが好ましく、この場合これらの荷電制御剤の個数平均粒径は4μm以下更には3μm以下が特に好ましい。これらの荷電制御剤を現像剤に内添する場合は結着樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部、特に0.2〜10質量部使用することが好ましい。
【0094】
また、本発明に用いるトナーに更に添加できる着色材料としては、従来公知のカーボンブラック、銅−フタロシアニン等が使用できる。
【0095】
本発明に用いられる着色剤は、黒色着色剤として主として磁性体、更に必要に応じて、カーボンブラック、以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用される。
【0096】
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、168等が好適に用いられる。
【0097】
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレット2、3、5、6、7、23、48;2、48;3、48;4、57;1、81;1、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254が特に好ましい。本発明に用いられるシアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15;3、15:4、60、62、66等が特に好適に利用できる。これらの着色剤は、単独または混合し更には固溶体の状態で用いることができる。該着色剤の添加量は、樹脂100質量部に対し1〜20質量部添加して用いられ、磁性体100部に対して1〜20部添加し得る。
【0098】
黒色着色剤として磁性体を用いた場合には、他の着色剤と異なり樹脂100質量部に対し30〜200質量部添加して用いられる。本発明において、
磁性体としては、鉄、コバルト、ニッケル、銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、珪素等の元素を含む金属酸化物等がある。中でも、四三酸化鉄、Y−酸化鉄等、酸化鉄を主成分とするものが好ましい。また、トナー帯電性コントロールの観点か珪素元素またはアルミニウム元素等、他の金属元素を含有していてもよい。これら磁性粒子は、窒素吸着法によるBET比表面積が好ましくは2〜30m2/g、特に3〜28m2/g、更にモース硬度が5〜7の磁性粉が好ましい。
【0099】
磁性体の形状としては、8面体、6面体、球形、針状、燐片状等があるが、8面体、6面体、球形、不定型等の異方性の少ないものが画像濃度を高める上で好ましい。磁性体の平均粒径としては0.05〜1.0μmが好ましく、0.1〜0.6μmがより好ましく、0.1〜0.4μmが特に好ましい。
【0100】
磁性体量は結着樹脂100質量部に対し30〜200質量部、好ましくは40〜200質量部、特には50〜150質量部が好ましい。30質量部未満ではトナー搬送に磁気力を用いる現像器においては、搬送性が不十分で現像剤担持体上の現像剤層にむらが生じ画像むらとなる傾向であり、更に現像剤トリボの上昇に起因する画像濃度の低下が生じ易い傾向であった。一方、200質量部を越える定着性に問題が生ずる傾向があった。
【0101】
また、本発明に用いるトナーに含有される無機微粉体としては公知のものが用いられるが、帯電安定性、現像性、流動性及び保存性向上のため、シリカ、アルミナ、チタニア、またはその複酸化物の中から選ばれることが好ましい。更には、シリカであることがより好ましい。例えば、かかるシリカは珪素ハロゲン化物やアルコキシドの蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法またはヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及びアルコキシド水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能であるが、表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、またNa2O,SO3 2-等の製造残滓の少ない乾式シリカの方が好ましい。また、乾式シリカの場合、製造工程において、例えば塩化アルミニウム、塩化チタン、等他の金属ハロゲン化合物を珪素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、それらも包含する。本発明に用いられる無機微粉末はBET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2/g以上、特に50〜400m2/gの範囲のものが良好な結果を与え、トナー100質量部に対してシリカ微粉末を好ましくは0.1〜8質量部、より好ましくは0.5〜5質量部、特に好ましくは1.0〜3.0質量部使用する。また、本発明に用いられる無機微粉末は、必要に応じ、疎水化、帯電性制御等の目的でシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他有機珪素化合物、有機チタン化合物等の処理剤で、または、種々の処理剤で併用して処理されていることが好ましい。
