JP3569306B2 - 無機質仕上げ材組成物及びそれを用いた工法 - Google Patents

無機質仕上げ材組成物及びそれを用いた工法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、内外装仕上げに用いることができ、耐久性、防火性、呼吸性に富み、且つ施工性に優れた無機質仕上げ材組成物及びそれを用いた工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より無機質素材は、その素材の持っている素朴さ、重厚感、高い耐久性から、古き時代から広く用いられている。このような無機質素材の一つに「漆喰」があるが、漆喰は主として消石灰、フノリ、角又、スサ等を原料として、現場で調合して、大変な労力をかけて水で練って使用されるものであり、寺院、仏閣等の日本建築物の外装、内装材として使用されている。
【0003】
上記漆喰の組成物は、下塗り材として、消石灰に、スサ、増粘剤、水等を混合し、さらに砂を混合して砂漆喰とされ、下地作り、下地調整に使用されていた。また、上塗り材として、消石灰に、スサ、増粘剤、水等を混合し、必要に応じて顔料等の着色剤を混合して使用されていた。そして、最近では消石灰に増粘剤等を加え、粉体のみを調合した混合物も販売されているのではあるが、上記混合物に、建築現場で水を加えて作業し易い状態まで練り上げるには大変な労力を要するものであった。即ち、粉塵が発生したり、粘度が高いためママコができ易いという問題があった。そこで、水を加えて混練りした組成物がポリ袋等に入れられて販売されるようにもなった。さらに、漆喰の耐水性、防水性、耐久性を向上することを目的として、或いは仕上げ外観の向上を目的として、以下に示すような種々の検討も行われてきた。
【0004】
▲1▼特開昭54−13537号公報には、漆喰の主原料中に穀の粉末を混入し、耐水性、防水性、固着性、固形性、強靭堅牢性、耐腐食性、耐熱性を向上させた漆喰組成物が記載されている。
▲2▼特開昭54−43930号公報には、植物油を漆喰中に混入することにより、耐水性、防水性、耐腐食性を付与した漆喰組成物が記載されている。
▲3▼特開昭54−105132号公報にはアルコールを漆喰原料中に混入せしめることにより、耐腐食性を向上させた漆喰組成物が記載されている。
▲4▼特開昭54−85226号公報には消石灰、漂白木材パルプ解砕物、水溶性セルロース誘導体を主成分とする漆喰組成物を吹付け塗布し、組成物が流動性を保っている間に空気を吹付けて表面模様を形成させる塗装法が記載されている。
▲5▼特開昭55−90451号公報には消石灰、繊維状添加材、及び水溶性増粘剤としてのセルロース誘導体を主成分としてなり、パターン溝を有する仕上げローラ等を用いて表面模様を形成される塗装法が記載されている。
▲6▼特開昭60−16855号公報には消石灰、骨材、無機質繊維、合成糊剤、水からなる混練り物に、合成ゴムエマルジョンを含有させ、クラックの発生を防止するようにした漆喰組成物が記載されている。
▲7▼特開昭61−195171号公報には荒壁土、中塗り土等の特定原料群から選択して調合した下塗り用泥、中塗り用泥または漆喰塗り材に水を加え、捏練りしたものを密閉容器に封入して、こまい壁塗り用等の品質の一定な塗材を得る製造方法が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記何れの組成物もこて塗りにより塗工されるのであるが、この仕上げ塗りには左官の熟練した技術が要求されるものであった。即ち、白壁をムラなく均一な壁面にすることは難しく、さらに着色した色漆喰をムラなく仕上げることはそれ以上難しいものであった。しかも、左官技能者の老齢化や若年技能者の減少が深刻な問題となっている今日、“漆喰仕上げ”は減少の一途をたどっていた。
【0006】
また、漆喰は施工後長時間かけて、空気中の炭酸ガスを吸収して硬化し、耐久性が向上するものであるが、その過程でクラックが発生し易いため、施工後も壁面として美観を保ち、耐久性の高い仕上げ材が要求されていた。
【0007】
