JP2006113529A - 中間転写体、及び該中間転写体を用いた画像形成装置 - Google Patents

中間転写体、及び該中間転写体を用いた画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】転写電界を用いて1次転写及び2次転写を行う際には中間転写体の体積抵抗率が高い状態でトナーの飛散を抑制することができ、前記転写電界により発生する中間転写体の帯電電荷の除電を容易に行える中間転写体を提供すること。
また、トナーの飛び散り(ブラー)による画質欠陥が著しく少なく、高品質の転写画質を安定して得ることができる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 少なくとも、基材と、該基材上に設けられた表面層と、を有する中間転写体であって、前記表面層がフラーレンを含有してなる光導電層であることを特徴とする中間転写体、及び該中間転写体を備える画像形成装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複写機やプリンタ等の電子写真方式を用いた画像形成装置に用いられる中間転写体、及び該中間転写体を用いた画像形成装置に関する。
電子写真方式を用いた画像形成装置においては、先ず、無機又は有機材料からなる光導電性感光体からなる像担持体表面に一様な電荷を形成し、画像信号を変調したレーザー光等で静電濳像を形成した後、帯電したトナーで前記静電濳像を現像して可視化したトナー像を形成する。そして、該トナー像を中間転写体を介して、或いは、直接、記録紙等の記録材に静電的に転写し、転写されたトナー像を記録材に定着することにより所要の再生画像が得られる。
特に、前記像担持体に形成したトナー像を中間転写体に一次転写し、更に、中間転写体上のトナー像を記録材に二次転写する方式を採用した画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
前記中間転写体方式を採用した画像形成装置において、中間転写体に用いられる材料としては、高分子材料中にカーボンや金属化合物等のフィラーを導電剤として分散させたものが用いられている。ポリカーボネート樹脂、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、ポリアルキレンフタレート、PC(ポリカーボネート)/PAT(ポリアルキレンテレフタレート)のブレンド材料、ETFE(エチレンテトラフロロエチレン共重合体)/PC,ETFE/PAT,PC/PATのブレンド材料であって熱可塑性樹脂の導電性の無端ベルトを用いる提案がなされている(例えば、特許文献2〜7参照。)。また、機械特性や耐熱性に優れたポリイミド系樹脂に導電性フィラーを分散してなる中間転写ベルトが提案されている(例えば、特許文献8及び9参照。)
このような中間転写体の体積抵抗率とトナー像の画質との間には、下記に示すような密接な関係が存在することが知られている。
(中間転写体の体積抵抗率ρvが低い場合)
中間転写体の体積抵抗率ρvが低すぎる(ρv≦108Ωcm)場合、転写時のトナーの飛び散りが著しく発生し、画質が低下することが知られている(例えば、特許文献10参照。)。中間転写体の体積抵抗率が低すぎる場合、1次転写ロールによる転写電界と転写電流の作用で、トナー層のない領域に転写電界が印加され易くなるために転写領域が広がり、その作用によってトナーが飛び散って転写されてしまうためと考えられる。
(中間転写体の体積抵抗率が中間の場合)
現在実用化されている画像形成装置の中間転写体は、体積抵抗率が中間値(108Ωcm≦ρv≦1014Ωcm)のものが使用されている。このような画像形成装置は、中間転写体の半導電性により、帯電電荷が適当に減衰する。すなわち、中間転写体の体積抵抗率の平均値は、帯電電荷が適当に減衰する範囲(体積抵抗率が適切な範囲)に有るので、除電部材を使用せずに連続して画像形成を行うことができる。
ところが、前記中間転写体の体積抵抗率の平均値が前記適切な範囲(帯電電荷が適当に減衰する範囲)にあったとしても、このような中間転写体においては、前記した、1次転写ロールによる転写電界と転写電流の作用で、トナー層のない領域に転写電界が印加され易くなるために転写領域が広がり、その作用によってトナーが飛び散って転写されてしまうという問題が発生する場合がある。また、近年の高品質の転写画質を得るために、トナーは、小径の球形トナーを用いる傾向にある。トナーが、小径化、球形化されると、転写電界によって容易にトナーが移動し易くなり、益々トナーの飛び散りが発生し易い傾向にある。更に、上記のような中間転写体においては以下の問題がある。
すなわち、カーボンや金属化合物などのフィラーを高分子樹脂に分散した場合には、フィラーの分散状態に起因する中間転写体内の抵抗バラツキが約1桁以上と大きくなること、フィラーとフィラー間の微少な高分子樹脂部の絶縁破壊や通電によるフィラーの再配列などによる中間転写体の低抵抗化が経時で起こること、などである。このように、印刷を繰り返すと、中間転写体の部分的或いは全体的な体積抵抗率が、好適な幅から経時的に外れ、画像品質を低下させるという問題があった。
(中間転写体の体積抵抗率ρvが高い場合)
中間転写体の体積抵抗率ρvが高い(ρv>1014Ωcm)場合には、トナー画像領域における中間転写体の電荷保持性が増加し、転写に必要な電界を適切にトナーへ印加することができる。一方、隣接する非画像部の中間転写体表面及び内部の電荷移動は減少するため、1次及び2次転写においてこの領域へのトナー転写が起こり難くなる。このことにより、中間転写体の体積抵抗率が高い場合には、トナーの飛び散りが少なく良好な画質のトナー形成像が得られる。
しかし、この場合はトナー転写後に中間転写体に蓄積した電荷を除電する工程が必要となり、除電工程で中間転写体を均一に除電することが困難なため、現在、実用化されていない。実用化されていない理由は次のとおりである。
前記除電工程を設ける場合には除電部材としてコロトロン又は除電ロール等を用いることが容易に想定される。前記除電部材として除電ロールを使用して中間転写体の除電を行う場合、ACバイアス電圧を印加した除電ロールを使用することが考えられる。
この場合、中間転写体表面及び除電ロール表面には凹凸等があるため、回転移動する中間転写体全表面を前記アースした除電ロールに接触させることは不可能である。そのため、体積抵抗率が高い中間転写体では、除電ロールに接触しない中間転写体部分は除電され難い。すなわち、前記中間転写体の体積抵抗率が高い場合には、前記中間転写体が除電部材を通過する短い時間で中間転写体全表面を確実に除電することは難しいという問題がある。中間転写体表面に除電ムラが発生した場合には、次の画像形成時に中間転写体表面に1次転写されるトナー像に除電ムラに応じた濃度ムラが発生するという問題がある。
また、放電による除電工程であるため高価な除電用高圧電源が必要になるという問題点もある。
更に、前記コロトロンを用いた除電では、多量のオゾンの発生、コロトロンへの付着物の付着による除電ムラに基づく画質欠陥の発生、NOxやO3、その他オゾン反応生成物等の放電生成物の中間転写体への付着、等の問題点がある。
前述のように体積抵抗率ρvが1014Ωcmを越える高抵抗率の中間転写体を使用した場合には、2次転写終了後に除電を行う除電部材が必要となり、特に、体積抵抗率ρvの値が高くなる程、除電部材を使用しても中間転写体の全表面を均一に除電することが困難となる。
したがって、転写作用のみを考えると中間転写体の体積抵抗率が高い方が有利であるにもかかわらず、高抵抗率の中間転写体は、除電工程を必要とし且つ均一に除電することが困難であったために、従来は体積抵抗率ρvがρv>1014Ωの高抵抗率の中間転写体を使用した画像形成装置は実用化されていなかった。
また、従来の画像形成装置において物理的刺激を付与すると体積抵抗率が低下する中間転写体を使用したものとして、下記の技術(1)〜(3)が知られている(例えば、特許文献11〜13参照。)。更に、下記(4)の技術(例えば、特許文献14参照。)は通常の転写電界を利用した転写であって、従来の欠点を免れないのは当然である。

なお、(1)〜(3)において、抵抗値が低下する中間転写体を使用する理由は、(1)では、特殊な方法で1次転写した中間転写体を2次転写前に除電するためであり、(2)及び(3)では、中間転写体の抵抗値低下を利用して2次転写を行うためである。すなわち、(1)〜(3)はいずれも特殊な転写を行うために、抵抗値が低下する中間転写体を使用した画像形成装置であって、通常の転写電界により転写を行う画像形成装置とは全く異なる技術である。また、(1)〜(4)はいずれも、アイデア技術であり、実用化されている技術ではない。しかも、次に説明するような問題点がある。
(1)特許文献11の記載の技術
ここで、図8及び図9は、特許文献11である特開平7−146616号公報記載の技術の説明図である。図8において、Q1は1次転写領域、Q2は2次転写領域を示し、01a,01b(図8(B)参照)は、それぞれ、ブランケット(中間転写体)01(図8(A)参照)の表面層のカーボンを混入した導電ゴム層01a、電荷発生剤を混入したシリコンゴム層01bを示す。図8(C)において、中間転写体として光導電性を有するブランケット01を用い、このブランケット01表面をトナーの帯電極性(−)とは逆の極性(+)に帯電させる。図8(D)において、前記帯電電荷による静電気力によって感光体ドラム02からブランケット(中間転写体)01へトナーを1次転写する。図8(E)において、1次転写後で且つ2次転写前に光Lをブランケット(中間転写体)01及びその表面の1次転写トナー像に照射し除電する(図9(A)参照)。図8(F)において、除電によりブランケット01表面及びトナー間の結合力を弱まるので、2次転写が光照射により容易に行える。
しかし、この方式では図9(B)に示すように、感光体ドラム02上からブランケット(中間転写体)01への1次転写が行われる前段階としてブランケット(中間転写体)01表面を感光体ドラム02上のトナー帯電極性と逆の極性に帯電させるため、1次転写前領域でのトナー転写が発生し、画像の乱れ、にじみ等による画質の劣化を防止することができない。
次に、複数色のトナーによるカラー画像を多重転写する装置に適用した場合に生じる問題点について説明する。図9(C)において、1色目のトナーをブランケット(中間転写体)01に1次転写した後、2色目のトナーの1次転写に備えてブランケット01上にある1色目のトナーを、感光体ドラム02上にあるトナー帯電極性と逆極性に帯電させ、感光体ドラム02上のトナーをブランケット01に転写することとなる。この時、感光体ドラム02上のトナーを転写するのに充分な転写電界が感光体ドラム02とブランケット01間に印加されているため感光体ドラム02上にある2色目のトナーはブランケット01へ転写する。これとは逆にブランケット01上にある逆極性となった1色目のトナーは感光体ドラム02へ転写してしまう(図9(D)参照)こととなる。
したがって、この(1)に記載の中間転写体(ブランケット01)を、カラー画像を多重転写する装置に適用した場合、良好な画質のカラー画像を多重転写を用いて得ることは非常に困難である。
(2)特許文献12に記載の技術
ここで、図10は特許文献12である特開平5−257398号公報記載の技術の説明図である。この公報では、図10(A)及び図10(B)に示されるように、転写前領域での転写を防止することを目的とし、図10(C)に示すように、1次転写する前に転写前帯電器03により光導電性のブランケット(中間転写体)01表面上にトナー帯電極性と同極性の予電荷を付加し、図10(D)に示すように、1次転写領域Q1でブランケット(中間転写体)01裏面から光照射し1次転写する方法が提案されている。
この方法では転写前領域での転写を軽減できるものの、単色の画像のみしか良好な転写像が得られず、鮮明なフルカラー画像を得ることが困難である。
また、図11は特許文献12である特開平5−257398号公報記載の技術により2色目の現像像を転写する場合に生じる問題点の説明図である。図11において、既にブランケット(中間転写体)01上に転写された1色目のトナー像も含めて予電荷を与え(図11(A)参照)、1次転写領域Q1において背面から光照射して転写を行う(図11(B)参照)が、この時ブランケット(中間転写体)01の電荷は除電されるが1色目のトナー電荷は除電されない。
この結果、1色目の除電されないトナー電荷による電界によって2色目のトナーの飛び散り、ムラが生じてしまう等の問題点がある。
(3)特許文献13の記載の技術
ここで、図12は特許文献13である特開平6−282181号公報記載の光照射により抵抗値の低下する中間転写体を使用して光照射により転写を行う技術の説明図である。また、図13は特許文献13である特開平6−282181号公報記載の加圧力により抵抗値の低下する中間転写体を使用して加圧力の印加により転写を行う技術の説明図である。
図12において、紙等の転写材04をブランケット(中間転写体)01上に静電的に保持し、転写領域Q1においてブランケット(中間転写体)01の背面から光照射し、電荷発生層01cで発生したホールによる転写電界を印加して感光体ドラム02上のトナー像を転写する方式が提案されている。この方法においては、転写領域Q1で光等の作用によって中間転写体01抵抗を低下させて転写電界を印加しているため、感光体ドラム02の軸方向(紙の進行方向に対して垂直方向)には低抵抗となっている。このため、軸方向のトナー像の飛び散りやにじみを防止することが困難となってしまうという問題点がある。
図13は、図12の光照射の代わりにロールによる加圧力により抵抗を低下させて転写を行う技術であるが、この図13に示す技術も前記図12に示す技術と同様の問題点がある。更に、中間転写体支持ロールの軸の曲がり、表面の凹凸等により中間転写体に均一な圧力を加えることは困難であり、圧力分布ムラによる転写ムラが発生するという問題点がある。
(4)特許文献14の記載の技術
特許文献14に記載される技術はカーボンブラックおよび導電性付与剤としてフラーレンを含有する半導電性高分子ベルトを転写ベルトとして使用している。同文献に記載されるとおり、当該中間転写体は基材のみで構成され、該基材にフラーレンを含有する。フラーレンが含有されることで、抵抗のばらつき幅が小さくなり、安定で良好な転写性を得ることができ、転写効率の向上の効果は認められる。しかし、トナーの飛び散りに対しては更なる改善が望まれていた。
このように、従来の中間転写体は諸問題を有しており、これらの問題を解決し得る技術が望まれている。
特開昭62−206567号公報 特開平6−095521号公報 特開平5−200904号公報 特開平6−228335号公報 特開平6−149081号公報 特開平6−149083号公報 特開平6−149079号公報 特開平5−77252号公報 特開平10−63115号公報 特開平8−248779号公報 特開平7−146616号公報 特開平5−257398号公報 特開平6−282181号公報 特開2002−14543号公報
このように、従来の中間転写方式の画像形成装置においては、中間転写体の帯電特性に起因するトナー飛散が発生し易く、高品質な画像を安定して得ることが困難な場合があった。これに加えて、使用するトナーの小径化、略球形化に伴い、画質の低下を招く中間転写体表面のクリーニング不良が発生し易くなる傾向にあった。
本発明は、上記問題点を解決することを課題とする。すなわち、本発明は、トナー飛散の発生を抑制すると共に、より小径化・略球形化したトナーを用いたとしても2次転写後の中間転写体表面に残留するトナーのクリーニング性に優れ、高品質の画像を安定して形成することができる画像形成装置を提供することを課題とする。
上記課題は以下の本発明により達成される。すなわち、本発明は、
<1> 少なくとも、基材と、該基材上に設けられた表面層と、を有する中間転写体であって、
前記表面層が、フラーレンを含有してなる光導電層であることを特徴とする中間転写体である。
<2> 前記光導電層が、少なくとも電荷発生層と電荷輸送層とを有し、
該電荷発生層は、前記基材と前記電荷輸送層との間に設けられてなり、
前記電荷輸送層が、フラーレンを含有してなることを特徴とする前記<1>に記載の中間転写体である。
<3> 前記表面層のうち基材から最も遠い層が、フッ素系樹脂を含有してなることを特徴とする前記<1>又は<2>に記載の中間転写体である。
<4> 前記基材の体積抵抗率が、1×106〜1×1013Ωcmであることを特徴とする前記<1>〜<3>のいずれかに記載の中間転写体である。
<5> 前記基材が、導電剤を含有するポリイミド樹脂を含むことを特徴とする前記<1>〜<4>のいずれかに記載の中間転写体である。
<6> 前記基材と前記表面層との間に、中間層を設けてなり、
前記中間層のJIS A硬度が40〜70度の範囲内であり、前記樹脂材料のヤング率が2000MPa以上であることを特徴とする前記<1>〜<5>のいずれかに記載の中間転写体である。
<7> トナーを含む現像剤を用いてトナー像がその表面に形成される像担持体と、
外周面が前記像担持体表面に当接し、前記トナー像を前記像担持体表面から前記外周面へと転写する1次転写部、及び前記外周面に転写された前記トナー像を転写材へと転写する2次転写部を有する回転体で構成される中間転写体と、
前記2次転写部を通過した後の前記中間転写体の外周面を光照射することにより除電する光除電手段と、を少なくとも備え
前記中間転写体が、前記<1>〜<6>のいずれか1項に記載の中間転写体であることを特徴とする画像形成装置である。
<8> 更に、前記除電後の前記中間転写体の外周面をクリーニングするクリーニング手段を備え、
前記クリーニング手段が、前記中間転写体の外周面に当接するブラシ部材を含むクリーニングユニットを1つ以上含み、前記中間転写体の外周面をクリーニングする際に、前記ブラシ部材に電圧が印加されることを特徴とする前記<7>に記載の画像形成装置である。
<9> 前記クリーニングユニットが、前記ブラシ部材と、前記ブラシ部材に当接する導電性ロールと、該導電性ロールに当接配置されたブレードと、を有することを特徴とする前記<8>に記載の画像形成装置である。
<10> 前記クリーニングユニットが、前記中間転写体の回転方向に沿って直列に1つ以上配置され、
前記中間転写体の回転方向の最上流側に配置されたクリーニングユニットのブラシ部材に印加される電圧の極性と、前記像担持体表面に保持された状態のトナー像を構成するトナーの極性とが異なることを特徴とする前記<8>又は<9>に記載の画像形成装置である。
<11> 前記クリーニングユニットが、前記中間転写体の回転方向に沿って直列に2つ以上配置され、
一のクリーニングユニットとこれに隣接して配置される他のクリーニングユニットのブラシ部材に印加される電圧の極性が、互いに異なることを特徴とする前記<8>〜<10>のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
<12> 更に、前記除電後の前記中間転写体の外周面をクリーニングするクリーニング手段を備え、
前記クリーニング手段が、前記中間転写体の外周面に当接するクリーニングブレードを含むことを特徴とする前記<7>に記載の画像形成装置である。
<13> 前記クリーニングブレードがウレタンゴムで形成され、
前記ウレタンゴムの、〔1〕JIS K6255で規定される反発弾性係数が、10℃で20%以上、40℃で70%以下であり、〔2〕JIS K6251で規定される300%モジュラスが、2000N/cm2以上であり、且つ〔3〕JIS K6252で規定されるアングル型の引き裂き強度が、700N/cm以上であることを特徴とする前記<12>に記載の画像形成装置である。
<14> 前記クリーニングブレードのJIS K6262で規定される100%永久伸びが2.5%以下であることを特徴とする前記<13>に記載の画像形成装置である。
<15> 前記クリーニング手段が、前記中間転写体の外周面に当接し回転可能なクリーニングブラシと、前記クリーニングブラシを介して固体潤滑剤を前記中間転写体の外周面に塗布する潤滑剤塗布手段とを含み、
前記クリーニングブラシが前記クリーニングブレードに対して、前記中間転写体の回転方向上流側に配置されることを特徴とする前記<12>に記載の画像形成装置である。
<16> 前記クリーニングブレードの前記中間転写体の外周面に対する、線圧が0.2〜0.5N/cmの範囲内であり、当接角が22〜32度の範囲内であり、
前記クリーニングブレードを構成するブレード材質の、JIS K6255で規定される反発弾性係数が40℃で45〜65%の範囲内であり、JIS K6251で規定される300%モジュラスが1000〜2500N/cm2の範囲内であることを特徴とする前記<15>に記載の画像形成装置である。
<17> 前記トナーの下式(1)で定義される形状係数SFが、100〜140の範囲内であることを特徴とする前記<7>〜<16>のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
式(1); SF=〔(トナー粒子の最大長)2×π×100〕/〔トナー粒子の投影面積×4〕
上記従来技術(4)(特開2002−14543号公報)では、中間転写体にフラーレンを含有するが、中間転写体に光を照射することを予定していないため、基材のみから構成され、当該基材にフラーレンを含有する。しかし、本発明では、中間転写体に光を照射し体積抵抗率を変化させることを目的としているため、層構成としては、基材のほかに表面層(光導電層)を有する点で、従来技術(4)の構成とは異なる。
また、フラーレンを含有した表面層に光を照射した場合、表面層の物性値がどのように変化するのかは従来技術(4)では未知であった。しかし、本発明者らは、体積抵抗率の変化割合や変化速度の点で、フラーレンを含有する層を備えることが中間転写体として好適であることを見出し、上記発明に至った。
一方、上記従来技術(1)〜(3)では、電荷発生剤を中間転写体に添加し光照射を行う構成となっているが、発生した電荷を輸送する電荷輸送層の構成は従来のものから変更されておらず、電荷輸送層の電荷の輸送性は、光照射によっては変化しない。
本発明の中間転写体は、光が照射されると電荷発生物質が電荷を発生するのに加え、フラーレンにより層の導電性が変化し、電荷の輸送性が高くなる。すなわち、発生した電荷を効率よく輸送することができる中間転写体である。
なお、上記従来技術(1)(特開平7−146616号公報)では、一次転写から二次転写の間の工程で光を照射しており、従来技術(2)及び(3)(特開平5−257398号公報及び同6−282181号公報)では、転写時に光を照射している。いずれも被転写体への転写効率を高める方法であり、中間転写体をクリーニングするために光を照射するものではない。また、これら従来技術では、転写効率が高まったものの、転写されずに中間体上に残存したトナーが帯電することで、転写前領域での転写が発生したり、カラー画像を得るための多重転写を困難なものとしていた。
