JP3109580U - パネル、該パネルを使用した室内用建材および家具 - Google Patents

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Abstract

【課題】室内のホルムアルデヒド等の有害物質を吸着するパネル、該パネルを使用した室内用建材、家具を提供する。
【解決手段】パネル1aは、板材110と、炭粉末含有塗料120と、花筵130aにより構成されている。基材である板材110は、木材により形成されており、その表面には炭粉末含有塗料120が塗装されている。炭粉末含有塗料120は、塗装後の塗料表面に木炭の粉末が露出するよう設けられている。花筵130aは、藺草により織成されており、板材110に塗装された炭粉末含有塗料120の上から貼り付けられている。
【選択図】 図1

Description

本考案はパネル、該パネルを使用した室内用建材および家具に係り、更に詳しくは、基材の表面等に木炭粉末を含有する塗料を塗装し、該塗装面に筵等を貼り付けたパネル等に関する。
建築物に関する問題の一つとして、建材に含まれる合成化学物質が揮発し、人体に取り込まれて起きる、いわゆるシックハウス症候群が挙げられる。上記症候群は、建材や家具等に使用される接着剤等に含まれるホルムアルデヒド等が原因の一つといわれている。
シックハウス症候群は社会的な問題となり、改正された建築基準法において、ホルムアルデヒド等を含む建材等の規制を行う等の対策が講じられ始めている。
しかし、改正建築基準法は平成15年7月からの施行であり、施行前に建築された建物や家具には、上記ホルムアルデヒド等を含む建材等が既に使用されている場合がある。このため、現在でもシックハウス症候群の問題は解決済みではない。
一方、上記シックハウス症候群の対策として、炭を室内に置く等の方法が挙げられる。炭は、ホルムアルデヒドを吸着する作用がある物質として、近年注目されている。
他方、藺草製品も、シックハウス症候群改善効果を奏するものとして挙げられる。藺草は、ホルムアルデヒド、二酸化窒素を吸着する作用を有する素材として、近年注目されている。
そこで、本願考案者は、上記素材を活用し、建材等に含まれるホルムアルデヒド等の化学物質を吸着させることによって室内で生活等する者の健康を守り、かつ、見栄えのよい室内空間を構成する部材を提供できないかと思料し、本願考案に想到した。
また、改正建築基準法では、火災対策として、建築物の用途や規模などに合わせて不燃或いは難燃の内装材を使用する義務を課している。
そこで、本願考案者は、前述の考案に不燃性または難燃性を付加した部材を提供できないかと思料し、本願考案に想到した。
(考案の目的)
本考案の目的は、室内のホルムアルデヒド等の有害物質を吸着するパネルを提供することにある。
また、本考案の他の目的は、難燃性を備える上記パネルを提供することにある。
更にまた、本考案の他の目的は、上記パネルを使用した室内用建材、家具を提供することにある。
上記目的を達成するために講じた本考案の手段は次のとおりである。
第1の考案にあっては、
木炭粉末を含有する塗料を、板状に形成された基材の表面または裏面あるいは表裏両面に塗装しており、
上記塗料は、塗装後の塗料表面に木炭の粉末が露出するよう設けられており、
塗料塗装面には、花筵、畳表または筵を貼り付けていることを特徴とする、
パネルである。
第2の考案にあっては、
花筵、畳表、筵の素材は、藺草であることを特徴とする、
第1の考案に係るパネルである。
第3の考案にあっては、
花筵、畳表、筵の表面に光触媒塗料を塗装していることを特徴とする、
第1または第2の考案に係るパネルである。
第4の考案にあっては、
花筵、畳表、筵は、難燃性を有し、
基材は、不燃性または難燃性を備えていることを特徴とする、
第1、第2または第3の考案に係るパネルである。
第5の考案にあっては、
第1、第2、第3または第4の考案に係るパネルを使用することを特徴とする、
室内用建材である。
第6の考案にあっては、
第1、第2、第3、第4または第5の考案に係るパネルを構成材として使用することを特徴とする、
家具である。
