JP3285510B2 - マルチ塗装形漆喰調仕上塗材 - Google Patents

マルチ塗装形漆喰調仕上塗材

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JP3285510B2
JP3285510B2 JP08457297A JP8457297A JP3285510B2 JP 3285510 B2 JP3285510 B2 JP 3285510B2 JP 08457297 A JP08457297 A JP 08457297A JP 8457297 A JP8457297 A JP 8457297A JP 3285510 B2 JP3285510 B2 JP 3285510B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建造物などの内外壁面
に対し、吹き付け、こて、ローラーおよび刷毛塗りが可
能な、デザイン性に優れるマルチ塗装形漆喰調仕上塗材
に関するものである。
【0002】
【従来技術】木造建造物の表面化粧仕上げにおいて、漆
喰をこて塗りにて壁面に平滑に塗付する漆喰壁が、古来
より和風建築の伝統的仕上げとして広く使用されてき
た。この漆喰は、通気性や防結露性、防火性等に優れ、
建物の表面に自然な風合いや暖かみのある質感を付与す
ることができた。
【0003】一方、建築用仕上塗料においても、合成樹
脂エマルションに着色顔料や炭酸カルシウム、タルク、
クレーなどの体質顔料を配合したいわゆるエマルション
ペイントや、合成樹脂溶液や非水エマルションに同様の
顔料を配合したものを、刷毛やローラーなどにより薄塗
りし、漆喰調の表面に近い肌を付与するものや、塗料中
に珪砂や寒水石などの骨材を添加し、こてやローラーな
どにより厚塗りしたり、デザインを付与させ、自然な風
合いをだす装飾性仕上塗材などがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、漆喰壁
は風化しやすく、防水性に乏しく、耐久性や耐候性に問
題があるものであった。また、エマルションペイントな
どは、薄塗りタイプの塗材であり、表面上は漆喰調の質
感はあるが、ボリューム感がなく、塗装時には入念な下
地調整が必要であった。
【0005】さらに、塗料中に珪砂や寒水石などの骨材
を添加する装飾性仕上塗材は、ボリューム感は得られる
が、漆喰壁のもつ落ち着いた艶消し感や、表面の滑らか
さがなく、漆喰調とは言いがたい質感であった。
【0006】特に表面の滑らかさについては、同一の塗
材を用いて、吹き付け、こて、ローラー、刷毛等の複数
の塗装手段の何れによっても塗装が可能で、形成された
塗膜表面が滑らかであるような仕上塗材を得ることは困
難であった。その理由としては、これら複数の塗装手段
はそれぞれの塗装時に塗材に与えるずり応力の加わり方
が非常に異なるため、平滑化(以下「レベリング」とい
う。)の程度の調整や表面張力の調整具合が異なるから
である。
【0008】一般に塗材のレベリング性は、その塗材の
粘性や塗膜表面における塗材の表面張力によって左右さ
れるものである。塗材中の溶剤(水も含む)の蒸発は、
ミクロ的には均一ではないため、表面張力の分布が不均
一になり、塗膜中に渦運動を生じ塗膜がゆず肌状にな
る。このようなゆず肌状の塗膜とならないようにするに
は、塗材の粘性を調整して、レベリング性の良好なもの
にすることが一般的に行われている。
【0009】刷毛、コテ、ローラーによる塗装において
も、筋目が生じないようにする為にレベリングの良い粘