本発明者らは、中間転写体の除電の方法として光照射を用いる場合、本発明のフラーレン含有の中間転写体を用いることが好適であることも見出した。この知見を基に、二次転写後の中間転写体への光照射による除電装置を備え、かつフラーレンを含有する中間転写体を備える画像形成装置をも提示する。
更には,本発明の画像形成装置においては、上記のクリーニング装置を用いるとクリーニング性が良好であることも見出した。したがって、かかるクリーニング装置を備える画像形成装置を提供する。
本発明によれば、転写電界を用いて1次転写及び2次転写を行う際には中間転写体の体積抵抗率が高い状態でトナーの飛散を抑制することができ、前記転写電界により発生する中間転写体の帯電電荷の除電を容易に行える中間転写体を提供することができる。
また、このような中間転写体と該中間転写体の帯電電荷を除電する除電手段とを備えることで、トナーの飛び散り(ブラー)による画質欠陥が著しく少なく、高品質の転写画質を安定して得ることができる画像形成装置を提供することができる。
更に、本発明に係るクリーニング手段を備えることで、トナー飛散の発生を抑制すると共に、より小径化・略球形化したトナーを用いたとしても2次転写後の中間転写体表面に残留するトナーのクリーニング性に優れ、高品質の画像を安定して形成することができる画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明の中間転写体及び画像形成装置について詳細に説明する。
<中間転写体>
本発明の中間転写体は、基材と、該基材上に設けられた表面層と、を有する中間転写体であって、前記表面層が、光が照射されない状態では誘電体であり体積抵抗率が高く、かつ、光が照射されると導電性を示す光導電層であり、該光導電層がフラーレンを含有することを特徴とする。このような光導電層を設けることによって、転写を行う際には中間転写体の体積抵抗率が高い状態でトナーの飛散を抑制することができ、かつ光照射によって中間転写体の帯電電荷の除電を容易に行うことができる。
また、本発明においては、前記表面層が、光が照射されない状態では誘電体層であり体積抵抗率が高く、かつ、光が照射された状態では負極性の電子又は正極性のホールのいずれかのキャリアにより電荷を輸送する電荷輸送層と、該電荷輸送層と基材との間に設けられ、光が照射された状態で電荷を発生する電荷発生層とを有する光導電層であり、該電荷輸送層がフラーレンを含有することが好ましい。
なお、前記表面層のうち最表面層にフッ素系樹脂を含有させると、トナー汚れに対する耐久性に優れた中間転写体となる。
本発明の中間転写体は、ドラム状又はベルト状に構成することが可能である。
以下、本発明の中間転写体を構成する各部材について説明する。
[表面層]
本発明の中間転写体においては、表面層は、光が照射されない状態では誘電体であり体積抵抗率が高く、かつ、光が照射されると導電性を示す光導電層であり、フラーレンを含有することを特徴とする。光導電層の構成としては中間転写体の表面層を構成する材料にフラーレンを添加したものであってもよいし、また、電子写真用感光体に用いられる層構成を転用することもできる。この際、電荷輸送層と電荷発生層とを含む多層構造の光導電層であっても、単層構造であってもよいが、前者の多層構造の光導電層である場合が好適である。
このように表面層は光導電層であるため、光未照射時には、誘電体の体積抵抗率を有し、光照射時には導電性を示すことになり、光の照射により、体積抵抗率が低下する層となっている。
このような中間転写体において、1次転写及び2次転写は、光を照射しない状態で行う。この時、中間転写体は、誘電体並の高体積抵抗率である。そのため、このような高い体積抵抗率を有する中間転写体を使用し、転写電圧を印加した場合、転写電界の広がりがなく、トナーの飛散を抑制することができ、良好な転写像を得ることができる。
本発明の中間転写体では、光導電層である表面層は、光が照射されない状態では誘電体であることから、中間転写体の体積抵抗率は1×1013.5Ωcm以上と高い体積抵抗率を示し、好ましくは1×1014Ωcm以上である。
また、光が照射された状態では、電荷発生層が電荷を発生することから、中間転写体の抵抗率が変化して、導電性を示す。加えて、本発明では電荷輸送層が下記に示すようにフラーレンを含有するため、電荷輸送層の抵抗率も変化し、更に導電性を示すこととなる。照射時の表面層の体積抵抗率は、1×1010Ωcm以上1×1012Ωcm以下であることが好ましく、1×1010.4Ωcm以上1×1011.6Ωcm以下であることがより好ましい。
ここで、本発明の中間転写体の体積抵抗率は、円形電極(例えば、ダイヤインスツルメント社製ハイレスターIPのHRプローブ)を用い、JIS K 6911(1995年度版)に従って測定することができる。前記体積抵抗率の測定方法を図を用いて説明する。
図6は、円形電極の一例を示す概略平面図(A)及び概略断面図(B)である。図6に示す円形電極は、第一電圧印加電極A’と第二電圧印加電極B’とを備える。第一電圧印加電極A’は、円柱状電極部C’と、該円柱状電極部C’の外径よりも大きい内径を有し、且つ円柱状電極部C’を一定の間隔で囲む円筒状のリング状電極部D’とを備える。第一電圧印加電極A’における円柱状電極部C’及びリング状電極部D’と第二電圧印加電極B’との間に中間転写ベルト22を挟持し、第一電圧印加電極A’における円柱状電極部C’と第二電圧印加電極B’との間に電圧V(V)を印可したときに流れる電流I(A)を測定し、下記式(2)により、中間転写体1の体積抵抗率ρv(Ωcm)を算出することができる。ここで、下記式(2)中、tは、中間転写体1の厚さを示す。
式(2); ρv=19.6×(V/I)×t
また、中間転写体の表面抵抗率ρs(Ω/□)は、図6の円形電極を用い、第一電圧印加電極A’における円柱状電極部C’とリング状電極部D’との間に電圧V(V)を印可したときに流れる電流I(A)を測定し、下記式(3)により算出することができる。
式(3); ρs=19.6×(V/I)
表面層の体積抵抗率及び表面抵抗率は、上記中間転写体での測定方法を適用することができる。
このような体積抵抗率となるよう光導電層を設計するため、本発明では、光導電層にフラーレンを含有させる。フラーレンは、光に対しての反応性が良好なため、導電性の変化速度及びその変化割合から、中間転写体に用いることに対して極めて好適である。また、上述のように、光導電層が、電荷発生層と電荷輸送層とを有する構成である場合、電荷輸送層にフラーレンを含有させると、電荷発生層で発生した電荷を効率よく輸送することができる。そのため、除電方法として光照射を採用する中間転写体を介した画像形成方法及び装置では、転写効率が良好で、トナーの飛び散りが極めて少なくなる。
従来の光照射を工程に有する画像形成方法に用いられる中間転写体(例えば、特開平7−146616号公報、同5−257398号公報等)では、電荷発生剤を含有するが、光によって導電性が変化する電荷輸送層を設けていないため、本発明の中間転写体に比べて光に対する反応性が鈍い。一方、フラーレンを含有する中間転写体であっても、従来は光照射を想定していないため(例えば、特開2002−14543号公報等。)、フラーレンによる抵抗のばらつきを抑え、濃度ムラを少なくすることは可能であるが、除電を効率よく行うことが困難であった。このように従来の中間転写体では、フラーレンの光伝導性を利用せず、電荷発生剤も用いない、構成及びメカニズムの全く異なるものであった。
よって電荷発生剤とフラーレンとのこれらの組み合わせが、光照射に対して効率的かつ効果的であるかは、全く予想できないものであった。本発明のメカニズムについては明らかとなっていないが、光に対する反応性や光照射時の体積抵抗率の値から、電荷発生剤による電荷の発生速度と、フラーレンによる導電性の変化速度との関係や、電荷発生剤とフラーレンの光吸収効率の関係など、様々な要因が重なり合って、中間転写体として用いる条件に適しているものと考えられる。
フラーレン粒子は、約1×1012Ωcm以下の電気抵抗率を有する。分子状フラーレンは各球内に32〜1,000以上の炭素原子を含む、炭素原子の完全に閉じた中空の回転楕円体状の殻体として記載されている。これについては、スマーリー(Smalley),R.E.,「スーパーソニックカーボンクラスタービームズインアトミックアンドモレキュラークラスターズ(Supersonic Carbon Cluster Beams in Atomic and Molecular Clusters)」、バーンシュタイン(Bernstein), E.R. 編およびフィジカルアンドセオレティカルケミストリー(Physical and Theoretical Chemistry), Vol. 68,エルセビアーサイエンス(Elsevier Science): NY, 1990, pp. 1-68を参照することができ、その全開示を本発明の参考とする。
原型のフラーレン(fullerene)、C60はバックミンスターフラーレンと呼ばれ、切頭二十面体の分子幾何形状であり、分子サイズのサッカーボールに類似する。C60、C70および他のフラーレン分子もバッキーボールと称されている。バックミンスターフラーレンは、通常少量のC70および場合によってはC76並びにC84分子により、あるいは少量のC50により汚染されたC60分子により構成される。更に別のフラーレンはC82、C88およびC90分子を含む。
該バッキーボール等の形状の他に、該フラーレンは例えばビジネスウイーク(Business Week),1991(12月9日),pp.76-77に記載されているように、環状の形状またはヘリックス構造をもつことができる。
グラファイトの接触アーク気化(contact arc vaporization)によるバックミンスターフラーレンおよび他のフラーレンの調製並びに多数のバックミンスターフラーレンの諸特性、例えば溶解性、結晶性、色等はクラッツシュマー(Kratschmer), W., ラム(Lamb),L.D.,ホスティロパウロス(Fostiropoulos),K.ハフマン(Huffman),D.R.,Nature, 1990, 347, pp. 354-358およびケミカル&エンジニアリングニューズ(Chemical and Engineering News), 1990 (10月29日), pp. 22-25に記載されている。これら文献の全開示事項を本発明の参考とする。
フラーレンは化学修飾によってさまざまな光吸収波長とモル吸光係数の制御が可能であり、照射光のスペクトルにあわせて選ぶのが望ましい。また、価格への考慮から高純度品を使わず、混合物を使用しても効果はほぼ等しい。
本発明においては、いずれの分子量のフラーレンも適用することができるが、除電効率や抵抗のばらつきを改善する点や、入手の容易性から、好ましくは、C60,C70,C76であり、より好ましくは、C60である。
フラーレンは現在、フロンティアカーボン株式会社(本社・東京都、日本)により製造・販売され、同社カタログに記載のフラーレンの高純度品および混合物を本特許に含める。また、種々のフラーレンを、1種又は2種以上を組み合せて使用することもできる。
光導電層に含有させるフラーレンの量は、上記体積抵抗率を満たす範囲内であれば、特に制限は無い。また用いるフラーレンの種類(純度や分子量の差異)によって、好適なフラーレンの含有率は異なるが、一例として好ましくは、1質量%〜30質量%であり、より好ましくは、3質量%〜20質量%である。
特に本発明においては、光導電層が電荷輸送層と電荷発生層とを有する多層構造となっていることが好ましい。電荷発生層は、電荷輸送層と基材との間に設けられる。
当該電荷輸送層は、光が照射されない状態では誘電体層であり体積抵抗率が高い。また、電荷発生層は、光が照射されない状態では、電荷を発生させない。
一方、光が照射された状態では、電荷発生層で電荷が発生する。発生した電荷は、電荷輸送層において、負極性の電子又は正極性のホールのいずれかのキャリアによって輸送される。当該電荷輸送層にはフラーレンが含有されるため、光照射時には電荷輸送層の導電性も高くなる。
すなわち、電荷輸送層と電荷発生層とを有する光導電層の場合、電荷輸送層にフラーレンを含有させると、光照射によって発生した電荷の輸送を効率よく行うことができる。
以下では、電荷輸送層と電荷発生層とを有する光導電層について、詳細に説明する。
このような多層構造の光導電層は、電荷輸送層と基材の間に電荷発生層が設けられている必須の構成であれば、他の任意の層、例えば、下引層や表面保護層を含んでいてもよい。
まず、図5を用いて、この多層構造を構成する各層について順に説明する。
ここで、図5(A)は、本発明の中間転写体100aの構成の一例を示す概略断面図であり、(B)は本発明の中間転写体100bの構成の他の一例を示す概略断面図である。(C)は本発明の中間転写体100cの構成の他の一例を示す概略断面図であり、(D)は本発明の中間転写体100dの構成の他の一例を示す概略断面図である。
図5(A)に示されるように、本発明の中間転写体100aの構成の一例としては、基材110と、光導電層120と、からなり、かかる光導電層120は、下引層122と、電荷発生層124と、電荷輸送層126と、を含む。
また、図5(B)に示されるように、本発明における中間転写体の構成の他の一例としては、基材110と、光導電層120と、からなり、かかる光導電層120は、下引層122と、電荷発生層124と、電荷輸送層126と、表面保護層128と、を含む。
図5(C)に示されるように、本発明の中間転写体の構成の他の一例としては、基材110と、弾性層115、光導電層120と、からなり、かかる光導電層120は、下引層122と、電荷発生層124と、電荷輸送層126と、表面保護層128と、を含む。
さらに、図5(D)に示されるように、本発明の中間転写体の構成の他の一例としては、基材110と、接着層113、弾性層115、光導電層120と、からなり、かかる光導電層120は、下引層122と、電荷発生層124と、電荷輸送層126と、表面保護層128と、を含む。
[電荷発生層]
電荷発生層は、基材と電荷輸送層との間に設けられる層であって、光が照射された状態で電荷を発生する機能を有する。かかる電荷発生層は、電荷発生物質を真空蒸着により形成するか、電荷発生物質を有機溶剤及び結着樹脂と共に分散し、塗布することにより形成される。
電荷発生層に用いられる電荷発生物質としては、非晶質セレン,結晶性セレン,セレン−テルル合金,セレン−ヒ素合金,その他のセレン化合物及びセレン合金、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機系光導電体及びこれらを色素増感したもの;無金属フタロシアニン,チタニルフタロシアニン,銅フタロシアニン,錫フタロシアニン,ガリウムフタロシアニンなどの各種フタロシアニン顔料、スクエアリウム系、アントアントロン系、ペリレン系、アゾ系、アントラキノン系、ピレン系、ピリリウム塩、チアピリリウム塩等の各種有機顔料及び染料が用いられる。また、これらの有機顔料は一般に数種の結晶型を有しており、特に、フタロシアニン顔料ではα型、β型などをはじめとしてさまざまな結晶型が知られているが、目的にあった感度その他の特性が得られる顔料であるならば、これらのいずれの結晶型でも用いることが可能である。
本発明において、優れた性能が得られる電荷発生物質として以下の化合物が特に好適である。すなわち、Cukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、少なくとも、7.6°,10.0°,25.2°,28.0°の位置に回折ピークを有する結晶型に代表されるヒドロキシガリウムフタロシアニン、Cukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、少なくとも、7.3°,16.5°,25.4°,28.1°の位置に回折ピークを有する結晶型に代表されるクロルガリウムフタロシアニン、Cukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、少なくとも、9.5°,24.2°,27.3°の位置に回折ピークを有する結晶型に代表されるチタニルフタロシアニン、などを挙げることができる。
なお、結晶の形状や測定方法によりこれらのピーク強度の位置が微妙に上記値から外れることも有るが、X線回折パターンが基本的に一致しているものであれば同じ結晶型であると判断できる。
また、これらの電荷発生物質は、1種又は2種以上を組み合せて使用できる。
電荷発生層において用いられる結着樹脂としては、以下のものを例示することができる。ビスフェノールAタイプ或いはビスフェノールZタイプなどのポリカーボネート樹脂及びその共重合体;ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾールなどである。
これらの結着樹脂は、単独或いは2種以上混合して用いることが可能である。電荷発生物質と結着樹脂との配合比(質量比)は、10:1〜1:10の範囲が望ましい。
電荷発生物質を結着樹脂中に分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、ダイノーミル、サンドミル、コロイドミルなどの方法を用いることができる。
また、電荷発生層の厚みは、一般には、0.01〜5μm、好ましくは、0.05〜2.0μmの範囲に設定される。
なお、電荷発生層の膜厚を変えることにより電荷発生層での光吸収が異なるが、電荷発生層での膜厚を厚くすることにより光の吸収が多くなり、光導電層全体での膜厚分布があったとしても、光に対する感度のばらつきを少なくすることができ、転写効率の面内均一性を高めることができる。
なお、電荷発生層の反射光量は、単に膜厚のみならず、照射光に対する顔料の吸収係数、顔料と結着樹脂との配合比、及び顔料の分散状態によっても影響を受けるために、単に膜厚からでは規定されない。
[電荷輸送層]
電荷輸送層は、上述した電荷発生層表面に設けられる層であって、光が照射されない状態では誘電体層であり体積抵抗率が高く、かつ、光が照射された状態では負極性の電子又は正極性のホールのいずれかのキャリアにより電荷を輸送する機能を有する。かかる電荷輸送層は、電荷発生物質及び結着樹脂を適当な溶媒に溶解し、それを塗布することにより形成される。
電荷輸送層に用いられる電荷輸送物質としては、下記に示すものが例示できる。2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールなどのオキサジアゾール誘導体、1,3,5−トリフェニルピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリンなどのピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、トリ(p−メチルフェニル)アミン、N,N−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、ジベンジルアニリン、9,9−ジメチル−N,N−ジ(p−トリル)フルオレノン−2−アミンなどの芳香族第3級アミノ化合物、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミンなどの芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4’ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4’−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジンなどの1,2,4−トリアジン誘導体、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、4−ジフェニルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、[p−(ジエチルアミノ)フェニル](1−ナフチル)フェニルヒドラゾン、1−ピレンジフェニルヒドラゾン、9−エチル−3−[(2メチル−1−インドリニルイミノ)メチル]カルバゾール、−(2−メチル−1−インドリニルイミノメチル)トリフェニルアミン、9−メチル−3−カルバゾールジフェニルヒドラゾン、1,1’−ジ(4,4’−メトキシフェニル)アクリルアルデヒドジフェニルヒドラゾン、β,β−ビス(メトキシフェニル)ビニルジフェニルヒドラゾンなどのヒドラゾン誘導体、2−フェニル−4−スチリル−キナゾリンなどのキナゾリン誘導体、6−ヒドロキシ−2,3−ジ−(p−メトキシフェニル)−ベンゾフランなどのベンゾフラン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N−ジフェニルアニリンなどのα−スチルベン誘導体、エナミン誘導体、N−エチルカルバゾールなどのカルバゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体などの正孔輸送物質。クロラニル、ブロモアニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールや2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)1,3,4オキサジアゾールなどのオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン、3,5−ジメチル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4,4’−ジフェノキノン等のジフェノキノン化合物など、或いは、以上に示した化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体などが挙げられる。
これらの電荷輸送物質は、1種又は2種以上を組み合せて使用できる。
さらに、上記フラーレンは電荷輸送層に添加することが好適である。
該フラーレンの濃度と全電場とが該フラーレンの迅速な分極を生じ、かつ電荷キャリヤを輸送層に注入するのに十分である限り、該フラーレンは電荷注入性物質として機能できる。電荷輸送層に添加するフラーレンは、上記種類のいずれであっても適用できる。好ましいフラーレンについても、表面層で説明したものを挙げることができる。
