JP2004092381A - 建築物基礎梁部表面の仕上構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】住宅等建築物の基礎梁部の表面において、膨れ、浮き、剥れ等が発生せず、美観性を維持できる仕上構造を提供する。
【解決手段】
 建築物基礎梁部の表面に対し、(A)親水性樹脂、(B)平均粒子径が300μm以下である粉粒体を含有し、単位体積当たりの粉粒体比率が3〜55体積%、乾燥膜厚0.5mmにおける水蒸気透過度が20g/m・24h以上である仕上塗材を積層してなる仕上構造。
【選択図】なし

Description

 本発明は、戸建住宅等建築物の基礎梁部表面の仕上構造に関するものである。
 戸建住宅等の建築物においては、地面にコンクリート製の建築物用基礎を打設し、これを土台として家屋等が建てられるものが多い。この基礎部分は、主にフーチング部とこれより立ち上がる基礎梁部からなる。このうち、基礎梁部は建築物完成後において人目に触れるものであり、近年、このような基礎梁部の表面に対し、塗装によって様々な色彩や意匠性を付与することが望まれている。
 しかしながら、この基礎梁部は、一般にコンクリート製であり、施工直後においては水分を多く含む高含水率の状態となっている。この水分は、基礎梁部表面からの蒸発により経時的に減少するが、降雨等の後では、基礎が地面に含まれる水分を吸い上げるために、含水率が再び上昇する。吸い上げられた水分は、基礎梁部表面からの蒸発によって徐々に放出されるが、降雨等があれば基礎梁部の含水率は再び上昇する。このように、基礎梁部では常に含水率が変動し、その表面から繰り返し水分が蒸発しているような状態が続いている。従って、このような基礎梁部に塗装を行うことは、蒸発しようとする水分が局所的に塗膜を押し上げるため、塗膜が膨れや剥離を生じやすいという問題があった。
 このような問題に対し、特許文献1では、基礎梁部に対し、特定の水蒸気透過度を有するポリマーセメント系下地調整塗材を塗付した後、水蒸気透過性を有する仕上塗膜を積層することにより、膨れや剥離を生じない塗膜を形成させ、美観性を高めている。
特開2002−161625号公報
 本発明では、上記問題に対し、特許文献1と異なった観点から鋭意検討を行い、住宅等建築物の基礎梁部の表面に対し、親水性樹脂と、特定の粉粒体を含有し、特定粉粒体比率及び特定水蒸気透過度を有する仕上塗材を積層してなる仕上構造が、美観性を維持でき、膨れ、浮き、剥れ等が発生しないことを見出し、本発明の完成に至った。
 即ち、本発明は下記の特徴を有するものである。
1.(A)親水性樹脂、(B)平均粒子径が300μm以下である粉粒体、を含有し、単位体積当たりの粉粒体比率が3体積%以上55体積%未満、乾燥膜厚0.5mmにおける水蒸気透過度が20g/m・24h以上である仕上塗材を建築物基礎梁部の表面に積層してなることを特徴とする建築物基礎梁部表面の仕上構造
2.(A)親水性樹脂の硬化被膜の水に対する接触角が70度以下であることを特徴とする1.に記載の建築物基礎梁部表面の仕上構造
 本発明の仕上塗材は、乾燥膜厚が比較的厚くても優れた水蒸気透過度を有するため、基礎梁部の含水率が変動したとしても、膨れ、浮き、剥れ等が発生せず、美観性を維持できる仕上構造を提供することができる。また、厚膜で積層することができるため、建築物基礎梁部の表面に存在する凹凸、巣穴、ピンホール等の欠陥部分を覆うことができ、美観性に優れた仕上構造を提供することができる。さらに、建築物基礎梁部の表面に仕上塗材のみを積層して、仕上げることができ、工期を短縮することができる。
 以下、本発明をその実施するための最良の形態に基づき詳細に説明する。
 本発明の仕上塗材は、(A)親水性樹脂(以下「(A)成分」ともいう。)、(B)平均粒子径が300μm以下である粉粒体(以下「(B)成分」ともいう。)を含有し、単位体積当たりの粉粒体比率が3体積%以上55体積%未満、乾燥膜厚0.5mmにおける水蒸気透過度が20g/m・24h以上のものである。
 本発明の仕上塗材は、平均粒子径が300μm以下である粉粒体を親水性樹脂に3体積%以上55体積%未満の比率で配合することにより、乾燥膜厚が比較的厚くても優れた水蒸気透過度を有するため、基礎梁部の含水率が変動したとしても、膨れ、浮き、剥れ等が発生せず、美観性を維持することができる。また、比較的厚膜で積層することができるため、建築物基礎梁部の表面に存在する凹凸、巣穴、ピンホール等の欠陥部分を覆うことができ、美観性に優れた仕上構造を提供することができる。さらに、建築物基礎梁部の表面に仕上塗材のみを積層して仕上げることができ、工期を短縮することができる。
