JP2011213941A - 水系塗料組成物及びその製造方法 - Google Patents

水系塗料組成物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】貯蔵安定性に優れ、かつ、低光沢で撥水性、耐水性等が良好な塗膜を形成可能な水系塗料組成物を提供する。
【解決手段】本発明は、ヒドロキシル基含有重合性単量体を2〜15質量%含有する(メタ)アクリル系単量体を重合してなる(メタ)アクリル系重合体エマルジョン(A)、シリコーン樹脂水分散体(B)、及びHLBが16〜20である高HLB界面活性剤(C)を含む水系塗料組成物であって、この高HLB界面活性剤(C)を(メタ)アクリル系重合体エマルジョン(A)100質量部に対し0.2〜2質量部含有する水系塗料組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、(メタ)アクリル系重合体エマルジョン(A)及びシリコーン樹脂水分散体(B)を含む水系塗料組成物に関するものである。特に、本発明は、建築用塗料および/または家庭用塗料を対象とする水系塗料組成物に関する。
建築外壁用の塗料としては、一般に低艶なものが求められる。低艶塗料にする技術として、シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム等の無機微粒子系艶消し剤、架橋不飽和ポリエステル等の有機微粒子系艶消し剤が使用される。このような塗料用艶消し剤は、微粒子であるために塗料が増粘、沈降する不都合がある。一方、塗料の増粘、沈降の制御のためにモノオール若しくはポリオールのアルキレンオキシド付加重合物を含有する水性塗料用艶消し剤が提案されている(特許文献1)。しかし、このような艶消し剤を用いた場合、耐水性、耐候性が低下する。
また、他の技術として、水系重合体エマルジョンとシリコーン樹脂水分散体との水性塗料組成物は、低艶塗料及び撥水性を有することがよく知られている。しかし、このような水性塗料組成物では、高い貯蔵安定性が得られず、シリコーン樹脂水分散体の割合が少ないと低艶の塗膜を形成することができない。一方、シリコーン樹脂水分散体が多いと、成膜が不充分になるという問題が発生する。
また、脂肪酸変性樹脂水分散体とシリコーン樹脂水分散体を含有する水性樹脂組成物が提案されている(特許文献2)。常温で硬化させることができ、成膜性が良いが、低艶の塗膜が得られない。さらに、シリコーン樹脂水分散体と共に光触媒作用を有する金属酸化物を含有する塗料組成物が開示されている(特許文献3)。この塗料組成物を用いることによって、凹凸な塗膜が形成され、低艶の塗膜が得られる。しかし、この塗料組成物もまた、貯蔵安定性が悪いという不都合がある。
特開2008−255194号公報 特開2008−255194号公報 特開2004−315727号公報
本発明の目的は、シリコーン樹脂水分散体の特徴である撥水性を維持しながら、低光沢であり、かつ耐水性、耐候性、耐汚染性が良好な塗膜を形成し得ると共に、貯蔵安定性が良好な水系塗料組成を提供することである。
本発明者らは、上記のような不都合を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ヒドロキシル基含有重合性単量体を所定量含有する(メタ)アクリル系単量体を重合してなる(メタ)アクリル系重合体エマルジョン(A)に、シリコーン樹脂水分散体(B)及び高HLB界面活性剤(C)を特定の量を含有する混合物が、意外にも、安定な水系塗料組成物であり、撥水性、耐候性、耐汚染性、耐水性に優れ、低艶な塗膜が形成できることを見い出し、上記の知見に基づいて本発明を完成するに至ったものである。
本発明は、以下の態様を有する。
[1] ヒドロキシル基含有重合性単量体を2〜15質量%含有する(メタ)アクリル系単量体を重合してなる(メタ)アクリル系重合体エマルジョン(A)、シリコーン樹脂水分散体(B)、及びHLBが16〜20である高HLB界面活性剤(C)を含む水系塗料組成物であって、この高HLB界面活性剤(C)を(メタ)アクリル系重合体エマルジョン(A)100質量部に対し0.2〜2質量部含有する水系塗料組成物。
[2] (メタ)アクリル系重合体エマルジョン(A)の粒子径が、110〜250nmである[1]に記載の水系塗料組成物。
[3] (メタ)アクリル系重合体エマルジョン(A)とシリコーン樹脂水分散体(B)の質量比が、80〜20/20〜80の範囲内である[1]又は[2]に記載の水系塗料組成物。
[4] (メタ)アクリル系重合体エマルジョン(A)が、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤の存在下で乳化重合することによって形成される[1]〜[3]のいずれか1項に記載の水系塗料組成物。
[5] [1]〜[4]のいずれか1項に記載の水系塗料組成物の製造方法であって、1)(メタ)アクリル系重合体エマルジョン(A)を形成する工程、並びに2)(メタ)アクリル系重合体エマルジョン(A)、シリコーン樹脂水分散体(B)、及び高HLB界面活性剤(C)を混合する工程をこの順に含む水系塗料組成物の製造方法。
[6] [1]〜[4]のいずれか1項に記載の水系塗料組成物の製造方法であって、1)(メタ)アクリル系重合体エマルジョン(A)を形成する工程、2)(メタ)アクリル系重合体エマルジョン(A)及び高HLB界面活性剤(C)の混合液を作る工程、並びに、3)(メタ)アクリル系重合体エマルジョン(A)と高HLB界面活性剤(C)の混合液にシリコーン樹脂水分散体(B)を混合する工程をこの順に含む水系塗料組成物の製造方法。
