JP5102272B2 - 模様面の形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、建築物、土木構造物等の表面化粧に好適な模様面の形成方法に関するものである。
従来、建築物の内外壁面、天井、床等、あるいは土木構造物の表面等に対し、各種色彩による模様を形成する方法が種々提案されている。その一つとして、特開2000−24587号公報(特許文献1)には、筋状の多彩模様を形成する方法が記載されている。該公報に記載の方法は、有機溶剤型塗料を塗装した後、その表面にローラをローリングさせて筋状の凹凸を形成させ、次いで茶色塗料を塗装し、さらに黒色塗料を塗装してその凸部のみを拭き取る、というものである。
しかしながら、このような方法は非常に繁雑であり、多大な手間と時間を要するという問題点がある。また、塗装作業者の熟練した技能を必要とするため、その仕上り具合は作業者の熟練度合によって大きく左右されやすく、常に一定水準の品質で仕上げられるというものではない。
特開2006−326494号公報(特許文献2)には、平均粒径10〜100メッシュの骨材を含む着色塗料を塗装後、多彩模様塗料を配り塗りし、次いで当該塗料をコテ、ヘラ等の押え具で引き押える塗装方法が記載されている。
しかしながら、特許文献2の方法は、筋状の模様を形成するのに適したものではない。
特開2000−24587号公報 特開2006−326494号公報
本発明はこのような点に鑑みなされたものであり、その目的は、塗装作業者の熟練度合に頼ることなく、比較的簡単な作業で、美観性に優れた多様な筋状模様が形成できる方法を提供することである。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、基材に対し、特定の塗材によって下地面を形成後、着色粒子を含む上塗材を塗付し、その塗膜の乾燥前に、特定のブラシを用いて該着色粒子を引き伸ばす方法に想到し、本発明を完成させるに到った。
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
基材に対し、
(1)平均粒子径100μm未満の粉体、及び/または平均粒子径0.1mm以上5mm以下の骨材を含む塗材を用いて下地面を形成する工程、
(2)前記下地面に対し、着色塗料が内包された着色粒子を少なくとも1種以上含む上塗材を塗付し、下地面上に着色粒子を分散配置する工程、
(3)前記上塗材の乾燥前に、先端部の毛密度が1000本/cm以下であるブラシを用いて、前記着色粒子を引き伸ばす工程、
(4)前記上塗材を乾燥させる工程、
を行うことを特徴とする模様面の形成方法。
2.前記工程(1)が、
樹脂成分、及び平均粒子径100μm未満の粉体を必須成分とし、当該樹脂成分の固形分100重量部に対し当該粉体を100重量部以上含む粉体含有塗材を用いて、起伏を有する下地面を形成する工程、
であることを特徴とする1.記載の模様面の形成方法。
3.前記工程(1)が、
平均粒子径0.1mm以上5mm以下の骨材を含む骨材含有塗材を1種以上用いて、骨材による凹凸が形成された凹凸領域と、当該凹凸領域よりも凹凸が平坦化された平坦領域とが混在した下地面を形成する工程、
であることを特徴とする1.記載の模様面の形成方法。
4.前記工程(1)では、
平均粒子径0.1mm以上5mm以下の骨材を含む骨材含有塗材を1種以上塗付し、
その塗面の一部の領域において、骨材を埋没させる処理、骨材を露出させる処理、及び骨材を除去する処理から選ばれる1種以上の処理を施すことにより、
骨材による凹凸が形成された凹凸領域と、当該凹凸領域よりも凹凸が平坦化された平坦領域とが混在した下地面を形成する
ことを特徴とする3.記載の模様面の形成方法。
5.前記工程(1)では、
少なくとも1種以上の骨材含有塗材を、部分的に塗付する
ことを特徴とする3.または4.記載の模様面の形成方法。
6.前記工程(1)では、
骨材の平均粒子径及び/または含有比率が異なる2種以上の骨材含有塗材を用いることを特徴とする3.〜5.のいずれかに記載の模様面の形成方法。
本発明によれば、塗装作業者の熟練度合に頼ることなく、比較的簡単な作業で、多様な筋状模様が混在する美観性に優れた模様面が形成できる。
以下、本発明をその実施の形態に基づき詳細に説明する。
本発明は、主に、建築物の内外壁面、天井、床等、あるいは土木構造物の表面等に適用することができる。このような部位を構成する基材としては、例えば、コンクリート、モルタル、サイディングボード、押出成形板、石膏ボード、パーライト板、合板、プラスチック板、金属板、木工板、ガラス、煉瓦、陶磁器タイル等の各種基材が挙げられる。
これら基材は、何らかの表面処理(フィラー処理、サーフェーサー処理、シーラー処理等)が施されたものや、予め着色塗料等で着色されたものでもよく、既に塗膜が形成されたものや、壁紙が貼り付けられたものであってもよい。
上記基材に対し、まず工程(1)として、平均粒子径100μm未満の粉体、及び/または平均粒子径0.1mm以上5mm以下の骨材を含む塗材を用いて下地面を形成する。本発明では、このような塗材を用いることにより、下地面に起伏や凹凸を付与することが可能となる。そして本発明では、このような下地面と、後述のブラシとの相乗作用によって、多様な筋状模様を形成することが可能となる。さらに、筋状模様における筋どうしの境界部の滲みを抑制し、異色の筋が接した際の濁り等を抑制することもできる。