本考案において、花筵、畳表、筵は、基材に係る塗料塗装面の全部に貼り付けてもよいし、塗装面の一部が露出するよう貼り付けてもよい。
また、花筵、畳表、筵は、無地無着色であってもよいし、色彩を施したり、複数種類の花筵等を組み合わせたり、花筵等の一部を切欠する等の装飾を施したものであってもよい。
本考案において、「塗装」は、木炭粉末を含有する塗料、光触媒塗料等の塗料を、刷毛や吹付その他公知の方法で塗ることを意味する。
本考案において、光触媒塗料としては、例えば、二酸化チタンまたはそれと同様の効果を奏する物質を含む塗料が挙げられる。
本考案において、花筵、畳表、筵は、難燃性を付加する加工方法としては、例えば、花筵、畳表、筵の表面に難燃効果を付加する塗料を塗装したり、または、花筵、畳表、筵を難燃効果を付加する液体に浸漬させ、乾燥させた後に基材に貼り付ける等の加工が挙げられる。
また、上記塗料あるいは液体は、筵等に付加することにより難燃性が向上する効果が認められる薬品、例えば、リン系難燃剤、臭素系難燃剤、塩素系難燃剤、その他水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、ホウ酸等その他同様の効果を奏する物質を溶質とする溶液等が挙げられる。
本考案において、基材に不燃性または難燃性を付加する加工方法としては、例えば、木製の基材表面に難燃効果を付加する塗料或いは難燃効果を付加する液体を塗装したり、または、上記基材を難燃効果を付加する液体に浸漬させ、乾燥させて使用する等の加工が挙げられる。
また、基材は、前述の難燃剤等を混合して形成した合成樹脂製のものであってもよいし、基材を金属、コンクリート、ガラス、モルタルなど不燃材料、木毛セメント板、石膏ボードなど不燃材料に準ずる防火性能をもつ準不燃材料、難燃合板、難燃木材、難燃プラスチック板等の火災初期に燃えにくく有害なガスを発生しない難燃材料等で形成したものであってもよい。
本考案において、「室内用建材」は、例えば、壁材、床材、天井材、柱材、間仕切り、建具、またはこれらの組み合わせ、あるいはこれらの部材の一部等であってもよい。
また、本考案に係るパネルを使用する室内用建材の材質は、紙材、木材、竹材、石材、金属材、布材等その他の公知部材、またはこれらを組み合わせたものであってもよい。
本考案において、「家具の構成材」は、家具の全部または一部であってもよい。
(作 用)
板状に形成された基材の表面または裏面あるいは表裏両面に、木炭粉末を含有する塗料を塗装し、塗料塗装面に花筵、畳表、筵を貼り付けたパネルを、室内用建材または家具の構成材として使用する。
該パネルに係る木炭粉末を含有する塗料は、塗装後の塗料表面に露出した木炭の粉末が室内の湿度を調整し、脱臭し、有害化学物質を吸着する。また、該パネルに係る花筵、畳表、筵は通気性を有するため、上記作用を阻害せず、見た目のまとまりをよくする。
また、上記パネル表面に藺草を織成した花筵、畳表、筵を貼り付けたものは、藺草がホルムアルデヒドおよび二酸化窒素等の有害化学物質を吸着する。
上記パネルに係る花筵、畳表、筵の表面に光触媒塗料を塗装しているものは、光触媒塗料の作用により室内を消臭し、花筵等の表面に付着した有機物等を分解する。
花筵、畳表、筵が難燃性を備え、基材が不燃性または難燃性を備えるよう加工したパネルは、火災時に該パネルへの着火或いは延焼を遅らせる。
上記作用により、本考案に係るパネル、該パネルを使用した室内用建材、または該パネルを構成材として使用した家具は、これらが設置された部屋の空気を浄化する。
本考案に係るパネルは、基材の表面または裏面あるいは表裏両面に木炭粉末を含有する塗料が塗装されており、該塗料の塗装面に露出した木炭の粉末は、湿度を調整し、脱臭し、有害化学物質を吸着する効果を有する。なお、塗料塗装面に貼り付けた花筵、畳表、筵は通気性を有するため、上記効果を阻害せず、見た目のまとまりもよい。
また、藺草で形成された花筵、畳表、筵は、ホルムアルデヒドの吸着、二酸化窒素の浄化効果を有するため、上記木炭粉末を含有する塗料の効果に加えて、有害化学物質等の吸着、浄化効果を更に高める。