性に調整することが必要である。しかしながら、レベリ
ングが良好であるということは、逆に、塗装直後から未
乾燥期間における塗材のたれやゆるみを生じることにな
る為、厚付けする塗材においては塗装作業性の悪さや、
最終的に形成される塗膜の意匠性を損ねる結果となる。
【0010】一方、このような塗装材料は、水を溶媒と
する無機、有機のバインダー、例えば、合成樹脂エマル
ション、セメント等を使用しているため、その塗膜乾燥
に要する時間が多くかかり、屋外塗装の場合には降雨に
より流され、屋内であれば長期間内部への立ち入りがで
きない等の問題があった。
【0011】さらに、塗装時においては、下地への密着
性の向上や、アルカリシール性の目的から、仕上塗材の
塗装に先立ち下塗材の塗付が必要であり、結果として塗
装工程を増やし工期を長くすることになっていた。
【0012】また、昨今このような厚付けする材料を内
装用塗材として用いることが流行しているが、このよう
な内装用塗材は、室内における結露によるかびの発生等
を防止するため、室内の湿気を吸着し、また、放出する
調湿機能を有していることが必要である。
【0013】また、単に平滑な塗膜だけではなく、塗装
面における意匠性の向上の観点から、各種のパターン付
けが可能であることも必要とされる。
【0014】したがって、本発明が解決しようとする課
題の第一は、吹き付け、こて、ローラーおよび刷毛等の
複数の塗装方法により塗装可能な粘性を有し、1mm程
度の塗膜厚でありながら、たれやたるみを生じることが
なく、形成される塗膜表面が滑らかであり、従来の漆喰
壁に比較して耐水性、耐久性に優れるとともに、漆喰壁
のような艶消し感を生じるマルチ塗装形漆喰調仕上塗材
を得ることである。
【0015】次に、本発明が解決しようとする課題の第
二は、上記のマルチ塗装形漆喰調仕上塗材が、工期短縮
の目的から、下塗りを必要とせず、塗装後の比較的早期
に乾燥し、形成された塗膜が室内における調湿機能を有
し、なおかつ、塗膜に各種のパターンを付与できる優れ
たデザイン性を有することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者は、このような
問題点を解決するために、鋭意検討を進めた結果、合成
樹脂エマルションに対して、コロイダルシリカと、特定
の粒度および嵩密度を有する珪藻土とその他の無機質粉
体とを、特定の比率にて混合することで、厚塗りが可能
で、吹き付け、こて、ローラーおよび刷毛などの様々な
塗装方法に適した粘性が得られ、デザイン性に富んだパ
ターンの付与も可能な、耐水性・耐久性に優れたマルチ
塗装形漆喰調仕上塗材を得るに至った。
【0017】すなわち、 A.合成樹脂エマルションの固形分100重量部に対し
て、 B.コロイダルシリカを固形分にて10〜50重量部、 C.平均粒子径10〜20μm、嵩密度0.2〜0.6
g/cm3 の珪藻土を50〜300重量部、 D.平均粒子径1〜20μm、嵩密度0.2〜1.2g
/cm3 の前記珪藻土以外の無機質粉体を200〜10
00重量部含有し、珪藻土と無機質粉体の混合比率が重
量比で1:1〜1:10の範囲であることを特徴とする
マルチ塗装形漆喰調仕上塗材。である。
【0018】
【発明の実施の態様】以下に本発明の態様について具体
的に記載する。
【0019】まず、使用できる合成樹脂エマルションと
しては、重合性不飽和二重結合を有するモノマーをエマ
ルション重合して得られるもの、または、あらかじめ合
成した樹脂を、水系分散媒に乳化剤を使用して乳化した
もののいずれでもよく、反応硬化形架橋タイプ、すなわ
