JP2003034994A - 断熱構造体 - Google Patents

断熱構造体

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JP2003034994A
JP2003034994A JP2001225296A JP2001225296A JP2003034994A JP 2003034994 A JP2003034994 A JP 2003034994A JP 2001225296 A JP2001225296 A JP 2001225296A JP 2001225296 A JP2001225296 A JP 2001225296A JP 2003034994 A JP2003034994 A JP 2003034994A
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layer
binder
heat insulating
coating
synthetic resin
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JP2001225296A
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English (en)
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Tetsuya Mori
徹也 森
Naohisa Takemura
尚久 竹村
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Beck Co Ltd
Original Assignee
Beck Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】断熱性を有するとともに、その表面に美観性が
付与され、かつその美観性を長期にわたって維持するこ
とができる建築物外壁面を提供する。 【解決手段】壁面の屋内側から屋外側へ向かって、断熱
層(A)、基材層(B)、可撓性を有する厚付け仕上塗
材からなる第一の被膜層(C)、水蒸気透過度が40g
/m・24h以上で、結合剤として無機結合剤及びガ
ラス転移温度が−80〜20℃である有機合成樹脂結合
剤を含み、該無機結合剤と該有機合成樹脂結合剤との固
形分重量比率が95/5〜50/50である第二の被膜
層(D)、水蒸気透過度が20g/m・24h以上
で、有機合成樹脂結合剤及び顔料を含み、顔料容積濃度
が10%以上である第三の被膜層(E)、との構成にす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビル、集合住宅、戸建
住宅等の建築物外壁面を構成する断熱構造体に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ビル、集合住宅、戸建住宅等の建築物に
おいては、屋外の温度変化が屋内に直接影響することを
抑制すること、あるいは屋内の気密性を高めることなど
を目的として、外壁面構造に断熱性を付与することが行
われている。このような断熱性外壁面としては、外壁面
の室内側にフェノールフォーム、グラスウール等の各種
断熱材を設けたものや、外壁面を構成する基材自体が断
熱性を有するもの等が用いられている。
【0003】一方、建築物外壁面においては、意匠性を
付与するために、様々な塗材が塗付形成されている。こ
のうち、その被膜が可撓性を有する厚付け仕上塗材は、
立体感のある意匠性が表出されるとともに、下地のコン
クリートやモルタル等の微細なひび割れに追従できる性
能を有することから、好んで使用されている。ここで、
一般に厚付け仕上塗材は、骨材を含有し、その被膜表面
は粗面となり、且つ、艶消し乃至3分艶の状態である
が、近年、ニーズの多様化により、半艶乃至艶有り仕上
げや、被膜表面をより滑らかな仕上りにすることを要望
される場合があり、この場合、各種の上塗材が塗装され
ている。また、厚付け仕上塗材は、屋外において長期に
わたり曝露されると、太陽光、降雨、粉塵等の影響によ
り劣化や汚染が進行してしまう。このため、塗り替えの
必要が生じる。また、劣化が進行してなくても、前述の
如く、色や形状等の意匠性を変更する要望がある場合に
は、塗り替えが行われる。
【0004】しかしながら、上述のような厚付け仕上塗
材は、その被膜層の厚みが概ね4〜10mmとかなり厚
く、水分や造膜助剤等の塗材中の成分が被膜内に残存し
やすい傾向がある。さらに、被膜表面が外気に直接曝さ
れていると、劣化の進行とともに降雨等による水分が被
膜表面から吸収されやすくなり、その水分が被膜内に滞
留しやすくなる。
【0005】このように、可撓性を有する厚付け仕上塗
材層の被膜内部には、水分や高沸点溶剤等の気化性成分
が含まれるおそれがあり、そのような被膜層を断熱性外
壁面に適用すると、太陽光の照射等によって被膜の温度
が上昇し、さらにその高温状態が長時間にわたって続く
ため、被膜層内部に存在する気化性成分が蒸発しやすく
なり、経時的に被膜が膨れ、剥離等を発生して美観性を
損う場合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような課
題に鑑みなされたもので、断熱性を有するとともに、そ
の表面に美観性が付与され、かつその美観性を長期にわ
たって維持することができる建築物外壁面を提供するこ
とを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るため本発明者らは鋭意検討を行い、複数の特定の層か
らなる構造体に想到し本発明を完成した。すなわち、本
発明は以下の特徴を有するものである。1.建築物外壁
面を構成する断熱構造体であって、壁面の屋内側から屋
外側へ向かって、断熱層(A)、基材層(B)、可撓性
を有する厚付け仕上塗材からなる第一の被膜層(C)、
JIS K5400「塗料一般試験方法」8.17の水
蒸気透過度が40g/m ・24h以上で、結合剤とし
て無機結合剤及びガラス転移温度が−80〜20℃であ
る有機合成樹脂結合剤を含み、該無機結合剤と該有機合
成樹脂結合剤との固形分重量比率が95/5〜50/5
0である第二の被膜層(D)、JIS K5400「塗
料一般試験方法」8.17の水蒸気透過度が20g/m
・24h以上で、有機合成樹脂結合剤及び顔料を含
み、顔料容積濃度が10%以上である第三の被膜層
(E)、を有することを特徴とする断熱構造体。2.建
築物外壁面を構成する断熱構造体であって、壁面の屋内
側から屋外側へ向かって、断熱性基材層(B’)、可撓
性を有する厚付け仕上塗材からなる第一の被膜層
(C)、JIS K5400「塗料一般試験方法」8.