花筵、畳表、筵の表面に光触媒塗料を塗装しているパネルは、消臭、抗菌効果を有するため、更なる相乗効果により室内の空気を浄化する。
また、光触媒塗料の働きにより、花筵等の表面が汚れにくくなる。
花筵、畳表、筵が難燃性を備え、基材が不燃性または難燃性を備えるよう加工したパネルは、火災時に該パネルへの着火或いは延焼を遅らせるので、居住者等の避難時間を確保し、消火活動開始までの時間を稼ぐことができる。また、改正建築基準法の基準に適合する。
上記パネルを使用した室内用建材により形成された室内は、上記効果により空気が浄化され、快適な空間となる。
また、上記パネルを構成材として使用した家具についても、上記効果を奏するため、該家具を設置した部屋は、空気が浄化され、快適な空間となる。
本考案の実施の形態を図面に基づき更に詳細に説明する。
図1は、第1の実施の形態に係るパネルであり、丸で囲んだ部分はパネルの一部を拡大した斜視説明図である。
図1に係るパネル1aは、板材110と、炭粉末含有塗料120と、花筵130aにより構成されている。
基材である板材110は、木材により形成されており、その表面には炭粉末含有塗料120が塗装されている。
炭粉末含有塗料120は、塗装後の塗料表面に木炭の粉末が露出するよう設けられている。
花筵130aは、藺草により織成されており、板材110に塗装された炭粉末含有塗料120の上から貼り付けられている。
(作 用)
図1を参照して、本実施の形態で示すパネル1aの作用を説明する。
パネル1aに係る炭粉末含有塗料120は、塗装後の塗料表面に露出した木炭の粉末が室内の湿度を調整し、脱臭し、有害化学物質を吸着する。また、パネル1aに係る花筵130aは通気性を有するため、上記作用を阻害せず、見た目のまとまりをよくする。
なお、花筵130aの構成材である藺草も、ホルムアルデヒド、二酸化窒素を吸着する。その結果、空気を浄化する。
図2は、第2、第3、第4の実施の形態に係るパネルの一部を拡大した斜視説明図である。図面に基づき、第2ないし第4の実施の形態に係るパネルについて説明する。
図2(A)は、第2の実施の形態に係るパネル1bの一部を拡大した斜視説明図である。
該パネル1bは、第1の実施の形態に係るパネル1aとほぼ同様の構造であるが、裏面にも炭粉末含有塗料120が塗装されている点が相違する。
図2(B)は、第3の実施の形態に係るパネル1cの一部を拡大した斜視説明図である。
該パネル1cは、第1の実施の形態に係るパネル1aとほぼ同様の構造であるが、パネル1c表面に貼り付けられた花筵130bの所要箇所に複数の切欠部131が形成されており、該切欠部131から炭粉末含有塗料120が露出している点が相違する。
図2(C)は、第4の実施の形態に係るパネル1dの一部を拡大した斜視説明図である。
該パネル1dは、板材110の表裏両面に炭粉末含有塗料120を塗装し、花筵130aを貼り付けたものである。
(作 用)
図2(A)ないし(C)を参照して、第2ないし第4の実施の形態に係るパネル1bないし1dの作用を説明する。
図2(A)に係るパネル1bは、第1の実施の形態に係るパネル1aの作用に加え、裏面に塗装した炭粉末含有塗料120も前述の通り湿度を調整し、脱臭し、有害化学物質を吸着する。
図2(B)に係るパネル1cは、第1の実施の形態に係るパネル1aの作用に加え、切欠部131から露出した炭粉末含有塗料120面は直接空気に触れるため、前述のような湿度調整、脱臭、有害化学物質吸着効果が高まる。
また、パネル1cは、花筵130bに形成された各切欠部131は模様を構成し、審美的効果を奏する。
図2(C)に係るパネル1dは、第1の実施の形態に係るパネル1aの作用に加え、裏面に設けられた花筵130aおよび塗装した炭粉末含有塗料120も前述の通り湿度を調整し、脱臭し、有害化学物質を吸着する。
また、表面と同様に、裏面も花筵131aによる審美的効果を奏するので、建具に好適である。
なお、図面は省略するが、図2(B)に係るパネル1cの裏面にも炭粉末含有塗料120を塗装してもよいし、塗装面の上に花筵130aあるいは花筵130bを貼り付けてもよい。
