JP2002161625A - 建築物基礎梁部表面の仕上工法 - Google Patents

建築物基礎梁部表面の仕上工法

Info

Publication number
JP2002161625A
JP2002161625A JP2001278954A JP2001278954A JP2002161625A JP 2002161625 A JP2002161625 A JP 2002161625A JP 2001278954 A JP2001278954 A JP 2001278954A JP 2001278954 A JP2001278954 A JP 2001278954A JP 2002161625 A JP2002161625 A JP 2002161625A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating film
coating
coating material
finish
water vapor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001278954A
Other languages
English (en)
Inventor
Naohisa Takemura
尚久 竹村
Tetsuya Mori
徹也 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SK Kaken Co Ltd
Original Assignee
SK Kaken Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SK Kaken Co Ltd filed Critical SK Kaken Co Ltd
Priority to JP2001278954A priority Critical patent/JP2002161625A/ja
Publication of JP2002161625A publication Critical patent/JP2002161625A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】住宅等建築物の基礎梁部の表面に対し、膨れ、
剥離等を生じず、様々な色彩や意匠性を付与し美観性を
高めることができる仕上工法を提供する。 【解決手段】建築物基礎梁部の表面に対し、JIS K
5400「塗料一般試験方法」8.17の水蒸気透過度
が40g/m・24h以上、JIS A6916「仕
上塗材用下地調整塗材」6.14の付着強さが1N/m
以上となる塗膜を形成するポリマーセメント系下地
調整塗材を塗付した後、水蒸気透過性を有する仕上塗膜
を塗付する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、戸建住宅等建築物の基
礎梁部表面の仕上工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】戸建住宅等の建築物においては、地面に
コンクリート製の建築物用基礎を打設し、これを土台と
して家屋等が建てられるものが多い。この基礎部分は、
主にフーチング部とこれより立ち上がる基礎梁部からな
る。このうち、基礎梁部は建築物完成後において人目に
触れるものであり、近年、このような基礎梁部の表面に
対し、塗装によって様々な色彩や意匠性を付与すること
が望まれている。
【0003】しかしながら、この基礎梁部は、一般にコ
ンクリート製であり、施工直後においては水分を多く含
む高含水率の状態となっている。この水分は、基礎梁部
表面からの蒸発により経時的に減少するが、降雨等の後
では、基礎が地面に含まれる水分を吸い上げるために、
含水率が再び上昇する。吸い上げられた水分は、基礎梁
部表面からの蒸発によって徐々に放出されるが、降雨等
があれば基礎梁部の含水率は再び上昇する。このよう
に、基礎梁部では常に含水率が変動し、その表面から繰
り返し水分が蒸発しているような状態が続いている。従
って、このような基礎梁部に塗装を行うと、蒸発しよう
とする水分が局所的に塗膜を押し上げるため、塗膜が膨
れや剥離を生じやすいという問題があった。また、基礎
梁部においては、建築物の荷重の影響、あるいは上述の
ような含水率の変動の影響等によって、その表面にひび
割れが発生しやすい状況となっている。これは、基礎梁
部表面に形成された塗膜にも波及しやすく、塗膜が初期
の美観性を損なう場合もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような課
題に鑑みなされたもので、住宅等建築物の基礎梁部の表
面に対し、膨れ、剥離等を生じず、様々な色彩や意匠性
を付与し美観性を高めることができる仕上工法を提供す
ることを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るため本発明者らは鋭意検討を行い、特定水蒸気透過
度、特定付着強さを有するポリマーセメント系下地調整