ちエマルション粒子内部で自己架橋するタイプや、架橋
剤を加えて、架橋反応をさせる二液硬化タイプでもよ
い。さらに粉末型のエマルションでもよい。但し、粉末
型の場合は、使用時に水の添加が必要となる。
【0020】これらの合成樹脂エマルションの種類とし
ては、ポリ酢酸ビニル系、ポリアクリル酸エステル系、
アクリル酸エステル−スチレン共重合体系、エチレン−
酢酸ビニル共重合体系、酢酸ビニル−アクリル酸エステ
ル共重合体系、エチレン−塩化ビニル共重合体系、酢酸
ビニル−ベオバ共重合体系、ウレタン系、エポキシ系、
シリコン変性アクリル系、フッ素系等のうち少なくとも
1種類以上を使用する。
【0021】コロイダルシリカは、無定形シリカ(Si
)の直径が数nm〜数十nm程度の粒子であり、通
常は水中に分散してコロイド状となしているものであ
る。水中においては、これらコロイド状粒子はその表面
に、−SiOH基及び−OHイオンが存在し、アルカ
リイオンにより電気二重層が形成され、粒子間の反発に
よって安定化している。
【0022】このコロイダルシリカは、分散媒である水
の蒸発によって、表面の電荷バランスが崩れた場合に粒
子同士が接合すると、ゲル化、凝集を生じる。
【0023】本発明において、このコロイダルシリカと
珪藻土とを併用するのは、 塗膜の表面が非常にポーラスな状態になりやすく、塗
膜自身に調湿効果や乾燥促進効果が生じ、また光が乱反
射して、漆喰壁のような艶消し塗膜を形成しやすくな
る。 多孔質な珪藻土の形状と、そのような珪藻土の孔部分
を通過可能なnm単位のコロイダルシリカの粒子径の微
小性が適度な流動粘性を生み出し、各種の塗装方法にお
けるレベリング性の調整機能を付与する。 との理由からである。
【0024】このような珪藻土としては、平均粒子径1
0〜20μm、嵩密度0.2〜0.6g/cm3 のもの
を使用する。
【0025】平均粒子径が10μmより小さい場合は吸
水量が多くなり、塗材の流動性が低下するとともに、塗
膜の乾燥性を低下させ、塗膜にひび割れを起こしやすく
なり、厚塗り性が低下する。20μmより大きい場合は
塗膜表面の滑らかさが低下する。
【0026】嵩密度については0.2g/cm3 より小
さい場合は、吸水量が多くなり、塗膜の乾燥性を低下さ
せ、塗材の流動性が低下することになる。また、0.6
g/cm3 より大きい場合も塗材の流動性が低下する。
【0027】さらに本発明では、前述珪藻土以外の、特
定粒子径の無機質粉体を使用することにより、艶消し塗
膜を形成しやすくなると共に、各種の塗装方法における
レベリング性に優れるという特性を失わずに、さらに厚
付け適性を付与している。すなわち、コロイダルシリ
カ、珪藻土、珪藻土以外の特定の無機質粉体の組み合わ
せによって、厚付けしても、たれ、ゆるみが生じず、刷
毛、こて、ローラーによる塗装でも筋目が生じない塗材
となっている。
【0028】このような無機質粉体としては、平均粒子
径1〜20μm、嵩密度0.2〜1.2g/cm3 のも
のが好ましい。
【0029】平均粒子径が、1μmより小さい場合は、
塗膜にひび割れを起こしやすくなり、厚塗り性が低下す
る。20μmより大きい場合は、塗膜表面の滑らかさが
低下し、塗装時にたれを生じる。
【0030】嵩密度については、0.2g/cm3 より
小さい場合は、塗材の流動性低下を生じ、1.2g/c
3 より大きい場合は、表面の滑らかさが低下し、塗装
がスムースに行い難くなる。また、パターンの付与も行
い難い。
【0031】このような無機質粉体としては、重質炭酸