17の水蒸気透過度が40g/m ・24h以上で、結
合剤として無機結合剤及びガラス転移温度が−80〜2
0℃である有機合成樹脂結合剤を含み、該無機結合剤と
該有機合成樹脂結合剤との固形分重量比率が95/5〜
50/50である第二の被膜層(D)、JIS K54
00「塗料一般試験方法」8.17の水蒸気透過度が2
0g/m ・24h以上で、有機合成樹脂結合剤及び顔
料を含み、顔料容積濃度が10%以上である第三の被膜
層(E)、を有することを特徴とする断熱構造体。
【0008】
【発明の実施の形態】[断熱層]断熱層(以下「(A)
層」ともいう)は、本発明の断熱構造体において最も屋
内側に位置するものであり、屋外の温度変化が屋内に直
接影響することを抑制すること、あるいは屋内の気密性
を高めることなどの効果を得るために設けられる層であ
る。このような(A)層を構成するものとしては、例え
ば、ポリスチレン発泡体、ポリウレタン発泡体、アクリ
ル樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体、グラスウール、
ロックウール、発泡セラミック等、あるいはこれらの複
合体等があげられる。各種基材にサンドイッチされた空
気層も(A)層に含まれる。このような(A)層は、具
体的には熱伝導率が0.5kcal/m・hr・℃以下
の断熱性を有するものであることが望ましい。
【0009】[基材層]本発明における基材層(以下
「(B)層」ともいう)としては、建築物外壁面を構成
するものである限り特に限定されないが、例えば、コン
クリート、モルタル、セメントボード、押出成形板、ス
レート板、PC板、ALC板、繊維強化セメント板、金
属ボード、磁器タイル、金属系サイディングボード、窯
業系サイディングボード、セラミック板、石膏ボード、
プラスチックボード、硬質木片セメント板、塩ビ押出サ
イディングボード、合板等、あるいはこれらの複合体等
があげられる。このような基材層は、何らかの表面処理
層(例えば、シーラー層、サーフェーサー層等)を有す
るものであってもよい。
【0010】[断熱性基材層]本発明における断熱性基
材層(以下「(B’)層」ともいう)とは、上述の基材
層のうち、具体的には熱伝導率が0.5kcal/m・
hr・℃以下の断熱性を有するものを言う。このような
(B’)層はそれ自体が断熱性を有するので、断熱層を
省略することができる。(B’)層を構成する基材とし
ては、例えば、軽量モルタル、軽量コンクリート、発泡
コンクリート板、けい酸カルシウム板、パーライトセメ
ント板、石膏ボード、ロックウール板、グラスウール保
温板等、あるいはこれらの複合体等があげられる。この
ような(B’)層は、上述の基材層と同様に何らかの表
面処理層を有するものであってもよい。
【0011】[第一の被膜層]本発明における第一の被
膜層(以下「(C)層」ともいう)は、その被膜が可撓
性を有する厚付け仕上塗材から形成されるものであり、
本発明の断熱構造体に凹凸形状の立体模様を付与すると
ともに、基材層の微細なひび割れに追従できる性能を有
するものである。この層を形成する仕上塗材は、JIS
A6909に規定されている厚付け仕上塗材に可撓性
が付与されたものである。該仕上塗材は、主に、合成樹
脂エマルション等の結合剤、寒水石、珪砂、砂、軽量細
骨材、有機質骨材等の骨材、炭酸カルシウム、クレー、
タルク、マイカ、珪藻土、珪石粉等の無機質粉体及び各
種顔料等を構成成分とするものである。該仕上塗材の可
撓性は、例えば、合成樹脂エマルションのガラス転移温
度や、各成分の配合比率を調整することによって付与さ
れる。
【0012】(C)層の膜厚は、通常4〜10mmであ
り、その断面が玉状、台形状等の凹凸形状を有するもの
である。一般に、断面が玉状となる被膜は吹放し仕上げ
によって形成することができ、断面が台形状となる被膜
は、吹放し仕上げを行った後にローラー等を用いて凸部
を押える処理を施すことにより形成することができる。
【0013】[第二の被膜層]本発明における第二の被
膜層(以下「(D)層」ともいう)は、JIS K54
00「塗料一般試験方法」8.17の水蒸気透過度が4
0g/m・24h以上(好ましくは100g/m
24h以上、さらに好ましくは500g/m・24h
以上)となる被膜である。水蒸気透過度が40g/m
・24hより低い場合には、蒸気拡散機能を発揮するこ
