JP2002138252A

JP2002138252A - 珪藻土含有塗料組成物

Info

Publication number: JP2002138252A
Application number: JP2000335924A
Authority: JP
Inventors: Takatoshi Fujino; 隆俊藤野
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 2000-11-02
Filing date: 2000-11-02
Publication date: 2002-05-14

Abstract

(57)【要約】【課題】パネルや壁等の表面に塗着して室内の悪臭の
緩和、化学物質の濃度の減少、害虫の忌避作用が得られ
る珪藻土含有塗料を得る。【解決手段】８００〜９００℃で焼成した珪藻土微粉
末と、結合剤となる樹脂エマルジョン系バインダーとの
混合物からなり、樹脂エマルジョン系バインダーは天然
植物精油と酸化防止剤を含有している。天然植物精油と
して、ヒノキチオール、ヒバ油、アロエエキス、ウコン
エキス、イノシートール、ユビキノンなどを挙げること
ができる。珪藻土が持つ高い吸放湿性能と、天然植物精
油の酵素が持つ活性酸素を除去するという相乗効果で、
結露防止、カビ予防、脱臭、化学物質の除去作用が得ら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ボード、パネル、
家屋の内壁等にローラ塗装、刷毛塗装、吹付け塗装等す
ることにより、上記ボード、パネル、壁等の表面に吸湿
性及び吸着性を備えた表面層を形成するのに用いる珪藻
土含有塗料に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】湿気の多い我が国では、従来より建材と
して木材やイグサ等の繊維質材料が多く用いられてお
り、壁等においては、漆喰、土壁等が多用されてきた。
このような木材、漆喰、土壁等は、湿度の高いときには
空気中の水分を吸収し、湿度が低くなると吸収した水分
を放出して、屋内の湿度を最適な湿度に調整するという
機能を備えており、カビや結露等の発生を抑制するとい
う利点を有している。

【０００３】しかし都市の高密度化に伴う耐火性、消音
性、密閉性、断熱性の要請や、経済性及び耐久性の観点
から、プラスター含有建材等に代表される新建材に移行
しているのが現状である。

【０００４】しかしこれらの建材は、木材や土壁等の利
点である吸湿作用、臭気の吸着作用などに乏しく、我が
国のような湿気の多い気候条件においては、かびの発生
による健康上の被害や結露による器物の損傷などの問題
が生じている。

【０００５】この問題を解決するために、吸湿性の良好
な珪藻土にバインダーとしてコートシーラを加えた組成
物からなる液状塗料を家屋の壁面や天井面に塗布して、
湿度調整機能を発揮させることが行われている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】吸湿性に優れた珪藻土
含有塗料で内壁面や天井面を塗装することにより、カビ
や結露を相当程度防止することができる。しかし気密性
の高い室内には、人の活動に伴って生ずる臭いや用品か
ら発生する化学物質などもこもりやすく、これらが鼻
炎、アレルギー、アトピー性皮膚炎、気管支炎などの原
因になると指摘されている。

【０００７】そこでこの発明は、室内の湿度の調整作用
と共に、臭気や化学物質（ホルムアルデヒド、塩化ビニ
ル、各種溶剤等）の吸着作用を備え、悪臭の緩和、化学
物質の濃度の減少、害虫の忌避作用が得られる珪藻土含
有塗料を得ることを課題としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この発明の珪藻土含有塗
料組成物は、８００〜９００℃で焼成した珪藻土微粉末
と、この珪藻土微粉末の結合剤となる樹脂エマルジョン
系バインダーとの混合物からなり、かつ当該樹脂エマル
ジョン系バインダーには、天然植物精油が添加されてい
ることを特徴とするものである。焼成した珪藻土微粉末
に天然精製珪藻土の微粉末を混合することにより、吸湿
効果を更に向上させることができる。樹脂エマルジョン
系バインダーとしては、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂
のエマルジョンに木材や接着剤の腐食防止、酢酸ビニル
系バインダーの臭気防止のための酸化防止剤を添加混合
したものが好ましい。好ましい天然植物精油として、ヒ
ノキチオール、ヒバ油を挙げることができ、これに混合
する天然植物精油として、アロエエキス、ウコンエキ
ス、イノシートール、ユビキノンを挙げることができ
る。