カルシウム、クレ−、タルク、カオリン、沈降性硫酸バ
リウム、マイカなどがあげられる。
【0032】本発明においては、上記合成樹脂エマルシ
ョンの固形分100重量部に対して、コロイダルシリカ
を10〜50重量部、平均粒子径10〜20μm、嵩密
度0.2〜0.6g/cm3 の珪藻土を50〜300重
量部、平均粒子径1〜20μm、嵩密度0.2〜1.2
g/cm3 の前記珪藻土以外の無機質粉体が200〜1
000重量部含有し、珪藻土と無機質粉体の混合比率が
重量比で1:1〜1:10の範囲で添加することによ
り、目的とする流動性、厚塗り性、デザイン性、質感が
得られる。
【0033】コロイダルシリカが、10重量部より少な
い場合は、下塗材を用いない場合における下地基材への
浸透性が不十分となり、下塗材を用いない場合における
密着性の効果が発揮され難くなる。50重量部より多い
場合は、形成された塗膜の耐水性や耐久性などの塗膜性
能が低下する。
【0034】珪藻土の添加量が50重量部より少ない場
合は、塗材が塗装性に優れる流動性とならず、また、艶
消し効果が十分でなく、漆喰調としての質感が得られな
い。また、形成された塗膜が、調湿機能を十分に発揮す
ることができない。300重量部より多い場合は、塗材
の流動性が大きくなりすぎ、塗装時にたれを生じる。ま
た形成された塗膜の防水性や耐久性などの塗膜性能が低
下する。
【0035】無機質粉体が200重量部より少ない場合
は厚塗り性が低下し、艶消し効果が得られず、1000
重量部より多い場合は、塗膜表面の滑らかさが得られな
い。
【0036】また、これら珪藻土と無機質粉体との混合
比率が1:1〜1:10の範囲外では、目的とする流動
性、厚塗り性、パターン付けしやすいデザイン性、質感
が得られにくい。
【0037】本発明では、さらに必要に応じて、酸化チ
タン、酸化亜鉛、カーボンブラック、酸化第二鉄(ベン
ガラ)、クロム酸鉛(モリブデートオレンジ)、黄鉛、
黄色酸化鉄、オーカー、群青、コバルトグリーン等の無
機系顔料、アゾ系、ナフトール系、ピラゾロン系、アン
トラキノン系、ペリレン系、キナクリドン系、ジスアゾ
系、イソインドリノン系、ベンゾイミダゾール系、フタ
ロシアニン系、キノフタロン系等の有機顔料を本発明の
効果を損ねない範囲で添加することができる。
【0038】また、塗料用添加剤として、一般に用いら
れる可塑剤、防腐剤、消泡剤、分散剤、増粘剤、乾燥調
整剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、脱臭剤、消臭剤、芳香
剤なども適時使用できる。
【0039】本発明のマルチ塗装形漆喰調仕上塗材の製
造方法は、前述の各構成成分を混合可能な設備によっ
て、適宜混合して製造することが可能である。また、合
成樹脂エマルションとして粉末型のものを用いる場合に
は、粉体の混合設備を使用して全体を混合することがで
きる。この場合には施工時に、水を加えて施工に適当な
粘度に調整することが必要である。
【0040】このように、施工現場において消石灰など
の原料を混合して製造する漆喰に比較して、事前に工場
で調合できる点が本発明の特徴でもある。
【0041】本発明のマルチ塗装形漆喰調仕上塗材は、
建造物等の内外壁や天井面に施工する。施工する下地と
しては、コンクリート、セメントモルタル、ALCパネ
ル、押出成形板、石膏ボード、石綿スレート板、各種サ
イディングボード等であり、必要に応じ通常の各種下地
調整を行った面に施工する。
【0042】本発明のマルチ塗装形漆喰調仕上塗材は、
前述の通り下地基材への浸透性が優れており、通常は直