さらに、建築様式の変化でテクスチャーが平滑面だけでは顧客の要求に対応できないため、施工し易いことは勿論、様々なテクスチャーに対応できる仕上げ材が要求されていた。また、素朴さ、味のある壁面が要求され、併せて呼吸機能、透湿機能、耐久性等も要求され、新しい仕上げ材が望まれてきた。尚、塗料等の有機質素材をベースにした仕上げ材は既に開発され、施工し易いことから広く用いられてきたが、無機質素材が有する重厚感、高級感、耐久性を発現できるものではなかった。したがって、有機質素材の施工性の良さ、仕上げの均一さを備え、様々なテクスチャーが表現でき、しかも無機質素材の持つ、高級感、重厚感、耐久性を併せ持ち、多彩仕上げが可能となるような無機質仕上げ材組成物及び工法が希求されていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記に鑑み提案されたもので、組成が異なる上塗り材組成物と下塗り材組成物とからなって、下塗り材組成物は、消石灰に、シリカヒューム、アルコール、エチレングリコール、水溶性増粘剤、ベントナイトを含有し、ポリカルボン酸系分散剤又はナフタリンスルホン酸系分散剤から選ばれる1種以上を用いて水と混練したものであることを特徴とする無機質仕上げ材組成物に関するものである。
【0009】
上記下塗り材組成物中の消石灰は、重油焼、塩焼どちらも使用できるが、塩焼の方が作業性が良好である。
【0010】
また、シリカヒューム、アルコール、エチレングリコールは、ムラ乾きをできるだけなくし、仕上げ後の色調を均一にするためのものである。即ち、上記成分を含まない従来の漆喰組成物は、粘度が高く、保水性が高いために乾燥が非常に遅く、色ムラが発生し易く、強度の発現も遅かった。上記シリカヒュームは、下塗り材組成物中に溶解しているCaイオンと反応して下塗り材組成物の仕上げ表面に遊離析出するのを防止するので、色ムラを防止することができる。また、混練り物に流動性の向上を付与し、作業性を向上させる。また、一般に揮発性が高いアルコールは、下塗り材組成物中に存在する水を抱き込んで蒸発するので樹脂系仕上げ材と同様な乾燥性を示し、強度の発現を速める。さらに、一般に揮発性が低いエチレングリコールは、下塗り材組成物の表面のみの乾燥を防止し、組成物の内部を含めた全体から均等に乾燥させるようにするものであり、凸部の形成(造形)、こて押さえなどを容易にする。
【0011】
さらに、ベントナイトは、こて塗りの際のこて伸び、こて切れを向上させ、凸部を形成(造形)した後のたれを防止する。特に、白色として仕上げるためには白色度80%以上のものを用いることが好ましい。
【0012】
必要に応じて添加するパルプ質、アクリル、ポリエステル、ビニロン繊維等の化学繊維、或いは麻等の天然繊維は、クラックの発生を防止し、こて塗りの際のこて伸びを向上させる。上記パルプ質としてはパルププロック、或いは古紙の粉砕品を用いることができる。
【0013】
水溶性増粘剤は、前記ベントナイトと同様に凸部を形成(造形)した後のたれを防止する。また、粘性挙動、増粘効果、混練り時の混和性、粘度の安定性、保水性を付与する。上記水溶性増粘剤としてはメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等通常用いられているものの中から適宜に選定して用いることができ、添加量は保水性、作業性を考慮して決めれば良い。
【0014】
ポリカルボン酸系、ナフタリンスルホン酸系等の分散剤は、できるだけ少ない水で下塗り材組成物を分散混合することにより、乾燥性を向上させ、さらに水に溶解するCaイオンの量を低減し、色ムラを防止する。また、着色剤を添加する場合には、着色剤を安定に分散させ、色別れや色ムラを防止する。さらに、下塗り材組成物の混練り物を適宜な包装材に充填する場合には、混練り物の粘性が変化して組成物がしまり、流動性がなくなることを防止し、包装材から出したそのままの状態での使用を可能にする。この分散剤は、用いた着色剤の色別れや混練り物の粘性の変化のないものを予め試験して適宜に選択すれば良い。
【0015】
尚、上記各成分の作用を阻害しない限り付加させる目的に応じてどのような成分を添加しても良い。例えばアクリル系、酢酸ビニル系等の合成樹脂エマルジョンを混入することにより、初期の乾燥を速め、初期強度、接着性、耐水性等を向上させることができる。
