JP2002229240A - 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、及び電子写真装置

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JP2002229240A
JP2002229240A JP2001028809A JP2001028809A JP2002229240A JP 2002229240 A JP2002229240 A JP 2002229240A JP 2001028809 A JP2001028809 A JP 2001028809A JP 2001028809 A JP2001028809 A JP 2001028809A JP 2002229240 A JP2002229240 A JP 2002229240A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐摩耗性の向上を図ると共に、耐リーク性の
向上を図って画質の低下を抑制することが可能な電子写
真感光体、電子写真感光体の製造方法、及び電子写真装
置を提供する。 【解決手段】 本発明に係る電子写真感光体28は、導
電性基材71と、導電性基材71上に設けられた感光層
73と、感光層73上に設けられており、プラズマ法に
より生成された金属酸化物微粒子76aをバインダ樹脂
76b中に含む保護層76と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真感光体、電
子写真感光体の製造方法、及び電子写真装置に関し、よ
り詳細には画質欠陥が少なく、繰り返し特性が安定した
電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、及び電子
写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真装置は、高速でかつ高品質の印
字が得られるため、複写機およびレーザービームプリン
ター等に広く利用されている。電子写真装置が備える感
光体としては、有機の光導電性材料を用いた有機感光体
が主流となっており、感光体の構成も電荷移動型錯体構
造や電荷発生材料を結着樹脂中に分散した機能分離型の
感光体へと変遷し性能が向上している。
【0003】ところで、近年、感光体を帯電させるため
の帯電装置として、コロトロン帯電装置による非接触方
式の帯電装置に替わって、オゾン発生が少なく環境問題
の観点で優れている接触帯電装置が盛んに用いられるよ
うになってきている。しかし、接触帯電装置を用いた場
合、感光体に加わるトータルの電流量が多くなるため、
感光体の劣化が激しくなり、感光層の摩耗がコロトロン
の場合に比べて数倍以上多くなるという問題がある。
【0004】かかる問題に鑑み、感光体の寿命向上を図
るべく、強度の高い表面を有する感光体の研究が盛んに
なされている。例えば、感光層の上に強度の高い保護層
を設けて、感光体自体の強度を向上させることが行われ
る。しかしながら、単に高分子材料成分にのみに依存し
て保護層を形成していたのでは、感光体自体の強度の向
上に限界があった。すなわち、熱可塑性の高分子成分の
みで形成される保護層では、接触帯電時の過大な電流に
よりポリマーの主鎖は切断されてしまい、コロトロンに
対して強靭な耐摩耗特性を有するような材料であって
も、接触帯電装置を用いたシステムにおいては、従来の
材料に比べて何ら効果を示さないことが通例であった。
【0005】そこで、樹脂中に導電性フィラーを混合し
た保護層を設けて、感光体自体の強度の向上を図ること
が行われる(特開平10−312139号公報など)。
架橋型の高分子中に導電性粒子を分散したフィラー分散
型の保護層においては、架橋された高分子の劣化は少な
く、また劣化を生じてもフィラー材料の硬度により塗膜
としての強度が保たれるため、接触帯電装置を用いても
強靭な耐摩耗性を維持することが可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、単なる
導電性粒子を分散した保護層を有する上記従来の感光体
では、接触帯電装置を用いた場合に、接触帯電装置と感
光体表面との間で直接的な導電路を形成し易くなり、局
所的な過剰電流を生じて異常放電により感光体中でリー
ク現象が起きて画質の低下を招くことがあった。特に、
導電性粒子の分散むらがある場合には、粒子の凝集部分
に電場が集中してリークの引き金となる場合が多かっ
た。
【0007】そこで本発明は、耐摩耗性の向上を図ると
共に、耐リーク性の向上を図って画質の低下を抑制する
ことが可能な電子写真感光体、電子写真感光体の製造方
法、及び電子写真装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記目的を達
成するため、従来の電子写真感光体について、特に保護
層に含有される金属酸化物微粒子に着目して鋭意検討を
行った。
【0009】従来の電子写真感光体では、例えば酸化亜
鉛、酸化チタンなどの保護層に含まれる金属酸化物微粒
子としては、以下のようにして製造されたものを使用し
ている。すなわち、酸化亜鉛は、JIS K1410に
記載されているように、大別して間接法(フランス法)、
または直接法(アメリカ法)により製造されたものが従来
より用いられている。間接法(フランス法)は、金属亜鉛
を1000℃に加熱し、亜鉛の蒸気を熱空気によって酸
化する。そして、生成した酸化亜鉛を送風機において空
気冷却機を通じて冷却し、粒子の大きさによって分別す
る。直接法(アメリカ法)は、亜鉛鉱石を培焼することに
よって得られる酸化亜鉛を石炭などで還元し、生じた亜
鉛の蒸気を熱空気によって酸化するか、又は、亜鉛鉱石
を硫酸で浸出した鉱宰にコークスなどを加えたものを電
気炉で亜鉛を溶かして熱空気によって酸化する。これを
間接法と同様に処理する。この他、亜鉛の塩酸溶液をア
ルカリ溶液で沈殿させてできた塩基性炭酸亜鉛を培焼す
る湿式製法もある。
【0010】また酸化チタンは、通常工業生産に使用さ
れている製法として、硫酸法、または塩素法により製造
されたものが従来より用いられている。硫酸法は、基本
工程として鉱石を硫酸と反応させ硫酸塩溶液を作り、溶
液の清澄、加水分解による含水酸化チタンの沈殿、含水
酸化チタンの洗浄、焼成、粉砕・表面処理する工程より
なる。また塩素法は、鉱石の塩素化により四塩化チタン
液を作製し、その後精留、酸素による燃焼を行い酸化チ
タンにして粉砕・後処理を加える。この他、酸化チタン
の製法として、弗酸法、塩化チタンカリウム法、四塩化
チタン水溶液法などがある。
【0011】しかしながら、上記した方法により生成さ
れる従来の金属酸化物微粒子は、粒径が0.2〜0.4
μm程度であり、粒径が極めて大きく、またバインダ樹
脂への分散が十分でないことを見出した。そして、この
ことが短絡的な電流の流れを作り、異常放電によるリー
ク欠陥を生じさせる一因であると推測された。
【0012】これに対し、プラズマ法により生成された
金属酸化物微粒子は、平均粒径が従来のものよりも小さ
く、また粒形が比較的揃った晶癖の微粒子であり、バイ
ンダ樹脂への分散性が極めて良好であることが分かっ
た。そして、この金属酸化物微粒子をバインダ樹脂に添
加して保護層を形成することで、リーク欠陥などの問題
を解決することができることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0013】すなわち、本発明に係る電子写真感光体
は、(1)導電性基材と、(2)導電性基材上に設けら
れた感光層と、(3)感光層上に設けられており、プラ
ズマ法により生成された金属酸化物微粒子をバインダ樹
脂中に含む保護層と、を備えることを特徴とする。
【0014】この電子写真感光体の保護層は、バインダ
樹脂中にプラズマ法により生成された金属酸化物微粒子
を含んでいる。この金属酸化物微粒子は分散性に優れる
ため、凝集によるリーク回路が形成されにくい。またこ
の金属酸化物微粒子は、従来のものよりも粒径が小さい
ため、電荷が流れるためには多くの金属酸化物微粒子を
導電路として通過する必要がある。その結果、短絡的な
電流の流れを抑制して、過剰なリーク電流の発生を抑制
することができる。
【0015】また本発明に係る電子写真感光体では、金
属酸化物微粒子の平均粒径は100nm以下であることを
特徴としてもよい。このように、プラズマ法により生成
された金属酸化物微粒子は、平均粒径を100nm以下と
することができ、各金属酸化物微粒子の間にバインダ樹
脂を多く存在させることができる。
【0016】また本発明に係る電子写真感光体では、金
属酸化物微粒子は、酸化亜鉛、酸化チタン、及び酸化錫
の少なくともいずれかを含むと好ましい。保護層は、耐
リーク性を得るために適切な抵抗値にすると好ましく、
抵抗値を108〜1014Ω・cmとすると好適である。
抵抗値が低すぎると電荷の沿面流れにより画像ぼけや解
像度の低下を生じる傾向にあり、抵抗値が高すぎると残
留電位の上昇を引き起こす傾向にある。保護層の抵抗値
は、金属酸化物微粒子の粉体抵抗と、それに応じてバイ
ンダ樹脂中への添加量を制御することにより調整するこ
とができる。このことから、金属酸化物微粒子の粉体抵
抗値は102〜1011Ω・cmとすると好適であり、1
4〜1010Ω・cmとするとより好適である。よっ
て、上記のように金属酸化物微粒子として酸化亜鉛、酸
化チタン、及び酸化錫の少なくともいずれかを含むこと
で、保護層の抵抗値を上記範囲内に容易に設定すること
ができる。