塗材を塗装した後に、水蒸気透過性を有する仕上塗膜を
積層することが有効であることを見出した。すなわち、
本発明は以下の特徴を有するものである。 1.建築物基礎梁部の表面に対し、JIS K5400
「塗料一般試験方法」8.17の水蒸気透過度が40g
/m・24h以上、JIS A6916「仕上塗材用
下地調整塗材」6.14の付着強さが1N/mm以上
となる塗膜を形成するポリマーセメント系下地調整塗材
を塗付した後、水蒸気透過性を有する仕上塗膜を積層す
ることを特徴とする建築物基礎梁部表面の仕上工法。 2.ポリマーセメント系下地調整塗材が、エポキシ樹脂
を含むことを特徴とする1.に記載の建築物基礎梁部表
面の仕上工法。 3.仕上塗膜の水蒸気透過度が40g/m・24h以
上であることを特徴とする1.または2.に記載の建築
物基礎梁部表面の仕上工法。 4.仕上塗膜により形成される塗膜の20℃雰囲気下で
の伸び率が50〜500%、かつ、顔料容積濃度が10
%以上であることを特徴とする1.または2.または
3.に記載の建築物基礎梁部表面の仕上工法。
【0006】
【発明の実施の形態】[ポリマーセメント系下地調整塗
材]ポリマーセメント系下地調整塗材は、形成される塗
膜において、JIS K5400「塗料一般試験方法」
8.17の水蒸気透過度が、40g/m・24h以
上、好ましくは40〜1000g/m・24h、さら
に好ましくは50〜500g/m・24h、JIS
A6916「仕上塗材用下地調整塗材」6.14の付着
強さが1N/mm以上、好ましくは2N/mm
上、であることが必要である。
【0007】水蒸気透過度が40g/m・24hより
低い場合には、下地調整塗材層が、コンクリート中の水
分による水蒸気を十分に拡散することができずに膨れた
り、剥離したりする。水蒸気透過度が高いと、水蒸気を
拡散する機能も高まるが、この値が大きすぎる場合は仕
上塗材が膨れるおそれがあり、また付着性が低下し剥離
するおそれもある。一方、付着強さが1N/mmより
低い場合は、塗膜が基礎梁部表面から剥がれやすくな
る。
【0008】本発明では、上述の物性値を満足するよう
な塗膜を形成するポリマーセメント系下地調整材が使用
可能であるが、特に、樹脂成分、セメント、及び水を必
須成分とし、必要に応じ骨材、充填材等の粉体成分を含
有するポリマーセメント系下地調整塗材が好適に用いら
れる。
【0009】樹脂成分としては、アクリル樹脂、ウレタ
ン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリプロピオ
ン酸ビニル、ベオバ、アクリル酢酸ビニル樹脂、エチレ
ン酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂等の樹脂溶液または
エマルション、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエ
ンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、メタクリ
ル酸メチル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム等の合成
ゴムラテックス、アスファルト、ゴムアスファルト等の
瀝青質エマルション等をあげることができる。特に、ア
クリル樹脂、エポキシ樹脂を用いた場合、十分な水蒸気
拡散機能と強度を兼ね備えた塗膜層を形成することがで
き望ましい。
【0010】アクリル樹脂としては、特に限定されない
が、例えば、オールアクリル樹脂、アクリルポリオール
樹脂、アクリル・スチレン樹脂、アクリル・酢酸ビニル
樹脂、アクリル・ウレタン樹脂、アクリル・シリコン樹
脂等を挙げることができる。
【0011】エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、
ビスフェノールF型エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹
脂、環式脂肪族エポキシ樹脂等、あるいはこれらをポリ
エステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等で変性
したもの等をあげることができる。本発明では、液状エ
ポキシ樹脂を好ましく用いることができる。このような
液状エポキシ樹脂の平均分子量は100〜4000、好
ましくは200〜1000である。また、エポキシ樹脂
のエポキシ当量は、100〜3000であることが望ま
しい。
【0012】エポキシ樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂
の硬化剤を併用して用いることができる。
【0013】エポキシ樹脂の硬化剤(以下「硬化剤」と
もいう)としては、例えば脂肪族ポリアミン、脂環式ポ
リアミン、芳香族ポリアミン、ポリアミド、アミドアミ
ン、複素環状アミンなど、またはこれらの変性物などが
使用できる。
【0014】これらのエポキシ樹脂、硬化剤について
は、親水性または乳化性を付与するため、エポキシ樹脂