【０００９】また好ましい上記酸化防止剤として、ペン
ゾトリアゾール系紫外線吸収剤、フラボノイド、オリザ
ノール及びこれらの混合物を挙げることができる。

【００１０】

【作用】珪藻土が持つ高い吸放湿性能と、天然植物精油
の酵素が持つ活性酸素を除去するという相乗効果で、結
露防止、カビ予防、脱臭、化学物質（ホルムアルデヒ
ト、ＶＯＣガス）による刺激臭などが除去され、室内の
空気が浄化され、調湿性、脱臭性、断熱性に優れてい
る。塗装した壁面は自然な土壁のイメージを表現でき、
住みやすく風土感を持つ室内空間が得られる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下にこの発明の珪藻土含有塗料
組成物の一実施例を示す。この実施例の珪藻土含有塗料
組成物は、珪藻土、樹脂エマルジョン系バインダー及び
接着増強安定剤の混合物である。

【００１２】珪藻土は、シリカを８５％〜９５％含む能
登産珪藻土を使用し、８００℃〜９００℃で焼成して平
均粒度１４０メッシュの微粉末とした。得られた珪藻土
微粉末は、１４０メッシュの粒子に１００を越す孔室が
ある多孔質セラミックスである。

【００１３】樹脂エマルジョン系バインダーは、イオン
水と接着剤とを、イオン水１４リットルに対して接着剤
４リットルを混合し、更に接着剤重量に対して、天然植
物精油の混合液２重量％と酸化防止剤の混合液２重量％
とを添加したたプレミックス液である。

【００１４】ここでイオン水は、ポリオキシエチレン系
非イオン活性剤２％を含有する活性イオン水である。こ
の実施例のイオン水は、磁気力（ネオジウム磁石）と電
気石（トルマリン磁鉱石）からなる円形状の筒に水道水
を通過させることにより、クラスターが小さく、酸化を
抑制し、活性酸素を増加させない水としたものである。

【００１５】実施例に使用した接着剤は、エチレン酢酸
ビニル共重合樹脂系（ＥＶ系）で、外観は乳白色、固形
分は４５±１％、ｐＨは６±１、２５℃における粘度は
１０００＋３００ｍＰａ・Ｓ、比重は１．０＋０．１で
ある。

【００１６】天然植物精油の混合液は、上記イオン水８
５重量％、ヒバ油３重量％、ヒノキチオール１重量％、
エチレン酢酸重合樹脂７重量％、アロエエキス２重量
％、ウコンエキス２重量％の混合液である。

【００１７】酸化防止剤の混合液は、上記イオン水８５
重量％、ペンゾトリアゾール系紫外線吸収剤３重量％、
ポリオキシエチレン系非イオン活性剤２重量％、フラボ
ノイド２重量％、オリザノール３重量％、イノキシオー
ル２重量％、ユビキノン２重量％、テルペン１重量％の
混合液である。

【００１８】上記プレミックス液に接着増強安定剤剤と
して、アルギン酸ナトリウム（上記プレミックス液に対
して１重量％）、酸化チタン（同上１．５％）、生石灰
（同上３％）を添加した。アルギン酸ナトリウムは、珪
藻土微粉末との混合により接着剤の練性が向上し、酸化
チタンは、接着剤と珪藻土微粉末との接着効果を増強す
る。生石灰は、接着後の表面硬化作用を有するが、添加
しなくても実用上問題を生じない。

【００１９】珪藻土微粉末は、施工時に上記樹脂エマル
ジョン系バインダーと混合する。施工方法としては、使
用前によく撹拌した樹脂エマルジョン系バインダー１リ
ットルに珪藻土微粉末を３００ｇ混合した後、３分間撹
拌し、その後ローラー掛け、刷毛塗り、又はエアーガン
での吹き付け塗装を行なう。

【００２０】施工対象としては、シューズボックス、、
通気性の悪い押入れ、コンクリート壁の倉庫など、臭気
や湿気が溜まりやすい空間の壁面に施工すると特に効果
的である。その他、内壁や天井面のクロス施工の下地塗
装、石こうボードの表面塗装、木材の防腐塗装、フロー
リングの下地塗装、コンパネ等の補助資材の防腐塗装、
床下、コンクリートの害虫忌避塗装などに好適である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ｃ０９Ｄ 191/00 Ｃ０９Ｄ 191/00

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】焼成した珪藻土微粉末と樹脂エマルジョ
ン系バインダーとを混合してなる珪藻土含有塗料におい
て、樹脂エマルジョン系バインダーに天然植物精油が添
加されていることを特徴とする、珪藻土含有塗料組成
物。
【請求項２】樹脂エマルジョン系バインダーがエチレ
ン酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョンであり、当該バ
インダーに酸化防止剤が添加されており、天然植物精油
は複数種の天然植物精油の混合液であることを特徴とす
る、請求項１記載の珪藻土含有塗料組成物。