本発明による水系塗料組成物は、貯蔵安定性が良く、しかもシリコーン樹脂水分散体(B)を少量のみ用いた場合でも、低光沢で、撥水性、耐水性、耐候性、光沢保持性(外観についての耐久性)、耐汚染性に優れた塗膜を形成することができる。従って、当該水系塗料組成物は、塗料、建材の外壁材又は仕上げ材として、特に塗料用、建材の仕上げ材として有用である。
以下、本発明の水系塗料組成物に含まれる諸成分について、さらに詳細に説明する。
(メタ)アクリル系重合体エマルジョン(A)
本発明の水系塗料組成物において、シリコーン樹脂水分散体(B)と併用される(メタ)アクリル系重合体エマルジョン(A)は、ヒドロキシル基含有重合性単量体を2〜15質量%含有する(メタ)アクリル系単量体を重合してなる(メタ)アクリ系重合体エマルジョンである。(メタ)アクリル系重合体エマルジョンは、安定性が良く、単独では鮮鋭性がある透明な塗膜を形成することが特徴である。しかし、この(メタ)アクリル系重合体エマルジョンとシリコーン樹脂水分散体(B)とを混合してなる水系塗料組成物からは、低光沢かつ半透明な塗膜を得ることができる。また、通常、単独クリアー塗膜の場合、水系塗料組成物におけるヒドロキシル基含有重合性単量体の量が多いほど、塗膜の光沢が上昇することに対し、本発明者は、所定量のヒドロキシル基含有重合性単量体を用いて形成した(メタ)アクリル系重合体エマルジョンをシリコーン樹脂水分散体(B)と混合することによって、得られる塗膜の光沢が低下するという非常に面白い現象を見出した。以下、(メタ)アクリル系重合体エマルジョン(A)を製造する際の使用原料の詳細について説明する。
[ヒドロキシル基含有重合性単量体]
本発明で使用されるヒドロキシル基含有重合性単量体の具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートが挙げられ、これらの群から選ばれた1または2以上を使用することができる。特に好ましくは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートである。これらのヒドロキシル基含有重合性単量体の1種類以上を、(メタ)アクリル系重合体エマルジョンを得るために使用する重合性単量体全体に対して、2〜15質量%用いることが重要である。このような単量体から得られた(メタ)アクリル系エマルジョンを、シリコーン樹脂水分散体(B)と混合することによって、優れた耐水性を有し、低光沢かつ半透明な塗膜を形成することが可能となる。特に耐水性の観点から、ヒドロキシル基含有重合性単量体を3〜10質量%用いることが最も好ましい。
[アルコキシシラン基含有重合性単量体]
(メタ)アクリル系重合体エマルジョンの調製に使用されるアルコキシシラン基含有重合性単量体としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシランなどが挙げられ、これらの群から選ばれた1または2以上を使用することができる。特に好ましくは、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランである。さらに、(メタ)アクリル系重合体エマルジョンを得るために使用する重合性単量体全体に対して、0.1〜10質量%のアルコキシシラン基含有重合性単量体を使用することが好ましい。特に重合安定性、配合安定性、得られる塗膜の耐水性の観点から、0.1〜5質量%が好ましい。
[カルボキシル基含有重合性単量体]
(メタ)アクリル系重合体エマルジョンの調製で使用されるカルボキシル基含有重合性単量体の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸などが挙げられ、これらの群から選ばれた1または2以上を使用することができる。特にアクリル酸とメタクリル酸が好ましい。さらに、(メタ)アクリル系重合体エマルジョンを得るために使用する重合性単量体全体に対して、0.5〜10質量%のカルボキシル基含有重合性単量体を使用することが好ましい。特にシリコーン樹脂水分散体とブレンド後の貯蔵安定性の観点から1〜5質量%が好ましい。
(メタ)アクリル系重合体エマルジョンの調製に使用される上記以外の重合性単量体としては特に限定はなく、例えば(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、ビニルトルエン等の芳香族単量体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、パーチサック酸ビニル等のビニルエステル類、(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類、ブタジエン等が挙げられる。さらに、種々の官能性単量体、例えば(メタ)アクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸グリシジル、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、ジビニルベンゼン、メチルビニルケトンなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、アルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、エチレンオキサイド基の数が1〜100個の(ポリ)オキシエチレンモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)オキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド基の数が1〜100個の(ポリ)オキシエチレンジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルなどが挙げられる。