または硬化剤に親水基を導入して自己乳化形としたも
の、または予め乳化剤を混合したものを好適に用いるこ
とができる。特に、含水下地への適性、形成される仕上
塗膜の耐水性を考慮すると、自己乳化形のものが好適に
用いることができる。また、エポキシ樹脂と硬化剤の混
合比率は、エポキシ当量:活性水素当量が100:10
〜400となるように配合されることが望ましい。
【0015】セメントとしては、普通ポルトランドセメ
ント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランド
セメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポル
トランドセメント、白色ポルトランドセメント、アルミ
ナセメント、超速硬セメント、膨張セメント、酸性リン
酸塩セメント、シリカセメント、高炉セメント、フライ
アッシュセメント、キーンスセメント等があげられる。
【0016】樹脂成分と、セメントの混合比率は、水蒸
気拡散機能と強度のバランスの点から、セメント100
重量部に対して、樹脂成分が固形分で3〜200重量
部、さらには5〜110重量部であることが望ましい。
3重量部より少ない場合は十分な強度が得られず、20
0重量部より多い場合は水蒸気拡散機能が低下する傾向
となる。水の混合比率は、セメント100重量部に対
し、10〜200重量部であることが望ましい。
【0017】粉体成分としては、珪砂、寒水石、パーラ
イト、バーミキュライト、スチレン樹脂発泡体、エチレ
ン酢酸ビニル樹脂発泡体、塩化ビニル樹脂発泡体等の骨
材、重質炭酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、
沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、ホワイトカーボ
ン、珪藻土等の充填材を使用することが可能である。粉
体成分の混合比率は、セメント100重量部に対し0〜
600重量部、さらには100〜500重量部であるこ
とが望ましい。600重量部より多い場合は、付着性が
低下し、塗膜が剥離しやすくなる。
【0018】また、通常の下地調整塗材に使用可能な増
粘剤、消泡剤、減水剤、界面活性剤等を用いることもで
きる。
【0019】[仕上塗膜]本発明において用いられる仕
上塗膜は、美観性を付与するものであり、水蒸気透過性
を有するものであれば、各種の仕上塗材およびシートを
用いて形成することができる。例えば、合成樹脂エマル
ションペイント、つや有り合成樹脂エマルションペイン
ト、アクリル樹脂エナメル、ポリウレタン樹脂エナメ
ル、アクリルシリコン樹脂エナメル、ふっ素樹脂エナメ
ル、アクリル系非水分散形塗料等のフラット系塗料、J
IS A 6909に規定される、建築用仕上塗材、例
えば、リシン塗料、単層弾性塗材等の薄付け仕上塗材、
スタッコ塗料等の厚付け仕上塗材及び複層仕上塗材等、
また多彩模様塗料、石材調仕上塗材、砂岩調仕上塗材等
が挙げられる。さらに、それらから構成されるシート等
も挙げられ、シートとしては例えば自然石調、砂岩調等
の美観性を付与したシートが好適に用いられる。
【0020】本発明において用いられる仕上塗膜のより
好適な態様として、水蒸気透過度が40g/m・24
h以上、好ましくは、50〜250g/m ・24hの
塗膜を形成するものが挙げられる。このような性質を有
することにより、基礎部分の水分を効率よく外部に放出
することができるとともに、塗膜の膨れや剥がれ発生を
防止することができる。特に厳しい環境下の建物にこの
性能を有する仕上塗膜を利用する事で、長期に亘り美観
性を付与できる。
【0021】本発明において用いられる仕上塗膜の別の
態様として、20℃雰囲気下での伸び率が50〜500
%、好ましくは120〜350%、顔料容積濃度が10
%以上、好ましくは10〜50%、さらに好ましくは1
5〜40%の塗膜を形成するものが挙げられる。なお、
本発明における伸び率は、JISA6909 6.31
「伸び試験」の「20℃時の伸び試験」に準じて測定さ
れる値である。
【0022】仕上塗膜がこのような伸び率及び顔料容積
濃度であることにより、より効果的に、基礎部分の水分
を外部に放出することができるとともに、塗膜の膨れや
剥がれの発生を防止することができる。さらに、仮に、
基礎梁部表面に割れが発生した場合であっても、追従性
を発揮して、塗膜に割れが波及することを防止すること
ができる。
【0023】20℃雰囲気下での伸び率が50%より小
さい場合は、下地である基礎梁部に大きなひび割れが発
生した場合、仕上塗膜が追従できず、割れが生じやすく
なる傾向がある。伸び率が500%より大きい場合は、
耐汚染性が低下するため好ましくない。また、樹脂の基
本性能にも依るが、顔料容積濃度が10%より小さい場
合は、水分を放出する機能が低下する傾向がある。特
に、仕上塗膜の20℃雰囲気下での伸び率が50〜50
0%、顔料容積濃度が10%以上で、かつ、水蒸気透過