このうち、粉体としては、平均粒子径が100μm未満であれば、その材質は特に限定されず、各種体質顔料、着色顔料等が使用できる。具体的に、体質顔料としては、例えば、重質炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、軽微性炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、カオリン、陶土、チャイナクレー、タルク、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、ホワイトカーボン、珪藻土、中空ビーズ等が挙げられる。
着色顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、酸化第二鉄(ベンガラ)、黄色酸化鉄、酸化鉄、酸化珪素、群青、コバルトグリーン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化インジウム、アルミナ等の無機着色顔料、アゾ系、ナフトール系、ピラゾロン系、アントラキノン系、ペリレン系、キナクリドン系、ジスアゾ系、イソインドリノン系、ベンゾイミダゾール系、フタロシアニン系、キノフタロン系等の有機着色顔料、パール顔料、アルミニウム顔料、蛍光顔料等が挙げられる。
この他、粉体としては、後述の骨材で例示されるものと同様の材料で、平均粒子径が100μm未満のもの等を使用することもできる。
なお、粉体の平均粒子径は、遠心沈降式粒度分布測定装置によって測定される50%粒子径の値である。
骨材としては、平均粒子径が上記範囲内のものであれば材質は特に限定されず、例えば、寒水石、珪砂、砂利、ガラスビーズ、樹脂ビーズ、金属粒、あるいは岩石、ガラス、陶磁器、貝殻、焼結体、コンクリート、モルタル、プラスチック、ゴム等の破砕品等が使用できる。これらは、着色処理が施されたものであってもよい。
なお、骨材の平均粒子径は、JIS Z8801−1:2000に規定される金属製網ふるいを用いてふるい分けを行い、その重量分布の平均値を算出することによって得られる値である。
本発明では、下地面を形成する工程において、上記粉体を必須成分として含む粉体含有塗材、及び/または、上記骨材を必須成分として含む骨材含有塗材を使用する。以下、それぞれの塗材を用いた場合における好適な実施態様について詳述する。
(1)実施態様1
実施態様1として、粉体含有塗材を用いた場合の態様について説明する。
実施態様1では、上記基材に対し、まず工程(1)として、粉体含有塗材を用いて、起伏を有する下地面を形成する。
実施態様1における粉体含有塗材は、樹脂成分、及び平均粒子径100μm未満(好ましくは0.5μm以上50μm以下、より好ましくは1μm以上45μm以下)の粉体を必須成分として含むものである。このような粉体含有塗材は、後述の工程(3)における着色粒子の引き伸ばしに有効に作用するものである。
粉体含有塗材中の樹脂成分については、結合材として作用するものが使用できる。本発明では、水分散性樹脂及び/または水溶性樹脂が好適である。樹脂の種類としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体等、あるいはこれらの複合物等が挙げられる。このような樹脂成分は、塗膜形成後に架橋反応を生じる性質を有するものであってもよい。
粉体については、前述のものが使用できる。
粉体含有塗材としては、樹脂成分の固形分100重量部に対し、上記粉体を100重量部以上(好ましくは300〜2000重量部、より好ましくは500〜1800重量部)含むものを使用することが望ましい。とりわけ平均粒子径0.5μm以上50μm以下(さらには1μm以上45μm以下)の粉体を上記比率で含むものが好適である。
本発明では、このような粉体を用いることで、下地面に起伏を形成することが容易となる。また、下地面の表層においてマイクロオーダー以下の微細な凹凸等が形成され、引き伸ばし時の着色粒子の潰れ具合や伸び性等が適度な状態となる。上記粉体が100重量部よりも少ない場合は、多様な筋状模様が得られ難くなる。
粉体含有塗材は、上記成分を公知の方法によって均一に混合することで製造することができるが、必要に応じ通常塗材に使用可能なその他の成分を混合することもできる。このような成分としては、例えば、増粘剤、造膜助剤、レベリング剤、可塑剤、凍結防止剤、pH調整剤、希釈剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、分散剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、繊維、触媒、架橋剤等が挙げられる。
粉体含有塗材は、本発明の効果を阻害しない範囲内において、平均粒子径が100μm以上の骨材を含むものであってもよい。但し、その比率は、粉体含有塗材に含まれる樹脂成分の固形分100重量部に対し、300重量部以下(好ましくは100重量部以下、より好ましくは30重量部以下)とすることが望ましく、平均粒子径が100μm以上の骨材を含まない態様も好適である。このように比較的大きな粉粒体の比率を制限することにより、着色粒子の引き伸ばし時における伸び性が高まり、明瞭な筋状模様を形成することが可能となる。
