JP6719914B2 - パネル塀の製造方法およびパネル塀 - Google Patents
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そのため、アルミテープとアルミニウム複合板との間に空気が入らないように、正確にアルミテープを貼付しようとすると、正確な作業が求められ、作業の難易度が高くなっていた。
第2発明のパネル塀は、金属パネルと支柱とを含む壁構成部材を隣接して配置し前記金属パネルを前記支柱に連結したパネル塀において、前記壁構成部材の外表面に形成された下地調整材層と、前記金属パネルと前記支柱の間の目地において前記下地調整材層の内部にもぐり込むように伏せ込まれたビニロン繊維を交差させて網状に仕上げたメッシュシートと、前記下地調整材層の表面に形成された上塗材層とを備えるパネル塀であって、前記下地調整材層が、エポキシ樹脂とシリコーン樹脂を含有する下地調整材を塗布して形成されたものであることを特徴とする。
第3発明のパネル塀は、第2発明において、前記下地調整材が、エポキシ樹脂が20〜40重量%とシリコーン樹脂が80〜60重量%の割合で混合した樹脂組成物であることを特徴とする。
a)下地調整材がシリコーン樹脂を含有し弾力性を有するので、施工後の下地調整材層も弾力を有することとなり、外部から振動が加わってもヒビ割れ等が生じにくくなる。また、下地調整材が硬化するとメッシュシートが補強材として働いて、下地調整材層の強度を高くすることができ、振動による目地の開きに強い抵抗を与えるので、ヒビ割れ等が生じにくいパネル塀が得られる。
b)メッシュシートがビニロン繊維を用いているので強靭であり振動による目地の開きに強い抵抗を与える。
c)下地調整材層に伏せ込まれたメッシュシートのメッシュの目を介してパネル塀の表面に下地調整材が直接接合するので、塗膜層(下地調整材層および上塗材層)の剥離等が生じにくい。
第2発明によれば、つぎの効果を奏する。
a)下地調整材が弾力性を有するシリコーン樹脂を含有するので、施工後の下地調整材層もそれ自体が弾力を有することと、下地調整材が硬化するとメッシュシートが補強材として働いて、下地調整材層の強度を高くすることができ、振動による目地の開きに抵抗を与えて、外部から振動が加わってもヒビ割れ等が生じにくくなる。
b)メッシュシートがビニロン繊維を用いているので強靭であり振動による目地の開きに強い抵抗を与える。
c)下地調整材層に伏せ込まれたメッシュシートのメッシュの目を介してパネル塀の表面に下地調整材が直接接合するので、塗膜層(下地調整材層および上塗材層)の剥離等が生じにくい。
第3発明によれば、エポキシ樹脂とシリコーン樹脂の配合割合が弾力性を充分に持たせる配合割合となっているので、壁状構造物の塗面のヒビ割れ等を効果的に防止できる。
本明細書において、「壁状構造物」とは、壁構成部材であるアルミニウム板等を用いた金属パネル製の構造物(たとえば、パネル塀)を含む概念である。また、「壁状」とは、建築物自体を構成する壁の外、建築物の外周りに設置される塀も含む概念である。
図示の金属パネル1は、四角形の枠体11と、その表裏両面に貼付した2枚の外板12とからなる。
枠体11は左右の縦桟11aと上下の横桟11bを個別に製作した後で互いに結合したものでもよく、初めから一体に製作したものでもよい。枠体11の大きさに併せて、補強用の桟13を用いることは任意である。
外板12は、枠体11の縦横寸法と同じ板材であり、枠体11への取付けは、ビス止めや溶接など任意の手段をとりうる。
枠体11の左右の縦桟11aには、支柱に結合するための連結部14が形成されている。
本発明が適用される金属パネルは、概ねこのような基本構成をもつが、これに限定されるものではない。
金属パネル1の材料として、地震等による耐倒壊性を高めるためには、軽量素材を用いるのが好ましく、強度と軽量性を共に満足するためには、軽金属、とくにアルミニウムが好ましい。枠体11はアルミニウムの押出形材であると、製造が容易であり、任意の断面形状が可能であって、かつ連結部14も同時に成形できる。
外板12は、アルミニウム板、もしくはアルミニウム複合板(例えば、アルミニウム板に合成樹脂層を積層したものや、2枚のアルミニウム板の間に合成樹脂層を設けたもの等)が好適である。なお、アルミニウム材料は、軽量性と耐腐食性を兼ね備えている。
また、支柱20も金属パネルと同様の種々の材料を用いることができるが、強度と軽量性を共に満足するには軽金属、とくにアルミニウムの押出形材が好ましい。
(1)図に示すように、地中に基礎60を構築して、支柱20を必要本数だけ立設する。
2本の支柱20、20の間に、金属パネル1を適数枚挿入し、各金属パネルを支柱20、20に連結する。この連結方法は連結部14をビス止めすることにより行われる。