電荷輸送層に添加するフラーレンの量は、表面層の場合と同様に、フラーレンの種類等によって異なるが、好ましくは、1質量%〜30質量%であり、3質量%〜20質量%であることがより好ましい。また、上記電荷輸送物質とフラーレンとの添加比率は、好適な表面層の体積抵抗率の範囲内となるよう、適宜調整することが好ましい。
電荷輸送物質の電荷輸送極性により光導電層の帯電極性が異なるため、中間転写体の帯電極性は、電荷輸送物質の電荷輸送極性により決定される。正孔輸送物質を用いた場合には、中間転写体は負帯電で用いられ、電子輸送物質を用いた場合には、中間転写体は正帯電で用いられる。また、電荷輸送物質として両者を混合した場合には、中間転写体は両帯電極性となる。
電荷輸送層に用いられる結着樹脂には任意のものを用いることができるが、特に電荷輸送物質と相溶性を有し、適当な強度を有することが望ましい。
結着樹脂の例として、ビスフェノールAやビスフェノールZ,ビスフェノールC,ビスフェノールTPなどからなる各種のポリカーボネート樹脂やその共重合体;ポリアリレート樹脂やその共重合体;ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノールーホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂、アチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂などが挙げられる。
これらの結着樹脂は単独或いは2種以上の混合物として使用することができる。
本発明で用いられる結着樹脂の分子量は、光導電層の膜厚や溶剤などの成膜条件によって適宜選択されるが、通常は、粘度平均分子量で3000〜30万、より好ましくは2万〜20万の範囲が適当である。
電荷輸送層は、上に示した電荷輸送物質及び結着樹脂を適当な溶媒に溶解させた溶液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。
電荷輸送層の形成に使用される溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素系;アセトン、2−ブタノン等のケトン類;塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状或いは直鎖状エーテル;或いはこれらの混合溶剤などを用いることができる。
また、塗布液には、塗膜の平滑性向上のためのレベリング剤として、シリコーンオイルを微量添加することもできる。
塗布方法としては、中間転写体の形状や用途に応じて、浸漬塗布法、リング塗布法、スプレー塗布法、ビード塗布法、ブレード塗布法、ローラー塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法などの塗布法を用いて行うことができる。また、乾燥は、室温での指触乾燥の後に加熱乾燥するのが好ましい。加熱乾燥は、30℃〜200℃の温度で5分〜2時間の範囲の時間で行うことが望ましい。
電荷輸送物質と結着樹脂との配合比は10:1〜1:5が好ましい。
電荷輸送層の膜厚は、一般に5〜50μm、好ましくは、10〜40μmの範囲に設定される。
電荷輸送層には、電子写真装置中で発生するオゾンや酸化性ガス、或いは、光・熱による劣化を防止する目的で、酸化防止剤・光安定剤・熱安定剤などの添加剤を添加することができる。
例えば、酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノン及びそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物などが挙げられる。
また、酸化防止剤の具体的な化合物例を下記に示す。
フェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチル−フェノール)、4,4’−チオ−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシ−フェニル)プロピオネート]−メタン、3,9−ビス[2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリルなどが挙げられる。
ヒンダードアミン系化合物としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ[4,5]ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイミル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,3,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物などが挙げられる。
有機イオウ系酸化防止剤としては、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオプロピオネート)、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンズイミダゾールなどが挙げられる。
有機燐系酸化防止剤としては、トリスノニルフェニルフォスフィート、トリフェニルフォスフィート、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−フォスフィートなどが挙げられる。
有機硫黄系及び有機燐系酸化防止剤は、2次酸化防止剤と言われフェノール系或いはアミン系などの1次酸化防止剤と併用することにより相乗効果を得ることができる。
光安定剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ジチオカルバメート系、テトラメチルピペリジン系などの誘導体が挙げられる。
また、光安定剤の具体的な化合物例を下記に示す。
ベンゾフェノン系光安定剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジ−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。ベンゾトリアゾール系光安定剤として2−(−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’−テトラ−ヒドロフタルイミド−メチル)−5’−メチルフェニル]−ベンゾトリアゾール、2−(−2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル−)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル−)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−t−ブチルフェニル−)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)−ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。その他の化合物として2,4,ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ニッケルジブチル−ジチオカルバメートなどがある。
また、電荷輸送層には、感度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減等を目的として、少なくとも1種の電子受容性物質を含有することができる。
本発明における電荷輸送層に用いられる電子受容性物質としては、例えば、無水琥珀酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸などを挙げることができる。これらのうち、フルオレノン系、キノン系や、Cl,CN,NO2等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体が特によい。
更に、電荷輸送層が最表面層となる場合には、表面の潤滑性を向上させるため、及び/又は、トナー汚れに対する耐久性を向上させるために、電荷輸送層中に4フッ化エチレン樹脂などのフッ素系樹脂を含有させることも好ましい。
以下に、フッ素系樹脂を添加した場合の電荷輸送層の構成例を示す。
フッ素系樹脂としては、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂及びそれらの共重合体の中から1種或いは2種以上を適宜選択するのが望ましいが、特に、4フッ化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂が好ましい。具体的には、商品名;フルオンPTFE(旭硝子社製)、商品名;フルオンETFE(旭硝子社製)、商品名;クレハKFポリマー(呉羽科学社製)、商品名;ルブロンL2(ダイキン社製)等を挙げることができる。
フッ素系樹脂の電荷輸送層中含有量は、電荷輸送層全量に対し、0.1〜40質量%が適当であり、特に1〜30質量%が好ましい。含量が1質量%未満ではフッ素系樹脂粒子の分散による改質効果が十分でなく、一方、40質量%を越えると光通過性が低下し、かつ、繰返し使用による残留電位の上昇が生じ得る。
フッ素系樹脂は粒子形状で添加されることが好ましく、フッ素系樹脂の一次粒子径は、0.05〜1μmが好ましく、0.1〜0.5μmがより好ましい。一次粒子径が0.05μmを下回ると分散時の凝集が進みやすくなる。一方、1μmを上回ると画質欠陥が発生し易くなる。
フッ素系樹脂は、上記結着樹脂と併用することもでき、好ましい態様である。
また、フッ素系樹脂粒子に加えて、更に、無機粒子を加えてもよい。
無機粒子の電荷輸送層中含有量は、電荷輸送層全量に対し、0.1〜30質量%が適当であり、特に1〜20質量%が好ましい。含量が1質量%未満では無機粒子の分散による改質効果が十分でなく、一方、30質量%を越えると繰返し使用による残留電位の上昇が生じてくる。
無機粒子としては、例えば、アルミナ、シリカ(二酸化珪素)、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫化亜鉛、酸化マグネシウム、硫酸銅、炭酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、硫酸ニッケル、アンチモン、二酸化マンガン、酸化クロム、酸化錫、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、炭化ケイ素、炭化チタン、炭化ホウ素、炭化タングステン、炭化ジルコニウム、これらのうち1種を、又は必要に応じて2種以上が用いられるが、好ましくはシリカが用いられる。シリカ粒子としては、化学炎CVD法により製造されるのが好ましく、具体例としては、クロルシランガスを酸素−水素混合ガス又は炭化水素−酸素混合ガスの高温火炎中で気相反応させて、シリカ微粒子を得る方法が好ましい。
また、無機粒子としては、粒子表面を疎水化されたものが好ましい。疎水化処理剤としては、例えば、シロキサン化合物、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、高分子脂肪酸又はその金属塩等が用いられる。シロキサン化合物としては、ポリジメチルシロキサン、ジヒドロキシポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、また、シランカップリング剤としては、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチルフェニルトリメトキシシランなどが挙げられる。
また、無機粒子の一次粒子径は、0.005〜2.0μmがよく、更に好ましくは0.01〜1.0μmが好ましい。無機微粒子の一次粒子径が0.005μmを下回ると中間転写体表面の十分な機械的強度が得られず、また、分散時の凝集が進みやすくなる。一方、2μmを上回ると中間転写体表面の粗さが大きくなり、クリーニング装置として、クローニングブレードを用いた場合には、クリーニングブレードが摩耗、損傷してクリーニング特性が悪化し、プアクリーニングなどの問題が発生し易くなる。
電荷輸送層中に、フッ素系樹脂粒子、更に、無機粒子を分散させる方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用できる。更に、高圧ホモジナイザーとして、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
離型性固体粒子を分散した電荷輸送層を形成する塗布液の分散例としては、溶媒に溶解した結着樹脂、電荷輸送物質などの溶液中に、フッ素系樹脂粒子や無機粒子を分散する方法が挙げられる。
また、本発明において分散液の分散安定性を向上させるため、及び、塗膜形成時の凝集を防止するために分散助剤を少量添加することも有効である。分散助剤として、フッ素系界面活性剤、フッ素系ポリマー、シリコーン系ポリマー、シリコーンオイル等が挙げられる。中でも、フッ素系ポリマー、特に、フッ素系クシ型グラフトポリマーが分散助剤として有効であり、フッ素系クシ型グラフトポリマーとしては、アクリル酸エステル化合物、メタクリル酸エステル化合物、スチレン化合物等からなるマクロモノマー及びパーフルオロアルキルエチルメタクリレートよりグラフト重合された樹脂が好ましい。
[下引層]
本発明における下引層は、図5(A)、(B)、(C)及び(D)に示されるように、基材110と電荷発生層124との間に設けられる層であって、電気的なブロッキング層の役割と、上層である電荷発生層との濡れ性改善の役割とを果たす。
かかる下引層は、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂などの高分子樹脂化合物の他に、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、シリコン原子などを含有する有機金属化合物などの材料から形成される。これらの化合物は単独に或いは複数の化合物の混合物或いは重縮合物として用いることができる。
中でも、ジルコニウム原子若しくはシリコン原子を含有する有機金属化合物は、残留電位が低く環境による電位変化が少なく、また繰り返し使用による電位の変化が少ないなど性能上優れている。有機金属化合物は単独・混合で、或いは上述の樹脂と混合して用いることが可能である。
シリコン原子を含む有機金属化合物の例としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシランなどである。
これらの中でも、特に好ましく用いられるシリコン化合物は、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシシラン)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤が挙げられる。
ジルコニウム原子を含む有機金属化合物の例としては、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシドなどが挙げられる。
チタン原子を含む有機金属化合物の例としては、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレートなどが挙げられる。
アルミニウム原子を含む有機金属化合物の例としては、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)などが挙げられる。
本発明における下引層は、膜厚が大きすぎる場合には電気的な障壁が強くなりすぎて減感や繰り返しによる電位の上昇を引き起こす。したがって、上述の構成の下引層を形成する場合には、0.1〜3μmの膜厚範囲に設定される。
[表面保護層]
本発明においては、中間転写体の耐磨耗性を向上させ寿命を延ばしたり、電荷輸送層の化学的変化を防止するなどの目的から、電荷輸送層上に表面保護層を形成することも可能である。表面保護層を設ける場合には、上記のフッ素系樹脂を表面保護層に用いると、トナー汚れに対する耐久性が高まり好ましい。表面保護層に用いることのできるフッ素系樹脂は、電荷輸送層で説明したものと同様のものであり、好適なフッ素系樹脂も同様である。フッ素系樹脂は、1種類又は2種類以上を併用することができる。また、フッ素系樹脂を、下記の絶縁性樹脂や電荷輸送性高分子化合物と併用することもできる。
フッ素系樹脂を用いる場合、フッ素系樹脂の含有率は、表面保護層全体に対し、0.1〜40質量%であることが好ましく、より好ましくは、1〜30質量%である。含量が0.1質量%未満ではフッ素系樹脂粒子の分散による改質効果が十分でなく、一方、40質量%を越えると光通過性が低下し、かつ、繰返し使用による残留電位の上昇が生じる。
表面保護層の例としては、(1)絶縁性樹脂からなる絶縁性表面保護層、(2)金属酸化物などの抵抗制御剤を分散した抵抗制御型表面保護層、(3)電荷輸送性を付与した高分子化合物などによる電荷輸送性表面保護層などが挙げられる。
絶縁性樹脂からなる絶縁性表面保護層に用いる絶縁性樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂等の縮合樹脂や、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂のようなビニル重合体等が上げられる。
次に、抵抗制御剤を分散した抵抗制御型表面保護層について説明する。
抵抗制御剤としては、カーボンブラックや金属、金属酸化物などの粒子を用いることができる。粒子径は、100nm以下であることが好ましい。
金属酸化物の例として、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アンチモン被覆酸化スズ、酸化ケイ素、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化銅、酸化マンガン、酸化モリブデン、酸化タングステン、硫酸バリウムと酸化アンチモンとの固溶体、上記金属酸化物の混合物、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛又は硫酸バリウムの単一粒子中に上記の金属酸化物を混合したもの、或いは、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛又は硫酸バリウムの単一粒子に上記の金属酸化物を被覆したものが挙げられる。
また、N,N’−ジメチルフェロセン等のメタロセン化合物、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン等の芳香族アミン化合物などを抵抗制御剤(粒子)の調整剤として用いることができる。
更に、これらの金属酸化物は、必要に応じて分散性等諸特性の改善のためシランカップリング剤やチタンカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤などの有機化合物で表面処理を行うことも可能である。
これらの中でも、抵抗制御型表面保護層には、粒子径が100nm以下の金属酸化物を用いることが好ましい。これにより、抵抗制御型表面保護層は、透明性に富み、厚膜を形成しても透過率の低下が少ないために感度の減少を抑制することができる。そのため、耐摩耗強度が高いのに加えて、厚膜化が可能な効果を併せて、中間転写体寿命の向上が一層可能である。
抵抗制御型表面保護層は、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂などの結着樹脂に上記抵抗制御剤(粒子)を分散して成膜される。
抵抗制御剤は、結着樹脂に分散して成膜されるが、適当な塗膜抵抗を得るために抵抗制御剤の添加量は調整される。抵抗制御剤の添加量としては、結着樹脂固形分中に、10〜60体積%、好ましくは20〜50体積%が含有される。
続いて、電荷輸送性を付与した高分子化合物などによる電荷輸送性表面保護層について説明する。
電荷輸送性表面保護層としては、分子内に電荷輸送性を付与した高分子化合物(以下、電荷輸送性高分子化合物と称する場合がある。)を用いることや、シリコーンハードコート剤等の強靭なコート剤中に低分子の電荷輸送剤を分子レベルで分散させるなどして電荷輸送機能をもたせた樹脂成分を用いることができる。
電荷輸送性高分子化合物の例としては、シリコーンポリマーの分子内に電荷輸送性基を付与したものが挙げられる。また、ポリビニカルバゾール等の電荷輸送能を有する基を側鎖に含む高分子化合物、特開平5−232727号公報等に開示されているような電荷輸送能を有する基を主鎖に含む高分子化合物、及びポリシラン等も挙げることができる。
また、電荷輸送性高分子化合物として、電荷輸送性ブロックと絶縁性ブロックよりなるブロック共重合体又はグラフト共重合体を使用することもできる。電荷輸送性高分子化合物が、トリアリールアミン構造を繰り返し単位として含有する場合は、高い電荷輸送能と好ましい機械的特性を有しているので好ましく、また、トリアリールアミン構造がペンダント型ではなく、主鎖中に含有している場合は、更に好ましい。ペンダント型であると、ペンダント同士が会合し、電荷トラップを形成し電荷輸送性を悪化する場合が多いが、主鎖中に含有されていることでこのような問題を回避できる。
更に、電荷輸送性高分子化合物が、主鎖中にトリアリールアミン構造が含有されているものである場合には、主鎖中には下記一般式(1)又は(2)で表される構造の少なくとも1種以上を繰り返し単位として含むトリアリールアミン構造が含有されていることが好ましい。
Figure 2006113529
但し、一般式(1)中、Ar1及びAr2はそれぞれ独立に置換若しくは未置換のアリール基を示し、X1は芳香族環構造を有する2価の炭化水素基又はヘテロ原子を含有する2価の炭化水素基を示し、X2及びX3はそれぞれ独立に置換若しくは未置換のアリーレン基を示し、L1は枝分れ若しくは環構造を含んでもよい2価の炭化水素基又はヘテロ原子含有炭化水素基を示し、m及びnは、それぞれ0又は1から選ばれる整数を意味する。
Figure 2006113529
但し、一般式(2)中、Ar3及びAr4はそれぞれ独立に置換若しくは未置換のアリール基を示し、L2は芳香族環構造を有する3価の炭化水素基又はヘテロ原子含有炭化水素基を示す。
前記一般式(1)中、Ar1及びAr2はそれぞれ独立に置換若しくは未置換のアリール基から選ばれるが、このアリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピレニル基等が挙げられる。また、置換基としては、メチル基、エチル基、メトキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