とが困難となり、膨れや剥れ等が発生しやすくなる。
【0014】(D)層は、結合剤として無機結合剤及び
ガラス転移温度が−80〜20℃である有機合成樹脂結
合剤を含むものである。
【0015】(D)層に含まれる無機結合剤としては、
例えば、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ等のコ
ロイダル金属酸化物、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウ
ム、ケイ酸リチウム等の水溶性ケイ酸アルカリ金属塩、
普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメン
ト、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランド
セメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、白色ポルト
ランドセメント、アルミナセメント、超速硬セメント、
膨張セメント、酸性リン酸塩セメント、シリカセメン
ト、高炉セメント、フライアッシュセメント、キーンス
セメント等の各種セメント等が挙げられ、これらの1種
または2種以上を使用することができる。このような無
機結合剤は、金属塩、有機酸、無機酸等と併用すること
もできる。
【0016】有機合成樹脂結合剤としては、例えば、合
成樹脂エマルション、水溶性樹脂、溶剤型樹脂、無溶剤
型樹脂、粉末樹脂等を使用することができる。樹脂成分
としては、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴ
ム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、メタクリル酸
メチル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、アクリル樹
脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、
アスファルト、ゴムアスファルト等があげられる。この
うち、アクリル樹脂エマルションが好適に用いられる。
【0017】上記有機合成樹脂結合剤のガラス転移温度
は−80〜20℃、好ましくは−60〜−20℃であ
る。有機合成樹脂結合剤のガラス転移温度がこのような
範囲であることにより、(C)層に対し適度に追従する
ことができるとともに、断熱構造体の膨れや剥がれ発生
を防止することが可能となる。
【0018】無機結合剤と有機合成樹脂結合剤との固形
分重量比率は、95/5〜50/50、好ましくは90
/10〜70/30である。(D)層において併用する
2種の結合剤がこのような比率であることにより、
(C)層への追従性と蒸気拡散機能と強度とのバランス
が最適となる。この比率より有機合成樹脂結合剤が少な
い場合は、(C)層への追従性が不十分となり被膜に割
れが生じやすく、有機合成樹脂結合剤が多い場合は蒸気
拡散機能や強度が低下する傾向となる。
【0019】(D)層においては、上述の成分の他、必
要に応じ骨材、繊維等を含むこともできる。骨材として
は、例えば、珪砂、寒水石、パーライト、バーミキュラ
イト、スチレン樹脂発泡体、エチレン酢酸ビニル樹脂発
泡体、塩化ビニル樹脂発泡体、重質炭酸カルシウム、ク
レー、カオリン、タルク、沈降性硫酸バリウム、炭酸バ
リウム、ホワイトカーボン、珪藻土等を使用することが
可能である。繊維としては、例えば、ロックウール、ガ
ラス繊維、シリカーアルミナ繊維、カーボン繊維等の無
機繊維、あるいはパルプ繊維、ポリプロピレン繊維、ビ
ニル繊維、アラミド繊維等の有機繊維等があげられる。
【0020】(D)層は、上述のような成分を各種混合
機によって均一に混合した後、塗付、乾燥することによ
って形成することができる。このとき、必要に応じて水
を配合することができる。
【0021】(D)層の、(C)層に対する付着強さは
1N/mm以上であることが望ましい。このような付
着強さを有することにより、密着性を長期にわたり維持
することができる。
【0022】(D)層は、(C)層が形成された後、任
意の時期に積層することが可能である。この際、その被
膜厚みは0.1〜1mmとすることが望ましい。被膜厚
みが1mmより大きい場合は、(C)層の形状を生かす