【0016】
また、本発明は、組成が異なる上塗り材組成物と下塗り材組成物とからなって、上塗り材組成物は、消石灰に、シリカヒューム、エチレングリコール、水溶性増粘剤、炭酸カルシウム等を含有し、必要に応じてパルプ質、アクリル、ポリエステル、ビニロン繊維等の化学繊維、或いは麻等の天然繊維を含有し、ポリカルボン酸系、ナフタリンスルホン酸系等の分散剤を用いて水と混練したものであることを特徴とする無機質仕上げ材組成物をも提案するものである。
【0017】
前記下塗り材組成物を塗工し、乾燥後その表面に塗工する上塗り材組成物として有機質樹脂系組成物を用いると、前記下塗り材組成物が炭酸ガスを吸収することができずに硬化が不十分となって十分な物性を得ることができない。また、施工後の乾燥が速いため、例えば凸部を形成させた下塗り材組成物の表面全面に上塗り材組成物を塗布して凸部に付着した上塗り材組成物を拭き取ろうとしても乾燥して拭き取ることができない。したがって、通気性、呼吸性、適当な乾燥性を有する必要があり、前記下塗り材組成物と同様の組成(似て非なる組成)を有するものでなければならない。また、デザイン上濃色も要求されるため、白化による色ムラにならないような組成物が必要である。
【0018】
上塗り材組成物中のシリカヒュームは、前述同様組成物中のCaイオンと反応し、色ムラの防止になる。また、エチレングリコールは、下塗り材凸部に付着した上塗り材を拭き取るまで乾燥しないよう添加されるものであり、好ましくは1〜10%の範囲で添加する。さらに、炭酸カルシウムは、白色顔料の作用と漆喰の強度調整、こて塗りの際のこてのすべりを向上させる。また、本発明の上塗り材組成物にも、接着性の向上、耐水性の向上のため、拭き取り作業を阻害しない範囲内でアクリル系、酢酸ビニル系等の合成樹脂エマルジョンを混入しても良い。
【0019】
尚、下塗り材組成物、上塗り材組成物はそれぞれ単体で仕上げに使用することも可能であり、極めて施工性が良好である。しかし、単色仕上げとなるため、特に平滑面に仕上げる場合には視覚的に面白みがあるものではない。そこで、本発明は、前記構成の下塗り材組成物及び上塗り材組成物を用いて、様々なテクスチャーを表現でき、しかも各組成物の色彩により多彩な仕上げを可能とした工法をも提案する。即ち、本発明は、前記構成の下塗り材組成物をこて或いは治具、ローラー等を用いて凸部が形成(造形)されるように塗工し、乾燥した後、上記下塗り材組成物と同色または異色の前記構成の上塗り材組成物を上記凸部を除く部分に塗工する工法を提案するものである。
【0020】
上記凸部は、前記下塗り材組成物を塗工して流動性を有しているうちに適宜方法で所望の表面模様(凸部)を形成し、見掛け上水浮き等がなくなって生乾きの状態で凸部表面処理をすれば良く、特にその方法を限定するものではないが、例えば以下の方法がある。下塗り材組成物をこてで壁面に塗り付けた後、木製治具を壁面に直角に押し当てて引き上げ、水引き後に上下にこてを動かして押さえると、あやめ状の模様が形成される。また、木製治具を壁面に直角に押し当てて廻しながら引き上げ、水引き後にこてを廻しながら押さえると、ばら状の模様が形成される。さらに、マスチックローラーでパターン出しを行い、水引後、こてで押えるとくちなし状の模様が形成され、金ごての尻を用いてランダムにパターン出しを行うとあじさい状の模様が形成される。
【0021】
凸部を形成(造形)させた後には、合成樹脂エマルジョン又は合成樹脂溶液を凸部に塗布しても良い。上記合成樹脂エマルジョン又は合成樹脂溶液は、凸部の艶出し効果を有するが、下塗り材組成物が炭酸ガスを吸収することができるような通気性を有していることが必要である。上記合成樹脂溶液としては、例えばイソシアネート基10〜0.5重量%及び加水分解性シラン基(珪素原子を基準として)7.5〜0.4重量%を含有して平均分子量が50000〜3000であるポリマーを主成分とする一液硬化型樹脂組成物またはフッ素系エマルジョン樹脂等の透湿性能の高い樹脂を用いることができる。
【0022】