1は芳香族環構造を有する2価の炭化水素基又はヘテロ原子を含有する2価の炭化水素基から選ばれる。X1の具体例としては、フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基、メチレンジフェニル基、シクロヘキシリデンジフェニル基、オキシジフェニル基、チオジフェニル基等、及びこれらのメチル置換体、エチル置換体、メトキシ置換体、又はハロゲン置換体等が挙げられ、この中でも特に置換若しくは未置換のビフェニレン基が電荷輸送性の点で、特に好ましい。
2及びX3はそれぞれ独立に置換若しくは未置換のアリーレン基から選ばれ、具体的には、フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基等、及びこれらのメチル置換体、エチル置換体、メトキシ置換体、又はハロゲン置換体等が挙げられる。
1は、枝分れ若しくは環構造を含んでもよい2価の炭化水素基又はヘテロ原子含有炭化水素基から選ばれ、上記の好ましい特性の少なくとも1つを発揮するかぎり任意であるが、エーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、シロキサン結合等から選ばれる結合基を含み、且つ、炭素数が20以下であるものが好ましい。L1その具体例としては、下記式(3−1)〜(3−9)で示される2価の化合物が挙げられる。
Figure 2006113529
Figure 2006113529
Figure 2006113529
Figure 2006113529
Figure 2006113529
Figure 2006113529
Figure 2006113529
Figure 2006113529
Figure 2006113529
上記一般式(2)中、Ar3及びAr4はそれぞれ独立に置換若しくは未置換のアリール基から選ばれ、該アリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピレニル基等が挙げられる。また、置換基としては、炭素数1〜12個のアルキル基又はアルコキシ基、ジアリールアミノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
2は芳香族環構造を有する3価の炭化水素基又はヘテロ原子含有炭化水素基から選ばれ、上記の好ましい特性の少なくとも1つを発揮するかぎり任意であるが、炭素数が20以下のものが好ましい。その具体例としては、下記式(3−10)〜(3−14)のものが挙げられる。
Figure 2006113529
Figure 2006113529
Figure 2006113529
Figure 2006113529
Figure 2006113529
また、前記一般式(1)中のL1又は一般式(2)中のL2がエステル結合を有する場合が、機械的特性及び電荷輸送能の点で特に好ましい。
この電荷輸送性高分子化合物を用いる場合の結着樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等の公知の樹脂が挙げられる。また、これらは必要に応じて互いに架橋させて使用することもできる。
ここで、本発明における表面保護層は、外部から中間転写体に貫入する導電性異物を表面保護層で阻止するために、ある程度以上の高い硬度を有する樹脂を用いることが好ましい。具体的には、ビッカース硬度で30以上であることが好ましい。
表面保護層の形成は、上述した各表面保護層において用いられる成分を含む塗布液を用意し、それを塗布、乾燥することにより行う。なお、抵抗制御剤や電荷輸送性高分子化合物の分散配合の方法は、上述した電荷輸送層の形成の方法と同様の方法で行う。
表面保護層の厚みは0.1〜20μmであることが好ましく、より好ましくは1〜10μmに設定される。この表面保護層を形成するための塗布液の塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、リングコーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
また、表面保護層を形成するための塗布液に用いる溶剤としては、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン、アルコール等の通常の有機溶剤を単独或いは2種以上混合して用いることができるが、できるだけこの塗布液が塗布される感光層を溶解しにくい溶剤を用いることが好ましい。
[基材]
次に、本発明の中間転写体を構成する基材について説明する。
本発明における基材は、その形状に特に制限はなく、ベルト状やドラム状に構成することができる。
本発明における基材は、カラーレジ(色ずれ)の観点から、ヤング率が2000MPa以上の機械特性を満足することができる樹脂材料であれば、特に限定はない。
また、本発明における基材は、体積抵抗率が1×106〜1×1013Ωcmの半導電性であることが好ましく、より好ましい体積抵抗率は、1×109〜1×1012Ωcmである。前記基材の体積抵抗率が1×106Ωcm未満の場合には、後述するタンデム式画像形成装置にこの中間転写体を適用すると、1次転写の各色間での抵抗が低いために転写部で必要な転写電圧が印加できなくなる場合がある。また、1×1013Ωcmを超える場合には、電荷の除去が十分にできないなどの問題が発生する場合がある。
特に、本発明の光導電層を用いる場合には、未照射時及び照射時の体積抵抗率と、基材の体積抵抗率との関係によって、転写および除電の効率が著しく異なることから、基材の体積抵抗率を調整することが重要である。
また、基材の表面抵抗率は、1×1010〜3×1013Ω/□が好ましく、5×1010〜1×1013Ω/□がより好ましい。
また、基材の体積抵抗率は、1×108〜1×1013Ω/cmが好ましく、1×109〜1×1012Ωcmがより好ましい。
なお、基材の体積抵抗率及び表面抵抗率の測定方法は、表面層の説明における中間転写体の体積抵抗率及び表面抵抗率の測定方法を適用できる。
基材に用いられる樹脂材料としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、塩化ビニル系樹脂、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル樹脂、ポリアミド(PA)等が挙げられる。これらは単独で若しくは2種以上併せて用いられる。これらの中でも、上述した、電荷輸送層、電荷発生層、下引層を被覆乾燥する時の乾燥温度による影響がなく、構成強度と屈曲疲労性の両面に優れている点で、ポリイミド樹脂が好適に用いられる。
ポリイミド樹脂としては、例えば、芳香族テトラカルボン酸成分と、芳香族ジアミン成分と、を有機極性溶媒中で反応させて得られるものである。芳香族テトラカルボン酸成分としては、ピロメリット酸、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸、2,3,5,6−ビフェニルテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルエ−テルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−アゾベンゼンテトラカルボン酸、ビス(2,3−ジカルポキシフェニル)メタン、ビス(3,4−ジカルポキシフェニル)メタン、β,β−ビス(3,4−ジカルポキシフェニル)プロパン、β,β−ビス(3,4−ジカルポキシフェニル)ヘキサフオロプロパン等があり、これらのテトラカルボン酸類の混合物でもよい。また、芳香族ジアミン成分としては、特に制限はなく、m−フェニルジアミン、p−フェニルジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノクロロベンゼン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、2,4’−ジアミノナフタレビフェニル、ベンジジン、3,3−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、3,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル(オキシ−p,p’−ジアニリン;ODA)、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノフェニルスルホン、4,4’−ジアミノアゾベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、β,β−ビス(4−アミンフェニル)プロパン等が挙げられる。
また、上記有機極性溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド等を挙げることができる。これらの有機極性溶媒には、必要に応じて、クレゾール、フェノール、キシレノール等のフェノール類、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類を混合することができる、これらの溶剤も、単独で、又は2種類以上の混合物として用いられる。
本発明における基材は、下記の導電剤を分散してなるポリイミド樹脂から構成され、上記の体積抵抗率を有するものであることが好ましい態様である。
(導電剤)
本発明における基材は、上記の体積抵抗率(電気抵抗)を得るために、必要に応じて、電子伝導性を付与する導電剤やイオン伝導性を付与する導電剤を1種類又は2種類以上を組み合わせて添加する。
電子伝導性系導電剤として、カーボンブラック、グラファイト、アルミニュウム、ニッケル、銅合金などの金属又は合金、酸化錫、酸化亜鉛、チタン酸カリム、酸化錫−酸化インジウム又は酸化錫−酸化アンチモン複合酸化物などの金属酸化物などを挙げることができる。また、イオン伝導性導電剤としては、スルホン酸塩やアンモニア塩など、また、カチオン系、アニオン系、ノニオン系などの各種の界面活性剤がある。
更には、導電性ポリマーをブレンドする方法があり、導電性ポリマーとしては、例えば、カルボキシル基に4級アンモニウム塩基を結合する(メタ)アクリレートとの各種(例えばスチレン)共重合体、4級アンモニウム塩基と結合するマレイミドとメタアクリレートとの共重合体等の4級アンモニウム塩基を結合するポリマー、ポリスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸のアルカリ金属塩を結合するポリマー、分子鎖中に少なくともアルキルオキシドの親水性ユニットを結合するポリマー、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール系ポリアミド共重合体、ポリエチレンオキド−エピクロルヒドリン共重合体ポリエーテルアミドイミド、ポリエーテルを主セグメントとするブロック型のポリマー、更には、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリフェニレンビニレンなどを挙げることができ、これらの導電性ポリマーを脱ドープ状態、又はドープ状態で用いることができる。上記、導電剤又は導電性ポリマー、又は、界面活性剤を1種又は2種以上を組み合わせ用いることによって、前記した電気抵抗を安定して得ることができる。
本発明における導電剤としては、樹脂組成物中への分散性がよく、良好な分散安定性が得られ、抵抗バラツキを小さくすることができると共に、電界依存性も小さくなり、更に、転写電圧による電界集中がおきずらくなることにより電気抵抗の経時での安定性が向上することから、pH5以下の酸性カーボンブラックが好ましい。
−pH5以下の酸性カーボンブラック−
pH5以下の酸性カーボンブラックは、カーボンブラックを酸化処理することで、カルボキシル基、キノン基、ラクトン基、水酸基等を付与して製造することができる。この酸化処理は、高温雰囲気下で、空気と接触され、反応させる空気酸化法、常温下で窒素酸化物やオゾンと反応させる方法、及び高温下での空気酸化後、低い温度下でオゾン酸化する方法などにより行うことができる。具体的には、pH5以下の酸性カーボンブラックは、コンタクト法により製造することができる。このコンタクト法としては、チャネル法、ガスブラック法等が挙げられる。また、酸性カーボンブラックは、ガス又はオイルを原料とするファーネスブラック法により製造することもできる。更に必要に応じて、これらの処理を施した後、硝酸などで液相酸化処理を行ってもよい。なお、酸性カーボンブラックは、コンタクト法で製造することができるが、密閉式のファーネス法によって製造するのが通常である。ファーネス法では通常高pH・低揮発分のカーボンブラックしか製造されないが、これに上述の液相酸処理を施してpHを調整することができる。このため本発明においては、ファーネス法製造により得られるカーボンブラックで、後工程処理によりpHが5以下となるように調節されたカーボンブラックも、pH5以下の酸性カーボンブラックに含まれるとみなす。
本発明における酸性カーボンブラックのpH値は、pH5.0以下であることが好ましく、pH4.5以下であることがより好ましく、pH4.0以下であることが更に好ましい。pH5.0以下の酸性カーボンは、外にカルボキシル基、水酸基、キノン基、ラクトン基などの酸素含有官能基があるので、樹脂中への分散性がよく、良好な分散安定性が得られ、中間転写体の抵抗バラツキを小さくすることができると共に、電界依存性も小さくなり、転写電圧による電界集中がおきずらくなる。
前記カーボンブラックのpHは、水性懸濁液を調整し、ガラス電極で測定することで求められる。また、前記カーボンブラックのpHは、酸化処理工程での処理温度、処理時間等の条件によって、調整することができる。
pH5.0以下の酸化処理カーボンブラックは、その揮発成分の含有量が1〜25質量%であることが好ましく、3〜20質量%であることがより好ましく、3.5〜15質量%含まれていることが更に好ましい。前記揮発成分の含有量が1質量%未満である場合には、外に付着する酸素含有官能基の効果がなくなり、結着樹脂への分散性が低下する場合がある。一方、前記揮発成分の含有量が25質量%より高い場合には、樹脂組成物に分散させる際に分解してしまう場合や、外の酸素含有官能基に吸着された水などが多くなるなどによって、本発明における基材の外観が悪くなる場合がある。
これに対し前記揮発成分の含有量を1〜25質量%とすることで、前記樹脂組成物中への分散をより良好とすることができる。尚、前記揮発成分の含有は、カーボンブラックを950℃で7分間加熱したときに、出てくる有機揮発成分(カルボキシル基、、水酸基、キノン基、ラクトン基等)の割合により求めることができる。
本発明の中間転写体における基材には、カーボンブラックは2種類以上含有してもよい。そのとき、これらのカーボンブラックは実質的に互いに導電性の異なるものであると好ましく、例えば、酸化処理の度合い、DBP吸油量、窒素吸着を利用したBET法による比表面積等の物性が異なるものを用いる。このように導電性の異なる2種類以上のカーボンブラックを添加する場合、例えば、高い導電性を発現するカーボンブラックを優先的に添加した後、導電率の低いカーボンブラックを添加して表面抵抗率を調整すること等が可能である。このように2種類以上のカーボンブラックを含有させる場合も、少なくとも、そのうちの1種類にpH5.0以下の酸化処理カーボンブラックを使うことによって、両方のカーボンブラックの混合や分散を高めることができる。
pH5.0以下の酸性カーボンブラックとして、具体的には、デグサ社製の「プリンテックス150T」(pH4.5、揮発分10.0質量%)、同「スペシャルブラック350」(pH3.5、揮発分2.2質量%)、同「スペシャルブラック100」(pH3.3、揮発分2.2質量%)、同「スペシャルブラック250」(pH3.1、揮発分2.0質量%)、同「スペシャルブラック5」(pH3.0、揮発分15.0質量%)、同「スペシャルブラック4」(pH3.0、揮発分14.0質量%)、同「スペシャルブラック4A」(pH3.0、揮発分14.0質量%)、同「スペシャルブラック550」(pH2.8、揮発分2.5質量%)、同「スペシャルブラック6」(pH2.5、揮発分18.0質量%)、同「カラーブラックFW200」(pH2.5、揮発分20.0質量%)、同「カラーブラックFW2」(pH2.5、揮発分16.5質量%)、同「カラーブラックFW2V」(pH2.5、揮発分16.5質量%)、キャボット社製「MONARCH1000」(pH2.5、揮発分9.5質量%)、キャボット社製「MONARCH1300」(pH2.5、揮発分9.5質量%)、キャボット社製「MONARCH1400」(pH2.5、揮発分9.0質量%)、同「MOGUL−L」(pH2.5、揮発分5.0質量%)、同「REGAL400R」(pH4.0、揮発分3.5質量%)等が挙げられる。
前記pH5.0以下の酸性カーボンブラックは、一般的なカーボンブラックに比べ、前述したように表面に存在する酸素含有官能基の効果により、樹脂組成物中への分散性がよいため、導電性微粉末としての添加量を高くすることが好ましい。これにより、基材中のカーボンブラックの量が多くなるため、前記電気抵抗値の面内バラツキを押えることができる等の酸化処理カーボンブラックを用いることの効果を最大限発揮することができる。
本発明における基材に対する前記pH5.0以下の酸性カーボンブラックの含有量としては、上記の好ましい体積抵抗率(電気抵抗)を満たすことができればよいが、具体的には、10〜30質量%であると、中間転写体の表面抵抗率の面内バラツキを抑制するなど、酸性カーボンブラックの効果が発揮できるため、好ましい。前記pH5.0以下の酸性カーボンブラックが10質量%未満であると電気抵抗の均一性が低下し、表面抵抗率の面内ムラや電界依存性が大きくなる場合がある。一方、前記pH5.0以下の酸化処理カーボンブラックの含有量が30質量%を超えると所望の抵抗値が得られ難くなる場合がある。更に、前記pH5.0以下の酸化処理カーボンブラックを18〜30質量%含有させることがより好ましい、前記pH5.0以下の酸化処理カーボンブラックを18〜30質量%含有させることにより、その効果を最大限発揮させることができ、抵抗の面内ムラや電界依存性を少なくさせることができる。
[中間層]
本発明には、基材と表面層との間に中間層を設けることができる。中間層としては特に限定されないが、中間層は中間転写体自体の弾性を制御する機能を有する弾性層であることが特に好ましい。以下、弾性層として機能する中間層を設ける場合について、より詳細に説明する。
中間層は、その硬度がJIS−A硬度にて30〜60°であることが好ましく、より好ましくは35〜55°である。このような硬度の中間層を有することにより、中間転写体自体の硬度がJIS−A硬度で40〜60°になるように調整することができる。
ここで、本発明におけるJIS−A硬度とは、JIS K 6253(1997)に準拠した硬度を指す。本発明においては、中間層のJIS−A硬度は、JIS K 6253(1997)に準拠して、島津製作所製デュロメータ タイプAを用いて測定することができる。また、測定には、シート状のサンプルを用いた。なお、中間転写体自体のJIS−A硬度を測定する際も同様である。
また、本発明における中間層の厚さは0.01〜2mmの範囲が好ましく、より好ましくは、0.05〜0.5mmの範囲である。
本発明における中間層を構成する材料としては、JIS−A硬度が上記範囲を満たし、かつ、後述する基材と同等の体積抵抗率を有していれば、特に制限されるものではなく、これらの硬度や体積抵抗率は、下記ゴム材料の選択、及び導電剤や低分子量成分等の添加量により調整することができる。具体的には、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、ウレタンゴム、エピクロロヒドリンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等のゴム材料に、導電剤を分散したものが挙げられる。
導電剤としては、電子伝導性を付与する導電剤やイオン伝導性を付与する導電剤を1種類又は2種類以上を組み合わせて添加することができる。
電子伝導性系導電剤として、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム、ニッケル、銅合金などの金属又は合金、酸化錫、酸化亜鉛、チタン酸カリム、酸化錫−酸化インジウム又は酸化錫−酸化アンチモン複合酸化物などの金属酸化物などを挙げることができる。また、イオン伝導性導電剤としては、スルホン酸塩やアンモニア塩など、また、カチオン系、アニオン系、ノニオン系などの各種の界面活性剤等が用いられる。
これらのゴム材料、導電剤は、それぞれ、単独或いは2種以上を混合して使用することができる。
なお、これらのゴム材料としては、液状ゴム材料を用いることが好ましい。液状ゴム材料を用いることで、上層である表面層との濡れ性が良好になり、後述する接着層を介在させる必要がなくなる。このように、層構成を単純化することが可能となり、本発明に用いられる中間転写体を製造する上で非常に有利である。また、コスト面でも同様に有利である。
このような液状ゴム材料を用いた中間層の形成は、通常、カーボンブラック等の導電剤を分散した液状ゴム材料を、そのまま、又は適当な溶媒により粘度を調整して、前述した
中間層上に塗布、焼付け・加硫を行うことができる。
また、液状ゴム材料以外のゴム材料を用いた場合、中間層は下記のようにして形成することができる。
まず、上記の原料ゴム材料にカーボンブラック等の導電剤を添加したものをバンバリー等の練り機を用いて、混練をする。混練した材料を、プレス加工してゴムシートを成形する。そのゴムシートを前述した中間層上に巻きつけた状態で、加硫・接着することで中間層が形成される。
[接着層]
次に、接着層について説明する。接着層は、上述した中間層と表面層との間に必要に応じて設けることのできる層であって、表面層と中間層との濡れ性改善の役割を果たす。また、接着層は、電気的なブロッキング層の役割を果たすこともできる。
かかる接着層は、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂などの高分子樹脂化合物の他に、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、シリコン原子などを含有する有機金属化合物などの材料から形成される。これらの化合物は単独に或いは複数の化合物の混合物或いは重縮合物として用いることができる。中でも、ジルコニウム原子若しくはシリコン原子を含有する有機金属化合物は、残留電位が低く環境による電位変化が少なく、また繰り返し使用による電位の変化が少ないなど性能上優れている。有機金属化合物は単独・混合で、或いは上述の樹脂と混合して用いることが可能である。
本発明における接着層は、膜厚が大きすぎる場合には電気的な障壁が強くなりすぎて減感や繰り返しによる電位の上昇を引き起こす。したがって、上述の構成の接着層を形成する場合には、0.1〜3μmの膜厚範囲に設定されることが好ましい。より好ましい膜厚は、0.2〜2μmである。
