JP4892147B2 - 塗装仕上げ方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は意匠性その他に優れる塗装仕上げ方法に関し、詳しくは意匠付与材の一部表面を露出させて仕上げる意匠性に優れた塗装仕上げ方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来、建築物の内外装の塗装仕上げ方法として、スプレー、ローラー、刷毛、鏝等の手段による塗装仕上げが採用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来の塗装仕上げ方法は既に一般化された方法であるため、これまでにない意匠性を実現するためには更らに新しい塗装方法の開発が待たれていた。反面、高度の熟練度を要する職人が年々減少して、熟練度を持たない作業者でも意匠性の高い塗装仕上げ方法が求められる状況になっている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このような状況に鑑み、鋭意開発検討した結果、第1工程として合成樹脂エマルジョンを主成分とするベース塗料を塗布してベース層を形成し、第二工程として該ベース層上に合成樹脂エマルジョン、意匠付与材、骨材等を含む上塗り層を形成したのち、第三工程として、該上塗り層が乾燥しないうちに上塗り層の表面を水を含んだ刷毛、ブラシ等で洗い出し、直ちに過剰な水を吸水材で吸い取り、該意匠付与材の一部表面を露出させて仕上げることにより特有の風合いを持つ意匠性と素材感を表現できる塗装仕上げ方法を確立するに至った。
【0005】
以下本発明に関して詳細に説明する。即ち、第一工程として合成樹脂エマルジョンを主成分とするベース塗料を塗布してベース層を形成し、第二工程として合成樹脂エマルジョン、意匠付与材、骨材等を含む上塗り塗料を鏝により塗装して上塗り層を形成したのち、第三工程として上塗り層が乾燥しないうちに水を含んだ刷毛、ブラシ等で上塗り層の意匠付与材の表面を洗い出し、直ちに過剰の水を吸水材で吸い取り、意匠付与材の少なくとも一部表面を露出させることにより塗装仕上げる方法からなるものである。
【0006】
尚、コンクリート、モルタル等の下地からのアルカリ、しみ等を遮断するためにウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂を有機溶剤に溶解した溶剤系シーラー若しくはウレタン樹脂、エポキシ樹脂等をエマルジョン化した水系のシーラーを適宜、これら下地に塗布してシーラー層を設けることがなされても良い。
【0007】
第一工程のベース層は下地及び第二工程の上塗り層との密着性を確保するとともに、下地の不陸性を補正し、上塗り層の塗布性、仕上がり性を向上することにある。
【0008】
第二工程の上塗り層と第三工程は意匠性を付与するために行われるもので、表面の意匠性は第二工程により形成された上塗り層の意匠付与材の表面を、第三工程において水を含む刷毛、ブラシ、等で洗い出し、直ちに過剰の水を吸水材で吸い取り、意匠付与材の一部表面を露出させることにより独特の意匠外観が得られる。吸水材としては吸水性に優れた合成樹脂発泡体から加工されたスポンジローラー、綿、セルロースパルプ等から加工された吸水布、吸水紙等が適している。
【0009】
本発明における第一工程のベース層は合成樹脂エマルジョンを主成分とするベース塗料をローラー、金鏝、木鏝等により塗布することにより下地の不陸性を調整するとともに、上塗り層の付着性を確保することなどを目的として形成させる。ベース塗料には主成分の合成樹脂エマルジョンに骨材、充填材、顔料、増粘剤、分散剤、防カビ剤、防藻剤等等を配合し、適度の流動性、塗布性を付与させることができる。塗布方法として金鏝、木鏝、ローラー、吹き付け等の手段を採用でき、塗布量として0.5〜1.0kg/m 2 塗布する。
適正粘度としては300〜650Pa・s/30℃であり、300Pa・s/30℃以下ではタレが生じて好ましくない。また650Pa・s/30℃以上では塗布作業が難しくなり好ましくない。このような適正粘度にするためには添加剤の種類、配合量等の選定により調整することができる。またベース塗料の樹脂分は5〜25% が適合する。5%未満では粘着性、塗布性等が低下するため好ましくない。25%超えるとコストが高くなり、粘着性が高くなりすぎ塗布作業性に劣るため好ましくない。
【0010】
前記の合成樹脂エマルジョンを例示すれば、アクリル酸エステル共重合系樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン・酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビニル・アクリル酸エステル系樹脂、エチレン・塩化ビニル系樹脂、シリコン変性アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等の樹脂エマルジョンが使用され、これらには架橋タイプ、粉末型のエマルジョン等であっても使用できる。
【0011】
意匠付与材として使用されるものには天然石、玉石、バーキュミライト等の天産品のほかガラス片、セラミック片、金属片、プラスチック片、木片、鉱石、土等の素材等(以下素材という)がある。これらのサイズは0.3〜30mm程度のものが意匠付与性、混和性並びに塗料の塗装性等の点から好ましい。形状については制約はなく、天産品のような不定形状のほか、球状、円筒状、フレーク状等が塗装仕上げの要望に応じて選定され使用することができる。天産品であれば所定サイズに分級したものを使用できる。素材は、そのままのサイズで使用したり、分解、破砕等の手段及び分級により所定サイズに調製して使用できる。素材の資源は工場の副産物として産出されるもの、リサイクル物、その他のものなど資源的に有効利用が望まれるものであればより好ましい。また、意匠付与材の色調は様々なものが使用できる。色調は塗装仕上げ状態の要望により各種色調のものを混合して調製したり、素材そのものの色調を活用することができる。
