JP4350556B2 - 建築物壁面の塗装工法 - Google Patents

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Description

本発明は、乾式ボードで構成された建築物壁面の塗装工法に関するものである。
従来、建築物の壁材として各種の乾式ボードが用いられている。このうち、工場塗装によって予め表面化粧を施した乾式ボードを使用すれば、建築現場での施工簡略化や工期短縮化等を図ることができるというメリットがある。しかし、乾式ボードのみで仕上げられた壁面では、乾式ボード間の目地が目立ってしまい、仕上外観の意匠が画一化されたものとなりやすい傾向がある。
以上のような背景から、乾式ボードで構成された壁面において、その表面仕上げを塗り材料による現場塗装で行う方法が見直されつつある。このような塗装工法としては、例えば、複数枚の乾式ボードを並べて取り付け、乾式ボード間の目地部をシーリング材やパテ材等によって処理した後、上塗材を塗装する方法等が提案されている(特開2001−254498号等)。このような方法によれば、上塗材として用いる塗り材料の種類、色相、パターン等によって個性的な意匠を表出することができ、さらには乾式ボード間の目地部が覆い隠され、シームレスな仕上外観を得ることもできる。
特開2001−254498号公報
ただし、上述の工法において、シーリング材やパテ材等を施工した後、上塗材を直接塗装すると、十分な密着性が確保できずに塗膜が剥離してしまうおそれがある。このような問題に対しては、下塗材を介して上塗材を塗装することで、ある程度改善を図ることができる。しかし、シーリング材、パテ材、上塗材の種類は多岐にわたり、種々の組合せが想定され、それぞれの組合せにおいて最適な下塗材を選定する必要がある。そのため、下塗材の選定が非常に煩雑となり、下塗材の種類等によっては十分な密着性向上効果が得られにくい場合もある。
本発明は、上述のような問題点に鑑みなされたものであり、複数の乾式ボードで構成された壁面を塗り材料で仕上げる塗装工法において、シーリング材、パテ材、上塗材の種類によらず安定した密着性を確保することを目的とするものである。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行なった結果、乾式ボード間の目地部にシーリング材及び/またはパテ材を充填した後、特定の下塗材を介して上塗材を塗装する方法に想到し、本発明を完成させるに到った。
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.建築物壁面における塗装工法であって、
(1)隣接した乾式ボード間の目地部に対し、シーリング材及び/またはパテ材を充填する工程、
(2)乾式ボード及び目地部を含む全面に、
疎水性単量体(i)70〜95重量%と、エポキシ基含有単量体、エポキシ基と反応可能な単量体及びその他の単量体から構成される親水性単量体(ii)5〜30重量%からなり、前記親水性単量体(ii)において、
エポキシ基含有単量体/全親水性単量体がモル比率で0.5以上、
エポキシ基と反応可能な単量体/全親水性単量体がモル比率で0.05以下
である単量体混合物を重合して得られる、ガラス転移温度が−40〜40℃の合成樹脂エマルションを含む下塗材を塗装する工程、
(3)乾式ボード表面及び目地部を含む全面に上塗材を塗装する工程、
を有することを特徴とする建築物壁面の塗装工法。
2.前記下塗材として、エポキシ基と反応可能な単量体が、カルボキシル基含有単量体、1級アミノ基含有単量体、2級アミノ基含有単量体、1級水酸基含有単量体から選ばれる少なくとも1種以上であり、
その他の単量体が、アミド基含有単量体、3級アミノ基含有単量体、2級水酸基含有単量体から選ばれる少なくとも1種以上であるものを用いることを特徴とする1.に記載の建築物壁面の塗装工法。
本発明によれば、複数の乾式ボードで構成された壁面を塗り材料で仕上げる塗装工法において、形成塗膜の密着性が高まり、長期にわたり美観性を維持することが可能となる。
本発明では、種々のシーリング材、パテ材、上塗材を採用することができ、多岐にわたるこれら材料の組合せにおいて、安定した塗膜性能を発揮することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
下塗材
まず、本発明で使用する下塗材について説明する。
本発明における下塗材は、バインダーとして、
(i)疎水性単量体70〜95重量%、及び
(ii)エポキシ基含有単量体、エポキシ基と反応可能な単量体及びその他の単量体から構成される親水性単量体5〜30重量%、