接塗装が可能であるが、特殊な下地や改装工事等で下地
のコンディションが悪い場合に、適切な下塗材等を用い
ることもできる。
【0043】このような既調合の塗材組成物を、施工現
場にて塗付する方法としては、吹き付け、こて塗り、ロ
ーラー塗り、刷毛塗りの方法が可能である。吹き付けの
場合は、リシンガン、万能ガン、ジュラクガンなどが使
用される。塗装方法や施工器具等を工夫したり、水希釈
等によって、塗材粘度を微調整することで、パターン形
成用ローラーにて模様付けすることにより、漆喰壁には
ないデザイン性に富んだテクスチャ−を得ることも可能
である。
【0044】
【実施例】
(漆喰調仕上塗材の製造) *漆喰調仕上塗材の製造 攪拌タンクに合成樹脂エマルションを投入し、続いてデ
ィゾルバーにて攪拌しながら、表1に示した原料を、表
2に示した配合比率となるように投入した。攪拌を続け
ながら、各原料が偏らずほぼ均一に混合した状態にて攪
拌を終了し、しばらく静置し、その後以下の試験を行っ
た。
【0045】(試験方法) *たれ性試験 「JIS A 6021 屋根用塗膜防水材 5.10
たれ抵抗性能」に準拠して、400×200×5mm
に切断したフレキシブルボードに、エスケー化研株式会
社製「ミラクシーラーES」を、塗付量0.25kg/
2 でスプレーガンにて塗装し、6時間乾燥養生した。
その平滑面の周囲に、図1のように、フレキシブルボー
ドの末端から長手方向に幅40mmの塗膜のたれ代を残
して、幅10mm、厚さ6mmの型枠をフレキシブルボ
ード各辺縁に貼り付け、水平に置いた後に形成された凹
面部分に、上記のように製造した漆喰調仕上塗材をマス
チックローラーにて均一に塗付した。塗付直後に、この
試験体の200mmのたれ代を設けた一辺の型枠を取り
除き、続いて試験体全体を鉛直に保持し、20℃で24
時間静置する。その後、型枠を除去した部分の漆喰調仕
上塗材のたれの状態を目視にて確認し、たれの全くない
ものを○、たれを生じるものを×として評価した。
【0046】*乾燥性試験 25cm×15cm×3mmのガラス板に、上記のよう
に製造した漆喰調仕上塗材を、アプリケーターにて1m
m厚、幅10cmで塗装し試験体を作成した。塗装した
直後にその試験体の重量を測定しておき、温度5℃、湿
度65%で養生した。このとき5時間後、10時間後、
20時間後の重量をそれぞれ測定し、その重量減少を計
算によって求めた。次に試験体を100℃で絶乾状態ま
で加熱し重量を測定し、この時の重量と当初の重量との
差を揮発分重量とした。この揮発分重量を100とし
て、5時間後、10時間後、20時間後の重量減少が、
何%となるかを計算した。
【0047】*付着強度試験 「JIS K 5400 塗料一般試験方法 8.7
付着強さ」に準拠して、70×70×20mmのモルタ
ル板に、厚み1mmで先に製造したそれぞれの漆喰調仕
上塗材を万能スプレーガンを用いて、チップ口径6m
m、吹き付けエアー圧500kPaにて吹き付け塗装し
た。続いてこのモルタル板を温度20±2℃、相対湿度
65±10%にて、14日間養生し試験体を作製した。
続いて試験体の塗膜面に接着剤を塗り、上部引っ張り用
の鋼製ジグを静かに乗せ、軽くすりつけるように接着
し、更にその上に質量約1kgのおもりを載せ、周りに
はみ出した接着剤を取り除いた。24時間静置後、おも
りを取り除き鋼製ジグに沿って周囲を40×40mmの
大きさに試験板に達するまで切り傷をつけ、下部引っ張
り用の鋼製ジグ及び鋼製当て板を用いて、試料面に対し
て鉛直方向に引張力を加えて最大引張荷重を求める。付
