JP4011793B2 - トナー及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真法、静電記録法、磁気記録法、トナージェット方式などを利用した記録方法に用いられるトナー及びこのトナーを用いた画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法としては多数の方法が知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、ついで該潜像をトナーで現像を行って可視像とし、必要に応じて紙などの転写材にトナー画像を転写した後、熱・圧力などにより転写材上にトナー画像を定着して複写物又は印刷物を得るものである。
【0003】
従来、フルカラー複写機においては、4つの感光体を用い各感光体上に形成された静電潜像をシアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー又は黒色トナーを用いて現像し、ベルト状転写体で転写材を搬送し、各色トナーを転写材へ転写後、フルカラー画像を形成せしめる方法、又は、1つの感光体に対向せしめた転写材保持体表面に静電気力やグリッパーの如き機械的作用により転写材を巻き付け、現像−転写工程を4回くり返して行なうことでフルカラー画像を得る方法が一般的に利用されている。
【0004】
さらに、中間転写体を用いた画像形成方法も提案されており、米国特許第5,187,526号にはドラム形状の中間転写体を用いるフルカラー画像装置が、特開昭59−15739号公報には平均粒径10μm以下のトナーで形成されたトナー像を中間転写体へ転写し、中間転写体上のトナー像を転写材へさらに転写する方法が提案されている。
【0005】
しかし、中間転写体を用いる画像形成方法おいては、トナー像を感光体から中間転写体に一旦転写後、更に中間転写体から転写材上に再度転写することが必要であり、トナーの転写効率を従来以上に高める必要がある。さらに、白黒複写機に用いられる一色の黒トナーの場合と比較し、中間転写体上のトナー量が増加し転写効率を向上させることが困難となり、4色のトナー像が均一に転写されにくく、図1(b)に示す如き所謂中抜けと称される部分的な転写不良の問題が生じる。
【0006】
一般に転写工程において転写材、中間転写体はトナーと反対極性に帯電されており、静電的な作用により転写は行われる。ここで、トナーの転写効率を上げるために転写バイアスを上げると、転写時に、トナーあるいは感光体と転写材間において発生する放電によりトナーの帯電量が減少する、あるいは逆極性に帯電してしまい(以後これらの現象をトナー電荷のリークと称す)、転写材上に転写したトナーが感光体上に戻ってしまう再転写と呼ばれる現象が生じてしまう。特に、上記のフルカラー画像形成方法のように転写工程を多数回行う場合、転写順が先のトナーほど再転写が起こりやすく、再転写による画像濃度の低下が起きてしまう。再転写が起こると画像にムラが生じ、高品位な画像が得られなくなってしまう。
【0007】
特開平2−66559号公報、特開平2−87159号公報、特開平2−146557号公報、特開平2−167566号公報及び特開平5−61251号公報に、トナーに機械的衝撃処理を施すことにより転写率が改善できるという提案がなされている。しかしながら、これらに提案されている方法では、転写効率は上がるものの充分ではなく、特に中間転写体を用いた画像形成装置を用いた場合の転写効率はいまだ不十分であり、再転写の改善には効果が認められない。
【0008】
電気的潜像を可視化する現像方法としては、カスケード現像法、磁気ブラシ現像法、非磁性一成分現像方法及び加圧現像方法が知られている。さらには、磁性トナーを用い、中心に磁極を配した回転スリーブを用い感光体上とスリーブ上の間を電界にて飛翔させる磁性一成分現像方法も用いられている。
【0009】
一成分現像方式は、二成分方式のようにガラスビーズや鉄粉の如きキャリア粒子が不要なため、現像装置自体を小型化・軽量化できる。さらには、二成分現像方式はキャリア中のトナーの濃度を一定に保つ必要があるため、トナー濃度を検知し必要量のトナーを補給する装置が必要である。よって、ここでも現像装置が大きく重くなる。一成分現像方式ではこのような装置は必要とならないため、やはり小さく軽くできるため好ましい。
【0010】
近年、半導電性の現像ローラーまたは、表面に誘電層を形成した現像ローラーを用いて感光体表面層に押し当てる構成にて現像を行う所謂接触一成分現像方法が提案されている。
【0011】
一成分現像方法において、感光体とトナー担持体が距離をもつと、感光体上の静電潜像のエッジ部に電気力線が集中し、電気力線に沿ってトナーが現像されるために画像のエッジ部にトナーが偏って現像されるエッジ効果によって画像の品位が低下し易い。
【0012】
感光体とトナー担持体を非常に近づけることにより、このエッジ効果を防止するが、感光体、トナー担持体間の隙間を機械的に設定する、つまり、トナー担持体上トナー層の厚みよりも隙間を小さく設定することは困難である。
【0013】
したがって、トナー担持体を感光体に押し当て現像を行なう接触一成分現像方法を用いて、エッジ効果を防止することになる。しかしながら、感光体表面移動速度に対し、トナー担持体表面移動速度が同じであると、感光体上潜像を可視化した場合、満足できる画像は得られない。よって、接触一成分現像方法においては、感光体表面移動速度に対する、トナー担持体表面移動速度に差を持たせることにより、感光体表面の潜像に対し、トナー担持体上の一部のトナーが現像され、別の一部のトナーが剥ぎ取られ、その結果、潜像に非常に忠実なエッジ効果のない現像画像が得られる。
【0014】
このような接触一成分現像方法においては、感光体表面をトナー及びトナー担持体により擦る構成が必須であり、このために長期間使用によりトナー劣化が生じ、トナーの流動性及び帯電均一性の低下が起こり、カブリの増加や転写効率の低下が生じ好ましくない。さらに、転写効率の低下により、微細なドットの再現性が低下し、画質の劣化を生じる。
【0015】
Japan Hardcopy’89論文集 25〜28頁に接触型一成分非磁性現像方式の検討がなされている。しかしながら、トナーの長期間使用によるトナー劣化の如きトナーの耐久特性については触れられていない。
【0016】
FUJITSU Sci.Tech.J.,28,4,pp.473−480(December l992)には、一成分接触現像方法を用いたプリンターの概要が報告されている。しかしながら、上記のトナーの耐久特性については十分ではなく、さらなる改善の余地がある。
【0017】
カブリの低減及び転写効率の向上には、特開平6−222609号公報及び特開平8−036316号公報には、外添剤量を規定したトナー、及び平均粒径の異なる2種類の外添剤を外添したトナーを用いた一成分接触現像方法に関する技術が開示されているが、耐久後の転写効率はいまだ充分ではない。
【0018】
特開平9−127720号公報及び特開平9−190006号公報には、金属塩化合物を外部添加する方法が開示されているが、これに関しても実際に画像評価を行うと、カブリや転写効率において、まだ不十分なレベルである。
【0019】
特開平10−97095号公報(対応EP 822456A1)には、示差熱分析における吸熱ピークを120℃の温度領域に1つ以上有するトナーにおける粒径3μm以上の粒子における円形度分布を規定することにより、トナーの再転写を抑制することが開示されている。
【0020】
EP 886187A1には、特定の円形度分布及び特定の重量平均粒径を有するトナーが有する外添剤のトナー粒子上での平均粒径及び形状係数が特定の範囲であることにより微小ドットを忠実に再現させた高画質画像が得られ、現像器内における機械的ストレスが高く、トナー劣化が生じにくいことが記載されている。
【0021】
しかしながら、上記の2件の先行技術は、再転写の抑制及び転写効率の向上の点でより改良すべき点を有しており、また、接触現像を行う場合に、より転写効率の向上及びカブリの抑制の点でより改良すべき点を有している。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決したトナー及び画像形成方法を提供することにある。
【0023】
本発明の目的は、再転写を起こさず高い画像濃度が得られるトナー及び画像形成方法を提供することにある。
【0024】
本発明の目的は、高い転写効率を有し、優れた画質の画像が得られるトナー及び画像形成方法を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の本発明の構成により達成される。
【0026】
本発明は、少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナー粒子を有するトナーにおいて、
該トナーは、0.955以上の平均円形度を有しており、
X線回折において、測定角2θが6乃至40degreeの範囲に、測定強度が10000cps以上であり、且つ半値半幅が0.3degree以下であるピークを有さない低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物が、埋め込まれることなく、粒状態でなくなった状態でトナー粒子表面を被覆していることを特徴とするトナーに関する。
【0027】
さらに、本発明は、像担持体上に担持されている第1の静電潜像を第1のトナーにより現像して第1のトナー画像を形成する第1の現像工程;
該像担持体上に形成されている第1のトナー画像を転写材上に転写する第1の転写工程;
該像担持体上に担持されている第2の静電潜像を第2のトナーにより現像して第2のトナー画像を形成する第2の現像工程;及び
該像担持体上に形成されている第2のトナー画像を該第1のトナー画像が転写されている転写材上に転写する第2の転写工程;
を少なくとも有する画像形成方法において、
少なくとも該第1のトナーは、結着樹脂、第1の着色剤及び離型剤を少なくとも含有する第1のトナー粒子を有しており、且つ、0.955以上の平均円形度を有しており、
X線回折において、測定角2θが6乃至40degreeの範囲に、測定強度が10000cps以上であり、且つ半値半幅が0.3degree以下であるピークを有さない低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物が、埋め込まれることなく、粒状態でなくなった状態で該第1のトナー粒子表面を被覆していることを特徴とする画像形成方法に関する。
また本発明は、少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナー粒子を有するトナーの製造方法において、
該トナーは、0.955以上の平均円形度を有しており、
該トナー粒子に、X線回折において、測定角2θが6乃至40degreeの範囲に、測定強度が10000cps以上であり、且つ半値半幅が0.3degree以下であるピークを有さない低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物とを、機械的衝撃力を用いて混合及び撹拌することによって、該トナー粒子表面に、該金属錯化合物、該金属塩、または、該金属錯化合物と該金属塩との混合物を、埋め込まれることなく、粒状態でなくなった状態で被覆させることを特徴とするトナーの製造方法に関する。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明者らが鋭意検討を行ったところ、少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナー粒子を有するトナーにおいて、トナーの平均円形度が0.955以上と高く、且つトナー粒子の表面には、低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、両者の混合物が存在することによって、好ましくはトナー粒子表面を被覆することによって、転写効率が向上し、且つ再転写が解決できること、及び、長期にわたり高い転写効率を維持でき、中抜けやカブリが低減できることを見出した。
【0029】
芳香族化合物の金属塩または金属錯化合物の如き金属化合物が低結晶性または非晶性であると、せん断力を加えることにより、上記金属化合物自体を延伸することが可能であるため、上記金属化合物粒子とトナー粒子を後述の方法で混合することにより、トナー粒子表面に存在している上記金属化合物がトナー粒子表面を均一に被覆した状態で存在することが可能となる。このトナー粒子表面に存在している、好ましくはトナー粒子表面を被覆した状態で存在している上記金属化合物が転写時に起こるトナー電荷のリークを防ぎ、且つ、感光体とトナーの摩擦によりトナーの帯電量が上がり、転写材との静電的付着力が大きくなるために再転写が防止されると考えられる。さらに、上記金属化合物は、トナー粒子表面を均一に被覆することができるので、均一なトナーの帯電が起こり、トナーの転写効率が向上する。さらに、上記金属化合物は帯電制御作用を有しており、上記金属化合物がトナー粒子表面を均一に覆うことができるので、トナーの帯電が速く、且つ、充分な帯電量を得ることができるために、耐久後でトナーの流動性が劣る様な状態でもトナーの帯電量分布が均一になると共に、上記金属化合物がトナー粒子表面を均一に被覆した状態で存在することにより外添剤が埋め込まれにくくなり、トナー劣化が起こり難くなる。よって、これら作用の相乗効果により、耐久後であっても転写効率が高く、且つカブリの無い画像が得られるものと考えられる。
【0030】
芳香族化合物の金属錯化合物または金属塩の如き金属化合物が結晶性物質である場合には、結晶性であるが故に硬く、平均円形度が0.955以上の表面がなめらかなトナーに対しては、上記金属化合物がトナー粒子表面を被覆するのではなく、トナー粒子に埋め込まれるように存在する。よって、上記の金属化合物の添加量を増やしてもトナー粒子に不均一に埋め込まれてしまい、トナー粒子全体を均一に覆うように存在することはできない。更に結晶が大きい場合はトナー粒子に埋め込むことも不可能となってしまう。そのため、トナー電荷のリークを防ぐことができず、また、耐久後に転写効率の低下が生じてしまう。
【0031】
本発明において「被覆」とは、拡大倍率1万〜3万倍のSEM観察において、トナー粒子表面に芳香族化合物の金属塩、金属錯化合物、または、金属塩と金属錯化合物との混合物が、粒状態でなくなった状態で存在していることが確認できる状態と定義する。
【0032】
本発明において「非晶性または低結晶性」とは、X線回折装置において図2に示す様に、測定強度が10000cps(count per second)以上であり、且つ半値半幅が0.3degree以下であるピークを有さない状態であり、結晶性の芳香族化合物の金属錯化合物の回折パターン(図3)とは明らかに異なる。一般的にX線回折測定において、結晶性物質はブラッグの回折条件により結晶面間隔に応じて固有の回折ピークが表れ、回折強度は結晶の状態、結晶化度に依存していることから、X線回折の測定強度が10000cps以上であり、且つ半値半幅が0.3degree以下であるピークを有さない物質は、非結晶または低結晶物質と考えることができる。実際の測定に際して測定角2θが6degree未満の範囲ではダイレクトビームの影響が大きく、また、測定角2θが大きくなると測定強度が小さくなることから、2θが40degreeを超える範囲では測定強度が小さく、これらの範囲では結晶又は非結晶の判断を行うことは好ましくない。
【0033】
なお、「半値半幅」とは、ピークトップの測定強度(cps)の1/2測定強度におけるピークの幅(半値全幅)の1/2の幅を意味する。
【0034】
本発明のX線回折の測定には、例えば(株)マック・サイエンス製X線回折装置 MXP18を用い、CuKα線を用い次の条件により測定を行う。
【0035】
X線管球:Cu
管電圧:50kV
管電流:300mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:2deg./min
サンプリング間隔:0.02deg.