【0102】
低消費量及び高転写率を達成するためには、無機微粉体は少なくともシリコーンオイルで処理されていることが更に好ましい。
【0103】
また、転写性及び/またはクリーニング性向上のために一次粒径50nm以上(好ましくは比表面積が30m2/g未満)の無機または有機の球状に近い微粒子を更に添加することも好ましい形態のひとつである。例えば球状シリカ粒子、球状ポリメチルシルセスキオキサン粒子、球状樹脂粒子等が好ましく用いられる。
【0104】
本発明に用いるトナーには、実質的な悪影響を与えない範囲内で更に他の添加剤、例えばテフロン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末、または酸化セリウム粉末、炭化珪素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末等の研磨剤、または例えば酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末等の流動性付与剤、ケーキング防止剤、または例えばカーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化スズ粉末等の導電性付与剤、また、逆極性の有機微粒子、及び無機微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
【0105】
本発明に用いるトナーを作成するには、公知の方法が用いられるが、例えば、結着樹脂、ワックス、金属塩ないしは金属錯体、着色剤としての顔料、または染料、磁性体、必要に応じて荷電制御剤、その他の添加剤等をヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合器により十分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練して樹脂類をお互いに相熔せしめた中に金属化合物、顔料、染料、磁性体を分散または溶解せしめ、冷却固化、粉砕後、分級及び表面処理を行ってトナー粒子を得、無機微粉体を添加混合することによって本発明に用いるトナーを得ることができる。分級及び表面処理の順序はどちらが先でもよい。分級工程においては生産効率上、多分割分級機を用いることが好ましい。
【0106】
表面処理としては、粉砕法トナー粒子を水中に分散させ加熱する湯浴法、熱気流中を通過させる熱処理法、機械的エネルギーを付与して処理する機械的衝撃法等が挙げられるが、本発明においては、機械的衝撃法において処理温度をトナー粒子のガラス転移点Tg付近の温度(Tg±10℃)を加える熱機械的衝撃が、凝集防止、生産性の観点から好ましい。更に好ましくは、トナーのガラス転移点Tg±5℃の範囲の温度で行うことが、表面の10nm以上の半径の細孔を減じ、無機微粉体を有効に働かせ、転写効率を向上させるのに特に有効である。
【0107】
また本発明において、第一の画像担持体に離型性を付与することは転写効率の向上、転写中抜けの防止等に著しく有効である。
【0108】
第一の画像担持体表面層に離型性を付与する手段としては、
(1)膜を構成する樹脂自体に表面エネルギーの低いものを用いる、
(2)撥水、親油性を付与するような添加剤を加える、
(3)高い離型性を有する材料を粉体状にして分散する、
等が挙げられる。(1)の例としては、樹脂の構造中にフッ素含有基、シリコーン含有基等を導入することにより達成する。(2)としては、界面活性剤等を添加剤とすればよい。(3)としては、フッ素原子を含む化合物、すなわちポリ4フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ化カーボン等が挙げられる。
【0109】
この中でも特にポリ4フッ化エチレンが好適である。本発明においては、(3)の含フッ素樹脂等の離型性粉体の表面層への分散が好適である。
【0110】
これらの粉体を表面に含有させるためには、バインダー樹脂中に該粉体を分散させた層を像担持体最表面に設けるか、または、元々樹脂を主体として構成されている有機像担持体であれば、新たに表面層を設けなくても、最上層に該粉体を分散させればよい。添加量は、表面層総質量に対して、1〜60質量%、更には、2〜50質量%が好ましい。1質量%より少ないとトナー及びトナー担持体の耐久性改善の効果が不十分であり、60質量%を越えると膜の強度が低下したり、像担持体への入射光量が著しく低下したりするため、好ましくない。
【0111】
本発明の中間転写体は、例えば以下のようにして製造される。
【0112】