上記アクリル系重合体エマルジョン(A)が酸性基を有する場合には、該アクリル系重合体エマルジョン(A)の粒子の機械的安定性を向上させるために、中和剤により中和することが望ましい。該中和剤としては、酸性基を中和できるものであれば特に制限はなく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリメチルアミン、ジメチルアミノエタノール、2−メチル−2−アミノ−1−プロパノール、トリエチルアミン、アンモニア水などが挙げられる。これらの中和剤は、中和後の脂肪酸変性アクリル樹脂水分散体のpHが7〜10程度となるような量で用いることが望ましい。
上記アクリル系重合体エマルジョン(A)において、分散樹脂の平均粒子径は、好ましくは110〜250nmであり、特に好ましくは140〜200nmの範囲内であってよい。分散樹脂がこのような平均粒子径を有することによって、シリコーン樹脂水分散体(B)とブレンドする際の貯蔵安定性(保存安定性)が向上すると共に、低光沢の塗膜を得ることができる。
アクリル系重合体エマルジョン(A)の製造方法としては、通常の多段乳化重合法が採用できる。その代表例としては、水中にて乳化剤及び重合開始剤などの存在下で、pHが4以下の状態で、重合性単量体を通常60〜90℃の加温下で乳化重合し、この工程を複数回繰り返し行う方法が挙げられる。
乳化剤としては、特に限定はなく、例えばアニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、両性乳化剤、高分子乳化剤等を使用することができる。例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等の脂肪酸塩や、高級アルコール硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシノニルフェニルエーテルスルホン酸塩、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコールエーテル硫酸塩、スルホン酸基又は硫酸エステル基と重合性の不飽和二重結合を分子中に有するいわゆる反応性乳化剤などのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテルや、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、又は前述の骨格と重合性の不飽和二重結合を分子中に有する反応性ノニオン性界面活性剤などのノニオン性界面活性剤;アルキルアミン塩や、第四級アンモニウム塩などのカチオン性界面活性剤;(変性)ポリビニルアルコールなどが挙げられる。これらの乳化剤は、単独で用いても良いし、数種類を組み合わせて用いても良い。
(メタ)アクリル系重合体エマルジョンを乳化重合する際の重合方法は、単量体を一括して仕込む単量体一括仕込み法や、単量体を連続的に滴下する単量体滴下法、単量体と水と乳化剤とを予め混合乳化しておき、これらを滴下するプレエマルション法、あるいは、これらを組み合わせる方法などが挙げられる。重合開始剤の使用方法は、特に限定されるものではない。
(メタ)アクリル系重合体エマルジョンを乳化重合する際に使用する重合開始剤は、一般的なラジカル開始剤を用いることができる。ラジカル重合開始剤は、熱又は還元性物質等によってラジカルを生成して重合性単量体の付加重合を起こさせるものであり、水溶性又は油溶性の過硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物が含まれる。具体的には、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ハイドロクロライド、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられ、水溶性のものが好ましい。なお、重合速度の促進や低温反応を望む場合には、重亜硫酸ナトリウム、塩化第一鉄、アスコルビン酸、ホルムアルデヒドスルホオキシレート塩等の還元剤を、ラジカル重合開始剤と組み合わせて用いることができる。
(メタ)アクリル系重合体エマルジョンには、例えば、増粘剤、成膜助剤、可塑剤、凍結防止剤、消泡剤、染料、防腐剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を任意に配合することができる。
紫外線吸収剤にはベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系が含まれる。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の具体例としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ステアリルオキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