発散スリット:0.50deg.
散乱スリット:0.50deg.
受光スリット:0.3mm
【0036】
なお、芳香族化合物の金属塩、金属錯化合物、または、金属塩と金属錯化合物との混合物は、ガラスプレート上に約12mg/cm2となるようにのせ、表面に凹凸がない状態にした後に測定を行う。
【0037】
芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、両者の混合物のトナー粒子表面の存在量としては、トナー粒子100重量部当たり0.01〜0.5重量部、より好ましくは0.01〜0.3重量部であることが好ましい。存在量が0.01重量部より少ないとトナー粒子の表面に均一に存在することが難しく、再転写抑制効果が薄くなり、且つ耐久後に転写効率の低下が生じ易く、0.5重量部より多いとトナー粒子表面に存在せずに遊離しているものの割合が増えてしまい、帯電部材の汚染を引き起こし好ましくない。また、芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、両者の混合物をトナーに内部添加することにより、トナーの帯電の立ち上がりが速く、均一な帯電が行われ、転写効率が上昇し、且つ耐久後の転写効率の低下が起こり難くなる。内部添加量は結着樹脂100重量部当たり0.05〜5重量部であることが好ましく、内部添加量が0.05重量部より少ないと帯電の立ち上がりが遅く、5重量部より多いと定着性が劣るものとなり、OHTの透明性の低下、芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、両者の混合物が有する色によるカラートナーの色のズレなどが生じ好ましくない。
【0038】
内部添加する芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩については、トナー表面に存在する化合物と異なっていても同一であってもよく、結晶性であっても非晶性であってもよい。
【0039】
本発明において、金属錯化合物としては、金属錯体又は金属錯塩が挙げられる。
【0040】
本発明において、添加する芳香族化合物の金属錯化合物または金属塩としては公知のものが全て使用でき、例えば、オキシカルボン酸の如き芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸系の金属化合物、芳香族モノアゾ金属化合物等がある。この中でもオキシカルボン酸化合物の金属錯化合物、金属塩、または、両者の混合物であり、特に中心金属がアルミニウムあるいはジルコニウム、より好ましくはアルミニウムであると、再転写の防止効果が大きく、且つ転写効率が高い。これは、オキシカルボン酸のアルミニウムあるいはジルコニウム化合物であると、トナーの帯電性が向上し、大きな帯電量が得られると共に、トナーの被覆性が良好であるためであると考えている。
【0041】
本発明に用いられる低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物または金属塩の製造例として、本発明に好適に用いられる非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物の製造方法を例示する。
【0042】
Al2(SO4)3水溶液にジアルキルサリチル酸のアルカリ水溶液を添加、撹拌し、反応物を濾別、洗浄、乾燥することにより、ジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物を製造することが可能である。本発明においては、この製造されるジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物が、低結晶性または非晶性を有していることが必要であるので、製造時にAl2(SO4)3 1モルに対し、ジアルキルサリチル酸を好ましくは2.1乃至3.0モル、より好ましくは2.2乃至2.8モル反応させることにより、未反応物の残存量を抑制して低結晶性または非晶性を有する化合物を製造することができる。
【0043】
本発明に用いられる低結晶性または非結晶性の芳香族化合物の金属錯化合物または金属塩の一次粒子の平均粒径は、好ましくは0.7μm以下、より好ましくは0.05乃至0.50μmであることが良い。
【0044】
この低結晶性または非結晶性の芳香族化合物の金属錯化合物または金属塩の一次粒子の平均粒径の測定は、サンプルを透過型電子顕微鏡(TEM)にて、3万倍から7万倍の倍率で観察して写真を撮る。そして画像上の0.01μm以上の粒子を測定対象にして、一次粒子であると確認できるものについて、50個ランダムにサンプリングして、その各像の粒径を測定し、個数平均値を算出して一次粒子の平均粒径とする。
【0045】
芳香族化合物の金属塩、金属錯化合物、または金属塩と金属錯化合物との混合物をトナー粒子表面に存在させる方法としては、機械的衝撃力を用いて、トナー粒子と上記金属化合物とを混合・撹拌することにより行う。機械的衝撃力を与える方法としては、公知の方法が全て用いることができる。この機械的衝撃力を付与できる装置としては、具体的には、乾式メカノケミカル法を応用した混合装置であるメカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン(株))、加速管出口に衝突部材を設けた粉砕機であるI式ジェットミル、ローターとライナーを有する混合装置であるハイブリタイザー(奈良機械製作所製)、粉砕ローターを高速回転し、ローターと粒子の衝突、及び粒子同士の衝突を生じさせるターボミル(ターボ工業(株))、及び高速撹拌羽を有する混合機であるヘンシェルミキサー(三井三池化工機社製)等による処理が挙げられる。
【0046】
特に本発明においては、表面への均一な被覆を行い、粗粒の発生を防ぐという観点からヘンシェルミキサーを用いることが特に好ましい。
【0047】
すなわち、低シェアまたは低速で上記金属化合物とトナー粒子を混合・撹拌を行っても上記金属化合物はトナー粒子から遊離してしまう。一方、高シェアまたは高速で上記金属化合物とトナー粒子を混合・撹拌を行うと上記金属化合物のトナー粒子への付着・被覆が急激に起こり、トナー粒子全体への均一な被覆が困難となる。このため、上記金属化合物をトナー粒子表面に均一に存在させるには、ヘンシェルミキサーを用い、撹拌羽根の周速を30〜80m/secとし、混合時間を1〜10分とすることが好ましい。また、粗粒の発生を防ぐために混合・撹拌時の温度は50℃以下とすることが好ましい。
【0048】
本発明のトナーとしては、平均円形度が0.955以上、好ましくは0.955乃至0.990、より好ましくは0.960乃至0.990、さらに好ましくは0.960乃至0.985であることが良く、さらに円形度標準偏差が0.040未満であることが好ましい。本発明における平均円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、本発明では東亜医用電子製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて測定を行い、測定された粒子の円形度を下式(1)により求め、さらに下式(2)で示すように測定された全粒子の円形度の総和を全粒子数で除した値を平均円形度と定義する。
【0049】
【数1】
【0050】
【数2】
【0051】
【数3】
【0052】
なお、本発明で用いている測定装置である「FPIA−1000」は、各粒子の円形度を算出後、平均円形度及び円形度標準偏差の算出に当たって、粒子を得られた円形度によって、円形度0.4〜1.0を61分割したクラスに分け、分割点の中心値と頻度を用いて平均円形度及び円形度標準偏差の算出を行う算出法を用いている。しかしながら、この算出法で算出される平均円形度及び円形度標準偏差の各値と、上述した各粒子の円形度を直接用いる算出式によって算出される平均円形度及び円形度標準偏差の各値との誤差は、非常に少なく、実質的には無視できる程度であり、本発明においては、算出時間の短絡化や算出演算式の簡略化の如きデータの取り扱い上の理由で、上述した各粒子の円形度を直接用いる算出式の概念を利用し、一部変更したこのような算出法を用いても良い。
【0053】
測定方法としては、ノニオン型界面活性剤約0.1mgを溶解している水10mlにトナー約5mgを分散させ分散液を調製し、超音波(20kHz、50W)を分散液に5分間照射し、分散液濃度を5000〜20000個/μlとして、上記フロー式粒子像測定装置を用い、0.60μm以上159.21μm未満の円相当径を有する粒子の円形度分布を測定する。
【0054】
測定の概略は、東亜医用電子社(株)発行のFPIA−1000のカタログ(1995年6月版)、測定装置の操作マニアル及び特開平8−136439号公報に記載されているが、以下の通りである。
【0055】
試料分散液は、フラットで扁平な透明フローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するように、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行な一定範囲を有する2次元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出する。それぞれの粒子の2次元画像の投影面積及び投影像の周囲長から上記の円形度算出式を用いて各粒子の円形度を算出する。
【0056】
本発明における「平均円形度」とは、トナー粒子の凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合1.00を示し、トナー形状が複雑になるほど平均円形度は小さな値となる。
【0057】
一般にトナー形状が不定形であるものは、トナー凸部、または、凹部での帯電均一性が低く、さらに、不定形であるために静電潜像担持体とトナーとの接触面積が増加することにより、トナー付着力が高くなり、結果として転写残トナーの増加を招く。
【0058】
平均円形度が0.955より小さいということは、トナーは凹凸を有した不定形であるものが多く含まれていることを示し、転写効率が低下するとともに、中抜けを招き好ましくない。さらに平均円形度が0.955より小さなトナーは表面に凹凸を有しているために、低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物が、トナー表面に均一に存在することができなくなる。一方、平均円形度が大きくなりすぎるとトナーは実質球形であり、トナーの表面積が小さくなり良好な帯電性が得られ難くなる。さらにトナーの円形度標準偏差が0.040より大きいということは、トナー形状にばらつきが多いことを示し、トナーの均一な帯電が困難となり、転写効率の低下が生じ易くなる。
【0059】
本発明に用いるトナーは高画質化のため、微少な潜像ドットを忠実に再現するために、トナーの重量平均粒径は4乃至9μmであることが好ましい。重量平均粒径が4乃至9μmのトナー粒子においては、転写効率の低下が少なく感光体や中間転写体上に転写残トナーが少なく、更に、カブリ、転写不良に基づく画像の不均一ムラが発生しにくい。さらにトナーの重量平均粒径が4乃至9μmの場合には、文字やライン画像の飛び散りが生じにくい。
【0060】
本発明において、トナーの重量平均粒径は、コールターカウンタを用いて測定を実施した。即ち測定装置としては、コールターカウンタTA−II型あるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)を用いる。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%NaCl水溶液を調製する。例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。測定方法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布を算出した。それから本発明に係る体積分布から求めた重量基準の重量平均粒径を求めた。
【0061】
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを用いる。
【0062】
本発明のトナーのガラス転移点(Tg)は、定着性や保存性の点から好ましくは50℃〜75℃、より好ましくは52℃〜70℃であることが良い。ガラス転移点が45℃より低いとブロッキングを起こしやすくなり、保存性に問題が発生する。また、耐久時のストレスにも弱く、トナー劣化等を生じやすく好ましくない。また、ガラス転移点が70℃より高いと定着性が悪化し、多様なマテリアルに対応することが困難となり、好ましくない。
【0063】
トナーのガラス転移点の測定には例えば、パーキンエルマー社製DSC−7の様な高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で測定を行う。測定方法は、ASTMD3418−8に準じて行う。本発明においては、試料を1回昇温させ前履歴をとった後、急冷し、再度昇温速度10℃/min、温度30〜200℃の範囲で昇温させた時に測定されるDSC曲線を用いる。
【0064】
本発明に使用されるトナーの結着樹脂は、ポリスチレン;ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂等が使用できる。好ましい結着樹脂としては、スチレン系重合体もしくはポリエステル樹脂が挙げられる。
【0065】
スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドのような二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチルのような二重結合を有するジカルボン酸及びその置換体;塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルのようなビニルエステル類;エチレン、プロピレン、ブチレンのようなエチレン系オレフィン類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンのようなビニルケトン類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテル類;等のビニル単量体が挙げられる。これらは、単独もしくは組み合わせて用いられる。
【0066】
結着樹脂の架橋剤としては、2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられる。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンのような芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートのような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンの如きジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する化合物;が挙げられる。これらは単独もしくは混合して使用される。架橋剤の添加量としては、重合性単量体100重量部に対して0.001〜10重量部が好ましい。
【0067】
定着時の定着部材からの離型性の向上、定着性の向上の点から次のような低軟化点物質をトナー粒子中に含有させることも好ましい。パラフィンワックス及びその誘導体,マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体,フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体,ポリオレフィンワックス及びその誘導体,カルナバワックス及びその誘導体である。誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合体,グラフト変性物が挙げられる。その他、長鎖アルコール,長鎖脂肪酸,酸アミド,エステルワックス,ケトン,硬化ヒマシ油及びその誘導体,植物系ワックス,動物系ワックス,鉱物系ワックス,ペトロラクタム等も場合により使用しても良い。
【0068】