【0017】また本発明に係る電子写真感光体におい
て、保護層は、感光層としての機能をも有することを特
徴としてもよい。また本発明に係る電子写真感光体にお
いて、保護層のビッカース硬度を30以上とすると好ま
しい。このようにすれば、接触帯電時の電流リークの一
因となる外部からの異物の貫入が抑制されると共に、耐
摩耗性も向上されて感光体の耐久性が高くなる。
【0018】また本発明に係る電子写真感光体におい
て、保護層の膜厚は0.1μm〜20μmとすると好ま
しい。保護層の膜厚が0.1μmより薄いときは、外部
から導電性の異物が貫入し易くなり、耐リーク性が低下
する傾向にある。一方、膜厚が20μmよりも厚いとき
は成膜が困難となり、また残留電荷の増加による画質低
下を生じやすくなる。
【0019】本発明に係る電子写真装置は、(1)上記
したいずれかの構成の電子写真感光体と、(2)電子写
真感光体上に帯電を行うための接触帯電装置と、を備え
ることを特徴とする。
【0020】接触帯電装置は、非接触型の帯電装置より
もオゾンの発生を抑制することができる。ところが、接
触型の帯電装置を用いた場合は、非接触型の帯電装置よ
りも高い電圧が感光体に接触し直接印加されるため、導
電性の異物が電子写真感光体に貫入したときにリーク電
流が発生しやすくなる。しかし、この電子写真装置は上
記した本発明に係る感光体を備えているため、リーク電
流の発生が抑制されている。このため、オゾンの発生を
抑制しつつ、リーク電流による画質欠陥がほとんど無い
画像を形成することができる。
【0021】本発明に係る電子写真感光体の製造方法
は、(1)導電性基材を準備する工程と、(2)導電性
基材上に感光層を形成する工程と、(3)プラズマ法に
より生成された金属酸化物微粒子を含む樹脂を用いて、
感光層上に保護層を形成する工程と、を含むことを特徴
とする。
【0022】この電子写真感光体の製造方法では、プラ
ズマ法により生成された金属酸化物微粒子を含む樹脂を
用いて保護層を形成している。プラズマ法により生成さ
れる金属酸化物微粒子は分散性に優れるため、凝集によ
るリーク回路が形成されにくい。またこの金属酸化物微
粒子は、従来のものよりも粒径が小さいため、電荷が流
れるためには多くの金属酸化物微粒子を導電路として通
過する必要がある。その結果、この方法により製造され
る電子写真感光体では、短絡的な電流の流れを抑制し
て、過剰なリーク電流の発生を抑制することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
に係る電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、及
び電子写真装置の好適な実施形態について説明する。
尚、図面において同一の要素には同一の符号を附し、重
複する説明を省略する。
【0024】図1は、本実施形態に係る複写機(電子写
真装置)1を示す概略構成図である。また図2は、本実
施形態に係る感光体ドラム(電子写真感光体)28の構
造を示す斜視図である。また図3は、本実施形態に係る
感光体ドラム28の積層構造を模式的に示す部分断面図
である。
【0025】図1に示すように、複写機1は、主に複写
機本体14と、この複写機本体14の上面に設置された
プラテンガラス16を開閉自在に覆う自動原稿搬送装置
18と、から構成されている。
【0026】複写機本体14は、自動原稿搬送装置18
を開いてプラテンガラス16上に載置された固定原稿の
画像を読み取り、電気的な画像信号に変換する原稿読取
部20と、この原稿読取部20から受信した画像信号に
基づいて用紙に可視像を形成する画像形成部22と、こ
の画像形成部22に対して用紙を供給する複数の給紙ト
レイ34とを有している。
【0027】原稿読取部20は、内部に収容するCCD
によって原稿のカラー画像情報をR(赤色),G(緑
色),B(青色)のアナログ信号として読み取った後、
当該信号に基づいて、K(黒色),Y(イエロー),M
(マゼンダ),およびC(シアン)のカラー画像データ
を生成する。
【0028】画像形成部22は、主に原稿読取部20か
らのカラー画像データに基づいて変調されたレーザビー
ムを出力する露光装置24と、帯電装置26により帯電
された後に前記レーザビームにより露光される感光体ド
ラム28と、この露光により感光体ドラム28上に形成
された静電潜像をトナー像に現像するロータリー式の現
像装置30と、感光体ドラム28上に形成されたトナー
像が一次転写位置T1にて一次転写される無端の中間転
写ベルト32を含む中間転写体ユニット40と、中間転
写ベルト32に一次転写されたトナー像を給紙トレイ3
4から供給された用紙に二次転写位置T2にて二次転写
する二次転写ユニット50と、用紙に二次転写された未
定着トナー像を当該用紙に定着させる定着装置39とを
有している。
【0029】画像形成部22の露光装置24としては、
半導体レーザー光、LED光、液晶シャッター光等の光源
を、所望の像様に露光できる光学系等が特に制限される
ことなく用いられる。光源の波長も感光体ドラムの分光
感度に適したものであれば、可視光、赤外光を問わな
い。
【0030】帯電装置26としては、本実施形態では導
電性または半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴ
ム、ブレード等を用いた接触型帯電装置が用いられる。
もちろん、非接触型の帯電装置も用ることができる。ま
た、帯電装置26には、直流電圧に交流電圧を重畳した
電圧を印加すると好ましい。感光体ドラム28が負帯電
極性の場合は、帯電装置26によって通常−300〜−
1000Vに帯電される。また、帯電部材として、イオ
ン導電性、電子伝導性など適当な抵抗が得られるあらゆ
る材質のものを用いることができる。
【0031】現像装置30は、回転軸30o周囲に装着
されたK,Y,M,Cの4色の現像器30K,30Y,3
M,30Cを有しており、回転軸30oの回転に伴って
各4色の現像器30K,30Y,30M,30Cが順次感光
体ドラム28に対向するように構成されている。各現像
器30K,30Y,30M,30Cは、感光体ドラム28に
形成された静電潜像をK,Y,M,Cの各色のトナー像
に現像する。また、トナー剤として、磁性若しくは非磁
性の一成分系現像剤又は二成分系現像剤を用いることが
できる。さらに、現像装置30は、正規現像タイプ又は
反転現像タイプの何れでもよい。
【0032】現像装置30による現像工程をより具体的
に説明すると、以下の通りである。まず、4つの現像器
の内の現像器30Kにより、ブラックトナーによる現像
が行われる。次に、現像装置30が回転し、現像器30
Yが感光体ドラム28に対向する位置に移動する。そし
てこの現像器30Yにより、イエロートナーによる現像
が行われる。次に、現像装置30が回転し、現像器30
Mが感光体ドラム28に対向する位置に移動する。そし
てこの現像器30Mにより、マゼンタトナーによる現像
が行われる。次に、現像装置30が回転し、現像器30
Cが感光体ドラム28に対向する位置に移動する。そし
てこの現像器30Cにより、シアントナーによる現像が
行われる。この結果、4色のトナーによる重畳転写が行
われ、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー像
が感光体ドラム28上に形成される。
【0033】なお、以上の4色での現像は1色ごとに独
立して行われ、該1色についての現像が行われている間
は他の色による現像は行われていないので、該1色につ
いての現像は他の色の現像器の影響を受けることはな
い。具体的には、目的の画像の第1の色成分像(例えば
ブラック成分像)に対応した静電潜像がまず形成され
る。次いで、現像器30Kによりその静電潜像がブラッ
クトナーで現像される。この時、他の現像器30Y,3
M,30Cは、オフ状態になっているので感光体ドラム
28には作用せず、ブラックトナーによる現像像は他の
現像器30Y,30M,30Cの影響を受けない。
【0034】感光体ドラム28は、図2に示すように、
円筒形状の導電性基材71と、導電性基材71上に形成
された下引層72と、下引層72上に形成された感光層
73と、感光層73上に形成された保護層76とを備え
ている。そして、感光層73は電荷発生層74と電荷輸
送層75とを有している。
【0035】この感光体ドラム28は、以下のように製
造することができる。
【0036】まず、導電性基材71を準備する。導電性
基材71としては、アルミニウム、銅、鉄、ステンレ
ス、亜鉛、ニッケルなどの金属ドラムを用いることがで
きる。或いは、シート、紙、プラスチック、ガラスなど
の上にアルミニウム、銅、金、銀、白金、パラジウム、
チタン、ニッケルークロム、ステンレス鋼、銅−インジ
ウム等の金属を蒸着したドラムや、酸化インジウム・酸
化錫などの導電性金属化合物を蒸着したドラムを用いる
ことができる。或いは、シート、紙、プラスチック、ガ
ラスなどの上に金属箔をラミネートしたドラムや、カー
ボンブラック、酸化インジウム、酸化錫−酸化アンチモ
ン粉、金属粉、沃化銅等を結着樹脂に分散したものを塗
布して導電処理したドラムを用いることができる。
【0037】ここで、導電性基材71の形状はドラム状
に限られず、シート状、プレート状としてもよい。な
お、導電性基材71を金属パイプとした場合、表面は素
管のままであってもよいし、事前に鏡面切削、エッチン
グ、陽極酸化、粗切削、センタレス研削、サンドブラス
ト、ウエットホーニングなどの処理を施してもよい。
【0038】次に、図2及び図3に示すように、導電性