第1実施形態に係るパネル塀は上記した金属パネル1を用いたものであって、その製造方法は、下地調整材塗布工程と、メッシュシート伏せ込み工程と、上塗材塗布工程とをその順に実行するものである。以下、図1および図2を併せ参照しながら、順に説明する。
まず、図1に示すように、各金属パネル1、1および支柱20の表面に下地調整材3(未硬化の状態の塗材をいう。以下同じ)を塗布して下地調整材層3A(塗材が硬化して層状の形で固化したものをいう。以下同じ)を形成する下地調整材塗布工程が実行される。この作業は、図2(I)に示すように、鏝塗り作業やローラー塗布によって実施される。
下地調整材層3Aは、メッシュシートの伏せ込みが可能となる程度の厚み(0.2mm程度)で塗布されている。
前記下地調整材3が未硬化であって固化した下地調整材層3Aとなるまでの間に、金属パネル1、1同士の間の目地および金属パネル1と支柱20の間の目地にメッシュシートを伏せ込むメッシュシート伏せ込み工程が実行される。伏せ込みは、図2の(II)〜(III)に示すように未硬化の下地調整材3の上にメッシュシート2を置き、鏝またはローラーで上から押さえ付けてメッシュシート2を下地調整材層3Aの内部にもぐり込ませることにより行う。
メッシュシート2は、通常は厚さが0.10mm〜0.16mm、好ましくは0.12mm〜0.14mm、最も好ましくは0.13mmのものが用いられ、また幅は40mm〜80mm、好ましくは50mm〜70mm、最も好ましくは60mmのものが用いられる。
そして、下地調整材3が硬化するとメッシュシート2が補強材として働いて、下地調整材層3Aの強度を高くすることができる。
ついで、図1に示すように、硬化した下地調整材層3Aの表面に上塗材4(未硬化の状態の塗材をいう。以下同じ)を塗布して上塗材層4A(塗材が硬化して層状の形で固化したものをいう。以下同じ)を形成する上塗材塗布工程を実行する。この作業も、図2(IV)に示すように、鏝塗り作業またはローラー塗布作業によって実施される。
下地調整材がシリコーン樹脂を含有し弾力性を有するので、施工後の下地調整材層も弾力を有することとなり、外部から振動が加わってもヒビ割れ等が生じにくくなる。また、メッシュシートの伏せ込みは目地部分だけでよいので、全面にメッシュシートを伏せ込む従来例に比べ作業は容易となる。
上記各製造方法により、つぎの構成のパネル塀が得られる。
図1に示すパネル塀は、隣接して配置された壁構成部材(金属パネル、支柱等)により構成されている。かかるパネル塀は、その表面に形成された下地調整材層3Aと、下地調整材層3A内に伏せ込まれたメッシュシート2と、下地調整材層3Aの上面に形成された上塗材層4Aとを備えており、下地調整材層3Aが、エポキシ樹脂とシリコーン樹脂を含有する下地調整材3を塗布して形成されたものである。
また、この下地調整材3は、アルミニウム等の金属表面への付着性が高く、かつ上塗材が確実に付着し、剥落等が生じない等の利点もある。
さらに、メッシュシート2がビニロン繊維を用いているので強靭であり、振動による目地の開きに強い抵抗を与える。さらに、メッシュシート2の目を介して壁構成部材の表面に下地調整材3が直接接合するので、塗膜層の剥離等が生じにくいという利点もある。
2 メッシュシート
3 下地調整材
4 上塗材
5 石膏ボード
3A 下地調整材層
4A 上塗材層
Claims (3)
- 金属パネルと支柱とを含む壁構成部材を隣接して配置し前記金属パネルを前記支柱に連結したパネル塀において、
前記壁構成部材の外表面に下地調整材を塗布して下地調整材層を形成する下地調整材塗布工程と、
前記下地調整材が未硬化の間に、前記金属パネルと前記支柱の間の目地においてビニロン繊維を交差させて網状に仕上げたメッシュシートを押さえ付けて下地調整材層の内部にもぐり込ませるメッシュシート伏せ込み工程と、
前記下地調整材層が硬化した後に、前記下地調整材層の上面に上塗材を塗布する上塗材塗布工程とを、その順に実行するものであり、
前記下地調整材が、エポキシ樹脂とシリコーン樹脂を含有する樹脂組成物である
ことを特徴とするパネル塀の製造方法。 - 金属パネルと支柱とを含む壁構成部材を隣接して配置し前記金属パネルを前記支柱に連結したパネル塀において、
前記壁構成部材の外表面に形成された下地調整材層と、前記金属パネルと前記支柱の間の目地において前記下地調整材層の内部にもぐり込むように伏せ込まれたビニロン繊維を交差させて網状に仕上げたメッシュシートと、前記下地調整材層の表面に形成された上塗材層とを備えるパネル塀であって、
前記下地調整材層が、エポキシ樹脂とシリコーン樹脂を含有する下地調整材を塗布して形成されたものである
ことを特徴とするパネル塀。 - 前記下地調整材が、エポキシ樹脂が20〜40重量%とシリコーン樹脂が80〜60重量%の割合で混合した樹脂組成物である
ことを特徴とする請求項2記載のパネル塀。
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