ことが困難となり、0.1mmより小さい場合は、膨れ
や剥れを防止する効果が低下してしまう。被膜形成時に
は、コテ、リシンガン、ローラー、刷毛等の塗装器具を
用いることができる。(D)層を、通常8〜48時間程
度乾燥させた後、次の層を積層することができる。
【0023】[第三の被膜層]本発明における第三の被
膜層(以下「(E)層」ともいう)は、水蒸気透過度が
20g/m・24h以上(好ましくは30g/m
24h以上、さらに好ましくは40〜250g/m
24h)の被膜である。このような性質を有することに
より、(C)層の気化性成分を効率よく外部に放出する
ことができるとともに、被膜の膨れや剥がれ発生を防止
することができる。
【0024】(E)層は、有機合成樹脂結合剤及び顔料
を含むもので、顔料容積濃度は10%以上である。
(E)層がこのような顔料容積濃度であることにより、
(C)層の気化性成分を適度に外部に放出することがで
きるとともに、被膜の膨れや剥がれの発生を防止するこ
とができる。顔料容積濃度が10%より小さい場合は、
気化性成分を放出する機能が低下し、被膜に割れや剥が
れが生じやすくなる。
【0025】有機合成樹脂結合剤としては、合成樹脂エ
マルションが好適に用いられ、例えば、アクリル樹脂エ
マルション、ウレタン樹脂エマルション、酢酸ビニル樹
脂エマルション、シリコン樹脂エマルション、フッ素樹
脂エマルション、アクリル・酢酸ビニル樹脂エマルショ
ン、アクリル・ウレタン樹脂エマルション、アクリル・
シリコン樹脂エマルション、等を使用することができ
る。このような合成樹脂エマルションは、架橋反応性を
有することもできる。架橋反応性を有することにより、
耐候性、耐水性等の被膜物性を向上でき、さらに蒸気透
過性を高めることができる。この他、溶剤可溶形樹脂、
非水分散形樹脂等を用いることもできる。
【0026】顔料としては、例えば、重質炭酸カルシウ
ム、クレー、カオリン、タルク、沈降性硫酸バリウム、
炭酸バリウム、ホワイトカーボン、珪藻土等の体質顔
料、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック、キナクリ
ドン、ペリレン、フタロシアニン化合物、アゾ化合物等
の着色顔料等を使用することができる。
【0027】(E)層の被膜厚みは0.3mm以下であ
ることが望ましい。被膜厚みが0.3mmより大きい場
合は、(C)層の形状を生かすことが困難となる。被膜
形成時においては、スプレーガン、ローラー、刷毛等の
塗装器具を使用することができる。
【0028】(E)層は、建築物壁面の最表面に積層さ
れるものであり、様々な色彩を付与することができる
が、その色彩が白色系であれば被膜の温度上昇を抑制す
ることができ、膨れや剥れの防止に有効となる。
【0029】(E)層は、水蒸気透過度が20g/m
・24h以上(好ましくは30g/m ・24h以
上、さらに好ましくは40g/m ・24h以上)の
被膜からなる中間層を介して、(D)層に積層してもよ
い。この中間層は、(D)層及び(E)層との密着性に
優れるものを使用することが望ましく、このような中間
層としては、例えば、結合剤としてアクリル樹脂、ウレ
タン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ゴム樹脂等の有機合成樹
脂結合剤を含むものがあげられる。中間層の被膜形成時
には、スプレーガン、ローラー、刷毛等の塗装器具を用
いることができる。
【0030】本発明では、第二の被膜層(D)及び第三
の被膜層(E)からなる積層体の水蒸気透過度が、20
g/m ・24h以上(好ましくは30g/m ・2
4h以上、さらに好ましくは40g/m ・24h以
上)であることが望ましい。このような積層被膜は十分
に被膜の膨れや剥がれを防止することができる。
【0031】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特
徴をより明確にする。なお、(C)、(D)、(E)層
を形成する材料としては、以下のものを使用した。 ・無機結合剤1:普通ポルトランドセメント ・無機結合剤2:コロイダルシリカ ・樹脂1:アクリル樹脂エマルション(固形分50%、
Tg−40℃) ・樹脂2:アクリル樹脂エマルション(固形分50%、
Tg35℃) ・樹脂3:アクリル樹脂エマルション(固形分50%、