まず、円筒状導電性支持体(芯金)としての金属ロールを用意する。ゴム、エラストマー、樹脂等を金属ロール上に溶融成形、注入成形、浸漬塗工またはスプレー塗工等により成形することによって弾性層を設ける。次に、被覆層の材料を弾性層の上に溶融成形、注入成形、浸漬塗工またはスプレー塗工等により成形することによって被覆層を設ける。
【0113】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。実施例中、部は質量部を表わす。
(実施例1)
直径182mm、長さ320mm、厚み5mmのアルミニウム製円筒状ローラの表面に、金型を用いて下記配合のゴムコンパウンドをクロスヘッド押し出し成形し、かつ表層を研磨することにより弾性層を有するローラ(1)を得た。
【0114】
ゴム配合:
NBR 100部
酸化亜鉛 2部
導電性カーボンブラック 10部
パラフィン系オイル 30部
加硫剤 2部
加硫促進剤 3部
【0115】
また、下記の処方の塗料を調製した。
Figure 0003870136
【0116】
この塗料をローラ(1)の外周面へスプレー塗布して、厚み80μmの被覆層を形成し、その後、90℃で1時間加熱することにより残存溶剤を除去し且つ被膜に架橋を生じさせて強靱な表面層を有する中間転写体(1)を得た。この中間転写体(1)の表面層の全構成成分中に占めるPTFE粒子の割合は塗料中の全固型分量に対し約70質量%であった。この中間転写体(1)を温度23℃、湿度65%の環境下で350mm×200mmのアルミニウム板上に中間転写体(1)の転写面を接触させて置き、中間転写体(1)内面のアルミニウムシリンダーとアルミニウム板との間に高圧電源で1kVの電圧を印加し、電源と直列につないだ1kΩの抵抗体の前後の電位差を測定して電流値に換算し、更に、印加電圧とこの電流値から中間転写体(1)の体積抵抗を求めたところ5.0×107Ωであった。
【0117】
また、本実施例に用いられた平均粒径0.3μmのPTFE粒子は、前述の高潤滑性判断テストにおいて、比較サンプルに対して40%であった。
【0118】
次に、中間転写体(1)の接触角及びすべり抵抗は以下の様にして測定して値を得た。
【0119】
中間転写体(1)に用いたと同様の塗料を用いて、中間転写体(1)と同様の塗膜をアルミシート上に形成し、被覆層サンプルシートを得、被覆層サンプルシートの接触角をゴニオメーター式接触角測定器(協和界面科学社製)を用いて測定し中間転写体被覆層の接触角とした。また、中間転写体被覆層のすべり性を表面性測定機:HEIDON−14DR(新東科学社製)を用いて測定した。詳しくは、HEIDON−14DRのASTM平面圧子にPETシートを巻き付けて測定対象物とし、被覆層サンプルシートとASTM平面圧子間に200gfの垂直荷重をかけ水平方向に100mm/min.の速度でサンプルシートを移動させたときのPETシートと被覆層サンプルシートのすべり抵抗を測定した。この時の接触角及びすべり抵抗はそれぞれ112゜,83gであった。
【0120】
一方、磁性トナーとしては、以下の様にして得た。
【0121】
〔トナー製造例1〕
・磁性体(平均粒径0.22μm) 120部
・スチレン−アクリル酸ブチル−マレイン酸ブチルハーフエステル共重合体
(ガラス転移点Tg60℃) 100部
負帯電性制御剤 4部
・低分子量ポリオレフィン(離型剤) 3部
【0122】
上記材料をブレンダーにて混合し、130℃に加熱した2軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェトミルで微粉砕し、得られた微粉砕物をコアンダ効果を用いた多分割分級機にて厳密に分級して磁性トナー粒子を得た。該磁性トナー粒子を熱機械的衝撃力(処理温度70℃)により表面処理し、得られた磁性トナー粒子に対し2.0質量%のシリコーンオイルとヘキサメチルジシラザンで疎水化処理された一次粒径12nmの乾式シリカ(処理後のBET比表面積120m2/g)と0.5質量%の球状シリカ(BET比表面積20m2/g、一次粒径0.1μm)を添加し、混合機にて混合し磁性トナーAを得た。得られた磁性トナーの重量平均粒径が6.5μm、個数平均粒径が5.3μm、SF−1が140、SF−2が129、BET比表面積が5.2m2/cm3であった。また、トナー粒子のBET比表面積は1.65m2/cm3であった。得られた磁性トナーの物性を表1に示す。本発明においては粒径はコールターカウンターマルチサイザー(コールター社製)を用いて測定した。
【0123】
感光体としては62φのアルミニウムシリンダーを支持体とした。これに、(1)〜(4)に示すような構成の層を順次浸漬塗布により積層して、感光体(1)を作成した。
【0124】
(1)導電性被覆層:酸化錫及び酸化チタンの粉末をフェノール樹脂に分散したものを主体とする。膜厚15μm。
【0125】
(2)下引層:変性ナイロン、及び共重合ナイロンを主体とする。膜厚0.6μm。
【0126】
(3)電荷発生層:長波長域に吸収を持つアゾ顔料をブチラール樹脂に分散したものを主体とする。膜厚0.6μm。
【0127】