ラジカル重合性のベンゾフェノン系紫外線吸収剤の具体例としては、2−ヒドロキシ−4−アクリロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メタクリロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−アクリロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−メタクリロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(アクリロキシ−エトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(メタクリロキシ−エトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(メタクリロキシ−ジエトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(アクリロキシ−トリエトキシ)ベンゾフェノンなどが挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の具体例としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α’−ジメチルベンジル)フェニル〕ベンゾトリアゾール)、メチル−3−〔3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネートとポリエチレングリコール(分子量300)との縮合物(日本チバガイギー(株)製、製品名:TINUVIN1130)、イソオクチル−3−〔3−(2H(12)ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネート(日本チバガイギー(株)製、製品名:TINUVIN384)、2−(3−ドデシル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(日本チバガイギー(株)製、製品名:TINUVIN571)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1フェニルエチル)フェノール(日本チバガイギー(株)製、製品名:TINUVIN900)などがある。
ラジカル重合性のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の具体例としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(大塚化学(株)製、製品名:RUVA−93)、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチル−3−tert−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリリルオキシプロピル−3−tert−ブチルフェニル)5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、3−メタクリロイル−2−ヒドロキシプロピル−3−〔3’−(2’’−ベンゾトリアゾリル)−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチル〕フェニルプロピオネート(日本チバガイギー(株)製、製品名:CGL−104)などが挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤の具体例としては、TINUVIN400(製品名、日本チバガイギー(株)製)などが挙げられる。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤が好ましく、その中で塩基性の低いものがより好ましく、塩基定数(pKb)が8以上のものが特に好ましい。光安定剤の具体例としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)サクシネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)2−ブチルマロネート、1−〔2−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピニルオキシ〕エチル〕−4−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートとメチル−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル−セバケートの混合物(日本チバガイギー(株)製、製品名:TINUVIN292)、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、TINUVIN123(製品名、日本チバガイギー(株)製)などが挙げられる。