Tg0℃) ・樹脂4:アクリルシリコン樹脂エマルション(固形分
50%、Tg15℃) ・顔料1:酸化チタン ・顔料2:重質炭酸カルシウム ・骨材1:珪砂 ・骨材2:寒水石・ゴム粉
【0032】(実施例1)(A)層としてフェノール樹
脂発泡体を使用し、この発泡体に対し、(B)層とし
て、その表面にシーラー処理を施したスレート板を貼着
した。さらに以下の方法により被膜を積層した。なお、
被膜の塗付及び乾燥は、すべて温度20℃湿度65%下
で行った。まず、(C)層として、樹脂3、顔料1、顔
料2、骨材2を主成分とする厚付け仕上塗材を玉状に吹
付けた後、ミネラルスピリットを付けたプラスチックロ
ーラーで玉の凸部を押え、断面が台形状の凹凸を有する
4〜8mmの層を形成させた。
【0033】(C)層を形成させた24時間後、(D)
層として、セメント1及び樹脂1を結合剤(固形分重量
比率:セメント1/樹脂1=85/15)とし、骨材1
を含む組成物を塗付し、(C)層上に0.3mmの層を
形成させた。この厚みでの水蒸気透過度を、JIS K
5400「塗料一般試験方法」8.17の水蒸気透過度
の方法によって測定したところ、その値は710g/m
・24hであった。
【0034】(D)層を形成させた24時間後、さら
に、(E)層として、樹脂4を結合剤とし、顔料1を顔
料容積濃度18%で含む組成物を塗付し、(D)層上に
0.1mmの層を形成させた。この厚みでの水蒸気透過
度を、JIS K5400「塗料一般試験方法」8.1
7の水蒸気透過度の方法によって測定したところ、その
値は45g/m・24hであった。
【0035】このようにして得た断熱構造体について、
試験Aとして、20℃において水浸漬18時間→−20
℃3時間→50℃3時間の温冷繰返し試験を10サイク
ル行ない、被膜の表面状態の変化を目視にて観察したと
ころ、特に異常は認められなかった。また、試験Bとし
て、20℃において水浸漬18時間→−20℃3時間→
80℃3時間の温冷繰返し試験を10サイクル行ない、
被膜の表面状態の変化を目視にて観察したところ、特に
異常は認められなかった。
【0036】(実施例2)(B’)層として、その表面
にシーラー処理を施した軽量モルタル板を使用し、これ
に対し以下の方法により被膜を積層した。なお、被膜の
塗付及び乾燥は、すべて温度20℃湿度65%下で行っ
た。まず、(C)層として、実施例1と同様の厚付け仕
上塗材を玉状に吹付けた後、ミネラルスピリットを付け
たプラスチックローラーで玉の凸部を押え、断面が台形
状の凹凸を有する4〜8mmの層を形成させた。
【0037】(C)層を形成させた24時間後、(D)
層として、セメント1及び樹脂1を結合剤(固形分重量
比率:セメント1/樹脂1=80/20)とし、骨材1
を含む組成物を塗付し、(C)層上に0.3mmの層を
形成させた。この厚みでの水蒸気透過度を、JIS K
5400「塗料一般試験方法」8.17の水蒸気透過度
の方法によって測定したところ、その値は640g/m
・24hであった。
【0038】(D)層を形成させた24時間後、さら
に、(E)層として、樹脂4を結合剤とし、顔料1及び
顔料2を顔料容積濃度46%で含む組成物を塗付し、
(D)層上に0.1mmの層を形成させた。この厚みで
の水蒸気透過度を、JIS K5400「塗料一般試験
方法」8.17の水蒸気透過度の方法によって測定した
ところ、その値は73g/m・24hであった。
【0039】このようにして得た断熱構造体について、
実施例1と同様にして試験A、試験Bを行ったところ、
特に異常は認められなかった。
【0040】(実施例3〜4)(D)及び(E)層とし
て、表1に示す構成のものを使用した以外は、実施例2
と同様にして断熱構造体を作製し、試験を行ったとこ
ろ、試験Aにおいて特に異常は認められなかった。
【0041】(実施例5)(D)及び(E)層として、
表1に示す構成のものを使用した以外は、実施例2と同
様に断熱構造体を作製して試験A、試験Bを行ったとこ
ろ、特に異常は認められなかった。
【0042】(比較例1〜4)(D)及び(E)層とし
て、表1に示す構成のものを使用した以外は、実施例2
と同様にして断熱構造体を作製し、試験を行ったとこ
ろ、比較例1及び比較例3においては割れが発生し、比
較例2及び比較例4においては膨れ・剥れが発生した。
【0043】(比較例5)(D)層を省略し、(E)層