粉体含有塗材の塗装方法としては、特に限定されず、吹付け塗装、ローラー塗装、刷毛塗り、コテ塗り等の方法を採用することができる。粉体含有塗材の塗付け量は、好ましくは0.2〜8kg/m(より好ましくは0.5〜6kg/m)程度である。
上記粉体含有塗材の塗装後、当該塗材を乾燥させることで、下地面が形成される。粉体含有塗材の乾燥は、通常、常温(0〜40℃程度)で行えばよい。また、粉体含有塗材の乾燥は、次工程において不具合が生じないように、適宜時間を設定して行えばよい。
下地面の色調は、上塗材の色調、最終的な仕上り性等を勘案して適宜設定することができる。下地面を着色するには、着色顔料等を用いて粉体含有塗材を所望の色調に調整すればよい。この際、下地面の色調を、上塗材に近似した色相(共色)に設定しておけば、下地面が露出した場合であっても違和感のない仕上りとなる。
実施態様1では、起伏を有する下地面を形成する。このような起伏を設けることにより、工程(3)において形成される筋の長さ、幅、連続性等に変化が生じ、筋状模様の多様性を高めることが可能となる。
このような起伏は、種々の凹凸模様(パターン)からなるものであり、模様の種類としては、例えば、ゆず肌模様、さざ波模様、スタッコ模様、吹放し模様、月面模様、櫛引模様、虫喰模様等が挙げられる。起伏の高低差は、好ましくは0.2〜5mm(より好ましくは0.3〜3mm)程度である。
このような起伏は、粉体含有塗材の塗付時から上塗材塗付前までの間に設けることができる。具体的な手段としては、例えば以下の方法が挙げられる。
(ア)粉体含有塗材塗付時に、模様塗りを行うことにより起伏を設ける方法。
(イ)粉体含有塗材塗付後、その乾燥前にその一部を除去したり、押圧したりすることにより起伏を設ける方法。
(ウ)粉体含有塗材の乾燥後、その塗膜を部分的に切削することにより起伏を設ける方法。
上記(ア)では、塗装器具の種類とその使用方法を適宜選定したり、塗材の粘性を調整したりすることで、種々のパターンが得られる。上記(イ)では、塗材が乾燥するまでに、その塗面をデザインローラー、コテ、刷毛、櫛、へら等で処理することで、種々のパターンを形成することができる。また、上記(ウ)では、研磨具、切削具等を用いることができる。このうち本発明では、上記(ア)及び/または(イ)の方法が好適である。
工程(2)では、上記下地面に対し、着色塗料が内包された着色粒子を少なくとも1種以上含む上塗材を塗付し、下地面上に着色粒子を分散配置する。
工程(2)で用いる上塗材としては、次の工程(3)での引き伸ばしによる模様形成が可能であれば特に制限されず、一般に多彩模様塗料として知られている材料を使用することができる。多彩模様塗料は、JIS K5667(2002)「多彩模様塗料」に規定されており、塗料を構成する分散媒と着色粒子の組み合わせによって、水中油型(O/W型)、油中水型(W/O型)、油中油型(O/O型)及び水中水型(W/W型)の4種類に分類される。本発明における上塗材としては、特に、水中油型(O/W型)または水中水型(W/W型)の多彩模様塗料が好適である。
着色粒子内部の着色塗料は、工程(3)での引き伸ばしによる模様形成が可能であれば、ある程度ゲル化した状態であってもよい。
着色粒子の色相は、最終的に形成される模様に応じて適宜設定すればよい。本発明において使用する上塗材としては、通常2色以上、好ましくは3〜8色程度の着色粒子が含まれるものが好適である。
上塗材における着色粒子の粒径も、最終的に形成される模様に応じて適宜設定すればよいが、好ましくは0.01〜5mm、より好ましくは0.1〜2mm程度である。粒子径が異なる着色粒子を種々組み合せることによって、意匠性の幅を広げることもできる。
工程(2)では、上塗材を吹き付け塗装することにより、下地面上に着色粒子を分散配置することができる。この際、上塗材の種類、下地面の起伏の状態等によっては、吹き付け塗装に代えて、ローラー塗装、刷毛塗り等の方法を採用することもできる。また、必要に応じ、上塗材塗付後に別途分散配置処理を行うことも可能である。
上塗材の塗付け量は、最終的な模様の種類によって異なるが、好ましくは0.1〜1kg/m程度である。
工程(3)は、上記上塗材の乾燥前に、特定のブラシを用いて、着色粒子を引き伸ばす工程である。この工程(3)では、先端部の毛密度が1000本/cm以下であるブラシを用いる。このようなブラシを用いることで、上記下地面の起伏による作用と相俟って、大半の着色粒子はその形状が崩れ、粒子内部の液状着色塗料による筋を形成する。と同時に、長く引き伸ばされる着色粒子に混じって、相対的にあまり引き伸ばされない着色粒子が混在することとなる。また、筋の幅についても、種々の幅のものが混在する模様が形成される。すなわち、実施態様1では、上記粉体含有塗材によって下地面に起伏を設けるとともに、このような特定ブラシを用いて引き伸ばしを行うことにより、多様性に富む筋状模様を形成することができる。さらに、筋状模様における筋どうしの境界部の滲みを抑制し、異色の筋が接した際の濁り等を抑制することもできる。なお、ブラシの先端部とは、引き伸ばし時に下地面に接する部分のことである。