度が40g/m・24h以上の性能を有するものは、
最も望ましい態様として挙げる事ができ、特に厳しい環
境下で好適に用いる事ができる。
【0024】本発明に用いる仕上塗膜は、樹脂成分、顔
料を主成分とするものであり、樹脂成分のガラス転移温
度、顔料の粒子径、各成分の混合比率等を適宜調整して
製造する。
【0025】樹脂成分としては、合成樹脂エマルション
が好適に用いられ、例えば、アクリル樹脂エマルショ
ン、ウレタン樹脂エマルション、酢酸ビニル樹脂エマル
ション、シリコン樹脂エマルション、フッ素樹脂エマル
ション、アクリル・酢酸ビニル樹脂エマルション、アク
リル・ウレタン樹脂エマルション、アクリル・シリコン
樹脂エマルション、エチレン酢酸ビニルベオバエマルシ
ョン、等を使用することができる。このような合成樹脂
エマルションは、架橋反応性を有することが望ましい。
架橋反応性を有することにより、耐候性、耐水性等の塗
膜物性を向上でき、さらに水蒸気透過性を高めることも
できる。この他、溶剤可溶形樹脂、非水分散形樹脂も用
いる事ができる。
【0026】顔料としては、例えば、重質炭酸カルシウ
ム、クレー、カオリン、タルク、沈降性硫酸バリウム、
炭酸バリウム、ホワイトカーボン、珪藻土等の体質顔
料、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック、キナクリ
ドン、ペリレン、フタロシアニン化合物、アゾ化合物等
の着色顔料を使用することができる。
【0027】仕上塗膜においては、上述の成分の他、必
要に応じて、通常塗料に用いられる溶媒、可塑剤、防腐
剤、防黴剤、消泡剤、増粘剤、レベリング剤、顔料分散
剤、沈降防止剤、たれ防止剤、艶消し剤、紫外線吸収
剤、酸化防止剤などの添加剤を単独あるいは併用して使
用することもできる。
【0028】[積層方法]本発明では、前述の下地調整
塗材、仕上塗膜を以下の手順で積層する。
【0029】下地調整塗材は、水蒸気透過度が40g/
・24H以上となる塗膜を形成することが必要であ
るが、通常、塗付量0.3〜3.0kg/m好ましく
は、1.0〜2.5kg/mで塗装される。乾燥時間
は膜厚にも依るが、16〜48時間である。塗装器具と
しては、コテの他、リシンガン、ローラー、刷毛等が用
いられる。下地に不陸等がある場合は、部分的に補修を
行うこともできる。
【0030】下地調整塗材の塗装後、必要に応じ、下塗
材を塗装してもよい。このような下塗材としては、ポリ
マーセメント系下地調整塗材及び仕上塗材との密着性に
優れるものを使用することが望ましく、水蒸気透過度が
40g/m ・24H以上の塗膜を形成するものを好適
に用いる事ができる。例えば、合成樹脂として、アクリ
ル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ゴム樹脂等
を含むものがあげられる。下塗材を塗装する場合は、塗
付量0.1〜0.5kg/mで塗装する。塗装器具と
しては、スプレーガン、ローラー、刷毛等が用いられ
る。
【0031】次に、仕上塗材が塗装される。仕上げの形
状としては、ゆず肌状、さざ波状、スタッコ状、リシン
状、石材状、岩肌状、平坦状、凹凸状、月面状等種々の
形状が可能である。仕上塗材の塗付量は、仕上げ形状の
種類によって変動するが、0.1〜6kg/mで塗装
し、一般的に、艶有りペイント、艶消しペイント等によ
って平坦に仕上げる場合には、塗付量0.1〜0.5k
g/m、凹凸のある模様に仕上げる場合には、塗付量
0.8〜6kg/mで塗装することが望ましい。ま
た、必要であれば、本発明の効果を損なわない程度に、
クリヤー層を積層することもできる。塗装器具として
は、スプレーガン、リシンガン、ローラー、刷毛等が用
いられる。
【0032】また、シートを用いる場合は、下地調整塗
材の上に、直接シートを貼着することもできるし、下地
調整塗材とシートの間に接着層や粘着層を介して、貼着
することもできる。また、釘、鋲、その他の各種固定具
を使用することもできる。
【0033】接着層や粘着層としては、特に限定され
ず、公知の接着剤、粘着剤を使用することができる。但
し、本発明の効果を阻害しないことが必要である。
【0034】本発明では、上述のような下地調整塗材、
仕上塗膜を積層することにより、基礎梁部中の水分によ
る水蒸気を拡散、放出させることができ、局部的な圧力
上昇が抑制される。このため、塗膜の膨れ、剥離等を防
止することができる。
【0035】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特
徴をより明確にする。 (塗材の製造)表1の原料を使用して表2の配合によっ
て下地調整塗材を、表3の原料を使用して表4、表5の
配合によって仕上塗材を製造した。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】
【表5】
【0041】(実施例1)コンクリートを打設し、型枠
を取り外して作製した基礎梁の外側表面に対し、まず、
表2の下地調整塗材1をコテを用いて塗付量1.0kg