基材71の上に下引層72を形成する。この下引き層7
2は、感光層73を塗布する際の濡れ性の改善や、ブロ
ッキング性の強化を図る機能を有する。
【0039】下引層72は、ポリビニルブチラールなど
のアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイ
ン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリ
ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、ア
クリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテー
ト樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸樹脂、
シリコーン樹脂、シリコーン-アルキッド樹脂、フェノ
ール-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂などの高分
子樹脂化合物のほかに、ジルコニウム、チタニウム、ア
ルミニウム、マンガン、シリコン原子などを含有する有
機金属化合物などによって形成することができる。これ
らの化合物は、単独にあるいは複数の化合物の混合物あ
るいは重縮合物として用いることができる。中でも、ジ
ルコニウム、もしくはシリコンを含有する有機金属化合
物は、残留電位が低く環境による電位変化が少なく、ま
た繰り返し使用による電位の変化が少ないなど性能上優
れている。
【0040】シリコン化合物としては、例えばビニルト
リメトキシシラン、γ-メタクリルオキシプロピル-トリ
ス(β-メトキシエトキシ)シラン、β-(3,4-エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキ
シシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β-(ア
ミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N
-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルメトキシ
シラン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-γ-アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、γ-クロルプロピルトリメ
トキシシランなどが挙げられる。これらのなかでも特に
好ましく用いられるシリコン化合物としては、ビニルト
リエトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ
シラン)、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2-
(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン、N-2-(アミノエチル)3-アミノプロピルトリメトキシ
シラン、N-2-(アミノエチル)3-アミノプロピルメチルジ
メトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-クロ
ロプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリン
グ剤が挙げられる。
【0041】有機ジルコニウム化合物としては、ジルコ
ニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジ
ルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネー
トジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニ
ウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウ
ムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウ
ムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸
ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸
ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタク
リレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコ
ニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブト
キシドなどが挙げられる。
【0042】有機チタン化合物としては、テトライソプ
ロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、
ブチルチタネートダイマー、テトラ(2-エチルヘキシル)
チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタン
アセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレー
ト、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテー
ト、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタ
ノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート
などが挙げられる。
【0043】有機アルミニウム化合物としては、アルミ
ニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジ
イソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチル
アセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、ア
ルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)などが挙げ
られる。
【0044】下引き層72は、上層の濡れ性改善の他
に、電気的なブロキング層の役割も果たすが、膜厚が大
きすぎる場合には電気的な障壁が強くなりすぎて、減感
や繰り返しによる電位の上昇を引き起こす。したがっ
て、下引層72を形成する場合には、0.1〜3μmの
膜厚範囲に設定すると好ましい。尚、下引き層72は必
ずしも設ける必要はない。
【0045】次に、下引き層72の上に感光層73を形
成する。感光層73の形成では、まず下引き層72の上
に電荷発生層74を形成する。電荷発生層74は、電荷
発生物質を真空蒸着により形成するか、有機溶剤及び結
着樹脂とともに分散し塗布することにより形成される。
【0046】電荷発生物質としては、非晶質セレン、結
晶性セレン、セレン−テルル合金、セレン−ヒ素合金、
その他のセレン化合物及びセレン合金、酸化亜鉛、酸化
チタン等の無機系光導電体、無金属フタロシアニン、チ
タニルフタロシアニン、銅フタロシアニン、錫フタロシ
アニン、ガリウムフタロシアニンなどの各種フタロシア
ニン顔料、スクエアリウム系、アントアントロン系、ペ
リレン系、アゾ系、アントラキノン系、ピレン系、ピリ
リウム塩、チアピリリウム塩等の各種有機顔料及び染料
が用いられる。また、これらの有機顔料は一般に数種の
結晶型を有しており、特にフタロシアニン顔料ではα
型、β型などをはじめとしてさまざまな結晶型が知られ
ているが、目的にあった感度その他の特性が得られる顔
料であるならば、これらのいずれの結晶型でも用いるこ
とができる。
【0047】本実施形態において、特に優れた性能が得
られる電荷発生材料として以下の化合物が挙げられる。
【0048】(1)電荷発生材料としてCukα線を用い
たX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)
において、少なくとも7.4°,16.6°,25.5
°,28.3°の位置に回折ピークを有する結晶型に代
表されるクロルガリウムフタロシアニン。
【0049】(2)電荷発生材料としてCukα線を用い
たX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)
において、少なくとも7.5゜,9.9゜,12.5
゜,16.3゜,18.6゜,25.1゜,28.1゜
の位置に回折ピークを有する結晶型に代表されるヒドロ
キシガリウムフタロシアニン。
【0050】(3)電荷発生材料としてCukα線を用い
たX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)
において、少なくとも9.5゜,11.7゜,15.0
゜,24.1゜,27.3゜の位置に回折ピークを有す
る結晶型に代表されるチタニルフタロシアニン。
【0051】電荷発生層74に於ける結着樹脂として
は、ビスフェノールAタイプあるいはビスフェノールZタ
イプのポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポ
リエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ
塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテ
ート樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビ
ニリデン-アクリルニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル-
酢酸ビニル-無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シ
リコン-アルキド樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹
脂、スチレン-アルキッド樹脂、ポリ-N-ビニルカルバゾ
ールなどが挙げられる。
【0052】これらの結着樹脂は、単独あるいは2種以
上混合して用いることが可能である。電荷発生材料と結
着樹脂との配合比(重量比)は、10:1〜1:10の範
囲が望ましい。また、電荷発生層74の厚みは、一般に
は0.01〜5μm、好ましくは0.05〜2.0μmの
範囲に設定される。
【0053】電荷発生材料を樹脂中に分散させる方法と
しては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、ア
トライター、ダイノーミル、サンドミル、コロイドミル
などの方法を用いることができる。
【0054】次に、電荷発生層74の上に電荷輸送層7
5を形成する。電荷輸送層75に用いられる電荷輸送物
質としては、2,5-ビス(p-ジエチルアミノフェニル)-1,
3,4-オキサジアゾールなどのオキサジアゾール誘導体、
1,3,5-トリフェニル-ピラゾリン、1-[ピリジル-(2)]-3-
(p-ジエチルアミノスチリル)-5-(p-ジエチルアミノスチ
リル)ピラゾリンなどのピラゾリン誘導体、トリフェニ
ルアミン、トリ(P-メチル)フェニルアミン、N,N-ビス
(3,4-ジメチルフェニル)ビフェニル-4-アミン、ジベン
ジルアニリン、9,9-ジメチル-N,N-ジ(p-トリル)フルオ
レノン-2-アミンなどの芳香族第3級アミノ化合物、N,N
‘-ジフェニル-N,N‘-ビス(3-メチルフェニル)-[1,1-ビ
フェニル]-4,4‘-ジアミンなどの芳香族第3級ジアミノ
化合物、3-(4‘ジメチルアミノフェニル)-5,6-ジ-(4‘-
メトキシフェニル)-1,2,4-トリアジンなどの1,2,4-トリ
アジン誘導体、4-ジエチルアミノベンズアルデヒド-1,1
-ジフェニルヒドラゾン、4-ジフェニルアミノベンズア
ルデヒド-1,1-ジフェニルヒドラゾン、[p-(ジエチルア
ミノ)フェニル](1-ナフチル)フェニルヒドラゾン、1−
ピレンジフェニルヒドラゾン、9−エチル−3−[(2メ
チル−1−インドリニルイミノ)メチル]カルバゾール、
4−(2−メチル−1−インドリニルイミノメチル)ト
リフェニルアミン、9−メチル−3−カルバゾールジフ
ェニルヒドラゾン、1,1−ジ−(4,4’−メトキシフ
ェニル)アクリルアルデヒドジフェニルヒドラゾンなど
のヒドラゾン誘導体、2-フェニル-4-スチリル-キナゾリ
ンなどのキナゾリン誘導体、6-ヒドロキシ-2,3-ジ(p-メ
トキシフェニル)-ベンゾフランなどのベンゾフラン誘導
体、p-(2,2-ジフェニルビニル)-N,N-ジフェニルアニリ
ンなどのα-スチルベン誘導体、エナミン誘導体、N-エ
チルカルバゾールなどのカルバゾール誘導体、ポリ-N-
ビニルカルバゾールおよびその誘導体などの正孔輸送物
質が挙げられる。或いは、クロラニル、ブロモアニル、
アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノ
ジメタン系化合物、2,4,7-トリニトロフルオレノン、2,
4,5,7-テトラニトロ-9-フルオレノン等のフルオレノン
化合物、2-(4-ビフェニル)-5-(4-t-ブチルフェニル)-1,
3,4-オキサジアゾールや2,5-ビス(4-ナフチル)-1,3,4-
オキサジアゾール、2,5-ビス(4-ジエチルアミノフェニ
ル)1,3,4オキサジアゾールなどのオキサジアゾール系化
合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3',
5,5'テトラ-t-ブチルジフェノキノン、3,5−ジメチル-
3',5'−ジ−t−ブチル-4,4'−ジフェノキノン等のジフ
ェノキノン化合物などの電子輸送物質が挙げられる。或
いは、以上に示した化合物からなる基を主鎖又は側鎖に
有する重合体などが挙げられる。これらの電荷輸送材料
は、1種又は2種以上を組み合せて使用することができ
る。
【0055】本実施形態に係る感光体ドラム28のよう
な積層型の感光体では、電荷輸送材料の電荷輸送極性に
より感光体の帯電極性が異なる。正孔輸送物質を用いた
場合には感光体は負帯電で用いられ、電子輸送物質を用
いた場合には正帯電で用いられる。両者を混合した場合
には両帯電極性の感光体とすることが可能である。
【0056】電荷輸送層75に用いられる結着樹脂には
任意のものを用いることができるが、特に電荷輸送材料
と相溶性を有し適当な強度を有することが望ましい。
【0057】バインダー樹脂としては、ビスフェノール
AやビスフェノールZ,ビスフェノールC,ビスフェノ
ールTPなどからなる各種のポリカーボネート樹脂やそ
の共重合体、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アク
リル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹
脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ス
チレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレ
イン酸共重合体樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンアル
キッド樹脂、フェノールーホルムアルデヒド樹脂、スチ
レン−アクリル共重合体樹脂、アチレン−アルキッド樹
脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂、ポリビニルブ
チラール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂などが挙げ
られる。これらの樹脂は単独あるいは2種以上の混合物
として使用することができる。
【0058】本実施形態で用いられる重合体の分子量
は、感光層73の膜厚や溶剤などの成膜条件によって適
宜選択されるが、通常は粘度平均分子量で3000〜3
0万、より好ましくは2万〜20万の範囲が適当であ
る。
【0059】電荷輸送層75は、上記した電荷輸送物質
及び結着樹脂とを適当な溶媒に溶解させた溶液を塗布
し、乾燥することによって形成することができる。電荷
輸送層75の形成に使用される溶媒としては、ベンゼ
ン、トルエン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素系、
アセトン、2-ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、ク
ロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水
素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリ
コール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エー
テル、あるいはこれらの混合溶剤などが挙げられる。
【0060】また、塗布液には塗膜の平滑性向上のため
のレベリング剤としてシリコーンオイルを微量添加する
こともできる。
【0061】電荷輸送材料と上記結着樹脂との配合比は
10:1〜1:5が好ましい。また電荷輸送層75の膜
厚は一般に5〜50μm、好ましくは10〜40μmの範
囲に設定される。
【0062】塗工は、感光体の形状や用途に応じて浸漬
塗布法、リング塗布法、スプレー塗布法、ビード塗布
法、ブレード塗布法、ローラー塗布法などの塗布法を用
いて行うことが出来る。乾燥は、室温での指触乾燥の後
に加熱乾燥するのが好ましい。加熱乾燥は、30℃〜2
00℃の温度で5分〜2時間の範囲の時間で行うことが
好ましい。
【0063】尚、本実施形態では、感光層73を電荷発
生層74と電荷輸送層75との2層構造としているが、
感光層73は単層であってもよい。また、電荷発生層7
4と電荷輸送層75との積層順序は反対であってもよ
い。
【0064】さらに、複写機1中で発生するオゾンや酸
化性ガス、あるいは光・熱による感光体ドラム28の劣
化を防止する目的で、感光層73中に酸化防止剤・光安
定剤・熱安定剤などの添加剤を添加することができる。
【0065】たとえば、酸化防止剤としてはヒンダード
フェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミ
ン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマ
ン、スピロインダノン及びそれらの誘導体、有機硫黄化
合物、有機燐化合物などが挙げられる。
【0066】酸化防止剤の具体的な化合物として、フェ
ノール系酸化防止剤では2,6-ジ-t-ブチル-4-メチル フ
ェノール、スチレン化フェノール、n-オクタデシル-3-
(3',5'-ジ-t-ブチル 4'-ヒドロキシフェニル)-プロピオ
ネート、2,2'-メチレン-ビス-(4-メチル-6-t-ブチル フ