[中間転写体の表面微小硬度]
本発明の中間転写体は、表面層、または表面保護層を設けた場合は表面保護層、すなわち、最外層の表面微小硬度が30度以下であることが好ましく、25度以下であることがより好ましい。本発明者らは、最外層の表面微小硬度と、ホロキャラクターの発生レベルには極めて正確な相関があることを発見している。即ち、本発明の中間転写体は、最外層の表面微小硬度が30度以下、より好ましくは25度以下の場合には、後述する画像形成装置に用いた場合、バイアスローラーの押圧力によって転写面の変形が起こり、これにより半導電性上のトナーに集中していた押圧力は分散される。このためトナーは凝集せず、ライン画像が中抜けするホロキャラクター等の画質欠陥が発生しない。
前記表面微小硬度は、圧子が試料にどれだけ侵入したかを測定する方法によって求めることができる。表面微小硬度の測定方法について説明する。
図7は、表面層の表面微小硬度の測定原理を示す模式図であり、図7中、150は針状圧子を、152は表面層を表し、矢印Pは、針状圧子150に加わる荷重を意味する。
表面微小硬度の測定に際しては、表面層12の最表面部分に所定形状の針状圧子150の先端を、荷重L(mN)を荷重0から所定荷重Pとなるまで押圧する。このときの針状圧子150の表面層12中への垂直方向の食い込み深さをD(μm)とした場合、表面微小硬度DHは下式(4)で表される。
式(4); DH≡αP/D2
ここで、式(4)におけるαは圧子形状による定数で、α=3.8584(使用圧子:三角錐圧子の場合)である。
この表面微小硬度は、圧子を押し込んで行く過程の過重と押し込み深さから得られる硬さで、試料の塑性変形だけでなく、弾性変形をも含んだ状態での材料の強度特性を表すものである。なおかつ、その計測面積は微小であり、トナー粒径に近い範囲でより正確な硬度の測定が可能になる。
尚、前記最外層の表面微小硬度は、下記の方法によって求める。中間転写体を構成する材料(表面層材料)のシートを5mm角程度に切り、その小片を瞬間接着剤で硝子版に固定する。この試料の最外層表面の表面微小硬度を超微小硬度計DUH−201S(株式会社島津製作所製)を用いて測定する。測定条件は、以下の通りである。
測定環境:23℃、55%RH
使用圧子:三角錐圧子
試験モード:3(軟質材料試験)
試験荷重:6.9×10-3N(0.70gf)
負荷速度:0.142×10-3N(0.0145gf/sec)
保持時間:5sec
[中間転写体の体積抵抗率及び表面抵抗率]
光照射時の中間転写体の体積抵抗率は、好ましくは、1×108〜1×1013Ωcmであり、より好ましくは1×109〜1×1012Ωcmであり、非照射時では、1×1013〜1×1015Ωcmであることが好ましく、1×1013.5〜1×1014.5Ωcmであることがより好ましい。中間転写体の表面抵抗率は、好ましくは、1×1013〜1×1015Ω/□、より好ましくは、1×1013.5〜1×1014.5Ω/□である。
[中間転写体の厚み]
本発明の中間転写体を中間転写ベルトとして使用する場合、その厚みは、総厚みで0.03〜1.0mmの範囲内であることが好ましく、0.05〜0.8mmの範囲内であることがより好ましく、0.1〜0.5mmの範囲内であることが更に好ましい。
総厚みが0.03mm未満の場合には、ベルト駆動時の外乱(負荷変動)によるベルトの伸び・縮み(変位量)が大きくなり、良好な画質を安定して得ることができない場合がある。また、総厚みが1.0mmを超える場合には、駆動系ロールなどのベルト屈曲部でのベルトの外側表面の変形量が大きくなり、良好な画質を得られない場合がある。また、ベルトの外側と内側との変形量が大きくなり、局部的な繰り返し応力のためにベルトが破断するなどの問題が生じる場合がある。
なお、表面層(光導電層)の厚みは、中間転写体の総厚みの10〜80%の範囲内であることが好ましく、20〜60%の範囲内であることがより好ましい。また、表面保護層を設ける場合は、表面保護層の厚みは、表面層の総厚みの0.1〜5%の範囲内であることが好ましく、1〜3%の範囲内であることがより好ましい。
<画像形成方法>
本発明において、画像形成方法は、本発明の中間転写体を用いれば特に制限は無い。
例えば、特開平7−146616号公報に記載のように、一次転写と二次転写の間において、一次転写トナー像に光を照射し、一次転写トナーの除電を行い、二次転写を容易に行う方法を採用してもよいし、特開平5−257398号公報に記載のように、一次転写時に中間転写体の裏面から光照射を行い、一次転写を容易に行う方法を採用してもよい。
また、中間転写体に光照射を行い除電する方法を採用してもよい。
いずれにしても、中間転写体の光照射による導電性の変化を利用することが好ましい。より好ましくは、少なくとも二次転写後の中間転写体に光照射を行い除電する工程を有する方法である。
中間転写体の除電を行うための光照射では、光導電層の体積抵抗率が光照射により変化すれば、用いる光源は特に制限されない。含有するフラーレンの光導電性を効率よく利用するためには、赤色光LED(Light Emitting Diode)や、LD(Laser Diode)等を用いることが好ましい。
その他、本発明の中間転写体を用いた画像形成方法において、帯電方法や転写方法等、その他の工程については、通常の方法を適用することができる。
<画像形成装置>
本発明の画像形成装置は、中間転写体方式の画像形成装置であり、当該中間転写体として上述の本発明の中間転写体を用い、該中間転写体の表面に形成されたトナー像を転写材ヘ転写した後に、当該中間転写体の表面を光照射により除電する光除電手段と、を備えていれば、他の構成は特に限定されるものではない。例えば、現像装置内に単色のトナーのみを収容する通常のモノカラーの画像形成装置や、感光体ドラム等の像担持体上に担持されたトナー像を中間転写体に順次一次転写を繰り返すカラー画像形成装置、各色毎の現像器を備えた複数の像担持体を中間転写体上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置等のいずれでもよい。
また、本発明の画像形成装置は、複数の中間転写体を備える構成であってもよい。その際、本発明の画像形成装置は、複数の中間転写体のうち少なくとも1つが、上述の本発明の中間転写体であればよく、全てが本発明の中間転写体であることが好ましい。
本発明における「転写材」とは、中間転写体の表面のトナー像を、記録用紙やOHPシート等の記録材に間接的に転写する際に用いる中間転写体、或いは、直接的に転写する場合に用いる前記記録材の両方を意味する。従って、本発明の画像形成装置は、例えば、本発明の中間転写体の表面に形成されたトナー像を、更に別の中間転写体(転写材)に転写するというような、複数の中間転写体を備える構成であってもよい。この際も、本発明の画像形成装置は、複数の中間転写体のうち少なくとも1つが、上述の本発明の中間転写体であればよく、全てが本発明の中間転写体であることが好ましい。
また、本発明の画像形成装置は、除電後の中間転写体の外周面をクリーニングするクリーニング手段を設けることが好ましい。かかるクリーニング手段は、以下に説明する第1のクリーニング手段と第2のクリーニング手段の構成であることが好ましい。
第1のクリーニング手段は、中間転写体の外周面に当接するブラシ部材を含むクリーニングユニットを1つ以上含み、中間転写体の外周面をクリーニングする際に、前記ブラシ部材に電圧が印加される構成である。
第2のクリーニング手段は、中間転写体の外周面に当接するクリーニングブレードを含む構成である。
このようなクリーニング手段を有する画像形成装置を用いて画像を形成した場合、トナー飛散の発生を抑制すると共に、より小径化・略球形化したトナーを用いたとしても2次転写後の中間転写体表面に残留するトナーのクリーニング性に優れ、高品質の画像を安定して形成することができる。
以下、本発明に係るクリーニング手段について、第1のクリーニング手段、第2のクリーニング手段に分けてより詳細に説明する。
[第1のクリーニング手段]
第1のクリーニング手段に関しては、上述したように、中間転写体の外周面に当接するブラシ部材を含むクリーニングユニットを1つ以上含み、中間転写体の外周面をクリーニングする際に、ブラシ部材に電圧が印加されるクリーニング手段であれば特に限定されない。
しかし、第1のクリーニング手段は以下に説明するような構成を有していることがより好ましい。
まず、クリーニングユニットとしては、ブラシ部材の他に、このブラシ部材に当接する導電性ロールと、この導電性ロールに当接配置されたブレードとを有することが好ましい。これにより、ブラシ部材によって回収された中間転写体表面の残留トナーを、ブラシ部材から導電性ロールへとさらに転写し、導電性ロール表面に付着した残留トナーをブレードによって剥ぎ落とし回収することができるため、ブラシ部材に残留トナーが蓄積し、クリーニング性能が劣化しにくくなる。
ブラシ部材は、繊維を放射線方向に植設し外形を円柱状に形成してなることが好ましい。ブラシ部材に適用する繊維は、導電性繊維であることが好ましく、電気抵抗は、1×100〜1×106Ω程度であることがより好ましく、更に好ましくは、1×102〜1×105Ωである。
繊維の材質は、導電性ナイロン、導電性粒子(導電性カーボンブラック等)を添加したアクリル繊維、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維などが好適であり、より好ましくは、アクリル繊維である。
繊維の太さは、8〜25μm程度が好ましい。繊維の植設密度は、1×103〜1×104本/cm2程度が好ましい。
中間転写体に対しブラシ部材は、1〜3mm食い込むように取り付けられることが好ましく、より好ましくは1.2〜2mmである。ブラシ部材の回転速度は、周速40〜180mm/sが好ましく、より好ましくは、50〜80mm/sである。
ブラシ部材に印加する電圧は、+100〜+600Vが好ましく、より好ましくは、+150〜+400Vである。
導電性ロールの電気抵抗は、1×107〜1×109Ωであることがより好ましく、更に好ましくは、1×108〜1×109Ωである。導電性ロールの材質は、ポリイミド樹脂で被覆した金属芯体、ポリイミド樹脂で被覆した樹脂芯体などが好適であり、より好ましくは、ポリイミド樹脂で被覆した金属芯体である。ポリイミド樹脂の被覆膜の厚みは、0.03〜0.06mm程度が好ましい。
導電性ロールは、ブラシ部材へ1〜3mm食い込むように取り付けられることが好ましく、より好ましくは1.2〜2mmである。導電性ロールの回転速度は、周速40〜180mm/sが好ましく、より好ましくは、50〜100mm/sである。
導電性ロールに印加する電圧は、+300〜+1000Vが好ましく、より好ましくは、+400〜+800Vである。
導電性ロールに当接するブレードの材質は、ステンレス、青銅であることが好ましく、より好ましくは、ステンレスである。導電性ロールに対して、当接角度10〜80度で当接配置することが好ましく、より好ましくは、20〜60度で当接する場合である。この時のブレードの導電性ロールへの食い込み量は、0.2〜2mmであることが好ましい。
また、クリーニングユニットは、中間転写体の回転方向に沿って直列に1つ以上配置することができる。
この場合、残留トナーのクリーニング効果を高めるために、中間転写体の回転方向最上流側に配置されたクリーニングユニットのブラシ部材に印加される電圧の極性と、像担持体表面に保持された状態のトナー像を構成するトナーの極性とが異なることが好ましい。
さらに、同様の理由から、クリーニングユニットが中間転写体の回転方向に沿って直列に2つ以上配置されている場合には、互いに隣接して配置された一のクリーニングユニットおよび他のクリーニングユニットのブラシ部材に印加される電圧の極性が、互いに異なることが好ましい。
[第2のクリーニング手段]
第2のクリーニング手段に関しては、既述したように、中間転写体の外周面に当接するクリーニングブレードを含むクリーニング手段であれば特に限定されない。
しかし、第2の本発明の画像形成装置に用いられるクリーニング手段は以下に説明するような構成を有していることがより好ましい。
まず、クリーニング手段としてクリーニングブレードを用いる場合には、以下のクリーニングブレードを利用することが好ましい。
第1のクリーニングブレードは、ウレタンゴムから形成され、且つ、このウレタンゴムの、JIS K6255(1996年度版)で規定される反発弾性係数が、10℃で20%以上、40℃で70%以下であり、JIS K6251(2004年度版)で規定される300%モジュラスが2000N/cm2以上であり、且つ、JIS K6252(2001年度版)で規定されるアングル型の引き裂き強度が700N/cm以上であるものが好ましい。
第1のクリーニングブレードにおいて更に好ましい物性として、10℃における前記反発弾性係数は、10%以上25%以下であることがより好ましく、15%以上20%以下であることが更に好ましい。40℃における前記反発弾性係数は、40%以上80%以下であることがより好ましく、50%以上70%以下であることが更に好ましい。
反発弾性係数を上述した範囲内とすることによって、クリーニングブレードの反発弾性の温度依存性を抑えることができ、低温域での反発弾性を十分確保しつつ、高温域でものクリーニングブレードのめくれや欠けを抑制することができる。
また、前記300%モジュラスは、2000N/cm2以上3500N/cm2以下であることがより好ましい。
前記引き裂き強度は、650N/cm以上850N/cm以下であることがより好ましく、700N/cm以上800N/cm以下であることが更に好ましい。
300%モジュラス及び引き裂き強度を上記範囲内とすることによって、クリーニングブレードの微妙な欠けを防止できる。
それゆえ、クリーニング手段として第1のクリーニングブレードを用いた場合、クリーニング不良が発生し易い略球形トナーを用いても低温低湿から高温高湿に至る環境変動が大きい条件下においてもクリーニング不良をより確実かつ充分に防止することができる。さらに、プロセススピードの速い高速機においても、中間転写体の外周面に残留するトナーのクリーニングブレードと中間転写体との間のすり抜けを抑制でき、優れたクリーニング効果を確保することができる。
また、上述した効果をより高めるためには、クリーニングブレードのJIS K6262(1996年度版)で規定される100%永久伸びが2.5%以下であることが好ましく、更に好ましくは、2.0%以下である。
中間転写体に第1のクリーニングブレードが当接する当接角度(当接点での接線に対する仰角)は、10〜45度が好ましく、より好ましくは、20〜30度である。また、第1のクリーニングブレードの線圧は、0.2〜2N/cmとなるように取り付けることが好ましく、より好ましくは、0.3〜1N/cmで取り付ける場合である。このような当接角度及び線圧でクリーニングブレードを取り付ける場合には、中間転写体の外周面に残留するトナーのクリーニング効果が良好である。
第2のクリーニングブレードは、中間転写体の外周面に当接し回転可能なクリーニングブラシと、このクリーニングブラシを介して中間転写体の外周面に固体潤滑剤を供給する固体潤滑剤供給手段とを組合せて用いることが好ましい。このようなクリーニング装置は、特開2003−58009号公報に開示されている。
このクリーニング装置は、クリーニングブラシがクリーニングブレードに対して、中間転写体の回転方向上流側に配置されており、更に、このクリーニングブラシを介して、固体潤滑剤を中間転写体の外周面に塗布する潤滑剤塗布手段を備えているものである。
クリーニングブレードのブレード材質の、JIS K6255(1996年度版)で規定される反発弾性係数が40℃で45〜65%の範囲内であり、好ましくは、50〜60%である。
JIS K6251(2004年度版)で規定される300%モジュラスは、1000〜2500N/cm2の範囲内であり、好ましくは、1500〜2400N/cm2である。
第2のクリーニングブレードの材質は、熱硬化性ウレタンで構成されていることが好ましい。
中間転写体に第2のクリーニングブレードが当接する当接角は、22〜32度の範囲内であり、好ましくは、23〜30度である。
また、第2のクリーニングブレードの線圧は、0.2〜0.5N/cmとなるように取り付けられ、好ましくは、0.25〜0.45N/cmで取り付ける場合である。
第2のクリーニングブレードと組み合わせて用いるクリーニングブラシに適用する繊維は、電気抵抗が1×100〜1×106Ω程度であることが好ましく、より好ましくは、1×102〜1×105Ωである。クリーニングブラシの繊維の材質は、カーボンを添加したアクリル繊維、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維などが好適であり、より好ましくは、アクリル繊維である。繊維の太さは、8〜25μm程度が好ましい。繊維の植設密度は、1×103〜1×104本/cm2程度が好ましい。
中間転写体に対しブラシ部材は、1〜3mm食い込むように取り付けられることが好ましく、より好ましくは1.2〜2mmである。ブラシ部材の回転速度は、周速40〜180mm/sが好ましく、より好ましくは、50〜100mm/sである。
第2のクリーニングブレードとクリーニングブラシとを備えるクリーニング装置を利用した場合、固体潤滑剤の働きにより中間転写体の外周面とその表面に残留するトナーとのすべり摩擦係数を低下させることができ、トナーが中間転写体の外周面上をころがることを防ぎ、クリーニングブレードによるクリーニング性の向上を促進することができる。さらに、クリーニングブレードのエッジと、中間転写体の外周面との密着性を向上させるため、トナーの除去を促進するスティックスリップ現象が起こりやすくなる。このため、高反発弾性といわれる反発弾性係数が70%に満たない、中程度(45〜65%の範囲内)のクリーニングブレードでもクリーニング性が向上する。
一方、クリーニング性を確保しつつもクリーニングブレードの反発弾性係数は中程度に抑えることができるため、反発弾性係数と負の相関にある300%モジュラスを大きくすることができるため十分な機械的強度が確保できる。それゆえ、高温高湿下で中間転写体とクリーニングブレードとの摩擦係数が上昇した場合や、さらには低温低湿下でスティックスリップ現象が抑制されることによるクリーニング性の低下を線圧や当接角の調整によってカバーした場合に生じがちな、クリーニングブレードのエッジ欠け等のダメージ発生を抑制できる。
すなわち、固体潤滑剤の利用を前提とした上で、クリーニングブレード自体の特性と、その使用条件(当接各、線圧)とのバランスを取ることによって、低温低湿条件下でもクリーニングブレードのスティックスリップ運動が効果的に生じるため残留トナーをクリーニングでき、同時に、使用環境条件によらずブレードエッジの欠け等の機械的ダメージを抑制することができる。
それゆえ、上記のクリーニング装置を利用した場合、クリーニング不良を起こしやすい小径化、略球形化したトナーを用いても広範な使用条件下において、良好なクリーニング効果を得ることができる。
なお、固体潤滑剤としては、特開2003−58009号公報に開示されているようにステアリン酸亜鉛、パルチミン酸マグネシウム、オレイン酸亜鉛等が挙げられ、JISの鉛筆硬度でB以上のものが好ましい。
また、固形潤滑剤の中には、必要に応じて中間転写体表面に固着した付着物除去のために多孔質ガラスやゼオライトのような多孔質粉体や、親水性粉体を混入させてもよい。なお、固体潤滑剤は、中間転写体の1回転あたり0.1〜1.0μg程度の消費量で塗布することができる。
また、潤滑剤塗布手段としては、特開2003−58009号公報に開示されているように、例えば、支持板に取り付けられた固体潤滑剤を、クリーニングブラシに接触するように配置したものを利用できるがこれに限定されるものではない。なお、上述した構成の潤滑剤塗布手段において、固体潤滑剤の供給量はクリーニングブラシに対する食い込み深さや、接触面積により調整できる。また、潤滑剤塗布手段がクリーニングブラシの重力方向の略真上側に設置される場合には、食い込み深さを支持板および固体潤滑剤の自重によって調整することもできる。
また、クリーニングブラシに付着した残留トナーや固体潤滑剤をフリッキングにより除去できるように、クリーニングブラシに適量食い込むようにフリッカーバーを設けてもよい。
[画像形成装置の具体的構成]
次に、本発明の画像形成装置の具体的構成について、以下に図面を用いてより詳細に説明する。
図1は本発明の画像形成装置の一構成例を示す概略模試図である。
この画像形成装置は、クリーニング装置10、像担持体としての感光体ドラム21、中間転写体としての中間転写ベルト22、中間転写ベルト22を除電する除電ランプ91(光除電手段)、転写電極であるバイアスローラー23(2次転写部)、転写材である記録紙を供給する用紙トレイ24、Bk(ブラック)トナーによるブラック現像器25、Y(イエロー)トナーによるイエロー現像器26、M(マゼンタ)トナーによるマゼンタ現像器27、C(シアン)トナーによるシアン現像器28、剥離爪33、ベルトローラー41、43及び44、バックアップローラー42、導電性ロール45(1次転写部)、電極ローラー46、クリーニングブレード51、記録紙(転写材)61、ピックアップローラー62、並びにフィードローラー63を有してなる。なお、図1に示される中間転写ベルト22は、光導電性中間転写体である。
次に、図1に示す画像形成装置の構成について説明する。感光体ドラム21の周囲には、これに近接し矢印A方向に沿って、ブラック現像器25、イエロー現像器26、マゼンタ現像器27、シアン現像器28が順次配置されている。また、感光体ドラム21に対して、これら4色の現像器が配置された側と反対側に、中間転写ベルト22を挟んで導電性ロール45が、感光体ドラム21と圧接するように配置されている。
中間転写ベルト22は、その内周面に接して矢印B方向に順次配置された導電性ロール45、ベルトローラー41、ベルトローラー43、バックアップローラー42、ベルトローラー44により張架されており、中間転写ベルト22を挟んで、ベルトローラー44の反対側にはクリーニング装置10が配置されている。また、中間転写ベルト22の、バックアップローラー42とベルトローラー44とにより張架された部分の外周面に接触するように剥離爪33が配置されている。
加えて、ベルトローラー44とバックアップローラー42との間の中間転写ベルト22の外周面側には、剥離爪33の中間転写ベルト22の回転方向(図中矢印B方向)下流側に除電ランプ91が設置されており、また、その内周部に当接するように、アース(不図示)された除電用導電部材90が設置されている。