/mで塗付した。この塗付量で形成される下地調整塗
材1の塗膜の水蒸気透過度は86g/m・24h、付
着強さは3.2N/mmである。24時間乾燥後、表
4の仕上塗材1をマスチックローラーを用いて塗付量
1.2kg/mで塗装した。この塗付量で形成される
仕上塗材1の塗膜の水蒸気透過度は93g/m・24
hである。また、伸び率は270%、顔料容積濃度は2
2%である。形成された塗膜は、さざ波状で美観性の高
い仕上りとなり、塗装後12ヶ月においても塗膜外観に
異常は認められなかった。また、側面をエポキシ樹脂に
てシールした300×300×60mmのコンクリート
板の表面に対し、上述と同様の塗装を行い、20℃、相
対湿度65%において7日間養生させ、温冷繰返し試験
用の試験体を作製した。作製した試験体に対し、1サイ
クルが「20℃水浸漬18時間→−20℃3時間→50
℃3時間」(以下、「50℃温冷繰返し試験」とい
う。)および「20℃水浸漬18時間→−20℃3時間
→80℃3時間」(以下、「80℃温冷繰返し試験」と
いう。)の温冷繰返し試験をそれぞれ10サイクル行な
い、塗膜の状態の変化を目視にて観察した。その結果、
50℃温冷繰返し試験および80℃温冷繰返し試験とも
に異常は認められなかった。
【0042】(実施例2)実施例1と同様の基礎梁の外
側表面に対し、表2の下地調整塗材2をコテを用いて塗
付量1.0kg/mで塗付した。この塗付量で形成さ
れる下地調整塗材2の塗膜の水蒸気透過度は65g/m
・24h、付着強さは3.4N/mmである。24
時間乾燥後、塩化ゴム樹脂をバインダーとする下塗材
を、ウールローラーを用いて塗付量0.2kg/m
塗装した。この塗付量で形成される下塗材塗膜の水蒸気
透過度は120g/m・24hである。続いて、3時
間乾燥後、表4の仕上塗材2をマスチックローラーを用
いて塗付量1.2kg/mで塗装した。この塗付量で
形成される仕上塗材2の塗膜の水蒸気透過度は121g
/m・24hである。また、伸び率は130%、顔料
容積濃度は38%である。形成された塗膜は、さざ波状
で美観性の高い仕上りとなり、塗装後12ヶ月において
も塗膜外観に異常は認められなかった。また、実施例1
と同様にして温冷繰返し試験を行なった結果、50℃温
冷繰返し試験および80℃温冷繰返し試験ともに異常は
認められなかった。
【0043】(実施例3)実施例1と同様の基礎梁の外
側表面に対し、実施例1と同様にして下地調整塗材1を
塗装した。24時間乾燥後、表5の仕上塗材4をマスチ
ックローラーを用いて塗付量1.2kg/mで塗装し
た。この塗付量で形成される仕上塗材4の塗膜の水蒸気
透過度は82g/m・24hである。また、伸び率は
320%、顔料容積濃度は18%である。形成された塗
膜は、さざ波状で美観性の高い仕上りとなり、塗装後1
2ヶ月においても塗膜外観に異常は認められなかった。
また、実施例1と同様にして温冷繰返し試験を行なった
結果、50℃温冷繰返し試験および80℃温冷繰返し試
験ともに異常は認められなかった。
【0044】(実施例4)実施例1と同様の基礎梁の外
側表面に対し、実施例2と同様にして、下地調整塗材2
を塗装した。3時間乾燥後、表5の仕上塗材5をマスチ
ックローラーを用いて塗付量1.2kg/mで塗装し
た。この塗付量で形成される仕上塗材5の塗膜の水蒸気
透過度は114g/m・24hである。また、伸び率
は260%、顔料容積濃度は33%である。形成された
塗膜は、さざ波状で美観性の高い仕上りとなり、塗装後
12ヶ月においても塗膜外観に異常は認められなかっ
た。また、実施例1と同様にして温冷繰返し試験を行な
った結果、50℃温冷繰返し試験および80℃温冷繰返
し試験ともに異常は認められなかった。
【0045】(実施例5)実施例1と同様の基礎梁の外
側表面に対し、表2の下地調整塗材4をコテを用いて塗
付量1.5kg/mで塗付した。この塗付量で形成さ
れる下地調整塗材4の塗膜の水蒸気透過度は130g/
・24h、付着強さは2.0N/mm である。2
4時間乾燥後、表5の仕上塗材4をマスチックローラー
を用いて塗付量1.2kg/mで塗装した。この塗付
量で形成される仕上塗材4の塗膜の水蒸気透過度は82
g/m・24hである。また、伸び率は320%、顔
料容積濃度は18%である。形成された塗膜は、さざ波
状で美観性の高い仕上りとなり、塗装後12ヶ月におい
ても塗膜外観に異常は認められなかった。また、実施例
1と同様にして温冷繰返し試験を行なった結果、50℃
温冷繰返し試験および80℃温冷繰返し試験ともに異常
は認められなかった。
【0046】(実施例6)実施例1と同様の基礎梁の外
側表面に対し、表2の下地調整塗材5をコテを用いて塗
付量2.0kg/mで塗付した。この塗付量で形成さ
れる下地調整塗材5の塗膜の水蒸気透過度は45g/m
・24h、付着強さは1.5N/mmである。24
時間乾燥後、表4の仕上塗材1をマスチックローラーを
用いて塗付量1.2kg/mで塗装した。この塗付量
で形成される仕上塗材1の塗膜の水蒸気透過度は93g