着強さはこの値を1600で割り、単位面積(mm2
あたりの付着強さとして計算した。(N/mm2
【0048】*耐水性試験 80×200×4mmのフレキシブルボードに、幅70
mm×長さ180mm×厚み1mmで先に製造したそれ
ぞれの漆喰調仕上塗材を刷毛塗りした。続いてこのフレ
キシブルボードを温度20±2℃、相対湿度65±10
%にて14日間養生し試験体を作製した。続いて約15
0mmの深さまで温度20℃の脱イオン水を入れたポリ
エチレン製の容器に、作製した試験体を浸漬した。この
状態で3日間放置後引き上げ、塗膜表面の状態を目視に
て観察した。このとき塗膜が膨れたり、剥がれたり、流
出したり、クラックを生じているものを×、特に異常を
認めないものを○として評価した。
【0049】*温冷繰り返し試験 80×200×4mmのフレキシブルボード2枚に、幅
70mm×長さ180mm×厚み1mmで先に製造した
それぞれの漆喰調仕上塗材をこて塗りした。続いてこの
フレキシブルボードを温度20±2℃、相対湿度65±
10%にて14日間養生し試験体を作製した。このよう
にして作製した試験体のうち1枚を20±2℃の水中に
18時間浸漬した後、直ちに−20±3℃の恒温器中で
3時間冷却し、次いで50±3℃の別の恒温器中で3時
間加温し、この24時間を1サイクルとする操作を10
回繰り返した後、試験室に2時間静置し、その後塗膜表
面を目視にて観察し、残りの1枚の試験体と比較して、
塗膜の膨れ、剥がれ、クラック等の異状があるものを
×、特に異常を認めないものを○として評価した。
【0050】*防露性試験 「JIS A 6909 建築用仕上塗材 6.29
防露性試験」に準拠して、内のり寸法150×150×
5mmの金属製の型枠に、先に製造したそれぞれの漆喰
調仕上塗材を充填し、表面をこてを用いて平坦に仕上
げ、これを温度20±2℃、相対湿度65±10%にて
7日間養生し、デシケーターに入れて、24時間乾燥し
て試験体を作製した。この試験体の質量(W1)を予め
測定した後、これを上面が試験体の大きさに開放した容
器の開放部に、漆喰調仕上塗材面が容器内部を向くよう
に固定した。容器中には予め水を入れ、ヒーターによっ
て50±3℃に温度調整を行っておく。この状態にて6
時間経過後、試験体を取り外し、直ちにそのときの質量
(W2)を測定した。防露性は次の式によって算出し
た。 防露性(g/cm3 )=(W2−W1)/112.5
【0051】*塗装作業性試験 (A)910×910×4mmのフレキシブルボード4
枚に、万能スプレーガン吹き付け(チップ口径6mm、
吹き付けエアー圧500kPa)、金ごて、マスチック
ローラー、刷毛のそれぞれの手段により、先に製造した
漆喰調仕上塗材を塗装した。このとき塗装作業がスムー
スであり、形成された塗膜の表面が平滑であるものを
○、塗装しにくいものを×として評価した。
【0052】(B)次に塗装された塗膜の未乾燥時に、
凹凸模様をその表面に刻んだパターン形成ローラーを塗
膜表面に押しつけながら転がして、塗膜表面に凹凸模様
を形成した。このとき凹凸模様がスムースに形成される
ものを○、形成された凹凸模様がすぐに崩れたり、明瞭
な凹凸模様が形成されないものを×として評価した。
【0053】(実施例1〜実施例3)表1に示した材料
を使用して、表2に示した配合にて漆喰調仕上塗材を製
造し、上記の試験方法に基づいて各種試験を行った結
果、表3のように優れた耐水性、耐久性を有し、かつ下
塗りを行わないモルタル面においても、JIS A 6
909 複層塗材CEから複層塗材程度の0.5〜0.