バックアップローラー42は、中間転写ベルト22を介して、バイアスローラー23と圧接しており、記録紙61が、バックアップローラー42(に押圧された中間転写ベルト22)とバイアスローラー23との間を挿通可能である。バイアスローラー23の周囲には、この表面に接触するようにクリーニングブレード51が設けられている。また、バックアップローラー42のバイアスローラー23が配置された側のほぼ反対側に、バックアップローラー42と接して電極ローラー46が配置されている。
バックアップローラー42とバイアスローラー23との間を記録紙61が通過する方向には、一対のお互いに接触したフィードローラー63が配置され、2つのフィードローラー63の間を記録紙61が挿通可能である。また、一対のフィードローラー63の、バックアップローラー42及びバイアスローラー23が設けられた側の反対側には、記録紙61をストックした用紙トレイ24と、用紙トレイ24から記録紙61を一対のフィードローラー63の接触部に供給するピックアップローラー62が配置されている。
なお、図1に示すクリーニング装置10は、導電ブラシ(ブラシ部材)を備えた上記第1のクリーニング手段であり、その詳細を図2に示す。図2は、第1の本発明の画像形成装置に用いられるクリーニング装置の一構成例を示す概略模式図であり、図1に示す画像形成装置に配置された状態について示したものである。
このクリーニング装置10は、中間転写ベルト22側に開口部を設けた筐体14と、この筐体14内に配置された導電性ブラシ11a、導電性ロール12aおよびスクレーパー(ブレード)13aからなる第1のクリーニングユニット、並びに、導電性ブラシ11b、導電性ロール12bおよびスクレーパー(ブレード)13bからなる第2のクリーニングユニットとから構成される。なお、図中、残留トナーをクリーニング装置外へとするオーガー等、主要部以外の構成については省略してある。
なお、第1のクリーニングユニットは、具体的には、中間転写ベルト22外周面に当接する導電性ブラシ11aと、この導電性ブラシ11aに当接する導電性ロール12aと、一端が筐体14の内壁に固定され、もう一方の先端部分が導電性ロール12aと当接するスクレーパー13aとから構成され、導電性ブラシ11aおよび導電性ロール12aは、所定の極性の電圧が印加できるように不図示の電源と接続されている。また、第2のクリーニングユニットも、各部材の配置関係が若干異なる以外は、第1のクリーニングユニットと実質的にほぼ同様の構成を有するものである。なお、中間転写ベルト22の回転方向に対する配置関係は、第1のクリーニングユニットが、中間転写ベルト22の回転方向上流側(除電ランプ91側)、第2のクリーニングユニットが、中間転写ベルト22の回転方向下流である。
次に、図1に示す画像形成装置を用いた画像形成について説明する。まず、感光体ドラム21は矢印A方向に回転し、図示しない帯電装置でその表面が一様に帯電される。帯電された感光体ドラム21にレーザー書込み装置等の画像書き込み手段により第一色(例えば、Bk)の静電潜像が形成される。この静電潜像はブラック現像器25によってトナー現像されて可視化されたトナー像Tが形成される。トナー像Tは、感光体ドラム21の回転で導電性ロール45が配置された一次転写部に到り、導電性ロール45からトナー像Tに逆極性の電界を作用させることにより、前記トナー像Tは、静電的に中間転写ベルト22に吸着されつつ中間転写ベルト22の矢印B方向の回転で一次転写される。
以下、同様にして第2色のトナー像、第3色のトナー像、第4色のトナー像が順次形成され、中間転写ベルト22において重ね合わされ、多重トナー像が形成される。
中間転写ベルト22に転写された多重トナー像は、中間転写ベルト22の回転でバイアスローラー23が設置された二次転写部に到る。二次転写部は、中間転写ベルト22のトナー像が担持された表面側に設置されたバイアスローラー23と該中間転写ベルト22の裏側からバイアスローラー23に対向するように配置されたバックアップローラー42及びこのバックアップローラー42に圧接して回転する電極ローラー46から構成される。
記録紙61は、用紙トレイ24に収容された記録紙束からピックアップローラー62で一枚ずつ取り出され、フィードローラー63で二次転写部の中間転写ベルト22とバイアスローラー23との間に所定のタイミングで給送される。給送された記録紙61は、バイアスローラー23及びバックアップローラー42による圧接搬送と中間転写ベルト22の回転により、該中間転写ベルト22に担持されたトナー像が転写される。
トナー像が転写された記録紙61は、最終トナー像の一次転写終了まで退避位置にある剥離爪33を作動せることにより中間転写ベルト22から剥離され、図示しない定着装置に搬送され、加圧/加熱処理でトナー像を固定して永久画像とされる。
尚、バイアスローラー23は、ポリウレタン等からなるクリーニングブレード51が常時当接するように取り付けられており、転写で付着したトナー粒子や紙紛等の異物が除去される。
単色画像の転写の場合、一次転写されたトナー像Tを直ちに二次転写して定着装置に搬送するが、複数色の重ね合わせによる多色画像の転写の場合、各色のトナー像が一次転写部で正確に一致するように中間転写ベルト22と感光体ドラム21との回転を同期させて各色のトナー像がずれないようにする。前記二次転写部では、バイアスローラー23と中間転写ベルト22を介して対向配置したバックアップローラー42に圧接した電極ローラー46に、トナー像の極性と同極性の出圧(転写電圧)を印加することで、該トナー像を記録紙61に静電反発で転写する。
また、多重トナー像の記録紙61への転写を終了し、剥離爪33により記録紙61を剥離した後の中間転写ベルト22の外周面には、除電ランプ91から光が照射される。この光照射によって、中間転写ベルト22外周面が導電性を発現することにより除電される。続いて、この除電された中間転写ベルト22外周面を、除電ランプ91の中間転写ベルト22回転方向下流側に設けられたクリーニング装置10によってクリーニングされる。
クリーニングに際しては、中間転写ベルト22外周面が除電されているため、中間転写ベルト22外周面と、この表面に存在する残留トナーとの静電的作用は弱くなっており、クリーニング効果を高めることができる。
また、第1のクリーニングユニットの導電性ブラシ11aに印加する電圧の極性と、第2のクリーニングユニットの導電性ブラシ11bに印加する電圧の極性とを異なるものとし、且つ、導電性ブラシ11aに印加する電圧の極性と、感光体ドラム21表面に保持された状態のトナー像を構成するトナーの極性とを異なるものとすることによって、更にクリーニング効果を高めることができる。
すなわち、第1のクリーニングユニットによって、中間転写ベルト22外周面に存在する残留トナーの大部分を除去し、第1のクリーニングユニットによって、中間転写ベルト22外周面に存在する残留トナーのうち、感光体ドラム21表面にトナ像が形成された時の極性と逆極性に帯電した僅かに存在する残留トナーを除去することができる。
以下、本発明に用いられる中間転写体である中間転写ベルト22を用いた転写機構と、中間転写ベルト22の除電機構について、再び、図1を参照して、より詳細に説明する(なお、中間転写ベルト22の具体的な構成については後述する)。
図1に示される中間転写ベルト22は、画像形成装置の感光体ドラム21表面に接触する1次転写領域Q3、記録紙61に接触する2次転写領域Q4、及び、除電ランプ91による除電領域Q5を順次通過するように矢印B方向に回転移動する。ここで、1次転写領域Q3及び2次転写領域Q4を通過時の中間転写ベルト22は光照射されず、誘電体の状態である。中間転写ベルト22は、1次転写領域Q3の通過時に、感光体ドラム21表面のトナー像が1次転写され、1次転写されたトナー像が2次転写領域Q4の通過時に記録紙61に2次転写される。
このように、本発明に用いられる中間転写体である中間転写ベルト22は、その表面層が、光が照射されない状態では誘電体であり体積抵抗率が高いので、1次転写及び2次転写する際には誘電体(絶縁体)の状態で転写を行うことができる。この際、中間転写ベルト22の表面層(光導電層)の表面に沿った電荷の移動が少ないので、1次転写領域Q3及び2次転写領域Q4において、トナー像の飛散の少ない良好な転写を行うことができる。
本発明の画像形成装置においては、トナーはその帯電特性が負極性であるか正極性であるかは問わないが、便宜上、負極性トナーを用いて説明する。
負帯電トナーの場合には、導電性ロール45(1次転写手段)に正電圧を印加して1次転写を行う。これにより、1次転写後の中間転写ベルト22は、裏面側に導電性ロール45による正の電荷が蓄積し、表面側にはトナー及びカウンタチャージによる負の電荷が蓄積される。カラー画像を得る場合には、2色目以降順次1次転写電圧を上げていき、中間転写ベルト22上に複数色のトナー像を形成すればよい。
続いて、2次転写の際、トナー像の記録紙61への転写時は、中間転写ベルト22の表面側には2次転写像に応じた不均一な正の電荷が供給され、裏面側には負の電荷が供給される。2次転写後の中間転写ベルト22の表面電位は、2次転写電圧が1次転写電圧より低い場合には、−(マイナス)となり、2次転写電圧が1次転写電圧より高い場合には、+(プラス)となる。
ここで、中間転写ベルト22の表面電位が残っている状態で次の画像の1次転写工程を行うと、蓄積した電荷の不均一さによる1次転写ムラの発生により画像のにじみ、飛び散り、太り等の乱れが発生してしまう。更には、中間転写ベルト22の表面の除電機構が無く、2次転写後も負の電荷が蓄積していった場合、1次転写、2次転写を繰り返す毎に電荷が蓄積され中間転写ベルト22の表面電位が過剰に高い−(マイナス)の値(裏面側は過剰に高い正(プラス)の表面電位)となり、そのために、次の画像での必要な1次転写電圧も非常に高くなってしまう。
このため2次転写後には、中間転写ベルト22に蓄積した電荷を均一にある一定レベル以下とすることが必要となる。ここで、ある一定レベルとは、感光体ドラム21の表面電位、トナー帯電量、前転写領域の形態等に応じて定まるレベルである。
本発明において、光導電層を表面層として備えた中間転写体を中間転写ベルト22として用いたことから、中間転写ベルト22の表面電荷は、2次転写後に除電ランプ91により光照射することで、蓄積した電荷を容易に光除去することができる。これは、中間転写ベルト22内の光導電性物質が光を吸収して発生した自由キャリアが、表面に存在する対向する電荷を中和させることによるものである。除電ランプ91については、光導電層に添加されている光導電性物質の光感度領域波長の光源を有しているものであればよく、その強度、光除電位置は随時決めていけばよい。除電ランプ91としては、例えば、赤色LEDを用いることができる。
また、中間転写ベルト22に蓄積した電荷は、除電ランプ91により光除電された後、更に、中間転写ベルト22の内周部に当接している、アースされた除電用導電部材90によって、中間転写ベルト22の外へ排出されることが好ましい。そのため、中間転写ベルト22の回転方向に対して、除電用導電部材90は、図1に示したように除電ランプ91と同じ位置に設けるか、中間転写ベルト22の回転方向よりも下流側に設けることが好ましい。また、除電用導電部材90は、図1に示すように中間転写ベルト22の内周側に設けるのみならず、外周面側にも配置可能であり、中間転写ベルト22に接触することで電荷の排出(除去)が行なわれる。
除電用導電部材90としては、体積抵抗率が1×105〜1×1010Ωに調整してなる導電剤を分散してなる弾性ロール(例えば、カーボンブッラク分散のエピクロルヒドリンゴムロールなど)を用いることができる。このように、除電用導電部材90は、ロール状であってもよいし、ブレード状、ブラシ状であってもよい。
除電用導電部材90は、中間転写ベルト22の内周面側又は外周面側のいずれにも配置可能であり、内周面側に配置した場合には、常時、中間転写ベルト22に接触させた状態で使用できるが、外周面側に配置した場合には、カラートナー像の多重転写の際に2次転写が終わるまでは中間転写ベルト22から離れた位置に配置し、2次転写終了後の除電を行うときに中間転写ベルト22に接触するように構成する必要がある。
その場合には、除電用導電部材90を中間転写ベルト22に接触する位置と離れた位置との間で移動させる移動機構が必要となる。したがって、除電用導電部材90を中間転写ベルト22の内周面に常時接触させるように配置した場合には、前記移動機構が不要となって、構成が簡素となり、コストも低くなるので有利である。
以上のことから、上述の構成の本発明の画像形成装置は、中間転写ベルト22として本発明に用いられる中間転写体を用いていており、更に、中間転写ベルト22の電荷を容易に除去可能な除電ランプ91(光除電手段)をも有するため、トナーの飛び散りによる画質欠陥が著しく少なく、高品質の転写画質を安定して得ることができる。
さらに、クリーニング装置(クリーニング手段)10として、クリーニング時に電圧が印加された状態で利用される導電性ブラシ(ブラシ部材)11a、11bを含むクリーニングユニットを用いているため、クリーニング効果が極めて高く、クリーニング不良を起こしやすい小径や略球形のトナーを用いてもクリーニング不良に起因する画質の劣化を抑制することができる。
次に、本発明に用いられる中間転写体からなる中間転写ベルトを備え、各色毎の現像器を備えた複数の像担持体をこの中間転写ベルト上に直列に配置したタンデム型のカラー画像形成装置について図面を用いて説明する。
図3は本発明の画像形成装置の他の例を示す概略模試図である。図3に示す画像形成装置は、4つのトナーカートリッジ71、1対の定着ロール72、バックアップロール73、テンションロール74、2次転写ロール75、用紙経路76、用紙トレイ77、レーザー発生装置78、4つの感光体79、4つの1次転写ロール80、駆動ロール81、クリーニング装置10、4つの帯電ロール83、感光体クリーナー84、現像器85、中間転写ベルト86、中間転写ベルト86を除電する除電ランプ91(光除電手段)及び除電用導電部材90等を主用な構成部材として含んでなる。なお、図3に示す画像形成装置において、本発明に用いられる中間転写体は中間転写ベルト86として用いられる。
次に、図3に示す画像形成装置の構成について順次説明する。まず、感光体79の周囲には、反時計回りに帯電ロール83、現像器85、中間転写ベルト86を介して配置された1次転写ロール80、感光体クリーナー84が配置され、これら1組の部材が、1つの色に対応した現像ユニットを形成している。また、この現像ユニット毎に、現像器85に現像剤を補充するトナーカートリッジ71がそれぞれ設けられており、各現像ユニットの感光体79に対して、帯電ロール83と現像器85との間の感光体79表面に画像情報に応じたレーザー光を照射することができるレーザー発生装置78が設けられている。
4つの色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)に対応した4つの現像ユニットは、画像形成装置内においてほぼ水平方向に直列に配置されており、4つの現像ユニットの感光体79と1次転写ロール80とのニップ部を挿通するように中間転写ベルト86が設けられている。中間転写ベルト86は、その内周側に以下の順序で反時計回りに設けられた、バックアップロール73、テンションロール74、及び駆動ロール81により張架されている。なお、4つの1次転写ロールはバックアップロール73とテンションロール74との間に位置する。また、中間転写ベルト86を介して駆動ロール81の反対側には中間転写ベルト86の外周面をクリーニングするクリーニング装置10が駆動ロール81に対して圧接するように設けられている。
なお、クリーニング装置10としては、クリーニング時に電圧が印加された状態で利用される導電性ブラシ(ブラシ部材)を含むクリーニングユニットを用いたものであれば特に限定されず、例えば、図2に示したようなクリーニング装置10と同等の構成を有する装置を利用することができる。
また、中間転写ベルト86を介してバックアップロール73の反対側には用紙トレイ77から用紙経路76を経由して搬送される記録用紙の表面に、中間転写ベルト86の外周面に形成されたトナー像を転写するための2次転写ロール75が、バックアップロール73に対して圧接するように設けられている。バックアップロール73と駆動ロール81との間の中間転写ベルト86の外周面側には除電ランプ91が設置されており、内周面に当接するように、アースされた(不図示)除電用導電部材90が設置されている。
また、画像形成装置の底部には記録用紙をストックする用紙トレイ77が設けられ、用紙トレイ77から用紙経路76を経由して2次転写部を構成するバックアップロール73と2次転写ロール75との圧接部を通過するように供給することができる。この圧接部を通過した記録用紙は更に1対の定着ロール72の圧接部を挿通するように不図示の搬送手段により搬送可能であり、最終的に画像形成装置外へと排出することができる。
次に、図3の画像形成装置を用いた画像形成方法について説明する。トナー像の形成は各現像ユニット毎に行なわれ、帯電ロール83により反時計方向に回転する感光体79表面を一様に帯電した後に、レーザー発生装置78(露光装置)により帯電された感光体79表面に潜像を形成し、次に、この潜像を現像器85から供給される現像剤により現像してトナー像を形成し、1次転写ロール80と感光体79との圧接部に運ばれたトナー像を矢印C方向に回転する中間転写ベルト86の外周面に転写する。なお、トナー像を転写した後の感光体79は、その表面に付着したトナーやゴミ等が感光体クリーナー84によりクリーニングされ、次のトナー像の形成に備える。
各色の現像ユニット毎に現像されたトナー像は、画像情報に対応するように中間転写ベルト86の外周面上に順次重ね合わされた状態で、2次転写部に運ばれ2次転写ロール75により、用紙トレイ77から用紙経路76を経由して搬送されてきた記録用紙表面に転写される。トナー像が転写された記録用紙は、更に定着部を構成する1対の定着ロール72の圧接部を通過する際に加圧加熱されることにより定着され、記録媒体表面に画像が形成された後、画像形成装置外へと排出される。
2次転写部を通過した中間転写ベルト86は、矢印C方向に更に進み、除電ランプ91と除電用導電部材90とにより蓄積した電荷が、除電される。その後、更に、クリーニング装置10により外周面がクリーニングされた後に次のトナー像の転写に備える。
なお、中間転写ベルト86の蓄積した電荷は、上述した中間転写ベルト22の電荷の除電機構と同様に、除電ランプ91による光除電に加え、除電用導電部材90による中間転写ベルト86の外への電荷の排出により、除電されることが好ましい。ここで用いられる除電ランプ91及び除電用導電部材90は、上記図1に示される画像形成装置における除電ランプ91及び除電用導電部材90と同様である。
また、除電ランプ91と除電用導電部材90との設置位置の関係も、上記図1に示される画像形成装置における除電ランプ91と除電用導電部材90との関係と同様である。
更に、図3に示される画像形成装置においても、除電ランプ91としては、例えば、赤色LEDを用いることができる。また、除電用導電部材90は、中間転写ベルト86の裏面側又は表面側のいずれにも配置可能であり、ここでも、除電用導電部材90としては、体積抵抗率を1×105〜1×1010Ωに調整してなる導電剤を分散して弾性ロール(例えば、カーボンブッラク分散のエピクロルヒドリンゴムロールなど)を用いることができる。
以上のことから、構成のタンデム式の画像形成装置においても、中間転写ベルト86として本発明に用いられる中間転写体を用いていており、更に、中間転写ベルト86の電荷を容易に除去可能な除電ランプ91(光除電手段)をも用いているため、トナーの飛び散りによる画質欠陥が著しく少なく、高品質の転写画質を安定して得ることができる。
さらに、クリーニング装置(クリーニング手段)10として、クリーニング時に電圧が印加された状態で利用される導電性ブラシ(ブラシ部材)を含むクリーニングユニットを用いているため、クリーニング効果が極めて高く、クリーニング不良を起こしやすい小径や略球形のトナーを用いてもクリーニング不良に起因する画質の劣化を抑制することができる。
なお、図1及び図3の画像形成装置におけるクリーニング装置10を、図4(A)及び(B)に示すクリーニング装置15,15’に代えてもよい。
図4(A)及び(B)は、上記第2のクリーニング手段に用いられるクリーニング装置の一構成例を示す概略模式図である。
図4(A)に示すクリーニング装置15は、中間転写ベルト22側に開口部を設けた筐体19と、中間転写ベルト22の回転方向(図4中の矢印B方向で、図1に示す矢印B方向、図3で示す矢印Cと同義)において、筐体19開口部の下流側に取りつけられ、中間転写ベルト22外周面に当接するクリーニングブレード16と、筐体19内に配置され、中間転写ベルト22外周面と当接する回転可能なクリーニングブラシ17と、このクリーニングブラシ17に固体潤滑剤を供給する固体潤滑剤供給手段18とから構成される。ここで、固体潤滑剤供給手段18は不図示の支持体によって支持された固体潤滑剤がクリーニングブラシ17に対して一定深さで食い込むように固定されている。
なお、図中、残留トナーをクリーニング装置外へとするオーガー等、主要部以外の構成については省略してある。
クリーニングに際しては、中間転写ベルト22外周面が除電されているため、中間転写ベルト22外周面と、この表面に存在する残留トナーとの静電的作用は弱くなっており、クリーニング効果を高めることができる。
さらに、クリーニングブラシ17を介して、固体潤滑剤供給手段18から中間転写ベルト22外周面に供給された固体潤滑剤の働きにより、クリーニングブレード16と中間転写ベルト22外周面との密着性が高まり、低温低湿環境下においても、スティックスリップ現象を効果的に発生させ、良好なクリーニング性を得ることができる。また、中間転写ベルト22外周面に供給された固体潤滑剤は、クリーニングブレード16によって削り取られるようにして回収されるため、1次転写に悪影響を及ぼすこともない。なお、図4(A)に示した構成においてはクリーニングブレード16として、上記第1のクリーニングブレード又は上記第2のクリーニングブレードを用いることが好ましく、より好ましくは、第2のクリーニングブレードを用いる場合である。
図4(B)に示すクリーニング装置15’は、図4(A)に示すクリーニング装置15において、固体潤滑剤供給手段18を省く以外は共通するため、説明を省略する。なお、図4(B)に示すクリーニング装置15’の場合には、クリーニングブレード16として、上記第1のクリーニングブレード又は上記第2のクリーニングブレードを用いることが好ましい。
[トナー(および現像剤)]