その後、前記上塗り材組成物を、上記凸部を除く部分(凹部)に塗工するのであるが、凹部のみに塗り付けるようにしても良いし、或いは全面に塗り付けて凸部に付着した上塗り材組成物を拭き取るようにしても良い。上記上塗り材組成物は、下塗り材組成物と同色のものを用いても良いが、下塗り材組成物と異色のものを用いて多彩仕上げとする方が視覚的興趣に富むものとなる。
【0023】
このような工法により施工された漆喰壁は、極めて視覚的興趣に富んだものとすることができ、しかも無機質素材が有する高級感、重厚感、耐久性を併せ持ち、呼吸性、通気性、素朴さ等をも有するものとなる。
【0024】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を示す。
【0025】
[配合例1〜8]下記表1に示す配合組成により下塗り材組成物を調合し、以下に示す性能評価試験を行った。尚、配合例6〜8は、本発明の下塗り材組成物の要件を満たす実施例である。
【0026】
【表1】
Figure 0003569306
【0027】
[配合例9〜16]下記表2に示す配合組成により上塗り材組成物を調合し、以下に示す性能評価試験を行った。尚、配合例14,15は、本発明の上塗り材組成物の要件を満たす実施例である。
【0028】
【表2】
Figure 0003569306
【0029】
[比較例1〜4]下記表3に示す配合組成の組成物を調合し、以下に示す性能評価試験を行った。
【0030】
【表3】
Figure 0003569306
【0031】
[下塗り材組成物の作業性、ダレの有無、乾燥状態、色ムラの確認]温度20℃、湿度65%のシュミレーション環境試験室に石膏ボード厚9mm(1820×910)を2枚貼り、SSプラスター(富士川建材工業株式会社製)を約3mm厚に施工し、1週間乾燥養生後試験用下地とした。配合例1〜8の下塗り材組成物を3.3m 分施工し、10×5cm角程度の押さえ面を有する木製治具を直角に押し当てて(押さえ面を塗布面と平行にして垂直方向から押さえる)引き上げ、水引後に上下にこてを動かしてこて押さえを行い、あやめ状の凸部を形成した。そして、作業性、パターン出し後のダレの有無を確認し、施工後の乾燥状態、色ムラの状態を目視により観察し、評価した。
【0032】
[保存安定性の確認]配合例1〜8の下塗り材組成物及び配合例9〜16の上塗り材組成物を500ccのポリビンに入れ、50℃の恒温水槽に7日間放置し、下塗り材組成物の粘度の変化(しまり具合)を確認した。
【0033】
[拭き取り易さの確認]下塗り材組成物の作業性を評価した試験面に、短毛ローラーを用いて合成樹脂エマルジョン(東洋インキ株式会社製)を凸部に塗布し、乾燥後、配合例9〜16の上塗り材組成物をゴムこてを用いて塗り付け、凸部にできる限り残らないように伸ばし、凹部が水引後、硬めのスポンジを用いて凸部に付着している上塗り材組成物を拭き取り評価した。
【0034】
[上塗り材組成物の作業性、乾燥状態、色ムラ、アクの確認]拭き取り易さを評価した際の作業性、壁面の乾燥状態、色ムラ、アクの発生状態を目視により評価した。
【0035】
尚、上記各試験項目の評価基準は以下の通りである。
Figure 0003569306
【0036】
【表4】
Figure 0003569306
【0037】
【表5】
Figure 0003569306
【0038】
【表6】
Figure 0003569306
【0039】
[透湿度試験]外径110mm,高さ68mmのスチロール容器にろ紙で蓋をし、配合例7の下塗り材組成物及び配合例15の上塗り材組成物を表7の塗布量にて塗布し、標準状態(20℃,65%RH)で7日間養生した。次に、容器に100gの水を入れ、パラフィンで密閉した。さらに、容器全体の重量を測定し、40℃の乾燥器で24時間,48時間,72時間後の重量を測定し、48時間から72時間迄の重量変化を透湿量として表8に示した。尚、比較のために比較例1の組成物を表7の塗布量にて塗布したもの、クロスを被覆させたもの、樹脂系仕上げ材を表7の塗布量にて塗布したものを同様に試験し、その結果を表8に併せて示した。
【0040】
【表7】
Figure 0003569306
【0041】
【表8】
Figure 0003569306