低軟化点物質としては、ASTM D3418−8に準拠して測定されたDSC曲線における吸熱メインピーク値が55〜120℃、好ましくは60〜90℃、より好ましくは60〜85℃の値を示す低軟化点物質が好ましく、特に、DSC曲線の接線離脱温度が40℃以上の低軟化点物質がより好ましい。吸熱メインピークが55℃未満であると、低軟化点物質の自己凝集力が弱いために、トナー粒子の内部又は中心部を構成しづらく、トナー粒子の製造時にトナー粒子表面に低軟化点物質が析出し、現像特性に悪影響を与えやすい。更に接線離脱温度が40℃未満になると、トナー粒子の強度が低下し、耐久試験時の現像特性の低下を招きやすい。得られる定着画像も、低軟化点物質の融点が低いことに起因して、べた付いた感じの画像になりやすい。吸熱メインピークが120℃を超えると、定着時に低軟化点物質がしみ出しにくく、低温定着性が低下する。更に、直接重合方法によりトナー粒子を生成する場合、重合性単量体組成物中への溶解性が低下し、水系媒体中での重合性単量体組成物のトナー粒径サイズヘの液滴の造粒中に低軟化点物質が析出し、造粒が困難となり好ましくない。
【0069】
低軟化点物質は、トナーの結着樹脂100重量部に対して2乃至40重量部、より好ましくは5乃至35重量部配合するのが良い。
【0070】
低軟化点物質の配合量が下限より少ないとオフセット防止効果が低下しやすく、上限を超えると、耐ブロッキング効果が低下し、耐オフセット効果にも悪影響を与えやすく、ドラム融着、スリーブ融着を起こしやすく、特に重合トナー製法の場合には粒度分布の広いトナーが生成する傾向にあり好ましくない。
【0071】
本発明に用いられる着色剤としてはカーボンブラック、磁性体、以下に示すイエロー/マゼンタ/シアンの各着色剤が好適に用いられる。
【0072】
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯化合物、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、168、174、176、180、181、191等が好適に用いられる。
【0073】
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254が特に好ましい。
【0074】
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が特に好適に利用できる。
【0075】
これらの着色剤は、単独または混合し更には固溶体の状態で用いることができる。本発明の着色剤は、色相角,彩度,明度,耐候性,OHPフィルム上の透明性,トナー粒子中への分散性の点から選択される。該着色剤の添加量は、結着樹脂100重量部当り2〜20重量部が一般に用いられる。
【0076】
黒色着色剤として磁性体を用いた場合には、他の着色剤と異なり、樹脂100重量部当り40〜150重量部が一般に用いられる。
【0077】
さらに本発明のトナーは更に磁性材料を含有させ磁性トナーとしても使用しうる。この場合、磁性材料は着色剤の役割をかねることもできる。本発明において、磁性トナー中に含まれる磁性体としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の如き酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属或いはこれらの金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金及びその混合物が挙げられる。
【0078】
本発明に用いられる磁性体は、より好ましくは、表面改質された磁性体が好ましく、重合法トナーに用いる場合には、重合阻害のない物質である表面改質剤により、疎水化処理を施したものであれば、どんなものでも良く、このような表面改質剤としては、例えばシランカップリング剤、チタンカップリング剤等を挙げることができる。これらの磁性体は平均粒径が1μm以下、好ましくは0.1〜0.5μmのものが好ましい。
【0079】
各種トナー特性付与を目的とした添加剤としては、トナー粒子中に、あるいはトナー粒子に添加した時の耐久性の点から、トナー粒子の体積平均径の1/5以下の粒径であることが好ましい。この添加剤の粒径とは、電子顕微鏡におけるトナー粒子の表面観察により求めたその平均粒径を意味する。これら特性付与を目的とした添加剤としては、たとえば、以下のようなものが用いられる。
【0080】
流動性付与剤としては、金属酸化物(酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタンなど)カーボンブラック、フッ化カーボンなどが挙げられ、それぞれ疎水化処理を行ったものが、より好ましい。
【0081】
研磨剤としては、金属酸化物(チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化クロムなど)、窒化物(窒化ケイ素など)、炭化物(炭化ケイ素など)、金属塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなど)が挙げられる。
【0082】
滑剤としては、フッ素系樹脂粉末(フッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなど)、脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなど)などが挙げられる。
【0083】
荷電制御性粒子としては、金属酸化物(酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化アルミニウムなど)、カーボンブラックなどが挙げられる。
【0084】
これら添加剤は、トナー粒子100重量部に対し0.1〜10重量部が用いられ、好ましくは0.1〜5重量部が用いられる。これら添加剤は、単独で用いても、複数を併用しても良い。
【0085】
特に本発明の接触現像方式での現像工程を有する画像形成方法に用いられるトナーにおいては、現像性、流動性及び耐久性の向上のために、上記金属化合物が表面に存在しているトナー粒子に微粒子を添加することが好ましく、粒径の異なる2種類以上の微粒子を添加することがより好ましい。これは粒径の小さな微粒子(以後「小粒径微粒子」と略す)が流動性を付与し、粒径の大きな微粒子(以後「大粒径微粒子」と略す)は所謂スペーサー粒子として働き、耐久によるトナー劣化を防ぐためである。そのため、大粒径微粒子の一次粒径が0.03μm未満であると、大粒径微粒子がトナーに埋め込まれてしまい、スペーサー粒子としての役割を果たしにくく、また、0.8μmを超えると大粒径微粒子はトナーに付着せずに遊離しやすくなり、上記効果が薄れ好ましくない。従って、大粒径微粒子の一次粒径は、0.03μm乃至0.8μmであることが好ましく、小粒径微粒子の一次粒径は、5nm(0.005μm)乃至20nm(0.02μm)であることが好ましい。小粒径微粒子の一次粒径が20nmを超える場合には、トナーの流動性が充分に高くなり難く、5nm未満の場合には、トナー粒子表面の微細な凹凸に埋もれてしまい、帯電性及び流動性の調整が充分に行われ難い。
【0086】
これら微粒子としては、シリカ微粉体、酸化チタン、アルミナ微粉体、樹脂微粒子等が挙げられ、トナー粒子100重量部に対して小粒径微粒子と大粒径微粒子との合計量で0.01〜8重量部、好ましくは0.1〜5重量部使用するのが良い。小粒径微粒子の添加量(S)と大粒径微粒子の添加量(L)との比が、好ましくはS:L=1:0.1〜3.5であり、より好ましくはS:L=1:0.1〜3.0である。
【0087】
本発明で用いられる微粒子は、必要に応じ、疎水化、帯電性コントロールの目的でシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他の有機ケイ素化合物の如き処理剤で処理されていることも好ましい。
【0088】
なお、本発明に用いる微粒子の平均粒径の求め方は、まず、微粒子を電子顕微鏡、あるいは、透過電子顕微鏡にて、1万倍から10万倍の倍率で観察し、写真を撮る。そして画像上の1nm以上の微粒子を対象にして、一次粒径であると確認できるものについて、100個無作為にサンプリングし、その像から粒径を求め、平均する。
【0089】
上記の接触現像方式での現像工程を有する画像形成方法に用いられるトナーへの他の添加剤としては、テフロン、ステアリン酸亜鉛、ポリフッ化ビニリデンの如き滑剤(中でもポリフッ化ビニリデンが好ましい);酸化セリウム、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウムの如き研磨剤(中でもチタン酸ストロンチウムが好ましい);ケーキング防止剤;カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化スズの如き導電性付与剤等が挙げられる。
【0090】
このような微粒子の添加方法としては、ヘンシェルミキサーの如き混合機により、混合・撹拌することにより行うが、上記金属化合物とトナー粒子とを混合・撹拌した後で、これら微粒子を添加混合することが好ましい。これは、上記金属化合物と上記微粒子とを同時にトナー粒子と添加混合する場合、及び上記微粒子をトナー粒子と混合後に、上記金属化合物を添加混合する場合には、上記微粒子がトナー粒子表面に付着してしまうことから、上記金属化合物がトナー粒子表面に存在・被覆することが困難となるためである。さらにトナー粒子表層に存在できない該化合物は遊離してしまい、帯電部材を汚染し、カブリの増加、画質の低下を招き好ましくない。
【0091】
次に本発明に用いられるトナーを製造するための方法について説明する。本発明に用いられるトナーは、粉砕トナー製法及び重合トナー製法を用いて製造することが可能である。
【0092】
本発明において、粉砕トナーの製造方法は結着樹脂、ワックス、着色剤としての顔料、染料、又は磁性体、その他の添加剤をヘンシェルミキサー、ボールミルの如き混合器により十分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練して樹脂を溶融せしめた中に顔料、染料又は磁性体を分散又は溶解せしめ、冷却固化後、粉砕、分級を行なってトナーを得ることが出来る。分級工程においては生産効率上、多分割分級機を用いることが好ましい。
【0093】
このような粉砕法により得られるトナーは平均円形度が0.955未満であり、この場合、粉砕法で得られたトナー粒子を、水中に分散させ加熱する湯浴法、熱気流中を通過させる熱処理法、機械的エネルギーを付与して処理する機械的衝撃法などによりトナーの表面改質を行い、平均円形度を上げることが好ましい。表面改質の装置としては公知のもの全てを用いることが出来るが、具体的にはメカノフュージョン、I式ミル、ハイブリタイザー、及び特開平10−94734号公報に記載の装置等が挙げられる。
【0094】
さらに必要に応じてトナーと所望の添加材をヘンシェルミキサーの如き混合機により充分混合し、本発明に用いられるトナーを得ることが出来る。
【0095】
本発明において、重合トナーの製造方法は、特公昭56−13945号公報等に記載のディスク又は多流体ノズルを用い溶融混合物を空気中に霧化し球状トナーを得る方法や、特公昭36−10231号公報,特開昭59−53856号公報,特開昭59−61842号公報に述べられている懸濁重合方法を用いて直接トナーを生成する方法や、単量体には可溶で得られる重合体が不溶な水系有機溶剤を用い直接トナーを生成する分散重合方法又は水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合しトナーを生成するソープフリー重合方法に代表される乳化重合方法や、予め一次極性乳化粒子を作った後、反対電荷を有する極性粒子を加えて会合させるヘテロ凝集法等を用いてトナー粒子を製造することが可能である。特には懸濁重合方法によるトナー粒子の生成が好ましい。さらに一旦得られた重合粒子に更に単量体を吸着せしめた後、重合開始剤を用い重合せしめるシード重合方法によるトナー粒子も本発明に好適に利用することができる。
【0096】
本発明のトナー粒子の製造に重合方法を用いる場合においては、以下の如き方法によってトナー粒子を製造することが可能である。重合性単量体中に低軟化物質からなる離型剤,着色剤,荷電制御剤,重合開始剤その他の添加剤を加え、ホモジナイザー,超音波分散機の如き分散機によって均一に溶解又は分散せしめた重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有する水相中に通常の撹拌機,ホモミキサー又はホモジナイザーにより分散せしめる。好ましくは重合性単量体組成物の液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように撹拌速度及び時間を調整し、造粒する。その後は分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。重合温度は40℃以上、一般的には50〜90℃の温度に設定して重合を行う。また、反応後半に昇温しても良く、さらに、トナー定着時の臭いの原因等となる未反応の重合性単量体、副生成物等を除去する為に反応後半、または反応終了時に一部水系媒体を留去しても良い。反応終了後生成したトナー粒子を洗浄、ろ過により回収し、乾燥する。懸濁重合法においては、通常単量体系100重量部に対して水300〜3000重量部を分散剤として使用することが好ましい。
【0097】
本発明のトナーを重合方法で製造する際に用いられる重合性単量としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することができる。
【0098】
単官能性重合性単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン系重合性単量体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトン類が挙げられる。
【0099】
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス[4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス[4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ビス[4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル等が挙げられる。
【0100】
本発明において、前記単官能性重合性単量体を単独あるいは2種以上組み合わせて、また、単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を組み合わせて使用することができる。また、前記多官能性重合性単量体を架橋剤として使用することも可能である。
【0101】
上記した重合性単量体の重合の際に用いられる重合開始剤としては、油溶性開始剤及び/又は水溶性開始剤が用いられる。例えば、油溶性開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリルの如きアゾ化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、デカノニルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、プロピオニルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイドの如きパーオキサイド系開始剤が挙げられる。
【0102】
水溶性開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチロアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミノジノプロパン)塩酸塩、アゾビス(イソブチルアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルスルホン酸ナトリウム、硫酸第一鉄又は過酸化水素が挙げられる。
【0103】
重合開始剤は重合性単量体100重量部に対して0.5〜20重量部の添加量が好ましく、単独又は併用しても良い。
【0104】
本発明において、重合法トナーを製造する際に用いる分散剤として例えば無機系酸化物として、リン酸三カルシウム,リン酸マグネシウム,リン酸アルミニウム,リン酸亜鉛,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,水酸化カルシウム,水酸化マグネシウム,水酸化アルミニウム,メタケイ酸カルシウム,硫酸カルシウム,硫酸バリウム,ベントナイト,シリカ,アルミナ等が挙げられる。有機系化合物としては例えばポリビニルアルコール,ゼラチン,メチセルロース,メチルヒドロキシプロピルセルロース,エチルセルロース,カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩,デンプン等が使用されてる。これら分散剤は、重合性単量体100重量部に対して0.2〜2.0重量部を使用することが好ましい。