 [親水性樹脂]
 (A)親水性樹脂は、(B)粉粒体の結合剤としてはたらくとともに、本発明における仕上塗材に透湿性を付与するために重要な役割を果たす成分である。
 (A)成分は、親水性樹脂であれば、特に限定されない。(A)成分によって形成される被膜は、硬化被膜の水に対する接触角が70度以下、好ましくは65度以下であることが好ましい。(A)成分によって形成される被膜が、このような親水性を有さない場合は、十分な透湿機能を発揮することが困難となり、膨れ、浮き、剥れ等が発生しやすくなる。なお、硬化被膜の水に対する接触角は、樹脂をアルミニウム板に0.125mmの厚みで塗布し、温度23℃、相対湿度50%雰囲気下(標準状態)にて72時間乾燥させた後に、接触角計(「CA−DT」(協和界面科学株式会社製)で測定される値である。
 (A)成分としては、例えば、水溶性樹脂、水分散性樹脂が好適に用いられ、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、アクリル・酢酸ビニル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂、アクリル・シリコン樹脂、シリコン変性アクリル樹脂、エチレン・酢酸ビニル・ベオバ樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂等の樹脂溶液またはエマルション、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴム、メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム等の合成ゴムラテックス等が挙げられる。
 また1液タイプ、2液タイプのいずれも使用することができるが、特に、強度、付着性等を考慮すると2液タイプのほうが好ましい。
 (A)成分としては、主剤(以下「(a−1)成分」ともいう。)及び硬化剤(以下「(a−2)成分」ともいう。)からなる2液反応硬化型の親水性樹脂で、これらの少なくとも一方が水溶性化合物または水分散性化合物であることが望ましい。このような態様では、(a−1)成分と(a−2)成分とを混合することで、これらの一方が疎水性であっても、親水性を高くすることが可能となり、水を含んだ建築物基礎梁部への塗装適性を高めることもできる。
 水分散性化合物としては、エマルション型化合物、強制乳化型化合物、自己乳化型化合物等があげられる。これらの中で、基礎梁部への適性、形成される塗膜の耐水性等を考慮すると、自己乳化型化合物が好適に用いられる。
 (a−1)成分、(a−2)成分の組合せとしては、例えば、エポキシ−アミン、ポリオール−イソシアネート、カルボキシル−エポキシ、カルボキシル−金属イオン、カルボキシル−カルボジイミド、カルボキシル−オキサゾリン、カルボニル−ヒドラジド等があげられる。このうち、エポキシ−アミン、ポリオール−イソシアネート等の組み合わせが好適に用いられる。
 エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、環式脂肪族エポキシ樹脂、ダイマー酸変性エポキシ樹脂、PPG変性エポキシ樹脂等、あるいはこれらをポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等で変性したもの等をあげることができる。
 アミン化合物としては、例えば、脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、芳香族ポリアミン、ポリアミド、ポリアミドアミン、複素環状アミンなど、またはこれらの変性物などが使用できる。
 ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、フェノールレジンポリオール、エポキシポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリエステル−ポリエーテルポリオール、ウレア分散ポリオール、カーボネートポリオール等があげられる。
 イソシアネートとしては、例えば、トルエンジイソシアネート(TDI)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(pure−MDI)、ポリメリックMDI、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添XDI、水添MDI等のイソシアネートモノマーをアロハネート、ビウレット、2量化(ウレチジオン)、3量化(イソシアヌレート)、アダクト化、カルボジイミド反応等により、誘導体化したもの、及びそれらの混合物等を使用することができる。