ェノール)、2-t-ブチル-6-(3'-t-ブチル-5'-メチル-2'-
ヒドロキシベンジル)-4-メチルフェニル アクリレー
ト、4,4'-ブチリデン-ビス-(3-メチル-6-t-ブチル-フェ
ノール)、4,4'-チオ-ビス-(3-メチル 6-t-ブチルフェノ
ール)、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジ
メチル ベンジル)イソシアヌレート、テトラキス-[メチ
レン-3-(3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシ-フェニル)
プロピオネート]-メタン、3,9-ビス[2-[3-(3-t-ブチル-
4-ヒドロキシ-5-メチル フェニル)プロピオニルオキシ]
-1,1-ジメチル エチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ
[5,5]ウンデカンなどが挙げられる。ヒンダードアミン
系化合物ではビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジ
ル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペ
リジル)セバケート、1-[2-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒド
ロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]-4-[3-(3,
5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオ
キシ]-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、8-ベンジル-
7,7,9,9-テトラメチル-3-オクチル-1,3,8-トリアザスピ
ロ[4,5]ウンデカン-2,4-ジオン、4-ベンゾイルオキシ-
2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、コハク酸ジメチル-1
-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラ
メチルピペリジン重縮合物、ポリ[[6-(1,1,3,3-テトラ
メチルブチル)イミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイミル]
[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]ヘキサ
メチレン[(2,3,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミ
ノ]]、2-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2-n
-ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペ
リジル)、N,N'-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミ
ン-2,4-ビス[N-ブチル-N-(1,2,2,6,6,-ペンタメチル-4
ピペリジル)アミノ]-6-クロロ-1,3,5-トリアジン縮合物
などが挙げられる。有機イオウ系酸化防止剤としてジラ
ウリル-3,3'-チオジプロピオネート、ジミリスチル-3,
3'-チオジプロピオネート、ジステアリル-3,3'-チオジ
プロピオネート、ペンタエリスリトール-テトラキス-
(β-ラウリル-チオプロピオネート)、ジトリデシル-3,
3'-チオジプロピオネート、2-メルカプトベンズイミダ
ゾールなどが挙げられる。有機燐系酸化防止剤としてト
リスノニルフェニル フォスフィート、トリフェニル フ
ォスフィート、トリス(2,4-ジ-t-ブチル フェニル)-フ
ォスフィートなどが挙げられる。
【0067】有機硫黄系および有機燐系酸化防止剤は2
次酸化防止剤と言われ、フェノール系あるいはアミン系
などの1次酸化防止剤と併用することにより相乗効果を
得ることができる。
【0068】光安定剤としては、ベンゾフェノン系、ベ
ンゾトリアゾール系、ジチオカルバメート系、テトラメ
チルピペリジン系などの誘導体が挙げられる。
【0069】ベンゾフェノン系光安定剤としては、2-ヒ
ドロキシ-4-メトキシ ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4
-オクトキシ ベンゾフェノン、2,2'-ジ-ヒドロキシ-4-
メトキシ ベンゾフェノンなどが挙げられる。ベンゾト
リアゾール系系光安定剤としては、2-(-2'-ヒドロキシ-
5'メチル フェニル-)-ベンゾトリアゾール、2-[2'-ヒド
ロキシ-3'-(3'',4'',5'',6''-テトラ-ヒドロフタルイミ
ド-メチル)-5'-メチルフェニル]-ベンゾトリアゾール、
2-(-2'-ヒドロキシ-3'-t-ブチル 5'-メチルフェニル-)-
5-クロロ ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3'-t
-ブチル 5'-メチルフェニル-)-5-クロロ ベンゾトリア
ゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3',5'-t-ブチルフェニル-)-
ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチル
フェニル)-ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ
3',5'-ジ-t-アミル フェニル-)-ベンゾトリアゾールな
どが挙げられる。その他の化合物として2,4,ジ-t-ブチ
ルフェニル 3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシベンゾエ
ート、ニッケル ジブチル-ジチオカルバメートなどが挙
げられる。
【0070】また感度の向上、残留電位の低減、繰り返
し使用時の疲労低減等を目的として、少なくとも1種の
電子受容性物質を含有せしめることができる。本実施形
態に係る感光体ドラム28に使用可能な電子受容性物質
としては、例えば無水琥珀酸、無水マレイン酸、ジブロ
ム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フ
タル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメ
タン、o-ジニトロベンゼン、m-ジニトロベンゼン、クロ
ラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレ
ノン、ピクリン酸、o-ニトロ安息香酸、p-ニトロ安息香
酸、フタル酸などが挙げられる。これらのうち、フルオ
レノン系、キノン系や、Cl,CN,NO2等の電子吸引性置換
基を有するベンゼン誘導体を特に好適に用いることがで
きる。
【0071】次に、感光層73の上に保護層76を形成
する。保護層76は、図2及び図3に示すように、複数
の金属酸化物微粒子76aを含有するバインダ樹脂76
bを感光層73の上に塗布して形成される。
【0072】金属酸化物微粒子76aとしては、プラズ
マ法により生成した金属酸化物微粒子が用いられる。プ
ラズマ法により金属酸化物微粒子76aを生成する方法
としては、直流プラズマアーク法、高周波プラズマ法、
プラズマジェット法などの方法が挙げられる。
【0073】直流プラズマアーク法では、金属原料を消
費アノード電極とする。そして、カソード電極からプラ
ズマフレームを発生させる。そして、アノード側の金属
原料を加熱、蒸発させ、金属原料の蒸気を酸化、冷却す
ることにより、金属酸化物微粒子を得ることができる。
【0074】高周波プラズマ法では、大気圧力のもとで
ガスを高周波誘導放電によって加熱したときに発生する
熱プラズマを利用する。このうちプラズマ蒸発法では、
不活性ガスプラズマ中心に固体粒子を注入し、プラズマ
中を通過する間に蒸発させ、この高温蒸気を急冷凝縮す
ることにより超微粒子を生成することができる。
【0075】金属原料としては、チタン、亜鉛、錫、ア
ルミニウム、セリウム、イットリウム、珪素、ジルコニ
ウム、鉄、マグネシウム、銅、マンガンなどの材料が挙
げられる。その結果、それらの酸化物を得ることができ
る。また、これらの金属の混合物もしくは化合物から、
複合金属酸化物を得ることもできる。
【0076】金属酸化物の金属元素に一部に異なる金属
元素を混入し、金属酸化物の半導体特性を調節すること
も可能である。たとえば、2価の酸化亜鉛に対して3価
の金属であるアルミニウムを微量にドープして抵抗をコ
ントロールすることが例として挙げられる。
【0077】プラズマ法は、不活性ガスのアルゴン、お
よび2原子分子ガスである水素や窒素、酸素雰囲気中で
アーク放電すると、アルゴンプラズマ、水素プラズマな
どが得られるが、とくに2原子分子ガスが熱解離して生
じた水素(窒素、酸素)プラズマは分子状ガスに比べて
きわめて反応性に富んでいるので、不活性ガスのプラズ
マと区別して反応性アークプラズマとも呼ばれている。
このうち酸素プラズマ法は金属酸化物微粒子を製造する
方法として効果的である。
【0078】プラズマ法で得られる金属酸化物微粒子
は、平均粒径が100nm以下である。ここでいう平均粒
径とは平均1次粒径を意味する。これに対し、上記した
従来の方法により生成された金属酸化物微粒子は、0.