ラジカル重合性のヒンダードアミン系光安定剤の具体例としては、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルアクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−イミノピペリジルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−イミノピペリジルメタクリレート、4−シアノ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、4−シアノ−1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピペリジルメタクリレートなどが挙げられる。
紫外線吸収剤および/または光安定剤の(メタ)アクリル系エマルジョン中への導入方法としては、乳化重合時に存在させることによってエマルジョン中に導入する方法;紫外線吸収剤および/または光安定剤を成膜助剤などと混合して(メタ)アクリル系重合体エマルジョンに添加することによってエマルジョン中に導入する方法;紫外線吸収剤および/または光安定剤を成膜助剤と混合し、界面活性剤、水を加え乳化させた後、(メタ)アクリル系重合体エマルジョンに添加することによってエマルジョン中に導入する方法が挙げられる。また、紫外線吸収剤と光安定剤を併用すると、それらの相乗効果によって、得られる塗膜は、卓越した耐久性を示し、光沢がさらに低減される。
シリコーン樹脂水分散体(B)
本発明の水系塗料組成物において、(メタ)アクリル系重合体エマルジョン(A)と併用されるシリコーン樹脂水分散体(B)には、オルガノポリシロキサンを乳化剤の存在下で水性媒体中に乳化分散させてなる乳化組成物が包含される。
シリコーン樹脂水分散体(B)を構成するオルガノポリシロキサンは、有機基が結合したケイ素(Si)と酸素(O)とが化学結合で交互に連結した構造の樹脂であり、一般にシリコーンレジン、シルセスキオキサン、シリコーンオイルなどと呼ばれる樹脂が包まれる。
上記オルガノポリシロキサンとしては、塗膜を形成するものであれば特に制限はなく、例えば、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、ジプロピルポリシロキサン、ジブチルポリシロキサン、ジイソプロピルポリシロキサン、ジヘキシルポリシロキサン、ジオクチルポリシロキサン、エチルメチルポリシロキサン、メチルプロピルポリシロキサン、ブチルメチルポリシロキサン、イソプロピルメチルポリシロキサン、ヘキシルメチルポリシロキサン、メチルオクチルポリシロキサン、エチルプロピルポリシロキサン、ブチルオクチルポリシロキサンなどが挙げられる。これらのオルガノポリシロキサンは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の水系塗料組成物は、アクリル系重合体エマルジョン(A)及びシリコーン樹脂水分散体(B)の質量比が80〜20/20〜80の範囲内であることが好ましい。両成分をこのような質量比で用いることによって、高い撥水性を維持しながら、低光沢性、耐水性が優れた塗膜を形成することができる。
高HLB界面活性剤(C)
本発明の水系塗料組成物においては、保存安定性を向上させるために、HLBが16〜20の高HLB界面活性剤が用いられる。特に、この高HLB界面活性剤は、16より大きいHLBを有することが好ましく、18より大きいHLBを有することが更に好ましい。ここで言うHLBは、グリフィンの式(HLB=20×(分子中における親水基の質量比))で算出した値である。好適な界面活性剤は、ポリオキシエチレンアルキル(C12〜15)エーテルである。日本乳化剤株式会社から入手されるNEWCOL(登録商標)界面活性剤が、本発明において特に有用であることが見出された。特に、HLBが16.4のNEWCOL(登録商標)2320、HLBが19.2のNEWCOL(登録商標)2399Sは、最も好ましい。花王株式会社から入手されるHLBが18.3のエマルゲン150も好適である。
本発明の水系塗料組成物においては、アクリル系重合体エマルジョン(A)及びシリコーン樹脂水分散体(B)を安定に分散するために、アクリル系重合体エマルジョン(A)100質量部に対する高HLB界面活性剤の量が0.2〜2質量部であることが求められる。さらに、高HLB界面活性剤の量が、0.5〜1質量部であることが最も好ましい。
本発明の水系塗料組成物の製造方法としては、(メタ)アクリル系重合体エマルジョン(A)を形成し、次いでこの(メタ)アクリル系重合体エマルジョン(A)と、シリコーン樹脂水分散体(B)と、高HLB界面活性剤(C)とを混合する方法が挙げられる。また、別法として、(メタ)アクリル系重合体エマルジョン(A)を形成し、この(メタ)アクリル系重合体エマルジョン(A)と高HLB界面活性剤(C)との混合液を作り、次いでこの混合液にシリコーン樹脂水分散体(B)を混合する方法が挙げられる。(メタ)アクリル系重合体エマルジョン(A)とシリコーン樹脂水分散体(B)と高HLB界面活性剤(C)とを同時に混合する前者の方法によって得られた水系塗料組成物に比べて、(メタ)アクリル系重合体エマルジョン(A)と高HLB界面活性剤(C)との混合液にシリコーン樹脂水分散体(B)を混合する後者の方法によって得られた水系塗料組成物のほうが、貯蔵安定性がより優れている点において好ましい。