【0105】
これら分散剤は、市販のものをそのまま用いても良いが、細かい均一な粒度を有する分散粒子を得るために、分散媒体中にて高速撹拌下にて該無機化合物を生成させることも出来る。例えば、リン酸三カルシウムの場合、高速撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合することで懸濁重合方法に好ましい分散剤を得ることが出来る。これら分散剤の微細化のため0.001〜0.1重量%の界面活性剤を併用しても良い。具体的には市販のノニオン,アニオン,カチオン型の界面活性剤が利用できる。例えばドデシル硫酸ナトリウム,テトラデシル硫酸ナトリウム,ペンタデシル硫酸ナトリウム,オクチル硫酸ナトリウム,オレイン酸ナトリウム,ラウリル酸ナトリウム,ステアリン酸カリウム,オレイン酸カルシウム等が好ましく用いられる。
【0106】
本発明のトナーは通常一成分及び二成分系現像剤として使用できる。一成分系現像剤をして用いる場合は、ブレードまたはローラーを用い、現像スリーブにて強制的に摩擦帯電し、スリーブ上にトナーを付着せしめることで搬送せしめる方法がある。
【0107】
二成分系現像剤として用いる場合には、本発明のトナーと共に、キャリアを用い現像剤として使用する。磁性キャリアとしては、鉄,銅,亜鉛,ニッケル,コバルト,マンガン,クロム元素からなる元素単独又は複合フェライト状態で構成される。磁性キャリアの形状として、球状,扁平又は不定形がある。更に磁性キャリア粒子表面状態の微細構造(たとえば表面凹凸性)をもコントロールすることが好ましい。一般的には、上記無機酸化物を焼成、造粒することにより、あらかじめ、磁性キャリアコア粒子を生成した後、樹脂にコーティングする方法が用いられている。磁性キャリアのトナーへの負荷を軽減する意味合いから、無機酸化物と樹脂を混練後、粉砕、分級して低密度分散キャリアを得る方法や、さらには、直接無機酸化物とモノマーとの混練物を水系媒体中にて懸濁重合せしめ真球状の磁性キャリアを得る方法も利用することが可能である。
【0108】
上記キャリア粒子の表面を樹脂で被覆する被覆キャリアは、特に好ましい。その方法としては、樹脂を溶剤中に溶解もしくは懸濁せしめて塗布しキャリアに付着せしめる方法、単に樹脂粉体とキャリア粒子とを混合して付着させる方法が適用できる。
【0109】
キャリア粒子表面への固着物質としてはトナー材料により異なるが、例えばポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアシド、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹脂などが挙げられる。これらは単独或は複数で用いられる。
【0110】
これらキャリアの平均粒径は好ましくは10〜100μm、より好ましくは20〜50μmを有することがよい。
【0111】
本発明のトナーと磁性キャリアとを混合して二成分現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度として、2重量%〜15重量%、好ましくは4重量%〜13重量%にすると通常良好な結果が得られる。
【0112】
次に本発明の画像形成方法について説明する。
【0113】
本発明の画像形成方法は、像担持体上に担持されている第1の静電潜像を第1のトナーにより現像して第1のトナー画像を形成する第1の現像工程;
該像担持体上に形成されている第1のトナー画像を転写材上に転写する第1の転写工程;
該像担持体上に担持されている第2の静電潜像を第2のトナーにより現像して第2のトナー画像を形成する第2の現像工程;及び
該像担持体上に形成されている第2のトナー画像を該第1のトナー画像が転写されている転写材上に転写する第2の転写工程;
を少なくとも有しており、上記の第1のトナーとして、前述した本発明のトナーを用いるものである。
【0114】
本発明の画像形成方法を実施し得る画像形成装置の一具体例を図4を参照しながら説明する。
【0115】
図4は電子写真プロセスを利用したモノカラー画像,マルチカラー画像及びフルカラー画像を形成し得る画像形成装置(複写機あるいはレーザプリンタ)の概略断面図である。中間転写体として中抵抗の弾性ローラ5を、二次接触転写手段として転写ベルト6を使用している。
【0116】
1は像担持体として繰り返し使用される回転ドラム型の電子写真感光体(以下感光体と記す)であり、矢印の時計方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。感光体1はa−Se、CdS、ZnO2、OPC、a−Siの様な光導電絶縁物質を持つ感光ドラムもしくは感光ベルトであっても良い。
【0117】
感光体1としては、アモルファスシリコン感光層又は有機系感光層を有する感光体が好ましく用いられる。
【0118】
有機感光層としては、感光層が電荷発生物質及び電荷輸送性能を有する物質を同一層に含有する、単一層型でもよく、又は、電荷輸送層と電荷発生層を成分とする機能分離型感光層であっても良い。導電性基体上に電荷発生層、次いで電荷輸送層の順で積層されている構造の積層型感光層は好ましい例の一つである。
【0119】
有機感光層の結着樹脂はポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂が特に、転写性、クリーニング性が良く、クリーニング不良、感光体へのトナーの融着、外添剤のフィルミングが起こりにくい。
【0120】
帯電工程では、コロナ帯電器を用いる感光体1とは非接触である方式と、ローラ等を用いる接触型の方式があり、いずれのものも用いられる。効率的な均一帯電、シンプル化、低オゾン発生化のために図4に示す如く接触方式のものが好ましく用いられる。
【0121】
帯電ローラ2は、中心の芯金2bとその外周を形成した導電性弾性層2aとを基本構成とするものである。帯電ローラ2は、感光体1面に押圧力をもって圧接され、感光体1の回転に伴い従動回転する。
【0122】
帯電ローラを用いた時の好ましいプロセス条件としては、ローラの当接圧が5〜500g/cmで、直流電圧に交流電圧を重畳したものを用いた時には、交流電圧=0.5〜5kVpp、交流周波数=50Hz〜5kHz、直流電圧=±0.2〜±1.5kVであり、直流電圧を用いた時には、直流電圧=±0.2〜±5kVである。
【0123】
この他の帯電手段としては、帯電ブレードを用いる方法や、導電性ブラシを用いる方法がある。これらの接触帯電手段は、高電圧が不必要になったり、オゾンの発生が低減するといった効果がある。
【0124】
接触帯電手段としての帯電ローラ及び帯電ブレードの材質としては、導電性ゴムが好ましく、その表面に離型性被膜を設けても良い。離型性被膜としては、ナイロン系樹脂、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)などが適用可能である。
【0125】
感光体ドラム1は回転過程で、一次帯電ローラ2により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで不図示の画像露光手段(例えば、カラー原稿画像の色分解・結像露光光学系、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザービームを出力するレーザースキャナによる走査露光系等)による画像露光3を受けることにより、目的のカラー画像の第1の色成分像(例えばシアン成分像)に対応した静電荷像が形成される。
【0126】
次いで、その静電荷像が第1現像器4−1により第1色であるトナー20により現像される。現像器4−1は装置ユニットであり、画像形成装置本体に着脱可能である。現像器4−1は拡大図を図5に示す。
【0127】
図5において、22は一成分非磁性トナー20を収容した外壁で、外壁22内にトナー担持体として、図中矢印a方向に回転する感光体1と対向配置した現像スリーブ16を備え、感光体1上の静電荷像をトナーで現像してトナー画像を感光体1上に形成する。現像スリーブ16は、図で見て右略半周面を外壁22内に突入し、左略半周面を外壁22外へ露出して、感光体1に対向するようにして、回転自在に横設されている。現像スリーブ16と感光体1との間には微小間隔が設けられる。現像スリーブ16は、感光体1の回転方向aに対し、矢印b方向に回転駆動される。
【0128】
上記現像スリーブ16のような円筒状に限られず、回転駆動する無端ベルトの形態をしても良い。導電性ゴムローラを用いても良い。
【0129】
更に外壁22内には、現像スリーブ16の上方位置に弾性規制部材として弾性ブレード19が設けられ、また弾性ブレード19よりも現像スリーブ16の回転方向上流側の位置にトナー塗布ローラ18が設けられている。弾性規制部材としては弾性ローラを用いても良い。
【0130】
弾性ブレード19は、現像スリーブ16の回転方向上流側に向けて下がる向きに傾斜して設けられ、現像スリーブ16の上部外周面に回転方向に対向して当接される。
【0131】
トナー塗布ローラ18は、現像スリーブ16に対して感光体1と反対側に当接され、且つ回転可能に支持されている。
【0132】
現像器4−1は、上記構成にて、トナー塗布ローラ18が矢印c方向に回転し、トナー塗布ローラ18の回転によりトナー20を担持して現像スリーブ16の近傍に供給し、現像スリーブ16とトナー塗布ローラ18とが当接する当接部(ニップ部)において、トナー塗布ローラ18上のトナー20が現像スリーブ16と摺擦されることにより、現像スリーブ16上に付着する。
【0133】
現像スリーブ16の回転に伴い、現像スリーブ16上に付着したトナー20は、弾性ブレード19と現像スリーブ16との当接部でこれらの間に侵入し、ここを通過する際に現像スリーブ16の表面と弾性ブレード19の両者により摺擦されて、十分な摩擦帯電荷を付与される。
【0134】
以上のようにして摩擦帯電されたトナー20は、弾性ブレード19と現像スリーブ16との当接部を通過し、現像スリーブ16上にトナー20の薄層が形成され、感光体1と対向している現像部へと搬送される。現像スリーブ16に、現像バイアスとして直流に交流を重畳した交互電圧をバイアス印加手段17により印加することにより、現像スリーブ16上のトナー20が感光体1の静電荷像に対応して転移し、静電荷像に付着、トナー画像を形成する。
【0135】
現像部において感光体1に移行せずに現像スリーブ16上に残存したトナー20は、現像スリーブ16の回転と共に現像スリーブ16の下部より外壁22内に回収される。
【0136】
回収されたトナー20は、トナー塗布ローラ18によって現像スリーブ16との当接部で現像スリーブ16から剥ぎ取られる。同時にトナー塗布ローラ18の回転により現像スリーブ16上に新たなトナー20が供給され、新たなトナー20は、再び現像スリーブ16と弾性ブレード19との当接部へ搬送される。
【0137】
一方、剥ぎ取られたトナー20の大部分は、トナー塗布ローラ18の回転に伴い、外壁22内の他のトナー20と混ざり合い、剥ぎ取られたトナーの摩擦電荷が分散される。トナー塗布ローラ18から離れた位置にあるトナーは、撹拌手段21により逐次トナー塗布ローラ18へ供給される。
【0138】
本発明のトナーは、上述の非磁性一成分現像工程において、良好な現像性と多数枚耐久性を有している。
【0139】
現像スリーブ16は、アルミニウム、ステンレススチールの如き金属又は合金で形成された導電性円筒が好ましく使用される。充分な機械的強度及び導電性を有する樹脂組成物で導電性円筒が形成されていても良い。さらに、現像スリーブ16は、金属製又は合金製の円筒表面に導電性微粒子が分散されている樹脂組成物で形成されている被覆層を有していても良い。
【0140】
被覆層は、樹脂材料に導電性微粒子が含まれているものが使用される。導電性微粒子は、120kg/cm2で加圧した後の抵抗値が0.5Ω・cm以下であるものが好ましい。
【0141】
導電性微粒子としては、カーボン微粒子、カーボン微粒子と結晶性グラファイトの混合物、または結晶性グラファイトが好ましい。導電性微粒子は、粒径0.005〜10μmを有するものが好ましい。
【0142】
樹脂材料は、例えば、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、繊維素系樹脂、アクリル系樹脂の如き熱可塑性樹脂;エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂の如き熱硬化性樹脂あるいは光硬化性樹脂を使用することができる。
【0143】
中でもシリコーン樹脂、フッ素樹脂のような離型性のあるもの、あるいはポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリアミド、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、スチレン系樹脂のような機械的性質に優れたものがより好ましい。特に、アクリル系樹脂又はフェノール樹脂が好ましい。
【0144】
導電性微粒子は、樹脂成分100重量部当り、3〜20重量部を使用するのが好ましい。
【0145】
カーボン微粒子とグラファイト粒子を組み合わせて使用する場合は、グラファイト100重量部当り、カーボン微粒子1乃至50重量部を使用するのが好ましい。
【0146】
導電性微粒子が分散されているスリーブの樹脂コート層の体積抵抗値は10-6乃至106Ω・cmが好ましい。
【0147】
現像器4−2、現像器4−3及び現像器4−4においても、現像器4−1と同様な構造を有している非磁性一成分現像方式の現像器である。
【0148】
ただし、黒トナーに用いられる現像器のみは、場合により絶縁性磁性トナーを使用する磁性一成分現像方式の現像器であっても良い。
【0149】
中間転写体5は矢印方向に感光ドラム1と同じ周速度をもって回転駆動されている。
【0150】
感光ドラム1上に形成担持された第1色目のトナー画像は、感光ドラム1と中間転写体5とのニップ部を通過する過程で、中間転写体5に印加される一次転写バイアス6により形成される電界と圧力により、中間転写体5の外周面に中間転写されていく。以後この工程を一次転写という。
【0151】
以下、同様に第2色目のトナー画像、第3色目のトナー画像、第4色目のトナー画像が順次中間転写体5上に重畳転写され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー画像が形成される。
【0152】
転写ベルト10は、中間転写体5の回転軸に対応し平行に軸受させて下面部に接触されて配設してある。転写ベルト10はバイアスローラ11とテンションローラ12とによって支持され、バイアスローラ11には、2次転写バイアス源23によって所望の二次転写バイアスが印加され、テンションローラ12は接地されている。
【0153】
感光ドラム1から中間転写体5への第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための一次転写バイアスは、トナーとは逆極性(+)でバイアス電源6から印加される。
【0154】
感光ドラム1から中間転写体5への第1〜第4色のトナー画像の順次転写実行工程において、転写ベルト10及び中間転写体クリーニングローラ7は中間転写体5から接離可能としている。
【0155】
中間転写体5上に重畳転写された合成カラートナー画像の転写材としての記録材Pへの転写は、転写ベルト10が中間転写体5に当接されると共に、不図示の給紙カセットからレジストローラ13、転写前ガイド24を通過して中間転写体5と転写ベルト10との当接ニップに所定のタイミングで記録材Pが給送され、同時に二次転写バイアスがバイアス電源23からバイアスローラ11に印加される。この二次転写バイアスにより中間転写体5から記録材Pへ合成カラートナー画像が転写される。以後この工程を二次転写という。
【0156】
トナー画像の転写を受けた記録材Pは、加熱ローラ14及び加圧ローラ15を有する加熱加圧定着器25へ導入され加熱定着される。本発明のトナーは、加熱ローラ14にシリコーンオイルの如きオフセット防止剤を塗布しなくとも、オフセットを生ずることなくトナー画像を定着することができる。
【0157】
中間転写体5は、パイプ状の導電性芯金5bと、その外周面に形成した中抵抗の弾性体層5aからなる。芯金5bは、プラスチックのパイプに導電性メッキをほどこしたものでも良い。
【0158】
中抵抗の弾性体層5aは、シリコーンゴム、テフロンゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンの3元共重合体)などの弾性材料に、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化スズ、炭化ケイ素の如き導電性付与材を配合分散して電気抵抗値(体積抵抗率)を105〜1011Ω・cmの中抵抗に調整した、ソリッドあるいは発泡肉質の層である。