本発明の画像形成装置に用いるトナーとしては、公知のトナーであれば粉砕法等の乾式製法を利用したトナーや、乳化重合凝集法等の湿式製法を利用したトナーなど特に制限なく用いることができるが、球形度の高いいわゆる球形トナーを用いることが好ましい。
トナーとして球形トナーを用いることにより、さらに上述したような本発明に用いられる中間転写体と組合せることによって、転写効率を一層高めることができるため、画質欠陥(ホロキャラクター、ブラー、カラーレジ)ない高品質の転写画質を得ることができる。
また、体積平粒子径の小さいトナーを用いれば、より高精細な画像を形成することができる。
さらに、このようなトナーのデメリットであるクリーニング不良に起因する画質の劣化も抑制することができる。
一方、小径あるいは球形度の高いトナーは、体径や球形度の低いトナーと比べるとクリーニング不良を引き起こしやすい。しかし、本発明の画像形成装置では、上述したような本発明に用いられる中間転写体とクリーニング手段とを組合せて用いているため、トナー飛散の発生を抑制しつつ高い転写効率で転写が行える上に、クリーニング不良の発生も抑制できる。このため、後述する形状係数で規定される球形度の高い球形トナーや、体積平均粒子径の小さいトナーを用いたとしても、優れた画質を得ることができる。
なお、当該球形トナーとは、その形状係数(SF)が、140〜100であることを意味する。該形状係数としては、130〜100以下であることが好ましく、120〜100以下であることがより好ましい。この平均形状係数(SF)が140より大きくなると転写効率が低下してしまい、プリントサンプルの画質の低下が目視で確認できてしまう。
ここで、前記形状係数(SF)は、下記の式(1)で規定される係数である。
式(1) SF=〔(トナー粒子の最大長)2×π×100〕/〔トナー粒子の投影面積×4〕
なお、トナー粒子の最大長、及び、トナー粒子の投影面積は、ルーゼックス画像解析装置(株式会社ニレコ製、FT)を用いてスライドガラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個以上のトナーの最大長と投影面積を求めることにより測定することができる。
本発明に用いられるトナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤とを含有してなる。このトナーの体積平粒子径は、2〜12μmの範囲内であることが好ましく、2.5〜9μmの範囲内であることがより好ましく、3〜6μmの範囲内であることが更に好ましい。
結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα―メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類等の単独重合体及び共重合体を例示することができる。
特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレンーアクリル酸アルキル共重合体、スチレンーメタクリル酸アルキル共重合体、スチレンーアクリロニトリル共重合体、スチレンーブタジエン共重合体、スチレンー無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。更に、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等も挙げられる。
着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして挙げられる。
トナーには、帯電制御剤、離型剤、他の無機微粒子等の公知の添加剤を内添加処理や外添加処理してもよい。離型剤としては低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして挙げられる。
帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減の点で水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。
他の無機微粒子としては、粉体流動性、帯電制御等の目的で、平均1次粒子径が40nm以下の小径無機微粒子を用い、更に必要に応じて、付着力低減の為、それより大径の無機或いは有機微粒子を併用してもよい。これらの他の無機微粒子は公知のものを使用できる。例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、メタチタン酸、酸化亜鉛、ジルコニア、マグネシア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム等が挙げられる。
また、小径無機微粒子については表面処理することにより、分散性が高くなり、粉体流動性を上げる効果が大きくなるため有効である。
本発明に用いられるトナーは、特に製造方法により限定されるものではなく、公知の方法により得ることができる。
具体的には、例えば結着樹脂及び着色剤のほかに、必要に応じて離型剤及び帯電制御剤等を混練、粉砕、分級する混練粉砕法、混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力又は熱エネルギーにて形状を変化させる方法、結着樹脂を構成する重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤を含む分散液と、必要に応じて離型剤及び帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、球形トナーを得る乳化重合凝集法、結着樹脂を得るための重合性単量体と、着色剤、必要に応じて離型剤、帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法、結着樹脂及び着色剤と必要に応じて離型剤及び帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等が挙げられる。
また上記方法で得られたトナーをコア粒子とし、このコア粒子に更に結着樹脂微粒子を付着させた後、加熱融合するプロセスを経て作製されるコアシェル構造を有するトナーを用いてもよい。
また、トナーに外添剤を添加する場合、トナー及び外添剤をヘンシェルミキサー或いはVブレンダー等で混合することによって製造することができる。また、球形トナーを湿式にて製造する場合は、湿式にて外添することも可能である。
外添剤としては、公知の各種添加剤を用いることができ、例えば、シリカ、アルミナ、チタン酸化物(酸化チタン、メタチタン酸等)、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、カーボンブラック等を挙げることができる。また、その平均一次粒径は1〜80nmの範囲内であることが好ましい。添加剤の種類や粒径は目的に応じて適宜選択できる。
トナーは、一成分現像剤あるいは二成分現像剤のいずれの現像剤としても利用することができる。
トナーを、キャリアと混合した二成分現像剤として用いる場合、公知のキャリアを用いることができる。例えば芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリアを挙げることができる。またマトリックス樹脂に磁性粉末などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
キャリアに使用される被覆樹脂・マトリックス樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂またはその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレア樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
一般に、キャリアは適度な電気抵抗値を有することが好ましく、その抵抗調整のために、導電性微粉末を前記樹脂中に分散させることが好ましい。前記導電性微粉末としては、金、銀、銅といった金属やカーボンブラック、さらに酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
また、キャリアの芯材としては、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、キャリアを磁気ブラシ法に用いるためには、磁性材料であることが好ましい。キャリアの芯材の体積平均粒径としては、10〜100μmの範囲であることが好ましく、25〜50μmの範囲であることがより好ましい。
キャリアの芯材の表面に樹脂被覆するには、前記被覆樹脂、及び必要に応じて各種添加剤を、適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法が採られる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して適宜選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、キャリアの芯材の粉末を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液をキャリアの芯材表面に噴霧するスプレー法、キャリアの芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法が挙げられる。
トナーを二成分現像剤として用いる場合には、以上説明したトナーとキャリアとを混合することで得ることができる。この現像剤における前記トナーと上記キャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:99〜20:80程度の範囲であることが好ましく、3:97〜12:88の範囲であることがより好ましい。
以下に、本発明を、実施例を挙げてより詳細に説明する。
<画像形成装置および画像形成条件>
実施例の評価には、図1に示す画像形成装置とほぼ同様な構成の富士ゼロックス株式会社製、DocuCentre Color400CPを用いた。
但し、中間転写ベルト22およびクリーニング装置10については、各々の実施例/比較例毎に後述する中間転写ベルトA1〜A5、B1〜B4とクリーニング装置A1〜A2、B1〜B2、C1とを組合せて利用した。
また、評価に用いたDocu Color1255CPには、除電ランプ91及び除電用導電部材90も図1に示すように装着した。ここで、除電ランプ91としては、赤色LED(波長780nm、秋月電子(株)製)を用いた。また、除電用導電部材90としては、体積抵抗を106Ωに調整してなる導電剤を分散してカーボンブラック分散のエピクロルヒドリンゴムロールを用いた。
この画像形成装置を用いて、2次転写による転写画質(ブラー、ホロキャラ)およびクリーニング性について評価した。なお、ここで用いた記録紙61は、富士ゼロックスオフィスサプライ(株)フルカラー複写機用紙 J紙である。
また、プリントサンプルは、画像パターンとして、1枚目は、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各単色、2次色、3次色の2cm角大のソリッド、及びライン画像で構成されている。
なお、テストは低温低湿環境(10℃、15%)および高温高湿環境(28℃、85%)の双方の環境下で交互に3万枚づつ(低温低湿環境→高温高湿環境→低温低湿環境→高温高湿環境の順)合計12万枚のプリントを実施し、プロセススピードは220mm/sに設定した。また、像担持体に形成・保持された状態のトナー像(トナー)は負帯電である。
<トナー(現像剤)>
なお、各色のトナーとしては、以下のトナーA1およびトナーA2を用いた。
・トナーA1:形状係数(SF)125、体積平均粒子径5.5μmの球形トナー。
・トナーA2:形状係数(SF)135、体積平均粒子径6.5μmのポテト形状のトナー。
また、トナーA1およびトナーA2には、以下のように外添剤を添加したのち、キャリアと混合して現像剤を得た。
まず、トナー50質量部に対し、疎水性シリカ(キャボット社製、TS720)1.6質量部を添加し、サンプルミルで混合して外添トナーを得た。続いて、ポリメチルメタアクリレート(綜研化学社製:重量平均分子量:60000)を1質量%被覆した平均粒径50μmのフェライトキャリアを用い、トナー濃度が5質量%になるように前記の外添トナーを秤量し、両者をボールミルで5分間攪拌・混合して離型剤配合量10質量%、トナーの体積平均粒子径が3.5μmのイエロー現像剤を調製した。
なお、トナーの体積平均粒子径は、コールターマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)測定器を用いて求めた値であり、粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積を小粒径側から累積分布を描き、累積50%となる粒径を体積平均粒子径として求めた。
また、トナーの形状係数SFは次のようにして求めた。まず、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個以上のトナーについて周囲長(ML)と投影面積(A)を測定し、既述した式(1)からトナーの形状係数SFを求めた。
<中間転写ベルトA1の作製>
[ベルト状基材の作製]
(ポリアミド酸溶液(A)の調製)
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)とからなるポリアミド酸のN−メチルー2ピロリドン(NMP)溶液(宇部興産製ユーワニスS(固形分18質量%)に、この溶液中のポリイミド系樹脂を形成することが可能な原料の固形分100質量部に対して、乾燥した酸化処理カーボンブラック(SPECIAL BLACK4(Degussa社製、pH3.0、揮発分:14.0%))を23質量部になるよう添加して、衝突型分散機(ジーナス製GeanusPY)を用い、圧力200MPaで、最小面積が1.4mm2で2分割後衝突させ、再度2分割する経路を5回通過させて、混合して、基材用のカーボンブラック入りポリアミド酸溶液(A)を得た。
(基材の形成)
カーボンブラック入りポリアミド酸溶液(A)を、円筒状金型内面に、ディスペンサーを介して塗膜の厚みが0.5mmとなるように塗布し、金型を1500rpmで15分間回転させて均一な厚みを有する塗膜を形成した後、金型を250rpmで回転させながら、金型の外側より60℃の熱風を30分間あてた後、150℃で60分間加熱し、室温にまで冷却して皮膜を形成した。
その後、金型の内面に形成された皮膜を剥離して、この皮膜を金属芯体の外周を覆うように被覆して400℃まで2℃/分の昇温速度で昇温し、更に400℃で30分加熱し、皮膜に残留する溶媒及び脱水閉環水を除去すると共に、イミド転化反応を完結させた。その後、金属芯体を室温にまで冷却した後に、金属芯体表面に形成されたポリイミドフィルムを剥離することにより、厚みが0.08mmの無端ベルト状の基材を得た。
得られた基材のヤング率は3,800Mpaであり、体積抵抗率は1×109.5Ωcm、表面抵抗率は1×1012Ω/□であった。
なお、表面抵抗率及び体積抵抗率の測定は以下のように行った。
(表面抵抗率)
表面抵抗率の計測は、上述したように、図6に示す円形電極(ダイヤインスツルメント(株)製ハイレスターIPのHRプローブ)を用い、22℃/55%RH環境下にて、第一電圧印加電極A’における円柱状電極部C’とリング状電極部D’との間に電圧100(V)を印可し、10秒後の電流値より求めた。
(体積抵抗率)
体積抵抗率の計測は、上述したように、図6示す円形電極(ダイヤインスツルメント(株)製ハイレスターIPのHRプローブ)を用い、22℃/55%RH環境下にて、第一電圧印加電極A’における円柱状電極部C’と第二電圧印加電極B’との間に電圧100(V)を印可し、10秒後の電流値より求めた。
[下引層の形成]
酸化亜鉛(MZ300:テイカ社製:比表面積値30m2/g)を150℃にて5時間加熱乾燥後、酸化亜鉛100質量部をトルエン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM403:信越化学社製)5質量部を添加し、2時間攪拌した。その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、150℃で2時間焼き付けを行った。
前記表面処理を施した酸化亜鉛60質量部と硬化剤ブロック化イソシアネート(スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)15質量部とブチラール樹脂(BM−1、積水化学社製)15質量部とを、メチルエチルケトン85質量部に溶解した溶液38質量部とメチルエチルケトン25質量部とを混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散を行い分散液を得た。
得られた分散液に触媒としてジオクチルスズジラウレート:0.005質量部、シリコーンオイルSH29PA(東レダウコーニングシリコーン社製):0.01質量部を添加し、下引層用塗布液を得た。
この下引層用塗布液を浸漬塗布法にて、無端ベルト状の基材表面に塗布し、160℃、100分の乾燥硬化を行い、膜厚2μmの下引層を得た。
[電荷発生層の形成]
次に、電荷発生物質として、Cukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、少なくとも、7.5°,9.9°,12.5°,16.3°,18.6°,25.1°,28.1°の位置に明瞭な回折ピークが得られるヒドロキシガリウムフタロシアニン15部、結着樹脂としてのブチラール樹脂(BM−1、積水化学社製)10部、n−ブチルアルコール300部からなる混合物を、サンドミルにて4時間分散した。
得られた分散液を電荷発生層用塗布液として、上記下引層表面に浸漬塗布し、乾燥し膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
[電荷輸送層の形成]
次に、ジ(3,4−ジメチルフェニル)(4−フェニルフェニル)アミン2質量部とN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン2質量部とビスフェノールZポリカーボネート(分子量4万)6質量部とに、ナノムパープル(フロンティアカーボン株式社製、C60フラーレン)1質量部、テトラヒドロフラン80質量部、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.2質量部を加えて溶解した。得られた液を電荷輸送層用塗布液として、上記電荷発生層表面に浸漬塗布し、120℃40分の乾燥を行うことにより膜厚25μmの電荷輸送層を形成した。
これにより、図5(A)に記載の層構成を有する本発明の中間転写体を得た。
この中間転写ベルトA1の表面微小硬度について、超微小硬度計DUH−201Sを用いた上述の測定方法(測定条件も上述と同様)にて測定したところ、21度であった。
また、画像形成装置内に中間転写ベルトA1を取りつけたときに、除電ランプ91として利用する赤色LEDと同様の条件で照射する場合の、照射前後の中間転写ベルトA1外周面の体積抵抗率を測定したところ、未照射時の体積抵抗率が1014Ωcm以上、照射直後が1×109.5Ωcmであった。なお、体積抵抗率の計測は、上述したように、図6示す円形電極(ダイヤインスツルメント(株)製ハイレスターIPのHRプローブ)を用い、22℃/55%RH環境下にて、第一電圧印加電極A’における円柱状電極部C’と第二電圧印加電極B’との間に電圧100(V)を印可し、10秒後の電流値より求めた。
<中間転写ベルトA2の作製>
[ベルト状基材の形成]
中間転写ベルトA1と同様にして、但し、弾性層を有する無端ベルト状の基材を準備した。
[弾性層の形成]
−弾性層形成用塗布液(A)の調製−
イソシアネートとしてコロネート4028(日本ポリウレタン工業(株)製)100質量部と、ポリオールとしてニッポラン4599(日本ポリウレタン工業(株)製)93質量部と、導電剤としてカーボンブラック(商品名:プリンテックス140U(pH4.5):デグサ・ジャパン社製)22質量部と、を混合して、弾性層形成用塗布液(A)を調整した。
−弾性層の形成−
続いて、円筒状金型の外周を覆うように被覆した中間転写ベルトA1に用いたものと同じ無端ベルト状の基材上に弾性層形成用塗布液(A)を塗布することにより塗膜を形成し、この塗膜を温度80℃で120分間加熱することにより硬化させて、厚さ0.5mmの弾性層を形成した。得られた弾性層のJIS−A硬度は、45°であった。また、基材と弾性層とを積層したこの2層ベルトの体積抵抗率は、3×1010Ωcmであった。
続いて、上記弾性層表面に中間転写ベルトA1と同様にして、下引層、電荷発生層、電荷輸送層を順次形成した。これにより、図5(C)に記載の層構成を有する本発明の中間転写体の中間転写ベルトA2を得た。
この中間転写ベルトA2の表面微小硬度および赤色LEDによる光照射前後の体積低効率について、中間転写ベルトA1と同様に測定したところ、表面微小硬度は、1度、未照射時の体積抵抗率が1014Ωcm以上、照射直後が3×1010Ωcmであった。なお、体積抵抗率の計測は、上述したように、図6示す円形電極(ダイヤインスツルメント(株)製ハイレスターIPのHRプローブ)を用い、22℃/55%RH環境下にて、第一電圧印加電極A’における円柱状電極部C’と第二電圧印加電極B’との間に電圧100(V)を印可し、10秒後の電流値より求めた。
<中間転写ベルトA3の作製>
中間転写ベルトA1と同様にして、但し、表面保護層を有する無端ベルト状の基材を準備した。
[下引層の形成]
4質量部のポリビニルブチラール樹脂(積水化学製エスレックBM−S)を溶解したn−ブチルアルコール170質量部、有機ジルコニウム化合物(アセチルアセトンジルコニウムブチレート)30質量部、及び有機シラン化合物の混合物(γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)3質量部を追加混合撹拌し、下引層用塗布液を得た。無端ベルト状の基材表面に、浸漬塗布装置を用いて下引層の塗布を行ない150℃1時間の硬化処理を行い、膜厚1.0μmの下引層を形成した。
[電荷発生層の形成]
次に、電荷発生物質としてCukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、少なくとも、7.5°,9.9°,12.5°,16.3°,18.6°,25.1°,28.1°の位置に明瞭な回折ピークが得られるヒドロキシガリウムフタロシアニン15部、結着樹脂としてのブチラール樹脂(BM−1、積水化学社製)10部、n−ブチルアルコール300部からなる混合物を、サンドミルにて4時間分散した。得られた分散液を電荷発生層用の塗布液として、これを下引層表面に浸漬塗布し、乾燥し膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