からなる単量体混合物を重合して得られる合成樹脂エマルションを含むものである。本発明では、このような合成樹脂エマルションを採用することによって優れた密着性を確保することができる。親水性単量体の比率が、上記範囲外である場合は密着性が不十分となる。親水性単量体の比率が30重量%より多い場合は、塗膜の耐水性も低下する傾向となる。
疎水性単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、n一アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オキチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ドデセニル(メタ)アクリレート、オタタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−フェニルエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、4−メトキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;スチレン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル系単量体;フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン系単量体;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル基含有単量体;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、ビニルエーテル、ビニルケトン、シリコーンマクロマー等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
親水性単量体は、エポキシ基含有単量体、エポキシ基と反応可能な単量体、その他の単量体から構成されるものである。
エポキシ基含有単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、ジグリシジルフマレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシビニルシクロヘキサン、アリルグリシジルエーテル、ε−カプロラクトン変性グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
エポキシ基と反応可能な単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、イソクロトン酸、サリチル酸等のカルボキシル基含有単量体;アミノメチルアクリレート、アミノエチルアクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、アミノ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ブチルビニルベンジルアミン、ビニルフェニルアミン、p−アミノスチレン等の1級アミノ基含有単量体;N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の2級アミノ基含有単量体;ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等の1級水酸基含有単量体等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
その他の単量体としては、例えば、マレイン酸アミド、(メタ)アクリルアミド、N−モノアルキル(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N、N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、2−(ジメチルアミノ)エチル(メタクリレート)、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル](メタ)アクリルアミド、ビニルアミド等のアミド基含有単量体;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N−〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ピペリジン、N−〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ピロリジン、N−〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕モルホリン、4−〔N,N−ジメチルアミノ〕スチレン、4−〔N,N−ジエチルアミノ〕スチレン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等の3級アミノ基含有単量体;2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の2級水酸基含有単量体、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリエトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート等のアルコキシシリル基含有単量体等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