/m・24hである。また、伸び率は270%、顔料
容積濃度は22%である。形成された塗膜は、さざ波状
で美観性の高い仕上りとなり、塗装後12ヶ月において
も塗膜外観に異常は認められなかった。また、実施例1
と同様にして温冷繰返し試験を行なった結果、50℃温
冷繰返し試験および80℃温冷繰返し試験で僅かに膨れ
がみられた。
【0047】(実施例7)実施例1と同様の基礎梁の外
側表面に対し、表2の下地調整塗材5をコテを用いて塗
付量2.0kg/mで塗付した。24時間乾燥後、表
4の仕上塗材3をマスチックローラーを用いて塗付量
1.2kg/mで塗装した。この塗付量で形成される
仕上塗材3の塗膜の水蒸気透過度は34g/m・24
hである。また、伸び率は480%、顔料容積濃度は1
0%である。形成された塗膜は、さざ波状で美観性の高
い仕上りとなり、塗装後12ヶ月においても塗膜外観に
異常は認められなかった。また、実施例1と同様にして
温冷繰返し試験を行なった結果、50℃温冷繰返し試験
では僅かに膨れがみられ、また80℃温冷繰返し試験で
は一部に膨れ・剥れがみられた。
【0048】(実施例8)実施例1と同様の基礎梁の外
側表面に対し、実施例1と同様にして下地調整塗材1を
塗装した。24時間乾燥後、アクリル樹脂接着剤を介し
て、仕上シート(製品名「グラニピエーレ」:エスケー
化研製)を貼着した。この時、仕上シートの水蒸気透過
度は45g/m・24hである。また、伸び率は60
%である。形成された塗膜は、美観性の高い仕上りとな
り、塗装後12ヶ月においても塗膜外観に異常は認めら
れなかった。また、実施例1と同様にして温冷繰返し試
験を行なった結果、50℃温冷繰返し試験および80℃
温冷繰返し試験ともに異常は認められなかった。
【0049】(比較例1)実施例1と同様の基礎梁の外
側表面に対し、表2の下地調整塗材3をコテを用いて塗
付量1.0kg/mで塗付した。この塗付量で形成さ
れる下地調整塗材3の塗膜の水蒸気透過度は34g/m
・24h、付着強さは0.8N/mmである。24
時間乾燥後、表4の仕上塗材1をマスチックローラーを
用いて塗付量1.2kg/mで塗装した。形成された
塗膜は、塗装後6ヶ月において膨れが認められた。ま
た、実施例1と同様にして温冷繰返し試験を行なった結
果、50℃温冷繰返し試験では一部に膨れ・剥れがみら
れ、80℃温冷繰返し試験では著しい膨れ・剥れがみら
れた。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、住宅等建築物の基礎梁
部表面に対し、膨れ、剥離等を生じず、様々な色彩や意
匠性を付与し美観性を高めることができる仕上工法を得
ることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】建築物基礎梁部の表面に対し、JIS K
    5400「塗料一般試験方法」8.17の水蒸気透過度
    が40g/m・24h以上、JIS A6916「仕
    上塗材用下地調整塗材」6.14の付着強さが1N/m
    以上となる塗膜を形成するポリマーセメント系下地
    調整塗材を塗付した後、水蒸気透過性を有する仕上塗膜
    を積層することを特徴とする建築物基礎梁部表面の仕上
    工法。
  2. 【請求項2】ポリマーセメント系下地調整塗材が、エポ
    キシ樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の建築
    物基礎梁部表面の仕上工法。
  3. 【請求項3】仕上塗膜の水蒸気透過度が40g/m
    24h以上であることを特徴とする請求項1、または、
    請求項2に記載の建築物基礎梁部表面の仕上工法。
  4. 【請求項4】仕上塗膜により形成される塗膜の20℃雰
    囲気下での伸び率が50〜500%、かつ、顔料容積濃
    度が10%以上であることを特徴とする請求項1、また
    は、請求項2、または、請求項3に記載の建築物基礎梁
    部表面の仕上工法。
JP2001278954A 2000-09-18 2001-09-14 建築物基礎梁部表面の仕上工法 Pending JP2002161625A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001278954A JP2002161625A (ja) 2000-09-18 2001-09-14 建築物基礎梁部表面の仕上工法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000281347 2000-09-18
JP2000-281347 2000-09-18
JP2001278954A JP2002161625A (ja) 2000-09-18 2001-09-14 建築物基礎梁部表面の仕上工法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002161625A true JP2002161625A (ja) 2002-06-04