2〜0.4μm程度の粒径のものが通例であり、本実施
形態において用いられる金属酸化物超微粒子76aと比
べれば1桁程度の粒径の違いがある。金属酸化物微粒子
の粒径が大きい場合には、保護層76での電荷の伝導路
が少数の粒子によって形成されるのに対して、本実施形
態に係る複写機1では小粒径の金属酸化物微粒子76a
を用いることにより数多くの粒子を介した電気伝導とな
り、各粒子の間には十分な樹脂が存在することで短絡的
な電流の流れが抑制され、異常放電によるリーク欠陥の
発生が少なくなる。
【0079】また、プラズマ法で得られる金属酸化物微
粒子は、従来の製法からは得られにくい粒形が比較的揃
った晶癖の微粒子であって分散性が高い。
【0080】ここで、本実施形態において使用可能な金
属酸化物微粒子76aとしては、酸化チタン、酸化亜
鉛、酸化錫、酸化ケイ素、酸化鉄、酸化アルミニウム、
酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化珪素、酸化ジル
コニウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化銅、酸化マ
ンガンなどが挙げられるが、特に酸化亜鉛、酸化チタ
ン、及び酸化錫の少なくともいずれかを含むと好まし
い。保護層76は、耐リーク性を得るために適切な抵抗
値にすると好ましく、抵抗値を108〜1014Ω・cm
とすると好適である。抵抗値が低すぎると電荷の沿面流
れにより画像ぼけや解像度の低下を生じる傾向にあり、
抵抗値が高すぎると残留電位の上昇を引き起こす傾向に
ある。保護層76の抵抗値は、金属酸化物微粒子76a
の粉体抵抗と、それに応じてバインダ樹脂中76bへの
添加量を制御することにより調整することができる。こ
のことから、金属酸化物微粒子76aの粉体抵抗値は1
2〜1011Ω・cmとすると好適であり、104〜10
10Ω・cmとするとより好適である。よって、上記のよ
うに金属酸化物微粒子76aとして酸化亜鉛、酸化チタ
ン、及び酸化錫の少なくともいずれかを含むことで、保
護層76の抵抗値を上記範囲内に容易に設定することが
できる。
【0081】また、これらの金属酸化物微粒子76a
は、必要に応じて分散性等の諸特性を一層改善するため
に、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジ
ルコニウムカップリング剤などの有機化合物で表面処理
を施してもよい。
【0082】バインダー樹脂76bとしては、ポリビニ
ルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコ
ール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹
脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、
メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、
ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-無
水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン-アル
キッド樹脂、フェノール樹脂、フェノール-ホルムアル
デヒド樹脂、メラミン樹脂などが用いられる。なお、外
部から感光体28に貫入する導電性異物を保護層76で
阻止するために、ある程度以上の高い硬度を有する樹脂
を用いると好ましい。
【0083】上記したバインダ樹脂76bに上記した金
属酸化物微粒子76aを分散させ、これを用いて感光層
73上に成膜を行うことで保護層76が形成される。こ
のとき、金属酸化物微粒子76aはバインダ樹脂76b
中によく分散されている。
【0084】ここで、金属酸化物微粒子76aは、保護
層76の固形分中に10〜60体積%、好ましくは20
〜50体積%が含有されると好ましい。このようにすれ
ば、適当な塗膜抵抗を有する保護層76が得られる。
【0085】また、表面の潤滑性を向上させるため、保
護層76の表面にテフロン(登録商標)のような離型性
固体粒子を含有させてもよい。
【0086】本実施形態に係る感光体28では、保護層
76が含有する金属酸化物微粒子76aの粒径が100
μm以下であるため、透明性に富み、厚みを増しても透
過率の低下が少ないため、感度の減少が少ない。そのた
め、耐摩耗性が高いのに加えて、厚膜化が可能であるた
め、感光体28の寿命をより一層長くすることが可能で
ある。
【0087】このようにして、本実施形態に係る複写機
1が備える感光体ドラム28が形成される。
【0088】次に、複写機1が備える中間転写体ユニッ
ト40について説明する。中間転写体ユニット40の中
間転写ベルト32は、一次転写位置T1に配置された一
次転写ロール36、内側二次転写ロール(バイアスロー
ル)46、及び駆動ロール38等によって張架されてお
り、図示しない駆動機構により感光体ドラム28と略同
速度で駆動ロール38を介して図中の矢印方向へ回転す
る。
【0089】一次転写ロール36としては、感光体ドラ
ム28上のトナー像を中間転写ベルト32に転写する機
能を有している限りとくに制限はなく、例えばベルト、
ローラー、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転
写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電
器やコロトロン転写帯電器等の公知の転写帯電器を用い
ることができる。これらの中でも、転写帯電補償能力に
優れる点では接触型転写帯電器が望ましい。
【0090】尚、本実施形態においては、一次転写ロー
ル36の他、剥離帯電器等を併用することもできる。ま
た、一次転写の際に、一次転写ロール36から感光体ド
ラム28に付与される転写電流には、通常直流電流が使
用されるが、本実施形態においては更に交流を重畳させ
て使用してもよい。一次転写ロール36における設定条
件としては、帯電すべき画像領域幅、転写帯電器の形
状、開口幅、プロセススピード(周速)等により異なり
一概に規定することはできないが、たとえば、一次転写
電流としては100〜400μA、一次転写電圧として
は500〜200Vを設定値とすることができる。
【0091】中間転写体ユニット40の中間転写ベルト
32は、一般的には多層構造であり、例えば、導電性支
持体上に、少なくともゴム、エラストマー、樹脂等から
形成される弾性層と、少なくとも1層の被覆層とを設け
てなる構造とすることができる。また、中間転写体の形
状は特に限定されず、目的に応じてベルト状やローラ形
状等としてもよい。本実施形態においては、これらの中
でも、画像の重ねあわせ時の色ズレ、繰り返し使用によ
る耐久性、他のサブシステムの配置の自由度の取り易さ
等の点で、無端ベルト形状を採用している。
【0092】中間転写ベルト32の表層の材料として
は、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ
ブタジエン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル
系樹脂、ポリエチレン系樹脂、フッ素系樹脂等に対し
て、導電性のカーボン粒子や金属粉等を分散混合させた
ものが好適に用いられる。これらの中でも、ポリイミド
系樹脂にカーボン粒子を分散させたものを好適に用いる
ことができる。
【0093】中間転写ベルト32の表面抵抗値として
は、例えば、108〜1016Ω・cmであることが好まし
い。この表面抵抗値が、108Ω・cm未満であると画像に
滲みや太りが生じ、1016Ω・cmを超えると画像の飛び
散りの発生や中間転写体シートの除電の必要性が発生