【0012】
意匠付与材の配合量は上塗り塗料100重量部中の配合量が大凡5〜60重量部(以下部と称する)が適当する。5部以下では意匠性の発現が難しく目的を達成することができない。60部以上であっては塗料粘度が高くなりすぎるため塗装作業性が悪くなる、意匠付与材の分散性の低下するため仕上がりが悪くなるなど、使用に適さなくなる。
【0013】
充填材には各種のものが使用される。例示すれば、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、珪藻土、タルク等があり、塗料の粘度、塗布性等を勘案して種類、配合量等が選定される。また、顔料も適宜使用される。 顔料の例として酸化チタン、ホワイトカーボン、酸化鉄、ベンガラ等があり、更に前記のように増粘剤、分散剤、防カビ剤、防藻剤等が適宜配合される。
【0014】
第一工程としてベース層を形成後、第二工程として上塗り塗料を1.5〜6.0kg/m 2 塗布して上塗り層が形成される。該上塗り塗料は主成分の前記に例示した合成樹脂エマルジョンに少なくとも意匠付与材を配合したものからなり、その他適宜、その他の骨材、充填剤、着色顔料、増粘剤、防カビ剤、防藻剤等が配合される。上塗り層の塗料の適正粘度は300〜65 0Pa・s/30℃であり、300Pa・s/30℃以下ではタレが生じるなど好ましくない。650Pa・s /30℃以上では粘度が高くなりすぎて塗布作業性が低下するため好ましくない。このような適正粘度に調製するために添加剤の種類、配合量等を調整することが必要になる。また、上塗り塗料の樹脂分は5〜25%が適合する。5%未満では粘着性、塗布性等が低下して好ましくない。25%を超えるとではコストが高くなり、また粘着性が高くなりすぎるため、作業性が悪くなり好ましくない。
【0015】
次ぎに実施例、比較例により説明する。
実施例1
コンクリート下地にモルタル仕上げされた壁面下地に第一工程として樹脂分50%の酢酸ビニル・アクリル酸エステル系樹脂エマルジョン(以下樹脂エマルジョンという)20重量部(以下部と称する)に平均粒径0.2mmの珪砂を60部配合した粘度550Pa・s/30 ℃、樹脂固形分12.5%のベース塗料を鏝にて塗布して平均厚み0.3mmのベース層を形成したのち、第二工程としてベース塗料と同一の樹脂エマルジョンにサイズが0.5mmの不定形状の天然石、水、充填剤として炭酸カルシウム、着色顔料として酸化チタンを各々、表の通り配合した粘度600Pa・s/30℃の上塗り塗料を鏝により1.7kg/m 2 程度塗布して上塗り層を形成した。第三工程として該上塗り層が乾燥しないうちに水を含ませた刷毛により該上塗り層の表面を洗い出し天然石の一部表面を露出させ、表面に付着している過剰な水を乾燥したスポンジローラーで吸い取り、天然石の表面に付着していた塗料を除去して露出させた独特の風合いを持つ実施例1の塗装仕上げを得た。
【0016】
実施例2
実施例1と同一のベース層上に、実施例1と同一の配合材料を使用して表の通り配合して、実施例2の上塗り塗料を得た。粘度は620Pa・s/30℃であった。当上塗り塗料を1.7kg/m 2 塗布して上塗り層を形成し、上塗り層が乾燥しないうちに水を含ませたブラシで上塗り層の表面を洗い出し、天然石の一部表面を露出させるとともに表面に付着している過剰の水分を吸水紙で吸い取り、実施例2の塗装仕上げを得た。天然石の一部表面が露出した独特の塗装仕上がりが得られた。
【0017】
比較例1〜2
表に示すように上塗り塗料の天然石の配合を0部、200部、水の配合を15部、20部とする以外は実施例1と同一にして比較例1用と比較例2用の上塗り塗料を調製し、実施例1と同様に塗布仕上げして比較例1、2の塗装仕上げを得た。比較例1では天然石が配合されていないため意匠性のない平坦な仕上がり状態であった。比較例2では天然石の配合量が過大のため、塗料粘度が高くなりすぎて鏝作業がしづらい状態となり、かつ天然石同士が接続状態の部分が多くなった仕上がりとなって、目的とする塗装仕上がりが得られなかった。
【0018】
【表1】
【0019】
本発明により塗装仕上げられた表面は、塗料中に意匠付与材を配合して形成された上塗り層を塗布したのち、水を含む刷毛、ブラシ、スポンジ等により上塗り層の表面を洗い出し、過剰な水を吸水材で吸い取って意匠付与材の表面に付着していた塗料が除去され、意匠付与材の表面が露出した状態になっているため、意匠付与材の風合いがそのまま現れた意匠性に優れる仕上がり外観が得られる。しかもベース層、上塗り層を鏝作業により塗布したのち、水を含んだ刷毛、ブラシ、スポンジ等で上塗り層の表面を洗い出すだけで、容易に塗装作業を行うことができる。このため特に高度の熟練度が無くても塗装仕上げできるため、熟練した職人の不足する現下にあっては、まことに好都合な塗装仕上げ方法である。
Claims (2)
- 第一工程として合成樹脂エマルジョン、骨材、顔料を含むベース塗料を塗布してベース層を形成し、第二工程として該ベース層上に合成樹脂エマルジョン、骨材、顔料、意匠付与材を含む上塗り塗料を鏝で塗布して上塗り層を形成したのち、第三工程として上塗り層が乾燥しないうちに、上塗り層の表面を水を含む刷毛、ブラシ、スポンジ等で意匠付与材を洗い出したのち、表面に付着している過剰な水を吸水材で吸い取り、該意匠付与材の少なくとも一部表面を露出させて仕上げることを特徴とする塗装仕上げ方法。
- 意匠付与材のサイズが0.3〜30mmである請求項1記載の塗装仕上げ方法。
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