JP2000219823A - ライム調仕上塗料組成物 - Google Patents

ライム調仕上塗料組成物

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JP2000219823A
JP2000219823A JP2574899A JP2574899A JP2000219823A JP 2000219823 A JP2000219823 A JP 2000219823A JP 2574899 A JP2574899 A JP 2574899A JP 2574899 A JP2574899 A JP 2574899A JP 2000219823 A JP2000219823 A JP 2000219823A
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JP
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lime
coating film
powder
coating
synthetic resin
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JP2574899A
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English (en)
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Naohisa Takemura
尚久 竹村
Hiroyuki Nishida
博幸 西田
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SK Kaken Co Ltd
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SK Kaken Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】石灰岩の風化したようなライム調の意匠を呈
し、耐水性、耐候性等に優れる塗膜を形成することがで
き、形成される塗膜が、降雨によっても濡れ色とならな
い塗料組成物を得る。また、形成される塗膜を、着色骨
材配合により多彩感のあるものにする場合においても、
バインダー成分による光沢を生じにくい艶消しの被膜を
形成することができるようにする。 【解決手段】特定平均粒径の合成樹脂エマルションに対
して、粒子径と屈折率を限定した粉体を配合し、形成さ
れる被膜が、JIS K 5400 7.6「鏡面光沢度」で規定する
60度鏡面光沢度が一定値以下となるように、各成分の
比率を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建造物などの内外
壁面に対し、石灰岩の風化した表面のような艶消し調
(ライム調)の仕上げを行うことができる塗料組成物に
関する。
【0002】
【従来技術】近年、建造物表面に自然石の意匠を採り入
れ、重厚感や高級感等の付加価値を高める手法が行われ
ている。例えば、大理石や御影石を板状に切り出したも
のを、建造物表面に貼りつける方法が行われている。し
かしながら、このような自然石そのものを貼りつける方
法は、加工や貼りつけ施工の手間が非常にかかるうえ
に、施工後の剥落の発生時には、重量があるため大きな
危険性を有する。これに対して、塗料組成物により自然
石調の意匠を現す塗膜を、建造物表面に塗装する方法が
提案された。このような塗料組成物は、合成樹脂エマル
ションに、粉体や着色骨材等の充填材を混合した組成の
ものであるが、前述のような自然石の板材そのものを貼
りつける方法に比較して、施工の手間が低減され、仮に
剥落が発生しても大事故につながる危険性は少ないた
め、非常に好評を博している。従来このような塗料組成
物は、大理石や花崗岩の意匠を現すものが主流であった
が、最近はさらに石灰岩等の堆積岩が風化した感じの艶
消しの意匠、すなわちライム調の意匠も求められるよう
になってきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなライム調の
意匠を呈する塗料組成物は、従来の土壁やしっくい壁も
その範疇に含まれるものであるが、土壌や消石灰を使用
するため、その強度発現には比較的に長期間を有し、耐
水性、耐候性等に問題があった。すなわちこれらは降雨