上記ブラシにおける先端部の毛密度は、好ましくは10本/cm以上500本/cm以下、より好ましくは30本/cm以上300本/cm以下である。なお、ここに言う毛密度は、乾燥したブラシを、その毛の先端部が下を向くようにぶら下げ、これを下方から観察したときの先端部1cm当たりの毛の本数を示すものである。
上記ブラシに代えて、先端部の毛密度が1000本/cmを超えるブラシや、一般的なコテ、ヘラ等を用いた場合は、引き伸ばしに供された着色粒子が全般にわたり一様に潰れた状態となり、筋状模様の多様性、美観性等の点で不十分となる。
工程(3)で用いるブラシは、上記条件を満たすように複数の毛が束ねられた毛の集合体を有するものであればよい。毛としては、例えば、ホウキギ、アシ、イグサ、ヤシ、シダ、シュロ、竹等の植物繊維からなるもの、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の合成繊維からなるもの、牛、馬、豚、羊、猪等の獣毛からなるもの等が挙げられる。
毛の直径としては、5〜100μm程度のものが好適である。このような直径であれば、適度な柔軟性が発現されやすく、本発明の効果を安定して得ることができる。
工程(3)におけるブラシへの荷重は、毛の先端部が下地面に接した際に著しい変形を生じない程度とすればよい。この程度の荷重であれば、筋状模様の多様性、美観性において十分な効果が得られ、下地面の傷付き防止等の点でも好適である。
ブラシで着色粒子を引き伸ばす方向は、所望の模様に応じて設定すればよい。例えば、直線的な模様を形成する場合には、一定方向へまっすぐに引き伸ばせばよい。円弧状の模様を形成する場合には、半円を描くように引き伸ばせばよい。その他ランダムに引き伸ばしを行なうこともできる。
工程(4)では、上記上塗材を乾燥させる。乾燥は、通常、常温で行えばよい。
実施態様1では、以上の工程を順に行うことにより、美観性に優れた多様な筋状の多彩模様が形成できる。本発明では、ランダムな筋状模様が形成されるため、上塗材の塗り継ぎ、補修等を行った場合においても違和感のない仕上状態を得ることができる。
工程(4)の後には、必要に応じ、クリヤー塗料を塗付することもできる。特に耐候性が要求される構造物外部の部位に施工する際には、保護の目的でクリヤー塗料を塗付するのが好ましい。
また、本発明では、通常、下地面に対し直接上塗材を塗付するが、本発明の効果を阻害しない限り、必要に応じ中塗材等を塗付した後に上塗材を塗付することも可能である。
また、目地棒や目地型枠等の目地材の使用によって、格子状、幾何学模様状等の目地部を形成することもできる。この場合は、目地色となる色調で塗装を施した基材に、目地材を貼り付けた後、上記工程(1)〜(4)を行い、その後に目地材を除去すればよい。
(2)実施態様2
次に、実施態様2として、骨材含有塗材を用いた場合の好適な態様について説明する。
実施態様2では、上記基材に対し、工程(1)として、平均粒子径0.1mm以上5mm以下の骨材を含む骨材含有塗材を1種以上用いて、骨材による凹凸が形成された凹凸領域と、当該凹凸領域よりも凹凸が平坦化された平坦領域とが混在した下地面を形成する。
この骨材含有塗材における骨材としては、前述のものが使用できる。骨材の平均粒子径が0.1mmよりも小さい場合は、凹凸領域における凹凸の程度が不十分となり、凹凸領域と平坦領域の差に基づく効果が得られ難くなる。骨材の平均粒子径が5mmを超える場合は、塗装作業等に支障をきたすおそれがあり、実用的ではない。実施態様2では、特に、平均粒子径0.15mm以上3mm以下(好ましくは0.2mm以上2mm以下)の骨材を含む骨材含有塗材が好適である。
実施態様2における骨材含有塗材は、樹脂成分を含むベース塗材と、上記骨材との混合物である。骨材含有塗材における骨材の含有比率は、ベース塗材の固形分100重量部に対し、好ましくは10〜2000重量部、より好ましくは30〜1000重量部、さらに好ましくは50〜500重量部程度である。骨材の含有比率がこのような範囲内であれば、凹凸領域と平坦領域が形成しやすくなり好適である。
ベース塗材における樹脂成分は、結合材として作用するものであり、本発明では水分散性樹脂及び/または水溶性樹脂が好適である。樹脂の種類としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体等、あるいはこれらの複合物等が挙げられる。このような樹脂成分は、塗膜形成後に架橋反応を生じる性質を有するものであってもよい。
上記ベース塗材としては、樹脂成分に加え、平均粒子径0.1mm未満の粉体を含むものが好適である。このような粉体としては、上述の各種体質顔料、着色顔料等が使用できる。粉体の混合比率は、ベース塗材中の樹脂固形分100重量部に対し、好ましくは10〜1000重量部、より好ましくは20〜500重量部、さらに好ましくは30〜300重量部程度である。
ベース塗材は、上記成分の他、通常塗材に混合可能な種々の成分を含むことができる。このような成分としては、例えば、希釈剤、造膜助剤、硬化剤、可塑剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、増粘剤、消泡剤、レベリング剤、界面活性剤、顔料分散剤、沈降防止剤、たれ防止剤、湿潤剤、触媒、硬化促進剤、脱水剤、消泡剤、艶消剤、凍結防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤等が挙げられる。