 (a−1)成分と(a−2)成分の混合比率は、それぞれの反応性官能基の当量比が100:10〜400となるように配合されることが望ましい。
 本発明では、優れた透湿性、膨れ防止性、強度、付着性等が得られることから、特に、(a−1)成分として自己乳化型エポキシ樹脂、(a−2)成分として自己乳化型ポリアミン化合物を用いることが望ましい。
[粉粒体]
 本発明に用いる(B)成分は、その平均粒子径が300μm以下、さらには1μm〜100μmであることが好ましい。平均粒子径が300μmより大きい場合は遮水性が損なわれる場合がある。
 (B)成分としては、平均粒子径が上記範囲内であれば、特に限定されず、天然品、人工品のいずれも使用することができる。例えば、重質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、陶土、チャイナクレー、珪藻土、タルク、バライト粉、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、珪砂、ガラスビーズ、樹脂ビーズ、樹脂発泡体、金属粒、あるいは岩石、ガラス、陶磁器、焼結体、プラスチック、ゴム等の破砕品等が挙げられる。このような粉粒体に着色を施したものも使用することができる。様々な色の粉粒体を適宜混合することにより、意匠性を高めることもできる。
 本発明では、形成される仕上塗膜において単位体積当たりの粉粒体比率が3体積%以上55体積%未満、好ましくは3〜40体積%、さらに好ましくは3〜20体積%、最も好ましくは3〜15体積%となるように、(A)成分と(B)成分を混合する。この比率が3体積%より少ないと、透湿性が低下する傾向となり、膨れ、浮き、剥れ等が発生しやすくなる。55体積%以上では、遮水性が低下する傾向となる。本発明において、平均粒子径が50μm以下、好ましくは20μm以下、粉粒体比率が3〜20体積%(好ましくは3〜15体積%)の場合、光沢度の高い仕上塗膜を得ることができる。
 なお、本発明における単位体積当たりの粉粒体比率は、下記式にて理論的に算出される値であり、空隙は排除される。
Figure 2004092381
 本発明では、さらに、撥水剤(以下「(C)成分」ともいう。)が含まれることにより、仕上層が優れた水蒸気透過性を維持しつつ、その表面からの水分の浸入を十分抑えることができる。
 (C)成分としては、例えば、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、アクリル・エチレン共重合体ワックス等のワックス系撥水剤;シリコーン樹脂、ポリジメチルシロキサン、アルキルアルコキシシラン等のエマルション、あるいはこれらを複合したエマルション等のシリコン系撥水剤;パーフロロアルキルカルボン酸塩、パーフロロアルキルリン酸エステル、パーフロロアルキルトリメチルアンモニウム塩等のフッ素系撥水剤、等が挙げられる。
 本発明においてはシリコン系撥水剤が好ましく用いられ、この中でも特にシリコーン樹脂含有エマルションが好適である。
 (A)成分と(C)成分との混合比率は、その固形分体積比率が100:0.5〜100:20、好ましくは100:1〜100:10である。
 本発明ではさらに、比重0.95以下(好ましくは0.90以下)、乾点100〜300℃(好ましくは150〜250℃以下)であり、脂肪族及び/または脂環式炭化水素を50重量%以上(好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上、最も好ましくは80重量%以上)含む塗膜形成助剤を含有することが好ましい。
 一般に、親水性を示す反応硬化型樹脂は、反応硬化時に大気中に存在する水分等を吸着し、その吸着した水分の影響によって形成塗膜が白化する場合がある。これは、水分を吸着しやすい親水性を示す樹脂は、外部から水分を吸着し、水分を吸着した状態で反応硬化が進行すると、形成塗膜にムラが発生し、白化が起こると考えられる。特に、高湿度条件下では、外部から水分が浸入しやすく、塗膜白化が起こりやすい。
 塗膜形成助剤は、比重が0.95以下であるため塗膜形成表面に移行しやすく、乾点が100〜300℃であるため、塗膜が十分形成するまでの間、塗膜形成表面に存在し続けることができ、外部からの水分の浸入を防ぐ効果がある。特に、高湿度条件下においても、外部からの水分の浸入を防ぎ、優れた効果を発揮する。
 また、仕上塗材に塗膜形成助剤を含有することにより硬化反応をある程度抑制し、塗膜形成速度を適度なものとすることができ、均一で強固な塗膜を形成することができる。