し、何れの場合も好ましくない。また、中間転写ベルト
32の厚みとしては、例えば50〜200μm程度が好
ましい。
【0094】二次転写ユニット50は、二次転写位置T
2に配置された外側二次転写ロール48を具備してい
る。この外側二次転写ロール48は、中間転写ベルト3
2を間に挟んで内側二次転写ロール46と対向してお
り、二次転写を行う際は内側二次転写ロール46側に加
圧される。そして、内側二次転写ロール46にトナーと
逆極性のバイアス電圧が印加されると、中間転写ベルト
32上のトナー像が用紙に二次転写される。
【0095】外側二次転写ロール48として、上述の機
能を有している限り特に制限はなく、例えば、一次転写
ロールとして例示した接触型転写帯電器、スコロトロン
転写帯電器、コロトロン転写帯電器などが用いられる。
これらの中でも、一次転写ロール36と同様に接触型転
写帯電器が好ましい。また、二次転写の際に、外側二次
転写ロール48から中間転写ベルト32に付与される転
写電流には、通常直流帯電が使用されるが、本実施形態
においては更に交流電流を重畳させて使用しても良い。
外側二次転写ロール48における設定条件としては、帯
電すべき画像領域幅、転写帯電器の形状、開口幅、プロ
セススピード(周速)等により異なり一概に規定するこ
とはできないが、例えば、二次転写電流としては+10
0〜+400μA、1次転写電圧としては+2000〜
+5000Vを設定値とすることができる。
【0096】トナー像を二次転写された用紙は、定着装
置39によって当該トナー像を定着された後、排出ロー
ル52より複写機本体14の外部へ排出される。以上
が、本実施形態の複写機1の構成である。
【0097】次に、本実施形態の感光体ドラム28、感
光体ドラム28の製造方法、及び複写機1の作用効果を
説明する。
【0098】複写機1によって用紙に画像を形成するプ
ロセス中に、接触方式の帯電装置26により感光体28
に加わるトータルの電流量が多くなると、従来の感光体
を備えた複写機では、感光層にリーク電流が流れて画質
低下を来していた。これに対し、本実施形態に係る複写
機1の感光体ドラム28は、プラズマ方式により生成さ
れた金属酸化物微粒子76aを含有するバインダ樹脂7
6bを用いて保護層76を形成しているため、金属酸化
物微粒子76aはバインダ樹脂76b中に均一に分散し
て凝集によるリーク回路が形成されにくい。また、金属
酸化物微粒子76aは平均粒径が100nm以下と径が
小さなものとされ、電荷が流れるためには多くの金属酸
化物微粒子76aを伝導路として通過する必要がある。
このため、本実施形態では、耐摩耗性の向上を図りつ
つ、短絡的な電流の流れを抑制して過剰なリーク電流の
発生を抑制し、画質の低下を抑制することが可能とな
る。
【0099】また、帯電装置26に、直流電圧に交流電
圧を重畳した電圧を印加することで、直流電圧のみを印
加する場合と比較して最大電圧が高くなり、感光体ドラ
ム28の帯電効率が高まる。通常、感光体ドラム28に
印加される電圧が高くなるとリーク電流が発生し易くな
るが、本実施形態では上記のように保護層76によって
リーク電流を抑制することができる。
【0100】なお、上記した本実施形態において、保護
層76は感光層としての機能を有してもよい。例えば、
上記した実施形態では感光層73を電荷発生層74と電
荷輸送層75との2層構造のものについて詳述したが、
この場合、保護層76は電荷輸送機能を有してもよい。
電荷輸送機能を有する保護層76のバインダ樹脂76b
の例として、ポリマー成分中に電荷輸送性機能を織り込
んだ高分子電荷輸送剤を用いたり、シリコーンハードコ
ート剤等の強靭なコート剤中に低分子の電荷輸送剤を分
子分散させるなどして電荷輸送機能機能をもたせた樹脂
を用いたりすることができる。ポリマー成分中に電荷輸
送機能を織り込んだ保護層76の例として、シリコーン
ポリマー中に電荷輸送材料機能基を織り込んだものが挙
げられる。
【0101】また、感光層73が単層構造である場合に
は、保護層76はこの単層構造の感光層を構成する樹脂
をバインダ樹脂76bとして使用することで、感光層と
しての機能を有していてもよい。
【0102】以下、実施例、比較例により本発明に係る
電子写真感光体及び電子写真装置を更に具体的に説明す
るが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0103】
【実施例】[実施例1] (感光体ドラムの作製)実施例1では、直径84mm、長さ
340mm、肉厚1mmのアルミニウム基材を導電性基材と
し、これに以下の組成の下引層を形成した。
【0104】4重量部のポリビニルブチラール樹脂(エ
スレックBM−S、積水化学社製)を溶解したn−ブチ
ルアルコール170重量部、有機ジルコニウム化合物
(アセチルアセトンジルコニウムブチレート)30重量
部及び有機シラン化合物の混合物(γ−アミノプロピル
トリエトキシシシラン)3重量部を混合し、攪拌し、下
引層用の塗布液を得た。この下引層用の塗布液を導電性
基材の上に塗布し、室温で5分間風乾を行った。次に、
50℃で7分間昇温を行い、50℃で85%RH(露点
47℃)の恒温恒湿槽中に入れ、10分間、加湿硬化促
進処理を行った後、熱風乾燥機に入れて135℃で10
分間乾燥を行った。以上により、導電性基材上に下引層
を形成した。
【0105】次に、電荷発生物質としてのCukα線を用
いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が
少なくとも7.4°,16.6°,25.5°,28.3°の位置に回折ピ
ークを有する塩化ガリウムフタロシアニン15重量部、
結着樹脂としての塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂
(VMCH、日本ユニカー社製)10重量部、n−ブチ
ルアルコール300重量部からなる混合物を、サンドミ
ルにて4時間分散した。得られた分散液を電荷発生層用
の塗布液として、これを下引層上に浸漬塗布し、乾燥し
て、厚みが0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0106】さらにN,N'-シ゛フェニル-N,N'-ヒ゛ス(3-メチルフェニル)-
[1、1']ヒ゛フェニル-4,4'-シ゛アミン 4重量部と、ビスフェノール
Zポリカーボネート樹脂(分子量4万)6重量部とをク
ロルベンゼン80重量部に加えて溶解した塗布液を電荷
発生層上に塗布し、130℃、40分の乾燥を行うこと
により膜厚30μmの電荷輸送層を形成した。
【0107】さらに、プラズマ法で形成された酸化亜鉛
微粒子(平均粒径30nm)としてシーアイ化成社NanoTek
ZnO (平均粒径 30nm)を40重量部と、ポリウレタン
樹脂(関西ヘ゜イント社製 レタン4000 クリアヘ゛ース)を60重量部
と、1,2,2-トリクロルエタンを600重量部と、塩化メチ
レンを300重量部とを含む分散液を作製し、電荷輸送層
上にスプレー塗布にて5μmの保護層を得た。
【0108】この感光体の電気特性を、帯電装置、露光
装置を有する電気特性試験機で測定し、帯電電位、光減
衰後の電位および残留電位を調べた。その結果、表1に
示す良好な電気特性が得られた。
【0109】またこの感光体を、接触帯電装置、中間転
写装置を有する富士ゼロックス社製フルカラープリンタ
ーDocu Print C620に搭載し、プリント画質を調べたと
ころ、良好な画質が得られた。なお、感光体の帯電電位
は−650Vに設定した。
【0110】この感光体を用いて連続1万枚のプリント
テストを行ったが、リーク欠陥や画像濃度の低下がない
優れた維持性を示した。
【0111】[比較例1〜4] (感光体の作製)比較例1〜4では、実施例1の感光体に