Family

ID=26600090

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001278954A Pending JP2002161625A (ja) 2000-09-18 2001-09-14 建築物基礎梁部表面の仕上工法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002161625A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003035022A (ja) * 2001-07-26 2003-02-07 Bekku Kk 被膜積層体
JP2004092381A (ja) * 2002-08-09 2004-03-25 Sk Kaken Co Ltd 建築物基礎梁部表面の仕上構造
JP2006219846A (ja) * 2005-02-09 2006-08-24 Kikusui Chemical Industries Co Ltd コンクリート基礎の保護方法
JP2007144384A (ja) * 2005-07-07 2007-06-14 Sk Kaken Co Ltd 塗装方法

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02137407A (ja) * 1988-11-17 1990-05-25 Murata Mfg Co Ltd 誘電体アンテナ
JPH0369538A (ja) * 1989-08-07 1991-03-25 Jiro Takei エポキシ樹脂含有セメントモルタル組成物
JPH03285882A (ja) * 1990-04-03 1991-12-17 Meisei Kogyo Kk コンクリート構造物の劣化防止方法
JPH0699137A (ja) * 1991-12-05 1994-04-12 Sk Kaken Co Ltd コンクリート塗り床工法
JPH11100287A (ja) * 1997-09-25 1999-04-13 Sekisui House Ltd 基礎のリフレッシュ・補修用塗装材及びリフレッシュ・補修方法
JPH11290771A (ja) * 1998-04-15 1999-10-26 Sk Kaken Co Ltd 透湿防水積層塗膜形成方法
JPH11290780A (ja) * 1998-04-15 1999-10-26 Sk Kaken Co Ltd 透湿性塗膜の形成方法
JP2000185957A (ja) * 1998-12-24 2000-07-04 Chichibu Concrete Kogyo Kk ポリマー含有セメントモルタル組成物
JP2000210616A (ja) * 1999-01-21 2000-08-02 Sk Kaken Co Ltd 透湿性塗膜の形成方法