このような親水性単量体においては、エポキシ基含有単量体/全親水性単量体がモル比率で0.5以上(好ましくは0.6以上、さらに好ましくは0.7以上)であることを必須とする。エポキシ基含有単量体がこのような範囲内であることにより、乾式ボード、シーリング材やパテ材の種類によらず、優れた密着性を発揮することができ、各種上塗材との密着性にも優れた塗膜を形成することができる。
また、親水性単量体においては、エポキシ基と反応可能な単量体/全親水性単量体がモル比率で0.05以下(好ましくは0.01以下、さらに好ましくは0.005以下、より好ましくは0)であることを必須とする。エポキシ基と反応可能な単量体の比率をこのような範囲内とすることにより、下塗材貯蔵時におけるエポキシ基の失活が抑制され、十分な密着性を確保することができる。
本発明の下塗材では、単量体成分として、エポキシ基と反応可能な単量体を含有しないか、含有しても極めて少量であるため、比較的多くのエポキシ基含有単量体を導入しても、実用的な貯蔵安定性が確保され、優れた密着性を発揮することができる。
下塗材における合成樹脂エマルションは、上述の条件を満たす限り、公知の方法で製造することができる。例えば、水性媒体、親水性媒体中での乳化重合、懸濁重合、分散重合、溶液重合、酸化還元重合等で製造することができ、必要に応じ、多段階重合で製造することもできる。また重合後、水性媒体、親水性媒体に分散させることによって製造することもできる。この際に、必要に応じ、適宜、開始剤、乳化剤、分散剤、連鎖移動剤、緩衝剤等またはその他の添加剤等を加えることができる。
平均粒子径は、通常30〜300nm、好ましくは50〜200nmである。
下塗材における合成樹脂エマルションのガラス転移温度は、通常−40〜40℃、好ましくは−30〜20℃に設定する。ガラス転移温度がこのような範囲内であれば、下地への適用性を確保することができる。さらに、種々の上塗材を幅広く使用することができる。ガラス転移温度が上記範囲から外れる場合は、十分な密着性を得ることができない。また、ガラス転移温度が低すぎると、上塗材塗膜に割れが発生しやすくなり、ガラス転移温度が高すぎると、下塗材塗膜が目地部の変位に対して追従し難くなる。なお、本発明におけるTgは、合成樹脂エマルションを構成するモノマーの種類とその構成比率から、Foxの計算式によって求められる値である。
本発明の下塗材は、上記合成樹脂エマルションをバインダーとして使用するものであるが、本発明の効果を損なわない限り、その他の水溶性樹脂、水分散性樹脂等を適宜混合することもできる。このような樹脂を併せて使用することによって、耐久性等を高めることもできる。使用可能な樹脂の種類としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂、アクリル酢酸ビニル樹脂等を挙げることができる。これらは、架橋反応性を有するものや、コアシェル構造を有するもの等であってもよい。
本発明の下塗材には、上述の成分以外に、通常塗料に配合可能な添加剤を本発明の効果を阻害しない範囲内で添加することもできる。このような添加剤としては、例えば、触媒、顔料、染料、骨材、艶消し剤、繊維、増粘剤、レベリング剤、可塑剤、造膜助剤、凍結防止剤、希釈剤、防腐剤、抗菌剤、防黴剤、分散剤、消泡剤、pH調整剤等が挙げられる。
塗装工法
次に、本発明の塗装工法について説明する。
本発明の塗装工法は、各種の乾式ボードによって構成された建築物の壁面に適用するものである。このような壁面は通常、幅3〜50mm程度の目地部を設けて複数枚の乾式ボードを突き合わせることによって形成される。
乾式ボードとしては、例えば、セメントボード、押出成形板、スレート板、PC板、ALC板、繊維強化セメント板、金属系サイディングボード、窯業系サイディングボード、セラミック板、珪酸カルシウム板、石膏ボード、プラスチックボード、硬質木片セメント板、塩ビ押出サイディングボード、合板等が挙げられる。
本発明では、まず工程(1)として、隣接する乾式ボード間の目地部に対してシーリング材及び/またはパテ材を充填するが、工程(1)の前には、予めバックアップ材充填やプライマー塗付等の処理を行っておいてもよい。バックアップ材としては、例えば、発泡ポリエチレン系バックアップ材等を使用することができる。プライマーとしては、例えば、合成ゴム系プライマー、アクリル系プライマー、ウレタン系プライマー、エポキシ系プライマー、シリコーンレジン系プライマー、シラン系プライマー等を使用することができる。