本発明によれば、貯蔵安定性が良く、かつ、顔料を使うことなく、撥水性、耐水性、耐候性、耐汚染性に優れた低光沢な塗膜を形成可能な水系塗料組成物が得られる。本発明の水系塗料組成物においては、ヒドロキシル基含有重合性単量体を含む単量体混合物から得た(メタ)アクリル系重合体エマルジョンを用いることによって、少量のシリコーン樹脂水分散体とブレンドするだけで低光沢な塗膜が形成される。更に、少量のシリコーン樹脂水分散体を用いるだけでも、シリコーン樹脂水分散体から形成される塗膜の特徴である撥水性も、格別に優れている。従って、本発明の水系塗料組成物を用いることによって、格段に優れた耐候性、耐汚染性の塗膜を形成することができる。また、この水系塗料組成物においては、(メタ)アクリル系重合体エマルジョン(A)とシリコーン樹脂水分散体(B)とのブレンド組成物に高HLBの界面活性剤を添加することによって、アクリル系重合体エマルジョンとシリコーン樹脂水分散体との相溶性が向上し、増粘、沈降の問題が解決される。高HLBの界面活性剤を用いることによって、上記の水系塗料組成物の経時による貯蔵安定性が良好となる。
以下、具体的な製造例及び実施例によって、本発明をさらに詳細に説明する。本発明は、これらの実施例等によって何ら限定されるものではない。なお、以下に述べる「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。
最初に、(メタ)アクリル系重合体エマルジョン、水系塗料組成物、及び得られた塗膜の物性の評価方法について説明する。
重合安定性の評価
乳化重合後に得られた(メタ)アクリル系重合体エマルジョンを100メッシュの濾布で凝固物を濾過し、その残渣質量を(メタ)アクリル系重合体エマルジョンの質量で割り、残渣率とした。
○ :残渣率が100ppm未満
△ :残渣率が100ppm以上、1000ppm未満
× :多量の凝集物が発生
粒子径の測定
得られた(メタ)アクリル系重合体エマルジョンの平均粒子径を、リーズ&ノースラップ社製のマイクロトラック粒度分布計にて測定した。
(メタ)アクリル系重合体エマルジョンの固形分率
(メタ)アクリル系重合体エマルジョンを105℃にて3時間乾燥させた後の乾燥質量である。より詳細には、予め質量の分かっているアルミ皿に、約1gの(メタ)アクリル系重合体エマルジョンを正確に秤量し、恒温乾燥機で105℃にて3時間乾燥した後、シリカゲルを入れたデシケーター中で、30分放冷後に精秤する。当該物質の乾燥後質量を乾燥前質量で割ったものを固形分率とした。
貯蔵安定性
水系塗料組成物を250mmのポリカップに8分目までに入れ、初期粘度、及び50℃に4週間貯蔵した後の粘度を測定し、粘度変化率(小数点四捨五入)として評価した。ここでの粘度は、東機産業(株)製TVB−10M型粘度計を用い、60rpmにて測定した。
◎;初期粘度に比較し、粘度変化率が20%以下である。
○;初期粘度に比較し、粘度変化率が30%以下である。
△;初期粘度に比較し、粘度変化率が40%以下である。
×;初期粘度に比較し、粘度変化率が41%以上である。
塗膜光沢
水系塗料組成物をワイヤーコーターNo.50を用いて、ABS板に塗布し、100℃、5分強制乾燥させた後、50℃、1週間乾燥させた。乾燥後の塗膜について、光沢計(マイクロトリグロスμ、BYKガードナー社製)にて60°グロス光沢を測定した。
60以上;光沢がある。
50〜59;光沢が少しある。
50以下;光沢がない。
水接触角
この水接触角は、塗膜の撥水性を測る尺度であり、この値が大きいほど撥水性が高い。
水系塗料組成物をワイヤーコーターNo.50を用いて、ガラス板に塗布し、80℃のオーブンに5分放置させた。さらに室温で1日間放置させた後、温度23℃、湿度50%の雰囲気下で水接触角を測定した。水接触角が100度±3であるならば、撥水性が高いと判断する。水接触角を、協和界面科学(株)製CA−X150型接触角測定器にて測定した。
耐水性
水系塗料組成物をワイヤーコーターNo.50を用いて、硫酸アルマイト板に塗布し、80℃のオーブンに5分放置させた。さらに室温で1日間放置させた後、40℃の水に30日間浸漬しその状態を目視にて判定した。判定基準は以下の通りである。○以上を合格とした。
◎;ふくれ、つやびけがまったく見られない。
○;ふくれがややあるが、つやびけは見られない。
△;ふくれがあり、つやびけも見られる。
×;全面がふくれ、つやびけが著しい。
[アクリル系重合体エマルジョン(A)の製造方法]
製造例1
攪拌機、還流冷却器、滴下槽及び温度計を取り付けた反応容器に水505部、アクアロンKH1025(アンモニウム−α−スルホナト−ω−1−(アリルオキシメチル)アルキルオキシポリオキシエチレン:第一工業製薬(株)製)4.4部を投入し、反応容器中の温度を80℃に上げてから、ペルオキソ二硫酸アンモニウムの2%水溶液15部を添加した後、5分後に、メチルメタクリレート(MMA)122部、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)50部、ブチルメタクリレート(BMA)20部、ブチルアクリレート(BA)236部、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)40.75部、メタアクリル酸(MAA)6.25部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2HEMA)25部、アクアロンKH1025を40部、スチレンスルホン酸塩3部、ペルオキソ二硫酸アンモニウム2%水溶液25部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(ダウコーニング・東レ社製のSZ6030)6部、水245部からなる乳化混合液を120分かけて滴下槽から反応容器に投入した。反応系のpHは4以下に維持した。乳化混合液の投入が終了した後、そのまま反応容器の温度は80℃に保った。