【0042】
[吸放湿性試験]吸放湿の状態は図1に示す通りである。試験方法は、石膏ボードに配合例7の下塗り材組成物及び配合例15の上塗り材組成物を用いて表7の塗布量にて塗布し、養生終了後、側面及び裏面をパラフィンでシールし、シュミレーション環境試験室を温度20℃一定とし、湿度は図2に示すサイクルに設定して4サイクル繰り返し、24時間経過毎に重量を測定し、吸放湿量を求めた。吸湿量は図3に、放湿量は図4に示した。比較のために比較例1の組成物を塗布したもの、クロスを被覆させたもの、樹脂系仕上げ材を塗布したものを同様に試験し、その結果を図1,3,4に併せて示した。本発明の配合例より形成された漆喰構造は、一般的なクロスや樹脂系仕上げ材、並びに既調合漆喰である比較例1よりも優れた吸放湿性を有することが確認された。
【0043】
[接着強度]石膏ボードに、薄塗り石膏プラスターを3mm塗り、1週間恒温室で養生したものを下地板とした。この下地板に配合例7の下塗り材組成物及び配合例15の上塗り材組成物を用いて表7の塗布量にて塗布し、恒温室で7日間養生した。その後、JIS A 6909に規定する付着試験方法に準じて測定を行い、その結果を表9に示した。比較のために比較例1,2の組成物を塗布したものを同様に試験し、その結果を表9に併せて示した。
【0044】
【表9】
Figure 0003569306
【0045】
以上本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は前記した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した構成を変更しない限りどのようにでも実施することができる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の無機質仕上げ材組成物は、左官の熟練した技術を必要としなくても容易に白壁をムラなく均一な壁面にすることができ、さらに着色した色漆喰をムラなく仕上げることと共に様々なテクスチャーと多彩仕上げが容易にできるものである。
【0047】
また、本発明により形成される漆喰構造は、施工後もクラックを発生させることが無く、壁面として美観を保ち、耐久性の高い仕上げ材となる。
【0048】
さらに、本発明の無機質仕上げ材組成物は、様々なテクスチャーに対応できるものであって、有機質素材の施工性の良さ、仕上げの均一さを備え、しかも無機質素材の持つ、高級感、重厚感、耐久性を併せ持ち、多彩仕上げが可能となるものである。
【0049】
したがって、本発明の工法は、従来にない優れた外観を呈する壁面構造を形成することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の評価試験における吸放湿の状態を示すグラフである。
【図2】実施例の吸放湿試験における湿度設定条件を示すグラフである。
【図3】実施例の吸放湿試験における吸湿量結果を示すグラフである。
【図4】実施例の吸放湿試験における放湿量結果を示すグラフである。

Claims (3)

  1. 組成が異なる上塗り材組成物と下塗り材組成物とからなって、下塗り材組成物は、消石灰に、シリカヒューム、アルコール、エチレングリコール、水溶性増粘剤、ベントナイトを含有し、ポリカルボン酸系分散剤又はナフタリンスルホン酸系分散剤から選ばれる1種以上を用いて水と混練したものであることを特徴とする無機質仕上げ材組成物。
  2. 組成が異なる上塗り材組成物と下塗り材組成物とからなって、上塗り材組成物は、消石灰に、シリカヒューム、エチレングリコール、水溶性増粘剤、炭酸カルシウムを含有し、ポリカルボン酸系分散剤又はナフタリンスルホン酸系分散剤から選ばれる1種以上を用いて水と混練したものであることを特徴とする無機質仕上げ材組成物。
  3. 請求項1記載の下塗り材組成物をこて或いは治具、ローラー等を用いて凸部が形成されるように塗工し、乾燥した後、上記下塗り材組成物と同色または異色の請求項2記載の上塗り材組成物を上記凸部を除く部分に塗工する工法。
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