【0159】
必要により、着脱自在なクリーニング手段により、転写材へのトナー像の転写後に、中間転写体5の表面がクリーニングされる。中間転写体上にトナー画像がある場合、トナー像を乱さないようにクリーニング手段は、中間転写体表面から離される。
【0160】
例えば、中間転写体5のクリーニングは、感光体ドラム1から中間転写体5への一次転写と同時に、中間転写体5上の二次転写残トナーを、感光体ドラム1に逆転写して戻し、感光体ドラム1のクリーナ9で回収することによりおこなわれる。
【0161】
そのメカニズムを説明する。中間転写体5上に形成されたトナー像は、このトナー像の帯電極性(不極性)とは逆極性の二次転写バイアスがバイアスローラ11に印加されることによって形成される強力な電界により、転写ベルト10に送られた記録材Pに転写される。
【0162】
このとき、記録材Pに転写されずに中間転写体5に残留する二次転写残トナーは、正規の帯電極性(負極性)とは逆極性(正極性)に帯電されているものが多い。
【0163】
しかし、全ての二次転写残トナーが正極性に反転しているわけではなく、中和され電荷を持たないトナーや、負極性を維持しているトナーも一部存在する。
【0164】
部分的には中和され電荷を持たないトナーや、負極性を維持しているトナーをも、逆極性に反転させる帯電手段7を、二次転写位置後、一次転写位置前に設ける。
【0165】
その結果、二次転写残トナーのほとんど全てを感光体1に戻すことが可能となる。
【0166】
二次転写残トナーを感光体1へ逆転写することと、感光体1に形成されたトナー像を中間転写体5に一次転写することを同時に行った場合、中間転写体5上で逆帯電された二次転写残トナーと、一次転写される正規トナーは、感光体ドラム1と中間転写体5とのニップ部で、電気的に殆ど中和することなく、逆帯電されたトナーは感光体ドラム1へ、正規帯電しているトナーは中間転写体5へ各々転写する。
【0167】
これは、一次転写バイアスを低くすることによって、一次転写ニップでの感光体ドラム1と中間転写体5との間にかかる電界を弱くしてニップ部での放電を抑え、ニップ部でトナーの極性が変わることを抑えているためである。
【0168】
従って、中間転写体5上の正極性に帯電された二次転写残トナーは感光体ドラム1へ転写され、感光体ドラム1上の負極性に帯電されたトナー像は中間転写体5へ転写されるといった各々独立した挙動をとる。
【0169】
一度の像形成開始信号によって1枚の記録材Pに画像を形成する際には、二次転写後、感光体ドラム1から中間転写体5へのトナー像の転写を行わずに、中間転写体に残留した二次転写残トナーを感光体ドラム1へ逆転写することが行われる。
【0170】
本例においては、中間転写体5上の二次転写残トナーを帯電する帯電手段として、接触型の帯電手段、具体的には複数層を有する弾性ローラを中間転写体クリーニングローラ7として用いている。
【0171】
【実施例】
以下、実施例をもって本発明を説明するが、これらは本発明をなんら制限するものではない。
【0172】
[実施例1]
高速撹拌装置TK−ホモミキサーを備えた2リットル用四つ口フラスコ中にイオン交換水910重量部と0.1モル/リットル−Na3PO4水溶液450重量部を添加し回転数を12000回転に調整し、55℃に加温せしめた。ここに1.0モル/リットル−CaCl2水溶液68重量部を徐々に添加し微小な難水溶性分散剤Ca3(PO4)2を含む分散媒系を調製した。
【0173】
スチレン単量体 160重量部
n−ブチルアクリレート単量体 40重量部
イエロー顔料(C.I.ピグメントイエロー17) 20重量部
離型剤 30重量部
ポリエステル 20重量部
(テレフタル酸とビスフェノールAの反応物;重量平均分子量3万)
非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物A 2重量部
上記混合物をアトライターを用い3時間分散させた後、重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4重量部を添加した分散物(重合性単量体組成物)を分散媒中に投入し回転数を維持しつつ10分間造粒した。その後高速撹拌器からプロペラ撹拌羽根に撹拌器を変え、50rpmで重合を55℃で1時間継続させた後、内温を60℃に昇温させ4時間重合を継続し、その後内温を80℃に昇温させ5時間重合を継続した。
【0174】
重合終了後スラリーを冷却し、希塩酸を添加し分散剤を除去せしめた。
【0175】
更に洗浄し乾燥を行うことで重量平均粒径が7.2μmであり、平均円形度が0.982のイエローの着色粒子(トナー粒子)1を得た。
【0176】
得られたトナー粒子1 100重量部に対して非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物A 0.15重量部を加え、ヘンシェルミキサーにて5分間混合した後、疎水化処理シリカを1.5重量部外添しイエロートナー1を得た。得られたトナーの重量平均粒径、平均円形度及び円形度標準偏差を表1に示す。
【0177】
非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物A 0.15重量部を加え、ヘンシェルミキサーにて撹拌羽根の周速を50m/secとし、温度45℃未満で5分間混合した後のトナー粒子を1万倍及び3万倍でSEM観察を行うと、トナー粒子表面の非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Aの粒状態は無く、均一にトナー表面を被覆していることが確認された。
【0178】
上記のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Aは、Al2(SO4)3水溶液に、ジアルキルサリチル酸のアルカリ水溶液をAl2(SO4)3 1モルに対してジアルキルサリチル酸が2.6モルとなるように添加し、撹拌して反応させ、反応物を濾別、温水洗浄、乾燥することにより得られたものである。得られたジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Aは、一次粒子の平均粒径が0.15μmであった。
【0179】
このジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Aは、X線回折測定において測定角2θが6乃至40degreeの範囲に、測定強度が10000cps以上で、且つ半値半幅が0.3degree以下であるピークを有していないことを確認した。
【0180】
イエロートナー1の製造で用いた着色剤をマゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド122)、シアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)及びカーボンブラックにそれぞれ変更して、マゼンタトナー1、シアントナー1及び黒トナー1を得た。各トナーのトナー物性を表1に示す。
【0181】
得られた4色のトナーを図5に示す装置ユニットである現像器4−1〜4−4に入れ、図4に示す画像形成装置に装着し、感光体上の潜像の電位を、暗部電位:−600V、明部電位:−150Vになるように設定し、現像コントラストを150Vとし、一次転写バイアスとして中間転写体上に+300V、二次転写バイアスとして転写ベルト上に+800Vの電圧を印加し、常温常湿環境下(23℃,60%RH)にて画出し試験を行った。
【0182】
転写の順番を(1)イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、黒トナーの順、(2)マゼンタトナー、シアントナー、イエロートナー、黒トナーの順、(3)黒トナー、マゼンタトナー、シアントナー、イエロートナーの順で行ったいずれの場合も、得られた画像は高い画像濃度を有しており、中抜けの無い鮮明な画像が得られた。さらに、転写の順番によらず、すべてのトナーで一次転写効率、二次転写効率共に耐久前後で非常に高く、再転写率は低かった。評価結果を表3に示す。
【0183】
[実施例2]
内部添加した非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Aを結晶性のジアルキルサリチル酸の亜鉛錯塩Bに変更し、造粒時のTKホモミキサーの回転数を15000回転とし、外部添加した非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物A 0.15重量部を非晶性のジアルキルサリチル酸のジルコニウム錯化合物C 0.01重量部に変えたこと以外は全て実施例1と同様にしてイエロートナー2、マゼンタトナー2、シアントナー2及び黒トナー2を製造し、実施例1と同様にして画出し試験を行った。トナー物性を表1に、評価結果を表4に示す。
【0184】
非晶性のジアルキルサリチル酸のジルコニウム錯化合物C 0.01重量部を加え、ヘンシェルミキサーにて撹拌羽根の周速を50m/secとし、温度45℃未満で5分間混合した後のトナー粒子を1万倍及び3万倍でSEM観察を行うと、トナー粒子表面の非晶性のジアルキルサリチル酸のジルコニウム錯化合物Cの粒状態は無く、均一にトナー粒子表面を被覆していることが確認された。
【0185】
上記の結晶性のジアルキルサリチル酸の亜鉛錯塩Bは、図3に示すように、X線回折測定において、測定強度が最大ピークとして、2θ=6.58degreeに測定強度が80000cpsであり、半値半幅=0.21のピークを有しており、結晶性物質であることを確認した。さらに、上記のジアルキルサリチル酸のジルコニウム錯化合物Cは、X線回折測定において、測定角2θが6乃至40degreeの範囲に、測定強度が10000cps以上で、且つ半値半幅が0.3degree以下であるピークを有していないことを確認した。
【0186】
[実施例3]
実施例1で得られたトナー粒子1 100重量部に対し、非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Aの添加量を0.5重量部に変更し、ヘンシェルミキサーにて撹拌羽根の周速を50m/secとし、温度45℃未満で5分間混合した後、疎水化処理シリカを1.5重量部外添しイエロートナー3を得た。
【0187】
非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物A 0.5重量部を加え、ヘンシェルミキサーにて5分間混合した後のトナー粒子を1万倍及び3万倍でSEM観察を行うと、トナー粒子表面の非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Aの粒状態は無く、均一にトナー粒子表面を被覆していることが確認された。
【0188】
イエロートナー3の製造で用いた着色剤をマゼンタ顔料、シアン顔料及びカーボンブラックにそれぞれ変更して、マゼンタトナー3、シアントナー3及び黒トナー3を得た。
【0189】
得られた4色のトナーを市販のカラー複写機(CLC−700キヤノン製)改造機を用い、現像コントラストを300Vとし、感光体上の潜像の電位を、暗部電位:−500V、明部電位:−100Vになるように設定し、転写バイアスとして第一色の転写時には+2.5kV、第二色の転写時には+4.0kV、第三色の転写時には+5.5kV、第四色の転写時には+7.0kVの電圧を印加し、常温常湿環境下(23℃,60%RH)にて画出し試験を行った。
【0190】
得られた画像は高い画像濃度を有しており、中抜けの無い鮮明な画像が得られた。また、転写の順番によらず、すべてのトナーで転写効率は非常に高く、再転写率は低かった。さらに、トナーのキャリアに対する影響を見るために、10,000枚連続画出し試験を行った。画出し試験後のキャリアのSEM観察を行うと、キャリアにジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Aがわずかに付着していることが確認された。トナー物性を表1に、評価結果を表5に示す。
【0191】
[実施例4]
トナー粒子1の製造時に非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Aを内部添加しないでトナー粒子4を製造したこと以外は全て実施例1と同様にして、イエロートナー4、マゼンタトナー4、シアントナー4及び黒トナー4を製造し、実施例1と同様にして画出し試験を行った。
【0192】
得られた画像は高い画像濃度を有しており、中抜けの無い鮮明な画像が得られた。また、転写効率は実施例1よりは劣るものの、転写の順番によらずすべてのトナーで充分に高く、再転写率は低かった。トナー物性を表1に、評価結果を表6に示す。
【0193】
[実施例5]
ポリエステル樹脂 100重量部
イエロー顔料 5重量部
離型剤 4重量部
非晶性のジアルキルサリチル酸のジルコニウム錯化合物C 5重量部
上記物質をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行い、二軸押出混練機により約140℃の温度で溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、ついでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。さらに得られた微粉砕物を分級して、重量平均粒径が8.6μm、平均円形度が0.951のイエローの着色粒子5aを得た。
【0194】
得られた着色粒子5aをハイブリタイザーを用い、4000rpmで3分間表面処理を行い、平均円形度が0.963のイエローの着色粒子(トナー粒子)5を得た。
【0195】
トナー粒子5 100重量部に対し非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物A 0.2重量部を加え、ヘンシェルミキサーにて撹拌羽根の周速を50m/secとし、温度45℃未満で5分間混合した後、疎水化処理シリカを1.5重量部外添しイエロートナー5を得た。
【0196】
非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物A 0.2重量部を加え、ヘンシェルミキサーにて5分間混合した後のトナー粒子を1万倍及び3万倍でSEM観察を行うと、トナー粒子表面の非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Aの粒状態は無く、均一にトナー粒子表面を被覆していることが確認された。
【0197】
イエロートナー5の製造で用いた着色剤をマゼンタ顔料、シアン顔料及びカーボンブラックにそれぞれ変更して、マゼンタトナー5、シアントナー5及び黒トナー5を得た。得られた4色のトナーを用いて実施例1と同様に画像評価を行った。トナー物性を表1に、評価結果を表7に示す。
【0198】
[比較例1]
実施例5で得た着色粒子5a 100重量部に対し非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物A 0.2重量部を加え、ヘンシェルミキサーにて撹拌羽根の周速を50m/secとし、温度45℃未満で5分間混合した後、疎水化処理シリカを1.5重量部外添しイエロートナー6を得た。
【0199】
非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物A 0.2重量部を加え、ヘンシェルミキサーにて5分間混合した後のトナー粒子を1万倍及び3万倍でSEM観察を行うと、非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Aがトナー粒子の凹部を被覆していないことが確認された。
【0200】
イエロートナー6の製造で用いた着色剤をマゼンタ顔料、シアン顔料及びカーボンブラックにそれぞれ変更して、マゼンタトナー6、シアントナー6及び黒トナー6を得た。得られた4色のトナーを用いて実施例1と同様に画像評価を行った。
【0201】
得られた画像は、若干の中抜け画像が認められたが、実用上問題の無いレベルであり、カブリの無い画像が最後まで得られた。転写の順番によらず、すべてのトナーで一次転写効率、二次転写効率共に若干低いレベルであり、再転写率は低かった。トナー物性を表1に、評価結果を表8に示す。
【0202】