骨材含有塗材の色調は、最終的な仕上り性等を勘案して適宜設定することができる。骨材含有塗材を着色するには、着色顔料等を用いて所望の色調に調整すればよい。この際、骨材含有塗材の色調を、上塗材に近似した色相(共色)に設定しておけば、下地面が露出した場合であっても違和感のない仕上りとなる。
骨材含有塗材の塗装方法としては、特に限定されず、吹付け塗装、ローラー塗装、コテ塗り等の方法を採用することができる。骨材含有塗材の塗付け量は、好ましくは0.2〜8kg/m(より好ましくは0.5〜6kg/m)程度である。
実施態様2では、上記骨材含有塗材の塗付時ないし塗付後に、その塗面の一部の領域に対し、骨材を埋没させる処理(a)、骨材を露出させる処理(b)、及び骨材を除去する処理(c)から選ばれる1種以上の処理を施すことが望ましい。このような処理により、骨材による凹凸が形成された凹凸領域と、当該凹凸領域よりも凹凸が平坦化された平坦領域とが混在した下地面を形成することができる。なお、本発明における平坦化とは、下地面において、骨材による凸部の高さ及び/または密度が相対的に小さくなることを意味する。
上記処理(a)は、骨材を埋没させる処理である。このような処理は、通常、骨材含有塗材の塗付時、ないし骨材含有塗材の塗面の乾燥前までに行えばよい。
処理(a)では、骨材含有塗材の塗面に露出した状態の骨材を、押圧することにより、骨材がベース塗材内に埋没した状態となる。押圧の際には、各種押圧具を使用すればよい。押圧具としては、骨材を埋没させることが可能なものであればよく、例えば、コテ、ヘラ、プラスチックローラー等が使用できる。その他、種々の板材やデザインローラー等も使用可能である。
上記処理(b)は、骨材を露出させる処理である。このような処理は、通常、骨材含有塗材の塗付時、ないし骨材含有塗材の塗面の乾燥前までに行えばよい。
処理(b)では、ベース塗材内に埋没した状態の骨材を露出させるため、骨材周辺のベース塗材を除去すればよい。
ベース塗材を除去するには、例えば、ベース塗材を掻き取る方法や、吸収する方法等を採用することができる。このうち、前者では、ブラシ等を用いて骨材周辺のベース塗材を除去すればよい。後者では、スポンジ、布等の吸液性材料を塗面に接触させる手段を用いることができる。
また、これらの方法を行う際には、ベース塗材を軟化または溶解させることで、作業の効率化を図ることもできる。ベース塗材を軟化または溶解させるには、ベース塗材の塗面に、水、溶剤等の媒体が接触するようにして処理を行えばよい。
上記処理(c)は、骨材を除去する処理である。このような処理は、骨材含有塗材の塗付時、ないし骨材含有塗材の塗面の乾燥前までに行えばよいが、場合により、骨材含有塗材の塗面の乾燥後に行うこともできる。
処理(c)では、骨材含有塗材の塗面に露出した状態の骨材を除去し、その周辺のベース塗材が残存するように処理すればよい。また、処理(c)では、骨材を除去した箇所に著しい凹み等が残存しないように、骨材除去の方法やタイミング等を選定すればよい。除去の際には、例えば、刷毛、研磨紙等を用いることができる。
本発明では、工程(1)において、平坦な基材に対し、少なくとも1種以上の上記骨材含有塗材を、基材の一部の領域に部分的に塗付することによって、凹凸領域と平坦領域とが混在した下地面を形成することもできる。この方法では、通常、骨材含有塗材による塗膜の一部ないし全部が凹凸領域となり、基材が平坦領域となる。また、この方法では、上記(a)〜(c)の処理を行ってもよいが、省略することもできる。
さらに、工程(1)では、骨材の平均粒子径及び/または含有比率が異なる2種以上の骨材含有塗材を用いることによって、凹凸領域と平坦領域とが混在した下地面を形成することもできる。この方法では、通常、平均粒子径が大きい骨材を含む塗材による塗膜の一部ないし全部が凹凸領域となり、相対的に平均粒子径が小さい骨材を含む塗材による塗膜の一部ないし全部が平坦領域となる。一方、骨材の含有比率については、その含有比率が高い塗材による塗膜の一部ないし全部が凹凸領域となり、相対的に含有比率が低い塗材による塗膜の一部ないし全部が平坦領域となる。この方法において、上記(a)〜(c)の処理は行ってもよいが、省略することも可能である。
以上の工程(1)により得られる凹凸領域、平坦領域の形状、面積等は、所望の仕上面が得られるように適宜設定すればよい。本発明では、例えば、一方の領域の中に他方の領域が島状に散在する状態、一方の領域の中に他方の領域が線状に存在する状態、それぞれの領域が交互に並んだ状態等を形成することが可能である。
また、実施態様2で得られる下地面には、起伏を設けることもできる。このような起伏は、骨材の凹凸よりも大きなものであればよい。
工程(2)では、上記下地面に対し、着色塗料が内包された着色粒子を少なくとも1種以上含む上塗材を塗付し、下地面上に着色粒子を分散配置する。この工程(2)は、実施態様1と同様の方法で行えばよい。
工程(3)は、上記上塗材の乾燥前に、特定のブラシを用いて、着色粒子を引き伸ばす工程である。このブラシとしては、実施態様1と同様のものが使用できる。