[電荷輸送層の形成]
次に、ジ−(3,4−ジメチルフェニル)(4−フェニルフェニル)アミン2質量部とN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン2質量部とビスフェノールZポリカーボネート(分子量4万)6質量部とナノムミックス(フロンティアカーボン株式会社製、フラーレン混合物)1質量部を、テトラヒドロフラン80質量部、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.2質量部を加えて溶解した。得られた液を電荷輸送層用塗布液として、上記電荷発生層表面に浸漬塗布し、120℃40分の乾燥を行うことにより膜厚25μmの電荷輸送層を形成した。
[表面保護層の形成]
そして、下記に示す化合物を2質量部、メチルトリメトキシシラン2質量部、テトラメトキシシラン1質量部、コロイダルシリカ0.3質量部を、イソプロピルアルコール5質量部、テトラヒドロフラン3質量部、蒸留水3質量部に溶解させ、イオン交換樹脂(0.5部)を加え室温で24時間加水分解させてから、イオン交換樹脂をろ過分離後、アルミニウムトリスアセチルアセトナート0.1部、3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)0.4部加え、コーティング液を調製した。このコーティング液を上記電荷輸送層表面に浸漬塗布し、150℃1時間の乾燥を行うことにより膜厚3μmの表面保護層を得た。
Figure 2006113529
これにより、図5(B)に記載の層構成を有する本発明の中間転写体を得た。
なお、中間転写ベルトA3における中間転写体の表面微小硬度について、中間転写ベルトA1と同様に測定したところ、30度であった。また、中間転写ベルトA3における中間転写体の未照射時の体積抵抗率は、2×1014Ωcm、照射直後の体積抵抗率は、1×1010Ωcm、表面抵抗率は、1×1014Ω/□であった。
<中間転写ベルトA4の作製>
中間転写ベルトA1において、電荷輸送層に、フッ素系樹脂を5質量をさらに添加した以外は同様にして、図5(C)に記載の層構成を有する本発明の中間転写体を得た。
ここで、中間転写ベルトA4における中間転写体の表面微小硬度を測定したところ、18度であった。また、中間転写ベルトA4における中間転写体の体積抵抗率は、3×1014Ωcm、表面抵抗率は、3×1014Ω/□であった。
<中間転写ベルトA5の作製>
中間転写ベルトA3において、表面保護層の形成に、フッ素系樹脂を1質量部を更に添加した以外は同様にして、図5(B)に記載の層構成を有する本発明の中間転写体を得た。
ここで、中間転写ベルトA5における中間転写体の表面微小硬度を測定したところ、20度であった。また、中間転写ベルトA5における中間転写体の未照射時の体積抵抗率は2×1014Ωcm、照射直後の体積抵抗率は、2×1010Ωcm、表面抵抗率は2×1014Ω/□であった。
<中間転写ベルトB1の作製>
(ポリアミド酸溶液(B)の調製)
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)とからなるポリアミド酸のN−メチルー2ピロリドン(NMP)溶液(宇部興産製ユーワニスS(固形分18質量%)に、この溶液中のポリイミド系樹脂を形成することが可能な原料の固形分100質量部に対して、乾燥した酸化処理カーボンブラック(SPECIAL BLACK4(Degussa社製、pH3.0、揮発分:14.0%))を25質量部になるよう添加して、衝突型分散機(ジーナス製GeanusPY)を用い、圧力200MPaで、最小面積が1.4mm2で2分割後衝突させ、再度2分割する経路を5回通過させて、混合して、基材用のカーボンブラック入りポリアミド酸溶液(A)を得た。
(ベルトの形成)
カーボンブラック入りポリアミド酸溶液(B)を、円筒状金型内面に、ディスペンサーを介して塗膜の厚みが0.5mmとなるように塗布し、金型を1500rpmで15分間回転させて均一な厚みを有する塗膜を形成した後、金型を250rpmで回転させながら、金型の外側より60℃の熱風を30分間あてた後、150℃で60分間加熱し、室温にまで冷却して皮膜を形成した。
その後、金型の内面に形成された皮膜を剥離して、この皮膜を金属芯体の外周を覆うように被覆して400℃まで2℃/分の昇温速度で昇温し、更に400℃で30分加熱し、皮膜に残留する溶媒及び脱水閉環水を除去すると共に、イミド転化反応を完結させた。その後、金属芯体を室温にまで冷却した後に、金属芯体表面に形成されたポリイミドフィルムを剥離することにより、厚みが0.08mmの無端ベルト状の基材(中間転写ベルトB1)を得た。
得られた基材(中間転写ベルトB1)のヤング率は3800MPaであり、未照射時・照射時ともに体積抵抗率は1×109.2Ωcm、表面抵抗率は5×1011Ω/□であった。
この中間転写ベルトB1の表面微小硬度および赤色LEDによる光照射前後の体積抵抗率について、中間転写ベルトA1と同様に測定したところ、表面微小硬度は、28度であったが、未照射時および照射直後の体積抵抗率については変化がなく、光導電性を示さなかった。
<中間転写ベルトB2の作製>
中間転写ベルトA1の電荷輸送層の形成において、ナノムパープル(フロンティアカーボン株式社製、C60フラーレン)を1質量部添加したところを添加せずに作製した以外は、実施例1と同様の方法で、図1(A)に記載の層構成を有する中間転写ベルトB2を得た。電荷輸送層の膜厚は、25μmであった。
ここで、比較例1における中間転写体の表面微小硬度について、超微小硬度計DUH−201Sを用いて測定したところ、21度であった。また、実施例1における中間転写体の体積抵抗率は、未照射時・照射時ともに1×1014Ωcm、表面抵抗率は1×1014Ω/□であった。
<中間転写ベルトB3の作製>
中間転写ベルトA3の作製において、ナノムミックス(フロンティアカーボン株式会社製、フラーレン混合物)を1質量部添加したところを、比較例2では添加せずに作製した以外は、実施例2と同様の方法で、図1(B)に記載の層構成を有する本発明の中間転写体を得た。
ここで、比較例3における中間転写体の表面微小硬度について、超微小硬度計DUH−201Sを用いて測定したところ、21度であった。また、実施例1における中間転写体の体積抵抗率は2×1014Ωcm、表面抵抗率は1×1014Ω/□であった。
<中間転写ベルトB4の作製>
電荷発生層および下引き層を設けない以外は中間転写ベルトA1の作製と同様の方法で、中間転写体を作製した。
ここで、比較例3における中間転写体の表面微小硬度について、超微小硬度計DUH−201Sを用いて測定したところ、28度であった。また、実施例1における中間転写体の体積抵抗率は2×1010Ωcm、表面抵抗率は8×1011Ω/□であった。
<クリーニング装置A1の構成>
クリーニング装置A1は、第1の本発明に利用するタイプのブラシ部材とクリーニングブレードを備えた図4(B)に示す構成を有するクリーニング装置である。以下にその詳細を説明する。
−導電性ブラシ−
・材質:導電性ナイロン(太さ:2デニール(約17μm))
・電気抵抗:1×105Ω
・毛足長さ:4mm
・密度:7.8×103本/cm2(5万本/inch2
・中間転写体への食い込み量:約1.5mm
・周速:60mm/s
・回転方向:中間転写体の回転方向に対し順回転)
・ブラシ印加バイアス:+200V
−クリーニングブレード−
厚み2mm、長さ8mmのポリウレタン製のクリーニングブレードを用いた。このクリーニングブレードの各種特性は以下の通りである。
・10℃の反発弾性係数=18%
・40℃の反発弾性係数=60%
・300%モジュラス=2800N/cm2
・引き裂き強度=730N/cm
・100%永久伸び(JIS K6262)=3.8%
また、クリーニングブレードの取り付け条件は以下の通りである。
・当接角=25度
・線圧=0.5N/cm
<クリーニング装置A2の構成>
クリーニング装置A2は、第1の本発明に利用するタイプのブラシ部材を含むクリーニングユニットを2つ備えた図2に示す構成を有するクリーニング装置である。以下にその詳細を説明する。
[第1のクリーニングユニット(中間転写ベルト回転方向上流側)]
−導電性ブラシ−
・材質:導電性ナイロン(太さ:2デニール(約17μm))
・電気抵抗:1×105Ω
・毛足長さ:4mm
・密度:7.8×103本/cm2(5万本/inch2
・中間転写体への食い込み量:約1.5mm
・周速:60mm/s
・回転方向:中間転写体の回転方向に対し順回転)
・ブラシ印加バイアス:+200V
−導電性ロール−
・材質:厚み0.06mmのポリイミド樹脂を被覆した金属芯体
・電気抵抗:5×108Ω
・磨耗量:2mg
・ブラシへの食い込み量:1.5mm
・周速:70mm/s
・印加バイアス:+600V
−スクレーパー−
・材質:SUS304
・厚み:80μm
・食い込み量:1.3mm
・フリーレングス:8.0mm
[第2のクリーニングユニット(中間転写ベルト回転方向下流側)]
−導電性ブラシ−
・材質:導電性ナイロン(太さ:2デニール(約17μm))
・電気抵抗:1×105Ω
・毛足長さ:4mm
・密度:7.8×103本/cm2(5万本/inch2
・中間転写体への食い込み量:約1.5mm
・周速:60mm/s
・回転方向:中間転写体の回転方向に対し順回転
・ブラシ印加バイアス:−400V
−導電性ロール−
・材質:厚み0.07mmのポリイミド樹脂を被覆した金属芯体
・電気抵抗:5×108Ω
・磨耗量:2mg
・ブラシへの食い込み量:1.5mm
・周速:70mm/s
・印加バイアス:−800V
−スクレーパー−
・材質:SUS304
・厚み:80μm
・食い込み量:1.3mm
・フリーレングス:8.0mm
<クリーニング装置B1の構成>
クリーニング装置B1は、第2の本発明に利用するタイプのクリーニングブレードのみを備えたクリーニング装置である。以下にその詳細を説明する。
−クリーニングブレード−
厚み2mm、長さ8mmのポリウレタン製のクリーニングブレードを用いた。このクリーニングブレードの各種特性は以下の通りである。
・10℃の反発弾性係数=18%
・40℃の反発弾性係数=60%
・300%モジュラス=2800N/cm2
・引き裂き強度=730N/cm
・100%永久伸び(JIS K6262)=3.8%
また、クリーニングブレードの取り付け条件は以下の通りである。
・当接角=25度
・線圧=0.5N/cm
<クリーニング装置B2の構成>
クリーニング装置B2は、第2の本発明に利用するタイプのクリーニングブレードのみを備えたクリーニング装置である。以下にその詳細を説明する。
−クリーニングブレードの作製−
ウレタンゴム:1,9−ノナンジオール/2−メチル−1,8−オクタンジオール(モル比65/35)とアジピン酸と、分子量2000のポリエステルポリオージピン酸とを反応させて分子量2000のポリエステルポリオールを得た。このポリエステルポリオール中のエステル濃度は、6.8mmol/gである。
続いて、このポリエステルポリオールと、鎖延長剤として、1,3−プロパンジオールとトリメチロールエタンとの混合物にて反応させ、板厚2mm、長さ8mmのウレタンゴムからなるクリーニングブレードを得た。
なお、このクリーニングブレードの各種特性は以下の通りである。
・10℃の反発弾性係数=22%
・40℃の反発弾性係数=60%
・300%モジュラス=2300N/cm2
・引き裂き強度=840N/cm
・100%永久伸び(JIS K6262)=2.5%
また、クリーニングブレードの取り付け条件は以下の通りである。
・当接角=28度
・線圧=0.3N/cm
<クリーニング装置C1の構成>
クリーニング装置C1は、第2の本発明に利用するタイプのクリーニングブレードと、クリーニングブラシと、固体潤滑剤供給手段とを備えた図4(A)に示す構成を有するクリーニング装置である。以下にその詳細を説明する。
−クリーニングブラシ−
・材質:カーボンを添加したアクリル繊維(太さ:2デニール(約17μm))
・電気抵抗:5×105Ω
・毛足長さ:4mm
・密度:8.5×103本/cm2(5.5万本/inch2
・中間転写体への食い込み量:約1.5mm
・周速:220mm/s
・回転方向:中間転写体の回転方向に対し、順回転
−固体潤滑剤(供給手段)−
ステアリン酸亜鉛を固形化したものを用い、中間転写体の1回転当たりの消費量が0.1μg程度となるようにクリーニングブラシに対する接触状態(食い込み深さ、接触面積等)を調整した。
−クリーニングブレード−
厚み2mm、長さ8mmのポリウレタン製のクリーニングブレードを用いた。このクリーニングブレードの各種特性は以下の通りである。
・10℃の反発弾性係数=18%
・40℃の反発弾性係数=60%
・300%モジュラス=2800N/cm2
・アングル型の引き裂き強度=730N/cm
・100%永久伸び(JIS K6262)=3.8%
また、クリーニングブレードの取り付け条件は以下の通りである。
・当接角=25度
・線圧=0.5N/cm
(評価)
以上に列挙したトナー、中間転写ベルト、および、クリーニング装置を組合せて、下記の方法により評価を行った。
(転写画質の評価)
なお、表1及び表2中の転写画質(ホロキャラ、ブラー)、クリーニング性の評価方法および評価基準は以下の通りである。
−転写画質(ホロキャラ)−
初期画像におけるホロキャラクターの発生状況について、以下の基準により評価した。
◎:画質上の問題なし。
○:ホロキャラクターの発生がわずかであり、画質上の問題はない。
△:ホロキャラクターの発生は少しあるが、画質上の問題は少ない。
×:ホロキャラクターの発生があり、画質上の問題あり。
−転写画質(ブラー)−
初期画像におけるブラーの発生状況について、以下の基準により評価した。
◎:ブラーの発生なし。
○:ブラーの発生は、わずかであり、画質上での問題なし。
△:ブラーの発生は、少しあるが、画質上での問題は少ない。
×:ブラーの発生があり、画質上での問題あり。
−クリーニング性−
連続10000枚印字後のクリーニング性について、以下の基準により判断した。
○:クリーニング性不良なし
△:わずかにクリーニング不良の発生があるが、画質上の問題は少ない
×:クリーニング性不良があり、画質上の問題あり
上記評価方法に基づく結果を、以下の表1及び表2に示す。
Figure 2006113529
Figure 2006113529
(評価結果)
実施例1〜16は、1枚目のプリントサンプルにおいて、濃度ムラやブラー(トナーの飛び散り)の無い均一な画像が得られた。ここで、2次転写直後では、中間転写ベルト22の表面電位は、−300V〜−400V程度の画像パターンに応じていると思われる表面電位ムラがあったが、除電ランプ91の点灯照射後に、除電用導電部材90による除電が行なわれると、中間転写ベルト22の表面電位は−10V〜−30Vの間で、ほぼ均一となった。
続いて、2枚目のプリントサンプルにおいても、濃度ムラやブラー(トナーの飛び散り)の無い均一な画像が得られた。また、同様に、連続して、10000枚出力したが、濃度ムラ、ブラー(トナーの飛び散り)の無いオフセット印刷並の良好な画像が得られた。
比較例1〜5は、中間転写ベルトにフラーレンを含有していない。ここで、1枚目のプリントサンプルにおいては、濃度ムラの少ない画像が得られた。しかし、2枚目以降のプリントサンプルでは、濃度ムラが発生し、連続で画質評価はできなかった。
比較例6に用いた中間転写ベルトは、電荷発生層を設けなかったため光導電層を有しない。このような中間転写ベルトを用いて画像を形成すると、トナーが飛び散るなどの画質欠陥が発生し、画質は問題のあるレベルであった。
表1及び表2に示すように、中間転写体表面層がフラーレンを含有してなる光導電層であり、外周面が、光が照射されない状態では誘電体であり体積抵抗率が高く、且つ、光が照射されると導電性を示す機能を有する中間転写体を用い、2次転写部を通過した後の前記中間転写体の外周面を、光照射することにより除電する光除電手段とを備える画像形成装置の場合、特に、前記光除電手段の光照射により除電された後の前記中間転写体の外周面をクリーニングするクリーニング手段を更に備える場合には、トナー飛散の発生を抑制すると共に、より小径化・略球形化したトナーを用いたとしても2次転写後の中間転写体表面に残留するトナーのクリーニング性に優れ、高品質の画像を安定して形成することができた。
本発明の画像形成装置の一構成例を示す概略模式図である。 本発明の画像形成装置に好適に用いることのできるクリーニング装置の一構成例を示す概略模式図である。 本発明の画像形成装置の他の例を示す概略模式図である。 本発明の画像形成装置に好適に用いることのできるクリーニング装置の他の一構成例を示す概略模式図である。 本発明に用いられる中間転写体の構成例を示す概略断面図であり、(A)は本発明の中間転写体100aの構成を示す概略断面図であり、(B)は本発明の中間転写体100bの構成を示す概略断面図であり、(C)は本発明の中間転写体100cの構成を示す概略断面図であり、(D)は本発明の中間転写体100dの構成を示す概略断面図である。 円形電極の一例を示す概略平面図(A)及び概略断面図(B)である。 表面層の表面微小硬度の測定原理を示す模式図である。 特許文献11である特開平7−146616号公報記載の技術の説明図である。 特許文献11である特開平7−146616号公報記載の技術の説明図である。 特許文献12である特開平5−257398号公報記載の技術の説明図である。 特許文献12である特開平5−257398号公報記載の技術により2色目の現像像を転写する場合に生じる問題点の説明図である。 特許文献13である特開平6−282181号公報記載の光照射により抵抗値の低下する中間転写体を使用して光照射により転写を行う技術の説明図である。 特許文献13である特開平6−282181号公報記載の加圧力により抵抗値の低下する中間転写体を使用して加圧力の印加により転写を行う技術の説明図である。
符号の説明
10、15 クリーニング装置
11a、11b 導電性ブラシ
12a、12b 導電ロール
13a、13b スクレーパー
14、19 筐体
16 クリーニングブレード
17 クリーニングブラシ
18 固体潤滑剤供給手段
21 感光体ドラム(像担持体)
22 中間転写ベルト(中間転写体)
23 バイアスローラー(2次転写部)
24 用紙トレイ
25 ブラック現像器
26 イエロー現像器
27 マゼンタ現像器
28 シアン現像器
33 剥離爪
41、43,44 ベルトローラー
42 バックアップローラー
45 導電性ロール(1次転写部)
46 電極ローラー
50 除電ロール
51 クリーニングブレード
61 記録紙(転写材)
62 ピックアップローラー
63 フィードローラー
71 トナーカートリッジ
72 定着ロール
73 バックアップロール
74 テンションロール
75 2次転写ロール
76 用紙経路
77 用紙トレイ
78 レーザー発生装置
79 感光体
80 1次転写ロール
81 駆動ロール
83 帯電ロール
84 感光体クリ−ナー
85 現像器
86 中間転写ベルト(中間転写体)
90 除電用導電部材
91 除電ランプ
100a、100b、100c、100d 中間転写体
110 基材
113 接着層
115 弾性層
120 表面層
122 下引層
124 電荷発生層
126 電荷輸送層
128 表面保護層
150 針状圧子
152 表面層
T トナー
Q3 1次転写領域
Q4 2次転写領域
Q5 除電領域

Claims (8)

  1. 少なくとも、基材と、該基材上に設けられた表面層と、を有する中間転写体であって、
    前記表面層がフラーレンを含有してなる光導電層であることを特徴とする中間転写体。
  2. 前記光導電層が、少なくとも電荷発生層と電荷輸送層とを有し、
    該電荷発生層は、前記基材と前記電荷輸送層との間に設けられてなり、
    前記電荷輸送層が、フラーレンを含有してなることを特徴とする請求項1に記載の中間転写体。
  3. 前記表面層のうち基材から最も遠い層が、フッ素系樹脂を含有してなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の中間転写体。
  4. トナー像がその表面に形成される像担持体と、
    外周面が前記像担持体表面に当接し、前記トナー像を前記像担持体表面から前記外周面へと転写する1次転写部、及び前記外周面に転写された前記トナー像を転写材へと転写する2次転写部を有する回転体で構成される中間転写体と、
    前記2次転写部を通過した後の前記中間転写体の外周面を光照射する光除電手段と、を少なくとも備え
    前記中間転写体が、請求項1〜3のいずれか1項に記載の中間転写体であることを特徴とする画像形成装置。
  5. 更に、前記除電後の前記中間転写体の外周面をクリーニングするクリーニング手段を備え、
    前記クリーニング手段が、前記中間転写体の外周面に当接するブラシ部材を含むクリーニングユニットを1つ以上含み、前記中間転写体の外周面をクリーニングする際に、前記ブラシ部材に電圧が印加されることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 更に、前記除電後の前記中間転写体の外周面をクリーニングするクリーニング手段を備え、
    前記クリーニング手段が、前記中間転写体の外周面に当接するクリーニングブレードを含むことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  7. 前記クリーニング手段が、前記中間転写体の外周面に当接し回転可能なクリーニングブラシと、前記クリーニングブラシを介して固体潤滑剤を前記中間転写体の外周面に塗布する潤滑剤塗布手段とを含み、
    前記クリーニングブラシが前記クリーニングブレードに対して、前記中間転写体の回転方向上流側に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記トナーの下式(1)で定義される形状係数SFが、100〜140の範囲内であることを特徴とする請求項4〜請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
    式(1); SF=〔(トナー粒子の最大長)2×π×100〕/〔トナー粒子の投影面積×4〕
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