上記物質をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行い、二軸押出混練機により約140℃の温度で溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、ついでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。さらに得られた微粉砕物を分級して、重量平均粒径が8.3μm、平均円形度が0.944の黒色の着色粒子7を得た。
【0203】
得られた着色粒子7 100重量部に対し非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物A 0.2重量部を加え、ハイブリタイザーを用い、4000rpmで5分間処理を行なった後に、ヘンシェルミキサーにて疎水化処理シリカを1.5重量部外添し黒色トナー7を得た。
【0204】
非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物A 0.2重量部を加え、ハイブリタイザーで5分間混合した後のトナー粒子を1万倍及び3万倍でSEM観察を行うと、トナー粒子表面の非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Aの粒状態は無く、均一にトナー粒子表面を被覆していることが確認された。
【0205】
得られた黒色トナー7と実施例5で使用したイエロートナー5、マゼンタトナー5、シアントナー5を用い、実施例1と同様な画像評価を行った。トナー物性を表1に、評価結果を表9に示す。
【0206】
[実施例7]
実施例1で得たトナー粒子1 100重量部に対する非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Aの添加量を0.005重量部に変更すること以外は実施例1と同様として、イエロートナー8、マゼンタトナー8、シアントナー8及び黒トナー8を製造し、実施例1と同様にして画出し試験を行った。
【0207】
転写順が早いトナーの再転写率が若干高いものの、実用上問題の無いレベルであり、中抜け、カブリの無い画像が最後まで得られた。トナー物性を表1に、評価結果を表10に示す。
【0208】
[実施例8]
実施例1で得たトナー粒子1 100重量部に対し非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物A 1.0重量部を加え、ハイブリタイザーを用い、4000rpmで5分間処理を行なった後に、ヘンシェルミキサーにて疎水化処理シリカを1.5重量部外添しイエロートナー9を得た。
【0209】
非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物A 1.0重量部を加え、ハイブリタイザーで5分間混合した後のトナー粒子を1万倍及び3万倍でSEM観察を行うと、トナー粒子表面の非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Aの粒状態は無く、均一にトナー粒子表面を被覆していることが確認された。
【0210】
イエロートナー9の製造で用いた着色剤をマゼンタ顔料、シアン顔料及びカーボンブラックにそれぞれ変更して、マゼンタトナー9、シアントナー9及び黒トナー9を得た。各トナーのトナー物性を表1に示す。得られた4色のトナーを用い、実施例1と同様とし、画出し試験を行ったところ、一次転写効率,二次転写効率共に若干低いものの、実用上問題のないレベルであり、再転写率は低かった。若干の中抜け、カブリが生じたが実用上問題の無いレベルであった。トナー物性を表1に、評価結果を表11に示す。
【0211】
[実施例9]
実施例1で得たトナー粒子1 100重量部に対し非晶性のモノアゾ化合物のFe錯化合物D 0.3重量部を加え、ヘンシェルミキサーにて5分間混合した後、疎水化処理シリカを1.5重量部外添しイエロートナー10を得た。
【0212】
非晶性のモノアゾ化合物のFe錯化合物D 0.3重量部を加え、ヘンシェルミキサーにて撹拌羽根の周速を50m/secとし、温度45℃未満で5分間混合した後のトナー粒子を1万倍及び3万倍でSEM観察を行うと、トナー粒子表面の非晶性のモノアゾ化合物のFe錯化合物Dの粒状態は無く、均一にトナー粒子表面を被覆していることが確認された。
【0213】
このモノアゾ化合物のFe錯化合物Dは、X線回折測定において、測定角2θが6乃至40degreeの範囲に、測定強度が10000cps以上で、且つ半値半幅が0.3degree以下であるピークを有していないことを確認した。
【0214】
イエロートナー10の製造で用いた着色剤をマゼンタ顔料、シアン顔料及びカーボンブラックにそれぞれ変更して、マゼンタトナー10、シアントナー10及び黒トナー10を得た。得られた4色トナーを実施例1と同様に画出し試験を行った。トナー物性を表2に、評価結果を表12に示す。
【0215】
[実施例10]
実施例1で得たトナー粒子1 100重量部に対し非晶性のジアルキルサリチル酸のクロム錯化合物E 0.3重量部を加え、ヘンシェルミキサーにて撹拌羽根の周速を50m/secとし、温度45℃未満で5分間混合した後、疎水化処理シリカを1.5重量部外添しイエロートナー11を得た。
【0216】
非晶性のジアルキルサリチル酸のクロム錯化合物E 0.3重量部を加え、ヘンシェルミキサーにて5分間混合した後のトナー粒子を1万倍及び3万倍でSEM観察を行ったところ、非晶性のジアルキルサリチル酸のクロム錯化合物の粒状態は無く、トナー表面を被覆しているものの、被覆部が点在しており、均一にはトナー表面を被覆していないことが確認された。
【0217】
このジアルキルサリチル酸のクロム化合物Eは、図2に示すように、X線回折測定において、2θが6乃至40degreeの領域に、2θ=14.32degreeに測定強度4300cpsのピークが測定され、このピークは、半値半幅が約4であり、よって、X線回折測定において、測定角2θが6乃至40degreeの範囲に、測定強度が10000cps以上で、且つ半値半幅が0.3degree以下であるピークを有していないことを確認した。
【0218】
イエロートナー11の製造で用いた着色剤をマゼンタ顔料、シアン顔料及びカーボンブラックにそれぞれ変更して、マゼンタトナー11、シアントナー11及び黒トナー11を得た。得られた4色トナーを用いて実施例1と同様に画出し試験を行った。トナー物性を表2に、評価結果を表13に示す。
【0219】
一次転写効率、二次転写効率が高く、中抜けは発生せず、カブリも発生はしていなかった。しかし、転写の色順に関わらず、トナーの再転写率が若干高かった。
【0220】
[比較例2]
非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯体Aをトナー粒子の製造時に用いず、且つトナー粒子の混合時にも用いなかったこと以外は実施例1と同様にしてイエロートナー12、マゼンタトナー12、シアントナー12及び黒トナー12をそれぞれ製造し、実施例1と同様にして画出し評価を行った。
【0221】
転写の色順に関わらず、第一色目、第二色目に転写されたトナーの再転写率が高く、画像濃度が薄く、カブリが多い画像であった。また、一次転写効率、二次転写効率共に低く、中抜けも発生した。トナー物性を表2に、評価結果を表14に示す。
【0222】
[比較例3]
実施例4で得られたトナー粒子4 100重量部に対し結晶性のジアルキルサリチル酸の亜鉛錯塩Bを0.3部添加し、ヘンシェルミキサーにて撹拌羽根の周速を50m/secとし、温度45℃未満で5分間混合した後、疎水化処理シリカを1.5重量部外添しイエロートナー13を得た。
【0223】
結晶性のアルキルサリチル酸の亜鉛錯塩Bを0.5重量部加え、ヘンシェルミキサーにて撹拌羽根の周速を50m/secとし、温度45℃未満で5分間混合した後のトナー粒子を1万倍及び3万倍でSEM観察を行ったところ、トナー表面に結晶性のアルキルサリチル酸の亜鉛錯塩が不均一に埋め込めれて粒状態であり、結晶性のアルキルサリチル酸の亜鉛錯塩Bがトナー表面を被覆していないことが確認された。
【0224】
イエロートナー13の製造で用いた着色剤をマゼンタ顔料、シアン顔料及びカーボンブラックにそれぞれ変更して、マゼンタトナー13、シアントナー13及び黒トナー13の各色トナーを得た。各トナーのトナー物性を表2に示す。
【0225】
得られた4色のトナーを用い、実施例1と同様に画出し試験を行ったところ、中抜けは発生していないものの、転写の色順に関わらず、トナーの再転写率が高く、ムラのある不均一な画像であった。評価結果を表15に示す。
【0226】
[比較例4]
実施例4で得られたトナー粒子4 100重量部に対し結晶性のアゾ系Fe錯化合物F 0.25重量部を添加し、ヘンシェルミキサーにて撹拌羽根の周速を50m/secとし、温度45℃未満で5分間混合した後、疎水化処理シリカを1.5重量部外添しイエロートナー14を得た。
【0227】
結晶性のアゾ系Fe錯化合物F 0.25重量部を加え、ヘンシェルミキサーにて撹拌羽根の周速を50m/secとし、温度45℃未満で5分間混合した後のトナー粒子を1万倍及び3万倍でSEM観察を行うと、トナー粒子表面を結晶性アゾ系Fe錯化合物Fが被覆していないことが確認された。
【0228】
このアゾ系Fe錯化合物Fは、X線回折測定において、測定強度が最大のピークとして、2θ=13.6degreeに測定強度が15000cpsであり、半値半幅=0.13degreeのピークを有しており、結晶性物質であることを確認した。
【0229】
イエロートナー14の製造で用いた着色剤をマゼンタ顔料、シアン顔料及びカーボンブラックにそれぞれ変更して、マゼンタトナー14、シアントナー14及び黒トナー14を得た。各トナーのトナー物性を表2に示す。得られた4色のトナーを用い、実施例1と同様の画出し試験を行った。評価結果を表16に示す。
【0230】
[比較例5]
実施例4で得られたトナー粒子4 100重量部に対し酸化アルミニウムG 0.3重量部を添加し、ヘンシェルミキサーにて撹拌羽根の周速を50m/secとし、温度45℃未満で5分間混合した後、疎水化処理シリカを1.5重量部外添しイエロートナー15を得た。
【0231】
イエロートナー15の製造に用いた着色剤をマゼンタ顔料、シアン顔料及びカーボンブラックにそれぞれ変更して、マゼンタトナー15、シアントナー15及び黒トナー15を得た。各トナーのトナー物性を表2に示す。得られた4色のトナーを用い実施例1と同様の画出し試験を行った。評価結果を表17に示す。
【0232】
[比較例6]
実施例5で得られたトナー粒子5 100重量部に対し疎水化処理シリカを1.5重量部外添しイエロートナー16を得た。
【0233】
イエロートナー16の製造に用いた着色剤をマゼンタ顔料、シアン顔料及びカーボンブラックにそれぞれ変更して、マゼンタトナー16、シアントナー16及び黒トナー16を得た。各トナーのトナー物性を表2に示す。得られた4色のトナーを用い、実施例1と同様の画出し試験を行ったところ、一次転写効率、二次転写効率は高く、中抜けは発生していないものの、転写の色順に関わらず、第一色目、第二色目に転写されたトナーの再転写率が高く、画像濃度が薄い貧弱な画像であった。トナー物性を表2に、評価結果を表18に示す。
【0234】
[実施例11]
実施例1で得られたトナー粒子1 100重量部に対し、非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Aの添加量を0.3重量部に変更し、ヘンシェルミキサーにて撹拌羽根の周速を50m/secとし、温度45℃未満で5分間混合した後、疎水化処理シリカを1.5重量部外添しイエロートナー17を得た。
【0235】
非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物A 0.3重量部を加え、ヘンシェルミキサーにて5分間混合した後のトナー粒子を1万倍及び3万倍でSEM観察を行うと、トナー粒子表面の非晶性のジアルキルサリチル酸のアルミニウム錯化合物Aの粒状態は無く、均一にトナー粒子表面を被覆していることが確認された。
【0236】
イエロートナー17の製造で用いた着色剤をマゼンタ顔料、シアン顔料及びカーボンブラックにそれぞれ変更して、マゼンタトナー17、シアントナー17及び黒トナー17を得た。各トナーのトナー物性を表2に示す。得られた4色のトナーを用い、実施例3と同様とし、画出し試験を行ったところ、実施例3と同様に画像濃度が高く、中抜けのない鮮明な画像が得られ、さらに転写の順番によらず、すべてのトナーで転写効率が高く、再転写率が低かった。画出し試験後のキャリアのSEM観察を行なうとキャリアの汚染が生じていなかった。評価結果を表19に示す。
【0237】
上記の実施例1〜11、並びに比較例1〜6中に記載の評価項目と、その評価基準について述べる。
【0238】
(1)4色のカラートナーを用いて、現像工程及び一次転写工程を4回繰返して中間転写体上に4色のカラー画像を一次転写し、中間転写体上に一次転写された4色のカラートナー画像を記録材上に一括して二次転写し、記録材に二次転写された4色のカラートナー画像を記録材に定着してフルカラー画像を形成するように構成されている、実施例1で用いている図4に示す画像形成装置での一次転写効率、各カラートナーの再転写率、及び二次転写効率は、以下の通り求める。
【0239】
<一次転写効率>
10cm×10cmの正方形の単色でのベタ画像を形成する条件で画像形成を行う。このときの一次転写前の感光体上のトナーの量(W1)と、一次転写後の中間転写体上のトナーの量(W2)とから、下記式を用いて一次転写効率を算出する。
【0240】
一次転写効率(%)=(W2/W1)×100
【0241】
<再転写率>
各カラートナーごとに単色の画像形成を行って、それぞれのカラートナーの再転写率を求めることにより行う。
【0242】
すなわち、第1色目のカラートナーの再転写率を求める場合には、第1色目では、10cm×10cmの正方形のベタ画像を形成する条件で第1回目の現像及び一次転写を行い、第2色目から第4色目までは、ベタ白画像を形成する条件で第2回目から第4回目までの現像及び一次転写をそれぞれ行って、中間転写体上に第1色目のカラートナーによる単色の10cm×10cmの正方形のベタ画像を形成する。このときの第1回目の一次転写後の中間転写体上のトナー量(W2)と、4回目の一次転写後の中間転写体上のトナー量(W3)とから下記式を用いて再転写率を算出する。
【0243】
再転写率(%)=[1−(W3/W2)]×100
【0244】
第2色目のカラートナーの再転写率を求める場合には、第1色目では、ベタ白画像を形成する条件で第1回目の現像及び一次転写を行い、第2色目では、10cm×10cmの正方形のベタ画像を形成する条件で第2回目の現像及び一次転写を行い、第3色目及び第4色目では、ベタ白画像を形成する条件で第3回目及び第4回目の現像及び一次転写をそれぞれ行って、中間転写体上に第2色目のカラートナーによる単色の10cm×10cmの正方形のベタ画像を形成する。このときの第2回目の一次転写後の中間転写体上のトナー量(W2)と、4回目の一次転写後の中間転写体上のトナー量(W3)とから上記式を用いて再転写率を算出する。
【0245】
第3色目のカラートナーの再転写率を求める場合には、第1色目及び第2色目では、ベタ白画像を形成する条件で第1回目及び第2回目の現像及び一次転写をそれぞれ行い、第3色目では、10cm×10cmの正方形のベタ画像を形成する条件で第3回目の現像及び一次転写を行い、第4色目では、ベタ白画像を形成する条件で第4回目の現像及び一次転写を行って、中間転写体上に第3色目のカラートナーによる単色の10cm×10cmの正方形のベタ画像を形成する。このときの第3回目の一次転写後の中間転写体上のトナー量(W2)と、4回目の一次転写後の中間転写体上のトナー量(W3)とから上記式を用いて再転写率を算出する。
【0246】
なお、再転写率の数値が小さい程、再転写が少ないことを示す。
【0247】
<二次転写効率>
10cm×10cmの正方形の単色でのベタ画像を形成する条件で画像形成を行う。このときの二次転写前の中間転写体上のトナー量(W3)と、二次転写後の記録材上のトナー量(W4)とから、下記式を用いて二次転写効率を算出する。
【0248】
二次転写効率(%)=(W4/W3)×100
【0249】
(2)感光体上に形成されたトナー画像の記録材への転写は、中間転写体を用いずに感光体上に形成されたカラートナー画像を転写ドラムに担持されている記録材に直接転写する転写方式を用い、且つ4色のカラートナーを用いて、現像工程及び転写工程を4回繰返して、記録材上に4色のカラートナー画像を転写し、転写ドラムから記録材を分離した後、記録材上に転写された4色のカラートナー画像を記録材に定着してフルカラー画像を形成するように構成されている、実施例3で用いている複写機(CLC−700改造機:キヤノン社製)での各カラートナーの転写率及び再転写率の測定は、以下のように求める。