(4)電荷輸送層:ホール搬送性トリフェニルアミン化合物をポリカーボネート樹脂(オストワルド粘度法による分子量2万)に8:10の質量比で溶解したものを主体とし、更にポリ4フッ化エチレン粉体(粒径0.2μm)を総固形分に対して10質量%添加し、均一に分散した。膜厚25μm。
【0128】
次に、前記の中間転写体(1)、磁性トナーA、感光体(1)を図7に示される画像形成装置に搭載し、以下の条件に基づいて画像形成を行い、転写効率、画質、繰り返し複写による耐久性等の評価、確認を行った。
【0129】
中間転写体クリーナ70は、導電性カーボンを分散したウレタンゴムの上層にメトキシメチル化ナイロンに導電性酸化スズを分散させた被覆層を有した、約108Ω・cmの抵抗を有する中抵抗ローラを用い、クリーニング時+2.0kVのバイアスを印加して使用した。
【0130】
作像条件としては静電潜像担持体として感光体(1)のOPCドラムを用いレーザー露光(600dpi)により暗部電位VD=−600V、明部電位VL=−100Vとした。また、黒現像器は図7の現像器Bの位置で用い、黒トナー用担持体として下記の構成の層厚約7μm、JIS中心線平均粗さ(Ra)2.2μmの樹脂層を、表面をブラストした直径16φのステンレス円筒上に形成した現像スリーブを作成した。
【0131】
フェノール樹脂 100部
グラファイト(粒径約7μm) 90部
カーボンブラック 10部
【0132】
次いで、感光ドラムと該現像スリーブとの間隙(S−D間)を300μm、現像磁極80mT(800ガウス)とし、トナー規制部材として厚み1.0mm、自由長10mmのウレタンゴム製ブレードを14.7N/m(15g/cm)の線圧で当接させた。現像バイアスとして直流バイアス成分Vdc=−450V、重畳する交流バイアス成分Vp−p=1200V、f=2000Hzを用いた。
【0133】
感光体クリーナ14に用いられる感光体クリーニングブレードとして厚み2.0mm、自由長8mmのウレタンゴム製ブレードを24.5N/m(25g/cm)の線圧で当接させた。また、プロセススピードは94mm/secとし、現像スリーブ周速Vtと感光体周速Vの比Vt/Vを1.5として順方向に回転させた。
【0134】
第1の画像担持体である感光ドラム(1)から中間転写体(1)への一次転写効率は96.5%であり、中間転写体(1)から第2の画像担持体である80g/cm2紙への二次転写効率は97%であった。なお、本明細書において、一次転写効率及び二次転写効率は次式により求めた値である:
Figure 0003870136
【0135】
その後、繰り返して画像プリント試験を行った。また、そのプリント画像として中抜けのない文字、細線が得られ、ベタ画像についても均一な画質が得られた。1万枚の耐久試験後も初期と同様な画質が得られ、上記と同様の方法で測定した二次転写効率も95%とほとんど低下が見られなかった。2万枚の耐久試験後の中間転写体表面を顕微鏡観察しても、トナーによるフィルミングは全く発生せず、良好な結果であった。これらの結果を表2に示す。
【0136】
(実施例2)
実施例1において高潤滑性粉体として粒径1μmのシリコーン樹脂粒子を使用し、乾燥固化後の表面層中に占める高潤滑性粉体の割合を60質量%に変更した以外は実施例1と同様にして耐久試験を行った。実施例1と同様に良好なフルカラー画像が得られた。その結果を表2に示す。
【0137】
(実施例3)
実施例1において高潤滑性粉体として粒径0.8μmのフッ化炭素粒子を使用した以外は実施例1と同様にして耐久試験を行った。実施例1と同様に良好なフルカラー画像が得られた。その結果を表2に示す。
【0138】
(実施例4)
実施例1において高潤滑性粉体として粒径0.05μmのシリカ粒子を使用し、乾燥固化後の表面層中に占める高潤滑性粉体の割合を30質量%に変更した以外は実施例1と同様にして耐久試験を行った。画質は実施例1と若干の差はあるが、ほぼ良好なフルカラー画像が得られた。その結果を表2に示す。
【0139】
(実施例5)
実施例1においてPTFE樹脂粒子の乾燥固化後の表面層中に占める割合を20質量%に変更した以外は実施例1と同様にして耐久試験を行った。転写効率と画質は実施例1よりやや劣るが、実用上問題のないフルカラー画像が得られた。その結果を表2に示す。
【0140】
(比較例1)
実施例1において高潤滑性粉体を使用しなかった以外は実施例1と同様にして耐久試験を行った。初期から転写効率が劣り、1万枚耐久後は画質、耐久性共問題があることが確認された。その結果を表2に示す。
【0141】
(比較例2)
実施例1においてPTFE樹脂粒子の乾燥固化後の表面層中に占める割合を15質量%に変更した以外は実施例1と同様にして耐久試験を行った。初期から転写効率が劣り、1万枚耐久後は画質、耐久性共問題があることが確認された。その結果を表2に示す。
【0142】
(実施例6〜8)
下記の磁性トナーB、C、Dを用い実施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