によって流出したり、エフロレッセンス(白華)を生じ
ることがあり、逆に好天が続き乾燥が進むと、クラック
を生じることがあり、寒暖の繰り返しによって、剥離や
膨れが生じることもあった。また、合成樹脂エマルショ
ンに多量の粉体を混合した、顔料容積濃度(以下、「P
VC」という。)の非常に高い塗料組成物も、塗膜表面
が艶消し状の意匠を呈するが、その一方で、PVCの高
さにより塗膜が多孔質となっているため、水分と接した
際にこれをよく吸収して、塗膜が濡れたような暗い色相
(以下、「濡れ色」という。)に変化してしまうため、
構造物の外部に使用すると降雨によって、そのライム調
意匠が損なわれてしまい、また、耐水性の低下をきたす
という問題点があった。
【0004】さらに、色相に関しては、PVCの非常に
高い塗料組成物の場合、粒子径の小さな着色顔料や充填
材を混合する場合は、混合によって単一色となってしま
うため、多彩感を感じられないという問題もある。これ
に対して、前述の大理石や花崗岩の意匠を呈する塗料組
成物において、バインダーとなる合成樹脂エマルション
に、充填材として、比較的粒子径の大きな異色の着色骨
材を配合しているため、一つ一つの着色骨材の色相を分
離して認識することが可能であり、多彩感を得ることが
できる。しかしながら、このような着色骨材を含有する
塗料組成物においては、比較的にバインダー成分が多い
ため光沢を生じがちであり、また、充填材として炭酸カ
ルシウム粉、珪砂等が配合されてはいるが、被膜がしっ
とりとした感じに仕上り、完全艶消しで風化した石灰岩
の表面のような粉っぽさ(ライム調)の塗膜は形成され
難いという問題もある。
【0005】従って、本発明が解決しようとする課題
は、建造物の内外部を問わず、石灰岩の風化したような
ライム調の意匠を呈し、耐水性、耐候性等に優れる塗膜
を形成することができ、施工に際しては、塗装後その強
度発現が比較的に短期間に行われ、とりわけ形成される
塗膜が、降雨によっても濡れ色とならないことを特徴と
する塗料組成物を得ることである。また、形成される塗
膜を多彩感のあるものにした場合においても、光沢を生
じない艶消しの被膜を形成する塗料組成物を得ることで
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために、本発明者は塗料組成物中の粉体の粒子径と屈
折率をを特定し、さらに形成される塗膜の光沢度が特定
値となるように、合成樹脂エマルションと粉体との比率
を調整することで、ライム調の意匠を呈し、濡れ色を生
じない塗膜が形成可能であることを見出し本発明を完成
した。すなわち、 1.A.平均粒径が80〜150nmの合成樹脂エマル
ションに対して、B.粒子径が200μm以下、屈折率
が1.5以下の粉体を含有し、形成される被膜が、JIS
K 5400 7.6「鏡面光沢度」で規定する60度鏡面光沢度
が5.0以下となるようにA.とB.の比率を調整した
ことを特徴とするライム調仕上塗料組成物。 2.さらに、着色骨材を配合することを特徴とする1.
に記載のライム調塗料組成物。 3.さらに、撥水剤を含有することを特徴とする1.ま
たは2.に記載のライム調仕上塗料組成物。である。
【0007】
【発明の実施の態様】本発明におけるA.の合成樹脂エ
マルションとしては、重合性不飽和二重結合を有するモ
ノマーをエマルション重合して得られるもの、または、
予め合成した樹脂を、水系分散媒に分散剤を使用して分
散したものの何れでもよく、さらに粉末型のエマルショ
ンでもよい。但し、粉末型の場合は、使用時に水の添加
が必須となる。
【0008】これらのエマルションの種類としては、例
えば、ポリ酢酸ビニル系、ポリアクリル酸エステル系、
アクリル−スチレン共重合体系、エチレン−酢酸ビニル
共重合体系、酢酸ビニル−アクリル共重合体系、エチレ
ン−塩化ビニル共重合体系、酢酸ビニル−ベオバ共重合
体、エポキシ系エマルション、ウレタン系エマルション
等があげられる。
【0009】合成樹脂エマルションの粒子径は、平均粒
子径で80〜150nmである。この粒子径よりも大き
い場合には、合成樹脂エマルション粒子同士の融着が十
分でなくなる結果、バインダー効果が低下し、形成され
る塗膜の耐候性等の物性が低下する。逆に80nmより
も小さい場合には、塗膜に光沢を生じる傾向が強くな
り、本発明において目的とする自然石の風化したような
ライム調の意匠が得にくくなる。
【0010】B.の粉体としては、平均粒径が200μ