【0250】
<転写効率>
10cm×10cmの正方形の単色でのベタ画像を形成する条件で画像形成を行う。このときの転写前の感光体上のトナー量(W1)と、転写後の記録材上のトナー量(W5)とから、下記式を用いて転写効率を算出する。
【0251】
転写効率(%)=(W5/W1)×100
【0252】
<再転写率>
各カラートナーごとに単色の画像形成を行って、それぞれのカラートナーの再転写率を求めることにより行う。
【0253】
すなわち、第1色目のカラートナーの再転写率を求める場合には、第1色目では、10cm×10cmの正方形のベタ画像を形成する条件で第1回目の現像及び転写を行い、第2色目から第4色目までは、ベタ白画像を形成する条件で第2回目から第4回目までの現像及び転写をそれぞれ行って、記録材上に第1色目のカラートナーによる単色の10cm×10cmの正方形のベタ画像を形成する。このときの第1回目の転写後の記録材上のトナー量(W5)と、4回目の転写後の記録材上のトナー量(W6)とから下記式を用いて再転写率を算出する。
【0254】
再転写率(%)=[1−(W6/W5)]×100
【0255】
第2色目のカラートナーの再転写率を求める場合には、第1色目では、ベタ白画像を形成する条件で第1回目の現像及び転写を行い、第2色目では、10cm×10cmの正方形のベタ画像を形成する条件で第2回目の現像及び転写を行い、第3色目及び第4色目では、ベタ白画像を形成する条件で第3回目及び第4回目の現像及び転写をそれぞれ行って、記録材上に第2色目のカラートナーによる単色の10cm×10cmの正方形のベタ画像を形成する。このときの第2回目の転写後の記録材上のトナー量(W5)と、4回目の転写後の記録材上のトナー量(W6)とから上記式を用いて再転写率を算出する。
【0256】
第3色目のカラートナーの再転写率を求める場合には、第1色目及び第2色目では、ベタ白画像を形成する条件で第1回目及び第2回目の現像及び転写をそれぞれ行い、第3色目では、10cm×10cmの正方形のベタ画像を形成する条件で第3回目の現像及び転写を行い、第4色目では、ベタ白画像を形成する条件で第4回目の現像及び転写を行って、記録材上に第3色目のカラートナーによる単色の10cm×10cmの正方形のベタ画像を形成する。このときの第3回目の転写後の記録材上のトナー量(W5)と、4回目の転写後の記録材上のトナー量(W6)とから上記式を用いて再転写率を算出する。
【0257】
なお、再転写率の数値が小さい程、再転写が少ないことを示す。
【0258】
画像濃度はベタ画像部を形成し、このベタ画像をマクベス反射濃度計(マクベス社製)にて測定を行った。
【0259】
中抜けの判断基準は以下の通りである。
A:非常に良好。中抜けは未発生。
B:良好。僅かな中抜けが発生しているが、まったく問題の無いレベル。
C:可。中抜けは発生しているが、実用上問題の無いレベル。
D:悪い。
【0260】
画像の判断基準は、画像の均一性、細線再現性、カブリを下に記す基準で総合的に判断したものである。
A:非常に良好。カブリは無く、鮮明な画像。
B:良好。僅かにカブリが発生している、あるいは画像の均一性、細線再現性が若干劣るものの良好な画像。
C:可。カブリが発生している、あるいは画像の均一性、細線再現性が劣るものの実用的には問題の無いレベル。
D:悪い。カブリがひどく、細線再現性が悪く、不均一な画像。
【0261】
カブリの測定は、束京電色社製のREFLECTOMETER MODEL TC−6DSを使用して測定し、イエロートナー画像ではblueフィルター、マゼンタートナー画像ではgreenフィルター、シアントナー画像ではamberフィルター、黒トナー画像ではGreenフィルターを使用した。
【0262】
【表1】
【0263】
【表2】
【0264】
【表3】
【0265】
【表4】
【0266】
【表5】
【0267】
【表6】
【0268】
【表7】
【0269】
【表8】
【0270】
【表9】
【0271】
【表10】
【0272】
【表11】
【0273】
【表12】
【0274】
【表13】
【0275】
【表14】
【0276】
【表15】
【0277】
【表16】
【0278】
【表17】
【0279】
【表18】
【0280】
【表19】
【0281】
【発明の効果】
本発明によれば、上記の如き低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、両者の混合物がトナー粒子表面を被覆していることを特徴とするトナーを用いることで、再転写を起こさず、高画像濃度で高品位な画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】中抜けを起こしていない文字(a)と中抜けを起こしている文字(b)のイメージ図である。
【図2】非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物のX線回折チャートである。
【図3】結晶性の芳香族化合物の金属錯化合物のX線回折チャートである。
【図4】本発明が適用されうる画像形成装置の一例を示す概略説明図である。
【図5】図4に示す画像形成装置の装置ユニットの一例を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 像担持体(感光体)
4 現像器
16 現像スリーブ
20 トナー
25 定着器
Claims (57)
- 少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナー粒子を有するトナーにおいて、
該トナーは、0.955以上の平均円形度を有しており、
X線回折において、測定角2θが6乃至40degreeの範囲に、測定強度が10000cps以上であり、且つ半値半幅が0.3degree以下であるピークを有さない低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物が、埋め込まれることなく、粒状態でなくなった状態でトナー粒子表面を被覆していることを特徴とするトナー。 - 該低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物が、該トナー粒子100重量部当たり0.01乃至0.5重量部トナー粒子表面に存在していることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
- 該低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物が、該トナー粒子100重量部当たり0.01乃至0.3重量部トナー粒子表面に存在していることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
- 該低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物が、オキシカルボン酸化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー。
- 該オキシカルボン酸化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物の中心金属がアルミニウムまたはジルコニウムであることを特徴とする請求項4に記載のトナー。
- 該オキシカルボン酸化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物の中心金属がアルミニウムであることを特徴とする請求項4に記載のトナー。
- 該トナー粒子には、芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物が内部添加されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のトナー。
- 該トナー粒子には、芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物が、結着樹脂100重量部当たり0.05乃至5重量部内部添加されており、該低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物が、該トナー粒子100重量部当たり0.01乃至0.5重量部トナー粒子表面に存在していることを特徴とする請求項7に記載のトナー。
- 該トナー粒子には、芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物が、結着樹脂100重量部当たり0.05乃至5重量部内部添加されており、該低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物が、該トナー粒子100重量部当たり0.01乃至0.3重量部トナー粒子表面に存在していることを特徴とする請求項7に記載のトナー。
- 該トナーは、0.955乃至0.990の平均円形度を有していることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のトナー。
- 該トナーは、0.960乃至0.990の平均円形度を有していることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のトナー。
- 該トナーは、0.960乃至0.985の平均円形度を有していることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のトナー。
- 該トナーは、円形度分布において、0.040未満の円形度標準偏差を有していることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のトナー。
- 該トナーは、4乃至9μmの重量平均粒径を有していることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載のトナー。
- 該トナーは、該低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物が、表面に存在しているトナー粒子、及び外添剤としての微粒子を有していることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載のトナー。
- 該トナーは、該トナー粒子と、該低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物とを混合攪拌した後に、該低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物が、表面に存在しているトナー粒子と、外添剤としての微粒子とを混合することにより得られたものであることを特徴とする請求項15に記載のトナー。
- 該トナー粒子は、結着樹脂、着色剤及び離型剤を少なくとも有するトナー材料を溶融混練し、得られた混練物を冷却後粉砕する工程を経て得られる平均円形度が0.955未満の粒子を表面改質によって平均円形度を高めたものであることを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載のトナー。
- 該トナー粒子は、重合性単量体、着色剤及び離型剤を少なくとも有する重合性単量体組成物を水系媒体中で重合することにより得られたものであることを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載のトナー。
- 該トナーは、一成分系現像剤として用いられることを特徴とする請求項1乃至18のいずれかに記載のトナー。
- 該トナーは、磁性キャリア粒子と混合されて二成分系現像剤として用いられることを特徴とする請求項1乃至18のいずれかに記載のトナー。
- 像担持体上に担持されている第1の静電潜像を第1のトナーにより現像して第1のトナー画像を形成する第1の現像工程;
該像担持体上に形成されている第1のトナー画像を転写材上に転写する第1の転写工程;
該像担持体上に担持されている第2の静電潜像を第2のトナーにより現像して第2のトナー画像を形成する第2の現像工程;及び
該像担持体上に形成されている第2のトナー画像を該第1のトナー画像が転写されている転写材上に転写する第2の転写工程;
を少なくとも有する画像形成方法において、
少なくとも該第1のトナーは、結着樹脂、第1の着色剤及び離型剤を少なくとも含有する第1のトナー粒子を有しており、且つ、0.955以上の平均円形度を有しており、
X線回折において、測定角2θが6乃至40degreeの範囲に、測定強度が10000cps以上であり、且つ半値半幅が0.3degree以下であるピークを有さない低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物が、埋め込まれることなく、粒状態でなくなった状態で該第1のトナー粒子表面を被覆していることを特徴とする画像形成方法。 - 該低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物が、該トナー粒子100重量部当たり0.01乃至0.5重量部トナー粒子表面に存在していることを特徴とする請求項21に記載の画像形成方法。
- 該低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物が、該トナー粒子100重量部当たり0.01乃至0.3重量部トナー粒子表面に存在していることを特徴とする請求項21に記載の画像形成方法。
- 該低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物が、オキシカルボン酸化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物であることを特徴とする請求項21乃至23のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該オキシカルボン酸化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物の中心金属がアルミニウムまたはジルコニウムであることを特徴とする請求項24に記載の画像形成方法。
- 該オキシカルボン酸化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物の中心金属がアルミニウムであることを特徴とする請求項24に記載の画像形成方法。
- 該トナー粒子には、芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物が内部添加されていることを特徴とする請求項21乃至26のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該トナー粒子には、芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物が、結着樹脂100重量部当たり0.05乃至5重量部内部添加されており、該低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物が、該トナー粒子100重量部当たり0.01乃至0.5重量部トナー粒子表面に存在していることを特徴とする請求項27に記載の画像形成方法。
- 該トナー粒子には、芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物が、結着樹脂100重量部当たり0.05乃至5重量部内部添加されており、該低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物が、該トナー粒子100重量部当たり0.01乃至0.3重量部トナー粒子表面に存在していることを特徴とする請求項27に記載の画像形成方法。