上述の通り、実施態様2における下地面では、骨材による凹凸が形成された凹凸領域と、当該凹凸領域よりも凹凸が平坦化された平坦領域とが混在した状態となっている。このような下地面の平坦領域において、上塗材に含まれる着色粒子は、比較的長く引き伸ばされる。他方、凹凸領域では、骨材が障壁となって着色粒子が伸びにくいため、比較的短い筋状模様や、不連続な筋状模様が形成される。
さらに、この工程(3)では、上記ブラシを用いることで、上記下地面の凹凸による作用と相俟って、大半の着色粒子はその形状が崩れ、粒子内部の液状着色塗料による筋を形成する。と同時に、長く引き伸ばされる着色粒子に混じって、相対的にあまり引き伸ばされない着色粒子が混在することとなる。また、筋の幅についても、種々の幅のものが混在する模様が形成される。すなわち、実施態様2では、上記下地面に凹凸領域と平坦領域を設けるとともに、このような特定ブラシを用いて引き伸ばしを行うことにより、多様性に富む筋状模様を形成することができる。さらに、筋状模様における筋どうしの境界部の滲みを抑制し、異色の筋が接した際の濁り等を抑制することもできる。
上記ブラシに代えて、先端部の毛密度が1000本/cmを超えるブラシや、一般的なコテ、ヘラ等を用いた場合は、引き伸ばしに供された着色粒子が全般にわたり一様に潰れた状態となり、筋状模様の多様性、美観性等の点で不十分となる。
工程(3)におけるブラシへの荷重は、毛の先端部が下地面に接した際に著しい変形を生じない程度とすればよい。この程度の荷重であれば、筋状模様の多様性、美観性において十分な効果が得られ、下地面の傷付き防止等の点でも好適である。
ブラシで着色粒子を引き伸ばす方向は、所望の模様に応じて設定すればよい。例えば、直線的な模様を形成する場合には、一定方向へまっすぐに引き伸ばせばよい。円弧状の模様を形成する場合には、半円を描くように引き伸ばせばよい。その他ランダムに引き伸ばしを行なうこともできる。
工程(4)では、上記上塗材を乾燥させる。この工程(4)は、実施態様1と同様の方法で行えばよい。
また、実施態様2では、実施態様1と同様に、必要に応じ、中塗材や目地材等を使用することもできる。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
(粉体含有塗材)
粉体含有塗材としては、以下に示すものを用意した。
・粉体含有塗材1
アクリル樹脂エマルション(樹脂固形分50重量%)200重量部に、重質炭酸カルシウム(平均粒子径5μm)400重量部、重質炭酸カルシウム(平均粒子径20μm)1300重量部、酸化チタン(平均粒子径0.3μm)30重量部、黄色酸化鉄(平均粒子径0.8μm)5重量部、水350重量部、造膜助剤15重量部、分散剤8重量部、増粘剤5重量部を均一に混合して粉体含有塗材1を得た。
・粉体含有塗材2
アクリル樹脂エマルション(樹脂固形分50重量%)200重量部に、重質炭酸カルシウム(平均粒子径5μm)500重量部、重質炭酸カルシウム(平均粒子径40μm)200重量部、酸化チタン(平均粒子径0.3μm)20重量部、黄色酸化鉄(平均粒子径0.8μm)8重量部、水280重量部、造膜助剤15重量部、分散剤5重量部、増粘剤8重量部を均一に混合して粉体含有塗材2を得た。
・粉体含有塗材3
アクリル樹脂エマルション(樹脂固形分50重量%)200重量部に、寒水石(平均粒子径250μm)1300重量部、酸化チタン(平均粒子径0.3μm)30重量部、黄色酸化鉄(平均粒子径0.8μm)5重量部、水100重量部、造膜助剤15重量部、分散剤2重量部、増粘剤4重量部を均一に混合して粉体含有塗材3を得た。
(骨材含有塗材)
骨材含有塗材としては、以下に示すものを用意した。
・ベース塗材1
アクリル樹脂エマルション(樹脂固形分50重量%)200重量部、重質炭酸カルシウム(平均粒子径5μm)120重量部、酸化チタン(平均粒子径0.3μm)25重量部、黄色酸化鉄(平均粒子径0.8μm)4重量部、増粘剤2重量部、造膜助剤18重量部、消泡剤1重量部を均一に攪拌混合してベース塗材1を得た。
・骨材含有塗材1
上記ベース塗材1の固形分100重量部に、寒水石(平均粒子径0.25mm)80重量部、及び珪砂(粒子径0.5〜2mm、平均粒子径1.2mm)210重量部を均一に混合して、骨材含有塗材1を得た。
・骨材含有塗材2
上記ベース塗材1の固形分100重量部に、寒水石(平均粒子径0.25mm)60重量部を均一に混合して、骨材含有塗材2を得た。
また、比較用塗材として、以下に示すものを用意した。
・比較用塗材
アクリル樹脂エマルション(樹脂固形分50重量%)200重量部、水200重量部、造膜助剤15重量部、増粘剤2重量部を均一に混合して比較用塗材を得た。
(上塗材)
上塗材としては、以下に示すものを用意した。
・上塗材1
褐色粒子(アクリル樹脂、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、二酸化チタン、脂肪族炭化水素系溶剤を主成分とする着色塗料の粒状物、粒子径約2mm)と黒色粒子(アクリル樹脂、黒色酸化鉄、脂肪族炭化水素系溶剤を主成分とする着色塗料の粒状物、粒子径約1mm)が水性媒体中に分散した水中油型の多彩模様塗料。褐色粒子:黒色粒子=8:2(重量比率)。
・上塗材2