次に、メチルメタクリレート(MMA)115.5部、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)20部、ブチルメタクリレート(BMA)11部、ブチルアクリレート(BA)33部、メタアクリル酸(MMA)8部、アクリル酸(AA)2部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2HEMA)10部、ジアセトンアクリルアミド(DAAm)0.5部、NEWCOL707SF(日本乳化剤株式会社製)を7部、ペルオキソ二硫酸アンモニウム2%水溶液10部、水130部からなる乳化混合液を滴下槽から50分かけて投入した。反応系のpHは4以下に維持した。反応容器温度は80℃に保った。投入が終了した後、そのまま80℃で30分保った。
次に、メチルメタクリレート(MMA)76部、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)30部、ブチルメタクリレート(BMA)12.25部、ブチルアクリレート(BA)130部、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)33部、メタアクリル酸(MAA)3.75部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2HEMA)15部、NEWCOL707SFを7部、ペルオキソ二硫酸アンモニウム2%水溶液15部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(ダウコーニング・東レ社製のSZ6030)1部、水143部からなる乳化混合液を70分かけて滴下槽から反応容器に投入した。反応系のpHは4以下に維持した。乳化混合液の投入が終了してから、反応容器の温度は82℃とし、60分攪拌を続けた。その後、室温まで冷却した。冷却後、200メッシュの金網でロ過を行い凝集物等を除去した。ロ過後、25%のアンモニア水でpHを8に調整し、その後、固形分が46%となるよう水を添加し調整した(表1)。
製造例2〜8
ヒドロキシル基含有重合性単量体の量と種類を表1に記載のとおり変更した以外は、製造例1と同様にアクリル系重合体エマルジョンを製造した。製造例2については、ヒドロキシル基含有重合性単量体を未使用である。なお、表1におけるHEAは、2−ヒドロキシエチルアクリレートの略語である。
製造例9
製造例1によるアクリル系重合体エマルジョンに、25%溶液の界面活性剤 NEWCOL 2399S(日本乳化剤株式会社製)を5部添加し、30分間攪拌した(表1)。
製造例10
耐候性向上の目的で、紫外線吸収剤(日本チバガイギー(株)製、製品名:TINUVIN 400)10部、及び光安定剤(日本チバガイギー(株)製、製品名:TINUVIN 123)10部を、製造例1の(メタ)アクリル系重合体エマルジョンを製造する乳化重合時に存在させることにより、これらの添加剤を(メタ)アクリル系重合体エマルジョンに導入した。
製造例11〜17
アクリル系重合体エマルジョンの粒子径をコントロールする目的で、初期界面活性剤の量を表2に記載のとおり変更した以外は、製造例1と同様にアクリル系重合体エマルジョンを製造した。これらの製造例の各々のアクリル系重合体エマルジョンについて、物性評価の結果を表1〜2に示す。
Figure 2011213941
Figure 2011213941
実施例1
製造例1のアクリル系重合体エマルジョン100部と、シリコーン樹脂エマルジョン(旭化成ワッカーシリコーン(株)製WACKER BS45)100部と、HLBが19.2の界面活性剤(日本乳化剤(株)製NEWCOL2399S(表中“Ne−2399S”))0.5部とを配合し、撹拌機を用いて60分間撹拌混合し水系塗料組成物を調製した。
実施例2〜6、8
製造例3〜7、10のアクリル系重合体エマルジョン100部と、シリコーン樹脂エマルジョン(旭化成ワッカーシリコーン(株)製WACKER BS45)100部と、HLBが19.2の界面活性剤(日本乳化剤(株)製NEWCOL2399S)0.5部とを配合し、撹拌機を用いて60分間撹拌混合し水系塗料組成物を調製した。
実施例7
製造例9のアクリル系重合体エマルジョン100部と、シリコーン樹脂エマルジョン(旭化成ワッカーシリコーン(株)製WACKER BS45)100部とを配合し、撹拌機を用いて60分間撹拌混合し水系塗料組成物を調製した。
実施例9〜14
製造例1のアクリル系重合体エマルジョン100部と、シリコーン樹脂エマルジョン(旭化成ワッカーシリコーン(株)製WACKER BS45)100部と、高HLB界面活性剤(HLB16.4の日本乳化剤(株)製NEWCOL2320(表中“Ne−2320”)、HLB18.3の花王(株)製エマルゲン150(表中“Em150”)、又はHLB19.2の日本乳化剤(株)製NEWCOL2399S(表中“Ne−2399S”))とを配合し、撹拌機を用いて60分間撹拌混合し水系塗料組成物を調製した。
実施例15〜19