9N/mm2 の付着強度となった。乾燥性についても5
時間後に、揮発分総量の45〜50%となり、比較的乾
燥性にも優れることがわかった。
【0054】(比較例1)表1に示した材料を使用し
て、表2に示した配合にて漆喰調仕上塗材を製造し、実
施例1と同様に各種試験を行った結果、表3のように珪
藻土の配合量が、本発明の規定範囲より少ないため、塗
材の流動性が悪くなり、塗装がスムースに行えなかっ
た。また、塗膜の艶消し感が劣り、多少艶を感じた。さ
らに乾燥性と防露性も劣り、調湿機能を有するとは言え
ない塗膜となった。
【0055】(比較例2)表1に示した材料を使用し
て、表2に示した配合にて漆喰調仕上塗材を製造し、実
施例1と同様に各種試験を行った結果、表3のように珪
藻土の配合量が、本発明の規定範囲より非常に多いた
め、塗材の流動性が低下し、塗装時にたれが発生した。
また、パターン付けも行い難く、形成された塗膜の耐水
性、耐久性が非常に悪かった。
【0056】(比較例3)表1に示した材料を使用し
て、表2に示した配合にて漆喰調仕上塗材を製造し、実
施例1と同様に各種試験を行った結果、表4のようにコ
ロイダルシリカの配合量が、本発明の規定範囲より少な
いため、下地基材への浸透による密着性の向上効果が不
十分となり、付着強度はある程度の値を示したが、基材
との界面剥離を生じた。また、防露性も不十分であり、
調湿機能を有するとは言えない塗膜となった。
【0057】(比較例4)表1に示した材料を使用し
て、表2に示した配合にて漆喰調仕上塗材を製造し、実
施例1と同様に各種試験を行った結果、表4のようにコ
ロイダルシリカの配合量が、本発明の規定範囲より非常
に多いため、塗膜の耐水性や耐久性が非常に悪くなっ
た。
【0058】(比較例5)表1に示した材料を使用し
て、表2に示した配合にて漆喰調仕上塗材を製造し、実
施例1と同様に各種試験を行った結果、表4のように無
機質粉体としての重質炭酸カルシウムの配合量が、本発
明の規定範囲より少ないため、塗材の厚塗り性が低下
し、塗装時にたれが発生した。また、パターン付けも行
い難く、形成された塗膜は艶が有り、漆喰調の質感が得
られなかった。さらに、防露性が不十分であり、調湿機
能を有するとは言えない塗膜となった。
【0059】(比較例6)表1に示した材料を使用し
て、表2に示した配合にて漆喰調仕上塗材を製造し、実
施例1と同様に各種試験を行った結果、表4のように無
機質粉体としての重質炭酸カルシウムの配合量が、本発
明の規定範囲より多いため、塗膜の耐水性、耐久性が劣
り、また、付着強度も劣る結果となった。さらに、塗装
した場合の塗膜表面が非常に荒く、平滑な表面が得られ
なかった。
【0060】(比較例7)表1に示した材料を使用し
て、表2に示した配合にて漆喰調仕上塗材を製造し、実
施例1と同様に各種試験を行った結果、表4のように無
機質粉体としての重質炭酸カルシウムの、粒子径および
嵩密度が、本発明の規定範囲より大きいため、塗装時に
たれを生じ、塗装がスムースに行い難かった。また、形
成された塗膜の表面は、非常に荒く、平滑な表面が得ら
れなかった。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0061】
【効果】本発明は、吹き付け、こて、ローラー、刷毛等
の各種の塗装手段により塗装可能な粘性を有し、厚膜で
ありながら塗装時にたれやたるみを生じることがなく、
比較的早く乾燥し、形成された塗膜が密着性、調湿性、
耐水性、耐久性等の塗膜物性に優れ、表面が滑らかで漆
喰壁のような艶消し感を生じる塗膜を形成する仕上塗材
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】たれ性試験に用いる型枠つきフレキシブルボー
ドの外観図
【符号の説明】
a:型枠 b:たれ代

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】A.合成樹脂エマルションの固形分100
    重量部に対して、 B.コロイダルシリカを固形分にて10〜50重量部、 C.平均粒子径10〜20μm、嵩密度0.2〜0.6
    g/cm3 の珪藻土を50〜300重量部、 D.平均粒子径1〜20μm、嵩密度0.2〜1.2g
    /cm3 の前記珪藻土以外の無機質粉体を200〜10
    00重量部含有し、珪藻土と無機質粉体の混合比率が重
    量比で1:1〜1:10の範囲であることを特徴とする
    マルチ塗装形漆喰調仕上塗材。
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