おいて、金属酸化物微粒子としての酸化亜鉛を表1に示
す材料に変更した他は、実施例1と同じ方法で感光体を
作製し、実施例1と同じ方法にて評価を行った。その結
果を表1に同様に示す。比較例1〜4では、残留電位が
高く十分なコントラスト電位や画像濃度が得られなかっ
た。
【0112】
【表1】
【0113】[比較例5] (感光体の作製)比較例5では、実施例1の感光体におい
て、金属酸化物微粒子を表2に示す材料に変更した他
は、実施例1と同じ方法で感光体を作製し、実施例1と
同じ方法にて評価を行った。その結果を表2に同様に示
す。比較例5では、残留電位は高くはならなかったが、
沿面伝導が大きく、画像濃度が低く、解像度も低い画質
しか得られなかった。
【0114】
【表2】
【0115】[実施例2] (感光体ドラムの作製)実施例2では、直径80mm、長さ
340mm、肉厚1mmのアルミニウム基材を導電性基材と
し、これに以下の組成の下引層を形成した。4重量部の
ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−S、積水
化学社製)を溶解したn−ブチルアルコール170重量
部、有機ジルコニウム化合物(アセチルアセトンジルコ
ニウムブチレート)30重量部及び有機シラン化合物の
混合物(γ−アミノプロピルトリエトキシシシラン)3
重量部を混合し、攪拌し、下引層用の塗布液を得た。こ
の下引層用の塗布液を導電性基材の上に塗布し、室温で
5分間風乾を行った。次に、50℃で7分間、導電性基
材の昇温を行い、50℃で85%RH(露点47℃)の
恒温恒湿槽中に入れ、10分間、加湿硬化促進処理を行
った後、熱風乾燥機に入れて135℃で10分間乾燥を
行った。以上により、導電性基材上に下引層を形成し
た。次に、電荷発生材料としてCukα線を用いたX線回折
スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、少な
くとも7.5°,9.9°,12.5°,16.3°,18.6°, 25.1°,28.
1°の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフ
タロシアニン15重量部、結着樹脂としてのブチラール
樹脂(BM-1、積水化学社製)10重量部、n−ブチル
アルコール300重量部からなる混合物を、サンドミル
にて4時間分散した。得られた分散液を電荷発生層用の
塗布液として、これを下引層上に浸漬塗布し、乾燥し
て、厚みが0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0116】次に、ジ(3,4-ジメチルフェニル)(4-フェ
ニルフェニル)アミン2重量部と、N,N’-ジフェニル-N,
N’-ビス(3-メチルフェニル)-[1,1’-ビフェニル]-4,
4’-ジアミン2重量部と、ビスフェノールZポリカーボ
ネート(分子量4万)6重量部とを、それぞれテトラヒド
ロフラン80重量部、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチル フェ
ノール0.2重量部を加えて溶解した。この液を電荷発
生層上に塗布し、120℃で40分の乾燥を行うことに
より膜厚25μmの電荷輸送層を形成した。
【0117】さらに、プラズマ法で形成された導電性粒
子酸化チタン(NanoTek TiO2) 12重量部と、上記した
電荷輸送材料4重量部と、ブロック型イソシアネート
(スミジュールBL3175、住友バイエルンウレタン社製)1
1重量部とを、ポリビニルブチラール樹脂(エスレック
BH−S,積水化学社製)8重量部をn-ブチルアルコー
ル200重量部に溶解した液に混ぜ、サンドミルにて1
2時間分散した。得られた分散液を用いて浸漬塗布を行
い、150℃で1時間の乾燥硬化処理を施し、上記電荷
輸送層の上に6μmの保護層を形成し、4層からなる電
子写真感光体を作製した。なお、この保護層塗布液の液
粘度は、1ヶ月の経時でも大きな変化はなく安定であっ
た。
【0118】この感光体の電気特性を、帯電装置、露光
装置を有する電気特性試験機で測定し、帯電電位、光減
衰後の電位および残留電位を調べた。その結果、表3に
示す良好な電気特性が得られた。
【0119】この感光体を、接触帯電装置、中間転写装
置を有する富士ゼロックス社製フルカラープリンターDo
cu Print C620に搭載しプリント画質を調べたところ、
良好な画質が得られた。
【0120】[比較例6〜7]比較例6〜7では、保護
層に含有される金属酸化物微粒子を以下の材料に変更し
た以外は、実施例2と同じ構成の感光体を形成し、実施
例2と同様の評価を行った。その結果を表3に同様に示
す。比較例6〜7では、残留電位が高く十分なコントラ
スト電位や画像濃度が得られなかった。
【0121】
【表3】
【0122】
【発明の効果】本発明によれば、耐摩耗性の向上を図る
と共に、耐リーク性の向上を図って画質の低下を抑制す
ることが可能な電子写真感光体、電子写真感光体の製造
方法、及び電子写真装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置(複写機)の全
体構成を示す図である。
【図2】本実施形態に係る感光体ドラムの構成を示す斜
視図である。
【図3】本実施形態に係る感光体ドラムの部分断面図で
ある。
【符号の説明】
1…複写機(電子写真装置)、20…原稿読取部、22
…画像形成部、24…露光装置、26…帯電装置、28
…感光体ドラム(電子写真感光体)、30K,30Y,3
M,30C…現像器、30…現像装置、32…中間転写
ベルト、34…給紙トレイ、36…一次転写ロール、3
9…定着装置、40…中間転写体ユニット、46…内側
二次転写ロール、48…外側二次転写ロール、50…二
次転写ユニット、52…排出ロール、71…導電性基
材、72…下引層、73…感光層、74…電荷発生層、
75…電荷輸送層、76a…金属酸化物微粒子、76b
…バインダ樹脂、76…保護層。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基材と、 前記導電性基材上に設けられた感光層と、 前記感光層上に設けられており、プラズマ法により生成
    された金属酸化物微粒子をバインダ樹脂中に含む保護層
    と、を備えることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記金属酸化物微粒子の平均粒径は10
    0nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子
    写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記金属酸化物微粒子は、酸化亜鉛、酸
    化チタン、及び酸化錫の少なくともいずれかを含むこと
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子写真感
    光体。
  4. 【請求項4】 前記保護層は感光層としての機能をも有
    することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の電子写
    真感光体と、 前記電子写真感光体上に帯電を行うための接触帯電装置
    と、を備えることを特徴とする電子写真装置。
  6. 【請求項6】 導電性基材を準備する工程と、 前記導電性基材上に感光層を形成する工程と、 プラズマ法により生成された金属酸化物微粒子を含む樹
    脂を用いて、前記感光層上に保護層を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
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