 さらに、親水性を示す樹脂中に窒素含有化合物が存在する場合には、外気の二酸化炭素や窒素等の物質を吸着し塗膜を白化させるアミンブラッシング現象が起こる場合も考えられる。本発明では、上述の効果により、このようなアミンブラッシング現象も防ぐことが可能である。
 なお、乾点とは、JIS K 2254に規定される分留試験に基づき測定されるもので、100ccエングラーフラスコに(B)成分100ccを入れ蒸留を行なった時の、フラスコの最低部が乾燥したときの温度のことをいう。
 脂肪族及び/または脂環式炭化水素としては、例えば、炭素数が4〜30の分岐状や直鎖状の脂肪族炭化水素及び/または脂環式炭化水素からなるものが好ましく、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、n−デカン、3,4−ジエチルヘキサン、2,6−ジメチルオクタン、3,3−ジメチルオクタン、3,5−ジメチルオクタン、4,4−ジメチルオクタン、3−エチル−3−メチルヘプタン、2−メチルノナン、3−メチルノナン、4−メチルノナン、5−メチルノナン、n−ウンデカン、n−ドデカン、2−メチルウンデカン、3−メチルウンデカン、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン等の脂肪族炭化水素等、シクロペンタン、シクロヘキサン、4−メチル−1−イソプロピルシクロヘキサン(p−メンタン)、シクロオクタン、デカリン等の脂環式炭化水素等が挙げられ、1種または2種以上を混合して用いることができる。
 塗膜形成助剤は、上述した脂肪族及び/または脂環式炭化水素を50重量%以上含有するものであり、具体的には、IPソルベント(出光石油化学株式会社製)(比重0.76、乾点202℃、脂環式炭化水素100重量%)、LAWS(シェルケミカルズジャパン株式会社製)(比重0.79、乾点197℃、脂環式炭化水素70重量%)、アイソパー(エクソン化学株式会社社製)(比重0.7〜0.79、乾点104〜253℃、脂環式炭化水素100重量%)等が挙げられる。
 塗膜形成助剤の混合比率としては、(A)成分の固形分100重量部に対し、固形分で5〜30重量部、好ましくは10〜20重量部程度であることが好ましい。このような範囲であることにより、塗膜形成時に、外部からの水分、二酸化炭素、窒素等の浸入を防ぎ、塗膜形成速度を適度なものとすることができ均一な塗膜を形成することができる。5重量部より少ない場合は、外部からの水分の浸入を防ぎきれず、塗膜白化が起こりやすくなる。30重量部より多い場合は、臭気が発生し、塗料の粘度が高くなり、塗装作業性及び仕上がり性に劣る場合がある。
 本発明の仕上塗材においては、本発明の効果を阻害しない範囲で、上述の成分の他、各種の顔料や、通常仕上塗材に使用可能な添加剤、例えば、繊維、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、消泡剤、増粘剤等を使用することもできる。
 本発明の仕上塗材は、乾燥膜厚0.5mmにおける水蒸気透過度が20g/m・24h以上、さらに好ましくは40g/m・24h以上のものである。水蒸気透過度が20g/m・24hより低い場合は、コンクリート中の水分による水蒸気を十分に拡散することができずに膨れたり、剥離したりする。なお、本発明における水蒸気透過度は、JIS K 5400−1990 8.17「水蒸気透過度」に準じて測定されるものである。
 本発明の仕上塗材は、20℃における伸び率が50〜500%、好ましくは120〜350%であることが望ましい。仕上塗材がこのような範囲であることにより、基礎梁部にひび割れが生じても追従することができ好ましい。なお、本発明における伸び率は、JIS A 6909−2000 7.31「伸び試験」の「20℃時の伸び試験」に準じて測定された値である。
 また、本発明の仕上塗材は、付着強さが1N/mm以上であることが好ましく、さらには2N/mm以上であることが好ましい。付着強さが1N/mmより小さいと塗膜が基礎梁部表面から剥れやすくなる。
 本発明は、建築物基礎梁部の表面に上述の仕上塗材を積層するだけで仕上げることができ、工期を短縮することができる。仕上塗材を建築物基礎梁部の表面に積層する方法としては、特に限定されないが、仕上塗材をコテ、ローラー、刷毛等を用いて均一に塗布する方法、シート状に成形した仕上塗材を、粘・接着剤で貼着する方法等が挙げられる。また本発明の効果を損なわないかぎり、何らかの下地処理を行うこともできる。