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02137407A (ja) * 1988-11-17 1990-05-25 Murata Mfg Co Ltd 誘電体アンテナ
JPH0369538A (ja) * 1989-08-07 1991-03-25 Jiro Takei エポキシ樹脂含有セメントモルタル組成物
JPH03285882A (ja) * 1990-04-03 1991-12-17 Meisei Kogyo Kk コンクリート構造物の劣化防止方法
JPH0699137A (ja) * 1991-12-05 1994-04-12 Sk Kaken Co Ltd コンクリート塗り床工法
JPH11100287A (ja) * 1997-09-25 1999-04-13 Sekisui House Ltd 基礎のリフレッシュ・補修用塗装材及びリフレッシュ・補修方法
JPH11290771A (ja) * 1998-04-15 1999-10-26 Sk Kaken Co Ltd 透湿防水積層塗膜形成方法
JPH11290780A (ja) * 1998-04-15 1999-10-26 Sk Kaken Co Ltd 透湿性塗膜の形成方法
JP2000185957A (ja) * 1998-12-24 2000-07-04 Chichibu Concrete Kogyo Kk ポリマー含有セメントモルタル組成物
JP2000210616A (ja) * 1999-01-21 2000-08-02 Sk Kaken Co Ltd 透湿性塗膜の形成方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003035022A (ja) * 2001-07-26 2003-02-07 Bekku Kk 被膜積層体
JP4540264B2 (ja) * 2001-07-26 2010-09-08 ベック株式会社 被膜積層体
JP2004092381A (ja) * 2002-08-09 2004-03-25 Sk Kaken Co Ltd 建築物基礎梁部表面の仕上構造
JP2006219846A (ja) * 2005-02-09 2006-08-24 Kikusui Chemical Industries Co Ltd コンクリート基礎の保護方法
JP2007144384A (ja) * 2005-07-07 2007-06-14 Sk Kaken Co Ltd 塗装方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6620464B2 (en) Coated construction substrates
US11680402B2 (en) Concrete panel board
JP4350556B2 (ja) 建築物壁面の塗装工法
JP2002161625A (ja) 建築物基礎梁部表面の仕上工法
CN101921539B (zh) 一种用于涂覆板材的组合物及其在板材上的应用
JP3285510B2 (ja) マルチ塗装形漆喰調仕上塗材
KR20160100117A (ko) 콘크리트 바닥의 친환경 표면강화 시공방법
JPH11116313A (ja) コンクリート防水用組成物及び防水施工方法
JP3822425B2 (ja) 床塗膜積層工法
JP2008274699A (ja) 壁面構造体
JP2728131B2 (ja) 防水工法
JP2001340806A (ja) 床透湿塗膜積層工法
JP2010168893A (ja) 断熱構造体
JP5564169B2 (ja) 断熱構造体
JP2006291561A (ja) サイディングボード面へのコンクリート打ち放し仕上げ方法
JP2020139309A (ja) 塗材仕上げ工法
JP4540264B2 (ja) 被膜積層体
JP3795376B2 (ja) 被膜積層体
JP2005007288A (ja) 線状模様の施工方法
JP3930122B2 (ja) 軽量厚膜形成用塗料の塗膜形成方法
JP2002186896A (ja) 石材調の外観を有する断熱塗膜構造
JP2018123242A (ja) 建材用シーラー組成物およびその用途
JP2007162351A (ja) 仕上げ方法
JP2003034994A (ja) 断熱構造体
JP3233646B2 (ja) セメント系基材の仕上げ方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080704

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100618

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100622

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100806

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100806

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101019

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110420

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110617

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110617

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110927