m以下、屈折率が1.5以下のものが用いられる。塗膜
にライム調の風合いを付与する場合には、塗膜表面が特
殊な艶消し状態となることが必要であり、その為には粉
体を繋ぎ止めて被膜化させるためのバインダーが少ない
方が望ましい。すなわち、バインダーによる光の正反射
で光沢を生じるのを低減させるためである。しかしなが
らバインダーが少ないと、形成される塗膜の耐候性等の
物性が低下することになる。また、バインダーが少ない
ほど、塗膜がポーラスになり、水を含みやすい為、水濡
れ時の濡れ色への変化が大きくなる。
【0011】一方、使用する粉体の粒子径が小さいほ
ど、その艶消し効果はより発揮されることになる。すな
わち、粒子径が小さい粉体を使用することにより、粉体
全体の比表面積が大きくなり、その表面において光が散
乱する結果、光沢は低減するからである。しかしなが
ら、粉体の粒子径が小さくなる場合には、形成される塗
膜の隠ぺい性が高くなるため、このような塗膜中に着色
骨材を混合しても、その色相は塗膜のごく表面に位置す
るもののみの色相しか認識することができなくなる。ま
た、粉体全体の比表面積が大きくなるので、樹脂の吸着
量もおのずと多くなり、結果として塗膜全体がポーラス
になり、水を含みやすくなる為、水濡れ時の濡れ色への
変化が大きくなる。
【0012】これに対して、粉体の粒子径が200μm
以下であっても、屈折率を1.5以下にすることで、バ
インダーの量を耐候性等の塗膜物性を維持できる程度に
増加しても、光沢を生じることがなく、水を含み難くな
る為、水濡れ時の濡れ色への変化が小さくなる。また、
屈折率が低いため、塗膜中に着色骨材を含有する場合に
は、塗膜深層部の着色骨材も認識することが可能で、か
つその色相の鮮映性も高いものとなる。すなわち、艶消
しで粉っぽい感じでありながら、含有する着色骨材は鮮
やかに見えるものである。このような粉体としては、ホ
ワイトカーボン、珪藻土、ゼオライト等があげられる。
【0013】以上のような合成樹脂エマルションと粉体
は、形成される被膜の光沢度が5.0以下となるような
比率で混合することが必要である。ここで光沢度とは、
JISK 5400 7.6「鏡面光沢度」で規定する60度鏡面光
沢度である。光沢度が5.0より高い場合は、バインダ
ーの量が粉体に対して、多すぎる場合であり耐候性等の
塗膜物性は良好であるが、下地が透けるような感じで、
また、ライム調の粉っぽい質感の意匠が得られない。
【0014】本発明では前述のように、形成される被膜
の光沢度が5.0以下となるように、合成樹脂エマルシ
ョンと粉体を混合すればよいが、粉体の配合上限につい
ては、JISA 6909 6.115「耐衝撃性試験」に規定する方
法に準拠して、質量500gの鋼球を高さ30cmから
落下させて表面のひび割れが生じない程度にする。
【0015】つぎに、本発明のライム調仕上塗料組成物
に、さらに着色骨材を配合することにより、ライム調の
艶消し意匠と、着色骨材の色相とのコントラスト、ま
た、若干塗膜内部が透けて見える隠ぺい率により、塗膜
内部に存在する着色骨材が透けて見えることにより、奥
行き感を生じるため独特の意匠を呈することになる。こ
のような着色骨材とは、天然石、天然石粉砕物、天然石
粉砕物の発泡物及び、珪砂、砕石、ガラスビース等の粒
状物表面に、耐熱性の高い顔料を添加した珪酸ソーダ系
のバインダーを高温で焼き付ける方法、アミノアルキッ
ド樹脂塗料等による焼付コーティングを施したもの、着
色ラッカーにより焼付工程を省略したもの、また、耐候
性を考慮した場合には、アルコキシシリル基を官能基と
して含み、主鎖がアクリルであるシロキサン架橋型反応
性オリゴマーと、顔料、硬化剤からなる着色材によって
着色コーティングしたもの、また、顔料と共に焼成した
セラミックスの粉砕物、着色天然石の粉砕物等であり、
平均粒径が50μm〜5mmのものが好ましい。平均粒
径が50μm以下では塗膜全体が着色顔料で着色したよ
うな単一色を呈しやすくなり、質感が低下する。また、
5mm以上では、塗膜厚にもよるが、着色骨材が突出し
すぎて、塗膜表面が粗くなり過ぎる傾向となる。これら
着色骨材を配合することにより独特の意匠感が得られ
る。特に異色のものを複合した場合には、多彩感のある
ライム調意匠を得ることが可能となる。尚、本発明にお
いて規定する60度鏡面光沢度は、ライム調仕上塗料組
成物に、さらに着色骨材を配合する場合には、着色骨材
を含有した塗膜における値である。
【0016】本発明においては、さらに撥水剤を配合す