工程(1)におけるシーリング材及び/またはパテ材は、乾式ボード端部の形状、形成される目地部の幅や深さ等に応じて適宜選択して使用すればよく、いずれか一方のみを使用してもよいし、両方を組み合わせて使用してもよい。
シーリング材としては一般的なものが使用可能であり、例えば、シリコーン系シーリング材、変性シリコーン系シーリング材、ポリサルファイド系シーリング材、変性ポリサルファイド系シーリング材、アクリルウレタン系シーリング材、ポリウレタン系シーリング材、SBR系シーリング材、ブチルゴム系シーリング材等が挙げられる。シーリング材の充填方法は、特に限定されず、例えば、ガンやへら等による公知の方法を採用することができる。
パテ材としては、例えば、シリコーン系パテ材、変性シリコーン系パテ材、ポリサルファイド系パテ材、変性ポリサルファイド系パテ材、アクリルウレタン系パテ材、ポリウレタン系パテ材、アクリル系パテ材、SBR系パテ材、ブチルゴム系パテ材等が挙げられる。パテ材の充填には、へら等を用いればよい。
パテ材を目地部に充填する場合は、目地部近傍の乾式ボードの表面にわたって塗付すると、形成塗膜の割れ発生等を十分に抑制することができる。この場合、パテ材は目地幅以上(好ましくは1〜30倍)の幅で塗付すればよい。
本発明では、パテ材を充填する際に、パテ材の内部または上部に網状体を介在させることができる。このような網状体を使用することにより、目地部の引張り強度が向上し、形成塗膜の追従性能を高めることができる。
網状体としては、各種の天然繊維、合成繊維等からなる繊維質網状体が好適である。このような繊維質網状体において、使用する繊維の材質、径、強度等は要求性能等に応じて適宜設定することができ、2種以上の繊維を組み合せることもできる。また、繊維によって網状体を形成する際の編み方、接合方法等は種々の方法を採用することができる。繊維質網状体における開口部分の大きさや数については、パテ材が食い込み可能な程度であればよく、網状体の幅は、通常、目地幅より大きく、かつパテ材の塗付幅より小さくなるように設定すればよい。網状体の厚みは、概ね5〜100μm程度である。
工程(2)では、乾式ボード及び目地部を含む全面に、前述の下塗材を塗装する。このような下塗材は、乾式ボード表面及び目地部のいずれにおいても優れた密着性を発揮することができ、後述の上塗材との密着性においても優れた性能を発揮することができるものである。さらに、本発明の下塗材によれば、シーリング材やパテ材の上で均一な塗膜を形成することができ、ハジキ等の発生を抑制することもできる。
下塗材の塗装は、シーリング材及び/またはパテ材が乾燥硬化した後に行うことができる。工程(1)と工程(2)の間隔は、シーリング材やパテ材の種類により、多少前後する場合があるが、概ね3日〜7日程度とすればよい。
下塗材の塗装においては、公知の塗装器具を用いることができる。塗装器具としては、例えば、スプレー、ローラー、刷毛、コテ等を使用することができる。下塗材の塗付量は、使用する塗装器具、所望の表面形状等に応じて適宜設定すればよいが、通常0.1〜0.5kg/m程度である。塗装時には水を用いて希釈することもできる。
下塗材の乾燥時間は、通常常温で3〜24時間程度である。
工程(3)では、乾式ボード表面及び目地部を含む全面に上塗材を塗装する。
上塗材としては、1種または2種以上の塗材を使用することができる。具体的には、例えば、JIS A 6909に規定される建築用仕上塗材、例えば、リシン塗料、単層弾性塗材等の薄付け仕上塗材、スタッコ塗料等の厚付け仕上塗材及び複層仕上塗材等、その他多彩模様塗料、石材調仕上塗材、砂岩調仕上塗材等が挙げられ、合成樹脂エマルションペイント、つや有り合成樹脂エマルションペイント、非水分散形樹脂エナメル等のフラット系塗料を使用することもできる。
これら上塗材のバインダーとしては、例えば、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂等、あるいはこれらの複合系等が使用可能である。これらは1種または2種以上で使用することができる。また、これらバインダーは架橋反応性を有するものであってもよい。架橋反応性を有するバインダーを使用した場合は、塗膜の耐水性、耐候性、耐薬品性等を向上させることができる。
上塗材としては、特に、合成樹脂エマルション及び平均粒径0.01〜5mm(好ましくは0.05〜2mm)の骨材を必須成分とし、前記合成樹脂エマルションの固形分100重量部に対し骨材を100〜2000重量部(好ましくは200〜1500重量部)含む骨材含有上塗材が好適である。このような上塗材によれば、厚膜の仕上層を形成することができる。そのため、目地部や乾式ボード表面における微細な不陸、段差、巣穴等を覆い隠し、より均一でシームレスな仕上りを得ることができる。