 仕上塗材の乾燥膜厚は、通常0.3mm以上2mm未満、好ましくは0.5mm以上1.5mm未満である。本発明では0.5mm以上の厚膜で積層したとしても優れた水蒸気透過度を有するため、膨れ、浮き、剥れ等の発生を防止することができる。また、厚膜で積層することができるため、建築物基礎梁部の表面に存在する凹凸、巣穴、ピンホール等の欠陥部分を覆うことができ、優れた美観性に仕上げることができる。仕上塗材の乾燥は常温にて行えばよいが、加熱することもできる。
 また、仕上塗材上には、本発明の効果を損なわない程度に、上塗層を積層することもできる。上塗層としては、クリヤー層のほかに着色層であってもよい。また、意匠性、遮水性等の機能性を有する上塗層を積層することもできる。このような、上塗層としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂等の水系または溶剤系のいずれの樹脂を用いてもよい。本発明では、耐候性を考慮すると、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂等が望ましい。
 以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
Figure 2004092381
Figure 2004092381
1.接触角測定
 各実施・比較例で用いた樹脂をアルミニウム板に0.125mmの厚みで塗付し、温度23℃、相対湿度50%雰囲気下(以下、標準状態という)にて72時間乾燥させた後、硬化被膜の水に対する接触角を接触角計「CA−DT」(協和界面科学社製)で測定した。結果は、表2に示す。
2.水蒸気透過度試験
 離型紙を貼ったガラス板の上にろ紙を置き、このろ紙上に乾燥膜厚が0.5mmとなるように仕上塗材を塗付し、標準状態で1週間養生を行った。養生後、仕上塗材が塗布されたろ紙を剥がし、その水蒸気透過度をJIS K5400 8.17に準じて測定した。結果は、表2に示す。
3.表面遮水性試験
 150×150×60mmのスレート板に、乾燥膜厚が0.5mmとなるように仕上塗材を塗付し、標準状態で7日間養生した後、口径約75mmの漏斗を取り付けたものを試験体とした。
 作製した試験体の漏斗内に水を注入し、24時間放置後の状態を観察した。評価は、透水量が5ml/m・24hr以下のものを○、5ml/m・24hrを超えるものを×とした。
(実施例1)
 表1に示す原料を用いて、表2の配合によって、仕上塗材を製造した。コンクリートを打設し、1週間後型枠を取り外して、さらに3週間養生し作製した基礎梁の外側表面に対し、ウールローラーを用いて仕上塗材を乾燥膜厚が0.5mmとなるように塗付した。2週間後、建研式接着力試験器(山本扛重機株式会社製)で付着強さを測定した。結果は表2に示す。
 形成された仕上塗膜は、美観性に優れており、塗装後12ヶ月後においても膨れ、浮き、剥れが見られず、塗膜外観に異常は認められなかった。
(実施例2)
 表2に示す配合の仕上塗材を使用した以外は、実施例1と同様の方法で、基礎梁の外側表面に仕上塗材を塗付した。2週間後、実施例1と同様に付着強さを測定した。結果は表2に示す。
 形成された仕上塗膜は、美観性に優れており、塗装後12ヶ月後においても膨れ、浮き、剥れが見られず、塗膜外観に異常は認められなかった。
(実施例3)
 表2に示す配合の仕上塗材を使用した以外は、実施例1と同様の方法で、基礎梁の外側表面に仕上塗材を塗付した。2週間後、実施例1と同様に付着強さを測定した。結果は表2に示す。
 形成された仕上塗膜は、美観性に優れており、塗装後12ヶ月後においても膨れ、浮き、剥れが見られず、塗膜外観に異常は認められず、優れた美観性を有していた。
(比較例1)
 表2に示す配合の仕上塗材を使用した以外は、実施例1と同様の方法で、基礎梁の外側表面に仕上塗材を塗付した。2週間後、実施例1と同様に付着強さを測定した。結果は表2に示す。
 親水性の樹脂を用いていないため、水蒸気透過度が低く、塗装後12ヶ月後に観察したところ、膨れがみられた。

Claims (2)

  1.  (A)親水性樹脂、
     (B)平均粒子径が300μm以下である粉粒体、
    を含有し、単位体積当たりの粉粒体比率が3体積%以上55体積%未満、乾燥膜厚0.5mmにおける水蒸気透過度が20g/m・24h以上である仕上塗材を建築物基礎梁部の表面に積層してなることを特徴とする建築物基礎梁部表面の仕上構造
  2.  (A)親水性樹脂の硬化被膜の水に対する接触角が70度以下であることを特徴とする請求項1に記載の建築物基礎梁部表面の仕上構造
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