ることにより、本発明のライム調塗料組成物から形成さ
れる艶消し被膜が濡れ色になることを防止する効果を高
めることが可能となる。本発明では合成樹脂エマルショ
ンの粒子径の規定と、粉体の屈折率の規定により形成さ
れる被膜は比較的に樹脂が多くても濡れ色とならず、石
灰岩が風化した感じの艶消しの意匠、すなわちライム調
の意匠を形成するが、さらに撥水剤を配合することによ
り、特定粒子径の合成樹脂エマルションとの相乗効果に
より、濡れ色防止効果を高め、耐水性等の被膜物性も高
めることが可能となる。
【0017】このような撥水剤としては、メチルトリメ
トキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ
プロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチル
トリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチ
ルトリプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、
プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシ
ラン、プロピルトリプロポキシシラン、プロピルトリブ
トキシシラン、ブチルトリメトキシラン、ブチルトリエ
トキシシラン、ブチルトリプロポキシシラン、ブチルト
リブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチ
ルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジ
メチルジブトキシシラン、ジエチルジメチルシラン、ジ
エチルジエトキシシラン、ジエチルジプロポキシシラ
ン、ジエチルジブトキシシラン、ヘキシルトリメトキシ
シラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルトリプ
ロポキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチ
ルトリエトキシシラン、オクチルトリプロポキシシラ
ン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシ
シラン、オクタデシルトリメトキシシラン、フェニルト
リメトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどが挙
げられる。これらは単独もしくは複数の種類を混合して
使用することができる。配合量は、合成樹脂エマルショ
ンの固形分100重量部に対し、1〜50重量部、好ま
しくは5〜30重量部である。
【0018】本発明では、上記の各配合成分以外に、通
常塗料組成物に配合する各種成分を、本発明の効果を損
なわない程度に配合することが可能である。このような
成分としては、重質炭酸カルシウム、寒水石、軽質炭酸
カルシウム、カオリン、クレー、タルク、沈降性硫酸バ
リウム、珪砂、石英粉、木粉等の充填材、わら、すさ、
パルプ繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ビニロ
ン、ビスコースレーヨン等の繊維類、可塑剤、防腐剤、
防カビ剤、防藻剤、消泡剤、分散剤、増粘剤、沈降防止
剤、難燃剤等の各種添加剤があげられる。
【0019】本発明のライム調仕上塗料組成物の製造方
法は、前述の各構成成分を、高粘度物を混合可能な設備
によって、適宜混合して製造することが可能である。ま
た、合成樹脂エマルションとして粉末型のものを用いる
場合には、粉体の混合設備を使用して全体を混合するこ
とができる。この場合には施工時に、水を加えて施工に
適当な粘度に調整することが必要である。このように、
施工現場において消石灰等の原料を混合して製造する、
従来の土壁、しっくいに比較して、事前に工場で調合で
きる点も本発明の特徴である。
【0020】このような既調合の塗料組成物を、施工現
場にて塗付する方法としては、吹き付け、こて塗り等の
手法が可能である。吹付の場合には、タイルガン、スタ
ッコガン、万能ガン等が使用される。吹付の場合には、
数mm程度に吹付を行った後に、凹凸模様付けローラー
で模様付けを行ったり、こてにて塗膜表面を擦って掻き
落とし調にすることも可能である。さらにこのような施
工現場において、吹き付け、こて塗りそれぞれに適切な