骨材としては、自然石、自然石の粉砕物等の天然骨材、及び着色骨材等の人工骨材から選ばれる少なくとも1種以上が使用可能である。具体的には、例えば、大理石、御影石、蛇紋岩、花崗岩、蛍石、石灰石、寒水石、長石、珪石、珪砂、及びこれらの粉砕物、陶磁器粉砕物、セラミック粉砕物、ガラス粉砕物、樹脂粉砕物、金属粒等が挙げられる。これらの表面を着色コーティングしたもの等も使用できる。また、骨材の他に、必要に応じ体質顔料、着色顔料等の顔料、あるいは繊維、増粘剤、レベリング剤、可塑剤、造膜助剤、凍結防止剤、防腐剤、抗菌剤、防黴剤、分散剤、消泡剤等を使用することもできる。
上塗材の塗装においては、公知の塗装器具を用いることができる。塗装器具としては、例えば、スプレー、ローラー、刷毛、コテ等を使用することができる。塗装時には、必要に応じ希釈することもできる。
上塗材の塗付量は特に限定されず、使用する塗材や塗装器具の種類、形成塗膜の表面形状等に応じて適宜設定すればよい。上塗材として骨材含有上塗材を使用する場合は、通常1〜5kg/m程度である。
2種以上の上塗材を用いる場合は、工程間に適宜乾燥時間を設けて順次塗付積層すればよい。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
(実施例1)
(1)下塗材の製造
容器内に合成樹脂エマルション1を200重量部仕込み、これに造膜助剤(2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート)を20重量部、水を80重量部、ウレタン系増粘剤を4重量部、シリコーン系消泡剤を2重量部混合し、常法で均一に攪拌することによって下塗材1を製造した。なお、合成樹脂エマルション1としては、表1に示す組成のものを使用した。
(2)上塗材の製造
容器内に合成樹脂エマルション(スチレン・メチルメタクリレート・2−エチルヘキシルアクリレート・アクリル酸共重合体、Tg15℃、固形分50重量%)を200重量部仕込み、これに重質炭酸カルシウム(平均粒子径20μm)を900重量部、酸化チタンを50重量部、造膜助剤(2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート)を10重量部、セルロース系増粘剤を8重量部、シリコーン系消泡剤を6重量部混合し、常法にて均一に攪拌してベース塗材1を製造した。次に、このベース塗材1に寒水石(粒子径150〜500μm)600重量部を均一に混合して上塗材1を得た。
(3)密着性試験
縦300mm×横300mm×厚さ3mmのスレート板上に、縦300mm×横140mm×厚さ12mmの窯業系サイディングボード2枚を、20mmの間隔を設けて取り付けた。このボード間の目地部に対し、変性シリコーン系シーリング材をへらで充填し、7日間養生した。次に、下塗材1を塗付量0.2kg/mでスプレー塗装し、4時間養生後、ベース塗材1を塗付量1kg/mでスプレー塗装して14日間養生した。なお、塗装、養生等はすべて標準状態(温度23℃・相対湿度50%)で行った。
以上の方法で作製した試験体について、水浸漬(23℃)18時間→−20℃3時間→50℃3時間を1サイクルとする温冷繰返し試験を合計10サイクル行った後、標準状態にて24時間放置後、JIS K 5600−5−6に準じた碁盤目テープ法にて、ボード表面及び目地部における密着性を評価した。評価は以下の通りである。結果を表3に示す。
◎:剥れた欠損部の面積が5%未満
○:剥れた欠損部の面積が5%以上15%未満
△:剥れた欠損部の面積が15%以上35%未満
×:剥れた欠損部の面積が35%以上
(4)仕上り外観
縦300mm×横300mm×厚さ3mmのスレート板上に、縦300mm×横140mm×厚さ12mmの窯業系サイディングボード2枚を、20mmの間隔を設けて取り付けた。このボード間の目地部に対し、変性シリコーン系シーリング材をへらで充填し、7日間養生した。次に、下塗材1を塗付量0.2kg/mでスプレー塗装し、4時間養生後、上塗材1を塗付量3kg/mでスプレー塗装して14日間養生した。なお、塗装、養生等はすべて標準状態で行った。
以上の方法で得られた試験体の仕上り外観は、目地部が目立たないシームレスなものとなった。
Figure 0004350556
Figure 0004350556
Figure 0004350556
Figure 0004350556
(実施例2)
合成樹脂エマルション1に代えて合成樹脂エマルション2をバインダーとする下塗材2を製造した。
この下塗材2を下塗材として使用した以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製した。実施例2における密着性、仕上り外観はいずれも良好な結果となった。