製造例11〜15のアクリル系重合体エマルジョン100部と、シリコーン樹脂エマルジョン(旭化成ワッカーシリコーン(株)製WACKER BS45)100部と、HLBが19.2の界面活性剤(日本乳化剤(株)製NEWCOL2399S)0.5部とを配合し、撹拌機を用いて60分間撹拌混合し水系塗料組成物を調製した。
実施例20
製造例1のアクリル系重合体エマルジョン160部と、シリコーン樹脂エマルジョン(旭化成ワッカーシリコーン(株)製WACKER BS45)40部と、HLBが19.2の界面活性剤(日本乳化剤(株)製NEWCOL2399S)0.8部とを配合し、撹拌機を用いて60分間撹拌混合し水系塗料組成物を調製した。
実施例21
製造例1のアクリル系重合体エマルジョン120部と、シリコーン樹脂エマルジョン(旭化成ワッカーシリコーン(株)製WACKER BS45)80部と、HLBが19.2の界面活性剤(日本乳化剤(株)製NEWCOL2399S)0.6部とを配合し、撹拌機を用いて60分間撹拌混合し水系塗料組成物を調製した。
実施例22
製造例1のアクリル系重合体エマルジョン80部と、シリコーン樹脂エマルジョン(旭化成ワッカーシリコーン(株)製WACKER BS45)120部と、HLBが19.2の界面活性剤(日本乳化剤(株)製NEWCOL2399S)0.4部とを配合し、撹拌機を用いて60分間撹拌混合し水系塗料組成物を調製した。
実施例23
製造例1のアクリル系重合体エマルジョン40部と、シリコーン樹脂エマルジョン(旭化成ワッカーシリコーン(株)製WACKER BS45)160部と、HLBが19.2の界面活性剤(日本乳化剤(株)製NEWCOL2399S)0.2部とを配合し、撹拌機を用いて60分間撹拌混合し水系塗料組成物を調製した。
比較例1〜7(表3)
表3に記載された製造例の(メタ)アクリル系重合体エマルジョン及び界面活性剤を用いた以外は、実施例1と同様に水系塗料組成物を調製した。表中において、Em108及びEm120は、それぞれ、花王(株)製エマルゲン108(HLB12.1)及びエマルゲン120(HLB15.3)の略語である。
比較例8〜9(表4)
表4に記載された製造例の(メタ)アクリル系重合体エマルジョンを用いた以外は、実施例1と同様に水系塗料組成物を調製した。
参考例1〜3(表4)
表4に記載された(A)成分あるいは(B)成分のみを準備し、これを参考例1〜3とした。
上記のように調製した実施例、比較例及び参考例の各々の水系塗料組成物等について、物性(貯蔵安定性、塗膜の光沢値、水接触角(撥水性)、耐水性)の評価を行った。結果を表3〜4に示す。
Figure 2011213941
Figure 2011213941
表3〜4の結果から、本発明による水系塗料組成物は、貯蔵安定性に優れ、かつ形成された塗膜は、良好な低光沢性、撥水性及び耐水性を有することが分かった。また、実施例7の結果からは、アクリル系重合体エマルジョン(A)に高HLBの界面活性剤(C)を添加して得られる(A)と(C)の混合液に、シリコーン樹脂水分散体(B)との混合することによって調製した水系塗料組成物の貯蔵安定性が、(A)と(B)と(C)とを同時に混合して得られた水系塗料組成物の貯蔵安定性より、さらに良好であることが分かった。
本発明の水系塗料組成物は、貯蔵安定性が良く、且つ、低光沢で、撥水性、耐水性、耐候性、光沢保持性、耐汚染性に優れた塗膜を形成可能であるため、幅広い分野で塗料として好適に用いられる。

Claims (6)

  1. ヒドロキシル基含有重合性単量体を2〜15質量%含有する(メタ)アクリル系単量体を重合してなる(メタ)アクリル系重合体エマルジョン(A)、シリコーン樹脂水分散体(B)、及びHLBが16〜20である高HLB界面活性剤(C)を含む水系塗料組成物であって、この高HLB界面活性剤(C)を(メタ)アクリル系重合体エマルジョン(A)100質量部に対し0.2〜2質量部含有する水系塗料組成物。
  2. (メタ)アクリル系重合体エマルジョン(A)の粒子径が、110〜250nmである請求項1に記載の水系塗料組成物。
  3. (メタ)アクリル系重合体エマルジョン(A)とシリコーン樹脂水分散体(B)の質量比が、80〜20/20〜80の範囲内である請求項1又は2に記載の水系塗料組成物。
  4. (メタ)アクリル系重合体エマルジョン(A)が、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤の存在下で乳化重合することによって形成される請求項1〜3のいずれか1項に記載の水系塗料組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の水系塗料組成物の製造方法であって、1)(メタ)アクリル系重合体エマルジョン(A)を形成する工程、並びに2)(メタ)アクリル系重合体エマルジョン(A)、シリコーン樹脂水分散体(B)、及び高HLB界面活性剤(C)を混合する工程をこの順に含む水系塗料組成物の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の水系塗料組成物の製造方法であって、1)(メタ)アクリル系重合体エマルジョン(A)を形成する工程、2)(メタ)アクリル系重合体エマルジョン(A)及び高HLB界面活性剤(C)の混合液を作る工程、並びに、3)(メタ)アクリル系重合体エマルジョン(A)と高HLB界面活性剤(C)の混合液にシリコーン樹脂水分散体(B)を混合する工程をこの順に含む水系塗料組成物の製造方法。
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