粘度になるように、水をさらに加えて希釈してもよい。
【0021】本発明は通常、塗膜形成後には特に上塗り
を施すことはなく、また、上塗りなしの塗膜によって十
分な耐水性、耐候性とライム調の意匠感を得ることがで
きる。しかしながら、塗膜表面の汚染を極力低下させた
り、濡れ色防止性をより向上させる目的で上塗りを塗装
しても良い。また、通常このような目的にて上塗りを塗
装した場合には、上塗りによって塗膜が塗れ色になる場
合があるが、本発明の塗料組成物によって形成される塗
膜は、上塗り塗装後も濡れ色にならず、ライム調の意匠
感を維持することができる。
【0022】
【作用】本発明のライム調仕上塗料組成物は、粉体が多
い配合でありながらも、耐候性を向上させる目的から、
比較的に組成物全体にしめる樹脂の比率が多い。このよ
うな被膜は本来、光沢が高くなり艶消し調の意匠を呈す
ることは困難であるが、使用する樹脂の粒子径と使用す
る粉体の光の屈折率と粒子径を特定することにより、光
散乱を押さえ、若干隠ぺい性を低下させることにより、
これを可能なものとしている。結果としてライム調の意
匠感を得ることができ、さらに着色骨材を混合した場合
の鮮映性のある多彩意匠を得ることもできた。
【0023】
【実施例】以下に本発明の効果を明確にするべく各種試
験について、実施例、比較例として対比を行った。
【0024】(試験方法) *ライム調仕上塗料組成物の製造 撹拌タンクに合成樹脂エマルションを投入し、続いてデ
ィゾルバーにて撹拌しながら、表1に示した原料を、表
2に示した配合比率となるように投入した。撹拌を続け
ながら、各原料が偏らずほぼ均一に混合した状態にて撹
拌を終了し、しばらく静置し、その後以下の試験を行っ
た。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】*耐水性試験 80×200×4mmのフレキシブルボードに、幅70
mm×長さ180mm×厚み2mmで先に製造したそれ
ぞれのライム調仕上塗料組成物をこて塗りした。続いて
このフレキシブルボードを温度20±2℃、相対湿度6
5±10%にて14日間養生し試験体を作製した。その
後、各試験体の60度鏡面光沢度を測定し、各ライム調
仕上塗料組成物の光沢度とした。続いて約150mmの
深さまで脱イオン水を入れた、ポリエチレン製の容器
に、作製した試験体を浸漬した。この状態で3日間放置
後、引き上げ塗膜表面の状態を目視にて観察した。この
とき塗膜が膨れたり、剥がれたり、流出したり、クラッ
クを生じているものを×、特に異常を認めないものを○
として評価した。
【0028】*温冷繰り返し試験 耐水性試験と同様にして80×200×10mmのフレ
キシブルボード各2枚に、幅70mm×長さ180mm
×厚み2mmで先に製造したそれぞれのライム調仕上塗
料組成物をこて塗りした。続いてこのフレキシブルボー
ドを温度20±2℃、相対湿度65±10%にて14日
間養生し試験体を作製した。この試験体のうち1枚を2
0±2℃の水中に18時間浸漬した後、直ちに−20±
3℃の恒温器中で3時間冷却し、次いで50±3℃の別
の恒温器中で3時間加温し、この24時間を1サイクル
とする操作を10回繰り返した後、試験室に2時間静置
し、その後塗膜表面を目視にて観察し、残りの1枚の試
験体と比較して、塗膜の膨れ、剥がれ、クラックの有無
があるものを×、特に異常を認めないものを○として評
価した。
【0029】*接着強度試験* 「JIS K 5400 8.7 付着強さ」に準拠して、70×70
×20mmのモルタル板各7枚に、厚み2mmで先に製
造したそれぞれのライム調仕上塗料組成物をこて塗りし
た。続いてこのフレキシブルボードを温度20±2℃、
相対湿度65±10%にて、14日間養生し試験体を作
製した。続いて試験体の塗膜面に接着剤を塗り、上部引
っ張り用の鋼製ジグを静かに乗せ、軽くすりつけるよう
に接着し、更にその上に質量約1kgのおもりを載せ、周
りにはみ出した接着剤を取り除く。24時間静置後、お
もりを取り除き鋼製ジグに沿って周囲を40×40mm
の大きさに試験板に達するまで切り傷をつけ、下部引っ
張り用の鋼製ジグ及び鋼製当て板を用いて、試料面に対
して鉛直方向に引張力を加えて最大引張荷重を求める。
付着強さはこの値を16で割り、単位面積(cm2 )あ
たりの付着強さとして計算し、7個の試験体の平均値と
した。(N/cm2 )
【0030】*吹付作業性試験* 910×910×4 mmのフレキシブルボードに、万能