(実施例3)
合成樹脂エマルション1に代えて合成樹脂エマルション3をバインダーとする下塗材3を製造した。
この下塗材3を下塗材として使用した以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製した。実施例3における密着性、仕上り外観はいずれも良好な結果となった。
(実施例4)
合成樹脂エマルション1に代えて合成樹脂エマルション4をバインダーとする下塗材4を製造した。
この下塗材4を下塗材として使用した以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製した。実施例4における密着性、仕上り外観はいずれも良好な結果となった。
(実施例5)
合成樹脂エマルション1に代えて合成樹脂エマルション5をバインダーとする下塗材5を製造した。
この下塗材5を下塗材として使用した以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製した。実施例5における密着性、仕上り外観はいずれも良好な結果となった。
(比較例1)
合成樹脂エマルション1に代えて合成樹脂エマルション6をバインダーとする下塗材6を製造した。
この下塗材6を下塗材として使用した以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製した。しかし、比較例1では密着性において不十分な結果となった。
(比較例2)
合成樹脂エマルション1に代えて合成樹脂エマルション7をバインダーとする下塗材7を製造した。
この下塗材7を下塗材として使用した以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製した。しかし、比較例2では密着性において不十分な結果となった。
(比較例3)
合成樹脂エマルション1に代えて合成樹脂エマルション8をバインダーとする下塗材8を製造した。
この下塗材8を下塗材として使用した以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製した。しかし、比較例3では密着性において不十分な結果となった。
(比較例4)
合成樹脂エマルション1に代えて合成樹脂エマルション9をバインダーとする下塗材9を製造した。
この下塗材9を下塗材として使用した以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製した。しかし、比較例4では密着性において不十分な結果となった。
(比較例5)
合成樹脂エマルション1に代えて合成樹脂エマルション10をバインダーとする下塗材10を製造した。
この下塗材10を下塗材として使用した以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製した。しかし、比較例5では密着性において不十分な結果となった。
(比較例6)
合成樹脂エマルション1に代えて合成樹脂エマルション11をバインダーとする下塗材11を製造した。
この下塗材11を下塗材として使用した以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製した。しかし、比較例6では密着性において不十分な結果となった。

Claims (2)

  1. 建築物壁面における塗装工法であって、
    (1)隣接した乾式ボード間の目地部に対し、シーリング材及び/またはパテ材を充填する工程、
    (2)乾式ボード及び目地部を含む全面に、
    疎水性単量体(i)70〜95重量%と、エポキシ基含有単量体、エポキシ基と反応可能な単量体及びその他の単量体から構成される親水性単量体(ii)5〜30重量%からなり、前記親水性単量体(ii)において、
    エポキシ基含有単量体/全親水性単量体がモル比率で0.5以上、
    エポキシ基と反応可能な単量体/全親水性単量体がモル比率で0.05以下
    である単量体混合物を重合して得られる、ガラス転移温度が−40〜40℃の合成樹脂エマルションを含む下塗材を塗装する工程、
    (3)乾式ボード表面及び目地部を含む全面に上塗材を塗装する工程、
    を有することを特徴とする建築物壁面の塗装工法。
  2. 前記下塗材として、エポキシ基と反応可能な単量体が、カルボキシル基含有単量体、1級アミノ基含有単量体、2級アミノ基含有単量体、1級水酸基含有単量体から選ばれる少なくとも1種以上であり、
    その他の単量体が、アミド基含有単量体、3級アミノ基含有単量体、2級水酸基含有単量体から選ばれる少なくとも1種以上であるものを用いることを特徴とする請求項1に記載の建築物壁面の塗装工法。
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