【0143】
〔トナー製造例2〕
無機微粉体として1.5質量%のシリコーンオイルとヘキサメチルジシラザンで疎水化処理された一次粒径12nmの乾式シリカ(BET比表面積120m2/g)と0.5質量%の球状シリカ(BET比表面積5m2/g、一次粒径1.0μm)を添加する以外はトナー製造例1と同様にして、磁性トナーBを得た。得られた磁性トナーの物性を表1に示す。
【0144】
〔トナー製造例3、4〕
無機微粉体としてシリコーンオイルで疎水化された一次粒径約20nmの酸化チタン微粒子(BET比表面積100m2/g)、一次粒径約20nmのアルミナ微粒子(BET比表面積90m2/g)をそれぞれ1.2質量%用いる以外はトナー製造例1と同様にして、磁性トナーC、Dを得た。得られた磁性トナーの物性を表1に示す。
【0145】
(比較例3)
〔トナー製造例5〕
・磁性体(平均粒径0.22μm) 80部
・スチレン−アクリル酸ブチル共重合体
(ガラス転移点Tg68℃) 100部
負帯電性制御剤 3部
・低分子量ポリオレフィン(離型剤) 4部
【0146】
上記材料をブレンダーにて混合し、130℃に加熱した2軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェトミルで微粉砕し、得られた微粉砕物をコアンダ効果を用いた多分割分級機にて厳密に分級して磁性トナー粒子を得た。得られた磁性トナー粒子に対し0.4質量%のヘキサメチルジシラザンで疎水化処理された一次粒径約16nmの乾式シリカ(BET比表面積100m2/g)を添加し、混合機にて混合し磁性トナーEを得た。得られた磁性トナーの重量平均粒径12μmであった。得られた磁性トナーの物性を表1に示す。
【0147】
上記の磁性トナーEを用い、実施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
【0148】
【外1】
Figure 0003870136
【0149】
【外2】
Figure 0003870136
【0150】
【外3】
Figure 0003870136
【0151】
【発明の効果】
以上述べてきたように、本発明の画像形成方法によれば、以下のような効果が得られる。
(1)一次転写効率、二次転写効率共に高い値を得ることができる。
(2)中抜け画像の発生もなく、良好な画像を得ることができる。
(3)転写残トナーが少なく、クリーニング装置の小型化ができる。
(4)転写効率が高いために、耐久によるフィルミングの発生を抑えることができる。
(5)有機感光体に悪影響を与えず、感光体寿命を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いるカラー画像出力装置の概略図である。
【図2】本発明に用いる中間転写体の1例の模式断面図である。
【図3】本発明に用いる中間転写体の1例の模式断面図である。
【図4】本発明に用いる中間転写体の1例の模式断面図である。
【図5】本発明に用いるカラー画像出力装置の概略図である。
【図6】中抜け画像を例示する図である。
【図7】本発明に用いるカラー画像出力装置の概略図である。
【図8】SF−1とSF−2の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 感光ドラム
2 一次帯電器
3 画像露光
9 給紙カセット
14 感光ドラムのクリーニング装置
15 定着器
20 中間転写体
21 芯金
22 弾性層
24 転写材
25 転写ローラ
29 バイアス電源
35 中間転写体クリーナ
41 マゼンタ色現像装置
42 シアン色現像装置
43 イエロー色現像装置
44 ブラック色現像装置
61 バイアス電源
70 クリーニングローラ
71 残トナー
72 トナー画像
100 芯金
101 弾性層
102 被覆層
103 被覆層
104 ベルト状中間転写体

Claims (1)

  1. 第1の画像担持体上に形成されたトナー画像を中間転写体に転写した後、第2の画像担持体上に更に転写する画像形成方法において、
    該中間転写体表面の水の接触角が60°以上、かつすべり抵抗が200g以下であり、かつ、
    該トナーが、少なくとも結着樹脂中に着色剤が分散されたトナー粒子と無機微粉体を有するトナーであり、該トナーの画像解析装置で測定した形状係数SF−1の値が110<SF−1≦180、SF−2の値が110<SF−2≦140、かつ{(SF−2)−100}}/{(SF−1)−100}}の値が1.0以下であり、かつ、
    該トナーのうち少なくとも1色のトナーは、結着樹脂100質量部に対し、磁性体30〜200質量部を含有する磁性トナーであり、該磁性トナーの画像解析装置で測定したSF−1の値が120≦SF−1≦160、かつSF−2の値が115≦SF−2≦140であることを特徴とする画像形成方法。
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