ガン(口径10mm、吹き付け圧力392KPa)を使用
して、先に製造したそれぞれのライム調仕上塗料組成物
を吹き付け塗装した。このとき吹き付け中の塗材の、
吐出性(塗装ガンの吐出口から塗材がスムースに吐出す
るかどうか。)、拡がり性(吹き付け時に塗材粒が、
適度の拡がりを持ち、局在化することなく、吐出される
かどうか。)についてそれぞれ目視にて優劣を評価し、
優れているものを○、劣るものを×とした。
【0031】*たれ性試験 「JIS A 6021 屋根用塗膜防水材 5.10 たれ抵抗性
能」に準拠して、長さ400mm、幅200mm、厚み
5mmに切断したフレキシブルボードに、エスケー化研
株式会社製「ミラクシーラーES」を、塗付量0.20
kg/m2 でエアレススプレーガンにて塗装し、6時間
乾燥養生した。その平滑面の周囲に、フレキシブルボー
ドの長手方向に40mmの塗膜のたれ代を残して、幅1
0mm、厚さ6mmの型枠を貼り付け、水平に置いた後
に形成された凹面部分に、上記のように製造したライム
調仕上塗料組成物をコテにて平滑に塗付した。塗付直後
に、この試験体の200mmのたれ代を設けた一辺の型
枠を取り除き、続いて試験体全体を鉛直に保持し、20
℃で24時間静置する。その後、型枠を除去した部分の
ライム調仕上塗料組成物のたれの状態を目視にて確認
し、たれの全くないものを○、たれを生じるものを×と
して評価した。
【0032】*外観試験* 吹付作業性試験後の試験体について、その外観を目視に
て確認し、石灰岩の風化した表面外観に非常に近い艶消
しライム調の質感で、深みのある多彩感を表出している
ものを◎、石灰岩の風化した表面外観に非常に近い艶消
しライム調の質感を表出しているものを○、隠ぺい性が
高いため多彩感が不足し、艶消しではあるがライム調の
質感が感じられないものを△、多彩感もなく、光沢が高
いためライム調の質感が全く感じられないものを×とし
て評価した。
【0033】(実施例1〜実施例6)各試験の結果は、
表3に示したように非常に良好であった。特に実施例3
〜実施例6は、着色骨材の含有によって、非常に多彩感
に富んだ被膜を形成した。また、実施例では撥水剤を配
合したため、耐水性試験後においても塗膜が濡れ色とな
らなかった。
【0034】(比較例1)本発明で規定する屈折率が
1.5以下の粉体を全く含有していないため、形成され
た塗膜は、艶消しではあるがライム調の質感が感じられ
ないものとなった。
【0035】(比較例2)本発明で規定する塗膜の光沢
度を超えるような樹脂と粉体との比率であり、光沢が高
いためライム調の質感が全く感じられないものとなっ
た。
【0036】(比較例3)表2の配合に加え、増粘剤を
適量加え、塗材を調整した。消石灰を使用したしっくい
系の配合のため、塗膜の耐久性に劣り、耐水性を始めと
する各試験において非常に悪い結果となった。また、外
観は着色骨材を配合しているが、着色骨材の色相がぼけ
た感じとなり、深みの有る多彩模様とは言えないもので
あった。
【0037】
【表3】
【0038】
【発明の効果】本発明は、建造物の内外部を問わず、石
灰岩の風化したようなライム調の意匠を呈し、耐水性、
耐候性等に優れる塗膜を形成することができ、施工に際
しては、塗装後その強度発現が比較的に短期間に行わ
れ、とりわけ形成される塗膜が、降雨によっても濡れ色
とならない。また、形成される塗膜を、着色骨材の配合
により多彩感のあるものにする場合においても、バイン
ダー成分による光沢を生じにくい艶消しの被膜を形成す
ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】A.平均粒径が80〜150nmの合成樹
    脂エマルションに対して、 B.粒子径が200μm以下、屈折率が1.5以下の粉
    体を含有し、形成される被膜が、JIS K 5400 7.6「鏡面
    光沢度」で規定する60度鏡面光沢度が5.0以下とな
    るようにA.とB.の比率を調整したことを特徴とする
    ライム調仕上塗料組成物。
  2. 【請求項2】さらに、着色骨材を配合することを特徴と
    する請求項1に記載のライム調塗料組成物。
  3. 【請求項3】さらに、撥水剤を含有することを特徴とす
    る請求項1または請求項2に記載のライム調仕上塗料組
    成物。である。
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