また、第3の実施の形態に係るパネルでは、炭粉末含有塗料の塗装面が露出するよう切欠部を形成しているが、切欠部に代えたもの、例えば、異なる方向から所要の幅の花筵を重ね、花筵の隙間から炭粉末含有塗料の塗装面が露出するよう形成したもの等であってもよい。
図3は、第4の実施の形態に係るパネルを使用した建具の斜視図である。
図3に示す建具2は、建具枠体210とパネル1dから構成されている。
建具2に係る建具枠体210は、建具2の周縁および高さ方向中央を横方向にわたって形成されている。
建具枠体210に囲まれた上下各空間には、パネル1dがそれぞれ設けられている。
(作 用)
図3を参照して、本実施の形態で示す建具2の作用を説明する。
建具2に設けられたパネル1dは、第4の実施の形態に係るパネル1dの作用
と同じく、表面と裏面に設けられた花筵130aおよび塗装した炭粉末含有塗料120は、湿度を調整し、脱臭し、有害化学物質を吸着する。
また、花筵131aは審美的効果を奏する。
なお、本実施の形態では建具にパネル1dを設けているが、これに限定するものではなく、パネル1a、1bあるいは1cを使用してもよい。
第1ないし第4の実施の形態に係るパネルでは、基材として木製の板材を使用しているが、これに限定するものではなく、紙材、竹材、合成樹脂、金属、コンクリート、ガラス、モルタル、木毛セメント板、石膏ボードまたはこれらを組み合わせたもの等の板材であってもよい。
また、基材は、不燃性または難燃性を備えるよう加工を施したものであってもよいし、基材を不燃材料、不燃材料に準ずる防火性能をもつ準不燃材料、火災初期に燃えにくく有害なガスを発生しない難燃材料等で形成したものであってもよい。
第1ないし第4の実施の形態では、藺草により織成した花筵を使用しているが、これに限定するものではなく、例えば、蒲、藁、竹、木などで織成したものであってもよい。また、上記花筵に代えて、蒲、藁、竹、木などで織成した畳表、筵等であってもよい。
また、上記花筵等は、表面に光触媒塗料を塗装する加工したものであってもよいし、難燃性を備えるよう加工したものであってもよい。
本明細書で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本考案の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。
第1の実施の形態に係るパネルであり、丸で囲んだ部分はパネルの一部を拡大した斜視説明図。 第2、第3、第4の実施の形態に係るパネルの一部を拡大した斜視説明図。 第4の実施の形態に係るパネルを使用した建具の斜視図。
符号の説明
1a パネル
1b パネル
1c パネル
1d パネル
110 板材
120 炭粉末含有塗料
130a 花筵
130b 花筵
131 切欠部
2 建具
210 建具枠体

Claims (6)

  1. 木炭粉末を含有する塗料を、板状に形成された基材の表面または裏面あるいは表裏両面に塗装しており、
    上記塗料は、塗装後の塗料表面に木炭の粉末が露出するよう設けられており、
    塗料塗装面には、花筵、畳表または筵を貼り付けていることを特徴とする、
    パネル。
  2. 花筵、畳表、筵の素材は、藺草であることを特徴とする、
    請求項1記載のパネル。
  3. 花筵、畳表、筵の表面に光触媒塗料を塗装していることを特徴とする、
    請求項1または請求項2記載のパネル。
  4. 花筵、畳表、筵は、難燃性を有し、
    基材は、不燃性または難燃性を備えていることを特徴とする、
    請求項1、2または請求項3記載のパネル。
  5. 請求項1、2、3または請求項4記載のパネルを使用することを特徴とする、
    室内用建材。
  6. 請求項1、2、3、4または請求項5記載のパネルを構成材として使用することを特徴とする、
    家具。
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JP2015226840A (ja) * 2015-08-11 2015-12-17 永大産業株式会社 システムキッチンのベースキャビネット

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