として、表1に示す構成のものを使用した以外は、実施
例2と同様にして断熱構造体を作製し、試験を行ったと
ころ、膨れ・剥れが発生した。
【0044】(比較例6)(D)及び(E)層として、
表1に示す構成のものを使用した以外は、実施例2と同
様にして断熱構造体を作製し、試験を行ったところ、膨
れ・剥れが発生した。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】本発明の断熱構造体は、優れた断熱性を
有するとともに、その表面化粧層において経時的に膨
れ、剥離等が生じることなく、長期にわたりその美観性
を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例1の断熱構造体の断面図
【図2】本発明実施例2の断熱構造体の断面図
【符号の説明】
1:断熱層(A) 2:基材層(B) 3:断熱性基材層(B’) 4:第一の被膜層(C) 5:第二の被膜層(D) 6:第三の被膜層(E)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04F 13/02 E04F 13/02 C 13/08 13/08 A Fターム(参考) 2E001 DD01 FA04 GA06 HF11 2E110 AA02 AB04 AB22 BA05 BA12 BB23 GA24Z GA33Z GA42X GB01Z GB12X GB16Z GB23Z GB24Z GB26X GB26Z GB32X GB42Z GB43X GB44X GB46Z GB49X GB54X 2E162 EA11 4D075 AE03 CA13 CA18 CA32 CA38 CA48 DA06 DB01 DB12 DB22 DB24 DB31 DB61 DC03 EA02 EA06 EA07 EA13 EA17 EB02 EB03 EB04 EB12 EB15 EB22 EB33 EB53 EB56 EC11 EC54 4F100 AA01D AA21 AE01 AK01D AK01E AK25 AK33 AR00A AR00C AT00B BA05 BA10A BA10E CA13E DJ01 EH46C GB07 JA05D JD04D JD04E JJ02A JK06 JK17C YY00D YY00E

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】建築物外壁面を構成する断熱構造体であっ
    て、壁面の屋内側から屋外側へ向かって、断熱層
    (A)、基材層(B)、可撓性を有する厚付け仕上塗材
    からなる第一の被膜層(C)、JIS K5400「塗
    料一般試験方法」8.17の水蒸気透過度が40g/m
    ・24h以上で、結合剤として無機結合剤及びガラス
    転移温度が−80〜20℃である有機合成樹脂結合剤を
    含み、該無機結合剤と該有機合成樹脂結合剤との固形分
    重量比率が95/5〜50/50である第二の被膜層
    (D)、JIS K5400「塗料一般試験方法」8.
    17の水蒸気透過度が20g/m ・24h以上で、有
    機合成樹脂結合剤及び顔料を含み、顔料容積濃度が10
    %以上である第三の被膜層(E)、を有することを特徴
    とする断熱構造体。
  2. 【請求項2】建築物外壁面を構成する断熱構造体であっ
    て、壁面の屋内側から屋外側へ向かって、断熱性基材層
    (B’)、可撓性を有する厚付け仕上塗材からなる第一
    の被膜層(C)、JIS K5400「塗料一般試験方
    法」8.17の水蒸気透過度が40g/m ・24h以
    上で、結合剤として無機結合剤及びガラス転移温度が−
    80〜20℃である有機合成樹脂結合剤を含み、該無機
    結合剤と該有機合成樹脂結合剤との固形分重量比率が9
    5/5〜50/50である第二の被膜層(D)、JIS
    K5400「塗料一般試験方法」8.17の水蒸気透
    過度が20g/m ・24h以上で、有機合成樹脂結合
    剤及び顔料を含み、顔料容積濃度が10%以上である第
    三の被膜層(E)、を有することを特徴とする断熱構造
    体。
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