白色粒子(アクリル樹脂、二酸化チタン、脂肪族炭化水素系溶剤を主成分とする着色塗料の粒状物、粒子径約1.5mm)と、黄色粒子(アクリル樹脂、黄色酸化鉄、二酸化チタン、脂肪族炭化水素系溶剤を主成分とする着色塗料の粒状物、粒子径約2mm)と、灰色粒子(アクリル樹脂、黒色酸化鉄、二酸化チタン、脂肪族炭化水素系溶剤を主成分とする着色塗料の粒状物、粒子径約1mm)が水性媒体中に分散した水中油型の多彩模様塗料。白色粒子:黄色粒子:灰色粒子=40:30:30(重量比率)。
(試験例1−1〜1−3)
試験例1−1〜1−3を行うにあたり、まずスレート板を3枚用意した。その1枚目(「試験例1−1」とする)には塗付け量1.0kg/mで粉体含有塗材1を平坦に吹付け塗装し、2枚目(「試験例1−2」とする)には塗付け量1.0kg/mで骨材含有塗材1を平坦に吹付け塗装し、3枚目(「試験例1−3」とする)には塗付け量0.3kg/mで比較用塗材を平坦に吹付け塗装し、それぞれ24時間乾燥することにより、下地面を形成した。
上記方法で得られた各下地面に対し、上塗材1を塗付量0.6kg/mでスプレー塗装し、2種の着色粒子をほぼ均一に分散配置させた。その直後、塗装面にブラシ1(毛の材質:植物繊維、先端部の毛密度90本/cm、毛の直径:20〜50μm)の先端部を接触させ、軽く掃くように一定方向に直線的に引き伸ばした。その後、24時間乾燥した。
以上の方法により得られた模様面のうち、試験例1−1及び試験例1−2において筋状模様に滲みは認められなかったが、試験例1−3では筋状模様に滲みが発生していた。なお、試験例1−1では、比較的長い筋によって模様が形成され、試験例1−2では、比較的短く不連続な筋によって模様が形成されていた。
(試験例2−1)
予めシーラーが塗装されたスレート板に対し、塗付け量1.5kg/mで粉体含有塗材1を玉状に吹付け塗装し、その直後にプラスチックローラーで塗面全体を軽く押えて凸部処理を行った。この粉体含有塗材を24時間乾燥することにより、台地状凸部(長径:約2〜20mm)が散在する起伏(起伏の高低差:約1mm)を有する下地面を形成した。
この下地面に対し、上塗材1を塗付量0.6kg/mでスプレー塗装し、2種の着色粒子をほぼ均一に分散配置させた。その直後、塗装面にブラシ1(毛の材質:植物繊維、先端部の毛密度90本/cm、毛の直径:20〜50μm)の先端部を接触させ、軽く掃くように一定方向に直線的に引き伸ばした。その後、24時間乾燥した。
以上の方法により得られた模様面の外観を目視にて評価した。評価は、筋の長さ、幅、連続性等において多様なものが混在し、美観性の高い仕上りとなったものを「A」とする5段階(優:A>B>C>D>E:劣)で行った。結果を表1に示す。
(試験例2−2)
ブラシ1に代えてブラシ2(毛の材質:植物繊維、先端部の毛密度150本/cm、毛の直径:20〜50μm)を使用した以外は、試験例2−1と同様の方法で模様面を形成し、その外観を評価した。結果を表1に示す。
(試験例2−3)
ブラシ1に代えてブラシ3(毛の材質:植物繊維、先端部の毛密度360本/cm、毛の直径:20〜50μm)を使用した以外は、試験例2−1と同様の方法で模様面を形成し、その外観を評価した。結果を表1に示す。
(試験例2−4)
粉体含有塗材1に代えて粉体含有塗材2を使用し、上塗材1に代えて上塗材2を使用した。それ以外は、試験例2−1と同様の方法で模様面を形成し、その外観を評価した。結果を表1に示す。
(試験例2−5)
予めシーラーが塗装されたスレート板に対し、塗付け量1.5kg/mで粉体含有塗材1を鏝塗りし、平坦な下地面を形成した。この下地面に対し、試験例2−1と同様の方法で模様面を形成し、その外観を評価した。結果を表1に示す。
(試験例2−6)
ブラシ1に代えてブラシ4(毛の材質:植物繊維、先端部の毛密度1200本/cm、毛の直径:20〜50μm)を使用した以外は、試験例2−1と同様の方法で模様面を形成し、その外観を評価した。結果を表1に示す。
(試験例2−7)
ブラシ1に代えて金鏝を使用した以外は、試験例2−1と同様の方法で模様面を形成し、その外観を評価した。結果を表1に示す。
(試験例2−8)
予めシーラーが塗装されたスレート板に対し、塗付け量1.5kg/mで粉体含有塗材1を鏝塗りし、平坦な下地面を形成した。この下地面に対し、試験例2−6と同様の方法で模様面を形成し、その外観を評価した。結果を表1に示す。
(試験例2−9)
粉体含有塗材1に代えて粉体含有塗材3を使用した以外は、試験例2−6と同様の方法で模様面を形成し、その外観を評価した。結果を表1に示す。
Figure 0005102272
(試験例3−1)
予めシーラーが塗装されたスレート板に対し、塗付け量4kg/mで骨材含有塗材1を吹付け塗装し、その直後に塗面を部分的にコテで押え均し、24時間乾燥した。この処理により、コテで押え均した部分は、骨材が埋没して平坦となった。それ以外の部分では、骨材による凹凸が残存した。
この下地面に対し、上塗材1を塗付量0.6kg/mでスプレー塗装し、2種の着色粒子をほぼ均一に分散配置させた。その直後、塗装面にブラシ1(毛の材質:植物繊維、先端部の毛密度90本/cm、毛の直径:20〜50μm)の先端部を接触させ、軽く掃くように一定方向に直線的に引き伸ばした。その後、24時間乾燥した。
以上の方法により得られた模様面の外観を目視にて評価した。評価は、筋の長さ、幅、連続性等において多様なものが混在し、美観性の高い仕上りとなったものを「A」とする5段階(優:A>B>C>D>E:劣)で行った。結果を表2に示す。