- 該トナーは、0.955乃至0.990の平均円形度を有していることを特徴とする請求項21乃至29のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該トナーは、0.960乃至0.990の平均円形度を有していることを特徴とする請求項21乃至29のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該トナーは、0.960乃至0.985の平均円形度を有していることを特徴とする請求項21乃至29のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該トナーは、円形度分布において、0.040未満の円形度標準偏差を有していることを特徴とする請求項21乃至32のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該トナーは、4乃至9μmの重量平均粒径を有していることを特徴とする請求項21乃至33のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該トナーは、該低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物が、表面に存在しているトナー粒子、及び外添剤としての微粒子を有していることを特徴とする請求項21乃至34のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該トナーは、該トナー粒子と、該低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物とを混合攪拌した後に、該低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物が、表面に存在しているトナー粒子と、外添剤としての微粒子とを混合することにより得られたものであることを特徴とする請求項35に記載の画像形成方法。
- 該トナー粒子は、結着樹脂、着色剤及び離型剤を少なくとも有するトナー材料を溶融混練し、得られた混練物を冷却後粉砕する工程を経て得られる平均円形度が0.955未満の粒子を表面改質によって平均円形度を高めたものであることを特徴とする請求項21乃至36のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該トナー粒子は、重合性単量体、着色剤及び離型剤を少なくとも有する重合性単量体組成物を水系媒体中で重合することにより得られたものであることを特徴とする請求項21乃至36のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該現像工程において、該第1のトナーを、一成分系現像剤による一成分系現像方式に用いて、該第1のトナー画像を形成することを特徴とする請求項21乃至38のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該現像工程において、該第1のトナーを、トナー及び磁性キャリア粒子と有する二成分系現像剤による二成分系現像方式に用いて、該第1のトナー画像を形成することを特徴とする請求項21乃至38のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該第2のトナーは、結着樹脂、第2の着色剤及び離型剤を少なくとも含有する第2のトナー粒子を有しており、且つ、0.955以上の平均円形度を有しており、
X線回折において、測定角2θが6乃至40degreeの範囲に、測定強度が10000cps以上であり、且つ半値半幅が0.3degree以下であるピークを有さない低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物が、埋め込まれることなく、粒状態でなくなった状態で該第2のトナー粒子表面を被覆していることを特徴とする請求項21乃至40のいずれかに記載の画像形成方法。 - 該像担持体上に担持されている第3の静電潜像を第3のトナーにより現像して第3のトナー画像を形成する第3の現像工程;及び
該像担持体上に形成されている第3のトナー画像を該第1のトナー画像及び第2のトナー画像が転写されている転写材上に転写する第3の転写工程;
をさらに有していることを特徴とする請求項21乃至40のいずれかに記載の画像形成方法。 - 該第2のトナーは、結着樹脂、第2の着色剤及び離型剤を少なくとも含有する第2のトナー粒子を有しており、且つ、0.955以上の平均円形度を有しており、
X線回折において、測定角2θが6乃至40degreeの範囲に、測定強度が10000cps以上であり、且つ半値半幅が0.3degree以下であるピークを有さない低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物が、埋め込まれることなく、粒状態でなくなった状態で該第2のトナー粒子表面を被覆していることを特徴とする請求項42に記載の画像形成方法。 - 該第2のトナーは、結着樹脂、第2の着色剤及び離型剤を少なくとも含有する第2のトナー粒子を有しており、且つ、0.955以上の平均円形度を有しており、
X線回折において、測定角2θが6乃至40degreeの範囲に、測定強度が10000cps以上であり、且つ半値半幅が0.3degree以下であるピークを有さない低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物が、埋め込まれることなく、粒状態でなくなった状態で該第2のトナー粒子表面を被覆しており、
該第3のトナーは、結着樹脂、第3の着色剤及び離型剤を少なくとも含有する第3のトナー粒子を有しており、且つ、0.955以上の平均円形度を有しており、
X線回折において、測定角2θが6乃至40degreeの範囲に、測定強度が10000cps以上であり、且つ半値半幅が0.3degree以下であるピークを有さない低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物が、埋め込まれることなく、粒状態でなくなった状態で該第3のトナー粒子表面を被覆していることを特徴とする請求項42に記載の画像形成方法。 - 該像担持体上に担持されている第3の静電潜像を第3のトナーにより現像して第3のトナー画像を形成する第3の現像工程;
該像担持体上に形成されている第3のトナー画像を該第1のトナー画像及び第2のトナー画像が転写されている転写材上に転写する第3の転写工程;
該像担持体上に担持されている第4の静電潜像を第4のトナーにより現像して第4のトナー画像を形成する第4の現像工程;及び
該像担持体上に形成されている第4のトナー画像を該第1のトナー画像、第2のトナー画像及び第3のトナー画像が転写されている転写材上に転写する第4の転写工程;
をさらに有していることを特徴とする請求項21乃至40のいずれかに記載の画像形成方法。 - 該第2のトナーは、結着樹脂、第2の着色剤及び離型剤を少なくとも含有する第2のトナー粒子を有しており、且つ、0.955以上の平均円形度を有しており、
X線回折において、測定角2θが6乃至40degreeの範囲に、測定強度が10000cps以上であり、且つ半値半幅が0.3degree以下であるピークを有さない低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物が、埋め込まれることなく、粒状態でなくなった状態で該第2のトナー粒子表面を被覆していることを特徴とする請求項45に記載の画像形成方法。 - 該第2のトナーは、結着樹脂、第2の着色剤及び離型剤を少なくとも含有する第2のトナー粒子を有しており、且つ、0.955以上の平均円形度を有しており、
X線回折において、測定角2θが6乃至40degreeの範囲に、測定強度が10000cps以上であり、且つ半値半幅が0.3degree以下であるピークを有さない低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物が、埋め込まれることなく、粒状態でなくなった状態で該第2のトナー粒子表面を被覆しており、
該第3のトナーは、結着樹脂、第3の着色剤及び離型剤を少なくとも含有する第3のトナー粒子を有しており、且つ、0.955以上の平均円形度を有しており、
X線回折において、測定角2θが6乃至40degreeの範囲に、測定強度が10000cps以上であり、且つ半値半幅が0.3degree以下であるピークを有さない低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物が、埋め込まれることなく、粒状態でなくなった状態で該第3のトナー粒子表面を被覆していることを特徴とする請求項45に記載の画像形成方法。 - 該第2のトナーは、結着樹脂、第2の着色剤及び離型剤を少なくとも含有する第2のトナー粒子を有しており、且つ、0.955以上の平均円形度を有しており、
X線回折において、測定角2θが6乃至40degreeの範囲に、測定強度が10000cps以上であり、且つ半値半幅が0.3degree以下であるピークを有さない低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物が、埋め込まれることなく、粒状態でなくなった状態で該第2のトナー粒子表面を被覆しており、
該第3のトナーは、結着樹脂、第3の着色剤及び離型剤を少なくとも含有する第3のトナー粒子を有しており、且つ、0.955以上の平均円形度を有しており、
X線回折において、測定角2θが6乃至40degreeの範囲に、測定強度が10000cps以上であり、且つ半値半幅が0.3degree以下であるピークを有さない低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物が、埋め込まれることなく、粒状態でなくなった状態で該第3のトナー粒子表面を被覆しており、
該第4のトナーは、結着樹脂、第4の着色剤及び離型剤を少なくとも含有する第4のトナー粒子を有しており、且つ、0.955以上の平均円形度を有しており、
X線回折において、測定角2θが6乃至40degreeの範囲に、測定強度が10000cps以上であり、且つ半値半幅が0.3degree以下であるピークを有さない低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物が、埋め込まれることなく、粒状態でなくなった状態で該第4のトナー粒子表面を被覆していることを特徴とする請求項45に記載の画像形成方法。 - 該第1のトナーは、マゼンタトナー、シアントナー、イエロートナー及びブラックトナーからなるグループから選択されるトナーであり、該第2のトナーは、第1のトナーで選択されたトナーを除く残りのグループから選択されるトナーであり、
該第3のトナーは、第1のトナー及び第2のトナーで選択されたトナーを除く残りのグループから選択されるトナーであり、
該第4のトナーは、第1のトナー、第2のトナー及び第3のトナーで選択されたトナーを除く残りのトナーであることを特徴とする請求項48に記載の画像形成方法。 - 該転写材として中間転写体が用いられ、該像担持体上に形成されている第1のトナー画像は、該第1の転写工程において、中間転写体上に一次転写されるものであり、該像担持体上に形成されている第2のトナー画像は、該第2の転写工程において、第1のトナー画像が転写されている中間転写体上に一次転写されるものであり、
該中間転写体上に一次転写された第1のトナー画像及び第2のトナー画像を、さらに記録材上に一括して二次転写する二次転写工程;及び
該記録材上に二次転写された第1のトナー画像及び第2のトナー画像を、該記録材上に定着する定着工程;
をさらに有していることを特徴とする請求項21又は41に記載の画像形成方法。 - 該転写材として中間転写体が用いられ、該像担持体上に形成されている第1のトナー画像は、該第1の転写工程において、中間転写体上に一次転写されるものであり、該像担持体上に形成されている第2のトナー画像は、該第2の転写工程において、第1のトナー画像が転写されている中間転写体上に一次転写されるものであり、該像担持体上に形成されている第3のトナー画像は、該第3の転写工程において、第1のトナー画像及び第2のトナー画像が転写されている中間転写体上に一次転写されるものであり、
該画像形成方法は、該中間転写体上に一次転写された第1のトナー画像、第2のトナー画像及び第3のトナー画像を、さらに記録材上に一括して二次転写する二次転写工程;及び
該記録材上に二次転写された第1のトナー画像、第2のトナー画像及び第3のトナー画像を、該記録材上に定着する定着工程;
をさらに有していることを特徴とする請求項42乃至44のいずれかに記載の画像形成方法。 - 該転写材として中間転写体が用いられ、該像担持体上に形成されている第1のトナー画像は、該第1の転写工程において、中間転写体上に一次転写されるものであり、該像担持体上に形成されている第2のトナー画像は、該第2の転写工程において、第1のトナー画像が転写されている中間転写体上に一次転写されるものであり、該像担持体上に形成されている第3のトナー画像は、該第3の転写工程において、第1のトナー画像及び第2のトナー画像が転写されている中間転写体上に一次転写されるものであり、該第4の転写工程において、第1のトナー画像、第2のトナー画像及び第3のトナー画像が転写されている中間転写体上に一次転写されるものであり、
該中間転写体上に一次転写された第1のトナー画像、第2のトナー画像、第3のトナー画像及び第4のトナー画像を、さらに記録材上に一括して二次転写する二次転写工程;及び
該記録材上に二次転写された第1のトナー画像、第2のトナー画像、第3のトナー画像及び第4のトナー画像を、該記録材上に定着する定着工程;
をさらに有していることを特徴とする請求項45乃至48のいずれかに記載の画像形成方法。 - 該転写材として記録材が用いられ、該像担持体上に形成されている第1のトナー画像は、該第1の転写工程において、転写ドラムに担持されている記録材上に転写されるものであり、該像担持体上に形成されている第2のトナー画像は、該第2の転写工程において、転写ドラムに担持され且つ第1のトナー画像が転写されている記録材上に転写されるものであり、
該記録材を該転写ドラムから分離する工程;及び
該記録材上に転写された第1のトナー画像及び第2のトナー画像を、該記録材上に定着する定着工程;
をさらに有していることを特徴とする請求項21又は41に記載の画像形成方法。 - 該転写材として記録材が用いられ、該像担持体上に形成されている第1のトナー画像は、該第1の転写工程において、転写ドラムに担持されている記録材上に転写されるものであり、該像担持体上に形成されている第2のトナー画像は、該第2の転写工程において、転写ドラムに担持され且つ第1のトナー画像が転写されている記録材上に転写されるものであり、該像担持体上に形成されている第3のトナー画像は、該第3の転写工程において、転写ドラムに担持され且つ第1のトナー画像及び第2のトナー画像が転写されている記録材上に転写されるものであり、
該記録材を該転写ドラムから分離する工程;及び
該記録材上に転写された第1のトナー画像、第2のトナー画像及び第3のトナー画像を、該記録材上に定着する定着工程;
をさらに有していることを特徴とする請求項42乃至44のいずれかに記載の画像形成方法。 - 該転写材として記録材が用いられ、該像担持体上に形成されている第1のトナー画像は、該第1の転写工程において、転写ドラムに担持されている記録材上に転写されるものであり、該像担持体上に形成されている第2のトナー画像は、該第2の転写工程において、転写ドラムに担持され且つ第1のトナー画像が転写されている記録材上に転写されるものであり、該像担持体上に形成されている第3のトナー画像は、該第3の転写工程において、転写ドラムに担持され且つ第1のトナー画像及び第2のトナー画像が転写されている記録材上に転写されるものであり、該像担持体上に形成されている第4のトナー画像は、該第4の転写工程において、転写ドラムに担持され且つ第1のトナー画像、第2のトナー画像及び第3のトナー画像が転写されている記録材上に転写されるものであり、
該記録材を該転写ドラムから分離する工程;及び
該記録材上に転写された第1のトナー画像、第2のトナー画像、第3のトナー画像及び第4のトナー画像を、該記録材上に定着する定着工程;
をさらに有していることを特徴とする請求項45乃至48のいずれかに記載の画像形成方法。 - 少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナー粒子を有するトナーの製造方法において、
該トナーは、0.955以上の平均円形度を有しており、
該トナー粒子に、X線回折において、測定角2θが6乃至40degreeの範囲に、測定強度が10000cps以上であり、且つ半値半幅が0.3degree以下であるピークを有さない低結晶性または非晶性の芳香族化合物の金属錯化合物、金属塩、または、金属錯化合物と金属塩との混合物とを、機械的衝撃力を用いて混合及び撹拌することによって、該トナー粒子表面に、該金属錯化合物、該金属塩、または、該金属錯化合物と該金属塩との混合物を、埋め込まれることなく、粒状態でなくなった状態で被覆させることを特徴とするトナーの製造方法。 - 該トナーが、請求項2乃至20のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする請求項56に記載のトナーの製造方法。
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