(試験例3−2)
ブラシ1に代えてブラシ2(毛の材質:植物繊維、先端部の毛密度150本/cm、毛の直径:20〜50μm)を使用した以外は、試験例3−1と同様の方法で模様面を形成し、その外観を評価した。結果を表2に示す。
(試験例3−3)
ブラシ1に代えてブラシ3(毛の材質:植物繊維、先端部の毛密度360本/cm、毛の直径:20〜50μm)を使用した以外は、試験例3−1と同様の方法で模様面を形成し、その外観を評価した。結果を表2に示す。
(試験例3−4)
上塗材1に代えて上塗材2を使用した以外は、試験例3−1と同様の方法で模様面を形成し、その外観を評価した。結果を表2に示す。
(試験例3−5)
予めシーラーが塗装されたスレート板に対し、塗付け量1kg/mで骨材含有塗材2を吹付け塗装し、平坦な面を形成した。2時間乾燥後、塗付け量1.5kg/mで骨材含有塗材1を島状に吹付け塗装し、24時間乾燥した。以上の方法で得られた下地面において、骨材含有塗材1による島状の部分では、骨材による凹凸が現れ、それ以外の部分(骨材含有塗材2の塗膜が露出した部分)は比較的平坦であった。
この下地面に対し、上塗材1を塗付量0.6kg/mでスプレー塗装し、2種の着色粒子をほぼ均一に分散配置させた。その直後、塗装面にブラシ1(毛の材質:植物繊維、先端部の毛密度90本/cm、毛の直径:20〜50μm)の先端部を接触させ、軽く掃くように一定方向に直線的に引き伸ばした。その後、24時間乾燥した。
以上の方法により得られた模様面の外観を目視にて評価した。結果を表2に示す。
(試験例3−6)
予めシーラーが塗装されたスレート板に対し、塗付け量0.5kg/mでベース塗材1を平坦に鏝塗りし、下地面を形成した。この下地面に対し、試験例3−1と同様の方法で上塗材1の塗装を行って模様面を形成し、その外観を評価した。結果を表2に示す。
(試験例3−7)
ブラシ1に代えてブラシ4(毛の材質:植物繊維、先端部の毛密度1200本/cm、毛の直径:20〜50μm)を使用した以外は、試験例3−1と同様の方法で模様面を形成し、その外観を評価した。結果を表2に示す。
(試験例3−8)
ブラシ1に代えて金鏝を使用した以外は、試験例3−1と同様の方法で模様面を形成し、その外観を評価した。結果を表2に示す。
(試験例3−9)
予めシーラーが塗装されたスレート板に対し、塗付け量0.5kg/mでベース塗材1を平坦に鏝塗りし、下地面を形成した。この下地面に対し、試験例3−7と同様の方法で上塗材1の塗装を行って模様面を形成し、その外観を評価した。結果を表2に示す。
(試験例3−10)
予めシーラーが塗装されたスレート板に対し、塗付け量4kg/mで骨材含有塗材1を吹付け塗装し、下地面を形成した。この下地面に対し、試験例3−7と同様の方法で上塗材1の塗装を行って模様面を形成し、その外観を評価した。結果を表2に示す。
Figure 0005102272

Claims (6)

  1. 基材に対し、
    (1)平均粒子径100μm未満の粉体、及び/または平均粒子径0.1mm以上5mm以下の骨材を含む塗材を用いて下地面を形成する工程、
    (2)前記下地面に対し、着色塗料が内包された着色粒子を少なくとも1種以上含む上塗材を塗付し、下地面上に着色粒子を分散配置する工程、
    (3)前記上塗材の乾燥前に、先端部の毛密度が1000本/cm以下であるブラシを用いて、前記着色粒子を引き伸ばす工程、
    (4)前記上塗材を乾燥させる工程、
    を行うことを特徴とする模様面の形成方法。
  2. 前記工程(1)が、
    樹脂成分、及び平均粒子径100μm未満の粉体を必須成分とし、当該樹脂成分の固形分100重量部に対し当該粉体を100重量部以上含む粉体含有塗材を用いて、起伏を有する下地面を形成する工程、
    であることを特徴とする請求項1記載の模様面の形成方法。
  3. 前記工程(1)が、
    平均粒子径0.1mm以上5mm以下の骨材を含む骨材含有塗材を1種以上用いて、骨材による凹凸が形成された凹凸領域と、当該凹凸領域よりも凹凸が平坦化された平坦領域とが混在した下地面を形成する工程、
    であることを特徴とする請求項1記載の模様面の形成方法。
  4. 前記工程(1)では、
    平均粒子径0.1mm以上5mm以下の骨材を含む骨材含有塗材を1種以上塗付し、
    その塗面の一部の領域において、骨材を埋没させる処理、骨材を露出させる処理、及び骨材を除去する処理から選ばれる1種以上の処理を施すことにより、
    骨材による凹凸が形成された凹凸領域と、当該凹凸領域よりも凹凸が平坦化された平坦領域とが混在した下地面を形成する
    ことを特徴とする請求項3記載の模様面の形成方法。
  5. 前記工程(1)では、
    少なくとも1種以上の骨材含有塗材を、部分的に塗付する
    ことを特徴とする請求項3または4記載の模様面の形成方法。
  6. 前記工程(1)では、
    骨材の平均粒子径及び/または含有比率が異なる2種以上の骨材含有塗材を用いる
    ことを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の模様面の形成方法。
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